320万円の空室・ボロ物件からスタート! 30代会社員がアパート2棟を持つまで
今回ご紹介するのは、30代後半の会社員、区分マンション2部屋と、アパート2棟を保有する上原徹平さん。320万円で購入した空室・ボロ物件をリフォームするところから始めた不動産投資が、どのように進展していったのか、お話を聞きました。
上原徹平さん(30代後半)
奥様と保育園に通うお子さんとの3人暮らし。2015年1月から不動産投資のスクールで勉強を始め、その年の8月には神奈川県川崎市内、築40年の2K区分マンション1室を320万円で購入する。現在は、1件目の物件に加え、450万円で購入した区分マンション、いずれも5,000万円台で購入した新築アパート2棟を保有している。
奥様と保育園に通うお子さんとの3人暮らし。2015年1月から不動産投資のスクールで勉強を始め、その年の8月には神奈川県川崎市内、築40年の2K区分マンション1室を320万円で購入する。現在は、1件目の物件に加え、450万円で購入した区分マンション、いずれも5,000万円台で購入した新築アパート2棟を保有している。
マイホーム探しで気づいた「投資用物件」の存在
――不動産投資に取り組んでみようと思われたきっかけは何ですか?
マイホームを購入するため、初めて新築マンションのモデルルームを訪れた際、記入したアンケートシートに、「自宅用か投資用か」という回答項目があり、「新築マンションを投資用で購入する人がいるんだな」と気づいたのが最初です。
気になったので、営業の担当者さんに「投資用で買う人もいるんですか?」と聞くと、「賃貸で出すと20万円ぐらいで貸せるんですよ。ローンの返済額との差額が手元に残りますし、価値が上がれば売却時に利益を出すこともできます」と答えがあり、驚いたのをおぼえています。
その後もマイホーム探しの中でモデルルームを何件も回り、投資用で購入する話を各担当者さんから聞くようになって、興味が強くなっていきました。
もともと仕事でも、住宅支援にまつわる事業に関わっていたことがあり、「何もしていない(ように見える)のに、家賃というお金が毎月入ってくる」大家さんは、うらやましいなぁと思っていました。
それから振り返ってみると、大家さんへの憧れは小学生の頃から持っていて(笑)。
通学路に建っていた小さなアパートを見て「ここの大家さんはいくらもらっているんだろう」と考えていたんですよね。
仕事で感じた大家さんへのうらやましいという気持ちと、投資用で購入するマンションの話、そして小学生のころに抱いていた"大家さん"という人への憧れがリンクしていきました。
ボロボロのマンションをリフォーム、家賃1万円アップに成功
――スクールで勉強を始めてから約半年後、最初は320万円の物件を購入されたんですね
川崎市内で東横線沿線の駅から徒歩20分の立地にある区分マンション1室を購入しました。築40年の重量鉄骨造、35平方メートルの2Kという間取りです。空室で想定賃料は6万5,000円ほどでした。
この物件を購入するまでが、本当に大変でした。例えば物件の資料は、「今までに食べたパンの枚数は?」と聞かれても見当がつかない、というくらいの数を請求しましたし、価格交渉も20~30件くらいしていたと思います。
不動産投資のスクールでは「1日3件の資料請求、週に2件の現地調査」という宿題も課せられていて、このノルマも愚直にこなしていました。この頃苦労したことが、今の結果につながっていると感じます。
前年には5,000万円台のマイホームを契約していたので、物件購入としては2件目。加えて、320万円という価格だったにもかかわらず、売買契約書の押印時に手の震えと手汗が止まらなかったのをおぼえています。
――大変な苦労の末に購入された物件なのですね。最初の物件はボロボロでリフォームが必要だったとか?
リフォームについては、まずどんな間取りが好まれるかを現地の不動産会社さんにヒアリングして、2Kを1LDKに変えようと決めました。
スクールで学んでいたとはいえ、リフォームの知識はまだ乏しかったので、いろいろ親切に教えてくれそうという理由で、大手のリフォーム会社さんに見積もりに来てもらいました。
丁寧にリフォームの具体的プランまで考えてくれ、完成後のCG写真まで作ってくれたのですが、見積額は400万円超。大変申し訳なかったのですが資金が足りず、丁重にお断りをすることに。
ただそのリフォームプランはとても素敵だったので、物件の周辺にある工務店さんを12社ほどピックアップして、そのプランのイメージを説明し、「こういう部屋にしてほしい」と見積をもらいました。その結果、一番安い160万円という金額を提示してくださったところにお願いすることになりました。
壁紙はもちろん、水回り、床、天井もすべて作り替えたので、当初6万5,000円の想定家賃でしたが、結果的に約7万5,000円で借りてもらうことに成功しました。
その後もリフォームの経験を積むために、空室で中がボロボロの物件を選ぶようにして、知識と経験を身に着けていきました。
また、融資の期間を長くとってキャッシュフローを得たかったので、アパートも2棟購入しました。
新築か築浅に絞って探していたのですが、いい利回りの新築や築浅のアパートは価格交渉がほとんどききません。たくさんの業者さんに会い、自分は物件を買えるんだというアピールをし、良い物件を紹介してもらいました。
「お金を使うことがストレス」から解放された
――大変なことも多かったと思うのですが、不動産投資を始めて、一番うれしかったことは何ですか?
初めて家賃を手にしたときは、本当にうれしかったですね。
管理会社さんから「最初の家賃は手渡ししたい」と言っていただいて、封筒に入った家賃を、現金・手渡しでいただいたんです。
初めて自分で価値を生み出し、そのサービスを提供することで得た対価……本当の意味で初めて自分で稼ぎ出したお金なんだと実感し、社会人になって初任給をもらったとき以上のうれしさでした。
――不動産投資を始めてから、生活は変わりましたか?
私は、これまではどちらかというとケチな部類で、小さいことでも節約しようとしたり、お金を多く使うことにストレスを感じたりしていました。
でも、不動産の勉強をする中で「お金」についても勉強していきましたので、外食を我慢したり、寒いのにエアコンをつけずに電気代を節約したり、といった効果の小さい節約はしなくなりました。
無駄遣いとならない範囲で外食や旅行など、使いたいことにお金を支出できるようになったのです。
これも家賃収入という、会社からの給料以外の収入が、心に余裕を生み出してくれた結果だと思います。
それから、これまで考えることすらなかった、"早期退職して自分の好きなことをして生活する"という可能性が、不動産投資を始めたことで考えられるようになりました。
と同時に、限りある人生の時間というものを強烈に意識するようになり、時間への意識が大きく変わったことを感じます。
――将来の展望は?
50歳までに年収と同等以上のキャッシュフローを得て、いつでもリタイアできる状態を作りたいですね。
一日中ゴロゴロしたり、好きなだけ漫画を読んだりゲームをしたり、それに飽きたら何か儲かりそうなことがないかと考えて試してみたり……そんな「自由な日々」を手に入れたいです。
それから、私自身、会社員の両親のもとで育ち、将来は会社員になる以外の選択肢が想像できなかったのですが、子どもには、会社員以外のさまざまな選択肢が未来にあること、いろんなことに挑戦できるのだということを、自分の背中を見せて考えてもらいたいなと思っています。
恐しい…新橋で「名刺交換を!」と頼む研修サラリーマンの正体
あたかも研修の一環のような形で名刺交換を求められる
不動産投資にまったく興味がない人が、区分マンションを買わされてしまう状況とはどんなケースが多いのでしょうか。
新築区分マンションの売り方は様々な方法がありますが、主に次の3つがあります。
① 電話営業
② 名刺交換
③ セミナー
一般的には「書籍を読んで不動産投資を知った」という人が多く、知識を得るためにセミナーで学ぶ人もたくさんいます。
セミナーには、勉強会のようなスタイルのものから、特定の物件を売ることを目的にしたものまで色々あります。そういったところで取り扱われる不動産は、区分であれば中古物件。もしくは一棟物のアパートやマンションが主流です。
新築区分マンションを売るとなれば、セミナーもありますが、主に名刺交換か電話営業になります。
名刺交換というのは、駅前で新卒社員の社内教育という名目で、名刺交換をして個人情報を入手します。
たとえば新橋などのオフィス街に行くと、いきなり「すみません! 名刺を交換していただけますか?」というように、若い社員から、あたかも研修の一環のような形で名刺交換を求められることがあります。気のいい人であれば、名刺を渡してしまいます。しかし、名刺交換は新築区分マンション営業の常套手段なのです。
法人の代表番号から、電話番号を一ケタずつ変えて…
電話営業の場合は、任意のアンケートに答えた情報が、リストとして世間に出回っている場合もありますし、飲食店勤務であれば、職場の電話番号はすぐに調べられます。医師や弁護士なども電話番号は簡単に入手できます。
自衛隊のデータもよく使われます。官舎や駐屯地の電話番号も、公にされていることが多く、営業マンに目を付けられやすいのです。
その他、販売会社がよく使う手で言えば、法人の代表番号から、電話番号を一ケタずつ変えて、片っ端から電話をしていくという方法です。
法人の電話番号の場合、だいたいは受付に回されますが、ケタを変えると部署への直通番号になる可能性が高いのです。法人対法人、つまりBtoBの営業のフリをして個人宛にかけるわけです。
事前に名前がわかっていれば、「xx社のXと言いますが、総務部のYさんはいらっしゃいますか?」と指名しますが、ランダムに電話営業する場合は、相手の名前がわからなくても適当に話を合わせながら営業していきます。
知らない相手に営業するなんて……と思われるかもしれませんが、販売会社のプロの営業マンからすれば当たり前の話です。
電話営業の場合は、任意のアンケートに答えた情報が、リストとして世間に出回っている場合もありますし、飲食店勤務であれば、職場の電話番号はすぐに調べられます。医師や弁護士なども電話番号は簡単に入手できます。
自衛隊のデータもよく使われます。官舎や駐屯地の電話番号も、公にされていることが多く、営業マンに目を付けられやすいのです。
その他、販売会社がよく使う手で言えば、法人の代表番号から、電話番号を一ケタずつ変えて、片っ端から電話をしていくという方法です。
法人の電話番号の場合、だいたいは受付に回されますが、ケタを変えると部署への直通番号になる可能性が高いのです。法人対法人、つまりBtoBの営業のフリをして個人宛にかけるわけです。
事前に名前がわかっていれば、「xx社のXと言いますが、総務部のYさんはいらっしゃいますか?」と指名しますが、ランダムに電話営業する場合は、相手の名前がわからなくても適当に話を合わせながら営業していきます。
知らない相手に営業するなんて……と思われるかもしれませんが、販売会社のプロの営業マンからすれば当たり前の話です。
年金の代わり、生命保険の代わり、節税…
そもそも不動産投資にはまったく興味のない人が、どうして契約までしてしまうのか。そこには、新築区分マンション投資ならではのスキームがあります。
それは誰もが抱く、不安や不満に訴えかけるということです。
・年金の代わり
・生命保険の代わり
・節税
基本は、この三本柱です。以降で、営業マンがどのように説明するのか、再現してみましょう。
少子高齢化が進む中で、日本の年金システムは崩壊寸前とも言われています。これが、月にほんの数万円の支払いをするだけで、都内の好立地にマンションをもてます。ローン期間は30年と長いですが、ローンが終われば、月々の家賃が年金代わりとして受け取れます。
また家族がいれば、自分に万が一のことがあった場合のことを心配する人も多いでしょう。
これは住宅ローンにも共通することですが、ローンを組んで新築マンションを購入する場合、団体信用生命保険に加入します。自身が亡くなったときにはローンを一括返済してくれる保険です。
つまり、万が一のときには、遺族にローンのないマンションが残り、月々の家賃が払われるのです。「生命保険代わりにマンションを購入する」というのは、こういったリスクヘッジの意味があります。
最後に節税です。日本の所得税は累進課税で、所得に応じてその割合は変わっていきます。所得が低ければ所得税率も少ないですが、所得が高くなるにつれて、所得税率は高くなっていきます。これは不動産投資を行うことによって、節税効果を得られるのです。
そもそも不動産投資にはまったく興味のない人が、どうして契約までしてしまうのか。そこには、新築区分マンション投資ならではのスキームがあります。
それは誰もが抱く、不安や不満に訴えかけるということです。
・年金の代わり
・生命保険の代わり
・節税
基本は、この三本柱です。以降で、営業マンがどのように説明するのか、再現してみましょう。
少子高齢化が進む中で、日本の年金システムは崩壊寸前とも言われています。これが、月にほんの数万円の支払いをするだけで、都内の好立地にマンションをもてます。ローン期間は30年と長いですが、ローンが終われば、月々の家賃が年金代わりとして受け取れます。
また家族がいれば、自分に万が一のことがあった場合のことを心配する人も多いでしょう。
これは住宅ローンにも共通することですが、ローンを組んで新築マンションを購入する場合、団体信用生命保険に加入します。自身が亡くなったときにはローンを一括返済してくれる保険です。
つまり、万が一のときには、遺族にローンのないマンションが残り、月々の家賃が払われるのです。「生命保険代わりにマンションを購入する」というのは、こういったリスクヘッジの意味があります。
最後に節税です。日本の所得税は累進課税で、所得に応じてその割合は変わっていきます。所得が低ければ所得税率も少ないですが、所得が高くなるにつれて、所得税率は高くなっていきます。これは不動産投資を行うことによって、節税効果を得られるのです。
たった1人だけでも口説き落とすことができればいい
このようにして一社の中で1人でも顧客を見つけることができれば、その顧客からの紹介に期待できます。
つい先日、ご相談にいらしたお客様も「先輩の紹介で物件を購入した」とおっしゃっていました。ですから、たった1人だけでも口説き落とすことができればいいのです。
流れとしては、まず電話をして、相手の家族背景から勤務形態など、なるべく多くの情報を聞き出します。そして、直接面談の機会をもつよう進めるのです。
会うといっても、基本的に一度きりの勝負です。何度も通って印鑑を押してもらう……というような話ではありません。
人の気持ちは冷めやすいですから、じっくり考える余地は与えずに、一度の面談で「マンションを購入する」という気持ちを固めるところまで行い、その次に会う際、成約に進めます。
たった一度会って話しただけで1000万円以上の決断をするなんて、営業経験のない人にすれば、不思議に思うかもしれません。
でも、実際にそうやって成約している事例が多くあるのです。
これを私は、電化製品のショッピングにたとえて説明しています。家電の販売店で冷蔵庫を買いに行ったとしましょう。どんな冷蔵庫があるのか見て回り、家でじっくり検討しようとパンフレットをもらうこともあると思います。
購買意欲が頂点に達するのは、その場にいるとき……このケースで言えば、家電販売店の売り場にいるときです。パンフレットをもらって家に帰ってしまえば、クールダウンしてしまい、冷蔵庫がほしい気持ちが落ち着きます。
仮にここで、「カタログをどうぞ。ちなみにこちらを検討されているのでしたら、お値引きしますよ」と言われたら……心を揺さぶられるのではないでしょうか。
思わず、「えっ! ではいくら下げてもらえるんですか?」と聞き返してしまう人も多いのではないかと思います。
そこで何も声をかけずにカタログだけ手渡して終わり、というのは、営業では大切なタイミングを逃すのと同じことです。
プロの営業マンは、こういった「売れる、そのポイント」を嗅ぎ付ける嗅覚に優れているものです。
そのため電話であっても、声の口調などで「あっ、この人いける!」とわかるのです。こうして電話から面談の予約をとって、会って話をして、その1回で買付申込書に署名までこぎつけるのが彼らのテクニックなのです。
基本はそこまでに1回、長くかかっても2回まで。3回目はほとんどありません。とにかくスピード勝負で申し込みまでもっていくのです。これがプロの営業マンです。
どうでよう。同じような場面に遭遇した人も多いのではないでしょうか。心当たりがあるという人は要注意です。
このようにして一社の中で1人でも顧客を見つけることができれば、その顧客からの紹介に期待できます。
つい先日、ご相談にいらしたお客様も「先輩の紹介で物件を購入した」とおっしゃっていました。ですから、たった1人だけでも口説き落とすことができればいいのです。
流れとしては、まず電話をして、相手の家族背景から勤務形態など、なるべく多くの情報を聞き出します。そして、直接面談の機会をもつよう進めるのです。
会うといっても、基本的に一度きりの勝負です。何度も通って印鑑を押してもらう……というような話ではありません。
人の気持ちは冷めやすいですから、じっくり考える余地は与えずに、一度の面談で「マンションを購入する」という気持ちを固めるところまで行い、その次に会う際、成約に進めます。
たった一度会って話しただけで1000万円以上の決断をするなんて、営業経験のない人にすれば、不思議に思うかもしれません。
でも、実際にそうやって成約している事例が多くあるのです。
これを私は、電化製品のショッピングにたとえて説明しています。家電の販売店で冷蔵庫を買いに行ったとしましょう。どんな冷蔵庫があるのか見て回り、家でじっくり検討しようとパンフレットをもらうこともあると思います。
購買意欲が頂点に達するのは、その場にいるとき……このケースで言えば、家電販売店の売り場にいるときです。パンフレットをもらって家に帰ってしまえば、クールダウンしてしまい、冷蔵庫がほしい気持ちが落ち着きます。
仮にここで、「カタログをどうぞ。ちなみにこちらを検討されているのでしたら、お値引きしますよ」と言われたら……心を揺さぶられるのではないでしょうか。
思わず、「えっ! ではいくら下げてもらえるんですか?」と聞き返してしまう人も多いのではないかと思います。
そこで何も声をかけずにカタログだけ手渡して終わり、というのは、営業では大切なタイミングを逃すのと同じことです。
プロの営業マンは、こういった「売れる、そのポイント」を嗅ぎ付ける嗅覚に優れているものです。
そのため電話であっても、声の口調などで「あっ、この人いける!」とわかるのです。こうして電話から面談の予約をとって、会って話をして、その1回で買付申込書に署名までこぎつけるのが彼らのテクニックなのです。
基本はそこまでに1回、長くかかっても2回まで。3回目はほとんどありません。とにかくスピード勝負で申し込みまでもっていくのです。これがプロの営業マンです。
どうでよう。同じような場面に遭遇した人も多いのではないでしょうか。心当たりがあるという人は要注意です。
気づいたらもう引き返せない!?
営業マンの話を聞いて、「購入する」という意思を示した後は、それを書面にした買付申込書に署名をします。買付申込書には法的な拘束はないため、この段階で「やっぱり、やめた!」と決断しても、問題はありません。
そしてローンの申し込みを行い、契約に向けて動き出します。営業マンには「次の打ち合わせで、必要書類をもって来てください」と告げられ、次回の売買契約時に源泉徴収票や印鑑を持参することになります。
続いて、売買契約です。売買契約とは、不動産購入時に売主と結ぶ契約で、重要事項説明を受けて、自身が購入する物件について納得したうえで署名捺印を行います。
売買契約を行う際に、ローン条項といって、「ローンが通らなければ、売買契約は無効となる」という特約を入れますので、ローン審査に通らなければ、買い進むことはありません。
売買契約を行い、ローン審査が通った後に行うのが、金銭消費貸借契約です。金融機関と結ぶ融資を受けるための契約で、略して金消契約と呼ばれています。
金消契約のタイミングは、売買契約後、ローン審査に通った後になります。これは、新築区分マンションがすでに竣工しているのか、それとも現状、建設をしている段階なのかによっても変わります。中古区分マンションであれば、前提として建物がありますが、新築の多くはまだ「建物が完成していない」という状況であることが多いのです。
新築の場合、今販売中で、実際に竣工するのが半年後というケースもあります。その場合は、まずは契約を結んでおき、ローンが通ったところで金消契約を先にしているケースもあります。半年後に竣工予定であっても、金消契約を半年前に締結してもいいのです。
不動産を購入するということで言えば、支払いを行う決済と物件の引き渡しを経て、晴れてオーナーになります。しかし営業マンからすれば、この金消契約を結ぶところが一つの着地点となります。
金消契約を交わすということで、もう引き下がれない状況をつくっているのです。
マンション販売会社の内情を明かせば、どこの販売会社も毎月25日までに契約を結ぶことを急がせます。25日までに契約することで、その月の営業成績になるからです。
まだ完成してもいないマンションの契約をする……こう聞くと、悪徳商法のような話に聞こえるかもしれませんが、実際にはよくある話です。
マイホーム向けのファミリータイプの新築物件では、建築中であっても、モデルルームで販売を行っています。基本的に建物が完成しなくても、売買契約や金消契約は行えるのです。
戸建て住宅で言えば、まず土地だけを契約して、建築請負契約といった書類を揃え、その家が建てられることを銀行に証明します。つまりローンを引く手筈を整えるのと同じです。
基本的には新築区分マンションだから、いい加減に売られているということはありません。マイホーム向けであっても投資家向けであっても変わりませんし、区分マンションでも一棟アパートも購入の流れは同じです。
宅地建物取引業法(宅建業法)という法律に基づいて、宅地建物取引士(宅建士)という不動産取引のプロが行なっていくものです。
営業マンの話を聞いて、「購入する」という意思を示した後は、それを書面にした買付申込書に署名をします。買付申込書には法的な拘束はないため、この段階で「やっぱり、やめた!」と決断しても、問題はありません。
そしてローンの申し込みを行い、契約に向けて動き出します。営業マンには「次の打ち合わせで、必要書類をもって来てください」と告げられ、次回の売買契約時に源泉徴収票や印鑑を持参することになります。
続いて、売買契約です。売買契約とは、不動産購入時に売主と結ぶ契約で、重要事項説明を受けて、自身が購入する物件について納得したうえで署名捺印を行います。
売買契約を行う際に、ローン条項といって、「ローンが通らなければ、売買契約は無効となる」という特約を入れますので、ローン審査に通らなければ、買い進むことはありません。
売買契約を行い、ローン審査が通った後に行うのが、金銭消費貸借契約です。金融機関と結ぶ融資を受けるための契約で、略して金消契約と呼ばれています。
金消契約のタイミングは、売買契約後、ローン審査に通った後になります。これは、新築区分マンションがすでに竣工しているのか、それとも現状、建設をしている段階なのかによっても変わります。中古区分マンションであれば、前提として建物がありますが、新築の多くはまだ「建物が完成していない」という状況であることが多いのです。
新築の場合、今販売中で、実際に竣工するのが半年後というケースもあります。その場合は、まずは契約を結んでおき、ローンが通ったところで金消契約を先にしているケースもあります。半年後に竣工予定であっても、金消契約を半年前に締結してもいいのです。
不動産を購入するということで言えば、支払いを行う決済と物件の引き渡しを経て、晴れてオーナーになります。しかし営業マンからすれば、この金消契約を結ぶところが一つの着地点となります。
金消契約を交わすということで、もう引き下がれない状況をつくっているのです。
マンション販売会社の内情を明かせば、どこの販売会社も毎月25日までに契約を結ぶことを急がせます。25日までに契約することで、その月の営業成績になるからです。
まだ完成してもいないマンションの契約をする……こう聞くと、悪徳商法のような話に聞こえるかもしれませんが、実際にはよくある話です。
マイホーム向けのファミリータイプの新築物件では、建築中であっても、モデルルームで販売を行っています。基本的に建物が完成しなくても、売買契約や金消契約は行えるのです。
戸建て住宅で言えば、まず土地だけを契約して、建築請負契約といった書類を揃え、その家が建てられることを銀行に証明します。つまりローンを引く手筈を整えるのと同じです。
基本的には新築区分マンションだから、いい加減に売られているということはありません。マイホーム向けであっても投資家向けであっても変わりませんし、区分マンションでも一棟アパートも購入の流れは同じです。
宅地建物取引業法(宅建業法)という法律に基づいて、宅地建物取引士(宅建士)という不動産取引のプロが行なっていくものです。
マンション投資で必要な頭金は?フルローンを受ける方法や事例、リスクも
1.マンション投資で必要な頭金
不動産投資ローンは、対象不動産の購入価格の1割~3割程度の頭金が必要とされる傾向があります。
東京都内の新築区分マンションの場合、物件価格は3,000万~5,000万程度、中古では1,000万~3,000万程度となります。そのため、100万~1,000万程度の頭金が必要になるといえます。
一棟物件の不動産投資に比べると低価格であるため、属性などによって金融機関が評価した融資限度額の範囲内であれば頭金が必要ないケースも少なくありません。
2.フルローンを受ける方法
不動産投資ローンは、原則として家賃収入を返済原資とする不動産賃貸業に対して融資がなされます。
金融機関は、対象不動産の収益性と担保性を審査、評価して、融資額を決定します。想定の家賃収入から維持管理費・修繕費などを控除しても無理なく返済できるかどうか、返済が滞った場合に対象不動産を売却して融資額を回収できるかどうか、ということが審査の主眼となります。
金融機関のローン審査の観点から、マンション投資でフルローンを受けるには、収益性や担保性の高い物件選ぶこと、属性によって返済原資を補うこと、不動産賃貸業の実績をアピールすること、という方法が考えられます。以下で、それぞれについて説明します。
2-1.収益性・担保性の高い物件を選ぶ
金融機関は、物件の収益性・担保性を評価して不動産投資ローンの融資額や融資条件を判断します。このため、マンション投資でフルローンを受けるには、金融機関から高く担保性を評価してもらうことが重要です。
収益不動産の資産評価は、積算評価と収益還元評価によってなされます。積算評価が高くなりやすい路線価の高い立地のマンションや、築浅でグレードの高いマンションがフルローンを受けやすくなります。
ただし、積算評価の高い物件は利回りが低くなり、キャッシュフローが低下してしまう傾向にあります。積算評価に加えて物件の収益還元評価を行い、不動産賃貸業として問題が無いか評価をされることになります。
積算評価・収益還元評価の両方が高い物件の場合、フルローンで融資を受けられる可能性が高まります。
2-2.属性を上げる
金融機関は、ローン審査の際、家賃収入だけでなく、給与収入や金融資産から返済に充当できる原資がどれぐらいあるかについても考慮しています。
給与については、収入の持続性という観点から、勤務先の企業規模や雇用形態、勤続年数なども考慮されます。これらの属性についての評価が高くなるようにすることで、フルローンを受けやすくなります。
2-3.不動産投資の実績を積む
不動産投資で既に継続して利益を出した実績があり、賃貸業の不動産価値がローン残高を十分上回っているような状態であれば、金融機関が不動産投資を事業として運営していく能力を評価してくれる可能性があります。
不動産投資の実績を積んで結果を残すことで、その後のマンション投資でもフルローンを受けやすくなると言えます。
3.フルローンの事例とリスク
マンション投資では、資産評価の高い物件を選んだり、属性を上げたりすることによって、フルローンを組んで投資効率を上げることができます。ただし、フルローンはメリットだけではなくリスクやデメリットもあります。
以下では、フルローンを組んでマンション投資をおこなった際の事例を通してフルローンがキャッシュフローに与える影響を検証し、フルローンを組むことのリスクについて考えていきます。
3-1.フルローンの事例
たとえば、上場企業の30代サラリーマンで、年収約500万円、金融資産残高1,000万円の方がフルローンを受ける場合の事例について紹介します。
利回り7%、販売価格3,500万(積算評価約3,000万)程度の築浅投資用マンションで、金利2%、35年のフルローンを受けることを考えてみます。
- 融資限度額:5,000万円>3,500万円
- 2%、35年、3,500万ローンの毎月返済額:116,000円
- 毎月の家賃収入と給与収入の合計額:205,000円+400,000円=605,000円
- 返済比率:約19%(116,000÷605,000×100)
- 負債と資産の比較:3,500万円<1,000万円+3,000万円
融資限度額の目安を年収の約10倍とした場合、5,000万円程度まで融資が可能ということになり、3,500万円は融資限度額未満です。
このマンション投資事例の場合、毎月のローン返済額116,000円に対し、家賃収入と給与収入を合わせたキャッシュフローは605,000円であることから、返済比率は約19%となります。
リスクを抑えた返済比率の目安が40%程度であることから、他にローン返済や支払家賃などがなく、想定以上の空室が生まれなければ、余裕を持って返済できる水準と言えるでしょう。
負債と資産を比較しても、ローン残高はマンションの積算評価と金融資産の合計額を下回っており、債務超過ではありません。したがって、フルローンを引ける可能性は高いといえます。
3-2.フルローンのリスク
マンション投資はフルローンでおこなうことができるのは大きなメリットですが、リスクがあることを知っておく必要があります。不動産投資を成功させるにはリスクを認識したうえで、それをコントロールすることが重要になってきます。
フルローンのリスクには、キャッシュフローの悪化がもたらすリスク、不動産投資戦略に悪影響を与えるリスクなどがあります。以下で詳細を説明します。
キャッシュフローの悪化がもたらすリスク
マンション投資では、経費やローンの返済が家賃収入を上回り、月々のキャッシュフローがマイナスになってしまうことを避ける必要があります。
しかし、上述の事例で家賃収入のみでローン返済をすると仮定した場合、116,000円÷205,000円=56.5%となり、返済比率は大きく悪化することになります。。
このように、マンションが古くなって家賃が下がったり、空室期間が長期間続くようになったりすると、月々のキャッシュフローがマイナスになり給与収入から返済資金を補填するようになるリスクがあります。
マンション投資には、金利上昇によって返済額が上がる金利リスクや、大規模修繕が必要になる災害リスクもあり、フルローンをしたことによるキャッシュフローの悪化は、こういった様々なリスクに対処しうる余力が減少することになります。
不動産投資戦略に悪影響を与えるリスク
フルローンはマンション投資の戦略に悪影響を与えるリスクがあります。
例えば、一定期間家賃収入による収益を得たうえで売却を検討した際、フルローンを組んでいると残債が多くなり、売却時に残債よりも高く売れない可能性もあります。売却のタイミングを計るのが難しくなり、出口戦略に影響が出ることになります。
さらに、不動産投資の拡大戦略に悪影響を与える可能性もあります。マンションを売らずに新しい投資用不動産を購入しようとする際、フルローンを組んだことによりマンションの資産評価額に比べて残債が多いと、金融機関のローン審査にマイナス評価となります。
フルローンの融資を受ける際はこれらのリスクやデメリットがあることを踏まえ、慎重に検討することが重要です。
4.フルローンや低金利など融資に強いマンション投資会社
最後に、フルローンの融資実績があるマンション投資会社をご紹介します。
4-1.プロパティエージェント
プロパティエージェントは、東京23区・横浜エリアに集中したマンション開発・販売により入居率99.47%(2020年10月時点)の実績を有する東証1部上場企業です。販売物件は新築マンションと中古マンションを取り扱っています。
提携金融機関も12社と充実しており、物件の担保力の高さからフルローンでの融資実績が非常に豊富です。
また、新築よりも担保性が低下してしまう中古マンション投資においても、資産性・収益性・移動率の3軸から定量的に評価するスコアリングを用いて、将来にわたって高い資産性を維持できる物件を厳選し仕入れています。
プロパティエージェントでは、初心者向けに「0から始める不動産投資セミナー」を定期開催しています。「まずは情報収集したい」「投資用物件の選び方を知りたい」という方は、参加検討してみると良いでしょう。
4-2.リズム
リズム株式会社は、東京23区の中古ワンルームマンション投資やリノベーション投資などを手がける不動産投資会社です。
リズムの販売する中古マンションの9割以上が2,800万円以下と始めやすい価格帯となっており、継続的に所有し、のちにリノベーションを施し付加価値の高い空間を創り上げることで、購入後の値上がり益も期待できます。
また、オーナーの4割以上が頭金10万円以内で始めることができており、最長45年のローンを組むことができるなど、中古マンションながら高い融資の実績があります。
2020年11月現在、オンラインでリズムのセミナーや個別相談が受けられます。東京での不動産投資や中古ワンルームマンション投資、リノベーション投資などに興味のある方は参加を検討してみましょう。
4-3.インヴァランス
インヴァランスは東京都心を中心に23区内のマンションを開発・販売する不動産投資会社です。投資用マンションブランド「CREVISTA」「LUXUDEAR」などを100棟以上開発・販売した実績があります。
融資面では、提携金融機関が大手銀行・信販会社含めて10社以上あり、多様な金融機関のコーディーネートにより、良い融資条件や無理のない投資プランを提案してもらうことができます。また、頭金は10万円からとなっていますので、初期費用を抑えてマンション投資を始めることも可能です。
また、インヴァランスでは、資産運用や不動産投資などに関する無料セミナーをほぼ毎日開催しており、お金の基礎知識、各投資商品のメリットとデメリット、不動産投資の仕組みや他の投資商品との違いなどを学ぶことができます。
まとめ
マンション投資で必要な頭金の目安はおおよそ購入価格の1割~3割程度となりますが、資産評価の高い物件を選定したり属性を上げたりすることで、フルローンを受けることも可能です。
ただし、フルローンを受けるとキャッシュフローが悪化するおそれもあり、不動産投資の様々なリスクに対処する余力が少なくなります。また、不動産投資戦略に悪影響を及ぼす可能性もあります。
フルローンを組む際は、自らの許容リスクや投資戦略に応じて慎重な判断をすることが大切です。まずはマンション投資会社の資料請求やセミナーへの参加を検討するなど、情報収集から始めてみましょう。
不動産投資業界で「プル型営業」を実現させた企業出版の力
企業出版が不動産業界の営業現場を激変させた
企業出版では大きく6つの業界、「不動産」「金融・投資」「士業」「医療・介護」「教育」「B to B」を主要ターゲットにしており、近年は「B to B」の領域で、AI(人工知能)やウェブマーケティングなどIT関連の書籍が増えています(連載第4回参照)。
今回は、主要6業界のうち「不動産」について説明します。中でも投資用の不動産を販売する会社では、企業出版で本当に多くの成功事例が出ています。一般に、投資対象となる不動産はアパートかマンション(ワンルーム)で、それぞれ新築と中古がありますが、基本的にこれらの組み合わせだけですから、不動産投資会社の独自のスキームというのは、実はそれほど多くはありません。事実、不動産投資会社のHPやパンフレットに書かれている内容はほぼ同じであり、不動産投資各社は他社との差別化に苦慮しています。
一方で、投資家側からすると、多くの似たような不動産投資会社の中から、信頼できる企業を見つけるのは至難の業です。投資でお金を増やしたいけれども、会社選びを間違って失敗したら怖いという不安がつきまといます。従来、不動産投資の営業はテレアポが主戦場でした。そこから何とか面談に漕ぎつけて、営業マンがクロージングまで持っていく、いわゆるプッシュ型営業が主流だったのです。しかし近年は、プッシュ型営業からプル型営業にシフトする、あるいはシフトを模索する不動産投資会社が急速に増えています。とはいえ、テレアポ以外で見込み客との接点をつくるのは容易ではなく、多くの企業がプル型営業への導入には苦労しています。
読者ターゲットを明確にし、対象を絞り込む
そうした中で、企業出版を積極的に活用し、プル型営業で大成功している企業があります。武蔵コーポレーションです。同社は関東一円を中心とした首都圏エリアに特化した収益不動産の資産運用を専門に行う企業で、このジャンルではまさにトップランナーといえる存在です。代表取締役の大谷義武氏は、改訂版・共著を含め幻冬舎メディアコンサルティングから9冊の書籍を出版しています。いずれも出版で大きな効果が見込める「集客・販促」「採用」領域の書籍ですが、9冊を戦略的に出版したことで、実際に絶大な成果を上げています。
たとえば、1冊目の『年収1000万円から始める「アパート事業」による資産形成入門』(2009年7月刊)は、発売後に書籍を経由して30件以上を受注しました。勝因の一つは同社がターゲットとする属性を明確に定めたことにあります。
年収1000万円以上の人で、資産運用をしたいけれど、ネット情報では信頼できる企業が見つけられないという場合、意識の高い人ほど書店に足を運びます。知識武装するためです。要は、問い合わせをした不動産投資会社で、営業マンの口車にうまく乗せられて騙されないようにするのが目的です。高額投資だけに、彼らには強い防衛心理が働いています。書店の資産運用のコーナーには、たくさんの本が並んでいます。類書として「年収500万円」あたりを切り口にした不動産投資の本が数多く出ています。そこに「年収1000万円以上」というキーワードが目に飛び込んでくるわけです。年収1000万円以上の人にとっては、「これこそ自分の本だ!」と手に取る動機づけになります。
実際に読んでみると、「この会社は信頼できる」「この会社しかない」と納得できる内容であり、武蔵コーポレーションが主催するセミナーに、自らの意思で参加することになります。そこで書籍の内容と同じ説明を聞き、信頼の気持ちが強い確信に変わります。そのうえで個別相談を受ける。書籍を読み、セミナーの説明も聞いて同社の不動産投資の仕組みを理解しているので、あとは疑問点だけを確認すればよく、コミュニケーションがスムーズにいきます。
営業マンも力業でクロージングする必要がありません。「いかがですか、ご関心があれば詳しいご説明をします」と言うだけで十分です。相手はすでに投資の決意が固まっており、あとは背中を押してほしいというムードになっているからです。非常に効率がよく、生産性の高い営業の仕組みといえます。
武蔵コーポレーションはこの成功を機に、たて続けに書籍を出版しています。ここで大事なポイントは、すべての書籍にセグメントがあり、テーマが明確であるという点です。たとえば、2冊目の『空室率40%時代を生き抜く!「利益最大化」を実現するアパート経営の方程式』(2010年5月刊)は、不動産管理の本です。プロパティマネジメントをしっかり行い、利益を最大化させるためのアパート管理運営ノウハウについて、実際の管理物件実例も交えて公開しています。
6冊目の『会社の経営安定 個人資産を防衛 オーナー社長のための収益物件活用術』(2014年8月刊)は、「オーナー社長のための」という点がポイントです。同じ社長であってもサラリーマン社長は除外しています。これぐらい読者ターゲットを明確にし、対象を絞り込んでいるのです。
同社は、このように企業出版を積極的かつ継続的に活用し、不動産投資業界で主流だったプッシュ型の集客から脱却し、プル型の集客に徹しています。見込み客に本を読んでもらい、セミナーに自ら足を運んでもらう。そしてクロージングするというスタイルを確立しているのです。
近年、不動産投資会社の世界では、プッシュ型営業からプル型営業へのシフトが進んでいますが、そこにはこの武蔵コーポレーションの成功が少なからず影響していると思われます。実際、不動産投資分野での企業出版は増える一方です。不動産投資会社が書籍を出す理由は、業界内での他社との差別化、見込み客から選ばれる企業へのステージアップなどで、最終的には営業の効率化、生産性向上につながることを期待しています。いまやプッシュ型営業だけの不動産投資会社は少数派ともいえ、その少数の会社もこのままでは生き残りは厳しく、プル型営業に移行せざるを得ない状況です。その具体的な手段として、明確な成功事例が存在する企業出版を選択する会社は「まだまだ増える」と見ています。
不動産投資、アパートローンの審査基準は?年収・年齢・勤務先など属性解説
1.アパートローンの審査基準と属性
アパートローンなどの不動産投資ローンは、不動産賃貸業に対する事業性ローンという側面が強く、融資審査の際、収益不動産の資産性を重視します。
資産性とは、その物件の収益性と担保性であり、返済原資に充当する家賃収入がどれぐらい得られるか、返済が滞った場合の元本の回収は可能か、といった観点から評価されます。
しかし、実際の審査においては、アパートローンの返済原資につき、収益物件の家賃収入だけではなく、本人の給与収入や金融資産なども考慮して審査されています。
このようなアパートローンの審査における属性考慮の傾向は、住宅ローンの審査と近似しています。その審査項目は、年収や金融資産の金額、残債の金額・返済負担率など多岐にわたるといえます。
2.属性の審査項目
アパートローンの審査における属性の審査要素は、主に次のような項目になります。金融機関によっては、各項目における評点を決めて、その合計値を審査基準とする方法を採用していることもあります。
2-1.年収
年収は、アパートローンの返済原資となる重要な審査項目といえます。給与収入のみならず、既に不動産投資をおこなって収益を上げていればその収入や、それ以外のすべての収入が考慮されます。
借入額が年収の8倍程度を超えると融資条件が厳しくなる傾向があり、ボーナスやインセンティブなどにより一時的に上昇していないかを確認するため通常過去3年間の年収が審査対象となります。また、配偶者など同一世帯の家族構成員の年収も加味されることがあります。
2-2.金融資産(自己資金)
金融資産も、重要な属性の審査項目です。金融資産は、返済が滞った場合の元本回収可能性という側面からみられ、「借入額が金融資産と不動産の評価額を下回っているか」、「債務超過でないかどうか」、という点も重視されます。
資産背景の審査においては、同一世帯の家族構成員の金融資産なども加味されることがあります。
2-3.残債・返済状況・返済負担
借入金額は年収の8~10倍程度を目安に上限があるため、借り入れるアパートローンを含め、その他の借入金の残高がどれぐらいあるか、についても審査項目となります。
過去の返済状況や、返済負担に余裕があるかどうかの観点から、総収入に占めるローン返済額の比率も審査項目となります。
家賃収入の空室リスクやローンの金利上昇リスクを加味し、およそ40~50%程度を目安に返済比率を設定していきます。
2-4.家計余力・家族構成
家計余力を計るという観点から、自宅が持ち家か賃貸かという点や、家族構成も審査対象となります。世帯単位での収入が考慮される反面、扶養家族が多いと支出が多くなると判断され、不利に働くケースがあります。
2-5.勤務先情報
勤務先については、勤務先企業の業種、規模、勤続年数、雇用形態などが、収入の持続性を計る際の材料として審査対象になります。
上場企業、公務員、一部士業などは金融機関の評価も高くなります。勤続年数は長いほど評価が高くなり、一方で転職回数が多いと失業リスクが高いとされ評価は低くなる可能性があります。
2-6.年齢その他
年齢についても、定年退職になると給与収入が減ることが考えられるため、審査対象になります。定年間近の年齢になると、融資審査にはマイナス評価となる可能性があります。
借入時の年齢のみならず、完済時年齢までが考慮されます。その他、働き続けることができるかどうか、という観点から、健康状態なども審査の対象となります。
3.アパートローンの審査に通るための対策
属性が低くアパートローン審査に通らない場合は属性の改善が重要となりますが、本人の属性評価は年収や年齢、勤務先情報など、対策や改善が難しいものが多く含まれています。そのような状況であれば、属性改善を進めつつ、金融機関から高く評価される物件を探すことも重要です。
アパートローンの審査では本人の属性に加えて、物件の収益性や資産性、将来的なリスクなど、物件への評価も重視されています。本人の属性が審査において不利な状況では、融資を受けやすい物件の購入を検討することが有効となります。
例えば、新築アパート投資会社の「アイケンジャパン」では、厳選したエリアの中でも駅から徒歩15分圏内の好立地に無駄なスペースを省いたアパートを建築してます。好立地のアパートは土地の評価額が高く、金融機関の融資審査で高い評価を得られることがあります。
その他、融資額の大きな1棟投資が難しい場合は、価格の安いマンション投資を検討してみましょう。物件価格の安いマンション投資では借入額が少なくなることから、比較的ローンの審査も通りやすく、融資実績の豊富な不動産投資会社も少なくありません。
東京23区・横浜エリアに集中した新築・中古マンションを取り扱うマンション投資会社の「プロパティエージェント」では提携金融機関が10社以上あり、その中から審査や条件面を考慮してローンを紹介してもらうことが可能です。物件の担保力が高く、フルローン実績や金利1%台での融資実績があります。
プロパティエージェントでは、初心者向けに「0から始める不動産投資セミナー」を定期開催しています。「まずは情報収集したい」「投資用物件の選び方を知りたい」という方は、参加検討してみると良いでしょう。
本人の属性評価が低い時は、物件の担保力を上げることも有効な対策となります。自身の属性改善に悩む方は、融資実績の豊富な不動産投資会社へ相談してみましょう。
まとめ
アパートローンの審査において、家賃収入からローン返済ができない場合の返済原資という観点から、属性も重要な審査項目となります。
アパートローンの審査を有利に進めるには、収益性や担保性の高い物件を選ぶのが最優先ですが、属性を改善させるのも有効です。
本記事で解説した属性について重視されるポイントを参考にして、年収を上げたり、貯蓄を増やしたり、あるいは借入を整理したりなどを検討してみましょう。
また、本人の属性の改善が難しい場合は物件の担保力を上げることが有効な対策となります。不動産投資会社への資料請求やセミナーへの参加を通して、情報収集を進めてみましょう。
コメント
コメントを投稿