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「完」サンフレッチェ広島へのこだわり!5    「サポーターに欠かせない楽しみ」サンフレッチェ広島「イベントスペース」再開

「サポーターに欠かせない楽しみ」サンフレッチェ広島「イベントスペース」再開

イベント開催の入場制限緩和に伴い、サンフレッチェ広島も入場者数を5000人から7000人に引き上げました。スタジアム周辺の賑わいも少しずつ、以前の姿にもどりかけています。

【矢野キャスター】

「入場制限の緩和に伴い、スタジアムの敷地内のイベントスペースも再開されました」

コロナウイルス感染拡大防止のために閉鎖されていたイベントスペース。27日、緩和の第一段階としてイベントステージが再開されました。

試合前にこのようなイベントを楽しむのは広島の他のプロスポーツの試合にはないサンフレッチェ独特のスタイル。

サポータにとって欠かせない楽しみがようやく戻ってきました。

【女性サポーター】

「楽しみにしていました。開幕戦以来なので、すごく楽しみに、きょう、スタジアムに来ました。楽しいし、テンションがめっちゃ上がった状態で応援できるので選手にもいい効果があるのではないかと思います」

【男性サポーター】

「ステージイベントがあって、そこから試合を見るというのが一連の流れみたいな感じなので、全然違いますね。盛り上がりますし、サポーターの方もイベントがないころに比べると増えている感じがします」

今年はイベントが軒並み中止になったことで出演するパフォーマーにとってもようやくステージに立てる時がやって来ました。

【アイドル・スプラッシュ】

「(Q本当に久しぶりですね、パフォーマンスをやるのはいつぶりですか?)サポーターの皆さんの前でというステージは2月の開幕戦ぶりです。皆さん手拍子とかで、手だけ動かして皆さんが支えてくださったので、最高の気持ちでした。うれしかったです」

(サンフレッチェ広島・奥大地さん)

「なかなかイベントができなかった。来られたお客さんも楽しむところがないというスーっとスタンドに行かれるという、黙って動いていくという感じだったので、こうやって楽しんで頂いたり、滞留してもらうことができてお子さんもサッカーだけではなくて、スタジアムに来る楽しみとかそういう事をしたかったので、やっと、まだ制限があり、席とか難しい状態でやりますけど、少しでもこういう状態が作れたという事は一歩前進だったと思います」

入場者が最大7000人に引き上げられたスタジアム。27日は、およそ4000人のサポーターが入場しました。

Jリーグの規定ではエディオンスタジアムの場合、最大1万500人まで入場可能ですが、クラブでは、感染対策のため座席の前後1列を空けることで、上限を7000人にしています。今後はアウェイ席を設けるなど段階的に規制を緩和していく方針です。

更に、クラブはスタジアムへのアクセスにも気を配っています。

【サンフレッチェ広島・仙田社長】

「感染症対策は万全を期していきます。公共交通機関も、もう換気は十分という確認を取らしていただいたり、一緒になってコロナ禍を乗り切っていきましょうという風に公共交通機関の皆さんにもご相談、合意を取り付けていますから、ぜひ、安心して来て頂きたいと思います」

コロナと共生するスポーツ観戦。以前の通りとはいきませんが、少しずつ以前の賑わいと楽しさを取り戻し始めています。

サンフレッチェ広島F.Cユース、6発快勝で無敗継続 岡山学芸館も白星

高円宮杯 JFA U−18サッカースーパープリンスリーグ2020 中国の第4節4試合が9月26日に各会場で行われた。

 サンフレッチェ広島F.Cユース(広島)は竹内崇人らのゴールにより広島皆実(広島)に6-1で大勝。瀬戸内(広島)は1-1で玉野光南(岡山)と引き分けた。岡山学芸館(岡山)は中田樹音らのゴールにより3-1でファジアーノ岡山U-18(岡山)を下し初白星。ガイナーレ鳥取U-18(鳥取)と就実(岡山)の一戦は2-2のドロー決着となっている。

【第4節試合結果】
ファジアーノ岡山U-18 1-3 岡山学芸館
ガイナーレ鳥取U-18 2-2 就実
広島皆実 1-6 サンフレッチェ広島F.Cユース
瀬戸内 1-1 玉野光南

10億円目標にサカスタ募金 企業に広島商議所 広島


J1・サンフレッチェ広島の新たな本拠地として中区の中央公園広場に整備予定の新サッカースタジアム建設費の一部をまかなうため、広島商工会議所の池田晃治会頭は28日、10億円を目標に県内企業に寄付を募ると発表した。

広島城福監督嘆く「エネルギー使って勝ち点0とは」

<明治安田生命J1:広島1-2G大阪>◇第19節◇27日◇Eスタ

サンフレッチェ広島は前半の連続失点が響き、2連勝を逃した。城福監督は「死力を尽くしたので下を向く必要はないが、あれだけのエネルギーを使って勝ち点0とは」と嘆いた。

ガンバ大阪の10本に対して16本のシュートを放つなど敵陣で戦う時間が長かった。後半に1アシストを記録したMF柏は「数字を出すのは大事だが、勝利につながるのが一番。1つじゃ足りない」と納得していなかった。

G大阪逃げ切り3連勝!!敵地で広島の猛攻凌ぎ切る

ガンバ大阪が敵地でサンフレッチェ広島を2-1で下し、3連勝を飾った。

 G大阪が前半、立て続けに得点を奪った。まずは16分、左サイドのミドルレンジでこぼれ球を奪ったMF倉田秋がワントラップから右足を振り抜く。これがゴール右隅を射貫いて先制点になると、20分には倉田の浮き球パスで裏に抜けたFWパトリックが、GKとの1対1を制して追加点を決めた。

 しかしボールを支配してゲームを進めたのは広島だった。だが前半24分のFKのこぼれ球からMF青山敏弘が狙ったミドルは右ポストに嫌われる。その後もG大阪ゴールに迫る動きを続けるが、この試合でJ1通算300試合出場のメモリアルとなるGK東口順昭の好セーブにも遭い、なかなかゴールネットを揺らすことができない。

 それでも後半25分、広島はMF柏好文の左クロスをFWレアンドロ・ペレイラが頭で合わせてようやく1点を返す。ただし同点までは届かず、4試合ぶりのホームでの一戦を白星で飾ることは出来なかった。

広島が森島&D・ヴィエイラ弾で3戦ぶり白星! 大分は攻撃沈黙で連勝が3でストップ

J1第18節が23日に開催され、10位サンフレッチェ広島は敵地で11位大分トリニータに2-0で勝利した。後半25分にMF森島司、後半41分にFWドウグラス・ヴィエイラがそれぞれゴール。3試合ぶりに白星を手にした。

 3-4-2-1のミラーゲームとなった一戦は互いに守備の隙を見せず、膠着状態が続く。前半37分、広島DF井林章が右サイド後方からロングパスを送り、PA内右で受けたFW永井龍がゴールライン際から右足でふわりとしたクロス。ファーで相手に競り勝ったMF東俊希がヘディングシュートを放つも、クロスバーに嫌われた。

 その後もスコアレスで推移する中、後半17分に大分DF三竿雄斗が敵陣センターサークル付近でパスカットし、左方向に持ち出して左足を振り抜く。しかし、チームとしてのファーストシュートはゴール左上に大きく外れ、先制とはならない。

 拮抗した展開を打ち破ったのは広島だった。後半25分、右サイドのMF茶島雄介が前線に大きくボールを蹴ると、前を向いて収めた途中出場のD・ヴィエイラがマークを引き付けて左へパス。PA内左で反応した森島は対峙するDF岩田智輝を抜かず、コンパクトに左足を振る。グラウンダーのシュートがゴール右に決まり、今季3得点目を挙げた。

 4試合ぶりに先制ゴールを許した大分。後半37分、3戦連続ゴール中のMF田中達也が左サイドからカットインし、右足で鋭いミドルシュートを放つ。しかし、ワンバウンドしてゴール右に向かったボールはGK林卓人にはじき出された。

 すると、後半41分に広島が追加点を奪取。左サイドのMF柏好文が浮き球のスルーパスを送り、受けたD・ヴィエイラがPA内中央に抜け出す。GKムン・キョンゴンとの1対1から右足のアウトサイドでゴール右に流し込み、2戦連発となる今季7点目をマークした。

 大分は最後まで攻撃のリズムをつかめず、0-2でタイムアップ。5試合ぶりに黒星を喫し、連勝は3で止まった。

【広島】人柄がにじみ出る青山敏弘の気遣い。練習後に歩み寄ってきて…

サンフレッチェ広島の青山敏弘は「気遣いの人」だとよく感じる。特に印象に残っているのは、昨年9月に応じてくれたインタビューでのコメント。右膝の大怪我から復帰後だったのだが、自身の長期離脱中にチームの世代交代が進んでいる状況を踏まえて、次のようなことを語っていた。

「自分の影響力があるのは知っている。だからと言って、若くて良い選手が出てきたのに、彼らの邪魔をしたくない。このチームが新しいチームになっていくなかで、自分がどう……。分からないですよ。うん……、分からないですけど、とにかく、怪我もあって上手くいかないなかで、一歩引いていろいろと思っていました」

 もちろん、自らがサッカー選手として生き残っていって、第一線でまだまだ活躍しようとしている。ただそれだけではなく、チーム、そして仲間が上手くいくために何ができるかについても、大事に考えていると感じた。

 今週木曜日に全国発売される「サッカーダイジェスト」では、「司令塔が語る『司令塔論』」という特集を組んでいる。その誌面でも広島の司令塔として青山がインタビューに応じてくれた。

 「司令塔論」にも、「チームや仲間が上手くいくために何ができるか」を大事にしている想いが垣間見えたのだが、それは、直近の柏戦でも表現されていた。

 ダブルボランチを組む川辺駿が豊富な運動量を活かして動き回る分、青山は川辺の動きに合わせて中盤のバランスを保っていた。加えて、攻撃が詰まった際の逃げ道となるパスコースを後方で作り、ボールを受ければサイドにパスを散らす。広島のサイド攻撃が上手く循環するように、中盤の低い位置でチームを下支えしていた。

 たぶん性根から気遣いの人なんだと思う。印象深いエピソードを紹介したい。

 前述した昨年9月のインタビューは、「サッカーダイジェスト」にて広島のクラブダイジェストで特集を組んだ企画の一部だった。その特集内では荒木隼人のインタビューも掲載。連日の取材で青山が1日目、荒木が2日目だったのだが、荒木のインタビュー前にクラブハウスの出口付近で練習を見ていた時のことである。トレーニングを終えて引き上げる青山が筆者に歩み寄ってきた。

「昨日はありがとうございました」

 そう言っておじきをしてくれた。練習後に報道陣へ「お疲れ様です」と挨拶してくれるサッカー選手は多いが、メディア全体にではなく個人的にわざわざ挨拶してもらい、「なんて律儀なんだろう」と感動した。その紳士ぶりは、丁寧に受け答えしてくれた今回のインタビューでも、なんら変わっていない。やはり「気遣いの人」である。

 チームには脚光を浴びる選手がいれば、必ず縁の下の力持ちがいる。今季の広島は昨季に比べれば、まだ上位へ進出していないが、一方で下位に沈むほどの大崩れはしていない。それは、怪我なくコンディション良好の「気遣いの人」が土台となって支えているおかげなのだろう。

取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)

青山敏弘「うちの若いの、すごいでしょ」。 若手を称賛も道を譲る気なし

移籍が日常のサッカー界において、ひとつのクラブにとどまり続けることは珍しい。  とりわけ、海外移籍のハードルが下がった現在は、"チームの顔"と呼べるような選手にこそお声がかかりやすい傾向にあり、ひと昔前のように「ミスター〇〇」と呼ばれるような選手が生まれにくい状況にあるのは確かだろう。  今季のJ1の顔ぶれを見渡すと、在籍年数最長は1998年に鹿島アントラーズに加入した曽ヶ端準だ。在籍23年目を迎えた41歳のベテランは、若手の激しい突き上げがあるなか、今季もリーグ戦1試合に出場し、勝利に貢献している。  フィールドプレーヤーで最長はガンバ大阪に20年在籍する遠藤保仁だが、横浜フリューゲルス、京都パープルサンガを経ての加入のため、ひとつのクラブというくくりには当てはまらない。純粋に生え抜きの条件下では、川崎フロンターレの中村憲剛と、柏レイソルの大谷秀和が18年で最長となる。いずれも"ミスター"の称号が当てはまるクラブの象徴である。  次点に名を連ねるのは、サンフレッチェ広島の青山敏弘だ。こちらは、今年で在籍17年目を数える。広島と言えば、和幸&浩司の森崎ツインズが象徴的だが、青山もまたこのクラブのレジェンドと呼ばれる存在だろう。  今季は新型コロナウイルスの影響による過密日程やレギュレーション変更によって、各クラブが積極的に若手を起用する傾向にある。広島も例外ではない。  そもそも広島は、昨季から世代交代を推し進めており、GKの大迫敬介を筆頭に、森島司、荒木隼人と20代前半のタレントがスタメンに定着した。今季も浅野雄也、東俊希、藤井智也ら東京五輪世代の有望株が出場機会を増やしている。  そんななか、今年で34歳となった青山敏弘は世代交代の波に抗いながら、変わらぬ存在感を示している。今季は、途中出場も含めれば全16試合にピッチに立っており、ケガでシーズン前半を棒に振った昨季の出場試合数をすでに上回っている。9月19日に行われた柏レイソル戦でも、当然のようにスタメン出場を果たし、安定感抜群のプレーで敵地での勝ち点1獲得に貢献。得意のダイレクトパスで攻撃のスイッチを入れ、的確な位置取りで相手の攻撃を封じた。走行距離11.636kmはチームトップの数値だった。

 運動量とロングフィードは、青山という選手の最大の魅力だろう。とりわけ、一気に局面を変えるフィードは、かつて佐藤寿人とホットラインをつなぎ、多くの歓喜を生み出してきた。  もっとも最大のパートナーを失った近年では、ほれぼれするような美しいフィードを見る機会が減少した。だが、それでも俯瞰するような視野でピッチ全体を見渡し、味方の足もとやスペースに力強いインサイドキックを打ち込んでいくパスワークは、機械のような精密さを保っている。  柏戦で際立ったのは、状況判断とプレー精度の高さだ。互いにカウンターの応酬のようなハイテンションの展開となるなか、後方でボールをさばく青山は、縦だけでなくサイドチェンジを多用し、スペースを広げる配球を心がけていた。  攻め急ぎが見られればボールを落ち着かせ、隙を見出せば一気に縦パスを打ち込んでいく。先制点の場面でも、青山の何気ない縦パスが柏の守備網を打ち破った。 ◆「レンタル移籍後に日本代表まで上り詰めた5人の男たち」はこちら>>>  浅野と森島の2シャドーに自由を与え、後方でボールをさばきながらボランチでコンビを組む川辺駿を前に押しやり、ビルドアップでは荒木のサポートに回る。ゴールに直結する役割をこなしていた数年前とはスタイルを変え、今の青山はひとつの歯車としてチームを回していく"黒子役"に徹しているように感じられた。  そこには、若手に対する期待感があるからだろう。 「うちの若いの、すごいでしょ」  昨季、ルーキーながらスタメンを勝ち取った荒木について聞くと、うれしそうに話していたのを覚えている。まだ新型コロナウイルスの影響による取材規制がなかった今季のルヴァンカップ開幕戦で話した時も、途中出場からインパクトを放った浅野や藤井を"愛のある表現"で期待感を表していた。柏戦でも、途中からピッチに立った東に積極的に声をかける姿が印象的だった。年齢や立場を考えれば当然の役割ではあるが、まるで求道者のように自己研磨を積み、ストイックなまでに自分に向き合っていたひと昔前では想像もできない振舞いである。  一方で、簡単に若手に道を譲る気はないだろう。自身もプロ入り2年間は、大ケガもありピッチに立てない悔しさを味わってきた。試合に出られないその期間の努力は筆舌に尽くしがたいものがある。  だからこそ、青山は今の立場を勝ち取れたのだろう。プロ3年目、20歳の時にミハイロ・ペトロヴィッチ監督に才能を見出されて以降、広島の主軸を担い、3度の優勝を経験し、ワールドカップ戦士にもなった。その経験値は青山だけでなく、ポテンシャルを秘めた若手が揃う広島にとっての財産だろう。  そういえば以前、一度だけ、引退について聞いたことがある。すると青山は、こう返してきた。 「だいぶ先であってほしいですね」  どうやら、辞めることなど考えていないようだ。円熟味を増した広島のバンディエラは、これからも紫のユニフォームを身にまとい、ピッチを走り続けるだろう。

【広島】オルンガ封じに全身全霊。成長を続けるCB荒木隼人の可能性

柏レイソル戦に臨んだサンフレッチェ広島で、リーグ得点王のオルンガとマッチアップしたのが荒木隼人だった。大卒2年目の若きCBは、リーグ屈指のFWと激しいバトルを展開。ついぞゴールを許さず、90分を終えた。■2020年9月19日 J1リーグ第17節(観衆2,728人/@三協F)

柏 1ー1 広島 得点:(柏)北爪健吾    (広)ドウグラス・ヴィエイラ

まずはシュートを打たせないことを意識した

 もう一度立ち上がるために負けられない試合だった。前節、広島は川崎フロンターレに1-5と大敗。屈辱的な失点を重ねた。CBの荒木隼人は「前節は5失点とチームとして悔しい結果に終わり、今週は自分たちがこれまでやってきたことを確認した」と、この日の柏戦に臨むにあたり、1週間をかけて守備の整備に努めてきたことを明かした。  果たして広島守備陣は組織立った守りを披露した。とりわけ目立ったのが、その荒木である。対柏の一番のポイントと言えるリーグ得点王のFWオルンガとマッチアップしたからだ。  オルンガは高さとスピードがあり、体も強靭でその上足もとの技術にも優れる、まさしくコンプリートストライカーだ。そんな選手と丁々発止のバトルを繰り広げた。  40分には荒木のクリアが小さくなったところを三丸拡に拾われ、ラフな浮き球を背後に入れられた。広島のGK林卓人とオルンガが競り合ってこぼれたボールをシュートに持ち込まれたが、戻っていた荒木がゴールライン上に間一髪クリア。危なかったのはこの場面くらいか。58分には古賀太陽からクサビのパスが届くと同時に反転を許したが、「懐が深いので無理にくっつかずに反転したところを突くことも意識していた」という狙い通りのプレーで抜け出しを阻止している。多くはこの58分のプレーのように、うまく対応し、きっちり抑えていた。  オルンガの脅威にさらされ続けたのは事実だろう。しかし、荒木はその脅威に最後まで屈することはなかった。 「(これまでに)いろんな場所からシュートを決めていたので、まずはシュートを打たせないことを意識してプレーしました」  時に強めに体を当て、時にフッと力を抜いてオルンガをいなして守った。縦パスに対してより早く反応して先にボールに触るケースもあった。もちろん、すべてのバトルで勝利できたわけではなく、何度か起点も作られたが、それでもオルンガにゴールを許さなかった。  試合は結局、前半早々に挙げた1点を守り切れず、オルンガがビルドアップに絡んだ攻撃で北爪健吾にゴールを許して引き分けることになった。ただ、荒木自身の出来は悪くないものだった。 「前回は後半の立ち上がりに失点してしまって、今回は前半の終わり際で失点してしまった。試合の初めと終わりの集中力はもっと高めていかないといけないと感じています」  それでも荒木は、試合後にチームの課題を指摘した。リーグ屈指のFWと渡り合った貴重な90分についてよりも、失点の悔しさが口をついた。この向上心こそが、荒木の成長を促している。プレー同様に、その姿勢も大いなる可能性を感じさせる。  今季の広島でここまでリーグ戦全試合に先発フル出場しているのは、キャプテンの佐々木翔と荒木だけだ。大卒2年目、24歳のCBに指揮官が期待を寄せている証だろう。


柏は北爪J1初ゴールも広島とドロー/柏-広17節

<明治安田生命J1:柏1-1広島>◇第17節◇19日◇三協F 前節でともに連勝がストップした柏レイソルサンフレッチェ広島の対戦は引き分けに終わった。広島は前半9分、左サイドを崩しMF柏のクロスにFWドウグラス・ヴィエイラが頭で押し込み先制。柏はFWオルンガが何度も決定機を迎えるもなかなかゴールを割れない。しかし、前半ロスタイム、柏はカウンターからDF北爪のJ1初ゴールで同点に追いつく。後半は互いに決定機でネットを揺らせず試合終了。勝ち点1を分け合った。

【広島】オルンガを警戒する茶島雄介「何もないところから点を取れる」

サンフレッチェ広島MF茶島雄介は今季、ジェフユナイテッド千葉への期限付き移籍から復帰。川崎フロンターレ戦の大敗を受けて臨む次節、柏レイソル戦に向けて、相手の得点源への警戒心を口にした。

5失点から巻き返しへ

 サンフレッチェ広島は9月13日の明治安田生命J1リーグ第16節で、川崎フロンターレに1-5で大敗した。14分に先制されて迎えた後半立ち上がりの47分、50分、51分に連続失点するなど、今季最多失点で川崎Fの攻撃力に屈している。  この試合で控えスタートだったMF茶島雄介は「個としても組織としても、レベルの差を感じた。相手のプレー強度にもついていけなかった」と振り返った。自身は0-3とされたた直後の51分に交代出場したものの、一度もボールに触らないうちに4失点目。「前後半の立ち上がり、集中しなければいけない時間帯でやられてしまった」と反省点を挙げた。  広島は88分の失点で0-5とされた後、90分に茶島が相手のクリアをカットして前につないだところから、MF浅野雄也が決めて一矢を報いている。それでも本人は「ボールを奪ったら前に押し返すプレー、もう一度前でプレーすることを意識しましたが、あまりできなかった」と、大敗もあって自己評価は厳しかった。  次節は19日に、アウェーで柏レイソルと対戦する。大敗からの巻き返しに向けて相手の攻撃で警戒すべきは、やはりFWオルンガだろう。前節まで15試合に出場して16得点、得点ランク首位を走るストライカーを封じて勝機を引き寄せたい。  茶島は昨季までジェフユナイテッド千葉に期限付き移籍しており、柏はダービーマッチを戦うライバルだった。オルンガと同じピッチに立ったことはないが、「何もないところから、一発のロングボールなどでも点を取れる選手」と、その脅威について語る。「集中力を切らさないようにしなければいけない」という守備対応から2試合ぶりの勝利を目指すべく、イメージを膨らませていた。

【広島】最多5失点からの巻き返しへ、城福監督の「小さなリスタート」

サンフレッチェ広島の城福浩監督が、1カ月後の雪辱に強い意欲を見せた。9月13日の川崎フロンターレ戦で1-5の大敗。目指す堅守を取り戻すべく、オフ明けの練習から新たな積み上げを始めている。

青山&川辺と話し合い

 サンフレッチェ広島は2日間のオフを挟み、9月16日に練習を再開。練習後の取材で城福浩監督は「前回の試合がショッキングな結果になってしまったがゆえに、この2日間は、いろいろなことを根本的に考える時間になった」とオフについて振り返った。  ショッキングな結果とはもちろん、13日の明治安田生命J1リーグ第16節、川崎フロンターレ戦。前半に先制され、後半立ち上がりには立て続けに3点を追加されるなど守備が崩壊し、1-5で敗れた。5失点は2018年の城福監督就任後の公式戦最多失点で、首位を独走する相手との差を見せつけられている。  16日の練習では、狭いエリアで攻守の切り替えの攻防を繰り返すパスゲームなど、チームの基本を確認するようなメニューを消化した。「攻守にいろいろなものを積み上げてきた中で、絶対に我々が外したくないものをしっかり確認する」と意図を説明した城福監督は、「小さなリスタートと言えるかもしれない。やり方が大きく変わるわけではないけれど、特に(連戦ではなく、次の試合まで)1週間空くときは、この前の負け方からしても、そういうことが大事だと思っている」と続けた。  全体練習後にはMF青山敏弘とMF川辺駿を呼び止め、ホワイトボードを使いながら10分以上にわたって意見交換する様子も見られた。「我々がどういうサッカーをやりたいのか、というところで、実は僕の中で、勝っていても引き分けていても、ずっと引っかかっていた部分があった」という城福監督は、「それをコーチ陣にぶつけたり、選手とも話したりして、少し整理ができた」と明かす。  青山と川辺との話し合いについても「彼らから見た景色もある。前回の試合だけでなく、私はこう思っているけど、どうだ、ということで、彼らの意見を聞けたのは、すごくよかった」と前向きにコメント。19日の次節、柏レイソル戦に向けて「こういうことだったのか、と見れば分かっていただけるような試合にしたい」と意欲を見せた。  川崎Fとは10月14日にホームで再び対戦する。「選手にも言いましたが、1カ月後に我々が『らしく』戦って勝ち点3を取る、という目標を与えられた」と語った城福監督は、「もちろんフロンターレ戦だけにフォーカスするのではなく、そういうチームになっていくために、新たなスタートを切りたい」と続け、まずは柏戦からの巻き返しを誓った。


【J1広島】右サイドからチャンスを演出する“技巧派”、茶島雄介の原点

2018年シーズンよりジェフ千葉に期限付き移籍となっていた茶島雄介が、今季より古巣のサンフレッチェ広島に復帰した。

地元広島出身の茶島は広島ユース、東京学芸大を経て、2014年にサンフレッチェとプロ契約。2016年シーズンからは出場数も増え、ピッチ上で存在感を放ってきた。  今季の開幕当初は主にハイネルと交代される形での起用が続いたが、出場試合で信頼を勝ち取り右のウイングバックでのスタメン出場も増えている。ここでは慣れ親しんだ広島の地で華麗なアシストを演出する茶島の、プロ1年目の声をお届けする。 (『広島アスリートマガジン』2014年7月号掲載) ◆何をやるにしても負けるのが嫌いだった。うまい人がいると負けたくなかった ― 生まれ育った広島に帰ってきましたが、久しぶりの広島、そしてサンフレッチェはいかがですか? 「僕が思っている以上に、サポーターの方や友達などが声をかけてくれることで改めて『帰ってきたんだな』と思います。でも自分自身は、プロとしての生活が始まったという感覚の方が強いです」 ― 広島で始まったサッカー人生を伺いたいのですが、まず始めたきっかけは何だったのですか? 「父親が社会人でサッカーをやっていたので、小さいときから父親の試合を観にいったりボールで遊んだり、周りにサッカーがある環境だったので、自然とサッカーをやっていました」 ― サンフレッチェとの繋がりはいつからですか? 「小学1年生のときに仲が良かった同級生の友達が通っていたスクールに『僕も入りたい』と言い出したのですが、それがたまたまサンフレッチェのスクールだったんです。ジュニアユースには、小学3年生くらいに呼ばれるようになりました」 ― レベルの高い環境でプレーすることは幼心にどのように感じていたのでしょうか? 「サッカーが楽しいと感じていましたが、それよりも昔から何をやるにしても負けるのが嫌いだったので、自分よりもうまい人がいると負けたくなかったですね」
大学で一番にならなければ、プロになれないと思っていた ― 負けず嫌いな小学生がしっかりと結果を残し、ユースに昇格しました。 「今までのサッカー人生の中で高校の3年間が一番重要な時間だったと思いますし、森山(佳郎)監督に教えてもらったことが自分の中でとても大きいですね。森山監督じゃなかったら今頃どうなっていたか分からないくらいです。ジュニアユースではチームの中心だったこともあり好き勝手にプレーしていましたが、ユースに上がると3年生とフィジカルの差もサッカーのレベルの差もすごくあって、何もできないと感じました。当時のチームが強かったこともありますが、その人たちと練習でやり合えたことがすごく重要だったように感じます」 ― 具体的なテーマを持って取り組んできた3年間だったのですね。 「結局、体格も2年になっても、3年になってもデカくなりませんでしたからね(苦笑)。でも自分が生きていく道は、この道しかないんだって思いました。今も好きなんですけど、バルセロナのシャビやイニエスタ(ともに身長は170センチ)を見て練習で実践してみたり勉強してきました」 ― ただ、トップチーム昇格はならず、東京学芸大へ進学しました。 「小学生からサンフレッチェでやっていましたし、トップチーム入りは大きな目標でした。高校3年のときに『トップチームに上がるのは難しい』と言われて悔しかったですけど、自分の中でも実力がなかったのは分かっていました。そのときは意外に『大学で4年間もう1回頑張ろう』とすんなり考えることができました。ただ、まさか帰ってくることになるとは、そのときは全く思っていませんでしたけどね」 ― 大学の4年間はユースからトップに上がれなかった理由を埋める時間でもあったと思います。 「同じ学年のうまい選手は高校を卒業してプロになっているわけで、大学でサッカーしているのはプロになれなかった選手。大学へいくときに大学で一番にならなければ、プロになれないと思っていたので、たとえ関東選抜でもそこでやれなければ絶対にプロになれないと思っていました」
◆広島で生まれ育った人間として、連覇中のクラブからのオファーはうれしかった ― 大学で着実に成長を遂げた茶島選手の元に獲得オファーが届いたのは、幼少期から過ごしたサンフレッチェでした。 「ビックリしましたね。大学3年生のときに1度練習に呼んでもらったのですが、そのときはただ呼んでもらっただけだと思っていました。それが大学4年に進級する直前の2月にそういうお話をいただき、本当に驚きました」 ― 出戻りという形でサンフレッチェに入団することになります。 「いろいろなクラブから練習参加の要請はきていたのですが、正式なオファーがきたのはサンフレッチェが初めてでした。やっぱり広島で生まれ育った人間としても、リーグ連覇中のクラブからのオファーということを考えてもうれしかったです。正直、試合に出るのは難しいと思っていたんですが、自分が育った街で、育ててもらったクラブでプレーできることはこの上ない喜びです。それに大学を経由して戻ってきた選手が初めてだということを聞いて、最初の人になれることもうれしかったですし、帰るべきだなと思いました」 ― サンフレッチェではボランチやシャドーのポジションでプレーしていますが、どちらも個性派がそろう激戦区です。 「ポジションごとにチームから求められる役割が異なると思います、たとえばボランチであれば、前を向いてゴールに直結するパスやドリブルで持ち上がることを求められると思うので、レギュラーである青山選手のプレーを見て学んでいます。シャドーをやるにしても、出して動いてを繰り返してフィニッシュに関わっていくことを頭の中でイメージはしていますが、できないこともまだあります」 ― サンフレッチェでどのような選手になっていきたいですか? 「壁は高いですが、やっぱり広島で活躍したい思いが強いですし、中心選手となって試合に出てJリーグで優勝したいという気持ちがあります」 ― これまで同様に、自ら見据えた目標設定に向かって取り組んでいくだけですね。 「今年も出るつもりでいますけど、来年再来年はコンスタントに試合に出られるようになっていたいです。ただこれまでもずっとそうなんですが、今を一生懸命にやることが必要だと思います」

【広島】大敗の中で決めたゴールの意味。浅野雄也「この負けは忘れない」

川崎フロンターレに1-5と大敗した試合で、浅野雄也は途中出場からサンフレッチェ広島の唯一のゴールをもたらした。大量リードを許している状況の中、若きアタッカーはどんな思いでピッチに入っていたのか?

絶対に点を取ってやると思っていました

 悔しい大敗の中で、一矢報いたのが浅野雄也だった。0-4とされたあと、64分に登場。およそ30分、ピッチを駆けた。  ネットを揺らしたのは、90分。川崎Fの一瞬のスキを見逃さなかった。右サイドで茶島雄介が相手のクリアをダイレクトで前方に送ると、浅野がヘディングでつなぎ、ボールがエゼキエウへ渡る。同時に自らはサイドライン際から中央へ走りだし、エゼキエウとスイッチするように再びボールを受け取り、ボックスの外側から左足を豪快に振り抜いた。  今季4点目。そのうち3点は途中出場から決めたものだ。チームに何が必要で、自身が何をすべきか。浅野は整理したうえでピッチに入り、そして仕事まっとうしてみせる。 「1点、1点を取りにいく姿勢を、途中から出た選手たちで示してチームを引っ張っていけたらなと思っていました」 「自分がピッチに入ったら絶対に点を取ってやると思っていました」  大きくリードされた中でも、浅野はファイティングポーズを取り続けていた。ゴールの場面、川崎Fの守備陣の足が一瞬、止まったが、そこを見逃さなかった。 「交代選手がよりエネルギーをチームに与えるのは、われわれのテーマにもしている。もちろん、どのチームもそうだと思いますけど、チームがヘッドダウンしそうなときに、彼らが、入っていった選手がハードワークしてくれたことは今後につながると思います」と城福浩監督も、そのプレーを称えた。  次節はアウェーの柏レイソル戦。広島の方が1試合消化が少ないものの、順位で言えば2つ上、5ポイント差をつけられて7位に位置するチームだ。上位に争いの扉を開くには当然ながら、負けられない相手。 「試合後のミーティングでも監督が言っていたんですが、あれだけ点を取られても、あきらめない姿勢を見せられたことが、今日の唯一のプラスかなと思います。この負けを、みんなで忘れずに1試合を通してスキのないようにしていきたいと思います」  浅野が挙げたゴールを、本当に次につなげられるかどうか。チームとしてリバウンドメンタリティーが、問われる。

フロンターレに大敗もサンフレッチェは強い。
上位進出もあると思える理由

勝ったり、負けたり。よくも悪くも、つかみどころのないチームである。

 今季J1で9位につける、サンフレッチェ広島のことだ。

 これまで15試合を戦い、6勝6敗3分けと完全に五分の星で勝ち点21なのだから、全18クラブの真ん中に位置する現在順位は、妥当な成績ということになるのだろう。

 しかしながら、総得点23は、現在2位のセレッソ大阪(総得点25)、同4位の名古屋グランパス(同24)と比べても遜色なく、総失点19はJ1全体で5番目の少なさだ。

 各クラブの消化試合数に違いがあるにしても、残している数字から考えれば、広島はトップ5に食い込むくらいの順位にいても不思議はない(成績はすべて第16節終了時点。広島は1試合未消化)。

 本当は強いのか、弱いのか。かつて4シーズンで3度のJ1制覇を成し遂げた"元・王者"は、その判断が難しい状態にある。

 今季ここまでの戦いを振り返ると、広島にははっきりとした必勝パターンがあることがわかる。それはすなわち、無失点だ。

 失点をせずに試合を進めるなかで、FWレアンドロ・ペレイラ(7得点=チーム最多)、FWドウグラス・ヴィエイラ(5得点)などの個人能力を生かす、あるいはセットプレー絡みで効率よく得点を奪う。そうした試合運びで、勝利を手にしてきた。

 今季広島が挙げた6勝のうち、5勝が完封勝利。唯一の例外は第15節の清水エスパルス戦(4-1)だが、これにしても、大量リードで試合の大勢が決したあとに1点を失ったものであり、基本的な流れは必勝パターンに当てはまる。

 しかも、無失点が勝利の条件とは言っても、ひたすら守りを固めてワンチャンスを生かすような戦い方をしているわけではない。失点を取り返そうと前に出てくる相手の力を利用し、巧みなカウンターで加点するのもまた、広島が得意とするところである。5つの無失点勝利の中に1-0のスコアがひとつしかないことが、その証拠だ。第1節で鹿島アントラーズを、第2節でヴィッセル神戸を、立て続けに3-0で粉砕した連勝に、広島の"長所"が存分に表れていた。


 先制した試合のほとんどは、少なくとも引き分けに持ち込んでおり、先制しながらの逆転負けは、第3節の大分トリニータ戦(1-2)があるだけだ。

 しかし、無失点に抑えることこそが勝利の方程式となっている広島ではあるが、守備の強さを売りにしているかというと、決してそうではない。

 むしろ、ボールを保持して試合を進め、そのなかで守備への切り替えを早くして相手の攻撃を抑え、ショートカウンターにつなげる。それこそが、目指すサッカーのスタイルである。

 だからこそ、悪いボールの失い方をしたり、チーム全体が間延びしたりして、組織的な守備ができない状態になると、意外なほどに脆い。

 2敗2分けと4試合勝利から遠ざかった第10節から第13節を見ても、あっさりと崩されて失点を重ねるケースは目についた。

 そんな"短所"がモロに表出したのが、第16節の川崎フロンターレ戦だったのだろう。

 広島は前半14分、川崎のパスワークについていけずに先制を許すと、後半開始からわずか5分あまりの間に3失点。終盤にはPKを献上し、さらに1点を追加された。

 最後にMF浅野雄也のゴールで一矢を報いはしたが、結果は1-5。屈辱的な大敗だった。

 広島を率いる城福浩監督は「川崎のクオリティーの高さは認識していた」と言い、こう悔しがる。

「多くの失点をすることは想定していなかった。結果として5点を取られて負けたのは本当に悔しい。自分たちの現在地をしっかりと受け止めないといけない試合だった」

 最近6試合で3失点以上を喫するのは、これが3試合目。これだけ必勝パターンが崩れれば、成績が安定しないのも無理はない。だからといって、短所の改善に注力するのは得策ではないだろう。


 大敗を喫した川崎戦であろうとも、広島の長所は間違いなく発揮されていたからだ。

 広島は先制を許した前半、29分の飲水タイムを境にして、確かに主導権を握った。ボール支配率を高め、広島の選手たちが敵陣に攻め入り続けると、対照的に川崎の選手たちは互いの距離感が悪くなり、奪ったボールを前線につなぐことができなくなった。

完敗した川崎戦でも、広島が主導権を握る時間が多くあった カギを握っていたのは、ダブルボランチの青山敏弘と川辺駿である。

 それまでは相手の守備網の外で、安全にパスを回すことが多かった広島が、この時間帯に入ると、ボランチから効果的な縦パスが打ち込まれるようになった。前半31分のレアンドロ・ペレイラのヘディングシュートにつながった場面などは、まさにそこから生まれている。

 後半に入っても、広島が強度の高いプレーを連続で見せるシーンは多かった。

 前へ前へとパスを打ち込み、相手を食いつかせたらサイドチェンジ。ボールを失ったとしても、早い守備への切り替えで奪い返し、連続攻撃を仕掛ける。速いテンポで攻守が繰り返される様は、かなりの迫力があった。

相次ぐSNS上の差別発言・誹謗中傷…広島が13日試合後に確認「絶対に許すことはありません」

サンフレッチェ広島は14日、13日の試合終了後にSNSにおける差別的、誹謗中傷的な投稿があったことを発表した。

 広島は13日にJ1第16節で川崎フロンターレと対戦していた。クラブ公式サイトによると、その試合後にSNS上で、広島やその所属監督や選手に対する差別的発言や誹謗中傷があったという。

 広島は「サンフレッチェ広島としては、いかなる差別的、侮辱的な行為や言動、SNSなどでの発言も、絶対に許すことはありません」と強調。「これからもサンフレッチェ広島は、差別や暴力のない社会の実現に向けて、継続的に取り組みを進めて参ります」と伝えている。

 昨今問題に挙がるSNSでの誹謗中傷はサッカー界にも及んでおり、今月7日には横浜F・マリノスも所属選手に対する差別的発言や誹謗中傷があったことを発表。これまでにもアルビレックス新潟や浦和レッズ、FC東京なども声明を出している。


広島5失点で3連勝逃す「自分たちの現在地」監督

<明治安田生命J1:川崎F5-1広島>◇第16節◇13日◇等々力

サンフレッチェ広島は大量5失点で3連勝を逃した。前半こそ1失点も、後半は開始6分間で3失点。

終了間際に途中出場のFW浅野がゴールを奪ったが、万事休すだった。城福監督は「5点取られて負けたのは悔しい」と厳しい表情を見せつつも「自分たちの現在地を受け止めないといけない試合だった。反省を次に生かしていければ」と糧にすると誓った。

[スーパープリンスリーグ中国]竹内、菅野の3得点など広島ユースが11発勝利。米子北も2連勝:第2節

高円宮杯JFA U-18サッカースーパープリンスリーグ2020 中国は12日、第2節を行った。

 サンフレッチェ広島ユース(広島)が怒涛の11ゴールでガイナーレ鳥取U-18(鳥取)を破った。鳥取が188cmDFシュレスタ明澄のゴールなど前半23分までに3得点を挙げてリードしたが、広島は19年U-16日本代表MF棚田遼のゴールで追いつくと、前半41分にMF光廣健利が勝ち越しゴール。その後、MF竹内崇人の2試合連続となる3得点とFWは菅野翔斗の3得点によってゴールを重ね、11-3で開幕2連勝とした。

 米子北高(鳥取)は、俊足FW中田来輝の2ゴールとエースFW崎山友太のゴールによって瀬戸内高(広島)に3-1で勝利。こちらも開幕2連勝とした。作陽高(岡山)は、MF中島理慶の2ゴールとFW杉本翔の3得点によって広島皆実高(広島)に5-2で勝利。また、就実高(岡山)は、MF野尾哉翔の2ゴールとFW安柏勲の決勝点によって岡山学芸館高(岡山)に逆転勝ちしている。

【第2節】
(9月12日)
[就実高校祇園グラウンド]
就実 3-2 岡山学芸館
[就]野尾哉翔(56分、86分)、安柏勲(90+4分)
[岡]宗川遼哉(25分)、須賀大貴(45+3)分

[どらドラパーク米子球技場]
鳥取U-18 3-11 広島ユース
[鳥]阪口颯汰(9分)、佐伯蓮(11分)、シュレスタ明澄(23分)
[広]高柳英二郎(4分)、棚田遼2(18分、35分)、光廣健利(41分)、竹内崇人3(43分、45+2分、90分)、菅野翔斗3(49分、52分、55分)

[どらドラパーク米子陸上競技場]
米子北 3-1 瀬戸内
[米]中田来輝2(4分、35分)、崎山友太(66分)
[瀬]風呂迫恵人(48分)

[政田サッカー場]
岡山U-18 15:00 立正大淞南

[ワードシステムフィールド]
作陽 5-2 広島皆実
[作]中島理慶2(6分、41分)、杉本翔3(27分、56分、63分)
[広]大石凌摩(14分)、大原幹太(86分)

【川崎F vs 広島】鬼木達監督「サッカーはエンターテインメント」。だからこそ「ゴールは少しでも多く取り続けたい」

川崎Fがホーム広島戦で、公式戦13連戦の13試合目を迎える。この広島戦で川崎Fはリーグ戦17試合目。すなわちシーズンの折返しを迎えることとなった。節目の大事な試合だということもあり勝利で締めくくりたいと鬼木監督は話す。

「せっかくここまで全員でやってきたので。でも13連戦ですかね。そこの一区切り。折返しになりますし、そういう意味でいうとしっかりと勝点3、あとはホームで神戸戦よりもいいゲームを見せたいという思いはあります」

この川崎Fの公式戦13連戦は8月1日の第8節G大阪戦からスタート。ACLの大会日程の関係で24節の神戸戦が8月26日に。またJリーグYBCルヴァンカッププライムステージ進出のため、9月2日に神戸との準々決勝が入り13連戦となった。8月の全ての週と、9月の2週目までの水曜日に試合が入る過密日程だった。

この間の戦績は、前節の神戸戦までの公式戦12試合で9勝1敗2分というもの。1試合3得点を目指す鬼木達監督の指示を受けた選手たちは、攻撃的な姿勢で試合に臨んだ。12連戦中の総得点はリーグ戦、ルヴァンカップを含め38得点で1試合平均3.17点を達成。その一方で失点は13にとどまった。攻守でバランスを見せて来た形となった。

今後、年間勝点などの記録などが見えてくる可能性もあるがそうしたものについてどう思っているのか。鬼木監督は「(勝点などの)数字に関しては自分としてはそんなに意識はしてないです」と話す。鬼木監督が究極的に求めているのは優勝で「言ってしまえば優勝するための勝点だと思ってる」からだ。だからこだわりの最優先は「優勝というもの」だと明言。

ただ、その中で「サッカーはエンターテインメントだと思っている」との前提に立つ上で、試合を見てくれる方々に「価値あるものを見せたい」のだと考えているのだという。

だから「同じ勝点3しか獲得できないですが、でも得点とか、見せるとか。価値あるものを見せたいという思いは変わらない。そういう意味ではゴールは少しでも多く取り続けたいという思いはあります」とのスタンスで試合に臨んでいる。

繰り返しになるが、8月9月の公式戦13連戦はリーグ戦折返しとなる17試合目。その広島戦で川崎Fはどんなおもしろさを見せてくれるのだろうか。期待したいと思う。


文:江藤高志(川崎F担当)

【川崎Fvs広島プレビュー】リーグ屈指の堅守を誇るチーム同士が対峙…攻撃力では川崎Fが広島を圧倒する

川崎フロンターレ 難敵連破の勢いそのままに、連戦を最高の形で締めくくれるか

【プラス材料】
 依然として首位をひた走る状態だが、2位のセレッソ大阪、3位のFC東京も追走し続けているため、勝ち点差は広がっていない。ただ、チームのやるべきことも変わらない。最後まで勝ち続けていくことである。

 その意味でも、直近の2試合の勝利は大きなものだったと言える。昨季のリーグ覇者である横浜F・マリノス、天皇杯を制したヴィッセル神戸という難敵を、どちらも逆転勝ちで下した。際立つのは、リードされても慌てない冷静さと選手交代で流れを変えて一気に畳みかける強さだ。「スタート、サブという枠組みだけではないというか、誰が出ても力を発揮できるのが良いところ」とMF守田英正は胸を張った。

 総力戦で戦い続けていく中で、スタイルを成熟させながら、連勝を目指していく。

【マイナス材料】
 勝利したものの、前節の神戸戦は内容的に厳しい試合だった。自慢のハイプレスが機能せず、神戸のロングボールとサイド攻撃に手を焼いて2失点。守備陣だけの問題ではなく、チームとしての対応力にも課題が残った試合だったと言える。

 ただ、そうした判断力の部分では、コンディションの問題も少なくない影響があるだろう。特に最終ラインは、試合展開や出場時間に応じて入れ替えを行っている前線や中盤に比べるとメンバーが固定されているため、疲労も色濃くなってきている印象だ。MF山村和也やDFジオゴ・マテウスといったフレッシュな顔ぶれが、最終ラインに並ぶかどうかも注目したい。

 8月から続いた過酷な公式戦13連戦もこれがラストとなる。勝利で飾って1週間のインターバルに入りたい。

文:いしかわごう

サンフレッチェ広島 今季初の3連勝は目前。好調のブラジル人FWへの期待は大きい

【プラス材料】
 前節は清水エスパルスを相手に今季最多となる4得点を記録。今季3度目となる連勝を飾った。FWドウグラス・ヴィエイラは2試合連続、FWレアンドロ・ペレイラは4試合で3得点とストライカーが結果を出している。また、期待のドリブラーMFエゼキエウが今季初先発・初得点を決めたことも大きな収穫だ。

 何よりも第14節の北海道コンサドーレ札幌戦から6人を入れ替えるという「半ターンオーバー」を決断した采配によって勝利をつかんだことは、今後のシーズンを戦ううえで大きなプラス材料につながった。

 主力選手たちが川崎フロンターレ戦に向けてある程度の休息をとることが出来ただけでなく、チーム競争が激化してチームの底上げが出来たという意味でも重要な意味を持つ清水戦となった。

【マイナス材料】
 4-1というスコアではあるが、前節の清水戦は決して盤石ではない。前半から相手にチャンスを作られ、特に後半はボールの失い方が悪く、カウンターから2度にわたってビッグチャンスを与えてしまった。GK大迫敬介のビッグセーブやDF井林章のスーパークリアによって救われはしたが、2試合連続3失点を喫した時の「らしくない」乱れは、まだ余韻が残っている。

 また、セットプレーで失点してしまったこともサンフレッチェ広島らしくない。攻撃陣が活性化しているのはいいが、できるだけ相手陣内でのサッカーを展開できるようにならないと、内容を安定させることは厳しくなる。そのためにも前からの圧力、ビルドアップの安定を求めたい。

広島が2連勝で川崎戦へ弾み! 城福監督は強敵相手に強気の姿勢「首位を走り続けさせるわけにはいかない」

[J1リーグ15節]広島4-1清水/9月9日(水)/エディオンスタジアム広島

 前節5試合ぶりの勝利を挙げたサンフレッチェ広島が、続く清水エスパルス戦でも4発快勝を収め、上位浮上に向けて弾みをつけた。

 試合は、立ち上がりから両チームともに頻繁に好機を創出し、どちらに試合が転んでもおかしくない展開に。しかし先手を取ったのは広島だった。ペナルティエリア手前でのパス回しから、最後はエゼキエウが相手の意表を突くシュートを放ち、ゴール左に突き刺す。

 1点リードで迎えた後半も勢いそのままに、71分にドウグラス・ヴィエイラ、81分にレアンドロ・ペレイラ、88分に柏好文がネットを揺らし、気づけば4点差に。試合終了間際に1失点はしたものの、4-1の快勝で試合を終えた。

 城福浩監督は試合後の会見で、「今日は本当にサポーターとともに勝点3を獲って喜び合いたかった」とこの一戦に懸けていた想いを吐露。最後の失点こそ反省の色を見せたものの、最後まで走り抜いた選手らを称えた。

「自分たちが上に食らいついていくためにも、今日は絶対に負けられない、そういう思いを選手が持って戦ってくれたと思う。粘り強い守備、相手のゴールに向かっていく裏へのランニングというところはかなり意識していたので、そこをしっかり出せて4点取れたっていうところは非常に良かったと思います。ただ、最後はゼロで抑えなければいけなかったですし、5点目が取れそうななかからボールを失っての1失点っていうのは、ゲームの運び方を含めて、そこはしっかり反省したいと思います」

 真夏の連戦も終盤に差し掛かるなかで嬉しい2連勝。しかし、次節の相手は、圧倒的攻撃力で首位をひた走る強敵・川崎フロンターレが相手だ。

「このまま首位を走り続けさせるわけにはいかないので、川崎さんの背中がしっかり見えるような戦いをしたい。もちろん勝点3を取れたとしてもまだ背中が見える状況ではないですけど、我々がやれる最大限のことをやらないといけない。自分たちにも目標があるので、まだまだ諦めていませんし、ここからしっかりと追い上げていけるように、ベストな準備をしたいなと思います」

 広島はこの勢いのまま、3連勝中の首位チームから勝点を奪えるか。次節は中3日の13日に、川崎のホーム、等々力競技場に乗り込む。

「9か月間会えていない…」エゼキエウが愛する妻に捧げた来日後初ゴール! 最愛の人への想いを赤裸々告白

[J1リーグ15節]広島4-1清水/9月9日(水)/エディオンスタジアム広島

 Jリーグ初先発でいきなり、来日後初ゴールを飾ったMFエゼキエウが、母国ブラジルに残る愛する妻への思いを語った。

 清水エスパルス戦で初先発を飾ったエゼキエウは、32分にペナルティエリア手前の左から左足で鋭いグラウンダーのシュートを放ち、ゴール左に突き刺した。このゴールを皮切りに広島は、後半に3得点を重ね、今季最多得点となる4発快勝で2連勝を飾った。

 先制点を挙げたブラジル人アタッカーは、「来日してからずっと結果が欲しくて、やっとゴールを決めれてホッとしている。ただこれで自信はつきましたが、次に結果を残していかなきゃいけない」と決してこの結果に満足せず、すでに前を向いている。

 今季ブラジルのボタフォゴから広島に移籍し、初めて活躍の場を海外へと移したエゼキエウ。しかし本人も「海外でプレーすることの難しさをすごく感じている」と話す通り、日本のサッカー、環境に適応するのに時間を要し、ここまでなかなか出場機会に恵まれずにいた。そんななかで心の支えとなっていたのは、今年1月に結婚した妻の存在だった。

「来日してから9か月間彼女に会えていないなかで、本当にいろんなことが起こって、苦しい状況のときもずっと遠く離れているところから自分を支えてくれていた。本当に(今日のゴールを)喜んでいますし、一番自分のそばにいて欲しかった人です。そんな家族のためにも、本当に大きな意味を成すゴールだったので、これからどんな困難が待ち受けているか分からないですけど、それも乗り越えていけるという自信をこのゴールが示してくれたと思っています」

 コロナ禍やビザの関係でいまだ再会は果たせずにいるが、得点後には「妻からもリクエストがあった」という、左手の薬指にキスをするパフォーマンスも披露。エゼキエウは遠いブラジルの地から支え続けてくれている妻のためにも、さらなる活躍を誓う。

【J1広島】“サンフレッチェの点取屋”レアンドロ・ペレイラが語る今後の展望。「ゴールを決めることが自分の仕事」

持ち味である堅守に綻びが見られるなど、7月上旬以降は“らしくない”戦いが続いたサンフレッチェ。チーム状態と比例するように、ゴールを量産していたレアンドロ・ペレイラの状態も下降した。

しかし、横浜FM戦で久しぶりにゴールを奪うと、続く仙台戦でもゴールネットを揺らすことに成功。チーム再浮上の鍵を握るストライカーが、浮き沈みが見られたシーズン序盤戦を振り返る。 ◆サンフレッチェは交代選手であってもレベルが高い ─ 柏好文選手の負傷欠場や過密日程の影響で、選手の入れ替えも多く見られました。そのあたりに関してはいかがですか? 「もちろん、選手が次々に変わるという状況は理想ではないのかもしれません。同じ選手でやった方が、より選手の特徴を把握できる部分もあると思います。ただ、今シーズンはそんなことを言っていられるような状況ではないですし、サンフレッチェは交代選手であってもレベルが高いので、それほど大きな問題だとは思っていません」 ─ G大阪戦で今季初めてボール支配率が相手チームを上回りました。試合には敗れましたが、手応えを感じる試合内容だったのではないでしょうか。 「そうですね。自分たちにとって良いレッスンと言いますか、そういう試合ができたことでその道を進んで行けば良いという指針となる試合になったと思います」 ─ 良いものが見えた中で、名古屋戦は新型コロナの影響で急遽中止となりました。 「自分としてはポジティブに捉えました。自分の疲労度というところと、コロナ問題の中で『試合をやっていたらどうなっていたか』という不安もあったので、ネガティブに捉えることはなかったです」

◆『試合のコントロール』が今後の課題 ─ 今季、ご自身の中で納得できたプレー、印象に残っているプレーはありますか? 「やはりゴールを決めることが自分の仕事だと思っているので、ゴールを決めることができた試合は満足ではないですけど、ある程度のやりきった感はあります。逆に課題として残ったのが、やはりポゼッションの部分ですね。大半の試合で相手にボールを持たれているので、そこはもう少し上げたいと思います。あとは自分たちがボールを持つだけではなく、相手陣内でサッカーをしなければいけません。私がいつも言う『試合のコントロール』が今後の課題になると思います」 ─ 今後、チームが巻き返すために必要になるものは何でしょうか? 「試合に勝つことです(笑)。個人的には得点王というものを今季の目標に掲げていますので、その目標に向かって努力を重ねていきたいと思っています」 ─ 大変なシーズンとなってしまいましたが、サポーターにも一言お願いします。 「なかなかスタジアムに来られないと思うんですが、みなさんの声援はいつも届いています。また戻ってこられるような状態になったときは、ぜひ後押ししていただきたいと思っています。そして自分たちはピッチ上で全力を尽くして、みなさんに喜びを与えられるような試合をしたいと思っています」 ─ ペレイラ選手自身としては、どのようなところを見てほしいですか。 「『ここを見てくれ』という意識はあまりなく、サポーターからのサポートを感じたときに、自分は力を発揮することができます。たくさんの応援が力になりますので、これからもサポートをよろしくお願いします」

J1広島のGK大迫 失敗乗り越え、取り戻した挑戦者魂

若者は、安定とは無縁な存在である。爆発的な力を見せつけるかと思えば、どうしてそんなミスをするのかとため息をつくような事態にも陥る。その不安定さが若者の弱点であり、一方で魅力でもある。

 J1広島のGK大迫敬介は7月8日の大分戦で試合終了間際に致命的なミスを二つも犯してしまい、チームは逆転負けを喫した。敗因の全てが大迫にあるわけではないが、直接的な要因であることは疑いない事実。それは大迫が最も分かっていた。

 「何をやっているんだ、俺は」敗戦を決めた逆転弾を食らって突っ伏した時、思わず叫んだ言葉。そこからずっと、若者の脳裏にはその言葉と失点シーンが焼き付いて離れなかった。

 練習しかない。やるしかない。林卓人をはじめとするGK王国・広島の伝統は、どんな状況に陥っても集中するひたむきな練習。スタメンを外されても、再びポジションを取り返しても、大迫はトレーニングに集中した。

 しかし、全てが昨年のようにうまくいくわけではない。スタメンに復帰した横浜FC戦、湘南戦と連続完封した後は浦和にPKを決められて敗戦。FC東京戦、横浜M戦と連続3失点。先週末の仙台戦(8月29日)でもリードを追いつかれて勝ち点1。チームも大迫も波に乗れない。

 だが、仙台戦での大迫は数々のビッグセーブでチームを救い、大きな一歩を示した。きっかけは横浜M戦での2失点目。左からのクロスをジュニオール・サントスに強烈なヘッドで決められたシーンだ。相手のストライカーが持つ破壊力が印象に残ったが、大迫は違う視点を持つ。

 「あのクロスに飛び込めなかったことが悔しい。前に出て失敗する方が出ずに失点するよりも自分らしい」

 大迫敬介の真骨頂は、失敗を恐れないこと。「怖いものなど何もない」という闘志を表現するプレーが、サポーターの心を震わせる。

 仙台戦で大迫はミスを恐れず、難しいクロスにも飛び込んでキャッチに行く姿勢を取り戻した。挑戦者精神を手にした若者は、強い。(紫熊倶楽部・中野和也)

 大迫敬介(おおさこ・けいすけ)1999年7月28日生まれ。鹿児島県出水市出身。GK。背番号38。15年にサンフレッチェ広島ユースに入団し、17年にプロ契約。19年の開幕戦でJデビューを果たし、29試合出場で正GKの座を獲得。同年5月には日本代表にも選出された。来年に延期された東京五輪でも日本代表の正GKとして期待される。186センチ、86キロ。

不調対決を制した広島が5戦ぶり勝利!敗れた札幌は7戦未勝利

明治安田生命J1リーグ第14節の北海道コンサドーレ札幌vsサンフレッチェ広島が、5日に札幌厚別公園競技場で開催された。
直近6試合未勝利の札幌が4試合未勝利の広島をホームに迎えた不調チーム同士の一戦。ともに巻き返しを図るべくこの一戦に臨んだ。
序盤からボールを握る札幌は8分にチャンスを迎える。左サイドから供給されたクロスをボックス手前中央で胸トラップしたジェイが、そのままシュート。GK大迫敬介に阻まれたものの枠を捉えたボールが広島ゴールを脅かした。


コロナ対策に10億円 新サカスタ、4カ年257億円 広島市補正予算案 /広島

広島市の松井一実市長は1日、新型コロナウイルス感染症対策費などを盛り込んだ総額24億6100万円の一般会計補正予算案を発表した。補正後の総額は7977億400万円で、11日開会の9月市議会に提案する。一方、新サッカースタジアムの建設に向けては年度をまたいで事業費を投じるための債務負担行為として257億円を設定した。
 補正予算案では、新型コロナウイルス対策に10億2000万円を計上した。うち5000万円は検査拡充費とし、民間のかかりつけ医でPCR検査を受けられるよう整備し、自己負担額を無償とする。1日当たりの検査可能件数を現行の最大210件から40件増やし、感染を最小限に食い止める。

広島、L・ペレイラが先制ゴール奪うも仙台とドロー…兵藤の復活弾にGK大迫は動けず


[8.29 J1第13節 広島1-1仙台 Eスタ]

 J1第13節が29日に開催され、エディオンスタジアム広島で行われた11位サンフレッチェ広島と15位ベガルタ仙台の一戦は1-1の引き分けに終わった。広島は4試合勝ちなし(2分2敗)。仙台は3戦未勝利(2分2敗)となっている。

 広島は前半4分に先制。DF佐々木翔からの斜めのパスを受けたFWレアンドロ・ペレイラが前を向いて持ち出し、PA手前左で左足を振り抜く。豪快なシュートがGKヤクブ・スウォビィクの手を弾いてゴール右上に突き刺さり、2戦連発となる今季6点目で1-0とした。

 失点を喫した仙台は徐々にチャンスを増やしていく。前半15分、左CKのショートコーナーからボールをつなぎ、PA内やや右のDF蜂須賀孝治が左足でダイレクトシュートを放つが、クロスバーを直撃。同21分には左サイドの蜂須賀のクロスにFW真瀬拓海が頭で合わせる。しかし、GK大迫敬介の好セーブにより、前半はそのまま0-1で終了した。

 仙台は後半もビハインドの時間が続くと、後半24分に2枚目の交代カードを切り、負傷明けで今季初出場となるMF兵藤慎剛を投入。すると同27分、縦パスを受けたFWアレクサンドレ・ゲデスがPA内右で相手に潰され、流れたボールを真瀬が折り返す。PA内中央で待っていた兵藤が右足でシュートを放ち、GK大迫が一歩も動けないままゴール右に決まった。

 兵藤の今季初得点で1-1とされた広島は勝ち越しを狙い、攻勢を強める。後半44分にはFKの流れから右サイドのMF川辺駿がクロスを送り、DF荒木隼人がヘディングシュート。だが、クロスバーに嫌われる。アディショナルタイムの猛攻もゴールには結びつかず、1-1のまま終了のホイッスルが鳴った。

横浜が強力ブラジル人トリオの3発で快勝! 広島は3試合勝利なし…


J1リーグは8月23日、各地で第12節の7試合を開催。日産スタジアムでは、横浜F・マリノス対サンフレッチェ広島の一戦が行なわれ、3-1で横浜が快勝を収めた。
 
 前節、3試合ぶりの勝利を挙げた横浜は今季初の連勝を目指す。1試合未消化の広島は、3試合ぶりの勝利で勢いに乗りたいところ。両チームはともに勝点が14で並んでおり、終盤に差し掛かる8月の連戦を勝利で終え、浮上のきっかけを掴みたい。
 
 横浜はベルギーからJ復帰し、前節ゴールを挙げている前田大然がリーグ3試合連続で先発出場。広島は強力なブラジル人コンビ、ドウグラス・ヴィエイラとレアンドロ・ペレイラ前線に名を連ねた。
 
 試合は立ち上がりからお互いに中盤でボールを奪い合い、縦に早い攻撃を仕掛ける。7分には広島がカウンターからドウグラス・ヴィエイラが左サイドから絶妙なスルーパスを供給。ゴール前に走り込んでいたレアンドロ・ペレイラがフリーで、ダイレクトシュートを放つも、ボールはクロスバーの上に。
 
 横浜は相手の堅いブロックに苦戦していたものの、前半終了間際の45分。ペナルティエリア中央で、前田の落としに反応したマルコス・ジュニオールが左足を振り抜く。これがゴール右に突き刺さり先制する。
 しかし負けられない広島も53分に、右サイドの敵陣中央でのFKからクロスを供給。これにL・ペレイラが相手との競り合いを制し、高い打点のヘッドで合わせてゴールに突き刺し、試合を振り出しに戻す。
 
 だが横浜は60分、ティーラトンのペナルティエリア手前の左からの浮き球のパスに頭で合わせたジュニオール・サントスが勝ち越しのゴール。さらに試合終了間際の90+3分にも、エリキのダメ押しゴールが決まり、横浜が3-1で勝利。2連勝で勝点を積み上げ、8位に浮上、広島は3試合勝利なしで10位に後退した。
 
 次戦は26日に、横浜がホームで29節の北海道コンサドーレ札幌戦に臨む。広島は29日にホームで13節のベガルタ仙台戦に臨むことになっている。


広島城福監督「反省したい」シュート20本も無得点

サンフレッチェ広島はシュート数20本など多くのチャンスを演出しながら無得点に終わった。
MFハイネルらが好機を演出し、FWペレイラも74分間のプレーで6本のシュートを放ったが、相手GK西川の好セーブに阻まれた。ボール支配率でも上回りながら、守備固めした浦和から得点できず、城福監督は「最後に決められなかった自分たちがいけない。あれだけセットプレーもありながらネットを揺らせないのは反省したい」と話した。

サンフレッチェ広島対サガン鳥栖の開催中止が決定。複数名が「陽性」または「可能性が高い」と診断


 Jリーグは12日、同日にエディオンスタジアム広島で予定されていた2020JリーグYBCルヴァンカップグループステージ第3節サンフレッチェ広島対サガン鳥栖が、新型コロナウイルスの影響で中止となったことを発表した。
鳥栖は11日、クラブを率いる金明輝監督に新型コロナウイルス感染症の陽性反応が出たことを確認したと発表。鳥栖はこの時点で陽性判定者以外にトップチームの選手、スタッフで新型コロナウイルス感染症や風邪の症状等を呈している者はいないと発表していた。
 選手に濃厚接触者はいなかったが、スタッフ3名が濃厚接触者と判定された鳥栖はPCR検査を実施。そして今回の発表では、新たに複数名が陽性または陽性の可能性が高いと診断されたという。この結果を受け、第3節を中止にすることを決めた。

【広島】理想の崩しで力を証明。紫の10番・森島司「狙っていた形だった」


サンフレッチェ広島のナンバー10、森島司が横浜FC戦で勇躍した。チームバランスを保った中で自由に動き、前線を活性化。チームが求めてきた形を体現して値千金の先制ゴールも決め、勝利の立役者となった。
■2020年8月1日 J1リーグ第8節(@ニッパ球/観衆2,528人) 横浜FC 0-2 広島 得点:(広)森島司、ドウグラス・ヴィエイラ

獅子奮迅の74分間

 ドウグラス・ヴィエイラが務める1トップの背後で、森島は東俊希とともに2シャドーを形成した。担当するのは、右。だだし、攻撃になれば、持ち場を頻繁に離れて前線を自由に動き回った。もちろん、独善的に振る舞うわけではない。状況とタイミングを見て、局面局面でプレーを選択している。  先制ゴールも、そんな森島の動きとチームの意図が重なって生まれた。左のシャドーが下がってきてボランチの青山敏弘とライン際でパスを交換。「左で作っていた」ので森島はスルスルとポジションを左に移していった。そして、前方にスペースを見つける。  相手のCB田代真一が、東の動きに対応するために持ち場を離れ、つり出される格好になっていた。つまり、広島側からすれば、田代の背後のスペースが空いた。刹那、森島はそのスペースに入り込み、ボールを呼び込む。  東が見逃さずに浮き球パスを送ると、森島は佐藤謙介と入れ替わるようにボールをコントロールし、GK南雄太の届かない逆サイドへと蹴り込んだ。 「左サイドで作っていて、(スペースが)空いているなと思って行ったら(東)俊希からいいボールが来て。付いてきていたのは中盤の選手(佐藤謙介)だったので、うまく入れ替われるな、と思いました」  値千金の先制ゴールについては城福浩監督も「(敗れた)ここ2試合の反省として自分たちがもっと前線でモビリティーを出したかった。その一つのキーがコンビネーションの動き。きょうはその成功体験を得られた」と称賛。「相手を押し込めたというのがまずあって、その押し込んだ状態から前線の流動性を出すというのは今週やってきたところ」と、森島自身も「チームの狙いを形にできた」ことに満足感を示した。  このゴールは取り組んできたことを体現し、連敗中のチームに自信を取り戻させるという意味でも大きかった。以降、広島の選手たちはアグレッシブにプレーし続け、CKの流れから2点目も記録。アシストこそ付かないが、このCKのキッカーを務めたのも森島だった。  ここ数試合は得点に絡めていなかったものの、この日は74分に交代するまで、獅子奮迅の活躍を披露。広島のナンバー10の力を証明するプレーぶりだった。 取材◎佐藤 景 写真◎J.LEAGUE

原爆投下から75年。サンフレッチェ広島が平和への想いを綴る「この当たり前の平和が永遠に…」

広島県は6日、原爆が投下されて75年となる「原爆の日」を迎えた。広島市を本拠地とするサンフレッチェ広島が公式ツイッター(@sanfrecce_SFC)で平和への想いを綴っている。
広島はツイッターで「サッカーができる喜び、スポーツができる喜び、この街で生活できる喜びをかみしめ、この当たり前の平和が永遠に続くことを心より祈念いたします」とコメント。平和への想いを込めている。
広島市では午前8時から「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」(平和記念式典)が営まれており、原爆が投下された午前8時15分には、安倍晋三首相ら参列者全員で黙とうをささげている。

元日本代表のFW佐藤寿人が“広島原爆の日”に平和を祈願。「75年先にもこの綺麗な景色でいられるよう…」

J2ジェフユナイテッド千葉に所属するFW佐藤寿人が、広島に原子爆弾が投下されて75年となった8月6日に自身のインスタグラムを更新。平和への願いを込めて、思いを綴った。

 日本代表歴もある佐藤は、2005年にベガルタ仙台からサンフレッチェ広島に完全移籍で加入。それから2016年までの12年間クラブに在籍し、ゴールを量産。3度のJ1リーグ制覇(2012、2013、2015年)にも大きく貢献した。

 J1通算161得点と歴代2位の記録を持つ日本を代表するストライカーは、長年にわたり生活してきた第二の故郷でもある広島が6日に“原爆の日”を迎えたことに触れ、「8月6日 広島にとって特別な日」と題してインスタを更新。心境を綴っている。
 
「広島で生活するようになってから、平和について考える機会が増えた気がします。子供達も広島で生まれ、育ち、平和について考える機会が自然とある環境だったと思います。今は広島を離れていますが、これからの未来を作るのも今をどう生きるか」

 さらに、世界遺産・原爆ドームの隣に2016年に建てられた、おりづるタワーの展望台から撮られた広島の街並みの写真を公開。最後に、「75年先にもこの綺麗な景色でいられるよう、今を大切に」との言葉を添え、投稿を締めくくった。

 ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相も、ツイッターのビデオメッセージで広島や長崎で起きた惨劇に触れ、核兵器根絶を訴えるなど、75年前の悲劇が二度と起こらないよう、国内外で核兵器に対する認識をいま一度共有した一日となった。

1房2・5キロ、元サンフレ選手・森崎兄弟がジャンボピオーネ収穫 三次の農園サッカーJ1サンフレッチェ広島のアンバサダー森崎浩司さん(39)と元選手で兄の和幸さん(39)が28日、三次市三良坂町のみらさかピオーネ生産組合の農園


新型コロナ サンフレ試合中止 広島市では4人感染


対戦相手の選手が新型コロナウイルスに感染した影響でサンフレッチェ広島の試合が中止になりました。

対戦が予定されていた名古屋グランパスでは、きのう宮原和也選手の陽性が判明し、選手やスタッフにPCR検査を行ったところ、渡邉柊斗選手とチームスタッフの感染が確認されました。
2人の濃厚接触者の確認に時間がかかることなどから中止に至ったということです。

また、広島市では新たに4人の感染が確認されました。うち2人はクラスターが発生した飲食店の経営者や従業員の濃厚接触者です。
これで県内の感染者は256人となりました。

【J1広島】新キャプテンに就任した佐々木翔の決意<Vol.2>「厳しい状況に陥ったときに何ができるか」

『積攻』をスローガンに、サンフレッチェがリーグ第2節の神戸戦まで複数得点、無失点と最高の結果を残した。ただ鹿島戦の前半には決定的な場面でバーに救われるなど、攻守の全てが完璧に進んでいたわけではない。大分戦のように一つのミスから流れが変わるのは、サッカーではよくあること。ピッチの内外でチームを統率する佐々木翔も、リーグ再開を迎えるにあたり「ミスは必ずあるもの、そのときにいかに修正できるかが重要」との認識を強めていた。
─ 勝利した鹿島戦、神戸戦でも危ない場面がなかったわけではありません。  「たしかに危ない場面はありましたけど、全員が一度戻ってそこで修正しようとするところだったり、体を投げ出すことだったりはできていたと思います。ミスというのは必ずあるものですから、いかにそのときに修正できるかが重要になってきます。厳しい状況に陥ったときに何ができるかというのが組織として一番大事だと思いますし、全員がその意識を持てるところが広島の強みだと思います」 ─ 今季は特に前線からの積極的な守備が目立っています。  「前線から守備をしてもらえると僕らとしても守備の面でやることも限定できて、より守備にパワーを使うことができます。また高い位置で奪ってゴールで完結できるというのは一つの戦術として理想だと思うので、そういう形が出るというのは今のチームの強みかなと思います。これが毎試合できるかというと、もちろん難しいですし、それができなかったときに何ができるかというのがチームの力だと思いますし、後ろの選手はそういうときの対処法を考えていく必要があると思います」
◆多くの方の尽力に感謝 ─ 最高の滑り出しができた中での中断というのは、改めてどのような気持ちだったのでしょうか。  「現実的に中断するのは当たり前だと思っていました。むしろ再開できる流れを、みなさんがつくってくれたこと、本当に多くの方の尽力があるからこその再開だと思うので非常に感謝しています。もちろん良いスタートを切った中での中断は少し残念でしたけど、今こそ本当の意味でチーム力が試される時期なんだと思います。すごく我慢することも多かった中断期間ですけど、各々がどれだけサッカーを日常生活の中に置きながら過ごせたか、グラウンドではプレーできないけど、どれだけサッカーのことを考えながら過ごしたかが非常に重要だと思うので、これからそこで培った差というものを見せていくことができればと思っています」 ─ ちなみに自粛中はキャプテンとして、各選手とは連絡を密に取り合ったりしていたのでしょうか?  「いえ特別、連絡を取り合うということはなかったです。全体でZOOMミーティングをしたり、みんなの顔を見る機会はたくさんあったので、そんなに率先してコミュニケーションを取らなくても問題はなかったです」 ─ オンライン上で子どもたちとつながる企画を発案されたり、病院を表敬訪問されたり、地域貢献などにも力を入れていた印象があります。  「僕らだけじゃなくて苦しんでいる小学生や中学生もいますし、過酷な環境のなか戦って下さっている医療の方たちもいます。そのような状況下で何ができるか。僕らは人々に元気だったり勇気を与えられる立場にいると思っているので、少しでも良い影響を与えられるものは何かと考えた結果からの行動です。多くのことはできなかったですけど、少しでも力になれればという気持ちです。あとサンフレッチェというクラブを広島の中で必要不可欠な存在にしたいですし、ならなければいけないと思っています。試合がないと関心を持ってもらえないようじゃダメだと思うので、これからも機会があればいろいろと取り組んでいきたいと思っています」

【名古屋】宮原が新型コロナ感染。明日の広島戦に向けて清水専務「まずはトップチームの選手で準備」


J1名古屋グランパスは25日、DF宮原和也に新型コロナウイルス感染症の陽性反応があったことを発表し、同日午後に清水克洋 専務取締役がリモートで会見を行なった。

陰性確認後に広島へ移動

 清水氏は冒頭で「はじめにファン・サポーターの皆さま、関係者の皆さまに大変ご心配をおかけする状況となりましたことを心よりお詫び申し上げます」と謝罪した。  クラブの発表によると、宮原は19日から21日までチームトレーニングに参加し、21日に新幹線と貸し切りバスを利用して大分に移動。22日のJ1第6節・大分トリニータ戦はベンチ入りしたものの出場はなかった。翌日23日に名古屋に移動(新幹線と貸し切りバス)、同日午後にトレーニングに参加したのち、24日朝に平熱および頭痛を訴え、PCR検査を実施したところ陽性判定を受けた。なお感染経路は確定していない。  現在、宮原本人は平熱(36.8℃)に戻っており、自宅で静養中だという。またクラブは本日、選手・スタッフ約60名に対して急遽独自のPCR検査を実施。すでに検体を採取して病院に判定を依頼しており、結果は本日中に判明する予定となっている。  6月に同クラブのFW金崎夢生の陽性判定が確認された際は19名の選手およびスタッフが濃厚接触者と特定されたが、今回、宮原の過去2週間の行動履歴を保健所に報告した結果、クラブ内および大分トリニータの選手・スタッフも含めて「濃厚接触者はいない」と判断された。この点について清水氏は「保健所による判断は全国統一ではないと認識している。接触の状況を個別に説明した上で、今回は該当しないという判断になった」と話した。  Jリーグは今月10日から12日および16日から19日にかけて、新型コロナウイルス感染症に関する第3回目の公式検査を実施し、24日に3299件の検体すべてが陰性だったことを発表していた。なお22日の時点で129件に関しては検体不足や検査過程にあり、最終結果が確定していなかったが、清水専務によると宮原は22日時点で陰性が確定していたという。  名古屋は明日、敵地でサンフレッチェ広島とJ1第7節を行なう予定となっているが、本日行なったPCR検査の結果を待って広島への移動を開始するという。清水氏は「PCR検査の陰性判定を受けて遠征メンバーを確定する形になるが、まずはトップチームの選手で準備をすることがベースになる。万が一、どうしても人数が足りない場合はトップチームの選手に限らず検討する必要がある」と話した。

【広島 vs 名古屋】悩ましいレアンドロ ペレイラの起用法



22日のG大阪戦で広島は勝点を一つも持ち帰ることができなかった。1点を追い掛けた後半は幾度も東口順昭の守るゴールを脅かしたが、ゴールネットを揺らせないままタイムアップ。得点力の問題に直面していることを実感する一戦となった。

広島がここ3試合で奪った得点はPKからの1得点だけ。いい守備からいい攻撃につなげていくコンセプトを持つチームにとって、攻撃の問題は守備の問題でもあると言える。辛抱強く問題を紐解いていきたいが、エースストライカーの起用法は即効性のある問題解決法になり得るだろう。

広島のエースストライカーはレアンドロ ペレイラだ。開幕戦で得点を挙げてチームを快勝に導いたブラジル人FWは、4カ月後に再開したリーグ戦でも抜群のゴールセンスを発揮して2試合連続で得点を奪取した。しかし、さすがに疲労の影響だろう、シュートの精度が落ちてきて3試合得点がストップしてしまった。

休ませた方がいいのかもしれない。フレッシュな状態でピッチに解き放った方が、より大きな脅威を与えられるかもしれない。しかし、レアンドロ ペレイラがピッチ上に居ると居ないでは、相手に与える脅威も得点率も変わってくる。それだけの力を持つストライカーだけに起用法も悩ましい。

レアンドロ ペレイラの力をどう引き出すか。それが重要なテーマであることは、誰より城福浩監督が理解している。プレシーズンからプライド高きストライカーと議論を重ね、説き伏せ、あらゆる面において双方が合意するところを見つけてきた。

これからはコンディションを維持しながらチームに貢献する方法を見つけていく必要がある。レアンドロ ペレイラを常に危険な存在にしておく指揮官のマネージメントが、この夏の戦績を左右すると言っても言い過ぎではない。

【J1広島】後手に回ったサンフレッチェ広島がC大阪に惜敗。システム変更も機能せず

大分戦の逆転負けから、サンフレッチェの歯車が大きく狂い始めた。続く鳥栖戦はスコアレスドローに終わり、C大阪戦も終始先手を取られる形で敗退。ホームでの有観客試合で、サポーターに勝利を届けることができなかった。現状を打破するために、城福監督が着手したのがシステムの変更だった。これまでの1トップ、2シャドーの形ではなく、レアンドロ・ペレイラ、永井龍を2トップとして配置。「よりアグレッシブさを出すため」の戦略だったが、監督が意図する形でゲーム全体の流れを変えるまでには至らなかった。
「我々がアグレッシブさを出す前に失点をしたのは反省しないといけません。途中から慣れてきて前半の最後の方から出せ始めたが、2失点目が早かったと思います。あれは痛かったですし、あそこで堪えていれば勝ち点が取れる可能性がもっと高まったと思います。(新システムで今後につながる手応えは)相手も違うし、やり方も特長も違うので、すべてが次につながるかどうかは別ですが、我々に目を向けた時に共通意識としてアグレッシブに守備をするところ、ボールを奪った後のクオリティーのところは、今日は手応えと課題が見えました。しっかりそれを積み上げていけたらと思います」  監督の口から慣れという言葉が出たように、システムに慣れる前の前半は完全にC大阪にゲームを支配された。課題とされていたボール支配率も下回り、2トップが効果的に機能する場面は見られなかった。後半に入って怒涛の攻めを繰り出しただけに、2トップの特長を出す前の失点がなんとも悔やまれるところだ。
◆機能しなかった左サイド  もう一点、システム変更以外で着目したいのが、サンフレッチェの攻撃パターンだ。これまでは左サイドからの崩しが基本となっていたが、C大阪戦では藤井智也の投入前はストロングポイントを生かすことができなかった。柏好文の復帰にはまだ時間を要するだけに、左の再構築が今後のチーム成績を左右する重要なポイントとなるだろう。 「久しぶりにサポーターに入っていただいて、その方たちの期待に応えられなくて残念です。勝利を届けられなくて悔しいですね」  試合後のリモート会見では城福監督、青山敏弘が共にサポーターへの思いを口にした。続くホームゲームは7月26日(日)の名古屋戦になるが、22日(水)にはアウェーでのG大阪戦が控えている。共に上位チームだけに厳しい戦いが予想されるが、もう一度上位戦線に食い込むためには、この2戦での取りこぼしは、もはや許されない。

【J1リーグ第5節 広島 vs C大阪】再び白星街道へ。成熟度の高い広島を相手に問われる攻守の集中力
リーグ戦再開後、有観客としては初めての試合となった前節。ヤンマースタジアム長居に駆け付けたサポーターの後押しも背に戦ったセレッソ大阪だが、名古屋グランパスに0-2で敗れ、開幕からの連勝が3でストップ。公式戦における今季初黒星を喫した。

立ち上がりからボールの回りも良く、この時間帯に先制できていれば、試合の流れも違ったモノになっただろう。それだけに、決して悲観する内容ではなかったが、ミス絡みで喫した2失点、攻め込みながらも1点が遠かった攻撃と、この試合で出た課題は今後の糧にしていきたい。常々「簡単な試合は一つもない」と話すロティーナ監督だが、改めて、「どのチームも我々に勝つことができる。逆に、我々がやるべきことをやれば、どの相手にも勝つことができる」群雄割拠のリーグであることを再認識した。約4ヶ月の中断期間を経て迎えたリーグ再開後、いきなりの中3日での3連戦というタフな日程を終え、改めて、今季はこのスケジュール感がスタンダードになることを実感。「体をいかにいい状態で保つか。常にいい状態を保てるように、ケアしていくことが大事」と松田陸も話すように、今節からの3連戦も、例年以上にコンディション調整が問われることになり、選手層の底上げも必要となる。


今節の相手、サンフレッチェ広島は、高いレベルで攻守にバランスの取れたチームであり、組織としての成熟度も高い。ロティーナ監督、選手が口を揃えて「難しい試合になる」と話すように、セレッソにとってタフな90分になるだろう。前節の反省を踏まえ、まずは先に失点しないことが大事。その上で、相手の堅守を打ち破っていくために、攻撃の工夫も凝らしていきたい。この3試合を振り返って、「いい攻撃はできている」(丸橋)実感もあるだけに、「フィニッシュの精度を高めて、チャンスをモノにしていくこと」(丸橋)が重要だ。また、互いに試合の流れを変えることができる選手も多く揃えているだけに、途中出場の選手が果たす役割も大きい。セレッソとしても、勝利を掴むためには、変化を付けてくる広島の途中出場の選手にもしっかりと対応する必要があり、試合終了の笛が鳴るまで気が抜けない展開になるだろう。

今季の目標を高いところに置くチームにとって、連敗は避けたい今節は、シーズン序盤の大一番。開幕3連勝の勢いを再び加速させていくためにも、勝利を追い求め、上位に食らい付いていきたい一戦となる。
(文=小田尚史)


今治、元日本代表DF駒野友一が負傷…今季はJ3開幕戦から3試合連続でプレー

FC今治は16日、元日本代表DF駒野友一の負傷を発表した。
駒野は今月11日に行われた明治安田生命J3リーグ第3節の鹿児島ユナイテッドFC戦で負傷交代していた。その後、右足長内転筋筋損傷と診断され、全治は2~4週間程度となる見込みだ。2000年にサンフレッチェ広島でプロキャリアをスタートさせた駒野は、ジュビロ磐田、FC東京、アビスパ福岡を経て、2019年から今治でプレー。昨シーズンは日本フットボールリーグ(JFL)に所属していたクラブのJリーグ初参入に貢献。今シーズンは開幕からリーグ戦3試合に出場していた。

日本代表入りも期待! 確かな実力持つ注目の「若手Jリーガー」は?


久保建英(マジョルカ)の登場によって日本サッカー界は新時代に突入した。久保以外にも、すでに冨安健洋(ボローニャ)や堂安律(PSV)が日本代表の主力に定着し、昨年のコパ・アメリカ、E-1サッカー選手権では、大迫敬介 (サンフレッチェ広島)や板倉滉(フローニンゲン)、森島司(サンフレッチェ広島)、遠藤渓太(横浜Fマリノス)、田中碧(川崎フロンターレ)、小川航基(ジュビロ磐田)、前田大然(マリティモ)といった20代前半の面々が次々とA代表デビュ―を果たした。

広島野津田「粘り強く戦えた」敵地で貴重な勝ち点1

<明治安田生命J1:鳥栖0-0広島>◇第4節◇12日◇駅スタ
サンフレッチェ広島が5人の交代枠を駆使し、反撃。敵地で勝ち点1を得た。
スコアレスで折り返した後半、セカンドボールをうまく拾った相手に防戦を強いられた。後半13分、MF藤井智也(21)とFWドウグラス・ヴィエイラ(32)を投入。直後、藤井がハーフウエーライン付近からドリブルで敵陣深くまで切り込み相手DF陣を慌てさせた。さらに、今季初出場のMF野津田岳人(26)がピッチに立つと、同38分、ペナルティーエリア中央から左足で狙い、終盤の反撃へ転じた。
ただ、得点にはつながらなかったものの、野津田は「チームの流れを変えられるように、走って運動量を増やすことを意識していた。粘り強く戦えた。連戦が続き、途中交代が流れを変える。役割を全うすることが大事なんじゃないかな」と語った。

広島が積極采配で勝ち点1、交代選手で流れ変えた

<明治安田生命J1:広島0-0鳥栖>◇第4節◇12日◇駅スタ
サンフレッチェ広島は積極的な選手交代で終盤は攻勢を強め、敵地で勝ち点1を得た。
後半途中から今季初出場したMF野津田は同38分、ペナルティーエリア中央から左足を振り切った。相手DFに阻まれたものの、押し込まれた流れを一変。同17分には立命大から特別指定選手になったMF藤井もドリブルで切り込み存在感を示した。城福監督は「途中から入った選手が(ゲームを)活性化させるとチャンスが生まれる」と評価した。

【鳥栖vs広島プレビュー】いまだ無得点の鳥栖とゴール量産中の広島…両極端のチームが激突!

サガン鳥栖 今季初ゴールを奪って不名誉な記録に終止符を

【プラス材料】
 守備的なポジションであればどこでもプレーできるMF原輝綺が戻ってきた。昨季終盤に大ケガを負い、今季の出遅れは致し方ないと本人も思っていただけに、リーグ休止期間でしっかりとコンディションを上げてきたことは大きなプラス材料と言える。
 原は守備面だけでなく、攻撃面にも関わることができるので、さまざまな起用法が考えられる。彼の強さは対人プレーだけでなく、危機察知力も備えているところ。加えて、アジリティとスプリント力を生かして攻撃にも顔を出す。相手にとっては、最も嫌なタイプだろう。
 それに、目下売り出し中のチームの中盤を大いに活性化できる力がある。原の起用によって、流れを引き寄せることも勢いを増すこともできれば、サンフレッチェ広島の中盤を抑え込むことができるだろう。
【マイナス材料】
 シュートまでは持っていけている。しかも、相手より多くのシュートを放っているが、開幕戦から無得点が続く。J1で無得点なのはサガン鳥栖だけ。攻撃陣の陣容は他のクラブにも負けてはいない。新加入選手も即戦力として期待できる。総合的に見て攻撃力は高いと言えるが、ゴールが遠い。初ゴールさえ生まれれば、得点を量産できそうな予感がする。
 第2節・大分トリニータ戦後に金明輝監督は「引かれた相手に対して効果的にシュートまでいけたかと言ったらそうではないと思う。そういった中でももっといろんな質を上げなくてはならないと感じた」と攻撃の質を求めている。やはり、突き詰めれば決定力となるのだろうか。
 連戦となる中で改善や向上は難しいだろうが、メンバーを替えることで結果が出るかもしれない。今節に期待したいところだ。
文:totoONE編集部
 

サンフレッチェ広島 絶好調の攻撃陣は傷心の守備陣をカバーできるか

【プラス材料】
 第2節のヴィッセル神戸戦は3-0で快勝。前節の大分トリニータ戦では最後に逆転を食らってしまったが、前からのプレッシャーでボールを奪い、FWレアンドロ・ペレイラが昨季最終節のベガルタ仙台戦から数えて5試合連続得点を記録。リーグ戦3試合で4得点を記録しているエースが絶好調を維持しているのが、チームにとっては大きなメリットだ。
 また、MF浅野雄也が神戸戦でゴールを記録し、MF東俊希がアシスト。JFA・Jリーグ特別指定選手で来季からの正式加入が決まっているMF藤井智也が、大分戦で途中出場ながら大きなインパクトを与えたことも頼もしい。
 今季に入って公式戦4試合で9得点。大分戦こそ1得点に終わったが、ショートカウンターが機能している今のチームの破壊力は本物である。
【マイナス材料】
 ケガ人がいなかったことが大きなメリットだったが、第2節の神戸戦でMF柏好文が負傷。右大腿二頭筋筋損傷で全治4~6週間と、長期離脱を余儀なくされている。
 また、前節の大分戦でMF森島司やDF野上結貴といったフル出場を期待される選手が、交代を余儀なくされているのも気がかりだ。交代選手を5人使った後で大分に屈辱の逆転負けを喫しており、負傷者が出ていることも併せて、真夏の連戦を乗りきるための方法論を改めて整理しなければならないのかもしれない。
 ミスで失点に絡んだGK大迫敬介やDF荒木隼人のメンタル的なショックも心配で、果たして中3日でリカバーできるかどうか。衝撃的な敗戦だったからこそ、改めて全員で戦う意義が問われる。
文:紫熊倶楽部 中野和也

【サンフレッチェ広島の最新序列】最前線ではL・ペレイラがエース級の存在に。3バックは鉄板も連戦を乗り切るには…


広島の最新序列。㊕=特別指定 (C)SOCCER DIGEST
 2月の開幕から、コロナ禍での約4か月の中断期間を経てJ1リーグも7月4日から再開された。“第2の開幕”とも言える、第2節、3節の2試合を終え、チーム内でも変化が生じている。スタメン争いの構図や今後の台頭が予想される若手などを踏まえ、広島の最新チーム内序列を紹介していく。

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【FW】
 昨年末から公式戦5試合で連続ゴールを続けているレアンドロ・ペレイラがエース級の存在に。両足、そしてヘッドでも得点を狙えるシュート技術の高さ、スピード、強さはもちろん、前線からの守備でも頼れるようになってきた。独力でいける破壊力も持っているが、どちらかと言えばコンビネーションで得点を取るタイプなだけに、チームに慣れてきた今季は得点王も十分に狙える。

 2番手ではドウグラス・ヴィエイラを1列上げる選択肢も有力だが、シャドーの状況によっては経験豊富な永井龍が選択される可能性も。練習試合で結果を出したルーキーの鮎川峻も気になる存在で、ともにゴール前でのポジション取りが秀逸なアタッカーだ。
 
【MF】
 シャドーはD・ヴィエイラと森島司の存在がクオリティの面で抜けている。強烈なドリブルを持つエゼキエウや、神戸戦でアシストを記録した東俊希の台頭により、2セットでのローテーションも。左ワイドは柏好文の負傷離脱が痛いが、浅野雄也と藤井智也の競争で乗り切る構え。右はハイネルへの信頼が厚いものの、体力面で不安を抱えているため、茶島雄介とのリレーで酷暑を制圧する。

 ボランチでは青山敏弘と川辺駿の2人が秀逸なプレーを続けており、柴﨑晃誠と野津田岳人もトレーニングで成果を出している。若手の有望株である松本泰志と松本大弥は守備を磨き、チャンスを窺う。またルーキーの土肥航大は現在様々なポジションで可能性を見出している段階にある。
【DF】
 佐々木翔、荒木隼人、野上結貴の3バックは鉄板。特に佐々木と野上は守備の強さだけでなく、攻撃性にも磨きをかけてチャンスメーカーとしても機能している。荒木隼人も対人の強さとカバーリング能力で神戸戦では獅子奮迅の働きを見せ、チームを支えた。

 ただ、大分戦で野上が足を痙攣させたことでも分かるように、強烈な夏場の連戦を、この組み合わせだけで乗り切るのは難しい。清水航平、井林章、櫛引一紀のセットも経験豊富だけに、この3人を状況次第で使い分けるか、リリーフ起用で乗り切るかは思案のしどころだ。
 
【GK】
 藤原寿徳GKコーチは「これだけの連戦になると、頭の疲労が厳しい」と語り、1人で乗り切ることの難しさを示した。実際、再開以降もグッドセーブを続けている大迫敬介ではあるが、大分戦では2失点に絡んでしまい、メンタル的に衝撃を受けていることは否めない。一方で、実績豊富な林卓人の今季のコンディションは良好で、練習でも好プレーを連発している。2人をローテーションしながら夏場の連戦を乗り切っていく可能性も十分にある。

 また総合力の高い増田卓也とビルドアップに長けている廣永遼太郎の2人も、虎視眈々とポジションを狙っている。GK王国の伝統を保っている広島の場合、最後方は誰が出てもおかしくはない。
 
取材・文●中野和也(紫熊倶楽部)

森保ジャパンに欠けているピースとは? 広島時代の栄光と失速に見る、日本代表の前途

今年1月に行われたAFC U-23選手権でのグループリーグ敗退後、新型コロナウイルスの影響で長期間試合が行えず、A代表とオリンピック代表の「兼任問題」も浮上するなど、決して順風満帆とはいえない状況に置かれている森保一日本代表監督。彼がサンフレッチェ広島の監督に就任した2012年からそのチームづくりを追い続けてきた中野和也氏の目に現在の日本代表監督はどう映っているのだろう? 2012年から4年で3度のJ1優勝の栄冠を手にし、2016年以降に失速。常に「『個人』にアプローチしている」というその戦い方と結果を丁寧に振り返ることで、森保監督の手腕を改めて評価し、日本代表の今後を占う。
(文=中野和也、写真=Getty Images)

仲間のために爆発させた「怒り」

一度だけ、森保一に抱きしめられたことがある。
2012年、サンフレッチェ広島はJリーグで初優勝し、FIFAクラブワールドカップに出場することができた。あれはその2戦目、アルアハリ戦の前々日だったと思う。冒頭15分公開のトレーニングが終わり、森保のインタビューが終わって、他の記者たちがいなくなった瞬間、指揮官が「もう我慢できない」という調子で僕だけを呼んだ。明らかに憤(いきどお)っていた。
何か僕が書いた記事で、気に入らないところがあったか。事実が間違えていたか。いろんな考えが頭をよぎる。思い当たる節はないが、とにかく話を聞いてみよう。
怒気を含んだ声で、監督は言葉を発し始めた。「Jリーグアウォーズでどうしてカズ(森﨑和幸)がベストイレブンに選出されないんですか。彼はMVPでも不思議ではないのに、絶対におかしい」思わず「そこかいっ」と言いそうになったのは秘密である。そもそもJリーグアウォーズに記者の投票権はない。監督と選手たちの投票で決まるというのが建前である。その結果に対して、記者は責任を持ちえない。ただ、監督の怒りはよくわかる。12月3日、現場の横浜アリーナでリストを見た時、「考えられない」と思わず吐き捨てた。
MVPの佐藤寿人は当然。22得点という得点数、得点王を獲得したという実績だけでなく、キャプテンとしてチームをよく牽引したという意味も含めて。広島からベストイレブンに選出されたのは5人。西川周作・水本裕貴・青山敏弘・髙萩洋次郎・寿人。MF部門で最後に呼ばれたのは髙萩で、彼は名前を呼ばれた瞬間、喜びよりも戸惑いが先に立っていた。「カズさんが呼ばれると思っていた」と後にコメントしている。
もちろん、髙萩の選出も当然である。34試合フル出場で4得点12アシスト。中村憲剛の13アシストに次ぐ記録を残して優勝に大きく貢献した彼がベストイレブンに選出されなかったら、誰を選べばいいのか。
森保も僕も、誰が選出するに値しないかを論じているわけではない。ただ、誰が選ばれるべきかを優先して考えた時、真っ先に名前が挙がるはずの選手の名前がない、ということだ。ゴール数もアシストの数も突出しているわけではない。しかし、広島の優勝を振り返った時、寿人と同じくらいの情熱で広島担当記者はカズの名前を挙げた。
不世出といっていいほどのストーリーテラー(ゲームメーカーという呼び名では彼の役割は表現できない)であるカズは同時に理解されにくい選手としても屈指である。圧倒的な基礎技術の高さは誰でも理解できるが、広島で彼と一緒にやったことのある選手たちとそれ以外とでは、「カズはうまい」の意味合いが違っている。リズムを構築し、ゲーム全体のグランドデザインを構築してチームを動かす彼の能力は、あまりに自然すぎるのか、あまりに深すぎるのか、なかなか理解を得られないのは事実だ。だが、それにしても、である。パス成功率は90%を超え、ミスなど数えるほどでしかなく、青山をして「カズさんとコンビを組んでうまくやれない選手はいない」と言うほど、周りの能力を徹底して生かしているカズが、どうして選出されないのか。そもそもJリーグアウォーズが選手・監督の投票で決まるのは、プロフェッショナルの視点で理解されづらいけれど活躍している選手たちを評価するためではないのか。
筆者は広島担当の記者たちと進めていた企画を、森保に告げた。「彼の不選出はあまりに酷い。なので、僕たちは勝手ではありますが、広島メディア総意として『MIP』に彼を選出し、クラブワールドカップが終わったら彼を表彰させてください」
その瞬間、森保一は僕を抱きしめた。
「ありがとうございます。ありがとうございます」何度も何度も、そう繰り返した。

ペトロヴィッチという指揮官が持つ不運

森保とは、こういう男なのである。最優秀監督賞に選ばれた自身のことよりも、選手のことを思い、慮(おもんぱか)る。そういう人間性だからこそ、選手は彼についていく。2014年の時のように、齟齬(そご)は多少なりにあったとしても、それはチームマネジメントとすればよくある出来事の一つだ。
ただ、人間性だけで部下をけん引できると思ったら、大間違い。企業の管理職でも同じことがいえるが、プロフェッショナルは結果を出さないと意味がない。どんなに優しくて、どんなに周りに気を配れても、結果として勝利につながらなければ部下は振り向きもしない。働く者たちは、結果の世界で生きている。もちろんプロセスは非常に重要ではあるが、そのプロセスも結果を伴わないと評価されないのが、プロフェッショナルの世界だ。2007年、ミハイロ・ペトロヴィッチのもとで降格が決まった後も選手たちは彼についていったが、それは2006年、彼が途中就任して青山や柏木陽介といった若者を育成しながらJ1残留という結果を(しかも攻撃的な姿勢を貫いて)残したからこそ。もしあの時に残留を果たせなかったり、守備的なスタイルに方向転換してしまうような監督だったら、おそらく選手はついていかなかったしクラブも評価しなかった。
では、森保はどうして結果を残すことができたのか。
2012年、広島の戦力はチーム得点王の李忠成とチャンスメーカーのダビド・ムジリが抜け、服部公太や山崎雅人、髙柳一誠や盛田剛平といった実績組もチームを去った。何よりもペトロヴィッチとの契約を更新せず、監督経験のない森保を指揮官に迎えたことで、一部のジャーナリストからは「チームを弱体化する人事」と激しく批判された。ペトロヴィッチ監督との契約を更新しなかった最大の理由は、クラブが99%減資という財政上の大ナタを振るったことが大きな要因だったのだが、そういう事情はなかなか伝わらない。
ここで森保は、いくつかの戦略的な成功を果たし、いくつかの幸運にも恵まれる。
幸運とはなんといっても、カズと青山のコンディションだ。2008年、J2で開幕戦から最終節まで首位を守り通す完全優勝を果たした最大の要因は、カズと青山、2人のボランチコンビが最高の力を発揮したことにある。ところが2009年・2010年とカズは慢性疲労症候群と診断された病に苦しみ、ほとんどプレーできていなかった。青山も左膝半月板の負傷を繰り返し、フル回転の出場がかなわない。2011年には2人でプレーする機会は増えたが、カズはまだ病気の余韻があって本来のプレーが安定してできたとは言い難く、青山にしても同様だった。彼らがフルコンディションでプレーできていたら、2009年か2010年、どちらかの年にもしかしたら覇権を握れたかもしれない。そこは、ペトロヴィッチという指揮官が持つ不運である。森保が就任した2012年は、2人ともコンディションをようやく持ち直してきた途上にあった。ここで森保は一つの戦略を駆使する。それは2人を、特にカズをボランチで固定し、徹底して使うことだった。
ペトロヴィッチは意外とカズを彼の最適なポジションであるボランチではなく、右ストッパーやリベロで起用することが目立っていた。2008年からリベロを務めていたイリアン・ストヤノフのプレーに対する指揮官の評価が2010年後半から下降し、2011年には彼が移籍したことで最終ラインの真ん中でプレーできる選手がいなくなってしまった。守備を統率し、対人の強さもあり、最後尾でゲームをつくれる人材など、そうはいない。当時のチームでそれが可能な選手はカズだけだった。
ペトロヴィッチの起用法には、彼がその能力を高く評価する人材を選び、後からポジションをはめていくという癖がある。一方、選手の特性としてスペシャリストとゼネラリストがいるわけで、一つのポジションに強烈なスペシャリティを発揮する、例えば寿人や水本、ミキッチのような選手は動かせない。必然的に、複数のポジションでも力が発揮できるカズは、最も力が発揮できる位置ではなく、違う位置を与えられることが多くなる。鮎を食べるのに最適なのは塩焼きではあるけれど、天ぷらにしてもおいしい。それと同じように、ボランチが彼の最適解であることはわかっているけれど、他の位置でもいいプレーができるから使う。特に2011年は、そういう状況が続いた。

選手側の意見も常に耳に入れようとするタイプ

2012シーズン、森保はまず、カズという稀代のボランチを固定させる戦略を打ち立てた。それは一方で青山の力を引き出すためでもある。当時のチームメートだった中島浩司が「まるでアニマル」と表現したボール奪取能力の高さを誇るカズは一方で、周りの選手たちのストロングを引き出すサポート能力も天才的。青山の力はなんといっても局面をガラリと変える一発のパスが象徴的であるが、一方で「エンジン」と称されるほどの運動量も大きな武器になる。だが、その武器を生かすためにはゲーム全体を把握し、バランスをとる仕事に長けた選手が必要だ。つまり、自分が何かをするというよりも、周りに何かをさせることができる選手が側にいれば、青山は自分のプレーに専念できる。
森保のチームづくりは、まずカズというマエストロを中軸に据えることからスタートした。その証拠に、指揮官はトレーニング後、カズを呼んで長時間にわたって話し合いを毎週、いや時には毎日のように繰り返していた。彼自身に対するコンディションチェックもあったが、それよりもはるかに多くの時間帯をチームの状況チェックに使った。時には次節の対戦相手に対する戦術的な打ち合せも綿密に行っていた。
もちろん、最終的には監督が決めること。しかし森保は選手側の意見も常に耳に入れようとするタイプで、カズの他にも青山や森﨑浩司、髙萩や寿人らの主力とマメに言葉を交わし、現場の選手たちが感じている情報を頭に叩き込む。コミュニケーション力を存分に生かした情報のアップデートが、森保のマネジメント法。そのインプット元として最も重要視したのが、ペトロヴィッチが「ドクトル」と尊敬の意を込めて称した男・森﨑和幸だったのだ。彼が最もストレスなく力を発揮できるのはボランチだ。ほとんどボールロストせず、判断のブレもないカズを中盤の底に置くことで、ビルドアップは間違いなく安定する。ただ、そのためにはリベロにストヤノフのようなカズをサポートするだけでなく、守備においても安定を生み出すことができる選手の存在がどうしても必要だった。指揮官はアルビレックス新潟時代から高く評価していた千葉和彦の獲得を熱望した。4バックのセンターバックも新潟で経験したことのある千葉は守備の対人でも決して弱くはないし、ボランチも経験していただけにカバーリングもうまい。ただ、なんといってもその武器はポゼッション能力の高さと縦パスのうまさ。攻撃の能力が高く、パサーとして十分に働けるクオリティを持っていることだ。
2015年にはパス成功率90%超えを果たした千葉の存在がカズを楽にさせ、ビルドアップはさらにミスが減る。ボールを持つことは守備の安定にもつながるのは必然。しかし、2011年の広島は49失点、1試合平均1.44失点と決して「堅守」ではなかった。それはペトロヴィッチの持つ「習性」のようなもので、ボールを保持すること=攻撃に人数をかけることにつながり、リスク管理がどうしても薄くなってしまうのだ。攻撃にかけては天才といっていいアイデアを持ち、ウイングバックだけでなくストッパーも最前線に投入していく「ミシャ式」ではあるが、当然その反動として守備の枚数は足らなくなる。そのリスク管理も加味したコントローラーがミシャ式にはどうしても必要で、もしカズがずっとボランチでプレーできていたら(それが可能な体調でフルシーズンを働けていたら)、おそらくペトロヴィッチは広島でタイトルを獲得できていたはずである。

「ミシャ式」を受け継いだ森保監督のサッカーとは?

森保は、攻撃のやり方はミシャ式を踏襲しつつ、守備の修正を行うことを就任時から口にしていた。ただ実際のところでいえば攻撃の破壊力と守備の脆弱性はトレードオフの関係にあり、言葉ほど簡単にはいかない。
例えばストッパーの配置である。右に攻撃的な森脇良太、彼の移籍後は塩谷司やファン・ソッコのような、ボールを持ち上がって一気に前に出るタイプを配置し、一方で左には水本をほぼ固定する。彼はいうまでもなく守備のスペシャリティを持っているが、広島で徹底的にボールを動かすことをトレーニングし、クサビのパスやスルーパスに磨きをかけた。つまり、右は前線に絡み、左は起点となる。そういうタイプを配置することでリスク管理と攻撃性を両立させようとした。
さらに攻撃の形をよりシンプルにさせた。変化をもたらす存在として青山と髙萩がいるが、ベースはサイド攻撃。特にミキッチの単騎突破は打開のための特攻薬として有効活用させたのだが、それも結局はリスクをより軽減させる一手間でもあった。左サイドに清水航平が台頭し、2014年から柏好文が起用されたのも、要は単騎突破が可能な選手たちだったからだ。
サイドの深い位置でボールを失っても守備の立て直しは十分にできるし、カウンターも食らわない。サイドで押し込んで中央で仕留める。攻撃に人数をかけているように見えるが、実はそれほど無茶はしていない。とはいえ、行くべき時にはリアルに前に出て、強引に仕留める。そのあたりのかじ取りを担当していたのもカズだった。ウイングバックのサイドアタックを基本としていたから、シャドーの2人には徹底して「1トップ(寿人)の近くにいること」を求めた。攻撃時にはサイドに流れるな。それはシャドーを務めるどんな選手にも要求した必須項目であった。かつて石原は「森保監督の要求は細かい」と語ったことがあるが、実際に求められる要素はシャドーには特に多かった。守備の時と攻撃の時のポジションどりの違い、ボールの受け方、コンビネーション。攻撃をつくり、フィニッシャーとなり、さらに守備の起点ともなる。森保のサッカーのキーポジションは間違いなくシャドーだった。
森保のサッカーを粗っぽくいえば、1トップに入った選手に得点をとらせるためにチームとして戦うことをコンセプトとしている。寿人という特別なストライカーが広島にいるわけで、彼にどうやって得点をとらせるか、そこから逆算するサッカーだった。サイドを起点とした攻撃も、寿人のクロスに対する強さを十分に生かすため。シャドーのポジションどりにしても、アイデアの発露も、寿人の特長を最大限に生かすための工夫。2010年・2011年は10得点・11得点と、彼としては停滞気味(それでも二桁得点をとっているのはさすがだとしかいいようがない)のゴール数だったのが、2012年は22得点、2013年も17得点と量産できたのも、彼個人の充実もさることながら、チームとしての狙いが明確だったことも挙げられる。

個人の能力をどれだけ発露させるかという視点こうやって一つ一つを分解しながら考えていくと、森保の戦略は「個人」にアプローチしていることがわかる。カズと寿人、特別な才能を持つ2人を軸に、青山や髙萩、浩司やミキッチらの卓越した能力を織り交ぜる。ポジションごとに与えられる役割も、つまるところでいえば個人の能力をどれだけ発露させるかという視点から発想されたと考えれば、日本代表でなぜ3−4−2−1ではなく4−2−3−1になったのかも理解できる。

例えば2015年の広島は、Jリーグ史上でも最高部類の結果を残したチームだ。勝点74は34試合制になって以降は最多であり、平均得点2点以上と平均失点0点台を両立させた最初のチームでもある。しかし、このシーズンがスタートする前は髙萩と石原直樹、2人の主役がチームを去ったこともあり、広島に対する期待は決して高くなかった。さすがに降格候補という声はほとんどなかったが、それでも優勝争いに参加するという評価もほとんど聞こえてこなかった。2012年の初優勝メンバーから彼ら2人に加え、森脇や西川も移籍してしまったし、浩司もオーバートレーニング症候群の症状が繰り返し襲ってしまっている。戦力的にも厳しいというのが、大方の見方だった。
ところが、である。森保は大胆な施策で、チームを変えた。
第一はコンバートである。徳島ヴォルティスや京都サンガF.C.で期待されながらも爆発できなかったドウグラスをFWではなくシャドーに下げ、抜群のテクニックを持ちながらもカズ・青山につぐ3番手ボランチの地位にいた柴﨑晃誠をシャドーに上げたのだ。柴﨑自身は「自分はシャドーに向いていない」と2014年の移籍当初は語っていたし、ドウグラスには繊細さが足りないともいわれていた。しかし、結果は文句なし。これまでJ1で1点もとれず、J2でも12得点が最高だったブラジリアンが21得点7アシストとMVP級の活躍。特にセカンドステージは16試合15得点で2度のハットトリックと手がつけられない爆発を見せた。一方の柴﨑も6得点7アシスト。前年の1得点0アシストという成績と比較しても十分な貢献で、シャドーとして大きく開花した。もともとボール扱いの巧みさやパスの精度については高く評価されていたが、この年に見せたシュートのうまさは特に際立っていて、さすがは全国高校サッカー選手権大会得点王。ドウグラスのパワーや柴﨑の攻撃性に期待をかけていた筆者としても、これほどの活躍は予想しえなかった。

佐藤寿人と浅野琢磨の方程式

第二に、方程式の成立である。森保は2005年の加入以来、絶対的なエースの座に君臨していた寿人を常に90分ではなく途中で交代させる戦略を徹底し、第6節からはその交代相手を浅野拓磨に据えた。
エースは苦しかったはずである。サッカー選手は90分のプレーで評価される。野球のように「クローザー」や「代打の切り札」は存在しない。すべて途中出場で8得点を稼いだ浅野にしても、先発でプレーしたいという欲望はまったく捨てていなかった。ましてこの年、J1・J2合計で200得点という前人未踏の記録を打ち立てた偉大なストライカーが、60~70分でベンチに下がることを「良し」とできるはずがない。しかし第6節のFC東京戦、1−1の状況で寿人と交代した浅野が決勝点をあげるなど結果を出し始めると、エースの気持ちも救われる。
「ベンチにいる選手たちも先発で出たいはずなのに、監督は自分をスタートから使ってくれる。だったら限られた時間でもやれることをやりきって、後に託そうと思えるようになった。いつも交代しているとか、シュートが少ないとか、どう思われてもいい。チームとしてどう結果が出せるかが大切で、その中に自分がしっかりと居られるかどうかが大切だなと思うようになったんです」
たとえチャンスが少なくても身体を張り、相手にプレッシャーを掛け続け、ゲームを落ち着かせる。守備の局面になればファーストディフェンダーになって相手を追い、そしてチャンスにはしっかりと決める。そんなエースの奮闘を受け継いだ切り札・浅野が試合を決めにいく。そんな方程式が成立したことで、試合のストーリーづけが明確になった。この2015シーズン、広島は19試合で先制し18勝1分という驚異的な勝率を誇ったが、一方で先制された12試合でも5勝1分6敗とかなりの確率で勝点を奪っている。森保のシンプル極まりない方程式の確立が、チームに形をもたらした。
こういう方程式はつまり、チームの競争意識が高まってレベルが向上していたからこそ、成立する。例えば野津田岳人は柴﨑が負傷離脱した夏場の厳しい時期、必死に走って戦ってテクニシャンの穴を埋めた。柏が負傷離脱すれば清水が2試合連続得点で勝利に大きく貢献。水本が眼窩底骨折で離脱すると佐々木翔が満を持してピッチに立ち、明治安田生命2015 Jリーグチャンピオンシップ第1戦では言葉通りの起死回生となる同点ヘッドを決めた。さらに清水にポジションを譲ってチャンピオンシップではベンチスタートとなった柏が奮い立ち、第1戦ではアディショナルタイムでの決勝弾を含む3得点すべてに絡み、第2戦では優勝を確実なものとする浅野の同点ゴールを見事にアシスト。「俺がここにいる」と力で示した。2012年はペトロヴィッチの遺産を引き継いで優勝という果実を受けとり、2013年は徹底した堅守で栄冠を引き寄せた。しかし2015年は攻撃も守備も、森保の戦略が結実した上での強さであり、栄光だった。

2016年以降の“王者広島”失速の原因

ところが2016年、盤石の強さを誇った広島が失速し、そして2017年には降格の危機を迎えたところで森保は退任する。Jリーグ史上稀にみる劇的な展開となったチャンピオンシップを制し、強さを知らしめた広島の黄金時代がどうして潰えたか。
もともと広島は予算的にはJ1でも中位から下位グループに属し、4年で3度の優勝という栄冠そのものが「奇跡」だという評価から入らないと、森保に対しても、ベースを構築したペトロヴィッチに対しても失礼である。広島は伝統あるクラブではあるが、予算でいえば常勝クラブではなく、中位をしっかりと確保しつつ優勝を狙い、カップ戦などでタイトルを奪いにいく。ヨーロッパでいえばそういうタイプのクラブである。ただ、明確なコンセプトがクラブに存在し、育成型という方向性を維持しながらタレントを生み出し、プレーヤーズファーストを徹底して選手たちをプレーに専念させた。そういう努力が森保時代に実を結んだ。
2016年以降の失速は、単純に戦力的な問題である。2015年のチーム得点王であるドウグラスが中東に移籍。彼の穴はピーター・ウタカという強烈なタレントの補強で埋めようとしたし、実際にそうなった。だが、寿人の後継者として期待した浅野が夏にアーセナルへと移籍したのは、クラブとしては想定外。いや、夏の移籍そのものは「ありうるかも」と計算に入れてはいたが、戦力として期待していた1stステージでの負傷離脱は大きな痛手だった。さらに、AFCチャンピオンズリーグを戦う上で貴重な戦力としていた野津田もリオデジャネイロ五輪代表選出のために出場機会を求め、移籍してしまった。守備面でいえば、佐々木が第4節・大宮アルディージャ戦で前十字靱帯を断裂し、シーズン中の復帰は絶望。戦力的に非常に厳しい局面を迎えた。それでも1stステージでは4位と健闘。それは鍛え上げた堅守と17試合13得点と大爆発したウタカの得点力が大きく貢献した。しかし、そのウタカが研究され、2ndステージ第9節以降は2得点と減速。広島の戦術的な支柱であるカズが慢性疲労症候群の兆候が出始めて不調に陥ると、チームのバランスがとれなくなる。そしてエース・寿人は出場機会が激減し、連続二桁得点はJ1で7年、J2も通算すると12年で終焉を迎えた。チームも2ndステージは10位。年間順位では6位も、クラブ史上MFでの最多得点を記録した「シャドーの申し子」である浩司の引退とシーズン後の寿人移籍が象徴するように、一つの時代が終わりつつあることを実感させた。

一つだけ残る、森保監督時代の「悔い」

その予感は2017年、17試合15得点と得点力が極端に激減したことで的中。第17節、旧師ペトロヴィッチが率いる対浦和レッズ戦、関根貴大のスーパーゴールで後半アディショナルタイムに逆転された試合を最後に、名将・森保一はクラブを去った。寿人、ドウグラス、浅野、ウタカに次ぐ得点源は、この年はついに現れなかった。
一つだけ、森保監督時代の「悔い」があるとすれば、2016年に3試合だけ試した(試合途中からという意味では4試合)3−1−2−2の形だろう。1stステージ第16節・浦和戦の61分、カズを下げて寿人を投入し、チャレンジしたこの形はチームを攻めダルマと化して圧巻の攻撃性を見せつけた。あっという間に3得点をゲットし、逆転。さらに続くヴァンフォーレ甲府戦・ジュビロ磐田戦と2試合連続して3−0と快勝。ウタカと寿人の2トップは相手にとっての恐怖であり、そしてその後から柴﨑と浅野が飛び込んでくる。続く鹿島戦も含めると、浦和戦の後半から見せた3-1-2-2のフォーメーションで戦った299分間で11得点。90分平均にすると3得点を超える爆発力が存在した。ただ鹿島との戦いでは1ボランチの横をつかれ、カウンターも度々食らって4失点。そもそも守備のリスクをこの形に感じていた森保は、次の柏レイソル戦から元の1トップに戻した。その後も3試合連続複数得点をあげ、得点力が結果として落ちていたわけではない。しかし一方で、期待していたほどに堅守が戻ったわけでもない。3−4−2−1に戻った2試合で5失点。しかもどちらの試合でも、リードしながら追いつかれている。
果たして2トップ1ボランチを継続していたら、どういう状況になっていただろうか。2007年の降格時、ペトロヴィッチが主として使っていた形だっただけに、チームとしてはトラウマもある。守備にリスクがあるのは明白で、森保が形を戻した理由も論理的だ。
もしチャレンジを続けていたら、どうなっていただろうか。そこは想像の域は出ない。もしかしたら得点量産を生んだかもしれないし、失点の山を築いたかもしれない。ただ、翌年の厳しさを知っている「神様の視座」から見た時、新システムへのチャレンジを見たかったという気持ちはある。結果論として片づけられてもいい。見たかったという気持ちを抑えることができないほど、魅力的だったからだ。

「知る人ぞ知る」選手の潜在能力を発揮させる力

話を戻そう。サッカーの監督は、戦力以上のものは出せない。ジョゼップ・グアルディオラがアマチュアクラブを指揮してUEFAチャンピオンズリーグで優勝させることは難しいだろう。だからこそ、彼はまず「いい選手」を求める。彼が考える「いい選手」を集めて、彼が考える「いいサッカー」を表現する。いい監督と評価されるのは、いい選手たちを集めて、その力の最大級を発揮させることができる人のことだ。昨年、横浜F・マリノスは素晴らしい優勝を果たしたが、もしマルコス・ジュニオールや仲川輝人、チアゴ・マルチンスや畠中慎之輔がいなかったら。16試合11得点という驚異的な成果を残したエジカル・ジュニオが負傷した後、12試合8ゴールを決めきるエリキが加入していなかったら、果たしてどうなっていたか。アンジェ・ポステコグルー監督の素晴らしさは、自分が考えるサッカーの思想を明確化し、それを表現できるタレントを集めて力を最大限に引き出し、考えたサッカーを実行して栄冠を勝ちとったことにある。
広島はクラブの宿命的なものもあり、優勝した後も主力がどんどん流出していった。それでも時代をつくることができたのは、例えば塩谷のように「知る人ぞ知る」選手を獲得して、その選手が持っている潜在的な力を発揮させることができたからだ。塩谷は水戸ホーリーホック時代からあれほど攻撃性を持ち合わせたタレントではなく、広島に移籍した後に驚異的な破壊力を示すようになった。柴﨑やドウグラスもシャドーで力を引き出され、柏は左サイドにコンバートされることで「シュート」という選択肢がより持てるようになった。ウタカの破壊力を存分に引き出したのも森保だったことは間違いない。
森保のメリットは、たくさんある。その中でも特に感じるのは、そろった選手たちの力を最大限に発揮し、チームとしての最大値を引き出すのに長けているということだ。その力があったからこそ、4年で3度の優勝を果たすことができた。ただ、「ピッチ上の監督」(森保)として絶対的な信頼を寄せていたカズが再び病に倒れたことで、指揮官の意図をプレーで表現できるタレントが不在になってしまった。重要な戦力を次々と引き抜かれてしまったことも大きいが、カズの離脱は結果として大きな痛手だった。選手の力を最大限に引き出すことが森保の特長だとすれば、それを現場で手助けしていたのがカズだったからだ。2017年、カズが不在のチームは9試合で1勝2分6敗。復帰後、彼はチームを立て直そうと奮戦したが、チーム状況を変えることはできなかった。

日本代表に欠けているワンピース

森保は日本代表監督として当初から4−2−3−1を採用し、爆発的な攻撃力を表現できている。堂安律・南野拓実・中島翔哉・冨安健洋。いずれも、彼が代表の中心選手として抜擢し、力を発揮させた選手たちだ。彼らの力を発揮したいから4−2−3−1を使っていたともいえる。一方で、オリンピック代表では3−4−2−1。これもまた、東京五輪世代の特長を研究し、このフォーメーションが結果を出しやすいという判断だったのだろう。森保はもともと「フォーメーションありきではない」と言っていた指揮官で、それは広島の歴代指導者がみんな語っていた言葉でもある。
森保が代表で思った通りのパフォーマンスを発揮できていないのは、フォーメーションどうこうではない。日本代表とオリンピック代表の強化日程がタイトに重なり、チームづくりの時間が足りなくなったことが要因として挙げられる。そういう意味では「オリンピック代表との兼務は難しいのではないか」という主張にも、一定の説得力が生まれるだろう。ただ、彼がオリンピック代表を兼務しているからこそ、冨安の抜擢もありえた。もちろん、今のようにセリエAで活躍している状況であれば抜擢も当然だが、彼の日本代表デビューはボローニャ移籍の1年前。オリンピック世代をマネジメントしているのが森保の懐刀である横内昭展コーチだったことが抜擢に大きく影響していると考えたほうがいい。兼務がいいか、専念がいいか。それは軽々に結論は出せない。もっとも東京五輪が延期されたことで、物理的に兼務は難しいかもしれない。一ついえるのは、森保の意図を完璧に理解し、プレーで表現して周囲に影響を与えることができる森﨑和幸的な選手がいれば、とは思う。アルベルト・ザッケローニや西野朗といった指揮官には長谷部誠という存在がいた。ヴァヒド・ハリルホジッチがワールドカップ最終予選後に結果を出せなくなっていたのは、長谷部がケガがちだったことも要因だろう。
かつて西岡明彦アナウンサーは広島の新監督に森保が就任した時、「彼にはコミュニケーション能力と孤独に耐えられる性格、それらをひっくるめてのヒューマンパワーがある。何よりも勝ち運を持っている人。だから、成功するんじゃないかと勝手に思っているんです」と語っていた。その予言は、当たっていた。
その時、西岡アナは岡田武史元日本代表監督の例も引き合いに出し、「岡田さんはコーチしか経験がなかったのに、いきなり日本代表監督になって結果を出した。あの人も戦術どうこう以前に、勝ち運を持っている人だと思うんです」と指摘した。考えてみれば、岡田が率いた日本代表チームは、何度も苦境に立ちながらも、結果として本番には結果を出している。1997年の時の「本番」はワールドカップ最終予選で、2010年の時はワールドカップ本大会が「本番」の位置づけだった。
長谷部誠を代表のキャプテンに抜擢したのも2010年大会直前の岡田監督時代だった。現状では不在となっている「岡田監督やザッケローニ監督にとっての長谷部誠」や「広島時代の森﨑和幸」も、早晩に発見できるかもしれない。それが大きなフックとなれば、選手の力の最大限を引き出すことに長けている森保の日本代表は、パフォーマンスをV字回復させられるのではないか。多分にひいき目が入っているが、彼の監督としての歴史を知る者としては、そう考える。森保の苦境も勝利への一里塚。広島時代の優勝も、必ず大きな苦境が存在し、そこを乗り越えて勝ちとってきたのだから。
日本代表監督に就任してからも何度か森保一に取材し、長時間にわたって話を聞いたこともあるが、人間性は広島時代とまったく変わっていない。フランクで優しくて、自分よりもまず相手を慮る。何よりも正直だ。筆者が知っている森保一のまま、彼は重責についている。だからこそ、成功してほしい。心の底から、そう願う。
<了>

2つのミスで2失点のGK大迫敬介「判断が良くなかった」


月8日の明治安田生命J1リーグ第3節で、大分トリニータに1-2で逆転負けを喫したサンフレッチェ広島。終了間際に2失点を喫したGK大迫敬介はミスを反省しつつ、すぐにやってくる次節へと気持ちを切り替えた。 ■2020年7月8日 J1リーグ第3節(@Eスタ) 広島 1-2 大分 得点:(広)レアンドロ・ペレイラ     (大)高澤優也、三平和司

今季初失点から逆転負け

 試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、ヒザに手をついてうなだれた大迫は、そのまま10秒以上も顔を上げることができなかった。2つのミスが2つの失点に直結し、1点のリードを守り切れず逆転負け。ルヴァンカップも含めて今季公式戦3連勝、しかもすべて無失点という前節までの順調な歩みが、再開後初のホームゲームで暗転した。  10分に先制した後、追加点を奪えないまま迎えた終盤は自陣に押し込まれる時間が長くなり、広島にとって嫌な流れだった。「後半途中から相手が少し戦い方を変えてきて、ロングボールの競り合いに強い選手を前線に置いて来ていたので、『ロングボールが多くなるぞ』と味方と話していた」と大迫は試合後に語ったが、それでも失点は食い止めていた。  だが85分、大分DF三竿雄斗が左サイドからゴール前に入れてきたロングフィードに対し、飛び出しが少し遅れた。走り込む大分FW高澤優也をマークしていたのは、DF荒木隼人。しかし結果的にどちらも処理できず、高澤にヘッドで先に触られ、無人のゴールに流し込まれた。今季初失点を、大迫は「ボールの質と相手の高さから逆算しながら、自分が出るべきだったのか、味方に任せるべきだったのか。その判断が良くなかった」と振り返った。  直後の86分にも右からのセンタリングを、高澤に右足ボレーで狙われたが、これは大迫が素晴らしい反応で防いだ。そのまま試合は進み、4分と表示された後半アディショナルタイムも終わろうとしていた90+4分。FKをキャッチした大迫は、カウンターを狙って右サイドに走り出した荒木にスローイングでフィードしたが、ボールが内側に寄り過ぎて自陣でカットされ、逆カウンターを浴びることに。そのまま左から攻め込まれ、センタリングをFW三平和司に決められた。 「すごく悔やまれます。自分が勝利に貢献したいと思ってプレーしている中で、ああいう失点。時間帯によってのプレーや判断を、もっと良くしていかなければいけない」。反省の弁が続いた一方で、次節のサガン鳥栖とのアウェーゲームは12日に控えている。大迫は「ロッカーに帰ってから話しましたが、この課題を次の試合に生かさないと、今日の試合の意味がない。しっかり切り替えて、課題を修正したい」と言葉に力を込めた。 現地取材◎石倉利英 写真◎J.LEAGUE

片野坂采配がズバリ的中! 大分が終盤85分からの連続得点で広島に2-1逆転勝利!!

7月8日にJ1リーグの第3節が各地で開催。エディオンスタジアム広島で行なわれたサンフレッチェ広島対大分トリニータの一戦は、アウェーの大分が2-1で勝利した。

 試合は10分に広島が先制する。ドウグラス・ヴィエイラが高い位置で相手DFのボールを足に引っ掛けると、こぼれ球を拾った青山敏弘がワンタッチでスルーパス。反応したレアンドロ・ペレイラはペナルティエリア内から右足を振り抜き、ゴールネットを揺らした。L・ペレイラは前々節の1得点、前節の2得点に続いての3試合連続ゴールとなった。

 対する大分はボールを回しながら隙を窺うが、広島の規律ある守備に苦戦し、シュートまで持ち込むシーンはわずか。さらに40分にはシャドーの町田也真人を負傷で失うなど、苦しい前半だった。

 広島が1点リードで前半を折り返す。
 反撃に出たい大分は、後半頭からワントップの伊佐耕平を知念慶に替える。しかし、後半も広島相手に決定機を作ることはできず。逆にカウンターからL・ペレイラや森島司にゴールを脅かされる展開が続いた。

 そのまま大分は広島の堅守を崩せないかと思われたが、85分に同点に追いつく。三竿雄斗が左サイドからアーリークロスを入れると、途中出場の髙澤優也がヘディングシュート。ボールをパンチングしようと飛び出していたGKの脇を抜け、ゴールに吸い込まれた。

 さらに大分は90+4分に香川勇気が左サイドからペナルティエリア内にクロスを供給。中で待っていた途中出場の三平和司が左足でゴールに流し込み、大分は試合終了直前に逆転に成功した。

 そのまま試合は終了。アウェーの大分がリーグ3連勝中だった広島を2-1で下した。

 次節は広島がアウェーで鳥栖と、大分がホームで神戸と戦う。

構成●サッカーダイジェスト編集部

攻守で非の打ち所がないサンフレッチェ。なかでも際立つ存在が…


守備戦術はますます洗練されていると思った

中断前の開幕戦に続き、ヴィッセルとの再開初戦も3-0の完封勝利。攻守両面の充実ぶりは素晴らしいね。(C)SOCCER DIGEST
 いよいよJ1が再開された。7月4日に2節の計9試合が行なわれ、各地で熱戦が繰り広げられた。そのなかで最も印象的だったのが、敵地でヴィッセルを3-0で下したサンフレッチェだ。

 2月下旬の開幕戦では、アントラーズにも3-0で勝利。スタンディングのトップに立ち、2試合を終えて6得点・0失点と、攻守両面で非の打ち所がない成績を出している。とりわけ、守備の安定感は際立っているよね。

 ヴィッセル戦はポゼッションで相手より下回ったけど、劣勢を強いられていたわけではない。むしろ、相手にボールを“持たせている”ように見えた。自陣バイタルエリアの前で潰せばいいから、それまではどうぞご自由に、という感じかな。攻められていても、どこか余裕がある。慌てていない。ボールを奪うべきポイントがはっきりしていて、そこに誘い込むのが上手い。守備戦術はますます洗練されていると思った。

 プレシーズンのキャンプを見に行った時、城福監督はレアンドロ・ペレイラやドウグラス・ヴィエイラといった外国人選手に対しても、“二度追い”とか守備のタスクをみっちりと教え込んでいた。あくまでも僕の印象だけど、外国人選手にここまで徹底して要求する監督って、あんまりいないと思う。でも、城福監督は違う。一切の妥協を許さない。その指導力の高さは、例えば右サイドで縦横無尽に動き回って、守備も精力的にこなすハイネルのプレーでも証明されているはず。

 そして攻撃に出れば、チャンスをしっかりと決め切る勝負強さが光る。開幕戦で1得点のレアンドロ・ペレイラは、ヴィッセル戦では2ゴール。得点源として頼もしい仕事ぶりを見せているよね。

 鋭いカウンターを繰り出せば、ボールを回しながら隙をうかがうこともできる。相手からすれば、本当にやっかいなチームだよ。
 試合巧者で、状況に応じて柔軟に戦うことができる。その中で、ボランチの青山の存在は大きいと思う。常に顔が上がっていて、360度を見渡しながら、的確にボールを配給する。余計なことはしない。シンプルなパス捌きで、チームのリズムを整える。

 派手さはないかもしれないけど、でも一番効いている。一つひとつのプレーに迷いがないから、相手も簡単に飛び込めないし、捕まえづらいと思う。時間の作り方も絶妙で、キープしながら味方とチームを良い状態にする。まさに“味のある”選手だよね。

 青山のような経験豊富な実力者に加えて、計算できる助っ人、森島や大迫といった活きのいい若手もいる。成長著しい川辺や荒木のさらなる飛躍も楽しみ。今季加入の浅野も気になる選手。自慢の走力で果敢に相手の背後を突けば、ディフェンスの意識も高いし、迫力がある。今後、最注目のひとりだ。

 成熟された戦術と豊富な戦力。しっかりと結果も出ているだけに、選手たちも自信を深めているはず。今季のサンフレッチェは手強そうだね。

再開初戦で記念すべきJ1初ゴール! 日本代表戦士の弟・浅野雄也はチームの重要なピースとなりえるか


J1リーグ2節]神戸0-3広島/7月4日(土)/ノエビアスタジアム神戸  日本代表FW浅野拓磨の弟・雄也がJ1出場2試合目で記念すべき初得点を挙げた。
浅野は、開始20分にMF柏好文が負傷したことで急遽途中出場。思わぬ形での投入となったものの、臆することなく積極的に攻撃に加わり、相手がボールを保持する時間が多い展開の中でも、交代する86分まで果敢にチェイシングを繰り返した。  待望のJ1初ゴールが生まれたのは後半開始直後の48分だった。アタッキングサードでの素早いパス回しからペナルティエリア手前中央の川辺駿にボールが渡ると、ディフェンスラインの裏へ斜めに走り込んできた浅野に正確な縦パスを供給。これを浅野は左足のダイレクトでゴール左上に突き刺した。 「アクシデントで出番が早かったんですけど、自分はいつ出てもいいように準備をしていたので、なんの問題もなく入れました」  そう話す浅野は、昨夏に水戸から兄・拓磨の古巣でもある広島に完全移籍するも、2019年はそのまま水戸に期限付きで残留。今季レンタル復帰を果たした際にはクラブのリリースで、「ライバルとして、お互い刺激し合いながら頑張っていきたい」と兄からメッセージも寄せられていた。    J1で初となる自身のゴールシーンについて浅野は、「最後の裏への抜け出しっていうのは自分の特徴でもある」と自信を口にし、「あの際どいところで(川辺)駿くんがとても良いパスを出してくれたので、あとは本当に決めるだけでしたね」と先輩への感謝も忘れず、謙虚に振り返っている。  実質1年目となる広島で、いずれも途中投入ではあるが、リーグ戦に2試合連続で出場。ついに結果で実力を示した。「今日来れなかった広島で残っている選手たちにも、本当に紅白戦から激しいライバル争いが出来ていたので、チームのおかげだなと思います」と好調の要因を口にした浅野。主にシャドーやウイングバックを主戦場とし、スピードを生かした突破で攻撃に推進力を生む。過密日程となる今季、広島にとって重要な戦力となりそうだ。 取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)
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2ゴールのL・ペレイラを文句なしの最高評価! 再三チャンス創出のクラックも高採点に

J1リーグ2節]神戸0-3広島/7月4日(土)/ノエビアスタジアム神戸 【チーム採点・寸評】 神戸 6 前半は約60パーセントの高いポゼッション率でゲームを支配。しかし、35分の失点から主導権を相手に譲り、後半にカウンターから2失点。残念な結果となった。
【神戸|採点・寸評】 GK 18 飯倉大樹 6 序盤はL・ペレイラの強烈ミドルを防ぐビッグセーブもあったが、35分にCKからこぼれ球を押し込まれて失点。結局3失点はいただけない。 DF 33 ダンクレー 5.5 前半の序盤は柏と森島、浅野にうまく対応した。だが、後半に入るとやや運動量が落ち、L・ペレイラを止められずダメ押し弾を献上してしまった。 25 大﨑玲央 5.5 身体を張ってL・ペレイラやD・ヴィエイラを潰し、落ち着いてビルドアップも行なえた。だが、3失点の責任は残る。 3 渡部博文 5.5(55分OUT) パスや守備で判断スピードの遅れが目立った。浅野のゴールシーンでは、アシストした川辺にしっかりと寄せ切れずに失点を招いた。   MF 22 西 大伍 6(87分OUT) 前半は守備に追われた。小川や田中が投入された後半は、システム変更の効果もあって躍動。イニエスタとの連係から敵陣深くで積極的な仕掛けも。 6 セルジ・サンペール 6(65分OUT) 最初の失点まではアンカーとして機能していた。しかしながらゴールを狙いに行く時間帯にトランジションを上げられず、65分に交代。 8 アンドレス・イニエスタ 6.5 33分のドリブルシュート、43分の山口へのスルーパス、77分のミドルシュートなど見せ場を作った。だが、どれも得点には結びつかなかった。 5 山口 蛍 6.5 前半はインサイドハーフとして前からプレスをかけて相手の脅威となり、後半はボランチとしてゲームをコントロール。個人としては及第点の活躍。 24 酒井高徳 5.5 運動量も多く攻守で貢献。だが、ドウグラスへの縦パスが合わないなど連係に課題も。浅野に背後を取られ失点したシーンには悔いが残る。
FW 11 古橋亨梧 6 42分にドリブルからループシュートを狙うなど存在感は出せた。だが、野上や川辺に潰されるシーンも散見。相手の脅威にはなれなかった。 49 ドウグラス 6(87分OUT) 前線でボールを収め、攻撃の起点となった。強烈な直接FKもあったが、山口からの折り返しをフリーで受けた43分の場面は決めたかった。   交代出場 FW 13 小川慶治朗 6(55分IN) 渡部と交代でピッチへ。主に右のインサイドでプレーし、後方から縦パスを引き出してリズムを変えた。しかし最後まで決定的な仕事はできなかった。 FW 21 田中順也 6.5(65分IN) サンペールと交代で入り、前線へ投入。降りてパスを受け、イニエスタや西にボールをはたきゴール前へ、という一連の動きで神戸に流れを引き戻した。 FW 9 藤本憲明 ―(87分IN) ドウグラスと交代で入り、そのままトップの位置へ。ほとんど何もできないまま終了となった。 DF 44 藤谷 壮 ―(87分IN) 西と交代でピッチへ。右サイドでの突破が期待されたが、佐々木にうまく処理されて思うようにいかなかった。 監督 トルステン・フィンク 6 全体的に自分たちのポゼッションサッカーはできたが、不運な失点もあって敗軍の将に。引き分けに終わった開幕戦と同じく、相手ブロックの崩しに課題が残った。 ※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。 ※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。 ※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。

広島――しっかりとブロックを敷いて無失点。狙い通りのショートカウンターも

【チーム採点・寸評】 広島 7 イニエスタには翻弄されたが、最後は身体を張って阻止。攻撃では狙い通りのショートカウンターでゴールを重ね、終わってみれば広島の試合と言っていい内容だった。 【広島|採点・寸評】 GK 38 大迫敬介 6.5 64分のドウグラスのFK、77分のイニエスタのミドル、90分の田中のボレーなどをビッグセーブ。MOM級の活躍で勝利に大きく貢献した。 DF 2 野上結貴 6.5 33分のイニエスタのシュートをブロックするなど守備で貢献。さらに気の利いたオーバーラップで相手DFを翻弄した。GK 大迫と同じく影のMOM。 23 荒木隼人 6 全体を通してドウグラスを抑えた印象。特に43分のシュートブロックは好プレー。あのシュートを入れられていたら結果は変わっていたかもしれない。 19 佐々木翔 6 前半の山口との1対1は迫力があった。43分にイニエスタと山口のホットラインで裏のスペースを崩された以外は、ほぼ完璧に抑えた印象だ。   MF 44 ハイネル 6 縦横無尽に動き攻守で活躍し、イニエスタへのしつこいチャージも光った。特に50分にはタイトプレスでイニエスタのシュートミスを誘った。 6 青山敏弘 6(86分OUT) 川辺や野上が攻め上がった後のスペースを埋めながら、うまくゲームをまとめた。3点目のショートカウンターは青山の前線での守備から始まっている。 8 川辺 駿 6.5 53分には古橋のカウンターを未然に阻止するなど守備で貢献。また、47分にワンタッチパスで浅野のゴールを演出するなど攻撃でも輝きを見せた。 18 柏 好文 6(20分OUT) パス交換とドリブルでの仕掛けを使い分け、左サイドで攻撃の起点を作った。だが、川辺からのロングパスを追う際に右太もも裏を痛めて無念の交代に。 9 ドウグラス・ヴィエイラ 6(61分OUT) 前線から積極的にプレスをかけ続けた功労者。39分にはショートカウンターからフリーでシュートも枠外に。運動量が落ちた後半に交代した。 10 森島 司 6.5 エースナンバーがピッチ上で躍動。最終ライン付近で守備をしたかと思えば、次の場面では最前線にも顔を出した。1点目は森島のCK から。
FW MAM OF THE MATCH 39 レアンドロ・ペレイラ 7 34分のハイネルが反らしたヘディングに反応して1点目。81分には少し流れた東からのパスに反応しGK の脇を抜く技ありゴール。勝利を決定付けた。   交代出場 MF 29 浅野雄也 6.5(20分IN)(86分OUT) 柏のアクシデントで予定より早くピッチへ。スピードを生かしたドリブルで左サイドをかき回した。34分には嬉しいJ1初ゴールも。 MF 24 東 俊希 6.5(61分IN) D・ヴィエイラと代わって出場。積極的に相手DFの背後を狙い、71分には川辺のパスからGK と1対1の場面も。81分にはL・ペレイラの2点目をアシストした。 MF 30 柴﨑晃誠 ―(86分IN) 青山と交代でピッチへ。3点をリードして、残り時間もわずかなシチュエーションでの投入だったが、しっかりと無失点に抑えた。 MF 50 藤井智也 ―(86分IN) 残り4分で、無失点で抑える時間帯での起用だったため、なかなか本来のプレーを見せる機会の無いまま終了した。 監督 城福 浩 6.5 柏の早期離脱というアクシデントがありながらも、冷静にプランを遂行。狙い通りのショートカウンターで2試合連続3−0勝利は見事だ。 ※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。 ※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。 ※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。 取材・文●白井邦彦(フリーライター)

神戸相手に3発快勝も指揮官は厳しい表情。ポゼッションでの劣勢に課題「少し持たれすぎた…」

[J1・2節]神戸0-3広島/7月4日/ノエビアスタジアム神戸  再開初戦で神戸のホームに乗り込んだ広島は、相手のポゼッションサッカーに苦しんだものの、チャンスを逃さず得点を重ねて、結果的に3-0の快勝を収め開幕から2連勝で首位をキープした。
試合は立ち上がりから神戸にボールを握られる展開が続いた。それでも広島は慌てることなく、コンパクトな陣形を保って相手に不用意なスペースを与えず、良い形でフィニッシュまで持ち込ませなかった。安定した守備が功を奏し、35分にはCKから得点を奪うと、さらに48分、81分と少ない決定機をしっかり決め切り、優秀なタレント陣を擁する神戸相手に3得点を奪った。  しかし城福浩監督は試合内容に関して、「少し持たれすぎた」と反省を口に。昨季、3-4-2-1システムでのポゼッションサッカーが浸透し、手応えを感じて臨んだ今季だっただけに、広島にとっては決して満足のいく勝利ではなかったのだ。   「神戸のポゼッションが非常に良かった。もう少し押し込みたかったし、自分たちのボールを持つ時間を増やしたかったですけど、ただ奪ったところでは、ほぼ最終ラインがマンツーマンで潰しに来るのが分かっていたので、そこのチャンスは狙っていました。ただ狙い通りというよりは、もう少し自分たちの時間を作れるチームにしたいと思いました」    さらに広島は今シーズン、高い位置でのボール奪取からのショートカウンターを増やすことも目標としている。神戸戦でも、39分に前線でのパスカットから素早いカウンターを発動させ、決定機を創出。ペナルティエリア右でボールを収めたレアンドロ・ペレイラのラストパスが、ゴール前でフリーとなっていた選手に合わず得点には結びつかなかったが、求めていた攻撃の形が垣間見れた。   「ショートカウンターを発動したいというのが目標なので、もっと前半の早い時間から、その押し込むシーンを見せなければいけない。ただその2つ3つ前のところでちょっとパスがぶれたりはしていたので、もっともっと精度を研ぎ澄ませていかなければいけないです」    3発快勝という結果とは裏腹に多くの課題を挙げた城福監督だが、それでも「ボールを奪いにいくところの意思統一が90分間できたっていうところが我々の得点に繋がった」と自信も覗かせた。あとは攻撃面での改善が見られれば、連勝街道も夢ではない。   取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

昨季ブレイクを象徴する神戸戦、森島司は「泥臭く戦って勝つ」


サンフレッチェ広島は7月4日のJ1リーグ再開初戦で、ヴィッセル神戸と対戦する。昨季の神戸戦で悔しさと歓喜、両方を味わったMF森島司は、昨季は出場機会がなかったアウェーゲームでの活躍を期している。

神戸には「良い印象がある」

 小雨が降る中で前日練習を終え、MF森島司は「頑張ろうと思います」と淡々と語った。長い中断期間を経ての再開となるが、「自分が得点に絡むところは、常に意識しているし、チームの底上げはできている。連戦になっても大丈夫だと思う」と語るように、自身とチームの状態に確かな手応えをつかんでいる。  サンフレッチェ広島は再開初戦、アウェーでヴィッセル神戸と対戦する。振り返れば昨季の神戸との2試合は森島にとって、シーズン途中のブレイクを象徴するものだ。  最初の対戦は4月14日、第7節のアウェーゲームだった。チームは4-2で勝って5連勝を飾ったものの、控えだった森島は出番なし。開幕からのリーグ戦7試合で出場したのは、第3節で交代出場しての18分間のみで、控えで出番なしが3試合、あとの3試合はベンチメンバーからも外れている。  当時はポジションも2シャドーの一角ではなく、右サイド(ウイングバック)で、主戦場はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)だった。しかし、そのACLでプロ初ゴールを決めるなど結果を残すと、リーグ戦でも先発起用された5月26日の第13節、浦和レッズ戦でJリーグ初ゴールとなる先制点。リーグ戦での連敗を5で止める、4-0の快勝の立役者の一人となり、これを機に2シャドーの一角で定位置をつかんだ。  迎えた10月5日の第28節、ホームでの神戸戦は、2得点2アシストという圧巻のパフォーマンスで6-2の大勝に貢献する。半年の間に確固たる地位を築き、最終的にキャリアハイのJ1リーグ24試合出場・3得点の結果を残した。  直近の対戦で好プレーを見せたことで、神戸には「良い印象はある」と語る一方、「実力のあるチーム。集中して試合に入らなければいけない」と警戒する。「先制点を取らないと厳しい戦いになるので、先制点が大事」と、最初の1点が大きなポイントになるとの見方を示した。  2月に消化した公式戦2試合で5得点、無失点と好スタートを切っており、「たくさん点を取って、無失点でいくことができているので、それができるのが理想」とイメージしつつ、「それが無理としても泥臭く戦って、最後に勝ちたい」と言葉に力を込めた。今季から背番号10を背負う男は、再開初戦からエンジン全開で勝利を目指す。 取材◎石倉利英 写真◎石倉利英

広島の初代アンバサダー・森﨑浩司氏、今季のチームを分析 「キーマン」に挙げた2人は?






























広島の森﨑浩司アンバサダー【写真:Football ZONE web】
広島の森﨑浩司アンバサダー【写真:Football ZONE web】

遅攻と速攻の融合を目指すなか、“新10番”の森島と“新8番”の川辺に期待

 サンフレッチェ広島は今年、城福浩監督の就任から3シーズン目を迎えた。新型コロナウイルスによる約4カ月の中断を経て、7月4日に再開初戦となる敵地・ヴィッセル神戸戦を迎えるなか、クラブの初代アンバサダーを務める森﨑浩司氏にチームの見どころを訊いた。
 今季はMF稲垣祥こそ名古屋グランパスに移籍したものの、その他の中心選手は抜けることなく、MF浅野雄也(←水戸ホーリーホック)、MFエゼキエウ(←ボタフォゴ)、FW永井龍(←松本山雅FC)らを加えて陣容を強化。浩司氏も「戦力が充実していて、攻守のバランスがいいと思います」と期待を寄せる。
 2月23日に行われた開幕節の鹿島アントラーズ戦はFWドウグラス・ヴィエイラ、FWレアンドロ・ペレイラ、MF森島司のゴールで3-0と快勝。「城福監督の積み上げてきたものが、かなりレベルの高いところまで来ている」(浩司氏)というチームの最大の特徴が、ポゼッションと速い攻撃の融合だ。
「自分たちがより主体的にボールを握って、アクションしていくサッカーは、昨シーズンの夏場から目指しているスタイルです。今年はプラスアルファで、開幕戦のゴールのように速い攻撃が加わった。今のサッカー界では速い攻撃は主流ですし、スピードのある選手が加入したので、上手く機能すれば遅攻と速攻が確立されます。もちろん、まだ改善点はありますけど、開幕戦をベースにより攻撃的なチームになってほしいですね」
 浩司氏がキーマンに挙げたのが、今年から「10番」を背負う東京五輪世代の森島と、クラブのレジェンドである兄・森﨑和幸氏(現・広島C.R.M)の「8番」を受け継いだMF川辺駿だ。
「森島と川辺はまだ若いですけど、チームを引っ張っていかないといけない立場。特に、カズがずっと背負ってきた『8番』になった川辺への周囲の期待値は上がるし、本人にも責任感が生まれると思います。カズが一番頑張ってほしいと思っているはずです」




























広島を率いる城福浩監督【写真:Getty Images】
広島を率いる城福浩監督【写真:Getty Images】

「今年は戦力も充実して、タイトルを目指せるチームになっている」

 浩司氏は昨季から自身がつけていた「7番」を背負うMF野津田岳人にもエールを送る。
「『7番』『8番』はアカデミーで育って、長くサンフレッチェで活躍できるような選手に背負ってほしい。昨シーズンは『8番』がいなかったなかで、川辺が1年間通して試合に出ました。ガクは同じ左利きでずっと期待しています。彼がこれからどう変わらなければいけないか、大事になってくる。序列を覆すべく、少ないチャンスをどんどんモノにしてほしいです」
 広島は2024年春、広島市中心部の中央公園広場に3万人収容のサッカー専用スタジアムが完成予定となっている。念願の新スタジアム開業、そしてその舞台に立つことを夢とする子どもたちを輩出すべく、初代アンバサダーとして普及活動を続けていきたいと浩司氏は語る。
「今年は戦力も充実して、タイトルを目指せるチームになっています。毎年優勝争いをしていれば、サンフレッチェを見る目もどんどん変わって、サポーター・ファンも増えてくるはず。スタジアムができる2024年までJ1に居続けて、なおかつ上位で戦えるチームであるべきだと思います。サッカーを続けてサンフレッチェでプレーすることで、あのスタジアムのピッチに立てる夢を伝えていきたいなと。PRや広報活動を頑張って、その経験ができる可能性のある子どもたちをどんどん輩出していきたいと思います」
 浩司氏、和幸氏の“森﨑兄弟”のサポートとともに、広島は2020年も全力疾走を続ける。(Football ZONE web編集部・小田智史 / Tomofumi Oda)

城福監督は神戸を警戒しつつ「積み上げてきたものを出す」


7月4日のJ1リーグ再開初戦で、ヴィッセル神戸と対戦するサンフレッチェ広島。7月3日に前日練習を終えた城福浩監督は、公式戦2連勝スタートを切っていた開幕当初の勢いを持続すべく、強い決意を示している。

神戸は「個人のレベルが高い集団」

 7月4日に再開するJ1リーグ第2節で、サンフレッチェ広島はヴィッセル神戸とアウェーで対戦する。3日の前日練習は広島市内で行なわれ、小雨が降る中で約1時間のメニューを消化。神戸を想定した実戦形式の紅白戦や、セットプレーの攻め方、守り方などを確認しながら、城福浩監督は「こういう状況は明日もあるぞ!」などと指示を飛ばしていた。  広島は今季、公式戦の初戦となった2月16日のルヴァンカップ・グループステージ第1節で、横浜FCにアウェーで2-0の勝利。同23日のJ1リーグ開幕戦、ホームでの鹿島アントラーズ戦は3-0で勝利を収めている。  公式戦2連勝の好スタートを切り、同26日のルヴァンカップ・グループステージ第2節に向かっていたが、直前になって延期に。その後も三度にわたる延期があったが、トップチームの活動休止が終わった後は、慎重にコンディション調整をしながら準備を進めてきた。  前日練習を終えた城福監督は「難しい状況をみんなで乗り越えてきた。練習試合も思うように組めなかったが、それはどのチームも同じ。自分たちがやれる範囲の中でやれてきた自負はあります」ときっぱり。「全員がケガなく再開を迎えられるのは心強い」と、現在のチーム状態に自信をのぞかせた。  神戸とは昨季リーグ戦でホーム、アウェーとも勝っており、2試合で10得点を奪っている。最近の相性は良いが、城福監督は「ビッグネームがいるし、非常に個人のレベルが高い集団であると認識している。加えて(昨年度の)天皇杯、(今季の)幕開けのゼロックス(富士ゼロックス・スーパーカップ)と、直近のタイトルを2つ取っている」と敬意を示し、「我々が対戦したときよりも明らかに進化している」と警戒した。 「彼らの個人のレベルの高さ、お互いの特徴を生かし合うことは、しっかり頭に入れなければいけない」とも語った城福監督だが、一方で「ただし、一番大事にしたいのは自分たちのサッカー。相手のことを気にし過ぎて、我々の目指すものが削れてしまうのは良くない。積み上げてきたもの、今年目指すものを、しっかり出すことが大事」とコメント。自分たちの持ち味を発揮することが、最も重要であるとの認識を示した。


日本代表塩谷司選手が徳島にスクール開校!なぜUAEにいながらスクール生と一体感を持てる?オンライン交流やサッカーノート交換日記の取り組みも



塩谷 司 選手



1988年12月5日生まれ
徳島県出身
南小松島FC
大松SC
大塚SC
徳島県立徳島商業高校サッカー部
国士舘大学
水戸ホーリーホック
サンフレッチェ広島
2017年シーズンからアル・アイン(UAE)所属

2014年から日本代表として活躍。
リオデジャネイロオリンピックにオーバーエイジ枠で出場。
FIFAクラブワールドカップ2018で4試合フル出場、チームの準優勝に貢献。

現在、UAEで現役プロサッカー選手として生活をしながら、徳島で開校した「塩谷司サッカースクール」のスクールプロデュースに取り組んでいる。
UAEにいる時にも常にスクールの子ども達に目を配れるよう練習動画をチェックしたり、サッカーノートに目を通しコメントを返すなどきめ細かい関わりを欠かさない。

薩摩将輝 スクール責任者



藍住町出身-藍住北FC-大塚FCジュニアユース-藍住東中-徳島商業高校
徳島商業高校:第82回83回84回全国高校サッカー選手権大会出場
第84回大会ベスト16
徳島県高校サッカー優秀選手
■資格
公認指導者B級ライセンス
キッズリーダー
AFENスペインサッカー協会認定指導者ライセンスモニトール
リスペクトF.C.JAPANクラブ員
KOBA式体幹B(バランス)認定トレーナー
リズムトレーニングデュフューザー

塩谷選手と同じ徳島商業高校サッカー部の一つ上の学年に所属。
塩谷選手がサンフレッチェ広島所属時代は、前職の仕事を休んでも試合に駆けつけるほどの「塩谷司ファン」(本人談)であり、同じ部活で汗を流した仲間、そして良き理解者。
塩谷司サッカースクールの構想段階で「スクールの責任者を任せられるのはこの人しかいない」(塩谷談)とオファーされ、快諾。
現在は「学べるものはなんでも学ぶ」姿勢で、スクール経営とスクールコーチとしての指導に取り組んでいる。

「失敗したらどうしよう、怒られる」を無くしたい



—塩谷選手、薩摩さん、本日はお忙しい中お時間いただきありがとうございます。
さっそくですが、塩谷サッカースクールではスクール方針が「心技体考」と普通の「心技体」に「考」がプラスされていますね。
これにはどういった意味があるのですか?

塩谷司選手(以下塩谷)
これは、僕の希望で入れてもらいました。
サッカーは「心」メンタルの部分、「技」技術、「体」体の強さや足の速さが必要ですが、それだけではなくて「考えること」がすごく大事なスポーツです。

練習時間を短く設定しているのですが、その中でしっかり頭を使う。
どういう意図を持って、どういう状況かを判断しながら練習ができるように工夫しています。

ドリブルに特化したスクール、パスサッカーのスクールなどありますが、こういったスクールは確かにすぐに効果が見えやすい。
それに比べると「考える」ということは短期的に効果が見えるものではないかもしれないけれど、サッカーだけではなくて、全てにおいて、何をするにしても「考える力が大事」だと思うんです。

ですから、日頃からスクール責任者として子ども達と接している薩摩には、指導の中で繰り返し子ども達に考えることの重要性を伝えてもらうようにしています。

薩摩将輝さん(以下薩摩)
サッカーをしている子ども達の中には「失敗すると怒られる」というイメージを持っている子がいると思うのですが、「失敗して怒られる」ってどうかと思うんです。

うちのスクールでは、なぜ失敗したのか、子供たちに考えてもらうようにしています。
僕たち指導者は子どもがその答えを出せるように、導いていく。
指導者が全て教えてしまうと、それも自分の頭で考えられていないので、成功するにはどうすればいいか、みんなで考えてもらうようにしています。

僕たち指導者も、子ども達が考えて、そしてチャレンジして失敗しているのかどうかは、見ていてわかるんですよね。
自分で考えて、楽しみながらプレーしてもらいたい。
「失敗したらどうしよう、怒られる」というイメージを無くしていきたいですね。


—薩摩さんは「AFENスペインサッカー協会認定指導者ライセンスモニトール」を取得されたそうですね。指導の中にスペインサッカーの要素を取り入れているのですか?

薩摩
いえ、これはそういう訳で取ったのではないんです笑
あくまでも個人的に勉強のためというか・・・

塩谷
徳島県ではまだまだ若い指導者が育っていないなと感じるところもあって、薩摩にはスペインサッカーの指導法だったり、KOBA式体幹トレーニングなど、お金をかけて良いからどんどん勉強してもらっているんです。

今はいろいろな指導方法があるので、昔の指導法では取り残されてしまう。
かといって、地域の少年団では、ボランティアでコーチをしてくれている方がお金をかけて新しい指導法を学んだりするのは、時間的にもコスト的にも難しいのが現状です。
ですから、その分もスクールに来てくれた選手に出来るだけ質の高いトレーニングを提供して、そこで学んだことをチームに持ち帰ってもらいたいと思います。
薩摩にはスクール立ち上げのときには仕事をやめてもらって、スクール指導に専念してもらいました。
今は、できる限り学んでもらって、練習方法や道具一つにしても、意図がある良いものはどんどん取り入れています。

スクールの練習内容は、基本の止める蹴るという基本の技術の習得と「サッカーを楽しむ」ということを中心にしています。


—スクールでは練習風景を時々動画で撮影して、子ども達が書いているサッカーノートと共に塩谷選手もチェックしているとお聞きしました。
塩谷選手からのコメントを楽しみにされているお子さんも多いようですね。
しかし、現役プロ選手である塩谷選手、お忙しい中時間を割いて動画やサッカーノートのチェックをするのは大変では?

薩摩
サッカーノートはスクール構想段階からやりたいねと言っていたことです。
選手がノートに書いて、自分で見て、練習やプレーを振り返ることはすごく大事なことです。
高学年クラスでは開設当時から実施しています。
月の終わりにノートを写真に撮って、塩谷との共有フォルダに入れて渡し、一人一人にコメントをもらって保護者さんを通じてお子さんに渡すという流れでやっています。

塩谷
僕自身、徳島出身としても子ども達へ何かしてあげたいという気持ちで、子ども達のためにスクールを作りました。
自分の名前をみてこのスクールに来てくれている子ども達に、年に1回日本に帰ってきた時だけ顔を出すだけというのは違うんじゃないかなと思って。
練習風景の動画を観て、子ども達が成長しているのを感じるのが楽しいです。
サッカーノートは、子ども達との交換日記という感覚ですね。
子ども達の書いていることを見て、こういう性格の子なのかなとか、こういうことを考えているんだなというのが分かるので、自分自身も読むのが一つの楽しみになっています。
サッカーノートの他に、薩摩から普段のトレーニングレポートで、こういうトレーニングをして子ども達の様子はこうだった、保護者の方達の声や子ども達の声なども渡してもらっています。
それに対して、僕が気づいたことをフィードバックしています。
普段からコミュニケーションを取って、しっかり意識の共有をすることがすごく大事なことじゃないかと思っています。
薩摩
塩谷とはUAEと日本で遠く離れていて、子ども達がなかなか(塩谷選手が所属する)アルアインの試合を見られません。
ですから、アルアインのダイジェスト動画を見つけたら保護者や子ども達と共有するようにしています。
それを観てくれた子や保護者さんとの間で「あのプレーすごかったね」と話題に上がったりして、保護者さんとのコミュニケーション、子ども達とのコミュニケーションになっています。
—遠く離れたUAEに塩谷さんがいても、スクールのみなさんと一体感がありますね!
塩谷
はい、子ども達が僕を慕ってくれている、というのを感じています。
今年の3月には6年生の子達をUAEに招待して、アルアインの同年代の選手と一緒に練習したり、僕の試合をスタジアムで観戦する予定でしたが、直前になりコロナで中止せざるを得なくなりました。
選手にとってすごく良い経験になるだろうと思っていたので残念でしたが、まだこれからもチャンスはあるので、コロナが落ち着いたらぜひ実現したいなと思っています。
—コロナの自粛期間中といえば、塩谷選手は子ども達と一緒にzoomでのオンライントレーニングもされていたそうですね!
塩谷
スクール生向けと、スクールに入っていない子向けとで20回以上は開催したんじゃないでしょうか。
東京や千葉など関東や広島などからも参加してくれた子がいました。
アルアインの活動が7月まで無いということになったので、その間にスクールの事をどんどんやろうと。
子ども達が外でサッカーができない時期でしたし、室内でできる事をやろう思って。
薩摩
体を動かすトレーニングや対話などをオンラインでしたのですが、その中で、塩谷が子ども達に夢を語った回があったんです。
その時、あるお子さんが塩谷の話を聞いて、嬉しくて、感動して泣いてましたと保護者さんから聞きました。
泣きながら聞いているお子さんを見て、保護者さんも泣いたと。
このスクールと出会って、子どもが変わったと言ってもらって。
子ども達には、コロナで何もできない期間最悪だったねという気持ちになって欲しくなくて。
塩谷選手とたくさんお話できてよかったね、という気持ちになってもらえたらと思っての企画だったので、すごく嬉しかったですね。
塩谷
自分自身に奢っているわけでは無いのですが、やはりプロの選手である自分が言う言葉というのは、周囲の人が言う言葉と、子どもの受け取り方も響き方も少し違うのでは無いかと思うんです。
ですから、言葉選びもすごく重要だと思って対話をしています。
実際に子ども達の顔を見て話ができるので、オンラインで繋がるのはとてもいいなと思いました。
子ども達もすごく真剣に話を聞いてくれていますし、これからもスクール生を何回かに分けて、対話をする場を作ったりしていけたらいいなと考えています。
スクール生に誕生日の時にコメント動画を撮って送ったりもしています。
子ども達が喜んでくれて、それで頑張ろう!と思ってくれるのだったら、できる限りの事をしていきたいです。
—誕生日に自分の為だけの動画が届くなんて、嬉しいですね!一生の宝物になるのでは!

塩谷サッカースクールが見据える未来のビジョンとは?

塩谷
これからは、指導者がスクールを本業にしていける、そして指導に対して学ぶ時間が取れるような環境を作っていきたいです。
徳島では選手を集めるのも大変ですが、まずは赤字覚悟でも子どもたちのために質の高い環境を提供していきたい。
そして、もっともっと徳島にスクールが増えて欲しいなと思っています。
子ども達が通えるスクールの選択肢が複数あるような。
それぞれのスクールの色があって、自分にあったスクールを選べる感じが理想だと思います。
薩摩
今は1時間10分くらいかけてうちに通ってきている選手もいますからね。
—そんなに遠くから!近くにスクールが増えると、子ども達も通いやすくなりますし、保護者の負担も減りますよね。
薩摩
まだまだ徳島では「サッカーのスクール」というのが浸透していないのかなと感じることがあるんです。
お問い合わせで「お茶当番はありますか?」と聞かれたりしますから。
塩谷
自分たちが新しいことをやっていきたい!と思っても、周囲とのギャップを感じる面もあります。
とにかく開校から2年間でスクール経営について自分たちが学べることは学んで、サッカーの指導についても良いと思っていることはどんどんやってみようと思っています。
やって見て初めて良い悪いが分かると思うんです。
ですから、失敗を恐れずチャレンジしてみたい。
そして、2年後からはスクールで出た収益を、徳島のサッカー環境改善に使っていきたいです。
まだまだ徳島ではサッカーをできる場所自体も少ないので。
具体的に言えば、自前のフットサルコートを作ることを2年から3年以内の目標にしています。
拠点となる場所を作りたいです。
そして、5年から7年の中長期的な目標としてはサッカーコート1面くらいの広さのピッチを作りたいなと思っています。
人工芝のピッチは怪我のリスクが低いと言われていますし、芝での試合や練習は子ども達もモチベーションが上がると思います。
子どもの頃、自分もそうでしたから(笑)
スクールに通う楽しみが一つ増えます。
できるトレーニングも増えますし、雨などの天候に左右されにくくなります。
—スクール運営の先には、徳島のサッカー環境を充実させていく事も見据えているのですね。
塩谷選手、薩摩さん、本日は大変お忙しい中ありがとうございました!

塩谷司サッカースクールの情報

スクール公式サイト
https://shuko33.com/
スクール設立
2019年7月
スクールプロデュース
塩谷司
スクール責任者兼コーチ
薩摩将輝
コーチ計6名
スクール人数(2020.6月現在)
キッズ 14名
小1〜小6 27名
中1〜中3 体幹スクール 7名
女子(U-18以上)2020.7月開始

最後に

遠く離れたUAEにいながらも、心は常に徳島のスクールに寄り添っている、そんな風に感じる塩谷選手のお話でした。
出身地の徳島を離れ、関東での学生時代や水戸ホーリーホック、サンフレッチェでのJリーグ、そして日本代表やUAEでの世界のサッカーを体感している塩谷選手だからこそ、徳島のサッカー環境をより良いものにしていきたいという熱い気持ちを持っておられるのかなと感じました。
これからもどんどん新しいことにチャレンジしていきたいと語る塩谷選手の活動が楽しみです!

イニエスタ適度休養 若手抜擢/神戸-広島予想布陣

<4日19時半 神戸-広島(ノエスタ)>
新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、2月下旬から中断していたJリーグ。6月27日のJ2再開&J3開幕に続き、4日にはいよいよJ1もリモートマッチ(無観客試合)で再開します。2月21、22、23日の開幕節1試合のみ戦い、その後止まっていた約4カ月間で、チームはどう変化しているのか-。システムは? スタメンは? 戦力は? 再開まで3日となった1日、全9試合の予想スタメンを一挙掲載。開幕戦との顔ぶれを比較をしながら、待望の一戦への妄想!? を膨らませましょう!
<サンフレッチェ広島>
開幕戦で鹿島アントラーズに快勝した好調さを維持し、不動のメンバーで再開を迎える。城福監督は「我々は再開に向け、最大限の工夫と努力をしてきたつもり。それはこれからも変わらない」。中断中の練習は報道陣に公開し、練習試合は生配信するなど、堂々たる姿勢で5年ぶり優勝を視野に入れる。仙田社長が「現金収入が相当期間にわたって途絶え、危急存亡にある」と経営難を公言したが、地方クラブとしては勝ち続けて地元を盛り上げたい。今月結婚したMF野津田がボランチで新境地を開拓し、選手層の厚さを示す。
<ヴィッセル神戸>
ドイツ人フィンク監督が、大胆な采配で過密日程を乗り切る。36歳のMFイニエスタについて「大事な選手だが、毎試合は出られないので、チーム全員に力を出してほしい」と発言した通り、22歳DF初瀬、21歳MF安井、21歳MF郷家、18歳FW小田ら若手の大抜てきを行う。郷家は「夏の連戦は若手の力も必要になってくる。結果にこだわりたい。7得点7アシストが目標」。新型コロナに感染したDF酒井も万全な状態に戻したが、他の主力にも適度な休養を与えて控え層の奮起を待つ。天皇杯に続くタイトルなるか。

サンフレッチェの堅守を支える荒木隼人が4カ月越しの開幕ダッシュを演出!


プロ1年目の昨季、荒木隼人がACLでの活躍を足がかりにリーグ戦でもセンターバックの座を勝ち取った。空中戦に強く、昨年11月には日本A代表に初招集。サンフレッチェの堅守を支える不動のリベロが、4カ月越しの開幕ダッシュを後押しする。
全体練習の再開から2週間も経たないうちにフルコートを使っての実戦練習を行うなど、サンフレッチェが7月4日の神戸戦に向け早いペースで再調整を続けている。6月13日にはガイナーレ鳥取、20日にはファジアーノ岡山FCと、それぞれトレーニングマッチを行い共に勝利。活動休止明け、ましてや新型コロナウイルスの感染に最大限注意しながらの調整だけに「まだ100%とはいえない」状態だというが、荒木個人としては一定の手応えも感じている。 「コンビネーションだったり意思統一という部分で、チーム全体で改善しなければいけない部分はたくさんあると思っています。ただ僕個人だけではなくチーム全体のコンディションも上がっている感触があります。リーグ戦再開時には期待されている以上のものを見せていきたいと思っています」  昨季、チームの失点数は少ない方から数えて2位。今季はまだ公式戦2試合のみの消化とはいえ、無失点をキープしている。3バックを統率するディフェンスの要として、城福監督からの信頼も厚い。 「監督からは昨年に引き続き『声を出してプレーしろ』という指示を受けています。『喋るということは、その時点で準備ができている証拠だ。喋ってプレーすれば、もっと楽にプレーできるぞ』と。今はもっともっと声を出さないといけないと思っていますし、攻撃のところでもビルドアップの部分は意識しています。まだまだ課題は多いと思っています」
◆昨年11月には日本代表に初招集  昨季後半は攻撃的になる反面、試合序盤に失点を喫するシーンも多く見受けられた。ところが今季は前線の選手も積極的に守備を行うことで、リスク軽減だけではなく高い位置でボールを奪ってのショートカウンターも実現。守備と攻撃の素早い連動で、効果的に得点を積み重ねている。 「攻撃での貢献度も高いですけど(レアンドロ・)ペレイラやドグ(ドウグラス・ヴィエイラ)ら前線の選手が守備でもハードワークをしてくれるので非常に助かります。ただ鹿島戦の試合開始直後はピンチもたくさんありましたし、アグレッシブな戦術を取る以上、センターバックの自分がもっとリスクマネジメントしないといけないと思っています」  プロ2年目ながら、荒木は今季を勝負の年と位置付けている。チーム内でのスタメン定着、そして昨年11月に日本代表に初選出されたことで、サッカーに向き合う意識もより強いものになった。 「実際に初招集されてみて『自分がやれるプレーもたくさんある』と思いました。通用する手応えも感じたので、W杯に出たいという思いも非常に強くなりました。元々、キャリアをスタートさせたときから26歳と30歳でW杯を迎えたいという思いがありました。昨年、選んでいただいたことで、次のW杯に向けて明確に照準を合わせて、もっとレベルアップしていかなければいけないと思っています」
過密日程でも目指すのは全試合出場  再びA代表に招集されるには、公式戦再開後のパフォーマンスが非常に重要なものとなる。コロナ禍の影響で過密日程となるが、荒木自身が目標に掲げるのは全試合スタメンでのフル出場だ。 「過密日程になるからチーム全体でハードワークの量を減らすということはないです。非常にタフな戦いになると思いますけど、そのために今、良いコンディションをつくる努力をしているので自分自身に関しては全試合に出るという意識でいます。あとは試合で使ってもらえるように、良い結果を残すだけかなと思っています」  4日後の7月4日には、いよいよJ1リーグが再開の時を迎える。サンフレッチェが対峙するのは、スター軍団のヴィッセル神戸。昨季リーグ2位の得点数を誇るチームに、かつて広島に在籍したドウグラスが加わり攻撃力はさらに増している。とはいえ、昨年はリーグ戦2戦2勝で、その内の一つである10月のホームゲームでは6対2と大勝した。近年の結果を見ても、決して相性の悪いチームではない。 「良い準備をして、まずはサポーターの方に元気な姿を見せて勝利を届けられるように頑張りますので、サポーターのみなさんも、まずは感染しないことを心がけて再開を楽しみに待っていただければと思います。そしてチームでタイトルを獲れるように、その中でしっかり個人としてもチームに貢献できるように頑張っていきたいと思います」  6月19日にはトップチーム全選手、スタッフなど合わせて59名にPCR検査を行い、全員の陰性を確認した。5季ぶりのタイトル獲得に向け、荒木をはじめ全選手の視界は良好だ。公式戦再開を待ちわびたサポーターに勝利を届けるため、サンフレイレブンが敵地・神戸で力強く躍動する。

塩谷司選手インタビュー「徳島の高校生たちのために、この大会を支援します。」インターハイ代替 徳島県高校サッカー大会



塩谷 司 選手



1988年12月5日生まれ

南小松島FC
大松SC
大塚SC
徳島県立徳島商業高校サッカー部
国士舘大学
水戸ホーリーホック
サンフレッチェ広島
2017年シーズンからアル・アイン(UAE)所属

2014年から日本代表として活躍。
リオデジャネイロオリンピックにオーバーエイジ枠で出場。
FIFAクラブワールドカップ2018で4試合フル出場、チームの準優勝に貢献。

選手たちの頑張りをぜひ記録してほしい


ーー塩谷選手、このたびは支援をありがとうございました。みなさんの支援のおかげで、徳島県大会は1回戦から決勝まで全部LIVE配信ができることになりました。

塩谷司選手
ほんとですか。いや、嬉しいです。やっぱり高校生が頑張ってきた成果を見せる大会でもあると思うので、保護者の方も喜んでくれるのではと思います。佐賀県の大会のフォトギャラリーや動画も拝見しましたが、こんなに1回戦から選手にフォーカスしてくれる写真がたくさんあったら、大会そのものが楽しみですね。動画も1回戦からなんて、いいですね。

どうしてもサッカーというのはボールを持っている子や、ゴールシーンに目が行きがちです。皆さん見たがるシーンがゴールシーンなので仕方ないんですけど、ゴールに絡めなくても、いいプレーをしている選手はたくさんいるんです。そうした選手たちの頑張りもぜひ記録していただけたら嬉しいです。

ーー先日は徳島市に1万枚、広島市に8000枚のマスクを寄付したことが話題になっていました。

塩谷司選手
そうですね。マスクが全国的に不足しているという話を聞いたので、これなら役に立つのではと思って買い集めて送りました。

徳島のインターハイ代替大会のお話もうかがって、僕にも協力できるならと思って支援をさせていただきました。いいなと思ったことはすぐに応援したくなるんです。LIVE配信もしてもらえるということなので、大会が始まるのをとても楽しみにしています。試合を見たいですね。

こうした試みや、大人の頑張りは、絶対に選手たちにも必ずプラスになると思います。僕も協力できてうれしく思っています。

大会に臨む選手たちへ。


ーー塩谷選手は、実際にご自身の徳島商業高校時代に選手権全国大会に出場しています。今大会に臨む選手たちに、感じるところがあるのではと思うのですが。

塩谷司選手
ここが最後の大会であっても、試合に出られない人というのは必ずいると思います。

振り返れば僕は、試合に出られない原因が外部にあると思っていた時期があります。監督と合わないとか、チームスタイルとか、自分じゃないところに責任があるんだ、と。

僕が監督なら、あのときの僕は絶対使いたくないですね。人のせいにしたら、そこで成長は止まります。

もしあのときの僕と同じように、「〇〇のせいだ」と責任を自分の外に置いている人がいたら、ちょっと考えてほしい。

自分はどこまでできるんだろう。どこまで本気で今日の練習をやったんだろう。本気で昨日よりもうまくなろうとして今日を頑張ったろうか。そう思って自分を見つめなおしてほしいんです。責任が外にあると思ってしまうと、人生が楽しくなくなります。スポーツは実力社会です。上のレベルになればなるほど、実力主義はシビアになる。だからこそ、自分をしっかりと見つめていかなくてはいけない。

みなさんは高校生。これから社会に出ていく人たちです。人生を楽しく過ごしてほしいから、まずはもう一度「自分はどこまでできるんだ?今日、本当に本気を出し尽くしたのか?」と自分に聞いてみてほしいと思います。

逆に、自分の中に原因を探しすぎてしまう人もいますよね。自分がすべて悪いんだ、だから試合に出られないんだ、下手だからいけないんだ。と。

隠しているつもりでも、気持ちはプレーに表れてしまいます。自信がないプレーをしたり、決めなければいけない瞬間にためらいが生まれてしまって決め切れなかったり。

そういう人には、「やるんだという強い気持ち」を持ってもらいたい。それがプレーに現れ、自信につながり、ひいては社会に出るための自信になってくれると思います。

僕はサッカーを通じていろいろな人に出会い、いろいろな考えに触れることができました。さまざまな価値観を持つ人との出会いから学んだことは大きかったです。サッカーが世界を広げてくれたと思っています。それは試合に出る・出ないとは関係なく、一生懸命サッカーをやっていた末に出会えたものでした。

成功より成長にこだわれ。



塩谷司選手
成功体験って大事だと思うんです。ないよりはあった方が良いし、成功することは大事なことです。

でも僕は、成功することよりも成長することのほうが大事なんじゃないかと思っています。

僕はいつも、昨日より今日どれだけ成長できたかを自分に問います。サッカーももちろんそうですが、人間としてもどれだけ成長できたのか。日々、1㎜でもいいから成長していきたいんです。どれだけ昨日よりも成長できるんだろう、うまくなれるんだろうかという意識を持ってほしい。

みなさんはまだ高校生です。これから社会に出なくてはならない。日々成長し続けるという意識を持ったら、きっと人生はもっと楽しくなると思います。

大会、頑張ってください。
僕もLIVE配信を見ます。
応援しています。

送金アプリ「pring」、サンフレッチェ広島の投げ銭導入。Jで5チーム目

1円からエールマネー(応援金)を送ることができる送金アプリpring(プリン )の「チーム」に、J1リーグ・サンフレッチェ広島が参加します。Jリーグのクラブでは5チーム目の参加となります。これにより7月4日(土)から再開する明治安田生命J1リーグにて、サンフレッチェ広島がプリンを用いたギフティングを実施いたします。
サポーターはリモートマッチを観戦しながら、リアルタイムでコメントやエールマネー(1円から送金可能)を、サンフレッチェ広島へ直接送ることが可能となります。
【pring「チーム」へのサンフレッチェ広島参加について】
Jリーグのリモートマッチ開催が決定するなか、各クラブチームはファンとの接触機会を増やすコンテンツ配信を活性化しております。サンフレッチェ広島はユーザーの使いやすさ、運営側の長期継続利用のしやすさ、手数料の安さをメリットとするpringを導入し、公式戦でのギフティングを実施します。

【明治安田生命J1リーグ再開記念!オンライントークショーの概要】
開始日:7月4日(土)18:45〜21:30(終了予定)
出演:中島浩司さん、森崎浩司アンバサダー、サンチェ
・6月29日(月)10:00~7月4日(土)23:00までにサンフレッチェ広島【公式】チームの投稿にいただいた応援コメントは7月8日(水)~ホームゲーム時の「選手ロッカー」に掲示されます。
・1円以上エールマネーを送った方に抽選でプレゼント。(サンフレモンを5名様。トークメンバーサイン入りユニフォームを1名様。)
詳細はこちら:https://www.sanfrecce.co.jp/news/event/2755

サンフレッチェ広島【公式】チームURL:https://team.pring.app/teams/2058
参加の仕方:チームURLを押下→右上アプリで開く→【参加】するで完了です!
※エールマネーを送るにはアプリへのご登録が必要となります。

プリンアプリダウンロードはこちら▼
・App store: https://apple.co/31w18Rh
・Google play store: https://bit.ly/2ScM1rC

■送金アプリpringの「チーム」機能について
送金アプリpring(プリン)の「チーム」は、1円からエールマネー(応援金)が送れる機能です。動画、写真、テキストなどを自由に連携させて、簡単に投稿することができます。投稿には、エールマネーを送ったり、コメントをすることができます。チームオーナーは9.5%という業界最安値水準の受け取り手数料(※1)で、エールマネーの受け取りが可能となり、集まったお金をいつでも銀行口座に戻したり、全国に25,000台以上あるセブン銀行ATMで、現金として引き出すことができます。
※1. 2019年11月28日時点 自社による同種サービスHP調べ
詳しくはこちら:https://www.pring.jp/team

■概要
【株式会社pring】
所 在 地:東京都港区三田1-4-1 住友不動産麻布十番ビル 3F
代 表 者:代表取締役社長 荻原充彦
事業内容:送金アプリ「 pring(プリン)」の企画、開発、運営
U R L:https://www.pring.jp/
お問い合わせ:https://pring.zendesk.com/hc/ja/requests/new

【株式会社サンフレッチェ広島】
所 在 地:広島県広島市中区大手町1-4-14上田ビル2F
代 表 者:代表取締役社長 仙田 信吾
URL:https://www.sanfrecce.co.jp/

J1リーグ歴代優勝クラブ

2019 横浜F・マリノス
2018 川崎フロンターレ
2017 川崎フロンターレ
2016 鹿島アントラーズ(年間)
2015 サンフレッチェ広島(年間)
2014 ガンバ大阪
2013 サンフレッチェ広島
2012 サンフレッチェ広島
2011 柏レイソル
2010 名古屋グランパス
2009 鹿島アントラーズ
2008 鹿島アントラーズ
2007 鹿島アントラーズ
2006 浦和レッズ
2005 ガンバ大阪
2004 横浜F・マリノス(年間)
2003 横浜F・マリノス(年間)
2002 ジュビロ磐田(年間)
2001 鹿島アントラーズ(年間)
2000 鹿島アントラーズ(年間)
1999 ジュビロ磐田(年間)
1998 鹿島アントラーズ(年間)
1997 ジュビロ磐田(年間)
1996 鹿島アントラーズ
1995 横浜マリノス(年間)
1994 ヴェルディ川崎(年間)
1993 ヴェルディ川崎(年間)


◆2019

横浜F・マリノス ★★★★


[写真]=©兼子愼一郎


[写真]=©兼子愼一郎

【チーム成績】

22勝4分け8敗
勝ち点70

【チーム内得点ランキング】

1. 仲川輝人、マルコス・ジュニオール 15得点
3. エジガル・ジュニオ 11得点
4. エリキ 8得点
5. 遠藤渓太 7得点

【チーム内アシストランキング】

1. 仲川輝人 13アシスト
2. 遠藤渓太 9アシスト
3. マルコス・ジュニオール 5アシスト
4. エリキ 4アシスト
5. ティーラトン 4アシスト

◆2018

川崎フロンターレ ★★


[写真]=Getty Images

【チーム成績】

21勝6分け7敗
勝ち点69

【チーム内得点ランキング】

1. 小林 悠 15得点
2. 家長昭博、中村憲剛 6得点
4. 阿部浩之 5得点
5. 知念慶 4得点

【チーム内アシストランキング】

1. 家長昭博 7アシスト
2. 中村憲剛 6アシスト
3. 小林 悠、阿部浩之、大島僚太 4アシスト

◆2017

川崎フロンターレ ★


[写真]=Getty Images

【チーム成績】

21勝9分け4敗
勝ち点72

【チーム内得点ランキング】

1. 小林 悠 23得点
2. 阿部浩之 10得点
3. 谷口彰悟 7得点
4. 中村憲剛 6得点
5. エウシーニョ 5得点

【チーム内アシストランキング】

1. 中村憲剛 12アシスト
2. 車屋紳太郎 8アシスト
3. 小林 悠、阿部浩之、家長昭博 7アシスト

◆2016 年間王者

鹿島アントラーズ ★★★★★★★★


[写真]=©Shin-ichiro KANEKO

【チーム成績】

18勝5分け11敗
勝ち点59

【チーム内得点ランキング】

1. 金崎夢生 10得点
2. 鈴木優磨、土居聖真 8得点
4. カイオ 5得点
5. 中村充孝 3得点

【チーム内アシストランキング】

1. 柴崎岳 9アシスト
2. 金崎夢生 7アシスト
3. 山本脩斗 5アシスト
4. 土居聖真、カイオ 4アシスト
1st stage:浦和レッズ
2nd stage:鹿島アントラーズ

◆2015 年間王者

サンフレッチェ広島 ★★★


[写真]=Getty Images

【チーム成績】

23勝5分け6敗
勝ち点74

【チーム内得点ランキング】

1. ドウグラス 21得点
2. 佐藤寿人 12得点
3. 浅野琢磨 8得点
4. 柴崎晃誠 6得点
5. 柏好文 4得点

【チーム内アシストランキング】

1. ミキッチ 9アシスト
2. 青山敏弘、ドウグラス、柴崎晃誠 7アシスト
5. 浅野琢磨 6アシスト
1st stage:浦和レッズ
2nd stage:サンフレッチェ広島

◆2014

ガンバ大阪 ★★


[写真]=Getty Images

【チーム成績】

19勝6分け9敗
勝ち点63

【チーム内得点ランキング】

1. 宇佐美貴史 10得点
2. パトリック 9得点
3. 阿部浩之 7得点
4. 遠藤保仁、倉田秋 6得点

【チーム内アシストランキング】

1. 遠藤保仁 14アシスト
2. 宇佐美貴史 8アシスト
3. パトリック、二川孝広 4アシスト
5. 阿部浩之 3アシスト

◆2013

サンフレッチェ広島 ★★


[写真]=©J.LEAGUE

【チーム成績】

19勝6分け9敗
勝ち点63

【チーム内得点ランキング】

1. 佐藤寿人 17得点
2. 石原直樹 10得点
3. 野津田岳人 4得点
4. ファン・ソッコ、水本裕貴 3得点

【チーム内アシストランキング】

1. 高萩洋次郎 10アシスト
2. 石原直樹 5アシスト
3. 塩谷司、青山敏弘、佐藤寿人 3アシスト

◆2012

サンフレッチェ広島 ★


[写真]=©J.LEAGUE

【チーム成績】

19勝7分け8敗
勝ち点64

【チーム内得点ランキング】

1. 佐藤寿人 22得点
2. 森崎浩司、石原直樹 7得点
4. 清水航平、森脇良太 4得点

【チーム内アシストランキング】

1. 高萩洋次郎 12アシスト
2. 青山敏弘、ミキッチ 6アシスト
4. 佐藤寿人 5アシスト
5. 森崎浩司 4アシスト

◆2011

柏レイソル ★


[写真]=©J.LEAGUE

【チーム成績】

23勝3分け8敗
勝ち点72

◆2010

名古屋グランパス ★


[写真]=©J.LEAGUE

【チーム成績】

23勝3分け8敗
勝ち点72

◆2009

鹿島アントラーズ ★★★★★★★


[写真]=©J.LEAGUE

【チーム成績】

20勝6分け8敗
勝ち点66

◆2008

鹿島アントラーズ ★★★★★★


[写真]=©J.LEAGUE

【チーム成績】

18勝9分け7敗
勝ち点63

◆2007

鹿島アントラーズ ★★★★★


[写真]=©J.LEAGUE

【チーム成績】

22勝6分け6敗
勝ち点72

◆2006

浦和レッズ ★


[写真]=©J.LEAGUE

【チーム成績】

22勝6分け6敗
勝ち点72

◆2005

ガンバ大阪 ★


[写真]=©J.LEAGUE

【チーム成績】

18勝6分け10敗
勝ち点60

◆2004 年間王者

横浜F・マリノス ★★★


[写真]=©J.LEAGUE

【チーム成績】

17勝8分け5敗
勝ち点59
1st stage:横浜F・マリノス
2nd stage:浦和レッズ

◆2003 年間王者

横浜F・マリノス ★★


[写真]=©J.LEAGUE

【チーム成績】

17勝7分け6敗
勝ち点58
1st stage:横浜F・マリノス
2nd stage:横浜F・マリノス

◆2002 年間王者

ジュビロ磐田 ★★★


[写真]=©J.LEAGUE

【チーム成績】

26勝1分け3敗
勝ち点71
※勝ち点:勝利=3、延長勝利=2、引き分け=1、延長敗戦=0、敗戦=0
1st stage:ジュビロ磐田
2nd stage:ジュビロ磐田

◆2001 年間王者

鹿島アントラーズ ★★★★


[写真]=©J.LEAGUE

【チーム成績】

19勝1分け10敗
勝ち点54
※勝ち点:勝利=3、延長勝利=2、引き分け=1、延長敗戦=0、敗戦=0
1st stage:ジュビロ磐田
2nd stage:鹿島アントラーズ

◆2000 年間王者

鹿島アントラーズ ★★★


[写真]=©J.LEAGUE

【チーム成績】

18勝4分け8敗
勝ち点55
※勝ち点:勝利=3、延長勝利=2、引き分け=1、延長敗戦=0、敗戦=0
1st stage:横浜F・マリノス
2nd stage:鹿島アントラーズ

◆1999 年間王者

ジュビロ磐田 ★★


[写真]=©J.LEAGUE

【チーム成績】

17勝1分け12敗
勝ち点49
※勝ち点:勝利=3、延長勝利=2、引き分け=1、延長敗戦=0、敗戦=0
1st stage:ジュビロ磐田
2nd stage:清水エスパルス

◆1998 年間王者

鹿島アントラーズ ★★


[写真]=©J.LEAGUE

【チーム成績】

26勝0分け8敗
勝ち点74
※勝ち点:勝利=3、延長勝利=2、PK勝利=1、PK敗戦=0、延長敗戦=0、敗戦=0
1st stage:ジュビロ磐田
2nd stage:鹿島アントラーズ

◆1997 年間王者

ジュビロ磐田 ★


[写真]=©J.LEAGUE

【チーム成績】

23勝0分け9敗
勝ち点66
※勝ち点:勝利=3、延長勝利=2、PK勝利=1、PK敗戦=0、延長敗戦=0、敗戦=0
1st stage:鹿島アントラーズ
2nd stage:ジュビロ磐田

◆1996

鹿島アントラーズ ★


[写真]=©J.LEAGUE

【チーム成績】

21勝0分け9敗
勝ち点66
※勝ち点:勝利=3、延長勝利=3、PK勝利=3、PK敗戦=1、延長敗戦=0、敗戦=0

◆1995 年間王者

横浜マリノス ★


[写真]=©J.LEAGUE

【チーム成績】

32勝0分け20敗
勝ち点98
※勝ち点:勝利=3、延長勝利=3、PK勝利=3、PK敗戦=1、延長敗戦=0、敗戦=0
サントリーシリーズ:横浜マリノス
NICOSシリーズ:ヴェルディ川崎

◆1994 年間王者

ヴェルディ川崎 ★★


[写真]=©J.LEAGUE

【チーム成績】

31勝0分け13敗
勝ち点93
※勝ち点:勝利=3、延長勝利=3、PK勝利=3、PK敗戦=0、延長敗戦=0、敗戦=0
サントリーシリーズ:サンフレッチェ広島
NICOSシリーズ:ヴェルディ川崎

◆1993 年間王者

ヴェルディ川崎 ★


[写真]=©J.LEAGUE

【チーム成績】

28勝0分け8敗
勝ち点84
※勝ち点:勝利=3、延長勝利=3、PK勝利=3、PK敗戦=0、延長敗戦=0、敗戦=0
サントリーシリーズ:鹿島アントラーズ
NICOSシリーズ:ヴェルディ川崎

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