スバル――ヒコーキ野郎が作ったクルマ
小澤征爾がヨーロッパ横断したラビットスクーター、日本最古の人気国民車「スバル360」、スバリストが愛するレガシィと四輪駆動と水平対向エンジン、国内でも大人気のレヴォーグ、アメリカで高評価のアウトバック、最新安全技術のアイサイト……原点はすべて「中島飛行機」にあった。
【目次抜粋】
プロローグ
第一章 富嶽
第二章 ラビットスクーター
第三章 スバル360
第四章 水平対向エンジン
第五章 四輪駆動
第六章 田島と川合
第七章 業界の嵐
第八章 アメリカ
第九章 マリー技師の教え
第十章 LOVE
第十一章 アメリカも変わった
第十二章 百瀬晋六の言葉
長いあとがき
SUBARU 円安による採算改善期待
減産ペースも緩和見通し
18日の東京株式市場でSUBARU(スバル)株が一時、前週末比63円(3%)高の2363円と約1年3カ月ぶりの高値を付けた。為替相場の円安・ドル高による採算改善期待が追い風となった。
北米スバル、9月のセールスは、半導体の供給不足で急ブレーキ
スバル宇都宮製作所で9月3日に実施された新型コロナウイルスワクチンの職域接種で、ワクチンが適切な接種量を下回ったり、使用済み注射針が使われたりしていた可能性が高いと、スバル本社(東京都)が発表した。
同社は3日に接種を受けた従業員や関連会社員ら323人に対し、抗体検査をする。トラブルにともなう体調不良者はいないという。同社は「医療機関の不注意によるミスが起きた可能性が高い」としている。
SUBARUの水平対向エンジンは果たして生き残れるのか!?
■スバルのエンジン戦略、地域戦略を斬る!
ここにきてスバルが日本市場にもパワフルなエンジンを投入し始めた。新型BRZに搭載されているFA24は先代より大幅にパワーアップした235ps。そして275psを発生するFA24ターボも、新型WRX S4だけでなくレヴォーグへ追加搭載されるという。一方、我が国は2030年代半ばにエンジン搭載車の販売を終了するという動きもある。 スバルのエンジン戦略はどうなっているのだろうか?さて、パワーユニットの行方に影響を与える要因を挙げるなら、燃費規制(CAFE=企業平均燃費)とカーボンフリーのふたつになる。前者についていえばエンジン車を販売しつつ、二酸化炭素を排出しない電気自動車の投入で平均燃費を向上させていけばよい。後者は電気自動車一択。 もうひとつの要因がある。地域戦略だ。欧州市場に対応するとなれば、直近だと電気自動車+PHVの投入しか方法がない。アメリカ市場は緩く、最も厳しいカリフォルニア州+12州で2035年のエンジン搭載車新車販売を禁止する動きを見せているのみで、バイデンさんの大統領令も「2030年までは50%を電気自動車に」。半分はエンジン車でOK。 そして我が国だけれど、欧州とアメリカの中間をイメージしていただければいい。2030年代半ばに新車でエンジン搭載車を買うことはできなくなるが、それまでの間についちゃ燃費規制をクリアできていれば自由。つまり、欧州のように電気自動車を販売しなければならないが、それによって平均燃費がよくなればエンジン搭載車を売ってもいい。 このふたつを考えれば自動的にパワーユニット戦略は決まってくる。現在スバルにとってダントツの稼ぎ頭になっているアメリカ市場を見ると、すぐ電気自動車という流れになっていない。むしろ直近についていえばパワー競争という雰囲気。だからこそスバルは大半の車種にFA24ターボ搭載モデルをラインナップしている。 アメリカも2050年くらいまでにはカーボンフリーなんだろうけれど、少なくとも今後10年くらい普通にFA24ターボを販売できると思う。EJ系のエンジンは1989年から30年間改良しながら使ってきた。FA24も改良を加えつつ(ハイブリッドにはならない)エンジン車販売禁止までスバルの主力エンジンになることだろう。 日本市場はどうか?スバルの動きを見ると、2022年にデビュー予定のソルテラ(電気自動車)の投入で平均燃費を向上させようとしている。なかなかの自信作らしく、長い航続距離だけでなく、エンジン車と比較できるようなコストパフォーマンスも持っているらしい。このクルマを日本と欧州で相当数売る計画なんだろう。 とはいえソルテラだけだとCAFEのクリアは難しいと思う。そこで登場するのが、新開発フルハイブリッドのCB18と予想しておく。CB18のスペックを見ると、インプレッサや先代レヴォーグなどのFB型より圧倒的に前後超が短い。確保したスペースにCVTより少し大きいTHS(トヨタ式ハイブリッド)を組み込む。 CB18エンジンを使う縦置き式のTHSですね。初搭載は2023年にもフルモデルチェンジされるインプレッサやXVになると思われる。このパワーユニット、電池搭載量を増やすことでPHVとすることが簡単にできてしまう。CB18のハイブリッドを出せば、電気自動車と合わせ日本の厳しいCAFEもクリアできる見通し。 そのまま2030年代のエンジン車販売終了までFA24とCB18は残るに違いない。CAFEに余裕ができればレヴォーグやWRX S4だけでなく、アウトバックのようなモデルにもFA24ターボを搭載できるだろう。2030年代中盤以降、日本と欧州、そしてアメリカも電気自動車がメインになるが、これはトヨタとの提携で答えを見つけていくだろう。 欧州市場は電気自動車とハイブリッド、PHVを混ぜながら欧州CAFEをクリアしていく。上記3つのパワーユニットさえあれば、世界中の規制に対応していける。オーストラリアやホンのわずかの台数ながら東南アジア、中国を含む新興国で売る場合も、FAエンジン群を含め幅広いパワーユニット戦略を展開できると思う。 唯一の問題になってくるのがブランド戦略。古今東西、モータースポーツに対して果敢に切り込んでいかないかぎりブランドなど作れない。ということを何より知っているのがWRCのチャレンジで一躍世界のTOPブランドになったスバルである(忘れちゃってる?)。どのパワーユニットでモータースポーツに取り組むのか、残念ながらまったく見えてこない。 ブランドイメージを作れなければ、どんなに万全なパワーユニット戦略を立ててもクルマは売れないと思う。その点、トヨタをしっかり見習ったほうがよい。 唯一の希望が開発中と言われている新型WRX STIかもしれない。400ps超の エンジンを作って搭載したらインパクトあります。とはいえスバルにはWRCが 似合うのではなかろうか。
変化の激しい現在、多様性を認めることが競争力を高める重要なカギ――SUBARU IT戦略本部 情報システム部長 辻裕里氏
SUBARU、国内工場の稼働停止を再延長
SUBARUは17日、国内工場の稼働停止期間を再び延長すると発表した。部品の供給に支障が出ているため。
対象は完成車を手掛ける群馬県の本工場と矢島工場、エンジンとトランスミッションを製造する大泉工場。6日に停止期間を17日まで延長すると発表していたが、22日までの合計12稼働日に再延長する。現時点で、操業再開予定は9月23日としている。
トヨタ自動車とSUBARU、資本提携で共同開発が円滑に
企業統治(コーポレートガバナンス)や資本効率の観点から株式持ち合いに投資家から厳しい視線が注がれる中、トヨタ自動車など一部の国内自動車メーカーは資本提携を通じた「仲間づくり」を推進してきた。その1社であるSUBARU(スバル)は資本関係があることで新車の共同開発という難しい作業が円滑になるなどのメリットもあると考えている。
トヨタとの共同開発で7月に国内で発売されたスバルの新型スポーツカー「BRZ」の開発総責任者である井上正彦プロジェクト・ゼネラル・マネージャーは、資本提携により両社が胸襟を開いて開発に必要な情報を共有することが可能になったと強調する。
業務提携の頃より連携が進む
トヨタとスバルは以前から業務提携の関係で、初代のトヨタ・86とBRZの共同開発に加え、受託生産や車両供給などで連携してきた。2019年に資本提携に踏み切って関係はさらに深まった。
自動車メーカーごとに部品などの採用基準が異なり、持ち寄る技術を開示できない点にも共同開発の難しさはある。資本提携前の開発では技術情報などで「トヨタ側が開示できない領域」が残る中、両社の連携が思うように進まないこともあったという。
井上氏は一例として、スバルがトヨタからハイブリッドシステムの供給を受けて米国で販売する「クロストレック(日本名:XV)」のプラグインハイブリッド車(PHV)を挙げる。この車では結局、「ほぼほぼモーターしかトヨタから供給を受けていなくて、あとは全部外で作っている」と指摘。「うまくアレンジして使った」ものの、効率の悪さは明らかだった。
井上氏は、資本提携後は両社の開発チームが議論する際に「ちょっと踏み込めるようになっていった」とし、双方の事情を率直に相手に伝え、お互いが妥協できる部分は譲歩して開発を進めるスタイルができていったと述べた。
SUBARU/国内3工場の操業停止期間を延長、部品供給不足
SUBARUは9月6日、群馬製作所 本工場、矢島工場、大泉工場の操業停止期間を延長すると発表した。
3工場では取引先からの部品の供給不足を理由に9月7~10日の4稼働日の操業停止を予定していたが、部品の供給状況を踏まえて操業停止期間を9月7~17日までの9稼働日に延長した。
スバル“太っ腹”、地元群馬の若者に XV 贈呈---ワクチン接種後押し[新聞ウォッチ]
JR渋谷駅近くの事前予約が不要な新型コロナウイルスの若者向けワクチン接種会場では希望者が殺到して、早朝から長蛇の列ができ、一時は約1km離れたJR原宿駅付近まで行列が続いたという。
感染力の高いデルタ株の感染爆発で自宅療養中に亡くなる人も増えており、感染対策に有効な手段とみられているワクチン接種を早く済ませたい気持ちはよくわかる。それにしても、東京都が1日に準備したワクチンは、わずか200人とか300人分と聞いて一桁も二桁も違うのではないのかと、耳を疑った。しかも、先着順から慌てて抽選制に変更したのも、いかにも想定の甘さとその場しのぎの“お役所”らしい対応だ。
一方で、若年層を中心に接種をためらう人も少なくないようで、自治体や企業などではワクチン接種者への優遇策を打ち出す動きが広がっているという。きょうの読売が総合面の「スキャナー」で「『特典』で接種後押し、コロナ収束と経済回復狙い」とのタイトルで詳しく取り上げている。
それによると、なかでも目玉景品で若年層の関心を引くのは群馬県だそうだ。県内に工場があるSUBARU(スバル)の寄付を受け、ワクチンを2回接種した 20~30代の県民から抽選で1人に小型スポーツ用多目的車(SUV)の『XV』をプレゼントするほか、100人に5万円分、250人に2万円分の県内旅行券も贈るという。
また、愛知県は、10月末までに2回の接種を終えた20~30歳代の若者を対象に、抽選で2万人に1万円分の食事券を配布するなど、工夫を凝らした「特典」で若者の接種を呼び掛けている。だが、ワクチン不足による自治体や職場接種の遅れやモデルナ製のワクチンに異物が混入する事例も発覚するなど、「集団免疫」の達成までに足を引っ張る出来事も気になるところだ。
2021年8月30日付
●給油所維持へ補助金、店舗集約や経営多角化、経産省が概算要求(読売・2面)
●「特典」で接種後押し、抽選で車・旅行券・飲食割引(読売・3面)
●リニア整備、暗礁抜け出せず、準備工事着手1年以上遅れ、JR東海「ルート変更ない」(産経・5面)
●内閣支持率34%横ばい、コロナ対策「評価せず」64%、本社世論調査(日経・1面)
●社説、自動運転は安全向上を第一に(日経・2面)
●さよならセダン、幸せの車は、身の丈の実用SUV、究極は「走るリビング」(日経・11面)
●自動運転の事故、誰の責任、遅れる法整備、企業の開発に影響も(日経・17面)
●池袋暴走来月2日地裁判決、過失の有無巡り対立、「誤ってアクセル踏む」検察側、「経年劣化で車に異常」弁護側
SUBARU/部品調達に支障、国内4工場を一時操業停止
SUBARUは9月1日、取引先からの部品調達で一部供給に支障が出る見込みとなったことを受けて、国内生産拠点の操業を一時停止すると発表した。
完成車工場である群馬製作所 本工場と矢島工場、エンジン・トランスミッションを製造する大泉工場の3拠点について、9月7~10日の4稼働日の間、操業を停止する。
SUBARU「フォレスター」を大幅改良 - 新エクステリアを採用し、足回りを強化
SUBARUはこのほど、「フォレスター」大幅改良モデル(日本仕様車)を発表した。
2018年6月に発表した第5世代の「フォレスター」は、同社が最量販車種と位置づけるグローバル戦略車。乗る人すべてが愉しく快適な空間を共有できるよう、取り回しのよさと室内の広さを両立したパッケージング、SUVらしいたくましさや機能的で使いやすさが感じられるデザインを採用した。
今回の大幅改良では、同社のデザインコンセプト「DYNAMIC×SOLID」をより進化させる「BOLDER」思想を取り入れたフロントフェイスや新デザインのアルミホイールを採用。よりSUVらしい、迫力のある仕様とした。
走行性能では全グレードで足回りを改良し、しなやかさとスポーティさを高い次元で両立。さらにアダプティブ変速制御「e-アクティブシフトコントロール」をe-BOXER搭載車全グレードに拡大展開する。
安全性能では、「新世代アイサイト」を搭載。ステレオカメラの広角化やソフトウェアの改良により、これまで以上に幅広いシーンで安全運転をサポートする。
メーカー希望小売価格(税込)は、293万7,000円〜330万円。ボディカラー「クリスタルホワイト・パール」および「クリムゾンレッド・パール」は3万3,000円高。
スバル アウトバックが間もなくフルモデルチェンジ。新型の価格帯や装備はどうなるの?
将来的なHV搭載に含み!? 新型86/BRZに電動化はあるか
なぜ初代スバル・レガシィの登場は衝撃的だったのか?もはや絶滅危惧種のワゴンの今と昔(俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記)
衝撃的なデビュー
少年I:♪ピーポーゲットレーディ…… 探偵 聞きなれないメロディーですね。いったいこの曲は? 少年O:ロッド・スチュワートのマネでしょう。 少年I:ダヤシンク、アムセクシー? 少年I:探偵のために解説すると、ロッド・スチュワートは英国出身のロックシンガー。『ピープル・ゲット・レディ』は、ジェフ・ベックと組んで1985年に大ヒットさせた曲ですね。ジ・インプレッションズにいたときのカーティス・メイフィールドが65年に作ったオリジナルもいい曲であります。 少年O:ロッドはさいきんでも人気があって、英国の人気番組『The Late Late Show』に出たときもユカイでした。ホストのジェイムズ・コーデンとの車中対談形式。ザ・ローリングストーンズのギタリスト、ロニー・ウッドも在籍していたザ・フェイシズでツアーをしていた1970年代を思い出して「毎晩ドリンキング&シャギングだったなアー」と楽しそうに笑っていましたね。そうそう日本では、実業家というかタレントというか、大屋政子さんもロッドの大ファンでした。 探偵 で、ロッド・スチュワートとレガシィにどんな関係性があるのでしょうか? 少年I:冒頭の曲は、スバル・レガシィのテレビコマーシャルに使われました。1993年の2代目ですけどね。このときはロッドもコマーシャルに出演していたんですよ。当時のクルマのCMって、海外の有名人が多数出演していましたよね。2代目ホンダ「レジェンド」のハリソン・フォードとか、5代目トヨタ「セリカ」のエディ・マーフィーとか。あ、バブル期に登場した3代目の日産「マキシマ」には、ケント・デリカット、ケント・ギルバート、チャック・ウィルソン、デーブ・スペクターの4人が出演していたのは印象深いですね。 少年O:ロッドは英国の重税から逃れるため1975年ごろ米国に本拠を移しました。ロッドは米国うまれ、と、思っているひともいるぐらいで、北米市場に力を入れていた当時の富士重工業(現SUBARU)のイメージに合っていたともいえますね。 探偵:私のような1989年生まれにとっては、レガシィよりも、その後継車にあたるレガシィ・アウトバックやレヴォーグのほうが近い存在です。
【アナリスト予想】SUBARU、22年3月期経常予想。対前週1.3%下降。
スバルが千葉に作った「里山スタジオ」とは何か?
千葉県房総半島の山間部に「SUBARU里山スタジオ」が2021年8月16日に開設される。スバル本社からは、「里山をそのまま生かした自然の中でメディアがクルマの撮影ができる場所だ」という説明を受けた。
いったいどんなところなのだろうか。プレオープン期間に現地に出向き、デイキャンプをしてみた。
千葉市方面からは富津館山道路を南下し、鋸南保田ICで降りて、長狭(ながさ)街道と呼ばれる国道34号線で鴨川方面に30kmほど進む。
外房の海岸線から10kmほど手前、鴨川市細野という地域に入り、隣接する山間部に向かって少し走ると、信号機のない交差点に小さく「SUBARU 1km」という案内表示が出てきた。
そこからは、農道のような道幅の狭い道を登っていく。施設専用ゲートを抜けると、作業小屋や仮設トイレが見てきた。さらにそこから1段上がると300坪はあろうかという平坦地がある。
この山が丸ごと、SUBARU里山スタジオである。
取材当日は、今年6月に公開され先行予約販売が始まっている「フォレスター」の大幅改良モデルがあった。ナンバー登録はされていないが、地元の鴨川警察署からの許可を受け、敷地内での走行が可能だという。
スバルの事業ではなく広報の一環として
日系自動車メーカーが、これほど大きな規模でメディア対応施設を作ったという話を筆者は聞いたことがない。
これまでも、トヨタの富士スピードウェイ(静岡県)、ホンダの鈴鹿サーキット(三重県)とツインリンクもてぎ(栃木県)のように、レース場を主体として一般向けにキャンプが可能な施設を併設するケースはあった。
しかし、これらと比べてSUBARU里山スタジオは“企業としての事業”ではなく、地域の人たちの息吹を感じる“小さなコミュニティ”という雰囲気だ。
それもそのはず、SUBARU里山スタジオは運営方法が極めてこぢんまりとして、シンプルでわかりやすい。
ここに至る経緯について、本件の発案から現地運営までの責任者であるスバル広報部の栗原健蔵さんに詳しく聞いた。
そもそもの発想は、スバル車のフィールドである「大地と空と自然」に対して、ユーザー、そしてメディアの人たちにより深くわかってほしいという思いからだそうだ。そのための“場”をスバルの事業という大きなくくりではなく、あくまでも広報部が対応できる範疇を対象に探していたという。
条件としては、日帰りでの取材を考慮して首都圏から1時間半程度の場所であること。スバルの本拠地である群馬はその条件から少しずれており、また群馬では探しても対象となりえる場所が見つからなかったという。
そうした中、鴨川市嶺岡(みねおか)キャンプ場の存在を知り、現地を視察したのが今年4月だ。それから鴨川市に問い合わせると、すでに閉鎖されており管理運営は地元の細野地区が行っていることを確認。細野地区区長の川木利夫さんに早速コンタクトした。
突然やってきた話だったが、川木さんは「渡りに船、いい話だ」と思ったという。
2015年にキャンプ場が閉鎖されて以来、敷地内にある愛宕神社を守るために周囲の管理は続けられてきたが、地域の人たちは「キャンプ場がこのままの状態で放置されるのはもったいない」という気持ちをずっと持っていたそうだ。
これまで再利用についての問い合わせはなく、今回のスバルが初めてだったというから、まさに「渡りに船」だったのである。
細野地区の山林は広大で、SUBARU里山スタジオで使用する地域は53区分あるため、地権者が多いが、この地の再整備について異議はなく、2021年6月上旬に1年間の賃貸契約を結んだ。
そして、地域の人たちが導入路の草刈りを手伝うなどして、6月中旬にプレオープンとしてメディア向けの最初の撮影会を開催。スバル関係者が現地視察してから、たった2カ月後の出来事だ。
川木さんは「我々としてはなるべく長く利用してもらいたい」とスバルとの継続的な付き合いを希望している。
嶺岡牧の歴史を感じながらゆったり森林浴
細野地区はこれまで、吉尾村、長狭町、そして鴨川市と市町村合併してきた。さらに歴史をさかのぼると、SUBARU里山スタジオの敷地内は、嶺岡牧(みねおかまき)があった場所でもある。
嶺岡山地の尾根や斜面を活用した馬牧が奈良・平安時代から始まり、江戸時代には嶺岡牧として、その周囲に近隣で切り出した石を使った全長80kmにも及ぶ壁が築かれた。いまでもその名残がある。
そうした歴史の息吹を感じながら、現行のフォレスターにogawaのテント「カーサイドリビングDX-Ⅱ」、JVC KENWOODのポータブルバッテリーと太陽光パネル、小型冷蔵庫、小型扇風機など、筆者が個人で所有するアイテムを持ち込んでデイキャンプをしてみた。
気温は30度を超えていたが、森の中を抜ける空気は心地よい。
一般的なオートキャンプ場では味わえない、実に有意義な時間であると同時に、“人と自然”が触れ合う中でのクルマの在り方をじっくり考えることができた。長年にわたり筆者は、フォレスターをはじめとするスバル車を取材すると同時に、スバルの商品企画、研究開発、実験などの担当者と“スバルの目指すこと”をひざ詰めで議論してきたが、この場所でフォレスターというクルマの本質が、肌感覚でわかるような気がした。
なにより、“フォレスター自身”が、この場にいることを喜んでいるように見える。もう1点、この場で感じたのは、日本版「LOVEキャンペーン」の可能性だ。
自然に生まれたESG投資の“S”
LOVEキャンペーンとは、スバルがアメリカで2007年から展開する活動で、もともとはスバルユーザーや販売店に対して愛車意識を共有してもらうための広告宣伝だったが、現在は医療や福祉、文化などユーザーが自主的に行う、いわゆる草の根社会活動として全米に広がっている。
企業によるCSR(企業の社会的責任)活動とは違う、自動車関連では極めてまれな社会現象だ。結果的に、LOVEキャンペーンはスバルのブランド価値を高め、販売台数は右肩上がりとなった。
振り返ってみると、これは最近話題となることが多いESG投資の“S”の理想的な事例ではないだろうか。
ESG投資とは、従来の財務情報だけでなく、E(エンバイロンメント)、S(ソーシャル)、G(ガバナンス)要素も考慮した投資を指す。
ただし、LOVEキャンペーンはあくまでも、結果的にESG投資につながったのであり、スバルが故意に仕組んだことではなく、スバルはユーザーの活動をバックアップしたにすぎない。
思い起こせば2018年3月、現行フォレスターがニューヨークショーで世界初公開された際、筆者は前出のスバル広報部の栗原さんと一緒に、LOVEキャンペーンに関してスバル幹部や担当するアメリカの広告代理店関係者に聞いた。
またニューヨーク近隣の販売店に出向くなどして、LOVEキャンペーンの実態について詳しく取材した。
あれから3年5カ月が経ち、SUBARU里山スタジオが開設される。
ここにはESG投資や、SDGsを念頭に置いた“狙い”はない。あくまでも、スバル車をメディア関係者により深く感じてもらう場であり、スバル広報部関係者が地元の皆さんの協力を得て手作りで運営する場である。
もしかすると、この場が日本版LOVEキャンペーンの出発点になるのかもしれない。そんな思いを、房総の地で抱いた。
ワクチン打った若者に抽選でスバル車 感染拡大で群馬県
スバル、新型「レガシィ アウトバック」今秋の日本登場を予告
SUBARU、4─6月期は295億円の営業黒字 通期販売計画は4万台減
SUBARU(スバル)が3日発表した2021年4─6月期決算(国際会計基準)によると、営業損益は295億円の黒字(前年同期は156億円の赤字)だった。主力市場の米国を中心に自動車販売が伸びた。世界的な半導体不足による生産への影響により、22年3月期通期の販売計画は従来から4万台引き下げた。ただ、販売奨励金の抑制や為替の円安基調が寄与し、通期の連結業績予想は据え置いた。
4─6月期の売上収益は39%増の6351億円、世界販売は31.7%増の17万5000台だった。純損益は185億円の黒字(前年同期は77億円の赤字)だった。販売実績は31.7%増の17万5000台だった。
半導体不足による生産制約を考慮し、通期の世界販売計画は前回予想の100万台から4万台減の96万台に下方修正した。
水間克之専務執行役員は会見で、4─6月期は半導体不足により「6万台の影響があった」と説明。影響は少なくとも上期(4─9月)いっぱいは続いて下期(10月─22年3月)には解消するとみており、下期に生産を挽回し、通期で4万台の影響に抑える考えを示した。
通期の販売計画は下方修正するが、販売奨励金の抑制や為替の円安傾向を織り込み、通期の業績予想は従来のまま維持する。
水間氏は、足元の米国販売は「非常に需要が強い」と指摘。低い水準の在庫を使いながら販売しており「車さえあればもっと売れたのに、という状況だ」と述べた。スバルの現地の販売店の適正在庫は約1カ月程度だが、現在は約7日分しかなく「船で着荷したら、すぐ売れるという状況」(同氏)という。
米国での販売奨励金は、4─6月期は前年同期比で1台当たり500ドル減の1100ドルと改善。通期は従来計画の1600ドルから1350ドルに引き下げ、営業利益を220億円押し上げる見込み。
通期の前提為替レートは1ドル=109円(前回は108円)、1ユーロ=130円(同128円)に見直した。為替レート差で通期の営業利益は150億円改善する。
通期の売上収益は前期比16.6%増の3兆3000億円、営業利益は同95.2%増の2000億円、純利益は83.0%増の1400億円をそれぞれ見込む。営業損益のアナリスト17人による事前の市場予想(IBESのコンセンサスによる予想)は2207億円となっている。
通期の営業利益に対し、新車販売減で280億円、原材料価格の高騰などで154億円それぞれ押し下げる見込み。
バルがトヨタと共同開発した「新型BRZ」。そのポイントは?
SUBARU(スバル)は、トヨタ自動車と共同開発した小型スポーツ車「SUBARU BRZ」の新モデル(写真)の購入申し込み受け付けを始めた。全2グレードで価格は308万―343万2000円(消費税込み)。初年度販売は月500台を計画する。
サイズは全長4265ミリ×全幅1775ミリ×全高1310ミリメートル。本体色は全7色。グレードによりタイヤやホイール、内装が異なる。
総排気量2387ccの2.4リットル水平対向4気筒エンジンを搭載。車体の剛性向上と軽量化の両立などで運動性能を高めた。自動変速機(AT)車には独自の運転支援システム「アイサイト」を標準装備する。
SUBARU「レヴォーグ」など5車種、計1・4万台リコール…エンストの恐れ
「SUBARU BE@RBRICK THE 1st MODEL 400%」発売。社名変更から4年、株式会社SUBARUが描く未来 | MEDICOM TOY
ここでは株式会社SUBARUがBE@RBRICKとコラボレーションするまでの経緯、デザインにこめた思い、発売後の反響を開発にかかわったSUBARUの担当者に訊いた。
「モノづくり」へのこだわりから、ぜひパートナーとしてご一緒したいと思いました
自動車の名前に和名を使ったのはSUBARUが最初です。富士重工業が中島飛行機の流れをくむ5社の資本出資によって設立されたことに因んで名付けられました。
そのためには、他業種とコラボレーションして周知できる範囲を広げたいと考え、敢えて自動車業界とは関わりの薄そうな分野、業界にパートナーを求めました。
そのためブルーメッキも数種類トライし、美しく重厚でありながらSUBARUブルーのイメージを持つ絶妙な色味に仕上がりました。
第1弾と第2弾のSUBARU BE@RBRICKを並べていただくと、SUBARU車を連想させる組合せのカラーリングになっています。
また、第3弾モデルを発売した2019年は、スバル360と東京タワーにとって誕生60周年という節目の年でしたので、60周年を祝った特別なトリプルコラボレーション商品となりました。
サイズ|全高約280mm
発売日|「SUBARUオンラインショップ」www.subaruonline.jpにて2021年7月抽選販売予定
価格|1万3200円(税込)
販売元|株式会社SUBARU
※問い合わせはsubaruonline.jpへ
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スバル、半世紀を経て4WD生産2000万台達成
【クルマが好き】世界の「4WD乗用車」のパイオニア、アウディより早く
SUBARU(スバル)は「2021年6月末にAWD(All-Wheel Drive:全輪駆動)車の累計生産台数が2000万台を達成した」と発表した。AWDとは一般に4WDと呼ばれる4輪駆動車のことだ。 スバルは1972年9月に乗用タイプの「スバルレオーネ4WDエステートバン」を発売し、約半世紀で2000万台を達成した。 単純に4WD車の累積生産台数を比較すれば、トヨタ自動車の方が多いかもしれないが、今日では当たり前の「4WD乗用車」を世界に先駆けて発売したのは実はスバルなのだ。年間生産台数が100万台前後のスバルにとって、2000万台達成は決して小さくない数字だろう。 1972年当時、4WDは「三菱ジープ」や「トヨタランドクルーザー」に代表されるようなオフロード車しかなかった。悪路走破性を重視したオフロード車は車高が高く、フレーム付きのボディで頑丈だが鈍重だった。燃費は悪く、高速道路は不得意だった。 これに対して、スバルは乗用車の「レオーネ」をベースに4WDを開発し、居住性や高速性能は乗用車と変わらなかった。75年には「世界初の4WDセダン」となる「レオーネ4WDセダン」を発売し、降雪地を中心に日本国内だけでなく、北米市場でも人気となった。 スバルが今日の「4WD乗用車」のパイオニアであることは間違いないが、70年代のレオーネ4WDは高速安定性よりも雪道の走りやすさや悪路走破性をアピールしており、武骨なイメージが強かった。 そんな4WDのイメージを大きく変えたのが1980年に登場した独アウディのクワトロだ。当時のスバルが通常は前輪駆動(FF)で走行し、必要に応じて4WDに切り替えるパートタイム4WDだったのに対し、アウディクワトロはセンターデフを有し、常時4WDで走行するフルタイム4WDだった。 アウディは悪路走破性だけでなく、ハイパワーを効率よく4輪に伝える手段として4WDを採用した。高出力エンジンを搭載したクワトロは世界ラリー選手権で優勝するなどモータースポーツでも活躍し、4WDが高速安定性に優れた新時代の高性能車であることを世界に印象づけた。 スバルもレオーネ4WDでモータースポーツに参戦していたが、アウディクワトロが登場してからは悪路走破性よりも4WDの高速安定性をアピールするようになった。 実際に4WDのメリットは雪道だけでなく、雨の高速道路を走ればよくわかる。4輪に駆動力を配分する4WDは加速時だけでなく、アクセルを離したエンジンブレーキの状態でも制動力が4輪に働く。雨の高速道路で急ブレーキをかけたような場合でも、4WDの方が2WDよりも短い距離で安定して停止できるのはこのためだ。もちろん、雪道では発進、制動とも4WDのメリットが最大限、発揮される。 アウディクワトロの登場は、世界の自動車メーカーに刺激を与え、日本でもトヨタ、三菱自動車、マツダが80年代に「4WD乗用車」を発売。とりわけマツダは85年発売の「ファミリア4WD」が日本初のフルタイム4WDとなり、86年発売のスバルをリードした。 フルタイム4WDの発売でスバルはマツダの後塵を拝したが、それでもスバルは4WDの研究開発で他社の追随を許さなかった。スバルは89年発売の「レガシィ」がヒットし、続く「インプレッサ」「フォレスター」では4WDが“標準装備”となった。今や「世界販売に占めるAWDの割合が98%に上る」という、事実上の4WD専業メーカーとなっている。 現在では日本の軽自動車からポルシェ、メルセデス・ベンツのような海外のスポーツカーや高級車まで4WDの乗用車は珍しくなくなった。日本ではトヨタ自動車はじめ乗用車の全8メーカーが2WD(2輪駆動)だけでなく4WDを設定している。 今では当たり前となった各国の「4WD乗用車」だが、元をたどれば72年発売のスバルレオーネ4WDエステートバンに遡る。スバルの「4WD2000万台達成」のニュースは、そんな記憶を思い起こさせてくれた。 やがてエンジン車が消え、電気自動車や燃料電池車となっても、2WDに比べた4WDのメリットは変わらない。駆動力が電気モーターとなれば、4輪の制御はエンジン駆動より精密になり、ドライバーが受ける恩恵はこれまで以上に高まるに違いない。
トヨタ・スバルが共同開発「GR86」「BRZ」 プロトタイプをお披露目
「さらに素晴らしい乗り心地に」スバル アウトバック ウィルダネス、米誌「あらゆる衝撃を吸収」
北米スバルは、アウトバックの新グレードとなる「アウトバック ウィルダネス」を発売した。未舗装路でのたくましい行動力が評価されてきたクロスオーバーSUVのアウトバックをベースに、最低地上高の拡大と専用サスペンションの導入などで、さらなるオフロード性能を追求している。
◆オフロード性能を強化
「荒野」を意味するウィルダネスは、文字通りオフロードでその強みを発揮する。通常のアウトバックとの差別化ポイントのひとつが、最低地上高の拡大だ。通常グレードから2センチほど高め、約24センチを確保した。米ロード・ショー誌(7月1日)は納得のいく方向性だと述べ、悪路に強いベンツ Gクラスに匹敵するリフトアップだと評価している。また、ドライブトレインは通常のアウトバックとほぼ同様だが、ギアの変速比を4.11:1から4.44:1に変更している。これにより燃費は多少犠牲になるものの、低速域でのトルクが高まり、たとえば足元が不安定な岩場などでの力強い走行を可能にしている。
これまでもアウトバックは抜群の悪路走行性能を持ち、郊外の居住者を中心に人気を得ている。ウィルダネス登場以前は通常グレードのアウトバックに対し、独自のカスタマイズを施すことでさらなる走行性を加えるオーナーも多かった。新たに設定されたウィルダネスでは、これまで人気のカスタマイズであったオールテレーン・タイヤや水洗いできるリアシートなど、アウトドアのアクティビティに対応できる仕様を標準で装備する。米カー&ドライバー誌(5月17日)はウィルダネスの頼もしさを、「まるで半年ほどジムで鍛えたスバル アウトバックのようだ」と表現している。◆乗り心地とオンロード性能も犠牲にせず
無骨でたくましい外観に反し、乗り心地はソフトで快適だ。ロード・ショー誌は、「アウトバック ウィルダネスの乗り心地はアウトバックをよりいっそうぜいたくにしたように感じられ、道路の陥没や凍結による隆起、踏切に、そのほか私が試したあらゆるものを吸収した」と試乗の感触を綴る。エクステリアの印象からはかなり硬めの乗り心地を想像していたが、実際に運転してみるとそれが間違いであったことに気づかされたという。また、衝撃をソフトに吸収する一方で、ステアリングへの反応はレガシィと同様にキレがあり、素早いレスポンスを感じられたと同誌は振り返る。
もうひとつ意外に感じられるのが、オフロードでの走行性を追求しながらも、オンロードでの性能がほとんど犠牲になっていない点だ。米モーター・トレンド誌(6月2日)が実測したところ、これまでアウトバックとしては最高のオフロード性能を誇ってきたオニキス エディションXTとの比較において、0-100キロ加速はわずか0.2秒遅れだったという。ウィルダネスはCVTのギアを変更したほかホイールを17インチとしており、こられがスピードの確保に貢献している模様だ。同誌は「テストの数値が裏付けるとおり、スバルは素晴らしい仕事をしており、売れ筋のこのSUVへのネガティブな影響を抑えている」と述べ、悪路・舗装路を問わず活躍するクルマだと評価している。
◆スバルの独自技術を搭載
スバル アウトバックの新グレードとして登場したウィルダネスは、現在北米で販売中だ。ターボ付きボクサーエンジンとシンメトリカルAWDなど、スバルの優れた独自技術を搭載する。悪路からの脱出で頼りになるX-MODEは、より進化した2モード仕様となっている。エンジンの出力をコントロールしてスピンを抑えるスノー・ダートモードに加え、一定量のスピンを許容するディープスノー・マッドモードを用意した。ウィルダネスの希望小売価格は3万6995ドル(約407万円)となっている。
SUBARU、売上収益・各段階利益は前年比で大きくマイナス 半導体需給逼等により生産台数・販売台数が減少
水間克之氏:みなさん、こんにちは。4月にCFOに就任いたしました、水間でございます。今後、ぜひよろしくお願いいたします。では、説明させていただきます。
初めに、2021年3月期の通期実績、および2022年3月期通期計画の概観についてご説明いたします。2021年3月期の実績については、新型コロナウイルス感染症拡大の影響、また、半導体需給逼迫の影響などによる生産台数と連結販売台数の減少により、売上収益、および各段階の利益は、前年に対し大きくマイナスとなりました。
2022年3月期は、主力の北米市場を中心に回復を見込み、連結販売台数は100万台を計画します。引き続き半導体供給に関するリスクは残るものの、昨年度に対し増収増益を見通し、2020年3月期実績レベルまで戻したいという強い思いで臨みます。
通期実績 連結完成車販売台数(市場別)
それでは、2021年3月期通期実績からご説明いたします。はじめに、連結販売台数についてです。グローバル合計で17万3,700台減の86万200台となりました。海外市場は、第2四半期以降に重点市場の北米を中心に販売が回復傾向となり、第3四半期は前年を上回る水準で推移いたしました。
しかし、第4四半期は、主に半導体需給課題の影響を受け、結果として、前年に対し14万9,600台の減となる75万8,400台となりました。国内市場は、「2020 – 2021日本カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞した新型「レヴォーグ」が販売に寄与しましたが、上期のコロナ影響や商品の切り替え時期の影響に加え、半導体供給逼迫の影響により、前年に対し2万4,000台減の10万1,800台となりました。
通期実績 連結完成車販売台数・生産台数
次に、生産台数についてです。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、年度初から国内の群馬製作所および米国生産拠点のSIAにおいて、生産を一時停止しました。5月上旬に操業を再開しましたが、サプライチェーンおよび販売活動への影響が続いたことから、生産量の調整を行いました。
第2四半期以降は、北米市場の在庫水準も適正レベルに戻すべく、一時はほぼ正常レベルで操業してきましたが、第3四半期後半からの米国生産用部品の輸送遅延や、第4四半期からの半導体需給逼迫による生産調整などにより、生産台数合計は、前年に対し22万1,000台減の80万9,900台となりました。
通期実績 連結業績
続いて、連結業績です。売上収益は、自動車販売台数の減少などで売上構成差等が悪化したことによるマイナス4,055億円を主因とし、前年比5,139億円減収の2兆8,302億円となりました。
営業利益は、諸経費等の削減を進めましたが、自動車販売台数の減少などによる売上構成差等の悪化を主因とし、前年比1,079億円減益の1,025億円となりました。また、税引前利益は、937億円減益の1,140億円で、親会社の所有者に帰属する当期利益は、761億円減益の765億円となりました。
前年実績対比 通期実績 営業利益増減要因
次に、前年実績対比の営業利益増減要因です。市場措置費用を含む保証修理費の減少や販管費の圧縮、また、主に米国市場で販売奨励金が減少したこと等が増益要因となったものの、国内および海外向け新車販売の減少や、金属等の原材料高騰、USドル約3円の円高などの減益要因により、前年に対し1,079億円の減益となりました。
なお、米国市場向け販売奨励金については、前年の台あたり1,600ドルに対し300ドル減の1,300ドルとなり、奨励金総額としては、330億円の削減となりました。
前回計画(2/5発表値)対比 通期実績 営業利益増減要因
次に、前回計画値からの営業利益増減要因です。減産に伴う販売台数減により売上構成差が悪化し、また、原材料市況の高騰が減益要因となりましたが、販管費や販売奨励金の圧縮や保証修理費の減少などにより、前回計画に対し25億円の改善となりました。
キャッシュフロー / 手元資金状況
次に、キャッシュフローおよび手元資金の状況です。フリーキャッシュフローは、プラス172億円となりました。現金および現金同等物の期末残高は、前期末に対し484億円増の9,073億円で、有利子負債残高は、資金調達により、前期末に対し947億円増の3,339億円となりました。
その結果、ネットキャッシュは、前期末に対し463億円減の5,734億円となりました。なお、生産調整等の影響により、2021年3月末以降の足元の資金は減少を見込んでおります。
設備投資・減価償却費・研究開発支出①
設備投資などの実績については、ご覧のとおりです。設備投資の発生が前年に比べて少なくなっていますが、新型コロナ感染症の影響に備えて統制したことや、発生時期の偏りによるものです。
通期計画 連結業績
続いて、2022年3月期通期計画についてです。半導体供給に関するリスクは続くものの、需要面では力強さを感じており、主力の北米市場を中心に回復を見込み、連結販売台数100万台、生産台数103万台、売上収益は3兆3,000億円、営業利益は2,000億円、税引前利益は2,030億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,400億円を計画します。
前年実績対比 通期計画 営業利益増減要因
次に、通期計画の前年実績対比の営業利益増減要因です。外部環境要因として、為替レート差による増益がプラス200億円で、金属価格の高騰などによる原材料市況の悪化のための減益がマイナス600億円となる見通しです。なお、為替レート差のうち、USドルの約2円の円安により、プラス約200億円です。
売上構成差等については、半導体供給リスクへの懸念は続くものの、北米を中心とした販売回復を見込んで、プラス1,500億円、販売台数増に伴う諸経費等の増加や減価低減活動とその他を含めてマイナス355億円、研究開発費の増加によるマイナス70億円を見通しております。
不確定要素が多く、厳しい状況ではありますが、以上の見通しに加え、インセンティブや諸経費などの項目を中心に、300億円のさらなる改善を織り込み、2022年3月期通期営業利益は、前年に対し975億円の増益となる2,000億円を狙います。
設備投資・減価償却費・研究開発支出②
設備投資・減価償却費・研究開発支出については、ご覧のとおりです。設備投資、ならびに研究開発支出に関しては、後ほど中期経営ビジョンの進捗報告の中でもご説明いたしますが、必要な投資や研究開発活動を継続して進めていく一方で、効率化を図りながら取り組んでいく考えです。
株主還元
最後に、株主還元についてです。ご説明してきましたとおり、新型コロナウイルス感染拡大や半導体不足などによる当社業績への影響は非常に大きいです。また、いまだ先行き不透明な事業環境が続いていることや、今後の資金需要などを含めて総合的に検討した結果、2021年3月期の1株あたり年間配当金は、直近の配当予想のとおり56円を予定します。また、2022年3月期の1株あたり年間配当金は56円を予想します。
次ページ以降は、セグメント情報等の参考情報となります。以上で、2021年3月期年度決算の説明を終わります。ありがとうございました。
スバル米国販売20%増、アウトバック は4割増 2021年上半期
SUBARU(スバル)の米国部門のスバルオブアメリカは7月1日、2021年上半期(1~6月)の新車販売の結果を発表した。総販売台数は32万1250台。前年同期比は20.3%増と、2年ぶりに前年実績を上回った。
最量販車はSUVの『フォレスター』で、9万5965台を販売。前年同期比は11.8%増と、2年ぶりに前年実績を上回った。『クロストレック』(日本名:『XV』に相当)は、6万4214台を販売。前年同期比は40.4%増と、3年ぶりのプラス。3列シートSUVの『アセント』は、9.6%減の2万8373台と減少傾向にある。
『アウトバック』は上半期、8万7619台を販売し、前年同期比は40.6%増と回復した。セダン版の『レガシィ』は1万2921台。前年同期比は8.6%増と、プラスに転じた。
また、『WRX』シリーズは上半期、『WRX STI』を含めて、1万4272台を販売。前年同期比は38.1%増と4年ぶりのプラスだ。『インプレッサ』(「WRX」を除く)は、1万7165台を販売。前年同期比は7.8%減と減少傾向にある。
スバルの2020年の米国新車販売台数は61万1942台。前年比は12.6%減と、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の影響により、12年ぶりに前年実績を下回った。
スバル WRX 次期型、2021年内に発表へ
SUBARU(スバル)の米国部門のスバルオブアメリカは6月29日、次期『WRX』を2021年内に初公開すると発表した。
WRXの伝説は次期型で、まったく新しい、さらにスリリングな章を手に入れる、と自負する。次期型のワールドプレミアは近づいており、オンラインで初公開される予定。次期型はパワフルかつ機敏で、完全に新設計されているという。
スバルオブアメリカは、次期WRXのティザーイメージを1点、配信した。WRXの特長のボンネットの大型エアダクトが確認できる。
なお、次期WRXは、米国市場では2022年モデルとして、発売される予定。スバルオブアメリカは、次のラリーアイコンが登場する、としている。
スバル、350億円投じ新施設 検査 不正防止へ
スバル社長「半導体リスク続くが、北米中心に販売回復」=株主総会
[東京 23日 ロイター] - SUBARU(スバル)は23日、東京都内で定時株主総会を開いた。中村知美社長は「足元で半導体供給リスクは続くものの、各市場とも力強さを感じている。主力の北米市場を中心に販売回復を見込む」と述べ、2022年3月期(今期)の業績予想を「確実に達成できるよう取り組む」と語った。
今期の連結業績予想(国際会計基準)は、売上収益が前期比16.6%増の3兆3000億円、営業利益が95.2%増の2000億円、純利益が83%増の1400億円。世界販売は16.3%増の100万台を計画する。
株主からは配当に関する質問があった。年間の配当金額は16年3月期以降は4年連続で144円だったが、20年3月期は100円、前期と今期は同じ56円と減ってきている。今期予想では前期から利益の増加を見込んでいるにもかかわらず、配当金が前期と同額であることにも不満の声が上がった。
中村社長は、配当金額は単年で上下させるのではなく、「複数年の業績やキャッシュなどの見通しも含めて検討している」と説明。「昨年、コロナ禍で期末配当を下げざるを得ない状況だった際も、単年のみでなく、その後の業績回復も含めた複数年で検討した結果、配当額を決めた」と語った。「現時点でその際に前提として置いた経営環境に大きな変化はなく、不透明な状況が続いている」として株主に理解を求めた。
トヨタ自動車からの追加出資や株式持ち合い、提携の成果に関する質問も出た。中村社長は「順調にいっている」と評価。4月に発表されたトヨタ「GR 86」とスバル「BRZ」の新型スポーツ車の共同開発では「エンジニアのモチベーションが高く、協業は一段と進化した」との認識を示した。
スバルは今年1月に約700億円を投じたトヨタ株取得を完了した。トヨタへの出資比率は0.3%。昨年2月にはトヨタがスバルへの出資比率を約17%から20%に引き上げ、スバルはトヨタの持ち分法適用会社となった。スバルはトヨタと共同開発した電気自動車(EV)を世界の主要市場で22年半ばに投入する予定。
スバル群馬県2工場が来月16日操業せず 半導体不足受け
群馬県に国内唯一の自動車生産拠点のあるSUBARU(スバル、東京都渋谷区)は19日までに、世界的な半導体不足の影響で群馬製作所の本工場(太田市スバル町)と矢島工場(同市庄屋町)の操業を7月16日の1日間停止すると明らかにした。
同社は半導体を使う部品の供給遅延で1月以降生産調整を続けており、その一環として停止するという。本工場には一つ、矢島工場には二つの完成車の製造ラインがある。
SUBARUが7月も生産一時停止、スズキも検討 半導体不足続く
[東京 18日 ロイター] - SUBARU(スバル)が国内にある一部の完成車工場を7月16日に停止することを決めた。世界的な半導体不足が続き、部品調達になお影響が出ているため。同社の広報担当者が明らかにした。スズキも国内の四輪車工場を一時停止する方向で検討している。
スバルは主力の四輪生産拠点である群馬製作所の矢島工場(群馬県太田市)を7月16日に非稼働とする。スバルの広報担当者は「半導体不足の影響による生産調整の一環」とした。
スズキは湖西工場(静岡県湖西市)の稼働を7月1―2日の2日間、相良工場(同県牧之原市)を1─2日と5─9日までの7日間生産を取り止めることを検討中。関係者によると、同社は取引先に稼働停止予定日を伝えた。
スズキの広報担当者はロイターの取材に、まだ日程は確定していないと回答。「影響を最小限に抑えるよう、引き続き調整している」とした。
8月に発表予定の改良版SUBARUフォレスターが先行予約を開始
まずエクステリアでは、SUBARUのデザインコンセプトである“BOLDER”表現を取り入れた新フロントフェイスを導入。ヘキサゴングリルを起点としたダイナミックな立体造形で塊感と躍動感を主張し、SUVとしての存在感をいっそう高める。また、ステアリング連動のLEDハイ&ロービームヘッドランプの形状も刷新。さらに、足もとには新造形のアルミホイールを装備し、たくましさをより強調した。
外装色にフォレスターのタフなイメージをより強める3タイプのアースカラーを新設定したこともトピック。具体的には、カスケードグリーンシリカ/オータムグリーンメタリック/ブリリアントブロンズメタリックを新たにラインアップした。
内包するインテリアでは、グレードのキャラクターに合わせてシート材質を厳選したことが訴求点。Xブレイクには防水性ポリウレタン(レッドオレンジステッチ、タグ付)、アドバンスには撥水ファブリック/合成皮革(ブラック/ブラック、シルバーステッチ)、スポーツにはウルトラスエード/本革(シルバーステッチ)、ツーリングには撥水ファブリック/合成皮革(グレー/ブラック、シルバーステッチ)を標準で採用する。また、アドバンスにはオプションでナッパレザーの本革シート(ブラックorブラウン、シルバーステッチ)を設定した。
走行性能の面では、全グレードで足回りのセッティングを改良したことが訴求点。しなやかさとスポーティさを、より高い次元で両立させる。さらに、アダプティブ変速制御のe-アクティブシフトコントロールを、e-BOXER搭載車の全グレードに拡大展開した。
安全性能に関しては、ステレオカメラの広角化やソフトウェアのバージョンアップを図った新世代アイサイトを全グレードに標準装備。従来以上に幅広いシーンで安全運転をサポートする。
パワートレインは基本的に従来モデルを踏襲し、ツーリング/Xブレイク/アドバンスに “e-BOXER”FB20型1995cc水平対向4気筒DOHC16V直噴デュアルAVCSエンジン(145ps/19.2kg・m)+MA1型モーター(10kW/65Nm)+リチウムイオンバッテリー(容量4.8Ah)+リニアトロニックのマイルドハイブリッドを、スポーツにCB18型1795cc水平対向4気筒DOHC16VデュアルAVCS直噴ターボ“DIT”エンジン(177ps/30.6kg・m)+リニアトロニック(8速マニュアルモード付)を搭載している。
スバルの2.4ボクサー搭載3列SUV、『アセント』に2022年型…米国発表
SUBARU(スバル)の米国部門は6月14日、スバル『アセント』(Subaru Ascent)の2022年モデルを発表した。
アセントは2017年秋、米国で開催されたロサンゼルスモーターショー2017で初公開された。アセントは、スバルが北米市場でのさらなる成長を求め、とくにファミリーユーザーに向けて開発した3列シートのミッドサイズSUVだ。従来の『トライベッカ』の後継車に位置付けられる。
ブラック仕上げの「オニキスエディション」を設定
2022年モデルには、オニキスエディションが設定された。ブラック仕上げのエクステリアと専用のインテリアを採用する。専用のブラック仕上げの外装トリム、エンブレム、20インチのアルミホイールが特長だ。インテリアには、耐久性と手入れが簡単な撥水素材「スバルStarTex」が使われている。
オニキスエディションは、7名乗りのプレミアムグレードがベースだ。リバース自動ブレーキ、パワーリアゲート、ヒーター付きステアリングホイール、プッシュボタンスタートによるキーレスアクセスなどを装備している。
また、オニキスエディションには、3ゾーンのオートエアコン、マルチファンクションディスプレイ、エンジンイモビライザー付きセキュリティシステム、リアビジョンカメラ、センターコンソールのUSB充電ポート、ルーフレール、18インチのアルミホイールを装着している。
「X-MODE」と「アイサイト」を標準装備
2022年モデルの全車に、直噴2.4リットル水平対向4気筒ガソリンターボエンジンを搭載する。最大出力は260hp/5600rpm、最大トルクは38.3kgm/2000~4800rpmを引き出す。トランスミッションはCVTの「リニアトロニック」で、8速マニュアルモード機能とパドルシフトが備わる。
シンメトリカルAWDと「X-MODE」を標準装備した。X-MODEは、滑りやすい路面などで、エンジン、トランスミッション、ブレーキを最適に統合制御して、悪路走破性を追求する。下り坂で低速を維持した走行を可能にするヒルディセントコントロールも付く。最高5000ポンドのトーイング性能により、キャンピングカーやボートなどの牽引も可能にしている。
2022年モデルのアセントには、「アイサイト」が標準装備されている。レーンセンタリング機能とアダプティブクルーズコントロールを搭載し、ドライバーを支援する。夜間の視認性を向上させるハイビームアシスト付きステアリングレスポンシブLEDヘッドライトも標準装備した。プレミアムグレードには、レーンチェンジアシストとリアクロストラフィックアラートを備えたブラインドスポットディテクションが追加されている。
「SUBARU STARLINK」マルチメディアシステム
2022年モデルには、7名乗車仕様と8名乗車仕様が用意された。7名乗車仕様では、2列目シートがキャプテンシートになる。シートの間隔を充分に取り、3列目シートへのアクセス性を追求している。8名乗車仕様の2列目シートは、3名がけのベンチシートになる。3列目シートには、リクライニング機構が備わる。
スマートフォンとの連携を可能にするインフォテインメントシステムを採用した。3列目シートにタブレット端末が置ける左右のカップホルダー、スマートフォンなどの充電に対応したUSB電源を装備した。3列目シート専用のエアコン吹き出し口も採用されている。
「SUBARU STARLINK」の6.5インチのマルチメディアシステムには、Apple 「CarPlay」とグーグルの「Android Auto」、6.5インチの高解像度タッチディスプレイが備わる。Bluetooth電話接続、「SiriusXMオールアクセスラジオ」、「SiriusXMトラベルリンク」も装備されている。
プレミアムグレードは、「STARLINK 8.0インチマルチメディアプラスシステム」と、車載Wi-Fiが採用される。「STARLINK Connected Services」は、プレミアム以上のグレードで選択できる。
なお、アセントは、『インプレッサ』、『レガシィ』、『アウトバック』とともに、米国インディアナ州ラファイエットのスバルオブインディアナオートモーティブ(SIA)で組み立てられる、としている。
SUBARU フォレスター 賢者の選択[ターボ or ハイブリッド]
スバルの現行ラインナップでSUVのフラッグシップとして君臨するフォレスター。
追加設定された1.8Lボクサーターボとスバルの基幹パワートレーンのe-BOXER、それぞれの魅力をあらためて掘り下げてみよう。
【左】
フォレスター SPORT
●車両本体価格:328万9000円
●ボディカラー:アイスシルバー・メタリック
※メーカーオプション:ルーフレール/パワーリヤゲート/大型サンルーフ
【右】
SUBARU フォレスター Advance
●車両本体価格:315万7000円
●ボディカラー:ホライゾンブルー・パール
※メーカーオプション:本革シート/パワーリヤゲート/大型サンルーフ
新時代ボクサーはともにフォレスターと好相性
現行型はビッグマイナーチェンジを機にe-BOXERを標準設定、レヴォーグから採用された新開発の1.8Lターボを性能向上型として導入。電動時代を目指したe-BOXER、速さとゆとりのターボという構成となった。と書くと極端に性格が異なるパワートレーンのように思えてしまうが、水平対向ならではの軽快なエンジンフィールを特徴としたファン・トゥ・ドライブでは共通している。
e-BOXERの持ち味は伸びのいい軽やかさ。加速時は早めにダウンシフト。回転上昇と連動した速度のノリが心地よい。しかも、高回転に至っても猛々しさは皆無。電動アシストは要所要所で介入するが、高速域での緩減速中のエンジン停止と電動走行など、内燃機車にはない振る舞いで未来を予感させてくれるのも見所だ。
一方、ターボは中庸域の豊かなトルクがもたらす切れのいい加速と余力が魅力。グレード名の「SPORT」に相応な速さも当然ながら、実用域での紳士的な振る舞いと力強さも印象的。オールラウンダー志向の高性能エンジンであり、速度を意識させない加速性能は高速ツーリングに最適である。
ともに新時代ボクサーを実感できる魅力があり、しかもフォレスターのキャラクターにお似合いだ。
SUBARU フォレスター
●価格:291万5000~328万9000円
●発表年月(最新改良):’18年6月(’20年10月)
SGP採用で刷新、パワートレーンをアップデート
現行で5代目となるフォレスター。SGP(スバルグローバルプラットフォーム)にお家芸の4WDシステム、安心&疲労軽減をもたらすアイサイト、そして最新仕様のパワートレーンなど、旅や遊びに誘う魅力が満載だ。
SPORT
Advance
タフさを強調するスクエアなフォルムは快適な居住空間と使い勝手のよい荷室に貢献。1.8Lターボの「SPORT」は各部をブラックアウトしてより精悍な表情を見せる。
X-BREAK
ルーフレールを標準装備し随所にオレンジ色をあしらう。アウトドア志向が一目瞭然。
シートにはグレードの個性が表れる。X-BREAKはオレンジの差し色と撥水表皮、SPORTはスエード×本革表皮。Advanceはプレミアムな本革シート(写真)をOP設定する。
遊びの場で頼りになるロードクリアランスを確保。同じクロスオーバーSUVでも街乗りに特化したオシャレ系とは一線を画す。
ボディカラー
ターボかハイブリッドか【選び分けのポイント】
基本はe-BOXER。装備で選び分けつつ走りの余力が欲しければターボも選択肢に
燃費ならハイブリッド、速さならターボ。これが選び分けの常套だが、フォレスターはターボ車の中では燃費も優等生。さすがにe-BOXERと逆転するのは難しいが、動力性能のアドバンテージを考えると悩みどころだ。また、最低地上高や段差跨ぎ性能も同じ。4WDシステムはともに泥濘等の悪路に対応したXモード付き。装着タイヤが異なるが、乗り心地や静粛性でも目立った違いはない。
どのパワートレーンとグレードを選択してもフォレスターは生活とレジャーの場で活きるSUVとしてアンバランスにはならない。それだけSUVの基本ニーズに対して完成度が高いというわけだ。
もっとも、時代性を考えればハイブリッドのe-BOXERを選択するのが一般的であり、撥水仕様のシートや荷室床ボード等を採用しアウトドアレジャーの対応力を高めたX-BREAKもe-BOXER車の設定だ。装備対比の買い得感でもターボ車に勝っている。
ターボ車は高速道や山岳路での余裕を求めるユーザー向けだが、まずはe-BOXER車を基準として見定めるのが肝要だ。
【ココがちがう】ハイブリッドには「e-アクティブシフトコントロール」あり
※X-BREAKに採用
「SI-DRIVE」のドライブモードがS(スポーツ)で、かつ操作状況からスポーティな走行中と判断されると、エンジン回転の維持や立ち上がりでのモーターアシストなど、ダイレクトな変速感覚を味わわせてくれる。
【ココは同じ】アイサイトの安心・快適
アイサイト コアテクノロジー(ツーリングアシスト機能付き)を全車標準搭載。コーナリングの安定感を向上させるアクティブ・トルク・ベクタリングも全車標準だ。
【ココは同じ】使い勝手にこだわった荷室
荷物固定用のフックやアクセサリー電源、後席ワンタッチフォールディング機能など、荷室機能はさすがアウトドア派。X-BREAKは、撥水ボードも備える。パワーリヤゲートは全グレードにオプションで用意される。
【ココがちがう】ターボ車だけが2本出し
唯一のターボ車となるSPORT。ブラックで引き締められた顔付きや2本出しマフラーが走りのグレードであることを主張する。
【ココは同じ】車体&足回りの構成
高張力鋼を適所に配置。SGPによる高剛性な車体が走行性能と安全性のベースとなる。
X-MODE
滑りを抑制する「SNOW・DIRT」、タイヤが埋まるような状況から脱出する「DEEP SNOW・MUD」の2モードを設定し、4輪の駆動力/制動力を最適に制御。必要に応じてヒルディセントコントロールも作動する。
【結論】初代からSUVの本分を磨き続け、どのタイプも正統派にして優等生
「いずれもハッタリなしの正攻法、 安心して選ぶべし!」
アウトドアレジャーに求められる悪路性能、レジャーグッズを積載した状況でも使いやすいキャビン設計など、現在のSUVに求められる要素を初代(’97)から高水準で達成。この基本思想は代々踏襲され、またオン&ラフロード性能の向上も図られてきた。いずれの特徴もイメージ先行ではなく、実践力の高さを求めた結果。そんなフォレスターの哲学が全モデルにしっかりと活かされているのが現行型である。
逆に言えば、フォレスターらしくないグレードがない。ターボの「SPORT」にしても、ローダウンサスでオンロードのスポーツ性能に特化させたモデルではない。そういった、部分的に尖った、いわゆるケレン味を求めるユーザー向けのモデルがないのもフォレスター。正統派にして優等生なのである。
スバルの3列シートSUV、『アセント』に2022年型 6月14日発表予定
SUBARU(スバル)の米国部門は6月8日、スバル『アセント』の2022年モデルを6月14日に初公開すると発表した。「オニキスエディション」が設定される予定だ。
2018年に発売されたアセントは、スバルが北米市場でのさらなる成長を求め、とくにファミリーユーザーに向けて開発した3列シートのミッドサイズSUVだ。従来の『トライベッカ』の後継車に位置付けられる。
エクステリアには、スバルのデザイン理念フィロソフィーの「ダイナミック&ソリッド」を導入し、3列シートのミッドサイズSUVとして重視される機能性を強調した。スバル車で最大となるボディサイズを生かし、7名および8名乗車いずれの仕様でもゆとりのある室内空間を追求している。
また、「スバル・グローバル・プラットフォーム」を採用した。高いボディ剛性によって、振動騒音を抑えた快適な移動空間を可能にした。直噴2.4リットル水平対向4気筒ガソリンターボエンジンを核とするシンメトリカルAWDや、SUVらしい走破性を高める「X-MODE」といった中核テクノロジーを搭載している。
スバルの米国部門は、このアセントの2022年モデルを6月14日に初公開する。2022年モデルには、オニキスエディションが設定される予定だ。スバルは、スタイリッシュなディテールを備え、インテリアのユーティリティをアップグレードする、としている。
SUBARU、デジタルとデータによる“モノづくり”“コトづくり”変革を語る
セールスフォース・ドットコムが2021年6月1日~4日に開催したオンラインイベント「Salesforce Live: Japan」では、「Salesforce & Tableauで進化する次世代のデータ活用」と題したセッションが催された。同セッションには、2016年からTableauを活用している自動車メーカー、SUBARUのCIOである臺 卓治氏が出席し、データやデジタルを活用したSUBARUのビジネスモデル変革について紹介した。
Tableau:企業の「データドリブンカルチャー」醸成に必要なものとは
同セッションではまず、Tableau Software カントリーマネージャーの佐藤豊氏が、Tableauが提唱するデータ活用ビジョンや、「Salesforce Customer 360」との連携効果を紹介した。
Tableauは、BIツールをはじめとするエンド・トゥ・エンドのデータ分析ソリューションを提供している。佐藤氏は、これからのTableauは「AI/ML(機械学習)」「データ管理とデータ接続性の強化」「Salesforceに対するネイティブのアナリティクス機能埋め込み」といった方向で進化していくと語る。
Salesforceは2019年6月、157億ドルでTableauを買収した。両社の統合で生まれたシナジーと新たな戦略について、佐藤氏は次のように説明した。
「Salesforceが目指しているのは『すべての顧客接点をデジタル化すること』。そのなかで生まれたデータを、会社のパワーに変えていく際に必要になるのがアナリティクスだ。そこでTableauがSalesforceグループに加わった。Salesforce Customer 360(というビジョン)を成功させるためには、Tableauは必要なパーツである」(佐藤氏)
Tableauのミッションは「誰もがデータを見て理解できるように支援すること」であり、これは創業以来変わっていないという。
「なぜデータが必要なのか。企業はSingle Source of Truth(SSOT=信頼できる唯一の情報源)を活用することで、データドリブンの意思決定ができるようになる。データドリブンの意思決定ができると、そのプロセスからバイアスが抜ける。バイアスが抜けるとカルチャー変革につながり、人の変革にもつながる。データの力を組織全体で把握し、最大化し、社員一人一人がスマートに意識決定ができるようになる」(佐藤氏)
データドリブン経営を行う企業は、顧客についてより深く理解しており、そうではない企業と比べて新規顧客獲得数が23倍、売上成長を10%向上させる可能性が1.5倍、既存顧客を維持できる確率が9倍になるという。
それでもなお、92%の企業は組織全体でデータを活用できていない。そして95%の企業が、データ活用の進捗を妨げているのは「自社のカルチャー」だと答えている。
そのカルチャーを醸成するには「組織全体がデータを活用できるプラットフォーム」「誰もが熱狂的になるコミュニティの醸成」、そして「コミュニティとプラットフォームをつなぐ方法論」が必要だと、佐藤氏は語った。「Tableauはアナリティクスプラットフォームを提供し、コミュニティ醸成に不可欠な『愛されるツール』、つまり直感的に利用できるツールも存在する。そこにAIの力を加えることで、データ分析は次の世界に進むことができる。
と呼ぶ方法論も提供しており、これに基づいて戦略をしっかりと作り、アジャイルな環境に適用させることで、迅速な意思決定ができるようになる。こうした取り組みによって、Tableauはお客様と伴走していくことができる」(佐藤氏)SUBARU:「デジタルにどう取り組むべきか、悩んだ」
SUBARUの臺氏はまず、自動車業界とデジタルの関係について説明した。
「自動車の世界は閉じた世界で、デジタルとの距離があった。だが、100年に一度の変革期を迎え、CASEの時代を迎えている。ここでは、環境問題を背景とする電動化の動きと、クルマがコネクトする基盤の上で、シェアリングに代表されるサービス化、MaaS、自動化などの動きに分けることができる。自動車業界とデジタルの距離が近づいた」(臺氏)
そうした自動車業界の大きな変革期のなかで、「SUBARUがデジタルにどう取り組むべきか、悩んだ時期があった」と臺氏は明かす。
「SUBARUのIT部門は、業務のIT化を担当するとともに、クルマがつながることで生まれるサービスも担当する。社内のレガシーシステムは“2025年の崖”に直面しており、DXの定義である『製品やサービス、ビジネスモデルを変革する』という言葉がでてきた途端に、会社としての方向性とベクトルが合わなかったり、足かせが重くなったりする。さらに、変革を推進するデジタル人材もいなかった。真面目でコンサバな社風のなかで、デジタルとどう向き合っていくかということにはかなり悩んだ」(臺氏)
検討の結果として導き出されたのは、経営層から社員までが共有できる「腹落ちするデジタル化のビジョン」を策定し、そこから変革への取り組みを進めるという方針だった。さらに、この変革の取り組みは、「製品、サービス、ビジネスモデルの変革」と「業務、組織、プロセス、企業文化、風土の改革」の2つに分けた。前者は“モノづくり”の変革、後者は“コトづくり”の変革と言える。
同じゴールに向けて全社/全部門がデータとデジタルの活用に取り組む
SUBARUが掲げたゴールは、「データ/デジタル技術を活用して、SUBARUブランドとお客様の結びつきを強くする」というものだ。これを共通テーマとして、商品開発から販売まで“モノづくり”強化を進める一方、これまでのSUBARUが得意とはしていなかった“コトづくり”も、同じゴールに向かって取り組みを開始した。
“コトづくり”の一例として、米国で2017年から、日本でも2020年からスタートしたコネクトサービスを紹介した。これはサブスクリプション契約により、ソフトウェアの更新、緊急コール、故障診断やセキュリティのアラート、リモート操作やスマホ連携などのサービスを提供するサービスだ。米国では事業化のめどがつき始めたという。
また、もうひとつの事例として、日本国内でサービス開始を控えるスマートフォンアプリ「SUBAROAD」を紹介した。一般的なカーナビが目的地への最短ルートを教えてくれるのに対して、SUBAROADは「SUBARUのクルマで走って愉しいルート」を教えてくれるという。
一方で“モノづくり”においては、現場における改善マインドが停滞している状況に着目し、モノづくりの危機をモノづくりの強みに変えていく取り組みを始めたという。
ここではTableauを活用し、データとデジタルの力を使って、時間を生む「効率化」、課題の「可視化」、チームでの「共有」「分析」そして「課題解決」へと進め、結果として「人材づくり」にまでつなげる改善のプロセスを追求している。SUBARUでは2016年にTableauを導入し、現在はマーケティング、企画・開発、品質、製造、販売におよぶ26部署、1400名の従業員がTableauを利用できる状況にある。
かつての製造部門では、車両生産工程にあるチェックポイントで作業者が状況を紙に書き、それを回収して専任オペレータがPCに入力していた。そのため結果が出るのは翌日で、改善が進みにくい状況だった。現在はこれを、紙への手書きではなくタブレット入力に変更し、Tableauを使ってデータ解析を行うという方式に刷新している。
「結果が出るまでの時間や作業時間が半分になり効率化が実現したほか、データの精度も高まった。可視化によって問題点を理解し、改善にもつなげやすくなっている。最初は草の根的にスタートした取り組みだが、その有効性が社内に広がり、現在は製造部門全体で使うようになっている」(臺氏)
他方で販売部門では、登録ユーザーにイベント情報などを配信し、その結果を集計していたものの、なかなか成果が上がらないという課題を抱えていた。そこで、Salesforceの仕組みを利用してWebサイトでの行動履歴を収集し、個々のユーザーが「クルマにどう向き合っているのか」を分析して、ユーザーごとに最適化した情報を配信するように変えたという。それに加えて情報配信の結果はTableauで集計、可視化し、販売促進部門だけでなくマーケティング部門などでも利用できるようにした。これにより、部門間を超えた課題共有ができ、問題解決につながるようになったという。臺氏は「可視化」の有効性を実感したと語る。
米国市場における品質への取り組みでは、全米630拠点のリテーラーを通じて1日4000件以上の顧客の声を収集していたものの、一定数がまとまってから集計する仕組みであったうえ分析できるのが専任者だけだったため、結果が出るまでのスピードが遅く、さまざまな切り口での分析ができないという課題があった。そこでTableauを使い、現場でダッシュボードを開発して可視化したことで、さまざまな人の目が入るようになり、分析の範囲が広がって、次のアクションにもスピードが出たという。
「改善をドライブし、成功事例を積み上げることで、社員の改善マインドを取り戻すことができた。また、煩雑化した業務をスリム化し、標準化できたことで、社員が本質的な業務に取り組むことができた。さらに、職場が活性化し、社員がモチベートされ、エンゲージメントも向上した」(臺氏)
今後、SUBARUでは、Tableauによる基盤を活かしながら、データ活用の定着を図ること、経営との距離を縮めること、データ活用の人材を育て、新たな価値を生むことができるようにすること、顧客との結びつきを強めることや、新たな領域における事業化にも挑戦していく。
AIを自動運転に活用=20年代後半に―SUBARU幹部
SUBARU(スバル)で自動運転技術開発の責任者を務める技術本部プロジェクトゼネラルマネージャーの柴田英司氏は9日までに、時事通信の取材に応じた。自動運転技術を進化させるため、運転支援システム「アイサイト」に人工知能(AI)を活用した新たな技術を2020年代後半に実用化させる。主なやりとりは次の通り。
―長年、自動運転技術開発に携わってきた立場から、「アイサイト」のこれまでの進展をどう評価しているか。
1990年代初頭、カメラで全て交通環境を認識できるというコンセプトで(技術開発を)始めた。そこから30年くらい経過して、ようやく当初のコンセプトに近づいてきた。特に、衝突回避をメインに絞り込んだシステムにしたことで、最近の10年間は一気に技術進化が進んだ。
―昨年、最新の「アイサイトX」を搭載したステーションワゴン「レヴォーグ」を投入した。
コストパフォーマンスはそれなりに良い。使ってもらわなければ事故は減らないので、買える範囲で高機能とコストのバランスを取るのが一番のテーマだ。今後も、「アイサイトX」の搭載車を国内できちんと熟成させる。
―ホンダが先行する自動運転「レベル3」への考え方は。
スバルとしては、「レベル2」の範囲内で(技術の)高度化を進めていく。「レベル3」を否定するつもりは全くなく、正直に言って「すごい」と思う。ただ、ドライバーの肩代わりをする(レベル3の)システムは技術的にも最先端。部品点数が増えるので、なかなかきつい。
「アイサイト」は量産技術だ。いかに台数を売るかという技術領域。新しい技術を入れて技術をアピールする商品ではない。年間何十万台売るという決意で開発しているシステムで、われわれは立ち位置を堅持している。
―昨年設立したAI開発拠点「スバルラボ」の狙いは。
車の安全を確保する技術をさらに進化させるにあたって、対応するシーンがどんどん複雑になってくる。複雑なシーンが増えるにつれ、AIの判断も活用しながら、スバルに従来なかった領域の技術を取り込まないといけない。
―自動運転でAIの果たす役割は。
画像を解析するのはAIが得意だ。ステレオカメラからでは特徴が出ないような、あいまいなシーンでもAIに掛ければ使える。
―具体的にはどういうことか。
例えば、道路上に白線が全然なくても人間のドライバーは走れる。それは、何となく全体の道路形状や周辺の構造物などで判断できるからだ。そういうことが今の運転支援ではできない。そこでAI技術を活用すれば、ステレオカメラと合わせた独自の前方認識技術が作れる。
人間のドライバーだったら苦もなくできることが、運転支援システムはできないのが現状だ。
―AIを組み合わせた技術の実用化は。
ラボを昨年立ち上げたが、まだ時間がかかる。20年代後半に実用化を目指していく。まだまだ具体的には厳しいが、新しい領域をスバルも始めないといけない。
SUBARUが予防安全で巻き返し 新型レヴォーグ最高点
SUBARUがデータ活用で取り組むデジタル時代の「モノ作りの強化」
SUBARUがデータ活用で取り組むデジタル時代の「モノ作りの強化」
セールスフォース・ドットコムは6月1~4日、プライベートイベント「Salesforce Live: Japan」をオンラインで開催している。初日には「ビジネスの成功をどこからでも“Success from Anywhere”」をテーマにさまざまなセッションが配信された。ここでは、「Salesforce&Tableauで進化する次世代のデータ活用」というセッションで紹介されたSUBARUのTableau活用事例をお伝えする。
まず、セールスフォース・ドットコム傘下でTableau Software Country Managerを務める佐藤豊氏がTableauの概要を紹介。Salesforceが目指すものを「お客さまの顧客接点を全てデジタル化すること。その中で生まれてきたデータを“Single Source of Truth”として、データを会社のパワーに変えていくこと」だとした上で、さらにデータをパワーに変えていく際に必要となるツールが「アナリティクス」であり、TableauがSalesforceに加わった理由だと説明した。また、「データは、ビジネスを知っている人や何かをしたい人が手にしたときに一番効果がある」と指摘。ビジネスに携わる全ての人がデータを見て理解できるように支援することがミッションだと語った。
「Single Source of Truthを使うことによって、データドリブンな意思決定ができる。データドリブンな意思決定ができるとバイアスが抜け、カルチャーの変化や人の変革につながる。データの力を組織全体として把握し、最大化しようという形になり、一人一人の社員/従業員がより速くスマートな意思決定をするような形にフォーカスしていく」(佐藤氏)という流れでデータを基盤に据えた企業改革が進んでいくとした。
続いて、SUBARU 専務執行役員 CIO IT戦略本部長 兼 経営企画本部 副本部長の臺卓治氏が同社のデジタル/データ活用の取り組みを紹介。同社は自動車と航空宇宙をメインのビジネスとし、2019年度の実績で売上高3兆3400億円超、営業利益2000億円超という規模の企業で、同氏は「自動車メーカーの中では決して大きな企業ではないので、経営戦略として『選択と集中』『差別化』『付加価値』という3つを掲げている」という。同社が最終的に目指す姿について、臺氏は「SUBARUは『技術オリエンテッド』な企業というイメージで見られることが多いが、お客さまに『安心と楽しさ』という価値を提供して、お客さまとの結び付きを強くしていきたいというのがわれわれが目指しているところだ」とした。
従来の自動車産業はデジタルとは距離がある世界だったが、現在は「100年に一度の変革期」として“CASE(Connected, Autonomous, Shared & Service, Electric)”に注目が集まる状況になっている。業界が否応なしにデジタル技術に向き合わざるを得ない状況になる中、「SUBARUはデジタルとどう向き合っていくのか」について悩んだと明かす。
どちらかと言えば保守的な社風の中で同氏が取り組んだのは、データを活用することで従来は難しかった顧客との直接の接点を作っていくことと、日本の強みであった「モノ作りの強化」だという。前者の取り組みが、同社の戦略市場である米国で提供している「コネクトサービス(サブスクリプションビジネスモデル)」や「SUBARUオリジナルナビゲーションスマートフォンアプリ“SUBAROAD”」による顧客体験の価値創造だ。
後者の取り組みは「日本の製造業の強みであった『現場と一体となった改善』が停滞気味で、従業員の意識も少し落ちているんじゃないか」という“モノ作りの危機”に対する危機感を背景としたものだという。理由としては「業務量が増えてきて時間的な余裕がなくなってきた」ことや「積み上げ式に業務量が増えたことで作業者が自分がやっている仕事の全体感が分からなくなってきている」「『この仕事の本質って何だ?』というところが見えないので改善が進みにくい」ということが挙げられるという。「業務の効率化で時間を生み出し、課題を可視化してチームで共有・分析しながら問題解決につなげる。その結果を通じて人材を育てていくというのがわれわれの得意としてきた改善プロセスになる。そう考えると、現在のように業務が非常に複雑になっている中でデジタルツールが重要になり、そこにTableauの活用領域があるのではないか」と臺氏は考えたという。
同氏はその狙いとして「社内の成功事例を積み上げることで、従業員にもう一度、改善意識を取り戻してもらいたい。非常に煩雑になっている業務を標準化するなどして、より本質的な仕事に取り組んでもらいたい。結果的にそれが職場の活性化につながり、従業員のモチベーションを上げ、エンゲージメントの向上になる」ことを期待していると語った。
同社は2016年にTableauの導入を開始し、現在は526部署、1400人が利用できる状態になっているという。社内業務のほぼ全領域で活用しているとのことだが、主な事例として「製造領域」「販売促進領域」「品質領域」の3つが紹介された。
製造領域の取り組みでは、従来、紙を使って手作業で行っていたチェックリストの作成をタブレットに切り替え、Tableauで分析することで効率化や精度向上などのメリットが得られた。それによって、「作業工程をデータによって可視化できるようになったことで『自分たちがやっている仕事のどこが問題なんだ』ということが認識できるようになり、改善につながるようになった」(臺氏)販売促進の領域では、Salesforceの機能であるウェブ履歴の収集から顧客がどういう風に車に向き合っているかをつかみ、適切な情報発信につなげることができるようになった。また、その結果をTableauで分析することにより、従来の枠を超えてさまざまな部門で課題を共有し、問題解決できるようになったという。最後の品質領域は、米国市場での品質向上の取り組みになる。米国内630拠点の販売店から毎日4000件を超える指摘が顧客から集まってくるが、従来はこのデータを選任の担当者が分析してきたため、スピードの遅さやデータの属人化という問題があった。しかし、Tableauを活用することで誰でもデータを見られるようになり、さまざまな切り口からの分析が行われるようになったことで次のアクションが迅速になったという。こうした成果を踏まえて、同氏は今後の取り組みとして「データ活用の定着を図る」と「経営との距離を詰めていく」の2点を挙げ、さらにデータを活用できる人材の育成や新事業の創出などにもつなげていきたいとした。
スバルが民間ヘリを初納入 日本の自動車メーカーで唯一
【クルマが好き】ヘリの制御技術、「空飛ぶクルマ」でも有利か
SUBARU(スバル)が米国のベル・ヘリコプター・テキストロン社と共同開発した新型ヘリコプター「SUBARU BELL 412EPX」を警察庁へ納入したと5月20日に発表した。同機の納入は、今回が第1号。 ヘリの制御技術は、将来的に「空飛ぶクルマ」への応用の期待もある。 スバルにとって、民間ヘリコプターの開発・生産は1995年以来という。初号機はスバルの宇都宮製作所で操縦と整備の訓練を行い、岩手県警で活躍する予定だ。 スバルとベル社は1960年代からヘリコプターの共同開発やライセンス生産を行うなど、長く協力関係にある。 スバルは2015年、陸上自衛隊の多用途ヘリ「UH-1J」の後継機となる新多用途ヘリ(UH-X、後のUH-2)の開発を防衛省から請け負った。これを受け、スバルとベル社は民間向けの最新ヘリ412EPXを共同開発。この機体を共通プラットフォームとして、陸自の新多用途ヘリを開発した。 412EPXは「世界でベストセラーとなった従来の412型機の後継で、多用途性や信頼性に対する高い評価を維持しながら、さらに能力を向上させた機体」(スバル関係者)という。412EPXはカナダで試作機が飛行試験を重ね、18年7月に米国連邦航空局から量産に必要な型式証明を取得。19年1月には、国土交通省からも承認を受けた。 日本ではスバルのほか、三菱重工業と川崎重工業がヘリを生産しているが、いずれも外国メーカーとの共同開発で、防衛省向けの納入が中心だ。 世界のヘリコプター市場の売上高ランキング(19年)は、1位のエアバス・ヘリコプターズ、2位のレオナルド・ヘリコプターズの両欧州勢にに続き、米国のベル・ヘリコプターが3位だ。この上位3社が市場全体の約3割を占める。コロナ禍の影響で先行きは不透明だが、民間ヘリ市場の成長は今後も期待できるという。 日本メーカーが世界のヘリ市場に占めるシェアは決して大きくないが、スバルはベル社と協力し、世界で150機以上の412EPXの販売を目指すという。 412EPXの運動性能はどうなのか。スバルは「日本の複雑で狭隘な地形でも人命救助を可能とする。離島防衛や災害救助にも活躍が期待される」とコメントしている。スバル車にも共通する運動性能の高さから、「過酷な運航条件の下でも高い信頼性を誇り、警察・消防・防災用途を中心に世界各国での展開を見込んでいる」という。 スバルの前身は、戦前の名門航空機メーカー「中島飛行機」だ。第2次世界大戦中は「隼」や「ゼロ戦」などの戦闘機を手掛け、戦後は自動車メーカーに転身した。 1960年代後半から70年代にかけては単発プロペラ軽飛行機「富士FA200」(エアロスバル)や双発プロペラビジネス機「富士ロックウェルFA300」など高性能な民間機を開発・販売した。しかし、いずれもビジネスとしては大成しなかった。 現在のスバルの航空機事業は、ボーイング787の中央翼の生産などが中心だ。それに加え、小規模ながらも民間向けにヘリコプターを共同開発・生産する意義は大きい。 自衛隊機はもちろんのこと、自治体の防災ヘリなどはメインテナンスが重要だ。製造メーカーが国内にあることは、部品供給や整備体制の面でユーザー側にもメリットは大きい。 さらにスバルがヘリの制御技術を維持することは、将来的に大型ドローンによる「空飛ぶクルマ」を開発するうえでも有利となるに違いない。これはスバルの筆頭株主のトヨタ自動車にとっても、グループ内の重要な経営資源になることだろう。 日本の自動車メーカーでヘリを開発・生産するのは、航空・宇宙部門を抱えるスバルだけだ。「空飛ぶクルマ」の開発で、スバルを抱えるトヨタ陣営の動きに注目したい。
スバル、初の本格EV トヨタと共同開発
【クルマが好き】その走りは「スバリスト」の支持を得られるか?
SUBARU(スバル)がトヨタ自動車と共同開発した電気自動車(EV) の名称が「SOLTERRA(ソルテラ)」と決まり、2022年の年央までに日本、米国、カナダ、欧州、中国などで発売されることになった。これまでハイブリッドを含む電動化技術で周回遅れだったスバルは、トヨタと組むことで本格EVを発売し、一気に先頭集団を目指す。 スバルとして世界で初めて発売する本格EVは、果たして世界のユーザー、とりわけ「スバリスト」(米国ではスービー)と呼ばれる熱心なスバルファンに支持されるだろうか。 ソルテラはトヨタが4月の中国・上海モーターショーで初公開した新型EV「TOYOTA bZ4X(トヨタ ビーズィーフォーエックス)」と基本的に同じプラットフォームを使っている。 スバルは「両社が知見を持ち寄り、全く新しいEV専用プラットフォームを作り上げる中で、従来からスバルが目指してきた高い衝突安全性や優れた操縦安定性をEVでも実現すべく、トヨタとともに開発に取り組んできた」とコメントしている。 トヨタもbZ4Xを日本と中国で生産し、22年年央までに世界で発売すると発表している。トヨタ・スバルの共同開発の本格EVは、兄弟車として同時期にデビューすることになる。 両社の共同開発車は、スポーツカー「トヨタ86」と「スバルBRZ」に続くビッグプロジェクトで、もちろんEVでは初めてとなる。 bZ4Xとソルテラは、世界でも売れ筋のCセグメント(全長約4.2m~4.6m程度)のSUVだ。パワートレインはスバルのSUVらしく、前後のモーターで4輪を駆動するAWD(全輪駆動)となる。スバルのアイデンティティーだった水平対向エンジンが消え、モーター駆動となっても、低重心で左右対称レイアウトの「シンメトリカルAWD」である点は変わらないだろう。 これまでスバルは水平対向エンジンとシンメトリカルAWDレイアウトからくる「走り」の良さでユーザーの支持を得てきた。EVとなっても、スバルらしい走りを維持できるかどうか。 恐らくスバルは電動モーターを使い、4輪の最適制御でライバルと走りの違いをアピールすることだろう。ファンの関心はそこにある。 CセグメントもしくはDセグメント(全長約4.5m~4.8m程度)のEV版SUVとしては、ライバルの日産も世界戦略のニューモデル「アリア」を今年の年央に発売する予定だ。 トヨタ、スバルとも新型EVの詳細なデータを発表していないが、両社の新型EVは米テスラの量産車「モデル3」と日産アリアを最大のライバルとして意識しているのは間違いない。 テスラは電池の容量を公表していないが、航続距離はモデル3が最長580キロ(WLTPモード)。モデル3はSUVではないが、スバルが得意とするAWDモデルもあり、世界で最も売れている量産EVだ。 日産アリアにもFF(前輪駆動)のほか、AWDモデルがある。アリアのリチウムイオンバッテリー容量は65kWhと90kWhの二つがある。航続距離(WLTCモード)は90kWhのFFで610キロ、90kWhのAWDで580キロとなっている。 後発のトヨタ・スバルとしては、先行するテスラのモデル3や日産アリアと航続距離で肩を並べなくては、世界戦略の商品として成り立たないだろう。ホンダとマツダは自社のEVにいずれも35.5Kwhと容量の少ないバッテリーを積み、航続距離を200キロ台後半にとどめているが、トヨタ・スバルはこの「近距離ドライブ専用」の路線とは一線を画すに違いない。 トヨタはbZ4Xについて「電動化を得意とするトヨタと、すぐれたAWD技術を持つスバルが互いに強みを持ち寄った」と説明している。「回生エネルギーの活用に加え、ソーラー充電システムを採用。停車中も充電を行うことで、冬場などでも不便を感じさせない航続距離を確保する」という。 ルーフなどに太陽光パネルを置き、晴天時に発電するソーラーシステムは、トヨタがハイブリッドカー「プリウス」の車内換気に使ったことがあるが、走行に用いる本格的な車載電源としては実用化に至っていない。実現すれば、テスラにもない先進技術として他メーカーのEVをリードする可能性がある。 満を持して登場するトヨタ・スバルの共同開発EVの完成度は高いに違いない。とは言え、世界では「メルセデス・ベンツEQA」など本格EVのライバルが次々と登場している。 スバルの場合、主力の北米市場でソルテラの「走り」がどう評価されるか。今後のスバルの電動化を占う意味で注目の1台となるに違いない。
トミカ、6月の新車に新型「SUBARU BRZ」が登場! 初回限定は兄弟車「GR86」のレッドカラー
SUBARUがレヴォーグの最新技術をアニメーション、動画で分かりやすく紹介
「JNCAP」で「自動車安全性能2020ファイブスター大賞」を獲得したレヴォーグ
SUBARUは、5月26日~7月30日にオンラインで開催されている「人とくるまのテクノロジー展 2021 オンライン」の出展概要を発表しました。
上記の開催期間中、「人とくるまのテクノロジー展」特設サイトが開設されます。以前お伝えしたように、最新の「JNCAP」において「自動車安全性能2020ファイブスター大賞」を獲得したレヴォーグが登場。
日本一安全なクルマとして評価されたレヴォーグの高い先進安全性能やSUBARU自慢の走りを支える技術が、「移動を感動に変える10の技術」としてアニメーション、動画で解説されます。
この「移動を感動に変える10の技術」では、すべての移動を感動に変えるクルマとしてレヴォーグがピックアップされ、新次元の運転支援を行う「アイサイトX(エックス)」をはじめ、死亡交通事故ゼロ(SUBARU乗車中の死亡事故およびSUBARUとの衝突による歩行者、自転車などの死亡事故をゼロに)の実現に貢献する「つながる安全」「走りの愉しさ」を支える電子制御ダンパーシステムなど、独自の最新技術を紹介。
ほかにも、レヴォーグの衝突安全性能の要である「フルインナーフレーム」、状況に応じて自在な走りが引き出せる「ドライブモードセレクト」、つながるクルマである「コネクティッドサービス」、緊急時に停車まで作動させる「ドライバー異常時対応システム」、ウインカーを操作するだけで車線変更を行う「アクティブレーンチェンジアシスト」「エマージェンシーレーンキープアシスト」「料金所前速度制限」や「カーブ前速度制限」「渋滞時ハンズオフアシスト」「前側方プリクラッシュブレーキ」が動画(アニメーション)などで分かりやすく解説されています。
現行レヴォーグのオーナーの方はもちろん、購入を検討している人にもオススメの特設サイトになっています。
(塚田勝弘)
スバル新型「レヴォーグ」が日本で一番安全なクルマに! スバルが高度な安全性を追求する狙いとは
新型レヴォーグが「自動車安全性能 2020 ファイブスター大賞」受賞
国土交通省と独立行政法人 自動車事故対策機構(NASVA)が実施した、クルマの安全性能を比評価する自動車アセスメント(JNCAP)において、スバル「レヴォーグ」が2020年度の衝突安全性能と予防安全性能の総合評価で最高得点となる186.9点を獲得し「自動車安全性能 2020 ファイブスター大賞」を受賞しました。
具体的には、衝突総合得点は96.9点(100点満点)、予防総合得点は満点の82点、事故自動通報システムも満点の8点、総合で186.9点(190点満点)という極めて高い点数を獲得しています。
レヴォーグは、「より遠くまで、より早く、より快適に、より安全に」というグランドツーリングのDNAを継承。そのうえで、スバルの最新技術を結集し、「先進安全」「スポーティ」「ワゴン価値」のみっつの価値を革新的に進化させたパフォーマンスワゴンです。
初代モデルは2014年に登場。前身の「レガシィツーリングワゴン」が北米市場のニーズに対応するために大型化したことから、レヴォーグは日本の環境にマッチしたスポーツワゴンとして誕生しました。
その後2020年に2代目へと進化し、走行性能のみならず安全性能が大きく向上。「0次安全」「走行安全」「衝突安全」「予防安全」に加え、「つながる安全」が加わりました。
「0次安全」では、直接視界の良さ、死角を補助する高精細なフロント・サイド・リアの「デジタルマルチビューモニター」、後席の乗員がいても走行中の後方視界を確保する「スマートリアビューミラー」。
さらに、情報を瞬時に伝え直感的に操作できるデジタルコクピット、ヘッドライトを緻密にコントロールし、対向車両が眩しくなることがなくハイビームで夜間の視界を確保する「アレイ式アダプティブドライビングビーム」、骨盤をしっかり支え背筋を伸ばすことでロングドライブでも疲れにくいシートなどを採用。
「衝突安全」では、スバルグローバルプラットフォーム×フルインナーフレーム構造を採用。従来モデルに対し、ボディ構造の最適化と高張力鋼板の適切な配置により、質量増を抑えながら、前面・側面・後面すべての衝突安全性能を大幅に向上させました。
またデュアルSRSエアバッグをはじめ、側面衝突時に備えるSRSサイドエアバッグ+SRSカーテンエアバッグや、前面衝突時に下肢へのダメージを軽減する運転席SRSニーエアバッグ、さらにシートベルトによる拘束保護性能を高める助手席SRSシートクッションエアバッグを採用しています。
そして、歩行者保護エアバッグを全車標準装備し、バンパー内部の圧力センサーにより歩行者との衝突事故を検知し、瞬時にフロントガラスとAピラーの下端をエアバッグで覆うことで歩行者の頭部へのダメージ軽減を図ります。
日本では、クルマと歩行者・自転車の事故が多く、とくに歩行者がフロントガラスに頭部をぶつけて死亡する事故が多く発生。
そのためスバルでは、2016年に発売された「インプレッサ」から歩行者保護エアバッグを順次搭載していますが、この歩行者保護エアバッグを導入している国内メーカーはスバルだけ、世界でもボルボなど少数のメーカーしか搭載していないといいます。
「予防安全」では、視野を大幅に広げた新開発のステレオカメラに加えて、前後4つのレーダーを組み合わせることで360度センシングを実現した新世代アイサイトを全車標準装備。
ソフトウェアの性能向上や電動ブレーキブースターの採用などとあわせて、交差点の右左折時や見通しの悪い場所での出会い頭など、より幅広いシーンで衝突回避のサポートをおこないます。
また万一、交通事故やトラブルが発生した際に確かな安心でサポートするコネクティッドサービス「SUBARU STARLINK」を、新型レヴォーグにスバル国内初採用。24時間365日、クルマとスバルがつながることでさらなる安心を提供します。
スバル フォレスター完全情報!おすすめグレードや人気カラー、スペックなどを解説
スバル フォレスターとはどんな車?
フォレスターはスバルが製造・販売するミドルクラスのクロスオーバーSUVです。
悪路での高い走破性を持つモデルとしてインプレッサをベースに開発され、スバルの得意とする水平対向エンジンと四輪駆動を車高の高いボディに搭載していることが特徴となっています。初代がデビューしたのは1997年、現行モデルは2018年発売の5代目です。
スバルのSUVとしてはXVよりも大型なモデルとしての位置づけ。トヨタ RAV4や日産 エクストレイルなどのライバル車には2WDモデルが設定されていますが、フォレスターは4WDのみ。駆動方式によって車両価格に大きな差が出ないため、好みのグレードを探しやすくなっています。
現在販売している5代目フォレスターでは、初めてハイブリッドシステム「e-BOXER」を搭載しました。先代モデルまで設定されていた6MT車は廃止されており、全グレードにCVTの「リニアトロニック」が採用されています。
3列シートの設定はなく、全グレードで5名乗り。ドア開口部が大きいため人の乗り降りや荷物の積み降ろしが楽におこなえます。また、後席の足元スペースも広くとられているため居住性が高く、余裕のある空間で快適なドライブを楽しむことが可能です。
おすすめグレード
フォレスターのグレード構成と車両価格
2021年5月時点で販売されているフォレスターのグレード(特別仕様車を除く)は以下表のとおりです。
グレード名 | 車両価格(税込) |
---|---|
Touring | 2,915,000円 |
X-BREAK | 3,058,000円 |
Advance | 3,157,000円 |
SPORT | 3,289,000円 |
2.0Lハイブリッド車がメイングレード
フォレスターのメインパワートレインは、2.0L直噴エンジン+モーターによる「e-BOXER」です。ガソリン車を希望する場合は迷わず「SPORT」を選びましょう。
ハイブリッドの3グレードは見た目の印象が異なりますので、第一印象でピンときたグレードの装備を確認していくのがおすすめです。
簡単にまとめると、Touringはシンプルな都市派SUV、X-BREAKはアクティブで個性的な印象、Advanceは見た目も装備も上級グレード、といった感じです。
上位装備は「Advance」と「SPORT」
ハイブリッド車の最上位グレード「Advance」と、唯一のガソリングレード「SPORT」は、標準設定されている装備およびオプションで選べる装備がほぼ同じです。
他グレードでメーカーオプションとなっている、アイサイトの拡張機能「アイサイトセイフティプラス」の、後側方警戒支援システムやドライバーモニタリングシステムなどが標準設定となっています。
サンルーフもこの2グレードでのみ選択可能。シートはSPORTがウルトラスエード&本革仕様が標準なのに対し、Advanceはオプションで本革仕様にアップグレードできます。
アイサイトセイフティプラスの視界拡張機能はオプション
フォレスターは、「アイサイトセイフティプラス」の視界拡張機能が全てのグレードでメーカーオプション。選択すると、フロントビューモニターとスマートリヤビューミラー機能、いわゆるスマートミラーにアップグレードとなります。
スマートミラーを標準装備としているライバル車はまだ少ないため、こちらはドライバーの好みで選択してよいでしょう。
アウトドア用の荷物を沢山積んで、ルームミラーが見えなくなってしまう人にはおすすめのオプションです。
ハイブリッド3グレードは価格差がほぼない
見た目の好みはともかく装備を充実させたいという人は、「Advance」と「X-BREAK」の価格差が10万円ほどしかない点に注目してもよいでしょう。
X-BREAKにあれこれオプションをつけるより上位グレードのAdvanceを選ぶ、というのもアリです。
お得感があるのは「Touring」より「X-BREAK」
エントリーグレードの「Touring」と「X-BREAK」は、標準設定されている装備およびオプションで選べる装備がほぼ同じです。
価格差5万円ほどで、X-BREAKには「テアリングヒーター」「後席左右シートヒーター」「ルーフレール」が装備されますので、X-BREAKはお買い得といえます。
デザインやテイストが好みであれば、X-BREAKをおすすめします。
ボディカラーは全9色
フォレスターは「X-BREAK」のみ選べるボディカラーラインナップが異なります。
通常は全9色ですが、X-BREAKはブラック、ホワイト、シルバー系の4色のみ。査定額が高くなるのは、「クリスタルホワイト・パール」「アイスシルバー・メタリック」「マグネタイトグレー・メタリック」「クリスタルブラック・シリカ」などでしょう。
カラー名称 | カラーコード |
---|---|
クリスタルホワイト・パール | (K1X) |
アイスシルバー・メタリック | (G1U) |
マグネタイトグレー・メタリック | (P8Y) |
クリスタルブラック・シリカ | (D4S) |
クリムゾンレッド・パール※ | (M1Y) |
ホライゾンブルー・パール※ | (SAZ) |
ダークブルー・パール※ | (M2Y) |
ジャスパーグリーン・メタリック※ | (SBC) |
セピアブロンズ・メタリック※ | (M4Y) |
※X-BREAKでは選択不可
スバル フォレスターのスペック
ボディサイズ
全長 | 4,625mm |
---|---|
全幅 | 1,815mm |
全高 | 1,715~1,730mm |
ホイールベース | 2,670mm |
車両重量 | 1,570~1,640kg |
乗車定員 | 5人 |
フォレスターはミドルサイズSUVなため比較的大柄のボディサイズとなっていますが、最小回転半径は5.4mとサイズが一回り小さいXVと同程度の数値で小回り性能に優れていると言えます。全幅も同クラスのライバル車の中では小さめとなっているため、都市部での走行もそこまで苦にはならないでしょう。
比較的小さいとは言ってもミドルサイズSUVらしく室内空間は広々としています。3列シートではない分、後席は大人が座っても足元に余裕があるほど広いため、後席でも快適に長距離ドライブを楽しむことができます。
パワートレイン
エンジン | 水平対向4気筒 | 水平対向4気筒 |
---|---|---|
排気量 | 1,995cc | 1,795cc |
最高出力 | 107kW[145PS]/6,000rpm | 130kW[177PS]/5,200-5,600rpm |
最大トルク | 188N·m[19.2kgf・m]/4,000rpm | 300N·m[30.6kgf・m]/1,600-3,600rpm |
モーター最高出力 | 10.0kW[13.6PS] | – |
モーター最大トルク | 65N・m[6.6kgf・m] | – |
トランスミッション | リニアトロニック | リニアトロニック |
駆動方式 | AWD | AWD |
使用燃料 | レギュラー | レギュラー |
2.0L直噴エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドの「e-BOXER」と、ダウンサイジングターボの1.8L直噴ターボ「DIT」の2種類がグレード別に設定されています。
「e-BOXER」はモーター走行、エンジン走行、またはエンジンとモーターを併用して走行など、パワーユニットをシーンに応じて最適になるよう制御。力強い走りと優れた燃費性能を両立させ、気持ちの良い走行が可能です。
「DIT」は「SPORT」のグレードにのみ搭載される新開発のエンジンで、2.5Lモデルに搭載されていた2.5Lエンジンに代わって搭載されます。1,600rpmの低回転から30.6kgf・mのトルクを発揮するエンジンで、力強い加速と静粛性の高い走りを楽しめます。
トランスミッションは全グレードでCVTの「リニアトロニック」となっていますが、走行状況に応じて段階的な変速を行う「オートステップ変速」や7速のマニュアルモードを搭載しているためギアチェンジをしているようなダイレクトな走行も可能です。
歴代モデル
【初代】フォレスター:SF系(1997年~2002年)
初代フォレスターの登場時は、まだSUVという概念がありませんでした。当時のコンセプトはステーションワゴンとクロスカントリーの中間的存在。基本構成はインプレッサを流用しています。
途中で追加されたt/25では、国内では2000ccのEJ20エンジンが中心だった中、低回転のトルクを重視して実用的なセッティングが施された、2500ccのEJ25エンジンが搭載されます。
スポーティーなクロスオーバーのイメージが先行するフォレスターですが、実際には実用性を重視したモデルも販売していました。
【2代目】フォレスター:SG系(2002年~2007年)
ほぼ先代のイメージを引き継ぐように変化したのが2代目です。しかし、2500ccのEJ25モデルが消滅するなどの、残念な点も多くありました。
EJ20ターボのスポーティーなグレードも、エンジントルクを重視したことで乗りやすくなりましたが、最高出力が若干低下するなどの変化も。
アメリカのアウトドアブランド「L.L.Bean」とのコラボレーションを行ったこともあり、キャンプブームの今注目の1台です。
【3代目】フォレスター:SH系(2007年~2012年)
3代目のデザインは従来よりも丸みを帯び、最低地上高も大幅に大きくしたことで、クロスオーバーテイストが強くなりました。
当初は、先代と同じ2000ccのエンジンのみのラインナップになっていましたが、後期型から、Sエディッションや、tSにて2500ccモデルをターボ付きで復活させます。
走破性を意識したターボセッティングは、低回転のトルクを重視し、パワーは高くないまでも、余裕をもった走りを実現します。
【4代目】フォレスター:SJ系(2012年~2018年)
この頃になると、排ガス規制も乗り越え、過去のEJ系と異なる新開発エンジンが搭載されるようになります。
また、MTモデルが5速から6速へと多段化され、より適切なギアを細かく選べるようになりました。
また、SI-DRIVEの採用により、スポーツモード、インテリジェントモードなど切り替え、アクセルレスポンスを変更するユニットを搭載し、アクセル操作の難しい燃費走行を楽に行えるような機能も搭載しました。
トヨタとの共同開発車 EVのSUV「ソルテラ」にスバルらしさはあるか?
トヨタが2021年4月の上海モータショーでスバルと共同開発するEVのSUVとなるbZ4Xのコンセプトモデルを発表したのに続き、スバルも5月11日、トヨタbZ4Xのスバル版がソルテラとなることを発表し、一部ティザー写真も公開した。
ソルテラ(SOLTERRAは、ラテン語で太陽を意味するソルと大地を意味するテラの造語で、自然をもっと愉しみ、自然との共生をより一層深めていきたいという想いからこの名称が採用された。
本企画ではトヨタbZ4Xの概要を含め、まだ情報がほとんどないソルテラがどんなクルマになるのかを考えてみた。
まずは先に発表されたトヨタbZ4Xってどんなクルマ?
まずは、公開情報の多いスバルソルテラのトヨタ版、bZシリーズを改めて紹介しておきたい。
トヨタは上海モータショーで2025年までにEVを15車種、そのうちの7車種をエンジンの付いたクルマの代替を想定していると思われるbZシリーズとすることを発表した。bZはbeyond zeroの意味で、ゼロエミッションだけではないEVの価値や魅力を提供するという想いが込められているという。
なお、bzシリーズはトヨタだけで多様なサイズ、スタイルのEVを開発するのは困難なため、トヨタと関係があるスバル、ダイハツ、スズキ、中国のBYDというそれぞれ得意分野を持つパートナーと共同で開発を進めていくという。
上海モータショーで発表されたbZ4Xコンセプトはコンセプトという名前ながら、完成度の高いショーカーで、車格は発表に「Dセグメント(トヨタのSUVならハリアーやRAV4)並の室内空間を実現」という記述があることから、ボディサイズはCセグメントとなる全長4500mm台、全幅1800から1850mmと予想される。
スタイルはクーペルックとなるハリアーを思わせながら、ヘッドライトの形状などによりEVらしい未来的な要素とSUVらしい力強さを盛り込み(給電口は前進駐車とバック駐車それぞれの使い勝手を考慮してか、左前フェンダーに付く)、小型化したという印象だ。
インテリアもオーソドックスなところもありながら、飛行機の操縦桿のようなハンドルの採用により太股上部の空間が広くなった点、ハンドル上下が切れたことで視認性が大きく向上したデジタルメーターやトヨタ車がたまに使うアーチ型のセンターコンソールに置かれたダイヤルとボタンを使ったシフトスイッチの採用などにより未来的な雰囲気も感じられる。
また環境に配慮したEVというのもあり、ダッシュボードに貼られた布などはリサイクル素材を使っているのかもしれない。
機能面はスバルと共同開発されたEV専用プラットホームとなるe-TNGA(スバルではeスバルグローバルプラットホームと表現しているが、同じものなのだろう)を採用。
このプラットホームはスタイルや室内空間の広さにも関連するショートオーバーハングとロングホイールベースを実現とするほか、スバルの発表によればフロント・センター・リアといった数種類のモジュールやユニットを組み合わせることで、バリエーションを効率的に増やすことも可能だという。
トヨタbZ4Xの航続距離や動力性能は?
bZ4Xは、ハンドルとタイヤが機械的にはつながっていないため、ハンドルの操作量と関係なくタイヤの切れ角を変えられるステアバイワイヤを採用。ステアバイワイヤの採用により、大きく操舵する際もハンドルの持ち替えが不要になるなどのメリットを持つ。
またAWDシステムはスバルとの共同開発で、素早いレスポンスや高い走破性により安全で楽しい走りを実現するという。といったことが挙げられる。
ただ、スペックに関する発表はないため、航続距離やバッテリー、動力性能、価格などを予想してみた。
●航続距離&バッテリー搭載量
航続距離に関しては「冬場などでもお客様に不便を感じさせない航続距離を確保」と記述されていることから、WLTCモードで400から450kmと予想され、バッテリーは60kWh程度を搭載?
つまりCセグメントのSUVでCセグメントのハッチバックとなるリーフe+並の航続距離を目指すのかもしれない。またバッテリー搭載量は60kWh程度を基本に、使い方に応じて小型化、大型化したものが設定される可能性もある。
●動力性能
モーターはAWDがRAV4 PHVのフロント182馬力、リア54馬力で合計230馬力台とし(リアモーターはさらに強力なものかもしれない?)、2WDが設定される可能性もある。
●価格
こういった次世代エネルギー車を出す際には初代プリウスの215万円から、先代MIRAIが補助金を使うと実質的に550万円程度と、エンジン車やハイブリッドカーと迷える価格としてきたトヨタだけに、bZ4Xも補助金を使った実質的な価格はハリアーハイブリッドなどと迷う400万円台前半からが期待できそうだ。
またbZ4Xとソルテラは2022年年央までにグローバルで発売する計画ということと、トヨタからは日本と中国で生産する予定ということが発表されている(スバルは日本、アメリカ、カナダ、欧州、中国等での販売と公表、生産はどちらもトヨタで行われるのだろうか)。
中国製のbZ4X&ソルテラはバッテリーも中国製になるにせよ、日本製の両車にはエネルギー密度、充電時間、耐久性といった性能の劇的な向上に加えコストダウンも期待できると言われている次世代の全個体電池が搭載される可能性もあるかもしれない。
スバルソルテラはどうなる?
ここまでbZ4Xを中心に見てきたが、bZ4Xとソルテラの違いも気になるところで、筆者個人は次期86&BRZ以上に違いは大きいのではないかと予想している。
というのも先代86&BRZの違いは初期モデルのサスペンションセッティング、後期モデルの見た目を含む空力性能程度だったが、次期86&BRZはエクステリア以上にサスペンションはもちろん、電動パワステをはじめとした各部の制御の違いもあるようで、想像以上に違いは大きいと予想されている。
このあたりを踏まえると、2020年1月に公開されたソルテラのデザインスタディモデルを思い出してもクーペルックというシルエットは変わらないにせよ、スバル顔のフロントマスクやリアビューの違いにより、bZ4Xはハリアーのようなシティ派SUV、ソルテラはフォレスターに通じるアウトドアなどにも似合うアクティブなSUV(ソルテラは公開された写真の背景も自然の中だ)といったイメージを持つのではないだろうか。
ソルテラとbZ4Xのデザインスタディモデルを比べてみると、ボンネットやフェンダー、ピラーなどのデザインは似ているが、フロントマスクやヘッドライトに大きな違いが見られる。コの字型のヘッドライト&左右バンパー、ヘキサゴングリルなど、スバルが掲げている「Dynamic×Solid」がしっかりと表現されていた。
スバル、復活シナリオに漂う「半導体次第」の暗雲
打ち出されたのは、不安のくすぶる"挽回計画”だった――。
5月11日、SUBARU(スバル)が前2021年3月期決算を発表した。売上高2兆8302億円(前期比15.4%減)、営業利益1025億円(同51.3%減)と減収減益で着地した。
昨年春は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、主力市場であるアメリカと国内で販売が激減。だが、その後の販売は急回復を遂げた。アメリカではコロナ影響を大きく受けた法人向け販売が少なく、比較的所得の高い個人客が多いため、需要の戻りも早かった。
そこに水を差したのが世界的な半導体不足だ。
一般的に受注から生産まで半年ほどかかる半導体は、自動車需要の急回復に供給が追いつかず、2020年末頃から世界的に需給が逼迫。スバルも今年2月の第3四半期決算発表時に、88万1300台としていた通期の生産計画を82万3400台に下方修正した。大拔哲雄調達本部長の下、サプライヤーとの交渉を進め、半導体の確保と影響の抑制に奔走してきた。
影響拡大を招いた独自戦略
だが、最終的に2021年3月期の生産台数は、2月の修正計画をさらに下回る80万9900台(2020年3月期実績は103万3900台)となった。半導体不足による減産は6.1万台だった。
スバルと販売規模の近い三菱自動車の場合、前期は半導体不足により3月に約4000台の減産を行った(その他の月は影響が少なく非公表)。同業他社と比べ影響がひときわ大きい背景には、販売や生産面におけるスバル固有の問題がある。
スバルはターゲット層と展開車種を絞り込んだ戦略により、比較的大型のCセグメント、Dセグメントといわれる車を中心に販売する。価格も高めのこれらの車種では、自動ブレーキや手放し運転といった先進安全装備などの高機能な装備を搭載するモデルが増え、車載半導体をより多く使う傾向にある。開発費や製造コストを抑えるため共通化している部品も多く、特定の部品が不足すると生産への影響も大きくなる。
スバルは年間販売台数が約100万台と少ないこともあり、生産ラインは世界で5ラインのみ。そこでは同じラインで複数の車種を生産する「混流生産」と呼ばれる手法を取っている。混流生産では、部品不足などにより生産できない車種が1つでも出ると、同一ラインで製造するほかの車種も生産できなくなる。結果として多くの車種へと影響が広がった。
一方、スバルの今期の見立ては楽観的だ。
2022年3月期は生産台数をコロナ前とほぼ同水準の103万台に回復させ、売上高3.3兆円、営業利益2000億円と大幅な増収増益を目指す計画だ。決算会見で中村知美社長は「年度を通じて挽回生産を行う」と強調。だが、半導体の確保に向けたサプライヤーとの連携策などに関する具体的な説明は語られなかった。
なお三菱自動車は今期、半導体不足により上期に卸売りの販売台数で8万台減を見込み、後半以降に挽回生産を行うも、通期で4万台程度のマイナス影響が残るとしている。
今期に入っても相次ぐ減産
足元でも半導体不足の影響は続いている。スバルは4月10日から4月27日の間、群馬製作所の一部製造ラインの生産を停止して1万台を減産。4月19日から4月30日までアメリカの生産拠点のSIAでも生産を止めて1.5万台減産し、合計2.5万台の減産を行ったと発表している。
もっともこの数字は、すでに生産調整を見込んでいた会社計画からの減産台数だ。各ラインの1日当たりの生産能力と稼働停止日数から単純計算すると、本来のフル生産能力と比べた場合の減産台数は、群馬製作所で1.68万台、SIAで1.7万台の合計約3.4万台に達する。
その後に生産は再開したものの、稼働調整は現在も継続している。販売自体は好調が続いている分、低水準の生産が続けば売り逃しを招きかねない。
実際、販売サイドにも影響は出始めている。1つがアメリカでの在庫の減少だ。日本と違い、アメリカではディーラーが車の在庫を持って販売する。アメリカの一般的なディーラーの場合、年間販売台数の60日分の在庫を持つことが多い。
現地で好調な売れ行きが続くスバルは以前からディーラー在庫が少なく、30~45日分を適正水準としてきた。だが、今年2月末で40日分あった在庫は、4月末の段階で18日分程度まで減少している。
アメリカには群馬製作所からも多くの車を輸出しており、船で輸送するため生産から到着まで1カ月はかかる。現在も生産調整が続く中、在庫水準の回復に時間を要するのは明白だろう。
一気に挽回できる"余力"も乏しい
国内でも販売への影響が見え始めている。あるディーラー関係者は「通常時は1~1.5カ月程度だった注文から納車までの期間が、現在は1~2カ月程度とやや長くなってきている」と明かす。
スバルは今期後半に工場の稼働日を増やせるようシフトの検討を行うなど、挽回生産に向けて準備を進める。だが、中村社長自身も「今の時点で必ずしも(103万台の生産が)できるとは言い切れない」と認めるように、今期の後半に半導体不足が解消できる確証はない。
生産ラインの少ないスバルは、コロナ前から続くアメリカでの需要拡大にも、残業や休日出勤を増やしてなんとか対応してきた経緯がある。
生産能力に限りがある以上、部品が確保できるようになったところで一気に挽回生産できる余地も大きくないのが実情。半導体不足の出口が見通し切れない中、スバルのジレンマは当面続きそうだ。
スバルの新型EV、その名は『ソルテラ』---2022年年央までに発売へ
SUBARU(スバル)は5月11日、2022年発売に向けて開発を進める新型電気自動車(EV)の名称を『SOLTERRA(ソルテラ)』に決定したと発表した。
ソルテラは、スバルとトヨタが共同開発したEV専用プラットフォーム「e-スバルグローバルプラットフォーム」を採用した初めてのスバル車で、CセグメントクラスのSUVモデルとなる。
e-スバルグローバルプラットフォームは、フロント・センター・リヤなど数種類のモジュールやユニットを組み合わせることで、様々なバリエーションのEVを効率的に展開できるプラットフォーム。両社が知見を持ち寄り、新しいEV専用プラットフォームを作り上げる中で、高い衝突安全性や優れた操縦安定性をEVでも実現すべく、開発に取り組んできた。
ソルテラの開発は、この新型プラットフォームだけでなく、商品企画、設計、性能評価などの多岐に渡ってスバルとトヨタが共同で行っており、スバルが長年培ってきたAWD技術とトヨタの持つ優れた電動化技術を活用するなど、両社がそれぞれの強みを持ち寄ることで、EVならではの魅力を持つ新しいSUVづくりに取り組んでいる。
「SOLTERRA(ソルテラ)」という名称は、ラテン語で「太陽」を意味する「SOL(ソル)」と、「大地」を意味する「TERRA(テラ)」を組み合わせた造語。優れた操縦安定性や高い走破性を誇るAWD性能を備え、行く先を選ばない「安心と愉しさ」を提供するスバルらしいSUVという特徴を持つこのクルマで、ユーザーとともに自然をもっと愉しみ、自然との共生をより一層深めていきたいという想いを込めた。
ソルテラは、『アセント』、『アウトバック』、『フォレスター』、『XV』からなるスバルSUVラインアップに加わる新たな選択肢として、2022年年央までに日本、米国・カナダ、欧州、中国等で発売予定だ。
SUBARU、今期営業益95%増を予想 半導体影響は期中で挽回
[東京 11日 ロイター] - SUBARUは11日、2022年3月期の連結営業利益(国際会計基準)が前期比95.2%増の2000億円になる見通しと発表した。今期も半導体供給に伴うリスクはあるが、新車需要は堅調として販売増加を見込む。半導体不足による減産の影響については期中で取り戻す、としている。
IBESがまとめたアナリスト17人の今期営業利益予想の平均値は2178億円で、会社予想は市場予想をやや下回る。
中村知美社長はオンライン会見で、今期もコロナ感染拡大や半導体不足の影響があり、「不透明な状況に変わりはない」としながらも、前期との一番の大きな違いは「非常に旺盛な需要があることだ」と指摘。
半導体不足による減産分は「期を通じて挽回したい」と語った。ただ、半導体不足の解消時期は「現時点でわかっていない」とも述べた。
今期の生産台数は前期に比べて22万台増となる103万台を計画。半導体不足による4月の国内外での減産影響分約2万5000台については期中で取り戻すため反映していない。
その他の半導体不足に関する主な役員コメントは以下の通り。
中村知美社長
*半導体供給の状況は日々刻刻と変わっている。部品によって供給が後退したり、前進したりする。
*ルネサスエレクトロニクスの工場火災の影響は現時点ではないが、今後どう影響が出てくるか注視している。
水間克之・最高財務責任者(CFO)
*前期の半導体不足による生産への影響は約6万1000台。
決算のポイントは以下の通り。
*今期売上収益予想は前期比16.6%増の3兆3000億円
*今期純利益予想は前期比83.0%増の1400億円
*今期配当予想は中間・期末とも1株28円ずつの年56円
*今期の前提為替レートは1ドル=108円、1ユーロ=128円
*今期の世界販売計画は前期比16.3%増の100万台
*今期の設備投資は前期比16%増の1000億円を計画
*今期の減価償却費は前期比5.3%増の1000億円を計画
*今期の研究開発費は前期比18.1%増の1200億円を計画
*前期の売上収益は前の年比15.4%減の2兆8302億円
*前期の営業利益は前の年比51.3%減の1024億円
*前期の純利益は前の年比49.9%減の765億円
*前期の世界販売実績は前の年比16.8%減の86万台
*内容を追加しました。
クルマ作りでトヨタ化しない。妥協しない「スバルらしさ」の追求戦略
日本では販売終了なのに北米ではWRX/STIが売れている! 北米スバルの21年4月はセールス倍増
WRX、フォレスター、クロストレック(日本名XV)が販売好調だった北米スバルの21年4月
去年のちょうど今頃、北米の自動車販売現場は惨憺たる状況だった。その原因はもちろん新型コロナで、北米スバルの20年4月の販売台数はわずか3万0620台にとどまった。それから1年後、北米スバルは「過去最高の4月」と謳うほどのV字回復を実現した。販売台数は6万1389台で、前年同月と比べると100.5%増という好成績だ。1〜4月の累計販売台数も22万1815台となり、こちらも前年同時期に対して37.6%の増加となっている。
北米スバルのトーマス・J・ドール社長兼CEOは、好調の要因を次のように語った。「この春に新車の購入を検討しているお客様は、”暖かい季節の冒険”を乗り切れる理想的なパートナーを探しています。そんな中、マーケットで最も安全で信頼性が高く、ファミリー向けの車を提供するという当社の取り組みが、スバルをトップチョイスにしているのです」
北米スバルがラインナップしているのは8車種。そのすべてが前年同月の販売台数を上回っているのだが、中でも好調だったのはWRXだ。日本ではすでにラインナップから外れてしまったWRXだが、北米ではWRX、WRX STIともに販売が継続されている。そのWRX、台数自体は3183台と大きな数字ではないが、前年同月と比べると133%増という立派な成績を残した。
そのほかで好調だったのは1万9452台(前年同月比106.3%)のフォレスターと、1万2599台(前年同月比180.7%増)のクロストレック(日本名XV)だ。WRXも含めて、これらは4月としては過去最高の販売台数となった。
この4月には、北米スバルのこれまでの販売台数は1100万台を超えたという。順調に業績を回復しつつある北米スバルだが、心配の種があるとすれば、半導体不足による生産調整だ。せっかく自動車の需要が回復しても、売るタマがなければどうしようもない。
販売部門を司るジェフ・ウォルターズ上級副社長も、「我々は、お客様がこの春もスバルを最重要視してくださることを期待しています。が、我々の結果は、自動車業界全体の生産に影響を与えている(半導体の)チップ不足による車両の入手状況に影響されてしまうでしょう」と、懸念を述べている。
北米スバル・車種別販売台数【2021年4月】
フォレスター:1万9452台(+106.3%)
インプレッサ:3447台(+85.6%)
WRX/STI:3183台(+132.7%)
アセント:4398台(+11.3%)
レガシィ:2464台(+81.5%)
アウトバック:1万5728台(+95.1%)
BRZ:118台(+12.4%)
クロストレック(日本名XV):1万2599台(+180.7%)
トータル:6万1839台(+100.5%)
※( )内は前年同月比
スバルの世界生産台数21.4%減、コロナ禍と半導体不足が影響 2020年度実績
SUBARU(スバル)は4月28日、2020年度(2020年4月~2021年3月)の生産・国内販売・輸出実績(速報)を発表。世界生産台数は前年度比21.4%減の80万9895台で、2年ぶりのマイナスとなった。
生産、国内販売、輸出ともに、新型コロナウイルス感染症の影響および半導体使用部品の需給ひっ迫により、操業停止・生産調整を行った影響で減少した。
国内生産は同20.9%減の52万4736台で2年ぶりのマイナス。海外生産も同22.4%減の28万5159台で2年連続の前年割れとなった。
国内販売は同18.6%減の10万5840台で3年連続のマイナスとなった。登録車は同19.1%減の8万4950台で3年連続のマイナス。軽自動車も同16.5%減の2万0890台と7年連続で前年実績を下回った。
輸出は同20.3%減の43万8844台、2年ぶりのマイナスとなった。
本音で仕事ができていなかったトヨタとスバルが「仲良く喧嘩」
スバル、国内主力工場が27日全停止 機械補修で
SUBARU(スバル)の国内唯一の完成車工場である群馬製作所(群馬県太田市)の本工場と矢島工場の2ラインで、27日の稼働が全面的に止まったことがわかった。2つのラインで共通して使うプレス機の不具合でメンテナンスを行うため。もともと28日~5月9日は長期休業で、10日に全ラインで稼働を再開する予定だ。
23日にプレス機の不具合を見つけ、同日と26日は一部稼働したが27日に全停止に追い込まれた。減産台数は公表していないが、1ラインあたり1日約800台を生産しているという。
半導体の供給不足を受け、スバルは4月10日から矢島工場の2ラインで生産調整を行っていた。もともと1ラインは4月20日まで、もう1ラインは27日までの休止の計画で、減産台数は約1万台を見込んでいた。1ラインは21日から稼働を再開していた
トヨタ新EV戦略を明らかに SUBARUと共同開発の「bZ4X」 HVだけでは生き残れない
トヨタ自動車は、中国・上海モーターショーの開幕に合わせ、電気自動車(EV)のフルラインアップ化計画、新EVシリーズ「TOYOTA bZ(トヨタ ビーズィー)」を2021年4月19日に明らかにした。
シリーズ第1弾となる「TOYOTA bZ4X(トヨタ ビーズィーフォーエックス)」を披露。計画によると、トヨタは2025年までに15車種のEVを導入し、そのうち7車種が「TOYOTA bZ」モデルとなる。
トヨタはこれまで、主力車種の多くをハイブリッド車(HV)が占め、EVは世界の競合他社から、大きく出遅れていた。それだけに、新シリーズに注目と期待が高まっている
欧米で新車ゼロエミッション強化
いまや世界の自動車市場は、EV抜きでは生き残れない。2016年にノルウェーで「2025年にガソリン車・ディーゼル車の販売禁止」を求める動きが出たのを皮切りに、欧米で新車ゼロエミッション(排気ガスゼロ)化が強まり、それまで以上にEVに取り組む姿勢を強めてきた。
欧米では、ゼロエミッションを実現する「電動車」とは、EVか、電気のみでより長距離走行ができるプラグインハイブリッド(PHEV)だけと定義した。HVはこれから漏れた。
ラインアップの主力をHVに据えて世界の市場をリードしてきたトヨタだが、HV依存ではEVが世界市場のスタンダードとなったときに生き残れない可能性がある。しかも、欧米をはじめ世界の自動車メーカーのEV競争は、米テスラを例にするまでもなく、大きく先行、かつ開発競争が激化しているのだ。
もっともトヨタだってEVめぐって手をこまねいていたわけではない。2010年、米テスラと共同で開発、販売することで合意。トヨタはテスラに5000万ドルを投資した。2012年にトヨタのクロスオーバーSUV、RAV4にテスラのEV技術を搭載した「RAV4 EV」を発売。しかし、価格が通常のRAV4の2倍ということもあり目標の販売台数に達せず、14年に共同プロジェクトは終了した。
その後、トヨタは燃料電池自動車(FCV)へとシフトする姿勢を強めたが、その一方で欧米の自動車メーカーや日本の他のメーカーが、排ガス規制の強化を打ち出している欧州を中心に、2025年あるいは2030年をメドとして掲げ、次々にEVへのシフト計画を発表。トヨタのEVシフトが遅れている印象を与えるようになっていた。
素早いレスポンスと高い走行性能
そうした状況から一気に最前線に飛び出そうと発表されたのが、今回の新EVシリーズ「TOYOTA bZ」計画だ。
「bZ」は、「beyond Zero(ビヨンドゼロ=ゼロを超えて)」の略で、「ゼロエミッション」以上の価値を提供する意味を込めた。トヨタは「中国、米国、欧州などEVの需要や再生可能エネルギーによる電力供給が多い地域で、多くのお客様に受け入れていただけることを目指しているEV」と説明する。
NEWモデル「TOYOTA bZ4X」は、SUBARU(スバル)と共同開発したSUVタイプ。トヨタとスバルが2020年12月に発表した新EV専用プラットフォーム「e-TNGA」を採用。全長はセダンやハッチバック並み(Cセグメント)ながら、より広く価格も高い設定(Dセグメント)の室内空間を実現した。
航空機の操縦桿のようなステアリングが新時代のEVを印象づける。搭載した新AWD(全輪駆動)システムもスバルと共同開発。素早いレスポンスと高い走行性能を実現した。
モーターが動力となると同時に発電機の役割を果たす回生エネルギー技術の活用に加え、停車中も充電を行うなど、EVならではの環境性能をさらに上積みするソーラー充電システムを採用。利用者に不便を感じさせない航続距離を確保するという。
TOYOTA bZシリーズは、スバルのほか、グループ会社のダイハツ工業や資本提携を結んだスズキ、中国のEV大手、BYD(比亜迪)をパートナーとして開発を進める計画。ただ、TOYOTA bZ4Xのスペックなどは発表されていない。
「電気自動車で幸せになる」、「EV時代の夜明け」などの著書があるEVsmartブログの編集長、寄本好則さんは、性能の詳細がわからないため「残念ながら評価しようがない」というが、今回の発表に接して期待が高まったと、こう述べた。
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SUBARU 半導体不足で米工場の操業10日間停止へ
トヨタが新EVシリーズ第1弾「bZ4X」を発表 SUBARUと共同開発
トヨタ自動車は4月19日、新EVシリーズ「TOYOTA bZ(トヨタ ビーズィー)」を発表し、上海モーターショーで、シリーズ第1弾となる「TOYOTA bZ4X(トヨタ ビーズィーフォーエックス)」のコンセプト車両を初披露した。トヨタはbZシリーズを電動車のフルラインアップ化の一環だとしていて、2025年までにEV15車種を導入し、うち7車種を同シリーズとして展開する。
発表したTOYOTA bZ4Xは、SUBARU(スバル)と共同開発したSUVタイプのEV。両車で共同開発したe-TNGA EV専用プラットフォームを採用した。両社の強みを持ち寄り、次のような特徴があると説明する。
EV専用プラットフォームによるショートオーバーハング・ロングホイールベース化で、特徴的なスタイリングとDセグメントセダン並みの室内空間を実現。異形ステアリングホイールを導入し、操舵時に持ち変える必要がなく広々としたスペースの演出にもこだわった。また、低いインストルメントパネルを採用。メーターはステアリングホイール上方に配置し、開放感や視認性を向上させた。
採用した新AWDシステムはスバルと共同開発した。電動車ならではの素早いレスポンスを生かした安全で気持ちの良い走りと、高い走破性を実現したという。
新EVシリーズTOYOTA bZはスバルに加え、ダイハツ工業やスズキ、中国のEV大手、比亜迪(BYD)と共同で開発を進め、中国・米国・欧州など、EVの需要や再生可能エネルギーによる電力供給が多い地域での流通を目指す。このうちTOYOTA bZ4Xは、日本と中国での生産を予定していて、22年半ばまでにグローバルでの販売を開始する計画だ。
SUBARU おととしリコールした乗用車 約13万台を再リコール
自動車メーカーのSUBARUは、おととしリコールした乗用車で、対策が不十分だったため、最悪の場合、走行中にエンジンが停止するおそれがあるとして、およそ13万台の再リコールを国に届け出ました。
再びリコールの対象となるのは、SUBARUの「XV」と「インプレッサ」の2車種で、平成28年10月から平成31年3月までに製造されたおよそ13万7000台です。
国土交通省によりますと、これらの車では、エンジンの制御プログラムに欠陥が見つかり、最悪の場合、エンジンをかけた際に、コイルに過大な電気が流れて破損し、走行中にエンジンが停止するおそれがあるということです。
メーカーでは、おととしにも同じ欠陥でリコールを届け出て、プログラムの書き換えなどをしましたが、対策が不十分だったため、そのあとも物損事故1件を含め、全国で178件の不具合の報告があったということです。
SUBARUは「再度ご心配とご迷惑をおかけすることとなり、心よりおわび申し上げます」とコメントし、16日から全国の販売店で無料の改修に応じることにしています。
UBARU、5日続落 半導体不足で減産を嫌気
12日の株式市場でSUBARU(スバル)株が一時前週末比17円(1%)安の2086.5円まで下落し、5日続落で終えた。同社は5日の取引終了後に、半導体不足の影響で群馬県の矢島工場で生産調整を行い、当初の想定から1万台減産することを発表。2022年3月期の連結業績にも影響が出ることを懸念した投資家による売りが続いている。
終値は14円(1%)安の2089.5円。工場停止を発表する前の5日終値からは113円(5%)安となった。
同社は矢島工場で4月10日以降稼働を止め、5月10日から全ラインでの稼働再開を見込むと発表。同工場では、「アウトバック」、「フォレスター」、「XV」を生産している。SMBC日興証券の木下寿英氏は今回の減産の影響について5日付のリポートで「(矢島工場で生産している車種の)台あたり限界利益を100万円とすると、財務インパクトは営業利益に対して約100億円と推計される」と指摘した。
スバル株は2000~2200円台でもみ合う展開が続く。半導体不足のネガティブ要素がある一方、米国では自動車需要が好調なこともあり、「投資家はスバル株の方向性について迷っている状況」(松井証券の窪田朋一郎氏)。21年3月期の決算発表で示される今期の見通しが株価浮上への焦点となりそうだ。
新型絶好調! スバル・レヴォーグ、初代モデルは成功作だったのか? 欧州では売れたのか?
2代目モデルとなる新型スバル・レヴォーグの販売が好調だ。日本カー・オブ・ザ・イヤー2020-2021を受賞したレヴォーグは、2021年に入って、1月が4692台、2月が3677台、3月が4892台と好調に推移している。それでは、初代モデルはどうだったのか? 販売台数を振り返ってみよう。
初代レヴォーグは、2014年4月に発表された。1.6ℓと2.0ℓの水平対向4気筒ターボを搭載するスポーツワゴンは、北米向けにボディサイズが拡大したレガシィの代替モデルを望んでいた国内スバリストに歓迎された。2014年9月には月間7800台、年度末の2015年3月には6036台も売れたのだ。
月間販売台数をグラフにしてみた。
スバル・レヴォーグ国内月間販売台数の推移
折れ線グラフのアップダウンはなかなか激しい。よく見ると、半期毎の9月と3月の販売台数が多くなっていることがわかる。今度は、年間の販売台数のグラフにしてみる。
スバル・レヴォーグ国内年間販売台数の推移
2014年は、実質7カ月だったが、過去最高はデビュー年の2014年だ。移行、毎年の改良でクルマ自体は熟成していくが、販売台数は下がっていく。2020年の1万2111台のうち、11月以降(初代の在庫処分と新型)が6197台と約半数を占めた。
2021年は、1-3月のわずか3カ月の数字だ。3カ月で2019年、2020年の数字をクリアしている。
さて、今度は、年ごとの月間平均販売台数の推移をグラフ化した。
スバル・レヴォーグ国内月間平均販売台数の推移
2014年:4323台
2015年:2457台
2016年:2015台
2017年:1923台
2018年:1307台
2019年:1060台
2020年:1009台
2021年:4420台
新型レヴォーグの好調ぶりが際立っている。と同時に初代レヴォーグのデビュー当時の勢いも明らかだ。
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どんなモデルもデビューから時間を経るにつれて販売台数はドロップしていく(もちろん、フィアット500のような例外もあるが)。
だから、販売台数が落ちていくのは、想定済み。指標とするのは、メーカーが設定している「月間販売目標台数」だ。
レヴォーグの月間販売目標台数はこうだった。
■初代レヴォーグ
2014年4月15日発表 月販目標台数:3200台
2015年4月16日発表 月販目標台数:2600台
2016年4月11日発表 月間販売目標台数:2000台
2017年7月3日発表 月間販売目標台数:2000台
2018年4月27日発表 月間販売目標台数:1800台
2019年5月9日発表 月間販売目標台数:1200台
■新型レヴォーグ
2020年10月15日発表 月間販売目標台数:2200台
■初代レヴォーグ
2014年4月15日発表 月販目標台数:3200台(2014年月間平均:4323台)
2015年4月16日発表 月販目標台数:2600台(2015年月間平均:2457台)
2016年4月11日発表 月間販売目標台数:2000台(2016年月間平均:2015台)
2017年7月3日発表 月間販売目標台数:2000台(2017年月間平均:1923台)
2018年4月27日発表 月間販売目標台数:1800台(2018年月間平均:1307台)
2019年5月9日発表 月間販売目標台数:1200台(2019年月間平均:1060台)
発売時期とずれがあるので、必ずしも目標台数と実数の期間が一致しないが、参考にはなるだろう。初代レヴォーグは、「好調な滑り出し〜計画通りの売れゆき〜モデル末期にやや失速」と言ったところだろうか。
新型も「絶好調な滑り出し」からスタートした。モデルライフを通じて、人気を維持できるか、注目していきたい。
欧州でレヴォーグは成功したのか?
ところで、レヴォーグはもともと「国内専用モデル」という意味合いが強いモデルだった。実際、スバルの主戦場であるアメリカでは販売されていない。
初代レヴォーグはアメリカには投入されなかったが、ヨーロッパでは2015年から販売されている。新型の欧州発売はまだだが、初代モデルの欧州での売れゆきはどうだったのか、見てみよう。
スバル・レヴォーグ欧州年間販売台数の推移
欧州市場のレヴォーグは、当初1.6ℓ水平対向4気筒ターボモデルのみの設定だった(2.0ℓターボは設定なし)。セールスの状況は成功とは言いがたく、スバルの1.6ℓターボ搭載のスポーツワゴンとして、スポーティすぎた、あるいは燃費的に厳しかったという分析もあった。
スバルは、2019年7月にエンジンを2.0ℓ自然吸気水平対向4気筒エンジン(150ps/198Nm)に換装した2.0GTを投入したが、販売のカンフル剤にはならなかった。
新型レヴォーグを欧州に投入するか、投入する時期はいつか未発表だが、フルインナーフレーム採用による高いボディ剛性と新開発1.8ℓ水平対向ターボエンジンの組み合わせは、欧州でも初代以上に受け入れられる可能性はある。ただし、電動化へ急速に傾いている欧州で、電動デバイスを持たない新型レヴォーグがライバルと戦っていけるのか。または、初代モデルのように自然吸気エンジンに換装したうえで、e-BOXERを組み合わせた欧州レヴォーグが登場するのだろうか?
整備中のヘリコプター 飛行時に部品脱落か スバル宇都宮製作所
SUBARU(スバル、東京都渋谷区)は7日までに、宇都宮製作所(宇都宮市)周辺を、整備のため飛行したヘリコプターの部品が欠落していることが分かったと公表した。その後、部品は製作所の敷地内で発見された。飛行時に脱落した可能性もあるとして、被害状況や原因などを調べている。
脱落したとみられるのはヘリ後方先端にあった衝突防止灯の樹脂製カバーで、重さは約80グラム。ヘリは海上保安庁に所属する「AW139型機」で同社が整備を請け負っていた。同社スタッフが飛行し、飛行後の検査で部品がなくなっていることに気付いたという。
6日に欠落が発覚、部品の捜索や被害状況の調査を進め、翌7日に敷地内で部品を発見した。同社は「地域の皆さまをはじめ、関係各位にご心配をおかけすることになり、心よりおわび申し上げます」としている。
SUBARU/半導体の供給支障で、国内生産拠点で生産調整
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4865425144/ref=as_li_qf_asin_il_tl?ie=UTF8&tag=hz1764-22&creative=1211&linkCode=as2&creativeASIN=4865425144&linkId=fc3555032c8619389719224c391d92f5SUBARUは4月5日、取引先から調達している半導体を使用する部品の一部で供給に支障が出る見込みとなったため、国内生産拠点の生産調整をすると発表した。
群馬製作所矢島工場(完成車工場)の操業を停止する。期間は4月 10日~4月27日の予定。(13稼働日:10日、12日~16日、19日~23 日、26~27日)。
なお、4月21日より一部ラインで操業を再開する予定。5月10日より、矢島工場の全ラインで操業を再開する予定だ。(群馬製作所は原則 4/28~5/9 は長期連休)。
なお、操業を停止するのは群馬製作所のうち矢島工場のみ。本工場(完成車工場)および大泉工場(エンジン・トランスミッション工場)は操業を継続する。
2.4ℓ水平対向4気筒直噴ターボエンジンを装備したスバルの北米向けSUV「Outback Wilderness」
SUBARUは、北米専用車「Outback Wilderness(アウトバック ウィルダネス)」を米国で発表した。
「アウトバック」は、乗用車とSUVの長所を融合させたSUBARUのフラッグシップクロスオーバーSUVモデル。2019年に北米市場に導入した現行モデルは、歴代モデルを通じて磨き続けてきた、どこまでも走り続けられるような安心感と快適性、荷物を効率的に積める積載性、質感の高い内装といったクルマとしての本質的価値に、最新の技術を組み合わせることで、唯一無二の個性を持ったクロスオーバーSUVとして、さらなる進化を遂げている。
今回初公開した「アウトバック ウィルダネス」は、これまで「アウトバック」が築き上げてきた本質的価値はそのままに、アウトドアシーンで頼れる走破性と機能性をさらに強化し、タフでラギッドなキャラクターに磨きをかけた、SUBARU SUVの新たな価値を提案するクルマとして北米市場に導入するもの。
パワーユニットは、2.4L水平対向4気筒直噴ターボエンジンを標準装備。組み合わせるリニアトロニックは、標準モデルに対し極低速時のトラクション性能を強化。
また、高剛性ボディにバンプストローク量の大きい専用サスペンションを組み合わせることで、日常使用での快適性を維持しつつ、未舗装路での衝撃吸収や路面追従性も向上。
さらに、オールテレーンタイヤを装着することで、登坂路等での走破性を強化した。最低地上高は、標準モデルの8.7インチから9.5インチまで高め、路面との接触に対する安心感の向上も図っている。悪路走行を支援するX-MODEも、DEEP SNOW/MUDモードの対応速度域を広げ、実用性を向上させた。
高い機能性は、内外装デザインにも表れている。フロント、リヤのバンパーをはじめ、随所にあしらわれた数々の専用アイテムは、アクティブな気持ちを呼び起こすとともに、車体を保護する役割も兼ね備えている。
また、積載力を向上させたルーフレールや、左右両方に装着した牽引フックなど、アクティブシーンでの実用性を高める専用装備も採用。これらの機能性を併せ持つ部分にはアナダイズドイエローのアクセントカラーを配置した。
内装もこの色をアクセントに、ブラックとグレーのダークトーンで全体をコーディネート。防水性を備えたシート表皮/後席シートバックなども採用し、アウトドアでも気兼ねなく使える機能性を表現している。
SUBARUは2018年発表の中期経営ビジョン「STEP」で、SUVラインアップの強化を掲げている。最大市場である北米においては、2018年以降、新型3列SUV「アセント」やプラグインハイブリッド車の「クロストレック ハイブリッド」を新たに発売した。
今回「アウトバック ウィルダネス」を追加することで、SUVバリエーションのさらなる拡充を図る。
スバル米国販売は2年ぶりに回復…クロストレックが63%増 2021年第1四半期
SUBARU(スバル)の米国部門のスバルオブアメリカは4月1日、2021年第1四半期(1~3月)の新車販売の結果を発表した。総販売台数は16万0426台。前年同期比は22.9%増と、2年ぶりに前年実績を上回った。
最量販車は、『フォレスター』だ。第1四半期実績は、4万7694台。前年同期比は22%増と、2年ぶりに前年実績を上回った。
もうひとつの主力車種が、『アウトバック』だ。第1四半期は4万1503台を販売した。前年同期比は27.3%増と、3年ぶりに前年実績を上回った。一方、セダンの『レガシィ』は、3.5%減の6305台と減少傾向にある。
『クロストレック』(日本名:『XV』に相当)は第1四半期、3万5187台を販売した。前年同期比は63.5%増と、3年ぶりに前年実績を上回った。3列シートSUVの『アセント』も、7.4%減の1万4473台にとどまる。
『WRX』シリーズは、『WRX STI』を含めて5566台を販売した。前年同期比は22.6%増と、プラスに転じた。『インプレッサ』(「WRX」を除く)は第1四半期、9115台を販売。前年同期比は11.4%減と、引き続き減少した。
スバルの2020年の米国新車販売台数は、61万1942台。前年比は12.6%減と、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の影響により、12年ぶりに前年実績を下回っている。
スバル、1.8万台改善対策 自動ブレーキ誤作動の恐れ
国交省によると、運転支援装置の制御プログラムが不適切で、標識や対向車を衝突対象と認識し過剰に反応。誤って自動ブレーキが作動する可能性がある。これまでに物損事故1件を含む34件の不具合が報告されている。
SUBARU、半導体不足で減産
なぜスバルファンを「スバリスト」と呼ぶ? トヨタや日産もファンは多いのに愛称を聞かない訳
スバルの熱狂的なファン「スバリスト」とは?
トヨタや日産、ホンダなど各自動車メーカーがあるなかで、スバルでは熱狂的なファン(支持者)を「スバリスト」と呼ぶことがあります。
トヨタや日産などを支持する人もたくさんいますが、「トヨティスト」や「ニッサニスト」とまでは呼ばれることはありません。なぜ、スバルだけ「スバリスト」という愛称よく耳にするのでしょうか。
スバルは、織機メーカーをルーツにもつトヨタや自動車メーカーとして設立された日産とは違い、大手航空機メーカーであった中島飛行機がルーツとされており、元々は多くの軍用機を生み出してきた航空機、エンジンメーカーでした。
スバルが自社生産するモデルに搭載されている「水平対向エンジン」は、飛行機づくりで培われた技術を活かし、安全性にこだわって開発されました。
このエンジンは、クランクシャフトを中心に水平で左右対称にピストンを配置。エンジン高を低く抑えて低重心を実現できることや軽量でコンパクトな設計にできることなど、バランスがよく振動の少ないエンジンフィールや忠実なレスポンスにより気持ちの良いスポーティなドライビングを楽しめるという特徴があります。
なお、左右のピストンの動きがボクサーの打ち合いを連想させることから、「ボクサーエンジン」とも呼ばれています。
また、水平対向エンジンに加え、左右対称の構造をしたシンメトリカルAWDを組み合わせた独自の四駆技術を採用することで、低重心で前後左右のバランスに優れたパワートレインを実現。四輪に適切に荷重がかかるため、どんな道でも安定感のある走行を可能にしています。
スバルはモータースポーツでもその名の地位を高めてます。
世界ラリー選手権(WRC)では、各国のクルマが集結し戦いが繰り広げられ、1993年にはトヨタが日本車としては初のWRCを制覇するなか、スバルは1995年にドライバーズ、メイクスのダブルタイトルを獲得。
また、ドイツのニュルブルクで開催されている24時間耐久レースでは、2011年にSP3Tクラスでクラス優勝(総合21位)、2012年にも同クラスを連覇(総合28位)し、他メーカーには引けを取らない輝かしい歴史が残されています。
そうしたなかでコアなスバルファンとしてスバリストという言葉が生まれ、次第に認知されるようになったようです。
スバリストという呼び方について、スバル販売店のスタッフは以下のように話します。
「自らスバリストとおっしゃるお客さまも多く、そういった人は総じてスバルに対しての造詣が深く、メカニズムに関してもディーラースタッフに引けを取らない場合もあります。
とくにスバルの特長である水平対向エンジンやシンメトリカルAWDによるバランスの取れた操舵性など、ほかのメーカーでは味わえないといってくださる人も多いです。
スバルの歴史やモータースポーツの栄光などに関していえば、私どももファンから教わることすらあります。
ありがたいことに、スバリストと呼ばれる方たちはスバルに対しての強い愛着や情熱、こだわりを持っている人が多いようです」
※ ※ ※
最近のスバルは、新中期経営ビジョンとして「STEP」を掲げており、スピード感(Speed)を持って変革していき、お客さまから信頼(Trust)され、共感(Engagement)を得られる企業になることや、安心と愉しさという価値を提供し続けることを2025年の中期目標と説明しています。
ビジョンのなかで、ユーザーからの信頼や共感、愉しさを掲げていることもあり、スバルでは公式のファンミーティングを定期的に開催しています。
2016年には、スバルとスバルのファンが体験を共有し、交流を深める目的で滋賀県のキャンプ場で「スバルFAN MEETING」がおこなわれ、天体望遠鏡を作ろうといった子どもが楽しめる内容から、スバル車の性能体験ができる大人が楽しむなど、幅広い層が楽しめるイベントとなっています。
ほかにも、雪上でのスバル車の性能を体感するべく、スキー場の来場客を乗せてゲレンデの急な坂を上り下りする「ゲレンデタクシー」を開催しています。
また、2019年の「WRXファンミーティング」では「WRX」やそのほかのスバル車合わせて約1100台、約2000人ものスバリストが参加する大規模なイベントなどもおこなわれました。
スバル、自動車のサブスク開始
トヨタとスバル、共同開発の新型車両を4月5日公開
TOYOTA GAZOO Racing(トヨタ自動車)とスバルは3月25日、共同開発の新型車両を公開する「いっしょにいいクルマつくろう!トークセッション」を4月5日にオンラインにて合同開催すると発表した。
4月5日13時~13時45分に開催される「いっしょにいいクルマ作ろう!トークセッション」には、トヨタ自動車 GAZOO Racing Company President 佐藤恒治氏、スバル 執行役員CTO(最高技術責任者)技術統括本部長 兼 技術研究所長 藤貫哲郎氏(2021年4月1日付で、常務執行役員CTO技術本部長 兼 技術研究所長)、両社の新型車両開発メンバーが登壇。
公開される新型車両は「クルマへの想いを同じくする両社がさらに連携を強化し、これまでを超える『もっといいクルマづくり』を追求した、象徴的な成果」とし、開発ストーリーとともに紹介される。
トークセッションの配信は、TOYOTA GAZOO Racing、SUBARU On-Tubeの公式YouTubeチャンネルで行なわれ、「トヨタとスバルが目指す“走る愉しさ”を象徴する新型車両にどうぞご期待ください」と予告している。
SUBARUが3月30日に北米で発表する謎の新型車はアウトバックのアドベンチャーバージョンだと判明
画像には「OUTBACK」とはっきり書かれたオフロード仕様のサイドガードが映っていて、タイヤはヨコハマ製アウトラインホワイトレターのオフロードタイヤを装着している。
つまり3月30日に公開される新型車は「アウトバックの新しいアドベンチャーバージョン」だと判明した。オフロード仕様を好むユーザーが多い北米のニーズを反映した新型車だといえる。
動画ではオフロードを駆け巡る新型車のエクステリアの一部が確認できる。フロントグリルなどを見る限りEVではなさそうだが、マイルドハイブリッドやPHEVの可能性はある。3月30日の続報を待とう。
スバル、国内1ライン停止=22、23日の2日間、部品不足で
春闘集中回答---日産も賃上げ満額、スバルは8年ぶりベアゼロ
2021年の春闘が集中回答日を迎え、自動車や電機メーカーなどの大手企業が労働組合の要求に対して一斉回答を行ったが、新型コロナウイルス感染の収束が見通せないなかで、妥結額が前年を下回る企業が相次いだという。
きょうの各紙も1面や経済面などでなどで「労使『脱ベア』加速、雇用の維持、重視も」(読売)や「コロナ下賃上げ明暗、電機はベア確保、航空は要求見送り」(朝日)、「トヨタ・ホンダ満額でも大手伸び悩み、雇用維持ベア見送り」(東京)。さらに「賃上げ2%割る公算,官製春闘の効果消える」(産経)などの見出しで取り上げている。2014年から始まった「官製春闘」で、基本給を底上げするベースアップ(ベア)と定期昇給を合わせた賃上げ率「2%以上」が続いていたが、8年ぶりに2%を割る可能性もあると伝えている。
これまでの労使交渉では、年齢や勤続年数などに応じて基本給を定期的に引き上げる定期昇給の実施や、基本給を一律に引き上げるベアの有無の議論が中心だった。ところが、コロナ下の今年の春闘で鮮明になったのは、「自動車、交渉先導役退く」(朝日)のタイトルが示すように、かつてはベアのけん引役といわれた自動車業界の春闘交渉は様変わりし、「脱ベア重視」の動きが広っているのが特徴だ。
自動車メーカーでは、ホンダ、マツダ、三菱自動車は労組がベアを要求しなかったほか、トヨタ自動車、日産自動車、ダイハツ工業などはベア実施の有無は非公表。スズキ労組はベアと定昇分を分けずに、それを合算した「総額」で要求していた。それでも、ひと足先に妥結したホンダのほか、トヨタや日産も労組の賃上げ要求に満額で回答。ただ、読売によると「SUBARU(スバル)は8年ぶりにベアゼロだった」とも報じており、同業でも格差が広がっているようだ。
スバル レヴォーグ 電動ブレーキブースタ不具合
スバル レヴォーグ 新型、電動ブレーキブースタ不具合で1万2000台をリコール
SUBARU(スバル)は3月5日、『レヴォーグ』の電動ブレーキブースタに不具合があるとして、国土交通省にリコール(回収・無償修理)を届け出た。対象となるのは、2020年11月2日から2021年2月5日に製造された1万2094台。
対象車種は、電動ブレーキブースタの内部構成部品である回転角センサのマグネットのモータシャフトへの組付け位置が不適切なため、イグニッションオンにした際などに、ブレーキペダルのストローク値をソフトウエアが誤認識することがある。そのため、バッテリーが上がったり、クルーズコントロールがセットできずブレーキランプが点灯し続けたり、または警告灯が点灯してブレーキペダル踏力が重くなるおそれがある。
改善措置として、全車両、電動ブレーキブースタユニットのシリアル番号を確認し、該当するものは電動ブレーキブースタユニットを良品に交換する。
不具合は45件発生、物損事故も1件起きている。市場からの情報によりリコールを届け出た。
KeePer技研---急上昇、SUBARUでの純正採用も期待して国内証券が格上げ
KeePer技研6036は急上昇。東海東京証券では投資判断を「ニュートラル」から「アウトパフォーム」に格上げ、目標株価も2300円から2900円に引き上げている。21年6月期営業利益は29.5億円で前期比2.2倍を予想、会社計画27億円を上回るとみている。直営店の売上高増加に加えて、下期からSUBARUでの純正採用が本格的に貢献することなどが寄与するとみている。来期の業績水準からみて現在の株価は割安との判断だ。
《YN》
スバリスト熱望! スバル 新型WRXはいつになったら出てくるの?? いよいよ2021年中デビュー!?
兄弟車レヴォーグに遅れること1年、いよいよWRXがフルモデルチェンジへ
2021年、遂にWRX S4も在庫のみの販売に
スバル WRXは、2014年の発売開始からおよそ7年が経過。2つあるラインナップのうち「WRX STI」は2019年中に販売を終了している。
もうひとつの「WRX S4」も、2020年8月にグレードを整理。「STI Sport EyeSight」1タイプのみの販売に集約された。
さらに2021年2月現在、WRX S4はスバルの公式Webサイト上に掲載されているものの「現行モデルについては生産終了に伴い、販売店での在庫対応のみとなります」との表記があがっている。栄光のWRXも、もはや風前のともし火といった状況なのである。
水平対向2.4リッター直噴ターボを国内初導入か
もちろん、WRXの火は絶えない。実際のところ、2020年登場の新型レヴォーグと同時並行で開発も行われてきたようだ。
新型レヴォーグ同様に、最新のスバルグローバルプラットフォーム(SGP)とフルインナーフレーム構造を採用した4ドアセダンモデルとなる。
搭載されるのはレヴォーグの水平対向4気筒 1.8リッター直噴ターボではなく、北米専用の大型SUVモデル「アセント」に搭載される2.4リッターターボエンジンとなる見込み。もちろんアセント用(260馬力)に比べ、パワーは300馬力程度まで大幅に増強される。トランスミッションはスポーツリニアトロニック(CVT)のみの設定だが、隠し玉として6速MTの追加設定も検討されているようだ。
2代目レヴォーグ同様に、アイサイトXなど最新の先進運転支援機能ももちろん搭載される。
半導体不足の影響色濃く、自動車大手の生産は2カ月ぶりマイナス
乗用車メーカー8社が25日に発表した1月の世界生産・販売・輸出実績によると、8社合計の世界生産台数は前年同月比4・5%減の212万3654台となり、2カ月ぶりに減少となった。新型コロナウイルスの影響に加え、一部メーカーでは半導体不足による生産調整を国内外で実施したことが影響した。一方、2020年下期から好調な中国では、トヨタ自動車や日産自動車などが大幅に生産台数を伸ばした。
海外生産は同1・7%減の147万776台だった。米国では半導体不足でホンダやSUBARU(スバル)が生産調整を実施。ホンダが同29・2%減の7万2801台、スバルが同34・1%減の2万5578台だった。
中国では前年同月が春節(旧正月)休暇で稼働日が少なかったこともあり、各社とも大幅に伸びた。トヨタが同41・1%増の15万1363台。セダン「カローラ」などの販売が好調で、生産台数を引き上げた。日産もセダン「シルフィ」の台数増などで同31・0%増の13万5777台だった。ホンダも8カ月連続で前年同月を上回った。
国内生産は同10・1%減の65万2878台だった。全社が前年同月を下回った。ホンダとスバルは半導体不足による生産調整を主な減少理由とした。トヨタは物流オペレーションのトラブルによる部品の欠品により一部ラインが稼働できず、前年割れとなった。トヨタ自動車九州(福岡県宮若市)が降雪の影響で稼働調整をしたことも影響した。
日刊工業新聞2021年2月26日
【スバル レヴォーグ 新型試乗】スバルはやっぱり雪が似合う!新型レヴォーグで走った津軽海峡・冬景色…河西啓介
こいつはやっぱり硬派な大人のスポーツワゴン
スバル レヴォーグ GT-H EX 新型
上野発の夜行列車降りたときから、青森駅は雪の中…。と歌ったのは石川さゆりだが、2月のとある日、東京発の新幹線「はやぶさ」から新青森駅に降り立った僕を待っていたのは、やはり一面の雪景色だった。
僕がこれから乗るのは連絡船、ではなくスバル『レヴォーグ』である。言うまでもなく「日本カー・オブ・ザ・イヤー2020-2021」を受賞した人気モデルだが、実はこれまで試乗する機会がなかった。今回「スバルの最新モデルで雪道ドライブをしてください」という仕事が舞い込み、初めて実車と対面することができたのだ。
スバル レヴォーグ GT-H EX 新型
濃いブルーメタリックのレヴォーグは、新青森駅の立体駐車場に止まっていた。「GT-H EX」というスポーティなグレードだ。写真で見た印象通りのアグレッシブなデザイン。先代もかなりウェッジなフォルムだったが、新型はライザップしてさらにバキバキに仕上げました! という感じだ。変わらないのはボンネットにポカっと開いた“穴”で、今どきこんなに大きなエアスクープを持つクルマ、そうはない。だがクルマ好きの琴線に触れる無骨さこそスバル車がファンに支持される理由であり、だからこの“穴”は絶対なくてはいけないのだ。
ドアを開けて室内に乗り込むと、外観のバキバキに比べてインテリアは落ち着いた大人な雰囲気。インパネ中央に位置する大きな縦型ディスプレイが印象的だ。とはいえボルボ的オサレ感とは違って、黒で統一された“仕事場”を感じさせるデザインだ。そこはやはり硬派なスバルなのだ。
目指すは本州“北のはずれ”極寒の地
スバル 新型 レヴォーグ に乗る モータージャーナリスト 河西啓介 氏
ハンドル右脇のプッシュボタンを押してエンジンを始動させると、ディスプレイには外気温が「−3度」と表示された。すかさずシートヒーターをONにするが、この気温だとハンドルヒーターもほしくなる。雪道ドライブの目的地はレスポンス編集担当のYさんに任せていたのだが、スタート前にYさんがナビに入れた目的地によれば、新青森駅から北へ約77km先にある「竜飛崎」とのことだった。
石川さゆりが唄う「津軽海峡・冬景色」では(作詞は阿久悠)、青森駅で降りた女性が青函連絡船に乗り換え“北へ帰る”(北海道のことだ)のだが、青森駅は港に隣接していて、列車から降りた乗客がすぐに船に乗り換えることができたのだという。かつて青森駅は東北本線の終着駅であり、津軽海峡を隔てた北海道、函館本線の起点である函館駅を結ぶ連絡船は国鉄が管轄していた。つまり“海の鉄道”という扱いだったのである(すべて鉄道マニアのKカメラマンの受け売り)。スバル レヴォーグ GT-H EX 新型
竜飛崎はその歌の中にも登場する「北のはずれ」だ。歌謡曲マニア(僕)としてはぜひ訪れてみたい所だった。青森から竜飛崎へは国道280号線で海沿いを北へ向かう。この時期の青森は雪が深く降り積もり、さらにこの日はときおり目の前が真っ白にホワイトアウトするほどの風と雪だった。考えようによっては、スノードライブにはこれ以上ない!というコンディションだ。
気象条件が厳しいほど増す頼もしさ
スバル レヴォーグ GT-H EX 新型
レヴォーグは、北米市場のニーズに合わせてモデルチェンジ毎に大型化した『レガシィ ツーリングワゴン』の後を継ぐモデルとして、日本向けに登場したスポーツワゴンである。そのためサイズは全幅1800mm以下(1795mm)、全高1500mmに抑えられている。雪道を走り始めて感じたのは、この大きさによる安心感だった。背の高いSUVはアイポイントの高さによる見晴らしの良さというメリットがあるが、こと雪道ではワゴンの目線の低さ、そして物理的な重心の低さが安心につながる。加えてスバルの専売特許といえるボクサーエンジン+シンメトリカルAWDという低重心かつ安定志向の構造がもたらす“しっかり地に足が着いた感じ”は、気象条件が厳しいほど頼もしく感じられる。スバル レヴォーグ GT-H EX 新型
試乗したクルマはヨコハマタイヤのスタッドレス「アイスガード6」を履いていた。このタイヤのスノーグリップ性能もかなり優れていて、レヴォーグとの組み合わせだと不安がなく、次第に雪道ドライブの緊張感が解けていく。すると身体もリラックスし、結果としてより安全に走れるようになり、そして運転が楽しい。むしろ気をつけなくてはいけないのは、調子に乗ってオーバーペースになることだ…。そう自分に言い聞かせながら、真っ白い路面を見据え、ドドーンと押し寄せる東映映画のオープニングのような荒波を横目に、気持ちいいペースでレヴォーグを走らせた。
日本唯一の「階段国道」
ナビに従い竜飛崎を目指す
竜飛崎へと向かう国道280号線は東津軽郡外ヶ浜町で一旦途絶え、津軽海峡の海上区間によって北海道に至り、函館市に通じるというユニークな道路だ。280号線が途絶えたあとは国道339号線につながるのだが、こちらも竜飛崎付近で階段と歩道だけになる区間が現れる、日本唯一の「階段国道」として知られる道である。
夏場は津軽海峡から北海道を望む絶景ルートであろう399号線だが、冬はひたすら狭く曲がりくねった雪道である。だがレヴォーグのスポーティではあるが神経質すぎないハンドリング、低回転から厚いトルクのある1.8リットルターボ・エンジンに助けられ、さらに最新の運転支援システム「アイサイトX」に見守られている安心感も手伝ってか、思ったより早く竜飛崎に着くことができた。
石川さゆりのあの名曲を聴きながら
海峡を望む高台にある石川さゆりの「津軽海峡・冬景色」の歌碑
岬の突端でクルマを降りると、ゴーゴーと立っていられないほどの激しい突風が吹きつけ呼吸もままならないほど。常に海からの強い風が吹く竜飛崎は、風で雪が吹き飛ばされるため深く積雪することがないのだという。360度パノラマに広がる海峡を見渡しながら、ここをわたる連絡船から見る風景はどんなふうだったのか、と想像する。1988年の青函トンネル開通により連絡船は廃止され、今は北海道新幹線が人々を運んでいる。
海峡を望む高台には「津軽海峡・冬景色」の歌碑が建っていた。大きな碑の前にある赤いボタンを押すと、「ごらんあれが竜飛岬 北のはずれと~♪」と歌声が(石川さゆりさんの声で!)大きく響き渡る。歌謡曲好きにとってはとてもありがたいモニュメントである。来た甲斐があったというものだ。
とはいえ往年のスバル・レオーネならいざしらず、このバッキバキな最新レヴォーグに似合うのは演歌よりJポップだろう(レヴォーグのCMソングはMISIAの「アイノカタチ」)。機会があれば、こんどは青い空と海を望みつつ、レヴォーグで津軽海峡・夏景色をドライブしてみたい、と思うのだった。
竜飛崎にてスバル 新型 レヴォーグ と モータージャーナリスト 河西啓介 氏
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★
河西啓介|編集者/モータージャーナリスト
自動車雑誌『NAVI』編集部を経て、出版社ボイス・パブリケーションを設立。『NAVI CARS』『MOTO NAVI』『BICYCLE NAVI』の編集長を務める。現在はフリーランスとして雑誌・ウェブメディアでの原稿執筆のほか、クリエイティブディレクター、ラジオパーソナリティ、テレビコメンテーターなどとしても活動する。
スバル、全国のディーラーにQRコード決済導入
- 2021年2月25日
スバルは2月25日、全国のSUBARUディーラーにQRコード決済を順次導入することを明らかにした。対応する決済サービスは「PayPay」「au PAY」「d 払い」「メルペイ」「LINE Pay」の5種類。
キャッシュレス決済で支払い可能なものは整備代・部品代などとなり、車両本体の購入、車両購入時の自賠責保険・税金、登録諸費用、車検時の自賠責保険、自動車重量税などの諸費用には使えないとしている。
導入を予定している店舗数は、中古車販売店を含む全国の484店舗(2021年2月25日時点、一部導入しない店舗もある)。青森県・岩手県・秋田県・宮城県・山形県・福島県・福岡県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県・佐賀県・長崎県・沖縄県の販売店については、3月以降導入予定。
近年、キャッシュレス決済の利用は拡大傾向にあり、キャッシュレス決済で支払いを行ないたいという利用者のニーズに応えるとともに、接触機会を削減することで、新型コロナウイルスの感染拡大防止にも寄与することを狙いとしている。
- 2021年2月25日
スバルは2月25日、全国のSUBARUディーラーにQRコード決済を順次導入することを明らかにした。対応する決済サービスは「PayPay」「au PAY」「d 払い」「メルペイ」「LINE Pay」の5種類。
キャッシュレス決済で支払い可能なものは整備代・部品代などとなり、車両本体の購入、車両購入時の自賠責保険・税金、登録諸費用、車検時の自賠責保険、自動車重量税などの諸費用には使えないとしている。
導入を予定している店舗数は、中古車販売店を含む全国の484店舗(2021年2月25日時点、一部導入しない店舗もある)。青森県・岩手県・秋田県・宮城県・山形県・福島県・福岡県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県・佐賀県・長崎県・沖縄県の販売店については、3月以降導入予定。
近年、キャッシュレス決済の利用は拡大傾向にあり、キャッシュレス決済で支払いを行ないたいという利用者のニーズに応えるとともに、接触機会を削減することで、新型コロナウイルスの感染拡大防止にも寄与することを狙いとしている。
ホンダ系車体部品メーカーがスバル向け増産へ、その裏に真の実力者あり
ジーテクト「トヨタと培ってきた技術を提供できれば」
ジーテクトは群馬工場(群馬県太田市)を拡張し、SUBARU(スバル)向けの車体部品の生産能力を増強する。投資規模は17億円。工事は2021年春に着工し、22年5月に操業を始める。受注拡大により25年までに合計18億円の売上高の上積みを見込む。
工場の敷地内に約4000平方メートルの建屋を増築する。建屋拡張に9億円、溶接ラインの新設・改修に8億円を計上する。これまで手がけてきたスバル向けの車体部品の範囲が拡大し、大型の部品製造に対応できるよう溶接ラインを作り直す。また、太陽光パネルを増設し、工場の消費電力を自家発電でまかなうなど二酸化炭素(CO2)の排出量削減にも取り組む。 同工場では主にスバルのスポーツ多目的車(SUV)「フォレスター」やスポーツワゴン「レヴォーグ」、小型スポーツカー「BRZ」などの車体部品を生産する。 ジーテクトの吉沢勲常務執行役員は「今後、車体そのものの軽量化を進める上で加工方法が変わってくるだろう。ホンダやトヨタ自動車と培ってきた技術を提供できればいい」と強調する。
SUBARU、販売台数減少により3Q累計の生産台数は前年比−14万6,000台 通期予想も売上収益以下を下方修正
2021年2月5日に行われた、株式会社SUBARU 2021年3月期第3四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。
スピーカー:株式会社SUBARU 取締役専務執行役員 CFO 岡田稔明 氏
サマリー
岡田稔明氏:みなさん、こんにちは。SUBARUの岡田です。本日は弊社の決算説明会に参加いただき、ありがとうございます。数字は13時に開示していますので、ご覧になっているかと思います。前半のマスコミでも、かなりたくさんの質問をいただきました。コロナ影響、あるいは半導体の影響ということで、すごくわかりづらい部分も多いかと思いますので、しっかり説明をさせていただきたいと思います。今日はよろしくお願いします。
それでは、PowerPointの説明をさせていただきます。それでは、始めます。2ページをご覧ください。初めに、第3四半期累計実績および通期計画の全体感についてご説明いたします。第3四半期累計実績については、第2四半期以降、各市場の小売販売はおおむね回復基調にありますけれども、コロナ感染症が再拡大する中でも、そのモメンタムは変わっていません。しかしながら、第1四半期の3ヶ月間の減産および販売台数減少の影響が大きく、減収減益となっています。
通期計画については、半導体需給逼迫の影響により、第4四半期の生産台数・連結販売台数の減少は避けられない状況にありまして、売上収益および各段階の利益を下方修正いたしました。次ページ以降で詳細を説明いたします。
第3四半期累計実績 連結完成車販売台数(市場別)
それでは、第3四半期累計実績からご説明いたします。初めに、連結販売台数についてです。グローバル合計で、13万9,900台の減となる63万1,100台となりました。当社の重点市場である北米市場をはじめ、その他多くの市場で回復傾向にありまして、特に米国や豪州等では、第3四半期の3ヶ月間の販売は前年を上回る水準で推移しました。しかしながら、第1四半期の新型コロナウイルス感染症による影響は非常に大きく、海外市場は、前年同期比11万4,800台の減となる56万1,500台となりました。
国内市場は、「2020 – 2021日本カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞した新型「レヴォーグ」が販売に寄与しましたが、上期のコロナ影響や商品の切り替え時期の影響が大きくて、前年同期比2万5,100台の減となる6万9,600台となりました。
第3四半期累計実績 連結完成車販売台数・生産台数
続きまして、生産台数についてご説明いたします。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、米国生産拠点のSIAでは3月下旬から、国内の群馬製作所では4月上旬から、生産を一時停止しました。5月上旬に操業を再開しましたが、サプライチェーンおよび販売活動への影響が続いたことから、SIAでは5月末まで、国内では6月19日まで生産量の調整を行いました。
第2四半期以降は、北米市場の在庫水準も適正レベルに戻すべく、ほぼ正常レベルで操業してきましたが、第1四半期に実施した操業停止および生産調整に加え、米国生産用部品の輸送遅延による生産調整などにより、生産台数合計は、前年同期比で14万6,000台の減となる61万4,300台となりました。
第3四半期累計実績 連結業績
次に、連結業績についてです。第3四半期3ヶ月間は前年に対して増益となったものの、第1四半期の新型コロナ感染症の影響が大きく、累計実績は前年に対し減益となりました。売上収益は、自動車販売台数の減少などによる売上構成差等の悪化3,332億円を主因とし、前年同期比4,097億円の減収となる2兆748億円となりました。
営業利益につきましても、諸経費等の削減を進めましたが、自動車販売台数の減少などによる売上構成差等の悪化を主因とし、前年同期比544億円の減益となる983億円となりました。また、税引前利益は、475億円の減益となる1,057億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は、375億円の減益となる742億円となりました。
第3四半期累計実績 営業利益増減要因
続きまして、前年実績対比の営業利益増減要因です。市場措置費用を含む保証修理費の減少や販管費の圧縮、また、主に米国市場で販売奨励金が減少したこと等が、増益要因となったものの、国内および海外向け新車販売の減少や部品整備、航空宇宙事業の減益、貴金属等の原材料高騰、米ドル約3円の円高などの減益要因により、前年同期に対し544億円の減益となりました。
なお、米国市場向けの販売奨励金については、前年同期台あたり1,500ドルに対し、150ドルの減となる1,350ドルとなり、奨励金の総額としては170億円の削減となりました。
キャッシュフロー / 手元資金状況
続きまして、キャッシュフローです。コロナ影響等により、フリーキャッシュフローは392億円の減少となりました。現金および現金同等物の期末残高は、前期末に対し342億円減の8,247億円。有利子負債残高は資金調達により、前期末に対し951億円増の3,343億円となりました。ネットキャッシュは、前期末に対し1,293億円減の4,905億円となりました。
設備投資・減価償却費・研究開発支出①
次ですけれども、設備投資などの実績については、ご覧のとおりです。設備投資の発生が前年に比べて少なくなっていますけれども、新型コロナ感染症の影響に備えて統制したことや、発生時期の偏りによるものです。
通期計画 連結完成車販売台数・生産台数
それでは次に、2021年3月期通期計画についてご説明いたします。先ほどもご説明したとおり、全世界的にコロナ禍は続いているものの、第2四半期以降、各国の販売は回復傾向にあります。現地の販売・在庫状況に合わせ、特に重点市場の北米市場では、在庫水準を適正に戻すべく生産を進めてまいりましたけれども、世界的な半導体部品の需給逼迫により、第4四半期に減産することが避けられず、それに伴い、連結販売台数の見通しを下方修正することといたしました。
連結販売台数はグローバル合計で、前年同期に対し16万6,000台、前回計画に対し4万2,700台の減となる、86万7,900台を計画しています。生産台数は、前年に対し20万7,500台の減、前回計画に対し5万8,000台の減となる、82万3,400台を計画しています。
通期計画 連結完成車販売台数(市場別)
市場別の通期連結販売台数の見通しは、ご覧のとおりです。中国を除き、ほとんどの市場で前年に対してマイナスとなる見通しです。主力の米国市場についても、連結販売台数は前年同期に対し8万8,200台の減少となる見通しですが、小売販売モメンタムはおおむね堅調であり、第4四半期の小売販売については前年同期を超える見込みです。
通期計画 連結業績
続きまして、連結業績の見通しについてです。11月4日に発表しました業績計画を下方修正いたします。売上収益は、前回計画に対し1,000億円減となる2兆8,500億円。営業利益は、100億円減の1,000億円。親会社の所有者に帰属する当期利益は、50億円減となる750億円を計画しています。
通期計画 営業利益増減要因①
続きまして、前年実績対比の営業利益増減要因です。増益要因としては、市場措置費用を含む保証修理費および販管費の減少により、諸経費等で529億円の改善を見込んでいます。
減益要因は、売上構成差等の悪化と為替レート差、ならびに研究開発費の増加を見通しています。販売奨励金は減少するものの、新車販売の減少に伴い、売上構成差等が大幅に悪化する見通しです。為替レート差では、米ドル約3円、カナダドル約3円の円高などにより、289億円の悪化を見込んでいます。研究開発費は、138億円の増加による悪化となる見通しです。
今年度は、資産計上する研究開発支出の前年度に対しての減少と、過去に計上した資産の償却額の増加によるものです。なお、米国の販売奨励金については、前年同期の1,600ドルから200ドル減となる、台あたり1,400ドルを計画し、奨励金総額として271億円の削減となる見通しです。
通期計画 営業利益増減要因②
次に、前回計画値からの営業利益増減要因です。売上構成差の悪化と為替レートによる影響を主因とし、100億円の減益となる見込みです。米国の販売奨励金については、生産調整や販売動向を踏まえ、前回計画から台あたり250ドルの減を見込みます。
なお、保証修理費に含まれる市場措置費用については、第3四半期までの発生費用は当初想定よりも少ない額になっていますけれども、現在の状況を総合的に勘案し、通常の年間売上収益に対して1.5パーセント相当額という、これまでの見通しを据え置いている数字になっています。
設備投資・減価償却費・研究開発支出②
最後になりますが、設備投資・減価償却費・研究開発支出の通期計画です。設備投資は、前回計画値に対し100億円減の900億円となる見通しです。引き続き、設備投資ならびに研究開発支出に関しては、必要な投資・研究開発活動を継続して進めていく一方で、コロナ禍での経営環境を踏まえた、不要不急案件の精査ならびに抑制を行い、効率化を図りながら取り組んでいく考えです。
次ページ以降は、セグメント情報等の参考情報となります。以上で、2021年3月期第3四半期決算の説明を終わります。ありがとうございました。
真面目なスバルの憂鬱
「スバル・フォレスター」に先代モデル以来となるターボエンジン搭載車が復活。「スポーツ」を名乗る新グレードは、専用セッティングのサスペンションなども備えた新たな最上級モデルでもある。その仕上がりを箱根のワインディングロードで試した。
実は大黒柱である
見事日本カー・オブ・ザ・イヤー2020-2021に輝いた新型「レヴォーグ」の陰に隠れてしまったというわけでもなかろうが、レヴォーグが発売された同じ10月に現行型フォレスターもマイナーチェンジを受けていた。気づかずに大変失礼いたしました。注目は新型レヴォーグに搭載された新しい1.8リッター直噴「DIT」ターボエンジンを積むスポーツが追加設定されたこと。復活したターボ・フォレスターが今回の試乗車である。
あまり目立たないが(再び失礼)、実はフォレスターこそ、スバルを支える大黒柱である。スバル自身も最量販車種のグローバル戦略車と位置づけている。コロナ禍の影響とレヴォーグのモデルチェンジを考慮して、昨2020年ではなく2019年のデータを取り上げると、国内の年間販売はフォレスターが3万台以上に対してレヴォーグはざっと1万2000台(国内販売トップは「インプレッサ」の4万台強)と大きな差がついている。
さらにスバルにとっての最重要マーケットである北米ではフォレスターは毎年「アウトバック」とベストセラーの座を争うボリュームセラーであり、どちらも年間17万~18万台ぐらいを売り上げている。最新のデータが手元になくて申し訳ないが、もっと言えば世界中で満遍なく売れているフォレスターは、現時点でも世界一売れているスバル車でもあるはずだ。ちなみに、ざっくり世界で100万台規模のスバル車のうち、およそ70万台が北米で売れている。それに対して日本は10万台程度、フォレスターと北米市場の重要度が分かる数字だろう。
心地いい走りと先進安全性能をハイレベルで両立したSUBARU「レヴォーグ」の魅力
コロナ禍で人々がクルマに求める価値も変わってきた。単なる移動の手段というだけでなく、快適性、安全性、そして、気持ちよさ。新しい時代のクルマ造りを模索するSUBARUの意欲作を紹介したい。
10月にデビューしたのは2代目で、フロントマスクを中心によりシャープなラインを強調し、精悍なスポーツSUVに仕上がった。ただ、同社は、女性ユーザーからも支持されるクルマを目指し、ハンドルの操舵力を軽めに設定した「コンフォートモード」を用意するなど工夫を重ねた。だが、乗ってみると、中身はあくまで硬派なスポーツワゴンに仕上がっている。
走行性能に関していうと、細部までフロントサスペンションにこだわったり、リア周りのボディー剛
性は大幅に改善されており、後席の乗り心地と静粛性はスバル車の中でもトップレベルだ。また、アイサイトも全面刷新し、操作の扱いやすさも加わって本当に使いやすくなった。Withコロナの時代、他人と接触することのないクルマでの移動は間違いなく重要になる。安全性、快適性が備わったこのクルマは時代に合致したクルマであることは間違いなさそうだ。
気持ちいい走りと先進安全性能をハイレベルで両立
スバル『レヴォーグ』
Specification
■全長×全幅×全高:4755×1795×1500mm
■ホイールベース:2670mm
■車両重量:1580kg
■排気量:1795cc
■エンジン形式:水平対向4気筒DOHCターボ
■最高出力:177PS/5200〜5600rpm
■最大トルク:300Nm/1600〜3600rpm
■変速機:無段変速(8速AT)
■燃費:13.6km/L(WLTCモード)
■車両本体価格:409万2000円
※STiスポーツEX
ヘッドライトから下にグリル開口部を設け、フロントノーズを低く見せようとするデザインはある意味、スポーツモデルの定石。ボンネットの空気取り込み口もスバルらしいデザインだ。
ホイールベースは長く、全高は50mm低い。ロングルーフのワゴン造りは『レガシィツーリングワゴン』からの得意技だ。
全幅は両車ともに1795mmだが幅が広く見える。これはテールランプの横長形状に起因している。ゲートの開口部の高さは620mmと低く荷物の積み降ろしもラク。
エンジンルーム
新開発の水平対向4気筒1.8Lガソリンターボは1500回転からスムーズに上昇し、4000回転でも静粛性を保つ。エンジンの完成度は高い。
運転席と各種装備
テスラ車にも採用されている縦長の液晶パネルが印象的。この大画面パネルで各種設定や操作ができるよう集約されており、使いやすい。
シートスペース
前席のスポーツシートも新たに開発されたもの。本革はメーカーオプション。後席はやや高めの着座位置で天井、足元ともに広い。
ラゲージスペース
開口部は低めで、ゲートの左右幅も広い。奥行きは約1060mm、荷室幅は1070〜1600mm。後席背もたれは4/2/4で3分割で倒れる。
【 ココがポイント!】誰でも簡単に使える安全運転支援機能
ハンドルスポークにインフォテインメントやドライブモード、運転支援システムのスイッチを内蔵。これらとメーター内の表示がとても見やすく、簡単に先進安全機能が操作できる。
【 ココがポイント!】ディテールまで徹底的に走りと乗り心地を改良
リアバンパーにスバル初の空気排気口やマッドガードにスリットを入れて、車体の揺れやリフトを抑えた。同時に後席の乗り心地や音の侵入も軽減し、静粛性も向上した。
すべてにおいてレベルアップした『レヴォーグ』
[運転性能]新開発の水平対向エンジンは少しトルク不足だが、スムーズに上昇する。クルーズコントロールの作動も絶妙。19点
[居住性]前席のスポーツシートはホールド性がよい。後席もやや高めの着座で前方視界もよい。足元、頭上空間も余裕あり。18点
[装備の充実度]新世代アイサイトもさらに性能が向上。ハンズオフやレーンチェンジアシストの時のメーター表示が見やすい。18点
[デザイン]フロントマスクとテールのデザインはワイルドな印象。女性好みのカラーがあれば新しいファンを獲得できるのでは?17点
[爽快感]2Lのトルクは太くないが、マニュアルモードの8速へは90km/h以上でないとシフトしない。高速走行も気持ちいい。18点
[評価点数]90点
ISIDは続伸、経費精算システムがSUBARUに採用
ISID<4812.T>は続伸している。17日、同社が開発・提供する経費精算システム「Ci*X Expense(サイクロス エクスペンス)」がSUBARU<7270.T>に採用されたと発表しており、これが引き続き好感されているようだ。
同システムは、企業固有の旅費規程に基づく手当の自動計算、交通系ICカードや経路探索サービスとの連携による申請時の補助機能のほか、規程に基づく経費支払の対象範囲や上限値などのチェック機能も備わっている。これにより、入力負荷の低減や、誤入力による差し戻しや再承認などの手間が大きく削減できるという。なお、会計システムや人事システムとのデータ連携が可能な自動仕訳システム「Ci*X Journalizer(サイクロス ジャーナライザー)」も採用されたとしている。
スバルの回復ムードに水を差す「半導体不足」
業績予想上方修正からわずか3カ月後に下方修正――。2月5日、スバルは第3四半期決算(2020年4~12月)を発表するとともに、合計5万8000台の減産を公表し、2021年3月期の業績予想を引き下げた。年間の販売台数の見通しは従来の91万600台から86万7900台に見直した。
スバルはアメリカなどでの販売回復を追い風に2020年11月に発表した中間決算で第1四半期決算のときに発表した業績予想を上方修正したばかり。それがわずか3カ月で業績予想の見直しを迫られた。背景にあるのが車載用の半導体不足と輸送用コンテナ不足だ。
需要回復の中で生じた供給の制約
半導体不足の要因は、自動車市場の急回復にある。コロナ第1波の渦中だった昨年の夏前まで、業界では2020年の世界の新車販売は2割程度落ち込むと予想されていた。だが、予想に反して新車需要は夏以降に急回復し、各社とも積極的な増産へと舵を切った。国際自動車工業連合会(OICA)によると、主要国での2020年の自動車販売は前年比12%減にとどまった。
ただ、半導体は生産に時間がかかる。一般的に受注から半年程度の納期が必要だといわれる。各自動車メーカーの増産に車載半導体の供給が追いつかなくなり、世界的に需給が逼迫したのだ。この影響でスバルは第4四半期(2021年1~3月)に4万8000台の減産を行う見通し。
もう1つのネックは、物流重要の増加で海上輸送に使われるコンテナが不足したこと。2020年末にかけてアメリカで部品輸送が滞ったことで、1万台分の減産を強いられた。これと半導体不足による減産の合計が5万8000台ということになる。
もちろん、半導体不足で困っているのはスバルだけではない。ホンダはグループ全体の2020年の販売見通しを10万台引き下げ450万台とし、日産はコロナウイルス感染再拡大の影響と半導体不足で合わせて15万台引き下げ、販売見通しを401万5000台としている。
ホンダや日産に比べると、スバルは販売見通しを引き下げた割合が高い。その要因は販売戦略だ。スバルはターゲット層を絞り、展開車種を絞り込んでいる。比較的大型のCセグメント、Dセグメントといわれる車が中心で、開発費や製造コストを抑えるため共通化している部品も多い。
価格帯も高めのCセグメントやDセグメントには、自動ブレーキや手放し運転といった先進安全装備などの高機能な装備の搭載が増えるなど、車載半導体をより多く使う傾向にある。さらに、部品の共通化で、特定の部品が不足すると生産への影響も大きくなってしまう。
半導体不足の対策について岡田稔明CFOは「在庫を持ちすぎることもリスクになる。どのくらい在庫を持っているのがいいのか、もう一度しっかり考えなければならない」と話した。
在庫の確保はいつまで可能か
また、半導体不足がスバルならではのリスクを再燃させるおそもある。アメリカでの在庫不足だ。アメリカの一般的なディーラーの場合、年間販売台数の60日分の在庫を持つことが多い。だが、スバルはコロナ前から需要が旺盛でディーラー在庫が20~30日と少なかった。コロナ禍で2020年3月から6月にかけて大規模な生産調整を余儀なくされた結果、7月には在庫が20日を切る水準になった。
特に売れ筋のフォレスターやクロストレックを中心に在庫水準が極端に落ち込んだ結果、売り逃しも発生する状況で、昨夏以降は早々に工場をフル稼働に戻して在庫の積み増しを急いできた。スバルの中村知美社長は以前から、「(アメリカの)在庫を最低1カ月から最大1.5カ月分程度確保したい」と語っていた。
実際、2021年1月末の在庫水準は45日程度まで回復しているという。岡田CFOは「当面は出荷が細るが頑張っていきたい」と言うがリスクは残る。「(半導体不足の)影響は来期まで残ると見ているが、どの程度なのかはわからない」(岡田CFO)からだ。
昨年、アメリカでの販売回復について、中村社長は「比較的世帯年収が高く、不況に強いお客様に支えられている」と述べていた。半導体不足の影響を解消できず減産が長引けば、再び在庫不足での売り逃しに陥る可能性も否定できない。主戦場のアメリカにおけるディーラー在庫の水準が、スバルの回復スピードを占う重要な指標となりそうだ。
スバル新型「レヴォーグ」が衝撃的! 走りも安全も最強レベル! 雪上で実力を体感
そして2020年10月にフルモデルチェンジした2代目は、1万2000台以上を受注するなど、早くもヒットモデルの地位を獲得(2020年12月6日時点)。いまもっとも注目を集めるステーションワゴンだといえるでしょう。
今回は新型レヴォーグの実力を試すべく、ウインタースポーツに連れ出してみました。
相棒に選んだのは、中間グレードの「GT-H EX」。高度運転支援システムの「アイサイトX」を搭載したモデルに、スタッドレスタイヤはヨコハマ「アイスガード6」を履いて、雪を目指してロングドライブをおこないます
新型レヴォーグで目を引くのは、シャープなデザインです。
基本的には先代からキープコンセプトのスタイルなのですが、スバルのデザインフィロソフィーである「ダイナミック×ソリッド」が進化した「BOLDER(ボールダー)」を量産車として初めて採用。
ヘキサゴングリルや水平対向エンジンのピストンをイメージした「コの字」のヘッドランプは継承しつつ、新デザインへと変更。
テールランプも「コの字」としていますが、新型レヴォーグではよりワイド感を強調した意匠を採用しました。
また、レヴォーグで人気のボディカラーは、シルバーやグレーに加え、最上級の「STIスポーツ」のみに設定される「WRブルー・パール」など、クールでスポーティな色が多いようですが、今回のレヴォーグは「ピュアレッド」。
スポーティさのなかにアクティブさも感じられ、新型レヴォーグのカッコいいデザインとマッチしていたのも好印象でした。
新型レヴォーグは内装の上質感もアップしています。とくにセンターコンソール中央には、タブレットのような大型の11.6インチディスプレイを設置。大画面なので地図も大きく表示されるのはとても便利です。
さらにメーターは12.3インチのフル液晶メーターを採用。好みの表示に切り替えることが可能で、とくに中央に地図を表示するモードでは、ナビの経路案内もメーター内で確認することができるなど、先進的なコクピットへと進化しました。
また、新型レヴォーグではシートも変更されており、ロングドライブでも疲れにくい快適性と、スポーティな走行にも応えるホールド性を両立しています。
ラゲッジスペースについては、従来モデルから広い荷室を備えていましたが、新型レヴォーグでは大容量のサブトランクを新たに採用。荷室総容量561リットルと、積載性能が大幅に向上しました。
さらに注目すべきは、後席が4:2:4分割で倒すことができる点です。今回は真ん中を前に倒してスノーボードを載せてみましたが、それでも後席に2人乗車することができるなど、使い方次第でいろいろなアレンジができそうだと感じました、
また、テールゲートは、ハンズフリーで開けられる機能を装備。カギを身につけた状態でリアの六連星のエンブレムに手やひじをかざすとリアゲートが自動で開くので、荷物で手がふさがっているときなどに重宝しそうです。
ちなみに、シートヒーターも備わっており、3段階で調整することができます。寒い季節にうれしい機能ですが、レベル1でもなかなかの熱さを発揮。
レベル3では相当熱くなるのですが、雪国で選ばれることが多いスバル車だけに、アツアツのシートヒーターで冷えた体を一気に温めることができそうです。
■スポーツカー顔負けの走りや安全性の高さに驚愕!
新型レヴォーグは、ハンドリングや静粛性、乗り心地を向上させることで定評がある「スバルグローバルプラットフォーム(SGP)」が新たに採用されました。
さらに、ボディ骨格を強化する「フルインナーフレーム構造」などを採用し、高剛性化と軽量化を図っています。
このプラットフォームの一新に加え、新型レヴォーグでは新開発の1.8リッター水平対向4気筒ターボエンジンを搭載しました。
このエンジンは177馬力で、先代モデルの1.6リッターターボエンジンより7馬力上回る程度ですが、実際に運転してみると、街中ではきびきびと走行することが可能。最大トルクの300Nmを日常走行の領域から発揮するパワフルな特性を持っているところもポイントのようです。
高速道路で走らせてみても、合流車線から本線へ移るといった場面でアクセルをぐっと踏み込むと瞬時に加速してくれるので、ストレスなく運転することができました。
気持ちの良い走行性能はもちろんなのですが、新型レヴォーグでさらに驚いたのはコーナリング性能です。
まるでスポーツカーのような卓越した旋回性能を持っており、交差点を曲がるだけでスポーティな性能を実感。スポーティな走りを見せながら乗り心地がしなやかで、先代と比べても明らかに性能が向上したように感じました。
また、スバルのシンメトリカルAWDのおかげで雪上でも不安はなく、安定感のある走りを見せてくれるのも安心感につながりました。
そして、新型レヴォーグで特筆すべきは、高度運転支援システム「アイサイトX」の実力です。
前側方プリクラッシュブレーキや前側方警戒アシスト、エマージェンシーレーンキープアシストなどを可能にした「新世代アイサイト」は全車標準装備されていますが、「アイサイトX」は高速道路で真価を発揮する安全装備です。
ウインタースポーツの帰り道は、渋滞にあうことが多々あります。今回も渋滞にはまったのですが、時速50km以下になるとハンズオフアシストが作動し、ハンドルから手を放して運転することが可能になります。
同時に、アクセルやブレーキの操作もすべてクルマがやってくれるのですが、これが本当に楽なのです。
前走車についていく機能は従来のアイサイトにも備わっていますが、アイサイトXでは停止から再発進まで、スイッチ操作などの必要なくクルマがアシスト。
放した手はステアリングの近くに置いて、いざというときにすぐに操作ができるようにしておきますが、それでも渋滞中に何もしなくていいという安心感が、こんなに快適なのかと驚くばかりです。
「ずっと渋滞にはまっていたい」と思うほどの快適さを味わうことができました。
この渋滞時のハンズオフアシストも素晴らしいのですが、時速70km以上で走行中に車線変更をアシストしてくれる機能もスゴイのです。
後ろからクルマが来ないなどの条件がそろえば、ウインカーを押すだけでクルマがスッと車線変更をしてくるのですが、まるで人が操作しているような感覚で、とても滑らかに車線変更するのは感動モノでした。
アイサイトXには、ほかにも急カーブや料金所を検知して車速を落とす機能なども盛り込まれており、高度な安全性能を実現していることが体感できました。
さらに、ステーションワゴンとしての積載性や機能性の高さも加わり、どんな場面でもマルチに活躍してくれる最強のモデルが誕生したといえそうです。
SUBARU、FTSE Russell社が開発したESG投資のための株価指数「FTSE Blossom Japan Index」の構成銘柄に初選定
株式会社SUBARUは、ロンドン証券取引所グループの一企業であるFTSE Russell社が開発した株価指数「FTSE Blossom Japan Index」の構成銘柄に初めて選定された。
FTSE Blossom Japan Indexは、ESG(環境、社会、ガバナンス)に関して優れた取り組みを実践している日本企業で構成される株価指数で、企業のESGへの取り組みに注目する世界中の投資家から重要な投資判断基準として活用され、ESG銘柄を組み入れたファンドや金融商品の作成・評価にも広く利用されている。日本の公的年金資金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)も、ESG投資の運用にあたって投資判断基準として採用している。
SUBARUは、中期経営ビジョンSTEP(2018年7月発表)で掲げているありたい姿「モノをつくる会社から笑顔をつくる会社へ」の実現に向けて、CSR重点6領域(「人を中心とした自動車文化」「共感・共生」「安心」「ダイバーシティ」「環境」「コンプライアンス」)を定め、SUBARUグローバルサステナビリティ方針のもと、グループ・グローバルで意思を共有しながらCSRの取り組みを推進している。
今後もSUBARUは真のグローバル企業として社会から信頼される企業を目指し、より豊かで持続可能な社会づくりに貢献していくという。
スバル、2月22日に『NEW SUBARU BRZ GT300 シェイクダウンイベント』をオンライン開催
2月12日、スバルは2月22日(月)13時40分から、『NEW SUBARU BRZ GT300 シェイクダウンイベント』と題し、スバルのモータースポーツ体制発表をはじめ、2021年スーパーGT参戦車両のカラーリングを初公開するイベントをオンラインで開催すると発表した。
すでにBRZ GT300 2021の存在を明らかにしているスバルは、1月の東京オートサロンでも予告しているとおり、2月22日にモータースポーツ体制を発表し、2021年スーパーGT参戦車両のカラーリングを初公開するイベントを開催する。
当日はピエール北川アナウンサー、スバルで長年参戦してきた吉田寿博をMCに迎え、カラーリング初公開やオンボード、コースサイドから映した走行シーン、ドライバーへのインタビュー、さらにスーパーGTドライバー、監督、メカニックによるトークショーなどをライブ配信する。
MCのふたり以外の出演者は、当日ライブ配信でのお楽しみ。またこの日は、BRZ GT300レースクイーンでお馴染み『BREEZE』のメンバーも発表されることになりそうだ。
NEW SUBARU BRZ GT300 シェイクダウンイベント
開催日時:2021年2月22日(月)日本時間13:40~16:15 ※1
配信:SUBARU公式YouTubeチャンネルでライブ配信
出演者(順不同・敬称略)
MC:ピエール北川、吉田寿博
ドライバー:配信にて発表 ※2
BREEZE:配信にて発表
その他:スーパーGT新監督、メカニック
※1:終了時間、イベント内容、出演者は変更となる可能性あり。
※2:出演者の一部はビデオレター形式での出演となる。
イベント詳細は下記へ
https://www.subaru-msm.com/2021/news/20210212
配信YouTube『SUBARU ON TUBE』
https://youtu.be/XuxM_j7EdrI
スバルモータースポーツTwitter
https://twitter.com/subaru_sti_ms
いよいよ来るぞ新型WRX STI!!! スバルの2022年を追う
昨秋からのラインナップ一新を経て、レヴォーグ発売、BRZの世界初公開(北米)と、怒涛の新型ラッシュが続くスバル。
今年(2021年)もその勢いは衰えず。WRX S4、レガシィアウトバック、さらにはSUVクーペ「アドレナリン」と、ファンにとって楽しみなモデルが続く。
そして2022年、いよいよ復活すると目されているのがWRX STIだ。インプレッサとともに最新情報をお届けする!
●スバル2021年のラインナップ
・BRZ(7月)
・WRX S4(8月)
・レガシィアウトバック(10月)
・アドレナリン(12月)
■2.4Lターボ搭載! 出力は400ps級!!! 新型WRX STI(2022年3月デビュー)
堅牢で耐久性に優れた名機・EJ20型エンジンの生産終了により、現在スバルのラインナップから姿を消しているWRX STIが、来春に復活する。
新型はプラットフォームがSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)になり、さらにレヴォーグで高い評価を得ているフルインナーフレーム構造も採用。
大幅に高められたボディ剛性による走りの質感向上が期待される。
その新たなボディに搭載されるエンジンは、北米で販売されるSUV、アセントが積むFA24型2.4L直噴ターボ。
このエンジンは今夏にデビューする新型WRX S4にも採用されるものだが、S4が290ps程度の出力に抑えられるのに対し、STIは高度な専用チューニングにより400ps/50.0kgm級のパフォーマンスを目指して鋭意開発中だという。
これは新型WRX STIが、421ps/51.0kgmの出力を発生する、最強の2Lターボ搭載車・メルセデスAMG A45S 4MATIC+を開発ターゲットとしているからであるが、この強敵にWRX STIがどこまで迫れるか注目される。
トランスミッションの設定は6速MTのみになる予定。メルセデスAMG A45Sのミッションは8速DCTであり、このあたりにメーカーごとのスポーツに対する考え方の違いが見られるようで面白い。
予想価格は450万~550万円。内容を考えれば、正直バーゲンプライスだ。
■1.5Lターボの設定に期待! 新型インプレッサ(2022年11月デビュー)
スバルが誇るベーシックモデル、インプレッサのフルモデルチェンジが2022年11月に行われる。
6代目となる新型も現行型同様、ハッチバックの「スポーツ」、セダンの「G4」が用意され、駆動方式はFFを基本としながらも、グレードによっては4WDを設定。ミッションはリニアトロニックCVTとなる。
鬼滅の刃:炭治郎、禰豆子がトミカに 善逸は日産、伊之助はSUBARU
吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)さんの人気マンガが原作のアニメ「鬼滅の刃」の主人公・竈門炭治郎(かまど・たんじろう)らキャラクターをイメージしたミニカー「鬼滅の刃トミカ vol.1」が、タカラトミーのミニカーブランド「トミカ」の新商品として4月中旬に発売されることが分かった。
キャラクターの衣装や日輪刀などをイメージしたデザインで、炭治郎、竈門禰豆子(ねずこ)、我妻善逸(あがつま・ぜんいつ)、嘴平伊之助(はしびら・いのすけ)、栗花落(つゆり)カナヲの全5種。価格は各880円。
炭治郎はトヨタ86、禰豆子はSUBARU BRZ、善逸は日産リーフ、伊之助はSUBARU フォレスター、カナヲはSUBARU サンバーの車両となる。
SUBARU、回転翼整備士訓練向けにバーチャルシミュレーター
SUBARUは回転翼機の整備士用のバーチャル・シミュレーターを開発中だ。仮想空間に実機を再現し、例えば整備マニュアル、パーツカタログ、補給カタログ、さらには整備作業の参考になるプロシージャビデオなどを参照しながら、回転翼機の整備士訓練などに活用することができるシステムだ。
仮想空間に実機を再現したことで、普段はパネルに覆われてみることができないような部位・部品を簡単に覗き込むことができる。複雑なハーネスルートなどについても、具体的にどこをどのように通っているかなど、容易に把握することができるようになり、整備教育の理解を深めることができる。
現在はあくまで開発段階であって、例えば陸上自衛隊やSUBARU Bell412EPXなどのユーザーが利用することを想定。各方面に提案活動を展開中だ。
現状では・・・・・・。
※写真=SUBARU BELL412EPX(提供:SUBARU)
SUBARU、日本航空史刻む宇都宮製作所内の生産集約化
アフターコロナ見据えたコスト・構造改革に着手
SUBARU航空宇宙カンパニーは、新型コロナ禍が長引き、ボーイング機の民間航空機事業が大打撃を被っているなか、この危機を乗り越えるべくタスクフォースを設置するなど、まさに聖域なきコスト・構造改革に着手したSUBARU航空宇宙カンパニーだが、ウィズコロナ、アフターコロナに向けた戦略の一環として、「生産の集約化を図る」(航空宇宙システムカンパニーの戸塚正一郎プレジデント)方針を固めた。
戸塚プレジデントは「戦後、当社が航空機の生産を手掛けて60年以上が経過しているが、その過去の歴史のなかで、開発・量産を完了したものの補用品・修理対応を継続している事業が複数残されている」とし、「そのための生産エリアが宇都宮製作所内に散在している」と言及。「この機会に集約し、生産性を向上させて息を吹き返していきたい」と話した。
その上で、「生産集約に伴う工場内の断捨離、資産整理などを進めており、筋肉質になったところで、ヘリコプター事業に弾みをつけ、当社のプライム事業としてますます伸ばしていきたい」として、アフターコロナを見据えた方針を明らかにした。
一方、民間航空機関連については、既に量産体制を構築し主要な設備投資も済ませているが、適切に減産対応をとっているという。それでも、「人類にとって空の旅が無くなる訳ではない。(コロナ影響で)お客様の乗り方や行き先は変化するかもしれないが、必ずや再び成長すると信じている」と話した。・・・
次期戦闘機開発、「持ちうる技術を投入して国に貢献」
「日本人による日本人のための戦闘機開発」
次期戦闘機ラインはデジタライゼーション実現
ステルス・空力・軽量化がキーに
有人機・無人機連携で要素研究も
SUBARU BELL 412EPXで回転翼プライムに
コロナ下でも国内市場は堅調、世界市場での展開も期待
空飛ぶクルマ、様々な課題解決向け研究加速
安全安心技術確立で社会受容性獲得急ぐ
水素燃料の要素技術である貯蔵保管の研究開発も
※写真=SUBARUは「SUBARU BELL 412EPX」で回転翼プライムとなった(提供:SUBARU)
※写真=航空自衛隊の将来戦闘機開発プログラムに対する国内航空機産業の期待は大きい。SUBARUもまた然り(提供:防衛装備庁)
スバル 岡田専務「第4四半期も販売は堅調に推移」…半導体不足で通期営業利益は下方修正
SUBARU(スバル)が2月5日に電話会議で発表した2021年3月期の第3四半期(4~12月期)連結決算は、主力の米国販売が10~12月期に前年を上回るなど回復に転じ、営業利益は983億円(前年同期比36%減)となった。
一方で半導体不足による国内外の減産から、通期予想は従来比で若干の下方修正とした。第2四半期累計のグローバル連結販売は、コロナ禍により18%減の63万1100台だった。主力の米国は12%減の45万6700万台、日本は27%減の6万9600台などとなった。
販売の減少による売上減や構成差による営業減益要因は1160億円にのぼった。また、研究開発費も拡充により117億円の減益に作用した。為替は1ドル106円で3円の円高となり、全体では166億円の減益要因になった。売上高は2兆0748億円(17%減)、純利益は742億円(34%減)だった。
通期予想については、半導体の需給ひっ迫による生産への影響から販売台数や利益計画を咋年11月時点の数値から下方修正した。グローバルの連結販売は前期比16%減の86万7900台とし、従来計画比で4万2700台の減少を見込んでいる。
また、営業利益は従来予想から100億円少ない1000億円(53%減)、純利益については50億円減額の750億円(51%減)に下方修正した。売上高は1000億円減額の2兆8500億円(15%減)としている。営業損益段階では売上・構成差による減益が1105億円、為替の円高影響で289億円の悪化を想定している。
電話会議で岡田稔明専務執行役員は半導体不足による今期の減産について、国内外で4万8000台となる見通しを示した。これにより今期のグローバル生産は、82万3000台(前期比20%減)となる。同社の場合、今回の半導体需給ひっ迫の影響が出やすくなっているが、岡田専務は「半導体の使用量が多いC、Dセグメントの車種が中心であり、共通部品も多いため」と説明した。また、来期以降については「確実にひっ迫の影響が残ると見ているが、現時点でどの程度かは不明」と述べた。
一方で、グローバルでの販売状況などについては「第4四半期も米国は前年同期を上回る見込みとなっており、全体で堅調に推移すると見ている。本業のビジネスは堅調だ」と評価した。
SUBARU、半導体不足で下方修正 21年3月期純利益51%減
SUBARU(スバル)は5日、2021年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比51%減の750億円になりそうだと発表した。従来予想を50億円引き下げた。コンテナ船輸送の需給が逼迫して部品の輸送が滞ったうえ、世界的な半導体不足に伴い1月以降に国内外で減産しており新車販売が想定より落ち込む。
売上高にあたる売上収益は15%減の2兆8500億円と、計画を1000億円引き下げた。営業利益は53%減の1000億円を見込む。
生産台数は前期比2割減の82万3400台と、従来の計画から約5万8千台減る見通し。部品輸送が遅れて11~12月に米国工場の生産を1万台減らし、半導体不足によって1~3月に日米の生産が4万8千台減る。世界販売は16%減の86万7900台を想定。1月以降、米国だけで従来計画より2万台以上落ち込む。
電話会見した岡田稔明最高財務責任者(CFO)は「大きい車が商品群の中心で電子制御も多い。車種も絞り込んで部品の共通化も進めており、半導体不足の影響が他の自動車メーカーより大きくなった」と説明。「22年3月期の影響はわからず、発注のあり方などを改めて検討したい」と話した。
あわせて発表した20年10~12月期連結決算は売上収益が前年同期比3%減の8564億円、純利益は16%増の504億円だった。欧州が振るわず減収だったが、好採算の車が中心の米国では、新型コロナウイルス禍から新車市場が回復して販売台数が7%増えた。
また岡田CFOは、米アップルが電気自動車(EV)をめぐり日本車メーカーに協業を打診しているとみられる件について「アップルの話は今のところ何も聞いていないし、何も話すことはない」と述べた。
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