日本ピストンリング「上方修正計画を超えそう」な足元状況
日本ピストンリング(6461)は今2022年3月期第1四半期(2021年4~6月)の収益好調を受けて、8月6日に今2022年3月期の業績予想を上方修正した。ただ、東洋経済は上方修正後の会社計画もなお慎重とみて、下表のように独自増額を行っている。
会社側は、今2022年3月期通期の業績予想について、売上高は従来の500億円から510億円(前期比12.6%増)に、営業利益は21億円から26億円(前期は1億6500万円の赤字)に増額した。
コバルト不使用のバルブシート、日本ピストンリングが開発…EV電池需要で調達に課題
日本ピストンリングは、主力製品の一つであるバルブシートに関し、原材料としてコバルトを使用しない製品を開発したと発表した。
これまでバルブシートの材料には、耐摩耗性向上を目的としてコバルトが使われてきた。しかし、コバルトは、電気自動車の車載用電池に欠かせない原材料であるため市場価格が高騰してきていること、また、希少金属であるため安定的な調達が困難となる可能性があること、さらには、責任ある鉱物の調達という観点でリスクがあること等、サステナビリティ面も含め、課題の多い資源でもある。そこで同社は、要求される品質と性能を確保し、かつコバルトを使用しないバルブシートの研究開発を進めてきた。
同社は、構成要素である粉末の組成見直し等により、コバルトフリーでありながら高い耐摩耗性(同社試験比較)を確保したバルブシートを開発。課題の多いコバルトに依存することなく、従来と同水準の機能を確保できるとしている。
日本ピストンリング---1Qは2ケタ増収・各利益は大幅な黒字転換、通期業績予想の上方修正を発表
日本ピストンリング<6461>は6日、2022年3月期第1四半期(21年4月-6月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比24.3%増の130.10億円、営業利益が10.71億円(前年同期は6.27億円の損失)、経常利益が11.96億円(同6.01億円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益が7.65億円(同10.23億円の損失)となった。
自動車関連製品事業の売上高は前年同期比26.2%増の112.64億円、セグメント利益は9.83億円(前年同期は5.52億円の損失)となった。車載半導体不足に伴う自動車メーカーの稼働停止影響は受けたものの、世界の自動車生産台数が増加した。
舶用・その他の製品事業の売上高は前年同期比24.7%増の6.01億円、セグメント利益は同3,380.4%増の2.09億円となった。産業機械向け製品等の需要拡大等があった。
商品等の販売事業を含むその他における売上高は前年同期比7.9%増の11.43億円、セグメント利益は同84.1%減の0.04億円となった。
2022年3月期通期については、同日、連結業績予想の上方修正を発表した。売上高が前期比12.6%増(前回予想比2.0%増)の510.00億円、営業利益が26.00億円(同23.8%増)、経常利益が同658.9%増(同28.6%増)の27.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が17.00億円(同30.8%増)としている。
日本ピストンリングが第8次中計を発表、非自動車領域にも注力
日本ピストンリング---21年3月期は売上高が452.76億円、原価低減や固定費削減の効果等により下期の利益は黒字化
当期は、自動車メーカーの各国での操業停止や減産等により減収となったものの、損益面においては、原価低減や固定費削減、業務効率化の効果等により下期は黒字化した。
自動車関連製品事業の売上高は前期比18.1%減の387.73億円、セグメント損失は0.24億円(前期は24.87億円の利益)となった。下期において、受注環境の改善が見られたものの、新型コロナウイルス感染症拡大による需要減少や車載半導体の供給不足による影響等を受けた。
舶用・その他の製品事業の売上高は前期比3.5%減の21.68億円、セグメント利益は1.37億円(前期は2.13億円の損失)となった。
商品等の販売事業を含むその他における売上高は前期比18.1%減の43.33億円、セグメント利益は同10.6%増の1.46億円となった。
2022年3月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比10.4%増の500.00億円、営業利益が21.00億円、経常利益が同490.3%増の21.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が13.00億円を見込んでいる。年間配当は、前期比40円増配の60円を予定している。
日ピス、前期経常が上振れ着地・今期は5.9倍増益、40円増配へ
日本ピストンリング <6461> が5月14日後場(14:30)に決算を発表。21年3月期の連結経常利益は前の期比80.0%減の3.5億円に落ち込んだが、従来予想の2億円を上回って着地。22年3月期は前期比5.9倍の21億円に急拡大する見通しとなった。
同時に、今期の年間配当は前期比40円増の60円に大幅増配する方針とした。
直近3ヵ月の実績である1-3月期(4Q)の連結経常利益は前年同期比22.3%増の6.7億円に伸びたが、売上営業利益率は前年同期の4.7%→4.1%に悪化した。
日本ピストンリング---チタン合金における上智大学との技術検討開始
日本ピストンリング6461は30日、上智大学理工学部機能創造理工学科久森紀之教授および研究室と、同社の医療用新材料チタンタンタル合金「NiFreeT」において、従来までの基礎的研究に加え、具体的案件に向け共同で技術検討を開始したことを発表した。
NiFreeTは、低ヤング率、高弾性限、非磁性、良好なX線視認性、ニッケルフリー、生体適合性が高い等の機械的特性を持つ材料である。
今回の研究では、NiFreeTを整形外科医療機器へ適用することで、特性を活かし、体内への埋入時における骨への負担軽減の実現を目的としている。特に小児の骨は柔らかく日々著しく成長するため、この新材料の特徴である人骨に近いヤング率が身体への負担軽減のために活かされる。将来的には病院関係者、臨床研究者との連携・共同研究も視野に入れた計画を策定している。
日本ピストンリング---新たに口腔内スキャナーの取扱いを開始
日本ピストンリング6461は1日、口腔内スキャナー「A-Oral Scan2」の販売を開始したことを発表。
「A-Oral Scan」はインプラント治療だけでなく、補綴治療など様々な臨床ケースに適応可能。歯科業界の昨今の著しいデジタル化に更に対応すべく、AI機能、オートマッチング機能、モーション機能、自動再スキャンなどのモードを備え、より効率的かつスムーズな操作性を実現。また、アナログ印象(従来の歯の型取り)の手間を削減し、口腔内のデータをクラウド上で送受信することで梱包や宅配の使用を削減するほか、大幅な時間短縮にも貢献するという。
同社はこれまで培ったノウハウを活かし、幅広い歯科治療の質および利便性向上のため、今後も医療機関と連携し、現場のニーズを捉えた製品を展開していくとしている。
(人事・自動車)日本ピストンリング
(4月1日)経理、志田健
品質保証、小賀坂文雄
(6月24日)代表取締役兼専務執行役員栃木工場担当(常務営業企画部・開発営業第一部・開発営業第二部・NRS営業部・国際営業部担当)坂本裕司
常務執行役員、取締役藤田雅章
同(栃木工場担当)取締役楊忠亮
同、取締役奈良暢泰
取締役(常勤監査役)越場裕人
同(監査役)木村博紀
同(同)日野義英
同(同)高井治
日本ピストンリング、2030年に非エンジン売上高を4割へ モーター・医療・金属射出成形部品 新中計で基盤づくり
【決算速報】日本ピストンR、3Q累計経常-319百万。
日本ピストンリング、新規事業の売上構成比2倍へ 薄型モーターや医療用新素材の提案拡大
トヨタが保有株を一部売却、日本ピストンリング
日本ピストンリング
日ピス、非開示だった今期最終は赤字転落へ
併せて、非開示だった通期の業績予想は連結最終損益が25億円の赤字(前期は4.9億円の黒字)に転落する見通しを示した。
直近3ヵ月の実績である4-6月期(1Q)の売上営業損益率は前年同期の0.3%→-6.0%に急悪化した。
日本ピストンリングの20年3月期、純利益74%減4億9000万円
日本ピストンリング社長に高橋氏
ロスチャイルドによる衝撃の地球大改造プラン、中国4分割と韓国消滅
高橋 輝夫氏(たかはし・てるお)81年(昭56年)茨城大工卒、日本ピストンリング入社。09年取締役、16年常務。埼玉県出身。61歳
日本ピストンリングの19年4~12月期、純利益71.2%減4億9700万円
日本ピストンリングの19年4~9月期、純利益96.6%減4100万円
日ピス、今期経常を42%下方修正
日本ピストンリング <6461> が8月9日後場(14:30)に決算を発表。20年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益は前年同期比93.7%減の0.8億円に大きく落ち込んだ。
併せて、通期の同利益を従来予想の26億円→15億円(前期は33.6億円)に42.3%下方修正し、減益率が22.7%減→55.4%減に拡大する見通しとなった。
同時に、4-9月期(上期)の同利益を従来予想の10億円→1億円(前年同期は20.8億円)に90.0%下方修正し、減益率が52.0%減→95.2%減に拡大する見通しとなった。
直近3ヵ月の実績である4-6月期(1Q)の売上営業利益率は前年同期の8.9%→0.3%に急悪化した。
ピストンリングメーカーはEV化の波に生き残れるか
「最近の予測では少し前倒しで、2030年頃になりそうだ」。TPRの岸雅伸社長はエンジン搭載車のピークアウトの時期をこう分析する。世界で環境規制が厳格化され、電動化が進む。日本ピストンリングやリケンもおおむね30年頃をピークアウト時期と捉えている。
ピストンリングを主力とするメーカーにとってエンジン市場の衰退は経営の屋台骨を揺るがす。将来の事業基盤を固めるため、ピストンリング以外の部品事業の確立や、電動化への対応が活発になってきた。
日本ピストンリングは金属粉末射出成形(MIM)製品「メタモールド」の事業を14年に住友金属鉱山から取得。金属粉末と結合剤(バインダー)を焼結するなどし、複雑な形状の製品の大量生産を可能とする技術だ。電動パワーステアリング向けボールネジ部品などとして需要が広がりつつある。
リケンは次世代自動車など向けにギガヘルツ帯の高い電磁波(ノイズ)に対して抑制効果を示す「ノイズ抑制シート」を開発。サンプルを提供中だ。
大学との連携で新分野への進出を図る動きもある。TPRは蓄電池材料などとして期待されるナノメートルサイズ(ナノは10億分の1)の多孔質素材を東北大学金属材料研究所と共同開発した。材料から特定成分を抜き出す製法で独自の多孔質構造を生み出す点が特徴で、蓄電池の長寿命化につながるとみている。
自動車関連だけでなく、異業種でも自動車部品で培った加工技術などが生かせるとみている。日本ピストンリングは、神経変性疾患「パーキンソン病」の治療に使用する脳内の刺激装置の部品を開発した。
一方で、世界的にエンジン搭載車は「まだまだ成長市場にある」(山本彰日本ピストンリング社長)とみて、主力であるピストンリングの生産設備の増強や技術開発などを進める動きもある。伊藤薫リケン社長は今後も「既存製品への投資を続けつつ、新商品の開発をしなければならない」と語る。既存事業で生み出した利益を新規事業の育成に投じる。各社は既存と新規でバランスの取れた事業構造を重視している。
(文=山岸渉)
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