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「完」不動産投資へのこだわり!17   コロナ後、世界の富裕層は「不動産投資で一儲け」を狙う


コロナ後、世界の富裕層は「不動産投資で一儲け」を狙う



コロナ後、世界の富裕層は「不動産投資で一儲け」を狙う

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不動産市場は、世界的に株式市場に遅れて上昇する傾向にあります。このことから、コロナショックを経て株式市場が底をついたときは、不動産投資のチャンスであることがわかります。特に日本の不動産市場は、先進国で唯一1990年代の価格を回復していません。来るべきときに備え、不動産の情報収集の仕方を見ていきましょう。※本連載は、2020年9月出版の高橋ダン氏の著書『世界のお金持ちが実践するお金の増やし方』(かんき出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

株式市場「底打ち」の2年後に不動産市場が動く傾向

アメリカにはさまざまなデータベースがありますが、私が特に好んでよく見ているのは「FRED」のデータです。

アメリカには、中央銀行であるFRBの支店的な役割を果たす連邦準備銀行が12あります。そのうちの一つ、セントルイス準備銀行が運営している経済統計データサイトがFREDです。

FREDでアメリカの歴史的な住宅の平均価格(ハウスプライス・インデックス)を見ると、2008年に始まったリーマンショックによる景気後退は2009年まで続きました。(図表1)

[図表1]FREDのハウスプライス・インデックス

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その後、住宅価格が本当に下がり始めたのは2011年末から2012年初めです。相当な遅れがありました。

このときの株式市場を見ると、2009年の3月に底をつけています(図表2)。つまり、不動産価格が底をつけたタイミングとは約2年半のズレがあったのです。この点は非常に面白いと思います。

[図表2]リーマンショック前後のNYダウの動き 出典:Trading View https://jp.tradingview.com/

次に日本も見てみましょう。日本の住宅価格は2013年に底をつけ、アベノミクスで本当に上がり始めたのが2014年です(図表3)。

[図表3]日本の住宅価格指数 出典:tradingeconomics.com

同じ時期の日経平均株価を見ると、上がり始めたのは2012年末からでした。ここでも遅れが1~2年間あったことになります。

[図表4]アベノミクス前後の日経平均株価の動き 出典:Trading View https://jp.tradingview.com/

このように、不動産市場は株式市場の後に動くことが多いのです。同じ時期に動くときもありますが、直近の景気後退を見るとアメリカ、ユーロ圏、日本ともに不動産価格の上昇は、株式市場の上昇の約2年後に始まる傾向があるといえます。

アメリカの不動産投資に欠かせない3つの経済指標

アメリカの不動産市場は世界最大です。ここでのお金の動きは世界に影響を及ぼします。アメリカの不動産市場を見るときに重要な指標が以下の3つです。

①NAHBハウジングインデックス(NAHB住宅市場指数)

②エグジスティングホームセールス(中古住宅の販売戸数)

③ニューホームセールス(新築住宅の販売戸数)

①NAHBハウジングインデックスを見ると、直近で底を打ったのが2011年です(図表5)。

[図表5]米国ーNAHB住宅市場指数 出典:tradingeconomics.com

それに関連してNYダウで底を打ったのは約2年前の2009年3月です。つまり、ここでも「株式市場が動いてから不動産が動く」ということがいえるのです。

②エグジスティングホームセールス(中古住宅の販売戸数)を見ても、リーマンショックと同じ水準まで下がっています(図表6)。

[図表6]米国ー中古住宅販売戸数 出典:tradingeconomics.com

そして、③ニューホームセールス(図表7)。不動産の世界では、新しくできた物件と中古物件では重要度が違います。価格も違いますし、マーケットも違うのです。

[図表7]米国ー新築住宅販売戸数 出典:tradingeconomics.com

新築物件の場合、価格は経済に連動します。結果的に変動率が高くなります。中古物件の場合は需要によりますが、新築よりも経済の影響を受けにくい傾向があります。

また新築物件は、不動産市場の上昇が終わり始めるタイミングで供給が急増するのが一般的です。

この数年間にも特にマンションがたくさんつくられました。私が投資したベトナムでも供給が膨らんできたので、危険だと思って購入した1年後に売却しました。

なお、ニューホームセールスとエグジスティングホームセールスのデータは毎月公表されます。

コロナショックで株式市場に底=不動産投資のチャンス

不動産投資の際に、株式市場の動きとのズレをどう考えるか。株式市場と住宅価格のチャートを見れば明白です。

今回のコロナショックで株式市場が底をつけて上がり始めたとき、それが不動産を買うチャンスかもしれません。

もし不動産投資をするのであれば、確実に株式市場の底が見えて、新しい上昇サイクルに入り始めたときを狙うべきです。

マーケットは不動産でも株式でも債券でも商品でも、人々の感情・期待値で動いています。ですから、いまは期待レベルが高いと思います。

私の予測では、リーマンショックのサイクルで不動産投資をして利益を得た人はたくさん存在するため、彼らは今回もっと早く動くはずです。だから、これまでのように約2年間の遅れが生じる可能性は低いと予想しています。

株式市場がいつ底を迎えるのかはわかりませんが、IMF(国際通貨基金)は世界のGDP成長率について最悪の予測をしています。仮に今後もっと早いタイミングで底が来るとすれば、いまから情報収集を始めておいたほうがいいでしょう。

不動産を買うのは時間がかかります。良い立地の物件を見つけなければいけないですし、見つかってもそこから交渉が始まります。現地にも行かなければなりません。いまから始めて半年ぐらいのリサーチを経て、自分で勉強しながら実践していくのがいいでしょう。

90年代の価格まで未回復…日本の不動産市場=チャンス

日本での不動産投資は未経験ですが、ここ1、2年はデータを見ています。国土交通省の不動産価格指数を見ると、2010年を100としてどれくらい上がっているかがわかります(図表8)。

[図表8]日本の不動産価格指数(住宅) 参照:国土交通省

マンションは平均50%程度上がっていますが、戸建てはほとんど動いていません。東京に限れば大きく動いていますが、郊外や地方はほぼ動いておらず、場所によっては下がっているので、全国で見ればマンションほどの動きは見られません。

もう一つ紹介したいのは「不動研住宅価格指数」。東京エリアだけですが、首都圏では東京が最も上がっていて、他はあまり上がっていません(図表9)。

[図表9]不動研住宅価格指数の推移 (2000年1月=100)参照:一般財団法人 日本不動産研究所

さらに長期で見ると、日本の不動産市場は1990年代の価格を回復していません。このような状況は、先進国では日本以外に見たことがありません。私はこの事実だけでも「日本の不動産マーケットはチャンス」といえると思っています。

次に、日本人が見つけにくい海外のデータを紹介します。「CPI住宅用ユーティリティ」です。

「CPI住宅用ユーティリティ」は、毎月支払っている電気料金などの公共料金を指数化したもので、不動産の価格と一緒に動くのが一般的です。これを見ると、日本の不動産価格を予測するのに役立ちます。

この予測を見ると、いったん下がりますが、すぐに回復することになっています。ですから、リーマンショックのときとは違う戦略で早めに投資しないと間に合わないでしょう。

<まとめ>

●アメリカ、日本ともに不動産市場は株式市場に遅れて動く。

●新築物件は価格上昇の終盤で供給が急増することが多い。

●不動産投資でチャンスをつかむには、いまから情報収集を始める。

●日本は90年代の価格を回復していない唯一の先進国。まだチャンスがある。

高橋 ダン

投資系YouTuber

株失敗で不動産投資家デビュー。先輩大家業の叔父がアドバイス。「新築より中古を狙え」


総務省が6月25日に発表した2020年国勢調査の人口速報値によると2020年10月1日時点の日本の総人口(外国人を含む)は1億2622万6568人となった。2015年の前回の調査から0.7%減少した。47都道府県中、38の道府県で人口が減っている。

増加しているのは1都3県(東京、埼玉、千葉、神奈川)と愛知県、滋賀県、大阪府、福岡県、沖縄県の9都府県にとどまった。東京圏は3693万人と全人口の3割近くが住んでおり、人口の一極集中が進んでいる。

総人口が減少する一方で、世帯数は増加傾向にある。晩婚や未婚、独居高齢者の増加などを単身世帯の増加を背景に5571万9562となり、前回調査から4.2%拡大している。1世帯あたりの人数は2.38人から2.27人に減っている。

健美やイメージ

将来展望への期待が描けないで不安が増す時代。コロナ禍で持てる者と持てない者の差がくっきりと浮かび上がり、社会の分断が進んだことでいっそう将来に不安感を募らせる。将来の年金に対する信頼が揺らいでいる中で、老後の生活費用を自ら用意しなければならないと焦りを見せる若いサラリーマンも増えている。

そうしたサラリーマン層を見据えて、ワンルームマンションの新規供給も高水準にある。長谷工総合研究所によれば、30㎡未満の着工戸数は2015年以降で2017年を除き年間1万戸を上回り、直近2020年1~6月は5783戸(前年同期比0.2%減)と高水準の着工があったとしている。単身者世帯の増加などを背景に新規の供給は続きそうだ。

杉並区で築古2戸を購入。自らシミュレーションで営業マン任せにしない

東京都心に本社を置く化学メーカーに勤務する30代前半の会社員S氏は、2015年に初めて区分マンションを購入した。

「実家から東京都心まで通勤するのに1時間半ほどかかるが、会社から家賃補助が出ない範囲のため、家を借りて家賃を払うよりも購入して自分のモノにしようと思った。日本財託に大学の先輩が勤めていたので相談に乗ってもらったが、最初は特に将来のことをなにも考えずに買った」と振り返る。

最初に購入したのは築20年弱の杉並区内の区分マンションで最寄り駅から徒歩3分の立地。入居者がいる状態で購入し、ネット利回りは5%台となっている。2017年には2戸目の中古ワンルームを同じ杉並区内で最寄り駅5分の場所で購入した。

「老後の年金代替の一つとして考えるようになったことが買い増しの動機だ。将来的には4~5戸を購入してずっと保有し続ける。不動産投資をするのなら若いうちに購入したほうがいいと思った」と話す。この2つの区分マンションは、50歳までにローンを完済するイメージでそれぞれ1500万円と1300万円で買い入れている。

いろいろな不動産投資会社の営業マンに会ったが、「なかには強引な、オシの一本調子の営業マンもいて大変だった。でも、それら営業マンが使っている運用計算表を見て自分も同じような計算表を作り、将来のデフォルトリスクなどをシミュレーションした」と営業マンの受け売りを真に受けないで自ら検証する作業の重要性を指摘する。この想定力は、不動産投資の源泉となる本職・本業にも生かすことができる。

先行投資の株式と合わせて二刀流で将来に備え

身近に大家業をしている人がいたことも大きい。「叔父が7物件ほどマンションを保有していたので1戸目を購入したあとに相談をしたところ〝新築は割高なので絶対に買うな〟とアドバイスされた」ため、今後も中古マンションに狙いを絞って物件を選別するという。

新築は言うまでもなく、建てるために必要な用地の代金や建設費など開発コストがかかり、その上に事業者の利益が上乗せされる。現在のように地価が高かったり、資材価格が上がったりすればその分がさらに販売価格にオンとなってしまう。

一方、中古物件であれば、需給バランスにより価格が上がり下がりするものの、地価高騰による土地値が直接的に影響することがなく、資材価格の影響は関係ない。5年、10年、20年と一定の期間運用されている中古住宅であれば手抜き工事などの欠陥住宅の心配がない。仮に欠陥住宅ならば、その運用期間になんらかの異常を住んでいる人が感じて発覚しているはずだからだ。S氏は、そうした点を踏まえながら、新耐震物件を条件にワンルームマンションを探していくという。

もともと投資にも興味があったようだ。株式投資を入社2年目あたりからスタートして現在も続けている。最初は100万円のうち60万円を投資信託に残りを国内IT大手R社に投じたところ、R社の株価が半分以下にまで下落してしまい、投資には勉強が必要だと身に染みた。

「もちろん、良いときもあった。マザーズなど新興市場でバイオ株に資金を投じて2016年に投資したバイオ株が急騰して一時10倍まで膨れ上がったが、(まだ上がると考えて)その時点で売ることができなかった」と株式投資の判断の難しさも実感している。足元では、コロナ禍で乱高下する日本株ではなく米国株にシフトしており、GAFA系の株を買い増している。今後の資産形成について不動産投資と株式投資の二刀流で将来に備えていく考えだ。

健美家編集部(協力・若松信利)


不動産の相続、税理士の探し方・選び方は?相場や相談方法も

1.不動産の相続では税理士選びが重要

不動産の相続税申告では、税理士選びが非常に重要になります。

不動産の相続税額の算定では、財産評価の際に相続税法の解釈や適用が複雑な取り扱いや、特例の適用が多く、適用の違いが税額に与える影響も大きくなります。

さらに、相続税の申告をした人のうち10人に1人に税務調査が実施され、追徴税額が課されているという統計があり、税務リスクが高い傾向があります。

このように、相続税では申告に関する影響、リスクが大きいうえ、税理士によって得意不得意が明確に分かれる分野であるため、税理士選びが非常に重要になるといえるでしょう。

1-1.不動産の相続税額は税制の適用方法によって大きな差が生じうる

不動産の相続税額の算定をする際、基礎となる財産評価には、相続税法の解釈や適用で認められている、評価額の減額方法があります。また、一定の条件を満たす場合に、不動産の財産評価額を大幅に減額することができる特例も設けられています。

このように、税法の解釈によっては適用できる評価額の減額方法や特例を利用しなかったり、あるいは別の解釈をすることで適用しなかったりすると、結果として相続税額が増えることになります。

不動産の財産評価額は数千万~数億円単位となる場合もあり、相続税の税率も10%~55%と財産評価額が大きくなるほど高率であることから、税制の適用方法によって生じうる相続税額の差は非常に大きなものになります。

1-2.相続税申告は税務リスクが高い

国税庁が令和元年に発表した「平成30事務年度における相続税の調査等の状況」によると、平成30事務年度における相続税の実地調査は、平成28年に発生した相続のうち、過少申告あるいは無申告と想定されるものについて、約12,000件おこなわれています。

平成28年分の相続税の申告実績」は約106,000人であるため、約10%の割合で税務調査がおこなわれていることになります。

また、税務調査が入った場合、申告漏れ等の非違件数の割合は約86%であり、追徴税額は加算税を合わせて1件あたり568万円にも上っています。

このように、相続税申告は税務調査が実施される確率や追徴税が課される可能性が高く、その税額も高額であるといえます。すなわち、総じて税務リスクが高いといえるでしょう。

1-3.相続税申告は税理士によって得意不得意が分かれる

相続税の申告は、死亡した人の正味の遺産額が基礎控除額を上回るときに初めて必要となるものであり、令和元年の相続税申告件数は115,000件と令和元事務年度の法人税申告件数約300万件と比べると市場規模が限定されているといえます。

したがって、税理士によっては相続税申告の経験・実績が少ない場合もあり、得意不得意が分かれる分野であるといえます。

また、平成26年の税制改正以前は基礎控除額が大きく、相続税申告が必要な人の規模が現在の約半分であったことも影響しているといえるでしょう。国税庁の「「平成27年分の相続税の申告状況について」によると、改正後の平成27年分申告から基礎控除額の引下げ等が行われ、課税対象被相続人数の前年比が約2倍になっています。

2.不動産の相続に強い税理士の探し方・選び方

それでは、不動産の相続に強い税理士は、どのような点に注意して選ぶのがよいのでしょうか。以下で詳細を説明していきます。

2-1.相続税の申告実績が豊富であること

相続税の申告は税理士によって得意不得意が分かれる分野であることから、相続税の申告実績が豊富かどうかを確認することが大切です。

その際、相続税の相談実績ではなく、税金の計算をして税務署に対して書類を提出する、申告業務の実績がどれぐらいあるかを確認しましょう。

できれば、申告実績の内容について、遺産規模や資産の種類なども確認するとよいでしょう。法人税の申告を主要業務としている税理士の場合、顧問業務をおこなっている法人の社長などの相続税の申告が多く、株式の相続税申告は経験しているものの、不動産の相続税については経験が少ないケースがあります。

また、相続税専門の税理士の中には、他の税理士がおこなった相続税申告を修正し、納付済の相続税を取り戻す相続税還付申告を請け負う税理士もいます。還付申告の実績についても確認してみましょう。

2-2.報酬体系が明確で適正であること

相続税の税理士報酬は遺産総額の〇%というように決められていますが、相続税の申告では、個別の特殊事情によって手間がかる場合があり、その分の報酬が加算されることがあります。

報酬加算の対象となる事情とは、たとえば、土地の評価が必要である場合や、相続人が複数いる場合、非上場株式の評価が必要である場合、申告期限まで時間がない場合など、税理士事務所によって様々です。

このような、報酬体系が明確で適正な金額であることは、それだけ申告実績があり、業務フローが確立されているということでもあり、相続税の申告に強い税理士であることの目安であるといえるでしょう。

2-3.不動産評価算定や相続税の特例適用ができること

不動産の相続税の基礎となる財産評価の際、税法の解釈や適用方法によって、不整形地の評価を減額したり、小規模宅地等の特例に該当する土地の評価を8割減額したりすることができます。

このような、不動産の評価算定方法や特例を適用して、相続税の適正な減額をおこなってもらえるかどうか、という点も不動産の相続税申告の依頼をする際は、判断ポイントになるといえるでしょう。

特に、不動産の評価は個別性が高く複雑であるため、不動産の相続税申告に強い税理士事務所では、相続税申告と不動産評価サービスを分けておこなっていることもあります。

2-4.二次相続を見据えた相続税対策ができること

二次相続を見据えた相続税対策の提案があるかどうかも、不動産の相続税申告に強い税理士を探す基準になります。

二次相続では、配偶者に大きな非課税枠がある配偶者控除を利用できない場合が多く、法定相続人が減ることで基礎控除額も減少してしまいます。さらに、二次相続では、相続人である子が同居要件や所有要件を満たすことができず、小規模宅地等の特例を適用することが難しくなる場合もあります。

このように、二次相続で発生する相続税まで考慮した上で、相続財産の分割などについての対策の提案があると心強いといえるでしょう。

2-5.税務調査対応や書面添付ができること

上述したように、相続税の申告は税務リスクが高いといえます。相続税の申告について、税務署の税務調査にも対応してもらえる税理士であれば、税務リスクを軽減することができるといえるでしょう。

なお、税務調査対応については、多くの税理士事務所で相続税の申告業務とは別料金に設定されています。対応の可否、料金の目安を確認するとよいでしょう。

また、申告書に税理士がその申告書について計算、整理をし、相談を受けた事項を記載することによって、税務調査の際、事前にその税理士に意見聴取することを義務付ける、書面添付制度があります。

この書面添付制度を適用するサービスをおこなう税理士であれば、税務署対応を任せる際にも心強いといえるでしょう。

3.相続税の申告を税理士に依頼する費用相場

税理士に相続税の申告業務を依頼する場合の費用相場はいくらぐらいなのでしょうか。以下で確認してみましょう。

3-1.遺産総額ベースの報酬体系が多い

相続税の申告業務の税理士費用は、遺産総額規模に応じた報酬体系となっているケースが多いといえます。一般的に、遺産総額の0.5~1%程度が相場であるといえるでしょう。

ただし、相続税の申告は個別事情によって業務量が異なるため、遺産総額ベースの報酬は基本的な申告業務の範囲に限定されているケースが大半です。

その他、遺産総額規模が配偶者控除の範囲内であり、遺産分割が決定済であるなど、シンプルな申告業務と報酬体系を区分しているケースもあります。

3-2.別途加算報酬となる業務

相続税の申告業務は、遺産である財産の内容や相続人の人数などの個別事情によって、申告業務の複雑さ、手間などが大きく変わります。

そのため、遺産総額ベースの報酬を基本として、別途個別事情に応じた手数料を規定している税理士事務所が多いといえます。加算報酬の単価は事務所によって様々ですが、次のような個別事情がある場合、加算費用が発生することが多いでしょう。

  • 土地の財産評価がある
  • 非上場株式の財産評価がある
  • 相続人が複数である
  • 申告期限が近い
  • 税務調査の立ち会いが必要である

4.税理士に相談依頼する方法

不動産の相続税申告に強い税理士を探して相談依頼するには、インターネットのホームページ経由、セミナー、他の士業や金融機関などの紹介、税理士紹介サイトの利用、などの方法があります。

なお、どのような手段で税理士を探す場合でも、できれば複数の税理士への相談や面談を通して、費用や対応内容について比較することが大切です。相続の状況に適した税理士を見つけられるよう、効率的にアプローチしていきましょう。

4-1.ホームページ経由

近年では、多くの税理士が事務所のホームページを持ち、業務内容の紹介をしています。インターネットで税理士事務所のホームページを検索し、業務内容を調査して相続税申告に強い税理士を探してみるのもよいでしょう。

興味を持った税理士がいたら、一度面談を設定してもらい、依頼内容と料金の確認をし、複数の事務所を比較検討してみましょう。

4-2.セミナー、他の士業や金融機関などの紹介

不動産の相続税申告に強い税理士事務所では、相続税対策についてのセミナーを開催していることがあります。セミナーでは、事務所の業務内容を紹介しているケースもあるため、セミナーをきっかけに税理士を探すのもよいでしょう。

また、弁護士や行政書士、司法書士など、相続に関する業務をおこなっている士業であれば、相続税の申告に強い税理士と接点を持っていることが多いでしょう。また、金融機関も業務の中で税理士との接点は多く、税理士を招いて相続セミナーなどを開催しているケースもあります。他の士業や金融機関などから紹介してもらうという方法もあります。

4-3.税理士紹介サイトの利用

税理士紹介サイトを利用して、不動産の相続税申告に強い税理士を紹介してもらうという方法もあります。

税理士紹介サイトでは、コーディネーターが、相談者のニーズに合った税理士をピックアップし、面談を調整してくれます。税理士との依頼内容の調整や、料金交渉などもコーディネーターに任せることが可能です。

税理士ドットコム

税理士ドットコム税理士ドットコムは、全国5,900名の税理士の中から無料で希望に沿った税理士を紹介してもらえるウェブサービスです。複数の税理士を比較することができるうえ、「費用はいくら?」「どんな税理士を選ぶべき?」といった税理士を選ぶ際の相談も可能となっています。

不安のある方は、このようなサービスの利用を検討するなどして、手間やリスクを省くことも選択肢の一つと言えるでしょう。

まとめ

不動産の相続税申告に強い税理士を探すポイントは、相続税申告の実績・経験が豊富かどうかというのが基本になるでしょう。不動産の財産評価や特例の適用をしてもらえるかどうか、二次相続対策、税務調査対応の可否も判断基準となります。

多くの場合、費用は遺産総額ベースとなっていますが、相続の個別事情によって加算費用がかかるケースもあるため、それぞれの事情に応じて報酬体系を確認しましょう。

不動産の相続税申告は、比較的税務リスクが高いといえます。複数の税理士事務所を比較して慎重に検討しましょう。


毎月160万円もの不労所得が…「廃墟不動産投資」達人に聞く、ノウハウと極意


日本全国にある空き家の数は、なんと800万戸以上。廃墟同然のボロ家でも、安く手に入れ、うまく活用することで、着実に利益を生むことができるという。そのコツとは?

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【不動産投資こそFIREへの近道】
不動産投資は「事業」である


不動産投資で大切なのは
センスより愚直さや真面目さ

 これまで7棟を所有して資産7億5000万円、年間2000万円のキャッシュフロー(純現金収支=手元に残るお金)を得るようになってつくづく思うのは、不動産投資は「事業」だということです。

 私は、まだ証券会社に勤めていた2016年、3棟目を購入するときに法人登記してからは、法人名義で不動産を購入し、黒字決算を続けています。

 その翌年(2017年)に4年勤務した野村證券を退職したのは結婚がきっかけでしたが、「不動産投資でやっていける!」と確信できたからこそなのです。

 そういう意味でも、20代で早めに不動産投資をはじめて本当によかったと思っています。

 資産運用する「事業」として大きな柱ができると、他の仕事を含めていろいろなことに挑戦できるようになるからです。

「若いのに不動産投資なんてよくやるね」といわれることもありますが、若いからこそ10年、20年、30年の長期スパンで余裕を持って計画を立てられるのです。

 もしうまくいかなくても、若ければ、方向転換すればいいだけですから。

 女性の場合、結婚、出産、育児などでライフスタイルが大きく変わる可能性があります。

 それを不動産投資のリスクだと考える人がいるかもしれません。

 でも、ライフスタイルが変わっても資産を増やせる手段こそ、不動産投資なのです。

 不動産賃貸業の黒字化が続けば、出産や子育てなどで仕事を一時中断することがあっても困ることはありません。

 会社員は学歴や人脈、ビジネスセンスなどが重視されますが、そういったことは不動産投資で成功するためにはあまり関係ありません。

 不動産投資で大切なのは、むしろ愚直さや真面目さ。誰でもやろうと思えばできることばかりです。

 キャッシュフローを増やしていくために、やるべきことは決まっているので、それを1つひとつコツコツ実践していくイメージです。

 これから不動産投資をはじめる人は、「長期安定の新規事業」のつもりでスタートすることをおすすめします。「投資」と聞いて、多くの人が最初に思いつくのは、本書のテーマである「不動産投資」ではなく「株式投資」のほうでしょう。

新型コロナウイルスが世界的に蔓延し、2020年3月に株価が大暴落したコロナ・ショックを機に、株式投資をはじめた人が増えたといいます。

かつて野村證券に勤めていた私がいうのもなんですが、株式は不動産に比べて市場経済の影響をモロに受けます。
もちろん、景気や業績が好転すれば株価はまた上がりますが、市況の波は誰にも予測できないものです。
売り時もわからず、株価が下がりはじめると「このまま下がり続けて反転しなければ大損することになる」と焦って“狼ろう狽ばい売り”する人が多いのが現実です。

銀行の普通預金の金利は0・001%程度(2021年4月5日時点)ですから、100万円を1年間預けてもたったの10円しか増えません。
一方、株式投資は低リスクの金融商品でも利回り3~5%くらい狙えますから、毎年3万~5万円は増えます。

さらに、株式よりも確実に、より短期間で資産を最大化していけるのが不動産投資だということを、私はこの5年間で7棟の不動産を購入して実感しています。
そうした経験をふまえて、私が自信を持ってお伝えしたいことは、「もっとも不況に強く、安定的かつ効率的に資産を増やす方法は不動産投資しかない」ということなのです。

節税効果が薄れたハワイ不動産投資はどうすればいい?対処法を解説

税制改正大綱によって節税効果が縮小

令和元年末に発表された税制改正大綱により、ハワイ不動産投資による節税効果は縮小することとなりました。ハワイ不動産投資による節税の方法と、税制改正大綱の内容について解説します。

減価償却費の計上が節税のポイント

これまで、海外不動産投資による節税は、日本の税制によって発生する減価償却費を計上できることがポイントでした。

減価償却費とは、不動産など資産の経年劣化による価値の目減り分について、税務上の経費として計上できる費用のことを指します。減価償却費は実際の支出を伴う経費ではありません。このため、減価償却費を計上すれば実際の資産を減らさずに節税が可能です。

1年あたりの減価償却費を最大化するためには、減価償却期間を短期化できる築古の木造住宅を購入するのが有効です。しかし、日本では築古の木造住宅は入居者にも投資家にも人気がないため、最終的な物件の売却が課題となります。

その一方で、アメリカではハワイを含めて築古の木造住宅も多数流通しています。ハワイでは、日本で課題となる物件の流動性についても解決可能なため、これまで多くの富裕層がハワイ不動産投資による節税をしていました。しかし、減価償却費の計上による節税は今後封じられることとなります。

海外不動産投資の減価償却費は計上不可能に

2019年末に発表された税制改正大綱により、2022年に実施する確定申告からは、海外不動産投資によって発生した減価償却費を計上できなくなりました。海外不動産全てが対象となるため、ハワイ不動産についても今後は減価償却費を計上できません。

※参照:令和2年度 税制改正大綱

賃貸管理費や修繕費などは経費計上できるため、ハワイ不動産の節税効果がゼロになったわけではありませんが、効果が大幅に小さくなったと言えます。ハワイには、税制改正前には節税効果を期待できた木造築古物件も多く、こうした物件を購入していた日本人投資家も少なくありません。

コロナでハワイ経済も縮小

ハワイ不動産投資による節税は、税制改正によって効果が縮小することとなったため、投資家は今後の対応を迫られています。しかし、ハワイの主要経済は観光業なので、コロナで渡航制限が敷かれている2021年時点では、ハワイの経済も大きな打撃を受けている状況です。今後数年間は、失業者の増加などによる空室リスクや家賃滞納リスクなどに注意を要します。

渡航制限によって観光客が大幅に減少

ハワイ観光局の統計によると、2020年4月のオアフ島訪問者数は、対前年比マイナス99%となりました。なお、ハワイの訪問者はこれまで平均滞在日数が7日前後でしたが、コロナを経て20日以上など長期化しています。観光や結婚式などを目的としてハワイを訪問する人は減っており、友人・家族と会う目的でハワイを訪れる人が増えている状況です。

※参照:ハワイ観光局

ハワイ州の失業率推移

観光客の減少はハワイ州の失業率にも表れており、ハワイ州政府が発表したレポートによると、ハワイ州の失業率は以下のように推移しています。

※参照:ハワイ州政府

ハワイ州の失業率は、2020年第1四半期には2.0%でしたが第2四半期には19.4%まで上昇しました。その後、2021年第1四半期には9.0%まで下がっているものの、平常時と比較すると、ハワイの失業率はまだ高い状況です。

なお、宿泊施設・飲食業などに関連する失業者数は55,000人に上っており、全失業者数の42.2%を占めています。観光に関連する宿泊業や飲食業に従事する人たちの多くが失業している状況です。ハワイ州政府が発表しているレポートによると、ハワイ州の失業率は年々低下していく見込みです。

しかし、2024年の予測失業率は5.0%であり、ハワイの雇用が回復するまでには数年かかると予測されています。

平均所得が回復するのは2024年の見込み

そのほか、個人所得の指標も2020年以降2023年までは低下もしくは横ばいとなる見通しです。予測個人所得の推移は以下グラフのようになっています。

※参照:ハワイ州政府

2023年まではコロナの影響がある見通しとなっているものの、2024年には直近5年間では最高所得を更新すると予測されています。なお、2022年は最も平均所得が落ち込む見通しであり、予測平均所得は$82,599です。

ハワイでは元々の平均所得が高いことから、コロナの影響で所得が減少すると予測されているものの、$80,000を下回ることはない見込みとなっています。

ハワイ不動産投資で考えられる対応策

節税が封じ込められた上に、数年間は空室リスクや家賃滞納のリスクに要注意のハワイ不動産投資において、今後考えられる対応策を解説します。

ハワイ不動産はキャピタルゲインを期待できる

もともと不動産市場の安定性が高いハワイでは、コロナ禍においても住宅価格の暴落などは起きていません。アメリカ政府が打ち出した経済対策の1つである低金利政策が、住宅ローン金利を押し下げており、低金利を背景として住宅需要が拡大している状況です。

また、ハワイ不動産は価格の上下動が多いものの、長期的には右肩上がりで推移しています。コロナを原因としたハワイ経済の停滞によって、住宅価格が一時期落ち込むことは考えられますが、長期保有を前提に考えればキャピタルゲインも期待できます。

ハワイ不動産投資では節税が封じられた上に、コロナの影響で家賃収入によるインカムゲインも不安定な状況です。しかし、リーマンショック後も早い段階で不動産価格が回復した過去を鑑みると、キャピタルゲインを狙うのは不可能ではないと考えられます。

資産分散の観点からも長期保有は有効

海外不動産投資には、節税やキャピタルゲインといった直接的な利益のほかにも、資産分散によるリスクヘッジという効果があります。物件価格の暴落が起こりにくいと思われるハワイ不動産投資は、資産分散の観点からも有効です。

日本国内の不動産は、人口減少や経済成長の鈍化などが起きていることから、今後価値が下がることも考えられます。また、日本では地震や台風といった自然災害のリスクもあるため、海外不動産投資による資産分散は効果的です。

まとめ

ハワイ不動産投資による節税のポイントは、減価償却費の計上を活用することでした。しかし、2022年に実施する確定申告からは、税制改正によって減価償却費を計上できなくなります。

2021年時点では、ハワイの経済はコロナによる影響を受けており、コロナ以前の水準に回復するまでには数年かかる見通しです。今後ハワイの不動産市場にもコロナの影響が表れる可能性があります。

しかし、過去の住宅価格推移を鑑みると、キャピタルゲインや資産分散の観点から、ハワイの不動産を長期保有するのも有効です。



利回り不動産の評判・口コミは?メリット・デメリットや注意点も


1.利回り不動産とは

利回り不動産利回り不動産は、株式会社ワイズホールディングスが提供する不動産クラウドファンディングサービスです。

1口1万円の少額から不動産投資が可能で、これまでに5つのファンドを運営・募集しており、不動産クラウドファンディングを活用した次世代の投資スタイルを提案しています。

運営会社である株式会社ワイズホールディングスは東京に本店、大阪と沖縄に支店を構え、不動産開発・不動産仲介・不動産賃貸など行っており、これまでにホテルや商業施設などをメインに、比較的大規模な不動産開発を手掛けてきた実績があります。

運営会社株式会社ワイズホールディングス
本社所在地〒105-0001 東京都港区虎ノ門4丁目3番1号 城山トラストタワー33階
設立平成26年8月
資本金1億円
代表和泉 隆弘/萩 公男
事業内容・不動産開発事業
・不動産特定共同事業不動産仲介事業
・不動産賃貸事業

2.利回り不動産の特徴やメリット

利回り不動産の特徴やメリットは下記の通りです。

2-1.優先劣後出資を採用している

利回り不動産では優先劣後出資方式を採用しています。優先劣後方式とは、投資家から集めた資金を「優先出資分」、利回り不動産が出資した資金を「劣後出資分」として別々に管理してすることをいいます。

仮に運用後の損失が発生した場合には、劣後出資分から損失計上が行われ、投資家が出資した資金が守られる仕組みとなっています。

利回り不動産が運用・募集しているファンドでは、10%の劣後出資が行われているため、各募集金額の10%の損失までは、利回り不動産が負担してくれます。ただし、10%を超える損失が発生した場合には投資家の負担となる点に注意しておきましょう。

2-2.マスターリース契約による空室保証がある

利回り不動産では、運営会社が投資物件を一括して借り上げるマスターリース契約を締結しており、空室・満室に関わらず、一定額の賃料が支払われます。

2-3.ワイズコインを使った投資ができる

利回り不動産では、ワイズコイン(WISE COIN)を使った投資が可能です。

ワイズコインとは、クラウドファンディングに投資できるコインサービスのことで、こちらも株式会社ワイズホールディングスが運営しています。

利回り不動産での口座開設や物件への投資額などに応じてコインが貯まる仕組みとなっており、1コイン1円相当で利用可能です。貯まったポイントはクラウドファンディングへの投資に充てることができます。

2-4.1口1万円からの投資が可能

不動産クラウドファンディングでは、現物の不動産投資よりも少額で投資ができるという特徴があります。

ただし、最低投資金額はサービスによって異なり、1口数万円から10万円程度必要になるケースもあります。

利回り不動産では、1口1万円から投資ができるため、これから投資を始めたいという方でも利用しやすくなっています。

2-5.予定利回りは6.5%~7.0%

利回り不動産にて運用・募集されているファンドの予定利回り(年換算)は6.5%~7.0%に設定されています。

予定利回りが3.0%~5.0%程度に設定されている不動産クラウドファンディングも多く、利回り不動産のファンドは比較的に高い利回りで投資物件を提供しているといえます。

2-6.すべての案件で6ヶ月の運用期間(2021年6月時点)

利回り不動産が運用・募集しているすべてのファンドで、6ヶ月間の運用期間が設定されています。

多くの不動産クラウドファンディングサービスでは、運用が終了するまでお金を動かせないようになっており、この点は資金流動性の面でデメリットとなります。

利回り不動産では運用期間が比較的に短く設定されているため、投資に対するハードルが低くなっているといえるでしょう。

3.利回り不動産のデメリット

一方で、利回り不動産には下記のデメリットがあります。こちらもそれぞれ詳しく見て行きましょう。

3-1.元本割れのリスクがある

利回り不動産を始めとした不動産クラウドファンディングサービスでは、元本が保証されません。出資法という法律により出資元本の保証が禁じられているためです。

場合によっては元本を毀損する可能性があるということを理解しておきましょう。

3-2.運用実績がまだない(2021年6月時点)

利回り不動産は2021年からサービス提供を開始した新しい不動産クラウドファンディングです。

第1号ファンドの契約期間は2021年5月1日から2021年11月30日となっており、運用は開始されているものの、運用を完了した実績はまだありません。過去の実績を見て判断したい方にとって、デメリットと言えるでしょう。

3-3.ワイズコインの利用は利回り不動産に限られる(2021年6月時点)

ワイズコインはクラウドファンディングに投資できるコインサービスです。出資の際に自動的に現金化して投資金額に充てられるほか、保有するワイズコインの有効期限がないため利用に対する自由度が高いなど特徴があります。

しかし、2021年6月時点でワイズコインを利用できるクラウドファンディングは利回り不動産のみとなっており、他社のポイントサービスへの交換などはできなくなっています。

ワイズコインを利用できるサービスの範囲については、今後期待したいポイントと言えるでしょう。

3-4.北海道札幌市の物件に限定されている(2021年6月時点)

2021年6月時点、利回り不動産で運用・募集されている5つのファンドはすべて「北海道札幌市」の物件となっています。土地勘がない場合は、投資物件周辺がどのような環境なのかを判断しづらく、投資判断に影響する可能性があります。

また現物資産である不動産は、一か所に投資対象を集めてしまうと災害リスクや賃貸ニーズ減少の影響を大きく受けることになります。投資対象を分散させたい場合には、他のクラウドファンデイングと並行して利用するなどの工夫が必要です。

4.利回り不動産の評判・口コミ

利回り不動産に対する評判・口コミの一部を紹介します。

  • 利回り不動産の口座開設完了
  • 投資家が少なく投資しやすいかも
  • 募集開始時間から10分かからず完売していた
  • 出資額に応じたポイントがいつ付与されるか分からない

サービス提供開始からまだ間もないこともあり、利回り不動産に関する評判や口コミはそれほど多くありませんでした。そのなかでも、不動産投資に関心のあるユーザーからは利回り不動産の口座開設を完了したという声があり、サービス内容への期待がうかがえます。

また、参加する投資家が少なく投資しやすいと感じる声や、募集開始から10分足らずで完売していたという声もありました。

一方で、ワイズコインがいつどれだけ付与されるのかわからないといった、不安の声も見られました。

5.利回り不動産での投資の始め方

利回り不動産を利用して不動産投資を行う場合の手順は以下の通りです。

  1. 会員登録
  2. ファンドへの応募
  3. 契約・入金
  4. 運用
  5. 分配

5-1.会員登録

最初に、利回り不動産のウェブサイトで会員登録を行います。氏名や住所などの情報の入力と、免許証などの本人確認書類の提出を行い、利回り不動産側で本人確認審査が行われます。

なお、利回り不動産のメルマガに登録すると、新規公開の物件情報のお知らせやキャンペーン情報のお知らせが届きます。他の投資型クラウドファンディングでの傾向を見ても、想定利回りが高いような人気案件は募集枠がすぐに埋まってしまうことが少なくないため、余裕を持って投資判断をしたい方や、キャンペーン情報を見逃したくないという方はメルマガ登録を検討してみると良いでしょう。

ウェブ上で審査が完了すれば手続き完了のメールが送付されるので、その内容に従って手続きを行います。本人確認が完了しなかった場合は初回ログインに必要な認証コードを記載した本人確認ハガキが送付されます。

認証コードを入力することで、利回り不動産への会員登録が完了し、サービスを利用できるようになります。

5-2.ファンドへの応募

ウェブサイトに掲載されているファンド一覧から、ファンドへの応募を行います。

事前に契約成立前書面を確認し、投資したいファンドを選択します。本人確認が完了していない場合はプロフィール情報変更の申請をしている場合は、ファンドへの応募ができないため注意しましょう。

5-3.契約・入金

ファンドへの応募が完了すると、登録したメールアドレスにファンドが成立した通知が行われ、「契約成立時書面」を確認することで契約締結となります。契約締結後は指定口座に必要金額の振込を行います。

5-4.運用・分配

入金した後は利回り不動産が対象物件の運用を行います。ファンドの進捗状況などは、随時メールで通知されるのでこまめに確認しましょう。

運用後は6ヶ月ごとに口座へ分配金が振り込まれます。また、運用終了時には翌月までに分配金と出資金が口座に振り込まれます。なお分配金には20.42%の源泉徴収がされます。

所得税より源泉徴収額が多い場合、確定申告することにより還付金を受けることができます。還付金の申告は、確定申告の義務がない場合でも可能です。

まとめ

今回は利回り不動産の評判や口コミ、メリット、デメリットについて紹介しました。

利回り不動産は1口1万円からの少額投資が可能な不動産クラウドファンディングで、優先劣後出資や満室保障、ワイズコインを使って投資ができるなどの特徴があります。

予定利回りは比較的高いものの、新しいサービスであるがゆえに分配の実績がまだなく、利用については慎重に判断するべきでしょう。

不動産投資を始めたい、資産運用に取り組みたいと考えている方は、本記事を参考に利回り不動産の利用を検討してみてください。

知らないと損をする不動産投資の‟勘違い節税”


1.不動産投資は経費計上を多くして赤字にできるという勘違い

「なんでも経費」の勘違い

不動産投資は、経費計上できるから節税になるという方がいらっしゃいます。
サラリーマンからすると、経費で落とすということができない(特定支出控除という制度はありますが、利用してメリットになる人は少ないです)ことから、不動産投資で経費を使うことに憧れを抱く方もいらっしゃいます。

しかし、何でも経費にできるということではありません。
経費にできるのは、事業に利用したものだけです。

・家族との食事代、旅行代
・友人との飲み代
・勤め先でも使用できるスーツ代、かばん代

など事業に関係のない支出は経費にすることはできません。

自宅の一部を事業で使用しているのであれば、水道光熱費、家賃などを一部経費にすることは可能ですが、事業で使用していることが明確となる部分のみが経費として認められます。

生活費も含めてなんでもかんでも経費に計上して、税務調査で修正させられた事例がありますので、注意をしてください。

「無理やり経費」の勘違い

事業にかかわる経費であれば、金額に上限はありません。
だからといって、無理に経費を計上しようと、がんばって支出をする方がいらっしゃいます。
確かに税金は減って、還付を受けられるかもしれません。

しかし、還付を受けたからといって、得をしているかどうかは別問題です。

100万円経費を使った場合に、節税になる税金はいくらでしょうか?

100万円ではありません。
税率分をかけた分だけ税金が減るのです。

所得税の税率は超過累進税率です。
所得が大きくなれば大きくなるほど、高い税率で課税されるということです。
ただし、全体に対して高い税率が課税されるということではなく、一定の金額を超えると、超えた部分にだけ高い税率がかかるというものになります。

例えば、所得税と住民税(一律10%)合わせて30%で税率がかかるのであれば、
100万円×30%=30万円が税金。つまり節税になる金額です。

100万円使って、30万円の税金が減るのです。
逆を言えば、70万円の支出は生じるということです。

つまり、税率分だけ税金が減ることから、最大でも55%(所得税45%+住民税10%)の税金を減らせることに留まり、確実に節税額よりも支出の金額の方が多くなるのです。

この事実を知らずに、経費になるからとやみくもに支出をして、手残りまで無くしている方がいらっしゃいます。

これでは何のために不動産投資をしているかわからないでしょう。

けっして経費を使うなと言っているわけではありません。必要な経費は使うべきです。
しかし、無駄な経費は徹底的に削減することが、キャッシュフロー上も経営上も良いことに間違いありません。

2.減価償却を多く取りすぎの勘違い


不動産投資は、減価償却があるから節税になるという方がいらっしゃいます。
「減価償却は支出のない経費」と謳っているようです。

これは正確ではありません。
正しくは、「減価償却は支出がある経費。ただし、支出と経費のタイミングをズラすことができるもの。」です。
現金で不動産を購入すれば、支出のタイミングが先で、減価償却となる経費が後になります。

ローンで不動産を購入すれば、支出のタイミングが後になり、減価償却となる経費が先になることが多いです。

いずれも支出は伴うのです。
減価償却の耐用年数によって、経費のタイミングを先にもってきたり、後ろにもってきたりできるため、「支出のない経費」と勘違いされてしまうのです。

たしかに減価償却で大きく赤字を作ることが可能です。
しかし、不動産所得については、赤字になった場合には「土地取得にかかる借入金の利子については、損益通算の対象にはならない」という規定があることは前回お伝えしました。

減価償却を大きくして赤字を作ったところで、土地に係る利息分までは、赤字が切り捨てられてしまうのです。

黒字であれば経費として利用できた減価償却費を、赤字にしたばかりに捨ててしまっているのです。

築年数が古い建物であれば、短い年数で償却することが可能です。
それによって1年あたりの減価償却費を大きくすることができるのですが、土地負債利子とのバランスを考えるべきです。
土地負債利子で、あまりにも切り捨てられてしまう減価償却費が大きいのであれば、短い年数で償却しない方がよいという選択を考えるべきでしょう(中古の耐用年数を簡便法ではなく、見積法を使うことで、耐用年数を長めにとることが可能です)。

3.まとめ

前回も伝えましたが、不動産所得が節税に使われてきた背景から、節税を規制する制度になっています。
赤字を作れるというところから不動産投資を始めると、節税になっていなかったり、手残りが残らない経営になってしまっているケースがあります。

不動産投資が節税にならないわけではありません。しかし、ルールを知らないと痛い目を見ます。
損をしないためにも税制や会計の知識はある程度持つべきなのです。


金利上昇で崩壊した日本の不動産バブル、韓国も追随か


一部の不動産暴落論者は、1980年代末期の日本の不動産バブル形成過程が韓国の住宅価格高騰と似ており、韓国にも住宅価格暴落の可能性があると主張している。東京都心3区の土地を売れば、全米の土地が買えるとささやかれるほど、日本の不動産価格が高騰した原因は、「不況」を防ぐために取った景気浮揚低金利政策だった。日本銀行は政策金利を1986年の5%から87年に2.5%まで急激に引き下げた。米国が85年に巨額の貿易赤字を解消するため、日本に強要した「プラザ合意」に従い、日本は85年に1ドル=250円だった円相場を86年には150円台にまで急激に切り上げた。価格競争力が低下した輸出企業が悲鳴を上げ、実質国内総生産(GDP)成長率は85年の4.4%から86年には2.9%に低下した。日本政府は景気浮揚のため、さまざまな開発計画を発表し、日銀は利下げを行い、流動性の供給を拡大した。低金利融資競争にも火がつき、膨らんだ流動性は株式と不動産の価格を押し上げた。86年から89年にかけ、株価と不動産価格は毎年20-30%上昇した。日本は国土面積が広くないため、地価は下がらないとする「不動産不敗神話」が火付け役となった。不動産投資関連の書籍もベストセラーになった。
■円高不況を防ぐための低金利政策が不動産価格を急騰させた  低金利と膨大な流動性が日本の資産バブルを膨らませたように、韓国だけでなく、米国、英国、ニュージーランドなど全世界が「パンデミック不況」を防ぐため、低金利、量的緩和、補助金などの政策を講じ、資産価格を急騰させた。ブルームバーグが最近まとめた住宅価格バブルランキングで韓国は19位だった。1位はニュージーランドで、カナダ、スウェーデン、ノルウェー、英国、デンマーク、ベルギー、オーストリア、フランスが続いた。  日本政府は当時、不動産価格が急騰しているにもかかわらず、土地取引監視区域の指定、融資審査の強化など段階的な措置しか取らなかった。不動産価格の高騰が社会問題になり、日本のNHKは「住宅価格を半分にしよう」という特集を連日流した。不動産価格高騰を放置した政府・日銀の無能に対する批判が相次いだ。韓国ではこれまでに25回にわたる不動産政策が発表されたが、金利は過去最低水準で、流動性は増え続けている。
■利上げと不動産融資総量規制でバブル崩壊、機会逃した日銀  不動産価格高騰は社会的対立を招き、政治的な争点となった。バブルをある程度容認してきた日本政府は世論に背中を押される形で不動産融資を事実上引き締める「不動産総量規制」を導入した。バブル絶頂期の89年12月、日銀総裁に就任した三重野康氏は「インフレなき成長」を主張し、電撃的に金利を引き上げた。  政府の求めで利上げには消極的だった前総裁とは異なり、三重野総裁は「不動産価格は20%程度下がるべきだ」とし、2.5%だった政策金利を90年8月には6%まで引き上げた。さらに、88年のバーゼル合意に従い、銀行も不動産担保融資を削減。そうしたうねりが不動産市場を覆った。不動産市場よりも先に株式市場が反応した。89年12月に3万8915円で最高値を付けた日経平均は、利上げ本格化を受け、90年10月に2万円を割り込んだ。  青天井で上昇していた地価も利上げによる影響で、調整期を経て下落に転じた。当時三重野総裁は「庶民のためにバブルという悪を退治する義賊」「バブル退治人」などと称賛された。三重野総裁は94年12月まで在任し、不動産価格と株価を急落させることには成功したが、景気浮揚のための利下げにはあまりに消極的だった。三重野総裁は日本の景気低迷が長期化し、「日本経済を滅ぼした主犯」との批判も受けた。日銀は株価と不動産価格の急落を受け、政策金利を93年には再び1.75%まで引き下げた。しかし、あまりに遅く、緩やかに金利を引き下げたことへの評価は厳しかった。2002年にFRBの経済学者は報告書を通じ、「89年にバブルが崩壊した際、日本の中央銀行が政策金利を攻撃的に引き下げていれば、デフレの悪循環は訪れなかった」と主張した。

マンション投資で超重要な「物件選び」のポイント…不動産会社の経営者が解説

都心か、地方か(資産性 vs. 収益性)

購入する物件について、よくみなさんが悩まれる「都心か地方か」「新築か中古か」といった疑問について解説していきます。まずは、収益物件を持つなら、都心か地方か、それぞれの特徴についてお話ししましょう。

 

●都心の物件は、資産性は高いが、物件価格が高く、利回りが低い

 

結論から言うと、都心の物件であれば、収益性は低く、利回りも低いのが特徴です。それがゆえに、相対的に割高となります。

 

メリットとして、アドレスに優位性があるため、物件価格が落ちにくいことです。もちろん、年数が経てば建物価値は落ちますが、一般的には資産価値は落ちにくいと言われており、資産性が高いと考えられます。

 

一方、デメリットとしては、利回りが低いため、収益性が弱いことです。都心の物件は高いため、比較的お金持ちの資産家が買う傾向にあります。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

●地方の物件は安くて収益性が高いが、空室対策や出口戦略が肝になる

 

地方の物件を買うメリットは何かというと、収益性が高く、利回りが高いことです。また、価格帯が小さくなるため、購入しやすく、参入障壁が低くなります。「キャッシュフローはしっかり確保したい」「利回りが高く、収益性の高い物件がほしい」という人に、地方の物件は向いているでしょう。

 

一方、デメリットとしては、地方の物件ですから、長期間保有する際に、需要が少なく、特に新築は家賃が落ちやすい点が挙げられます(図表参照)。運営・出口戦略をよく考えてから購入することが大切です。

 

[図表]新築物件の家賃下落イメージ

 

また、エリアによっては空室リスクが高いケースがあります。人口が減少していく地域なのかどうか、統計資料をよく見てから買う必要があります。また、地方であれば、それぞれの地域の管理会社に管理を任せるため、自分の目が届きにくいというデメリットもあります。都心と地方、それぞれにメリットとデメリットがあるため、どちらがいいかは、投資家の属性によって適正な物件が異なるので、信頼できる不動産会社からアドバイスを求めることが必要ですね。

 

一見、都心部のほうが投資として安全なイメージを持たれる方が多いのですが、収益が上がらなければ意味がありません。投資を始めて間もなく、これからキャッシュフローや実績を積み上げたいと考えるならば、地方の物件でキャッシュフローを積み、収益をしっかり上げる方法もいいでしょう。

新築か、中古か(家賃 vs. 修繕費)

新築か中古か、どちらがいいかは、投資スタイルと自分のリスク許容量によっても異なってくるでしょう。最近の傾向として、新築を買うよりも、中古物件を割安で手に入れて、賢くリフォームやリノベーションをして収益を上げる方法が好まれる風潮にあるようです。キャピタルゲインよりも、キャッシュフローを求めるサラリーマン投資家が多いことも影響しているかもしれません。

 

●新築は修繕の手間がないが、家賃が落ちやすい

 

まず、新築の大きな特徴として、購入してから10年ぐらいはほとんど修繕費がかからないという点が挙げられます。これは最大のメリットです。しかし、家賃が落ちやすいというデメリットもあります。たとえば、新築のワンルームを家賃10万円で貸し出したとします。入居者が一度退去したら「新築」と表記できないことから、同じ家賃ではなかなか入居者がつかず、家賃が9万円になってしまったというケースがあります。その他、新築は購入価格が相場より割高なことから利回りが低い点が挙げられます。

 

●中古の場合は家賃が安定しているが、修繕費が予測できないことも

 

中古の場合、新築よりも利回りは高く、収益性は高いと言えます。それは物件価格が新築に比べ割安になっていることと、家賃が安定しているためです。築20年ぐらいになると、家賃の変動はそれほどなく、安定性があります。

 

また、これまでの賃貸経営の中で蓄積されてきたデータを活かすことで、入居者のタイプや推移などがわかるため、投資する側も見通しができるというメリットもあります。

 

たとえば、これまでの空室率を元に、これからの空室率を予測することもできるでしょうし、入居者の入れ替わりのタイミングはいつが多いのかによって、先手を打つこともできるでしょう。ただ、築年数が経っていればいるほど、いつ、どれだけの修繕が必要になるのかを予測しにくいものです。

 

古くなりすぎると、融資の審査が厳しくなるというデメリットもあります。なんとか現金を組み合わせて買うことができたとしても、出口戦略にておい難航するケースがあるため、注意が必要ですね。

1棟かワンルームか(攻め or 守り)

投資用物件を扱う不動産会社の立場として、お客様の傾向を見ていると、1棟買いは、収益を生んで稼ぎたい人に向いています。

 

区分所有のワンルームは、どちらかというと、攻めというよりも守りの資産運用です。なぜなら、区分所有は1棟に比べたら規模が10分の1ぐらいとなり、資産拡大のペースが遅いからです。そのため、収益も生まれにくいわけです。

 

ワンルームは、入ってくる家賃と出る返済がほとんど変わらないので、収益は生まれにくいのですが、将来的には残るものは残るため、老後の収入や安定を求める人に向いています。不動産投資によって、ライフスタイルそのものを変えていきたいのであれば、やはり1棟買いを目指すのがいいでしょう。

 

●1棟買いでも、自己資金は区分所有と変わらない

 

ライフスタイルを変えるなら、または稼ぎたいなら1棟買いがいいと言っても、「ハードルが高い」「お金を用意できるのか」と不安に思う人もいるでしょう。しかし、地方の1棟ものであれば、都心の区分1室と同等の価格で売られているケースもあります。さらに言えば、自己資金をあまり出さずに、購入に至る場合が多いものです。1棟買いは大きな収益得て資産を拡大していくには適しています。

 

●区分所有「1室だけ」のメリットとデメリット

 

ワンルームの場合、価格帯が小さく投資リスクが低いですね。また、区分所有権は各1部屋ずつの権利です。建物全体の修繕は管理組合が行ってくれますので修繕リスクも限定されます。

 

一方で、その1部屋の入居者が退去してしまった場合は収入がゼロになりますので、空室期間をなるべく短くするよう運営しなければなりせん。

 

ここでポイントとなるのが、目標をどこに見据えるかです。老後の年金程度の資産であればワンルームでいいと思います。億単位の資産を構築したいのであれば1棟買いが適していると言えます。

1Rか、ファミリータイプか(空室耐性 vs. 入居期間)

●ワンルームは空室のダメージが少ない

 

ワンルームかファミリータイプかという疑問について考えてみましょう。地方の物件の場合、ファミリー向けのアパートの家賃が6万円だったら、ワンルームでだいたい3万円など、半額になるケースが多いものです。逆に言えば、ワンルームばかり20戸入る1棟ものの賃貸物件なら、1部屋空室になっても、3万円家賃が落ちるだけなので痛手は少ないと言えます。

 

ファミリータイプの場合、ワンルームに比べて広さが必要なので、1棟に10戸あるとして、1部屋空室になるとすると、6万円も家賃が落ちることになります。つまり、一部屋あたりのダメージが大きくなります。

 

●入居期間はファミリー層の方が長い

 

もう1つ、ワンルームとファミリータイプの賃貸の決定的な違いがあります。それは平均的な入居期間です。

 

ワンルームの場合、平均的な入居期間は4~5年といった感じです。一方、ファミリータイプの物件に入居する層は、新婚もしくは小さな子供のいる家族が中心です。地域によっても差はありますが、子供が中学校や高校に入学するタイミングでマイホームを購入して引っ越していくというパターンが多いです。

 

たとえば、子供が小学1年生から中学3年生になるまで入居した場合は9年間入居することになります。長ければ10年以上のこともありますが、平均的な入居期間は6~7年程度です。

 

いずれにせよ、ワンルームよりも入居期間が長くなる傾向にあります。大学が近くにあるワンルームの場合、入学と卒業のタイミングで、入居者の入れ替えがあり、そのたびに室内のクリーニングや入退去の手続きが発生することになります。

 

それぞれこのような特徴があることを、事前に知っておきましょう。

 

 

オスカーキャピタル株式会社

代表取締役社長 金田大介


ワンルームマンション投資とアパート経営の違いは?特徴やリスクを比較


1.ワンルームマンション投資のメリット・デメリット、リスク

ワンルームマンション投資は物件を買いやすく売りやすいメリットを持つ一方で、空室リスクや収益の確保には注意を要します。それぞれ詳しく見て行きましょう。

1-1.ワンルームマンション投資のメリット

ワンルームマンション投資のメリットとして、下記2点を取り上げています。

  • 単身者向けのため、物件価格が安い
  • 物件を売却しやすい

単身者向けのため、物件価格が安い

ワンルームマンション投資が持つ大きなメリットは、アパート経営よりも物件価格が安いため、投資の初心者でもエントリーしやすい点です。2021年時点では、東京23区など都心でも新築で2,000万円〜3,000万円程度の物件が多くなっています。地方都市においては1,000万円台の物件も少なくありません。

一方でアパート経営の場合は、立地や規模によって違うものの、物件価格は数千万円〜1億円程度です。アパート経営と比較すると、ワンルームマンション投資は自己資金を豊富に用意できない投資の初心者に適しています。

物件価格が安いワンルームマンションは、ローンを利用するとしても利用額が少なくなるため、アパートと比較するとローン審査を通過しやすい点も初心者向けのメリットです。

物件を売却しやすい

アパートと比較すると新築時の物件価格がさほど高くないワンルームマンションは、流動性が高く売却しやすい特徴も持っています。

ワンルームマンションの入居者はサラリーマンの単身者などが中心です。駅から近いなど立地条件が良いワンルームマンションは空室リスクが低いため、長期的に収益が期待できます。

不動産投資において入居率の高い物件は人気が高いため、立地の良いワンルームマンションは、アパートなどと比較すると売却しやすい強みを持っています。

1-2.ワンルームマンション投資のデメリット、リスク

一方、ワンルームマンション投資のデメリットとして下記2点を取り上げています。

  • 収益性が低くキャッシュフローが上がりにくい
  • 保有住戸数が少ない場合は空室リスクに要注意

収益性が低くキャッシュフローが上がりにくい

ワンルームマンション投資ではキャッシュフローが上がりにくい点に要注意です。キャッシュフローとは資金の流れのことで、不動産投資では、得られる収入から支出を引いて手元に残る資金(もしくは流出する資金)がいくらなのかを見ることになります。

間取り別で比較すると、面積の狭いワンルームマンションの家賃は最も低い部類に入ります。しかし、ワンルームマンションは、立地が良い分だけ固定資産税などの経費が上がってしまうこともあります。

収入が少ない一方で経費が高くなるため、ワンルームマンション投資を検討する際は、事前の収支シミュレーションを入念にすることが重要です。特に新築ワンルームマンションの場合は、ローンを利用すると分譲当時からキャッシュフローが赤字という物件も少なくありません。

保有住戸数が少ない場合は空室リスクに要注意

ワンルームマンションに投資する場合、1部屋しか所有していないのであれば空室リスクに要注意です。

アパート経営の場合は、複数の住戸をまとめて保有することになるので、1部屋空室が発生したとしても、他の住戸の運用収入でカバーできます。

しかし、ワンルームマンションを1部屋しか保有していない場合は、空室が発生した際に他の住戸の収入でカバーするといったことができなくなります。

例えば、学生向けマンション投資などでは、大学の移転など周辺環境の変化によって赤字を補填できなくなる失敗例があります。

ワンルームマンション投資で空室期間が発生すると、ローン返済に行き詰まる可能性もあります。ワンルームマンション投資を進める場合は、可能な限り空室期間を短くするため、立地の選定には特に要注意です。

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2.アパート経営のメリット・デメリット、リスク

アパート経営はワンルームマンション投資とは反対の特徴を持っています。買いづらく売りにくい一方で、空室リスクに強く収益を確保しやすいことが特徴的です。

2-1.アパート経営のメリット

アパート経営のメリットとして、下記2点を取り上げています。

  • 投資規模が大きく、収益性が高い
  • 空室リスクが小さい

投資規模が大きく、収益性が高い

アパート経営が持つ最大のメリットは、複数の住戸を同時に運用できる特徴から、毎月のキャッシュフローを増やせることです。例えば1棟アパートを購入できれば、複数のワンルームマンションを同時に運用しているのと同じような状況を作れます。

また、キャッシュフローに余裕があれば、不動産投資で貯まった収益を2次運用でさらに増やせます。総じてアパート経営は投資規模や収益の拡大に適しています。

空室リスクが低い

アパート経営は複数の住戸を同時並行で運用できるため、1部屋空室が発生しても、他の部屋の家賃収入で穴埋め可能です。空室リスクに備えられる点は、アパート経営の大きなメリットと言えます。

空室の長期化からローン返済に行き詰まる失敗は多いものです。しかし、アパートを運用している状況下では、ワンルームマンション1部屋のみの投資よりも空室リスクの対策が可能となります。

なお、アパートは高さ制限のある住宅街に建てられることが多く、都市部に存在しているワンルームマンションと比較して立地条件に差があります。

このような背景からアパート経営では、1部屋が広い物件を選んだり家賃を周辺相場よりも少し安くしたりなど、周辺物件との競争力を保つ対策が重要になります。

2-2.アパート経営のデメリット、リスク

次にアパート経営のデメリットについても見て行きましょう。ここでは以下の2点を取り上げています。

  • 必要な自己資金が多い
  • 築年数や構造によっては売却しづらい

必要な自己資金が多い

アパート経営が持つデメリットとしては、物件価格の高さから要求される自己資金が多くなる点が挙げられます。

2021年時点、アパートローンを利用する場合でも、物件価格の1割〜3割程度は自己資金の投下を求められることも多いものです。仮に1億円の物件・1割の自己資金であれば、1,000万円の自己資金が必要になります。

また、アパート経営では木造物件も多いため、ローンの返済期間が短くなってしまう点にも要注意です。アパートローンの返済期間は法定耐用年数を基準としている金融機関が多く、この場合、木造アパートの投資では返済期間を22年に設定されることになります。

返済期間が短くなると、毎月の返済額が多くなるため、ローン返済が物件運用の収益を圧迫します。木造アパートに投資する場合は、キャッシュフローのシミュレーションに要注意です。

築年数や構造によっては売却しづらい

築古の木造アパートに投資する場合は特に、物件運用後に売却しづらい点を考慮しておく必要があります。

木造アパートはローンの返済期間が短くなるため、法定耐用年数の築22年を経過した物件では、不動産投資ローンの審査がさらに厳しくなります。収益が低い、またはローンを利用できない物件は買い手がつきにくく、価格を下げないと売却できないこともあるので要注意です。

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まとめ

ワンルームマンション投資とアパート経営とでは、強みと弱みが相反している点が特徴的です。どちらの方が適しているかは、投資目的や軽減したいリスクによって異なります。物件を選ぶ際には、優先順位や軽減したい事項を明確にすることが重要です。

なお、築古の木造アパートは物件価格が安く高利回りの物件も多い一方で、賃貸運用や物件売却の難易度は高いため要注意です。利回りだけに着目して物件を選ぶのではなく、リスクとリターンのバランスを取った物件の選定をしていきましょう。

実録「家賃保証しろ、でも協力はしない」という大家

保証会社のメリット

保証会社とは
一言でいうと入居中の家賃を保証してくれる会社のことで、賃借人、保証会社、賃貸人との間で保証委託契約を結ぶことで万が一滞納が発生した際には、保証会社が賃貸人に家賃を立て替えて支払います。

一昔前までは何らかの事情で連帯保証人を頼める人がいない人が使うもの、という認識が強かった保証会社ですが、近年では滞納リスク回避のために、連帯保証人がいたとしても保証会社への加入を義務付けている物件も増えてきた印象です。

連帯保証人の場合、スムーズに立て替えが進まないこともあるなか、保証会社であればほぼ自動で立て替え払いが完了するため、大家にとっても管理会社にとっても重宝されています。

そんな便利な保証会社ですが、大家の認識が間違っていたことでトラブルになったケースもあるのです。

大家が保証会社の協力に応じなかった事例

ここからは実際のトラブル事例をご紹介します。
保証会社を利用している人が家賃を2ヵ月連続で滞納しました。
一般的に家賃滞納が連続で3ヵ月続くと、建物明け渡しが裁判上認められる可能性が高いことから、滞納3ヵ月にかかるタイミングで保証会社は建物明け渡し訴訟の準備に向けて動きます

今回ご紹介するケースでも、賃借人とまったく連絡がとれなくなってしまったため、保証会社が速やかに訴訟準備に着手しました。

ここでポイントになってくるのが、訴訟の流れです。
建物明け渡し請求訴訟である以上、建物所有者である大家が弁護士への委任状など、必要書類への署名捺印を行うことが必要になるのですが、このことを理解していない大家がいるのです。

すなわち、「建物明け渡しには協力しないけど、家賃だけはちゃんと保証しろ」という姿勢の大家がいるのです。

実際にこの事例でも大家に裁判書類への署名捺印を求めたところ、「3ヵ月滞納したくらいで追い出すなんてかわいそう」といって協力を拒否しました
大家としては、もっとちゃんと督促して賃借人と向き合ってあげるべき、との見解だったそうなのですが、これに頭を抱えたのが管理会社です。

というのも、保証会社と結んでいる保証委託契約書には、訴訟手続きなどについては、貸主が積極的に協力する旨が記載されており、これに協力しない場合は保証を終了することも明記されていたからです。

保証会社のメリットを誤解する大家

保証会社に入っていれば、いくら滞納しても安心だ。
そう考えている方は注意が必要です。
保証会社も事業として行っていますから、回収の見込みが立たない賃借人については、法的に可能となる最短期日で退去させようと動きます。

ちなみに、滞納3ヵ月目で訴訟を起こしたとして、無事に部屋の明け渡しが完了するまでにはそこからさらに半年程度はかかります。
その間、保証会社は家賃を保証し続けなければならないため、貸主には裁判書類に速やかに署名捺印をもらいたいのです。

保証会社を利用していれば、裁判費用はもちろんのこと弁護士に依頼する費用、強制執行で荷物を撤去する費用、撤去した荷物を保管する費用などすべて保証会社が負担してくれます。

実際、これらの費用を実費で負担した方の話では軽く100万円を超えるそうです。
すでに家賃滞納でダメージを受けている上にこれだけの負担は大家にとっては厳しすぎます。

これらのことからも、保証会社を利用するメリットは大家にとって大きいと言えますが、利用する際には内容証明や裁判資料について積極的に協力する必要があることを事前に理解しておく必要があるといえるでしょう。

まとめ

今回のケースでは、管理会社が貸主である大家を説得して何とか裁判書類を回収したそうです。

保証会社を利用して賃貸借契約を締結する際には、万が一滞納が発生した際には保証会社の指示に従って協力しなければならない旨を、事前によく確認しておくことをおすすめします。


短中期のJリート投資戦略…値動きのアノマリーをどう活かすか

Jリートのアノマリー(季節性)からみる投資戦略

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

Jリートは不動産投資信託と呼ばれ、好利回りのオルタナティブ(代替)資産として投資家の人気が高い。今回はJリート(東証REIT指数)に着目した投資戦略(季節性)について取り上げる。

 

以下ではJリート(東証REIT指数「配当込み」)のアノマリー(経験則)の一つとしての季節性について見てみたい。データの計測期間は2004年1月~2020年12月末までとしている。

 

東証REIT指数「配当込み」の月間勝率(月間騰落率がプラスの割合で計算)を見ると、1月、4月、11月は60%台、9月、12月が70%台と高い(表1参照)。

 

【表1】東証REIT指数の季節性「月間勝率」

 

またパフォーマンス(平均騰落率)においては12月が3%台と最も高い(図1参照)。

 

【図1】東証REIT指数の季節性「単純平均月間騰落率」

 

一方、月間勝率では5月、6月、8月、10月が40%台と低く、そのなかでも10月の平均騰落率が-1.7%と最低のパフォーマンスとなっていることがわかる。

 

このアノマリーを短・中期の投資戦略に活用するとすれば、10月の調整局面で買い向かい、翌年の5月までに一旦、売却(sell in May)して利益を確保するといった投資手法が考えられよう。

 

今年はFTSEグローバル株式指数シリーズに2021年6月にあと1回組み入れられる良好な需給要因(参考までに6月の組み入れ基準日は18日)があるため、5月から1ヵ月程度ずらして時間分散しながら売り上がりを実施することも投資戦略の一案となろう。

Jリート指数は6月に入って2100ポイント台を回復

その東証REIT指数は、グローバルで見たJリートの割安感や株式指数への組み入れなど良好な需給環境等が評価され、6月に入り、2100ポイント台を回復した。

 

先行きの経済正常化が意識され、セクター動向ではリターンリバーサルの動きから、オフィス、商業施設、ホテルリートなどが上昇を牽引。短期的には国内のワクチン接種の加速や良好な需給を背景に指数の下支えが期待できるとみる。

 

一方、中期的(3ヵ月~6ヵ月)には①NAV(純資産価値)倍率などバリュエーション面で上値余地が低下していることや②良好な需給要因が6月に剥落すること(2020年9月から全4回に渡るFTSEグローバル株式指数シリーズへの組み入れが6月で終了)に加え、③季節性で売りが出やすいこと(6月、7月は10月に次いで平均月間騰落率でマイナスになりやすい傾向があること)などから指数の上値が重くなることも予想される(参照:『6月のJリート市場見通し…過去のNAVから上値余地は限定的か』)。

 

指数構成ウェイトが相対的に高いオフィスリートも徐々に上値の重い展開にシフトすると想定し、「オーバーウェイト」から「ニュートラル(中立)」に引き下げる。

2023年と2025年に大規模オフィスビルの供給量が増加

5月27日、森ビルは「東京23区の大規模オフィスビル市場動向調査2021」を公表した。

 

東京23区の大規模オフィスビル供給量予想を見ると、2020年の179万㎡の大量供給年を越えたあとの2021年~2022年はそれぞれ61万㎡、49万㎡と過去平均を下回る供給量の見込みとなっている。

 

一方、2023年に高い供給量の山(145万㎡)が見られ、またその後の2025年にも120万㎡の供給があることがわかる(図2参照)。

 

【図2】東京23区の大規模オフィスビル供給量の推移

 

目先は経済正常化の進展につれ、国内でも従業員のオフィス復帰の流れからオフィスリートのファンダメンタルズは好転してくるとみられる(ワクチン接種が先行している米国ではすでに米金融大手のゴールドマン・サックスやJPモルガンなどが米国勤務の従業員に対しオフィス復帰を促している)。

 

とはいえ、中期的にアフターコロナでオフィス需要の構造的な変化も予想されるなか、2023年や2025年の国内供給量の増加をどのようにこなしていくのかに再び焦点が当たってくる可能性もあろう。

 

つまり、コロナ禍で働き方改革やテレワーク・在宅ワークが浸透したことで現状のオフィススペースがここまで必要かどうかの費用対効果に注目が集まり、オフィスを解約・削減するのか、それとも現状のスペースを維持するのかの企業としての重要な決断を迫られることになるとみている。

 

そうした点を踏まえ、Jリートのポートフォリオ戦略では、利回り重視のコア部分(7~8割)は長期の保有継続も、キャピタルゲイン中心のサテライト部分(2~3割)は短中期の視点から商業施設やホテルリートの押し目買いを行う一方、オフィスリートに対しては売り上がりで対応し全体として中立に引き下げることも一案だろう。

 

中村 貴司

東海東京調査センター

投資戦略部 シニアストラテジスト(オルタナティブ投資戦略担当)


勤労40年…働き続けて、払い続けて「もらえる年金額」に絶句


就職氷河期世代「どうせもらえないから、払わない」

「年金なんて将来どうせもらえないから、払わないほうが得だ」という意見は、数十年も前からありました。実際に払っていない人もいました。ここでいう「払わない」年金というのは「国民年金」のことで、日本に住んでいる20歳から60歳未満のすべての人が加入するものであり、本来、「払わない」という選択肢はありません。

 

“国民年金(基礎年金)は、日本に住んでいる20歳から60歳未満のすべての人が加入します。国民年金のみに加入する人(第1号被保険者)が月々納付する年金保険料は定額(令和2年度時点で16,540円)ですが、平成16年度から保険料が段階的に引き上げられてきましたが、平成29年度に上限(平成16年度価格※で16,900円)に達し、引き上げが完了しました。その上で、平成31年4月から第1号被保険者に対して、産前産後期間の保険料免除制度が施行されることに伴い、平成31年度分より、平成16年度価格で、保険料が月額100円引き上がりました。

 

※平成16年度の物価・賃金水準での価格です。実際には、その時々の物価・賃金の状況に応じて変わります。

 

国民年金(基礎年金)の支給開始年齢は65歳で、納付した期間に応じて給付額が決定します。20歳から60歳の40年間すべて保険料を納付していれば、月額約6.5万円(令和2年度)の満額を受給することができます。”『いっしょに検証!公的年金 〜財政検証結果から読み解く年金の将来〜 ー 厚生労働省』より

 

会社で働いている人の場合、国民年金は厚生年金と共に、自動的に納付されています。前述の「年金なんかもらえないから払っていない!」という人は、就職氷河期時代にフリーターや無職であった当時の若者に多く見られました。「年金を払うお金もない」という人も多く、親に立て替えてもらったり、納付猶予や免除制度を活用したりでしのいでいたようです。

「もらえるわけがないだろう…」という風潮

当時、「将来、年金なんてもらえるわけない」という風潮がどこから来たのかというと、それは年金が賦課方式であるところからでしょう。現役世代が納めている年金が、そのときの受給者に支払われる仕組みです。

 

“賦課方式というのは、高齢者に支払う年金の財源を現役世代に負担してもらおうという方式です。家庭に例えるなら、子どもが親の生活費を負担するようなものです。親2人に対して、子どもが3人、4人といれば、1人の子どもが負担する金額も少なくて済むかもしれませんが、子どもが1人あるいは2人となると、大変です。残念ながら、日本の年金制度は賦課方式を採用しています。”『30歳から定年までで2億円つくる ほったらかし資産運用術』より

 

超少子高齢化の日本において、自分たちが受け取る側になったときに、この方式が成り立つはずはない……このロジックは、「世代格差」のネガティブな影響をもろに受けた就職氷河期世代に響くものがありました。支払っていない分、自らが後から損するわけですが「搾取ばかりされるのはごめんだ」と、小さな反骨精神で実行する人もいたのです。

勤労40年…払い続けて「もらえる額」は?

「ちょ…これしかもらえないんですか?」 (画像はイメージです/PIXTA)
「ちょ…これしかもらえないんですか?」
(画像はイメージです/PIXTA)

 

それでは20歳から60歳まで、真面目にコツコツと会社で働き続けた場合、どのくらいの金額が受け取れるのでしょうか? 厚生労働省が運営する『いっしょに検証!公的年金 〜財政検証結果から読み解く年金の将来〜』というサイトでは、

 

「おおよその年金額を知りたいときはどうしたらいいんだ?」という質問に対して、下記の金額が例としてあげられていました。

 

“厚生年金に40年間加入して、その期間の平均収入(月額換算した賞与含む)が月43.9万円の場合、受給額は月額約9.0万円の老齢厚生年金と、月額約6.5万円の老齢基礎年金を合計した約15.6万円(令和2年度)になります。”

 

国税庁の「令和元年分 民間給与実態統計調査」によると、給与所得者のなかで正規社員の平均給与は503万円、月にすると約41.9万円なので、平均よりも少し多めの額ですが、およそ平均です。

 

ここで算出された年金の給付額が高いとみるか、安いとみるか、それこそ「その分、自分で貯金をしておいたほうが得だ」と考える人もいるでしょうが、同サイトでは年金の意義について、以下のようにも述べています。

 

“誰でも、何歳まで生きるか分かりません。老後に備えて貯蓄をしていても、それを使い切ってしまう可能性もあります。逆に、老後への不安から現役時代に過度な貯蓄をしようとすると、若いときの消費が低くなってしまいます。

 

それに対して公的年金は、終身で(亡くなるまで)受給できる仕組みです。これによって、現役時代に過剰な貯蓄を行う必要がなくなりますし、なによりも、長生きして生活資金がなくなるという事態に備えることができるのです。”

 

貯金であれば、長生きをした際にいつか尽きてしまうかもしれないし、長生きを見込みすぎて「使えなくなる」ことも想定されるという理屈です。納得することはできるでしょうか。「長生きすれば、どこかで得になるかもしれないが、その分岐点が何歳か教えてくれ」という声も聞こえてきます。

 

実際、年金制度は他にも「物価の変動や、賃金の上昇に比較的強い」など様々な側面から考察されたうえで、制度ができあがっています。超少子高齢化時代に合っていないという声は多いですが、他によりよい制度はあるのか、厚生労働省の『いっしょに検証!公的年金 〜財政検証結果から読み解く年金の将来〜』を一度読んでみるといいかもしれません。

コロナ禍でもニセコの不動産投資が活発な理由

ホテルコンドミニアムという錬金術

不動産投資
(画像=PIXTA)

●ホテルコンドミニアムの仕組み

コロナ禍下にもかかわらず、ニセコでは高級コンドミニアムや別荘の建設が続き、不動産投資が続いている。なぜコロナでもニセコは沈まないのか。その最大の理由は、単純な話、儲かるからだ。

わけてもニセコにおけるホテルコンドミニアムこそが儲かる仕組みであり、一種の錬金術なのだ。ホテルコンドミニアムは、2003年には、ひらふ坂の裏手で今も営業する「ファーストトラックス」1棟だけだったのが、いまや俱知安町だけで約330棟にまで増えている。

完成前から分譲マンションのように部屋ごとに販売され、購入希望者は不動産開発会社または不動産仲介会社から一部屋の所有権を購入し、オーナーとなる。その際、別途、不動産管理会社と管理契約を結び、オーナー自身が宿泊利用しないときは、一般客にホテルのように貸し出し、経費を差し引いた宿泊料金を収入(客室レンタル収入)として得ることができるのが、ホテルコンドミニアムの仕組みだ(図表3-1)。

3-1
(画像=『なぜニセコだけが世界リゾートになったのか 「地方創生」「観光立国」の無残な結末』より)

たとえば、客室レンタル収入が100%とすると、レンタル促進費用とレンタルプログラム管理費用などが管理会社から差し引かれ80%となり、80%のうち多い場合で40%程度がオーナー側の実質宿泊レンタル収入となる契約が一般的だ。スキーシーズンでは1泊20万円を超える料金も珍しくはないが、1泊20万円の宿泊料金であれば、6万円強がオーナーの手元に入ることになる。当然ながら宿泊料金の単価が高ければ高いほど、また一般客による宿泊利用期間が長ければ長いほど、オーナーの実質宿泊レンタル収入は増え、インカムゲインを得ることができる。

こうしたホテル利用に関わる宿泊予約や料金の管理や調整、プロモーション、ハウスキーピングや修繕などはむろん、口座管理や報告書作成などを一括して行う地元の不動産会社が、オーストラリア出身者などによっていくつか設立され経営されている。海外の投資家にとっては、英語などコミュニケーションの問題を含め安心材料になっており、ニセコに投資を呼び込むことにも寄与している。

所有者であるオーナーももちろん部屋を利用することができる。所有する部屋は通常はホテルとして運用されているため、ホテルとしての快適なサービスを享受できるのだ。

海外の高級リゾート物件投資では、ホテルコンドミニアムは一般的なもので、富裕層にもなじみ深い投資手法の一つである。

英国の高級経済紙Financial Times のウィークエンド版のHouse & Home にある「Property Gallery」には、カラー写真付きで、英国だけでなく、フランス、スイス、スペイン、モナコをはじめ、欧州アルプスや地中海やカリブ海、米国を含め世界中の高級ホテルコンドミニアムの広告が、世界的なオークションハウスであるサザビーズやクリスティーズ、またバークシャーハサウェイといった高級不動産仲介会社によって掲載されており、世界の高級不動産物件のトレンドや水準を感じることができる。

なお、日本の別荘やマンション、邸宅の物件が掲載されることもあり、ウェブ版では東京や軽井沢や伊豆の高級マンションや別荘物件だけでなく、ニセコの高級コンドミニアムなどの物件も紹介されている。

もっとも、オーナーが私物を退避させる􄼴付きのオーナー専用ロッカーなどのストックベースはあるものの、オーナーの私物を置けない(置いても盗難や損傷リスクあり)、ベッドルームやバスルームを他人に使われる、という点で抵抗感があるオーナーもいる。日本人には特に多い印象だ。自己利用を基本的に想定せず、年末年始などピークシーズンを含め貸し出しに回し、純粋な投資商品として割り切るか、または逆にインカムゲインを求めずに自身の別荘として利用するか、という選択も出てこよう。

とはいえ、日本にホテルコンドミニアムはニセコ以外では京都や沖縄の一部などにしかなく、富良野や白馬などでも増えつつあるものの、まだまだ馴染みのない仕組みだ。ちなみに、2016年に開業した京都にある「フォーシーズンズホテルレジデンス京都」は、ホテルレジデンスとしての総戸数は57戸であり、リビングやダイニングに加え、キッチンや洗濯機まで備えてあり、4億円台から10億円台で販売された。現在はリセールで1ベッドルーム106㎡の部屋が7億円で売り出されていたりする。

●キャピタルゲインが見込める

ただし、ニセコの高級ホテルコンドミニアムの場合、インカムゲインはコロナ禍前でも実質1〜3%程度だった。オーナー自身が利用できるメリットはあるものの、東京など首都圏などでのレジデンス向け不動産投資がおおむね実質3〜5%前後の利回りがあることと比べれば、インカムゲインそのものにそれほど魅力があるようにはみえない。為替リスクなど条件はあるものの、海外不動産の投資利回りからみれば雀の涙のようにもみえる。

では、何が儲かるのか。それはニセコの場合、キャピタルゲインが狙えるのだ。ニセコの地価は6年連続上昇率全国1位。過去5年間で10倍以上に跳ね上がった不動産もざらにある。海外投資家の目線は、インカムゲインではなく、あくまでキャピタルゲインだ。1室1億円の物件が倍の値段で売れれば、税引き後でも相応のキャピタルゲインを得ることができるのだ。

いまだデフレ経済から抜け出し切れていない日本の不動産市場は、世界からみると、もう四半世紀以上蚊帳の外のままだ。人口減少や経済の停滞を考えれば、この先も大きな期待はできないというレッテルが貼られてしまっている。そもそも日本人自身の多くが同じように、いやそれ以上に国内の不動産投資に悲観的でもある。

そんななかで、ニセコだけが、キャピタルゲインが実際に得られた、そして今後も得られる期待がある場所として注目されてきた。デフレ下の日本の不動産市場において、ニセコほどキャピタルゲインが期待できるエリアは、東京都心などを含め、ほとんどないはずだ。

●資産価値維持でむしろメリット

錬金術を生むホテルコンドミニアムも、一般的な分譲マンションと同様、築10年以上たつと、外壁の補修や屋根の防水工事など大規模修繕工事が必要となる。ホテルコンドミニアムの改修費は、各部屋の所有者が管理費とは別に、修繕積立金として毎月積み立てることになる。コストである修繕積立額を高く設定すれば、賃貸収入から得られる実質利回りはその分低くなる。一方で、修繕積立金を抑え、改修を先延ばしにすればするほど、物件そのものの価値や魅力は低下することになる。実際には、毎月の修繕積立金を低めに抑え、改修期に必要な費用を一括で支払う場合が多い。

中短期的にはこうした大規模修繕の問題、長期的には所有者の5分の4以上の同意が必要な建て替えの問題にも直面することになるが、それはニセコに限らず、全国津々浦々のマンションなど集合住宅にも共通する問題だ。ニセコの場合、所有者の多くを占めるのが外国人で、海外居住で連絡や意思疎通が大変な面がある反面、彼らは修繕積立金を十分に支払うことができる富裕層でもある。

所有者が日本人であっても、行方不明・音信不通に加え、高齢化や失業に伴い払えないケースは多く、全国で問題になりつつある時代、これら海外富裕層や投資家が所有する物件は、リスク管理の面からも、大規模修繕や資産価値維持の観点からも、むしろ恵まれている面があるのかもしれない。


不動産投資におけるバランスシートの重要性とは?見るべきポイントも


1.決算書におけるバランスシート(貸借対照表)の意味

不動産投資におけるバランスシートの重要性をみる前に、バランスシートとはどのようなものなのかについて解説します。決算書におけるバランスシートの位置づけと、不動産投資におけるバランスシートの具体例をみてみましょう。

1-1.決算書とは

決算書とは、正式には財務諸表と呼ばれる書類であり、企業の一定期間の経営成績や財務状態を明らかにするものです。貸借対照表と損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュフロー計算書などがあります。

企業会計実務において公正妥当と認められる基準である企業会計原則では、貸借対照表と損益計算書が規定されています。

貸借対照表は、決算日の資産、負債および純資産を一覧に表示した書類です。損益計算書は、その会計期間の収益と費用を記載して、当期利益を計算した書類になります。

企業活動が、資金調達、投資活動、営業活動の大きく3つに分けられるとすると、これらのうち、おもに営業活動を表すのが損益計算書であり、資金調達と投資活動を表すのが貸借対照表であると言えます。

1-2.バランスシート(貸借対照表)と具体例

バランスシートの例バランスシート(貸借対照表)は、図のように左側が資産、右側が負債と純資産を表示するようになっています。左側の資産は、企業活動のうち、投資活動の内訳を表示しています。

例えば、不動産に投資していればその不動産を記載します。右側の負債や純資産は、資金調達の内訳を示しています。例えば、ローンによって資金調達した借入金は負債に表示され、自己資金の部分は純資産に表示されます。

資産の合計額は、負債+純資産の合計額と一致する仕組みになっています。上述の数値は、具体的な不動産投資の事例をバランスシートで表したものです。自己資金500万円を元手に、土地3,000万円、建物2,000万円の物件を購入したケースを想定しています。

1-3.不動産投資を1年運用した後のバランスシート例

不動産投資の運営がバランスシートに与える影響をみるために、上述の不動産投資を1年運営した場合のバランスシートをみてみましょう。

不動産投資のバランスシート例1年間のキャッシュフローが200万、ローンの元金返済額が100万円、建物の減価償却は20年で100万円とします。

キャッシュフローの積み増し部分は資産のうち現金として表示され、借入金の元金返済は、負債のうち借入金からマイナスします。建物減価償却は、資産項目からマイナスしていきます。

資産の合計額と負債+純資産の合計額は一致するのが原則であるため、差額は純資産として200万円がプラスされます。1年の運用によって純資産が増加したこの部分は、通常、損益計算書の当期利益と一致します。

2.不動産投資におけるバランスシートのポイント

バランスシートでは、不動産投資がリスクの少ない健全な範囲であるかどうかをみることができるといえます。

判断のポイントとしては、自己資本の割合が十分であるかどうか、という点に着目してみましょう。何年も運営している場合には、当初に比べて利益が積み上がっているかどうか、にも注意してみるとよいでしょう。

2-1.自己資本の割合が十分かどうか

不動産投資では、金融機関から融資を受けて投資をしていきます。その際には、純資産(自己資本、元入金)の割合が重要なポイントとなります。

物件取得当初は、自己資本の部分は購入時の自己資金になります。購入額に対して自己資金の割合が十分であれば、健全なバランスシートであるといえるでしょう。

また、購入後も不動産投資の運営に問題がなければ、自己資本の割合は維持されるか、あるいは増えていきます。2棟目以降、金融機関から融資を受けて投資を拡大する際にも、自己資本の割合が十分であるかどうかが重要な視点となります。

2-2.利益が積み上がっているかどうか

不動産投資を運営して順調であれば利益が積み上がってきます。上述の「不動産投資を1年運用後のバランスシート」で確認したように、運営によって得られた利益は、純資産として積み上がります。

キャッシュフローがプラスであれば運営を継続していくには問題ありませんが、バランスシートにおいて、利益として計上されていくには、「キャッシュフロー▲減価償却費+借入金元金返済」がプラスである必要があります。

減価償却費が借入金の元金返済額よりも大きいと、バランスシート上は債務超過になっている可能性もあるので注意しましょう。

3.バランスシートを改善するには

自己資本の割合が不十分である場合、これを改善していくための対策として「利益を積み上げる」、「繰上げ返済をする」、「物件を売却する」という3つの方法があります。自己資本の割合に与える影響と併せてみてみましょう。

3-1.利益を積み上げる

利益が積み上がると、その分が自己資本(純資産)となり、自己資本の割合が増加していきます。物件購入にあたって自己資金を多く入れたケースと同様になり、バランスシートは改善することになります。

ただし、キャッシュフローがプラスであるだけでは、利益が出ているとはいえません。損益計算書上の利益がプラスになっていることが条件になるので注意しましょう。

3-2.繰上げ返済をする

余剰資金で繰上げ返済をすることによって、借入金が減り、結果として自己資本の割合が増加します。

ただし、繰り上げ返済を行うことで不動産投資単体の自己資本割合は改善しますが、自己資金収益率(CCR=年間のキャッシュフロー÷自己資金×100)を低下させます。投資効率を必要以上に悪化させないように注意しましょう。

このように、バランスシートを見る時は一つの側面だけでなく複数の視点から多角的に判断をすることが大切なポイントとなってきます。

なお、他の金融機関のより良い条件の不動産投資ローンに借り換える場合は、その時点では自己資本割合には影響しません。このケースでは、借り換えによる返済条件の変更によって、それ以降のキャッシュフローが好転し、利益が積み増しされて自己資本割合が増加する可能性が生じます。

【関連記事】不動産投資ローンを借り換えるメリット・デメリットは?借り換え手数料も解説

3-3.物件を売却する

帳簿上の土地・建物の価格以上の価格で物件を売却することによって、売却益が生じることになり、自己資本割合が改善します。

売却益が生じるには、必ずしも購入時の価格よりも高い価格で売る必要はなく、建物部分については、減価償却後のその時の帳簿価格よりも高ければ売却益が生じます。

リフォームやリノベーションをおこなっている場合は、その部分についても減価償却後の価格で売却できると売却益が生じます。

中古物件のリフォームやリノベーション部分は、税務上、元の物件の残存耐用年数を加味した耐用年数を用いて減価償却されます。そのため、帳簿上は実際の経済耐用年数よりも早く償却され、売却時にはまだ市場価値が残っており、売却益が生じることも少なくありません。

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まとめ

不動産投資でバランスシートをみる際は、自己資本の割合が十分であるかどうかを重視してみるとよいでしょう。不動産投資が健全な範囲でおこなわれているかどうかの判断基準になります。自己資本の割合は、金融機関の融資審査のポイントにもなります。

自己資本の割合が不十分である場合は、バランスシートに与える影響を意識しながら、利益を積み上げる、繰上げ返済をする、物件を売却するなどの方法を検討してみましょう。


教員が不動産投資をするメリット・デメリットは?体験談・口コミも


1.教員が不動産投資に取り組むメリット

教員が不動産投資による資産形成を進めるメリットは、ローンによる資金調達が比較的容易であることや、実務的な手間を外部に委託することで忙しくても資産形成ができる点にあります。

1-1.不動産投資ローンによる資金調達がしやすい

不動産投資で重要なポイントは、可能な限りローンを活用して自己資金を抑制することです。なお、不動産投資ローンを利用するためには、金融機関の審査を通過する必要があります。

金融機関は審査の際に申込者の属性と呼ばれるポイントを確認します。属性に含まれるのは例えば以下のポイントです。

  • 勤務先
  • 勤続年数
  • 申込者の収入

勤務先の経営状況が良好であったり、同じ勤務先での勤続年数が経過しているほど、不動産投資ローンの審査では高く評価されます。

また、不動産投資ローンの返済原資は家賃収入ですが、空室の発生などによって収入が入ってこなければ、給与収入を原資とした返済が必要になります。このため、定期的な給与収入を得られる人は、金融機関から見ると貸し倒れリスクが低く、融資審査でも評価されることになります。

教員の業務は景気変動などの影響を受けにくく、ローン審査においては外的な要因を受けにくい強みを活かせます。

1-2.本業が忙しくても資産運用できる

不動産投資は、物件の購入が済めばほとんど手間がかからない資産運用です。学校の教員をされている人の中には、授業の他にも事務作業などが忙しく、資産運用について検討する時間を取れないという人もいます。

一方、不動産投資では入居者募集や家賃の集金など、手間のかかる業務を管理会社へ委託できます。管理会社へ委託した場合、主に不動産のオーナーがしなくてはならないことは、主に管理会社から毎月送られてくるレポートの確認などです。

そのほか、修繕が必要な場合などは修繕内容と見積もりの確認などがあります。建物の修繕など専門的なことはわからない場合でも、優良な管理会社に委託できれば都度適切なアドバイスを得られ、判断に役立てることも可能です。

2.教員の不動産投資で気をつけたいデメリット

教員が不動産投資を進める上で気をつけるべきポイントは、事前に投資を進める可否について確認を要することと、投資規模が制限されることです。

2-1.投資の可否について事前の確認が必要

公務員は原則として副業を禁じられているため、特に公立学校などに勤務する教員の場合は、公務員の立場で投資をすることについて事前の許可を取っておくことが重要です。

自営業とみなされない範囲にとどめて本業に支障をきたさなければ、公務員が資産運用をしても問題ありません。自営業とみなされないためには、不動産投資の規模を「5棟10室・年間収入500万円以内」に抑えることが必要になります。この規定は、所得税法第26条9号に記載されています。

建物の貸付けが不動産所得を生ずべき事業として行われているかどうかは、社会通念上事業と称するに至る程度の規模で建物の貸付けを行っているかどうかにより判定すべきであるが、次に掲げる事実のいずれか一に該当する場合又は賃貸料の収入の状況、貸付資産の管理の状況等からみてこれらの場合に準ずる事情があると認められる場合には、特に反証がない限り、事業として行われているものとする。

(1) 貸間、アパート等については、貸与することができる独立した室数がおおむね10以上であること。

(2) 独立家屋の貸付けについては、おおむね5棟以上であること。

※引用:国税庁「法第26条《不動産所得》関係

5棟10室とは、例えばアパート投資であれば建物の数を5棟以内に抑え、なおかつ住戸数を10室以内にすることが必要です。区分マンションの場合は、住戸数を10室以内にしておけば問題ありません。

なお、投資規模を抑制していても、万が一の想定は重要です。投資の可否について、事前に事務方などを通じて確認をとっておきましょう。

【関連記事】公務員は不動産投資に向いている?副業の注意点も併せて解説

2-2.投資規模の拡大には制限がある

事前の確認を要する点に加えて、投資規模に制限がかかることも、教員が不動産投資を進める上でデメリットになります。

不動産投資では、入居者から受け取る家賃を収入の原資とする以上、特に空室リスクの対策が重要です。運用する住戸数が多ければ、例えば1部屋空室が発生しても、ほかの住戸からの家賃収入で穴埋めできます。

しかし、投資規模が制限される教員は、例えばサラリーマンなどと比較すると、リスクヘッジに限度があるとも考えられます。制約がある中で空室リスクを軽減するためには、立地にこだわって物件を選ぶことが必要です。

3.実際に不動産投資を始めた公務員や教師の体験談・口コミ

次に、公務員や教師で不動産投資を始めた方の体験談や口コミを見て行きましょう。以下は、東証1部上場企業の不動産投資会社「プロパティエージェント」で実際に投資マンションを購入された方の体験談・口コミを一部抜粋したものです。

3-1.株式投資と不動産投資は何が違うと感じる?

不動産投資は資産が残り、街に想いが生まれる

株式投資は、大学在学中に始めました。ネット証券会社が出始めた頃です。ちょうどITバブルだったので、当時話題になった会社の株も持っていました。ところが配当がつかなくなって、危険を感じて売りました。当時は、もう少し持っていたらもっと高く売れたのにと思いましたが、後になって振り返ると紙一重のタイミングで売り抜けることができたのですから運がありましたね。不動産投資には、長く資産として残るという利点があります。株式投資には現物としての実感がありません。物件には、そこに生活があり、物件のある街に想いが生まれます。(予備校勤務・30代・男性)

3-2.公務員でも将来の不安を感じる?

これからは公務員にも資産形成が重要です

私は公務員ですが、それでも将来の年金支給には不安があります。確定拠出が始まって公務員も対象になったじゃないですか。それで年金の心配をする人が周囲にも増えました。晩婚化が進んでいるので、子供の成長と定年がかぶる人もいます。何らかの対策をしたいと思っているけれど、資産投資の実態は知られていない。ニーズはあるのに、情報不足なのが実情だと思います。(官公庁勤務・30代・男性)

3-3.営業マンの話を聞いて不動産投資に対する不安は払拭できた?

不安感を客観的にフォローしてくれました

最初は「不動産投資」と聞くと、怪しい印象が先行しました。ローンも必要になりますが、私は保険もギャンブルもやったことがないので、お金が出て行くことに違和感があったのです。営業担当には、週一くらいで会ってもらって、心配なことをたくさん質問させてもらいました。理解するにつれて、そこまで毛嫌いするようなものでもないのかなと。それまで漠然としたイメージで不安を覚えていたことに対して、客観的なデータで説明してくれるんです。東京の人口推移のことなど、実績を示して説得力のある話をしてくれました。何度も会って、コミュニケーションを深めてくれたことが信頼感につながっています。(教員・20代・男性)

※上記はすべて個人の感想です。投資を検討される際は、ご自身でもよくお調べの上ご判断下さい。

プロパティエージェント

プロパティエージェントは、東京23区・横浜エリアに集中したマンション開発・販売により入居率99.33%(2021年4月時点)の実績を有する東証1部上場企業です。扱う物件は新築マンションと中古マンションのハイブリッドとなっています。

提携金融機関も10社以上と充実しており、物件の担保力の高さからフルローンでの融資実績が非常に豊富です。賃貸管理や確定申告サポートなどアフターフォローも充実しています。2018年に行われた投資用マンションオーナー3,000人に対して行われた調査では、3年連続で顧客満足度・第1位(アイ・エヌ・ジー・ドットコム 調べ)を獲得しています。

まとめ

教員は不動産投資を始めるメリットの多い職業の一つです。特に大きなポイントは、不動産投資ローンによる資金調達や手間を外部委託できることなどです。

ただし、不動産投資を副業とみなされないためには、規定を正しく把握することや、事前に許可を取っておくことなどが重要になります。投資を始める前に、メリットとデメリットを比較し、慎重に検討されてみると良いでしょう。

投資前に見積もるべき不動産投資の7つのコスト

不動産投資にはコストがついてまわり、コストの多寡によってキャッシュフローや売却時の損益額が大きく変動することがあるため、コストは物件購入前の段階で漏れなく資金計画に落とし込む必要があります。

本記事では、不動産投資における固定費および変動費という2種類のコストを7つの項目に分けて解説します。物件購入前にコストを漏れなく見積もり、盤石な資金計画を立ててから投資を始めましょう。

不動産投資にコストがかかる2つの理由

不動産投資,コスト
(画像=VicenteSargues/stock.adobe.com)

不動産投資を行う際には、以下2つの理由から株式や投資信託への投資よりも多くの項目でコストがかかります。

  • 現物資産ゆえの維持費
  • アウトソーシングする項目の多さ

現物資産ゆえの維持費

不動産オーナーが所有するマンションやアパート、ビルという建物には数多くの設備や機器類が設置されています。

建物および付帯設備は経年とともに劣化が進行することから、正常な機能を維持するために定期的な点検や修繕、交換といったメンテナンスをオーナーが実施しなければいけません。

建物には、エレベーターや外壁タイル、塗膜防水といった定期的なメンテナンスを必要とするものが多くあるため、維持費がかかるということです。

アウトソーシングする項目の多さ

物件購入後、オーナーは経営者として賃貸経営を行うことになりますが、賃貸経営においては多くの項目を賃貸管理会社にアウトソーシングすることになるでしょう。

賃貸経営上の実務をオーナーが自ら行う「自主管理」と呼ばれる管理形態も選択肢としてありますが、自主管理をするには建物および付帯設備に関する高度な専門知識、工事業者や不動産業者とのコネクション等が求められるため、プロの不動産投資家や経験豊富な専業大家でない限りは非現実的といえそうです。

賃貸経営上の実務である入居者募集や原状回復工事、入居者対応といった各種工程をアウトソーシングする場合には、委託先である賃貸管理会社に対して支払う管理委託料というコストが発生します。

投資前に見積もるべき不動産投資の7つのコスト

不動産投資におけるコストは固定費と変動費に大別され、固定費は毎月ないし毎年に一度の頻度で定期的に発生するコスト、変動費は不定期に発生するコストを指します。

固定費には、ローン返済・管理委託料・税金・管理費および修繕積立金(区分マンションの場合)・共用部分の電気代および水道代(一棟物件の場合)の5つが挙げられ、変動費には入退去費用・修繕費の2つが挙げられます。

  • ローン返済
  • 管理委託料
  • 税金
  • 管理費および修繕積立金(区分マンションの場合)
  • 共用部分の電気代および水道代(一棟物件の場合)
  • 入退去費用
  • 修繕費

ローン返済

金融機関から融資を受けて物件を購入する場合は、金融機関に対して毎月一定の金利を上乗せした金額でローンを返済することになります。

融資を受ける際には、金融機関からローンの返済計画表の提示が事前にあるため、返済計画表を参照して毎月の返済額および借入金残高の推移を確認しておくのが得策です。

ローン返済は賃料収入の有無に関わらず毎月かかるため、空室期間中も支払いができるように手元のキャッシュを確保しておく必要があります。

管理委託料

管理委託料とは、賃貸経営上の実務を賃貸管理会社にアウトソーシングする際に発生する費用です。

賃貸管理会社はオーナーの判断に基づいて、入居者募集や原状回復工事、入居者対応といった各種の実務工程を代行してくれます。

管理委託料は、「送金賃料の◯%」や「一戸当たり○円」という料金体系で発生し、毎月の送金賃料と相殺されるのが一般的です。

税金

不動産投資における税金には、物件の購入時および売却時に一度きりで発生する不動産取得税や譲渡所得に対する税金に加えて、物件の保有期間中に毎年固定で発生する固定資産税および都市計画税という税金が挙げられます。

固定資産税は当該不動産の課税標準額に対して1.4%、都市計画税は当該不動産の課税標準額に対して0.3%の税率で課税されるのが一般的です。

税率が低くても、物件規模が大きくなると税金の絶対額も高額になるため、毎年の固定費として資金計画に落とし込んでおくべきといえるでしょう。

税金は賃料収入の有無に関わらず毎年ないし四半期ごとにかかるため、空室期間中も支払いができるように手元のキャッシュを確保しておく必要があります。

管理費および修繕積立金(区分マンションの場合)

管理費および修繕積立金は、区分マンションにおいて毎月かかる固定費であり、マンション全体の日常的なメンテナンス(管理費)や、およそ12年に一度の周期を目安として行われる大規模修繕への備え(修繕積立金)のために各住戸のオーナーが共同で毎月拠出する資金です。

築年数の経過につれて共用部分の設備の劣化が進行したり、大規模修繕での修繕項目が増えたりするため、修繕積立金は定期的に値上げされるが想定されます。

新築や築浅の区分マンションを長期保有する際は、将来的な修繕積立金の値上がりによるコストの増加を想定しておくことが得策です。

管理費および修繕積立金は賃料収入の有無に関わらず毎月かかるため、空室期間中も支払いができるように手元のキャッシュを確保しておく必要があります。

共用部分の電気代および水道代(一棟物件の場合)

一棟物件においては区分マンションと異なり、建物の共用部分も含めて全てオーナーの所有物です。

共用廊下やエントランスの照明、オートロック、エレベーター等を動かすための電気代および日常的な清掃作業を行うための水道代といった共用部分における日常的なコストは原則としてオーナーが全額負担することになります。

共用部分の電気代および水道代は賃料収入の有無に関わらず毎月かかるため、空室期間中も支払いができるように手元のキャッシュを確保しておく必要があります。

入退去費用

入退去費用とは、入居者の入れ替わり(前入居者の退去および新入居者の入居)の際に発生するコストのことです。

入居者の入れ替わりはいつ発生するか分からないため、入退去費用は変動費に分類されます。

前入居者の退去費用には原状回復工事費用やハウスクリーニング費用、設備交換費用等が挙げられ、新入居者の入居費用には仲介業者への広告報酬(「AD」と呼ばれることもあります)や賃貸管理会社への契約事務手数料等が挙げられます。

入退去費用は突発的に発生する費用であるため、入退去の発生に備えて毎月のキャッシュフローから資金を積み立てておくのが得策です。

修繕費

修繕費とは、エアコンや給湯器、建具等の部品または本体の交換をはじめとする建物の付帯設備における劣化や故障による修繕に要するコストを指します。

修繕費についてオーナー個人が負担するのは、原則として区分マンションにおいては専有部分(部屋内)のみ、一棟物件においては専有部分および共用部分、敷地等を含む全範囲です。

建物の付帯設備の劣化や故障による修繕はいつ発生するか分からないため、修繕費は変動費に分類されます。

修繕費は突発的に発生する費用であるため、修繕の発生に備えて毎月のキャッシュフローから資金を積み立てておくのが得策です。

コストを見積もり余裕のある資金計画を

不動産オーナーは、建物および付帯設備という現物資産を所有することになるため、メンテナンスに要する費用を負担しなければならなかったり、賃貸経営上の実務をアウトソーシングする賃貸管理会社に管理委託料を払う必要があったり、突発的な入退去が発生したりと多くの項目でコストがかかります。

コストの見積もりに漏れがあると賃貸経営中に資金ショートを起こしてしまうリスクがあるため、物件購入前にコストを漏れなく見積もることで余裕のある資金計画を立てましょう。


中国人投資家が日本に照準、不動産「爆買い」再燃か
 中国発の新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)以来、中国人観光客が日本に押し寄せる姿はなくなった。だが、中国の投資家は日本のマンションなど不動産投資を虎視眈々と狙っており、「爆買い」が再燃しつつあるという。その背景には「灰色のサイ」ともいわれる中国の不動産バブルの崩壊懸念という深刻な事情もあるようだ。アジア最大の不動産ITグループ、IQIが5月19日に発表した調査では、中国の投資家27%が「今後2年以内に海外で不動産を購入する予定」と答えたという。中国国営通信の中国新聞社が報じた。

 調査では新型コロナ収束後、47%が「最初に海外旅行に行くときに不動産を見るかもしれない」と答え、行きたい旅行先として34%が東アジアと回答したという。

 同社の中国語サイトでは、国別人気ランキングで日本が2位(最終更新2020年10月)となっており、皇居からほど近い千代田区一番町の高級マンション(2LDK、87平方メートル)が約9500万円で売りに出されているほか、北海道や沖縄などの販売物件が数多く確認できる。

 コロナ前には中国人投資家に向けた日本の不動産の現地視察ツアーも数多く実施されていた。コロナ禍で訪日は難しくなっているが、今も購買意欲は高いようだ。

 中国人による日本の不動産買いについて、住宅ジャーナリストの榊淳司氏は「2016年ごろにブームだったが、コロナ禍における不動産価格の下落で、昨年末ごろから人気が再燃している。日本の不動産会社を通じて購入する投資家が多く、ほとんどが投資目的のようだ。都内や北海道、沖縄のリゾート地など、個人であれば数十億円レベル、ファンドであれば数百億円レベルまで売買するとみられる」と解説する。

 中国の不動産をめぐっては、投機の過熱による価格高騰の一方、不動産会社の過剰在庫や債券デフォルト(債務不履行)が問題になっている。

 金融市場では、実際に発生すると深刻な問題を引き起こすにもかかわらず軽視されているリスクのことを「灰色のサイ」と呼ぶ。ふだんはおとなしいサイが暴れだすと手がつけられなくなることによるものだが、現状では中国の不動産バブル崩壊がこれに相当すると懸念されている。

 中国事情に詳しい評論家の石平氏は「中国の超富裕層は、国内の不動産バブルのリスクに敏感で、海外に目を向けている。欧米は外交上対立し、風当たりが強いため、そのほかの先進国、イコール日本に目を向けているのだろう。またコロナ禍で超富裕層は資金を使えなかったので、その分、コロナ収束後に日本への投資も爆増することになるだろう」と指摘した。

 海外マネーによる日本の不動産取得に政府は神経をとがらせている。安全保障上、重要な土地の買収対策として政府与党が今国会での成立を目指す土地利用規制法案は衆院を通過、4日にも参院で審議入りの見通しだ。

 法案は防衛施設や海上保安庁施設、原子力発電所などの重要インフラ施設周辺約1キロと国境離島の土地を「注視区域」として調査対象に設定。不適切な利用に対して中止を勧告・命令できる。

 1日の衆院本会議で立憲民主党と共産党は反対した。衆院内閣委員会では自民、公明、日本維新の会、国民民主の各党が共同提案し、国民の自由と権利を不当に制限しないよう留意すること、水源地や施設内の民有地についても今後検討することなどを盛り込んだ付帯決議案も可決した。

 前出の榊氏は「中国本土とは異なり、完全な所有権を得ることのできる日本は魅力で、政府による経済制裁のリスクも低いため安全安心と考えられている。今後、日本国内では飲食ビルや自社ビル売りも予想されているため、不動産価格が低い限り彼らは魅力的だと捉えるだろう。ただ、不動産は購入者の統計もないため、実態が分からない側面もある」と述べた。

 中国の富裕層による不動産購入が全て安全保障上の問題に直結するわけではないが、海外からの不動産投資が再び活発になる前に、法案を成立させる必要がありそうだ。


【不動産投資こそFIREへの近道】
不動産投資で失敗する人の特徴とは?


株式投資よりアパート1棟経営がFIRE(経済的自立と早期退職)への近道!
不動産投資を始めて5年、アパート7棟を保有、資産7億5000万円を築いた。目標は、40歳までに資産100億円を築くこと。経済が疲弊した愛着のある地元を自分の力で再生する資金作りのためだ。現在、年間家賃収入7000万円、年間キャッシュフロー(手元に残るお金)2000万円を得ている『元証券ウーマンが不動産投資で7億円』の著者が、知識ゼロから不動産投資で安定的に資産を増やせる方法を徹底指南する。
野村證券の社員だった20代の頃、不動産投資に目覚めた。仕事柄、株式投資のノウハウはあったものの、不動産投資はズブの素人。不動産投資に関する本を100冊以上読むところから始め、不動産会社を50社以上巡ったものの、不動産投資初心者の20代OLはナメられ、まともには相手にされなかった……。
その1年後、ついに運命の1棟目に出会う。4500万円を超える金融機関からの借入金にも、一切ためらいはなかった。ローンを抱える怖さより、「これでようやくスタートラインに立てた!」という興奮のほうがはるかに大きかった。それは不動産投資で成長できると思っていたから。
とんとん拍子で物件を増やしている凄腕ウーマンの「不動産投資で勝つ6つの力」を徹底解説。FIRE(経済的自立と早期退職)を果たした多くの人が展開している不動産投資の極意がわかる。

Photo: Adobe Stock

危険な不動産投資とは?

 不動産投資で成功している資産家はたくさんいますが、その一方で失敗している人がいるのも事実です。

 不動産投資で失敗した人の話を聞くと、ほぼ例外なく「不動産投資をして、何がしたいのか?」という目的がなく、目的達成までのプロセスも描いていません。

「とりあえず年間1000万円くらい副収入がほしい」
「毎月10万円くらい小遣い稼ぎになればうれしい」

 そんなふうに漠然としたお金儲けのことしか頭にないのです。

 これから不動産投資をする人も、すでにしている人も、「不動産投資の目的」を真剣に考えてみてください。

 理由はもちろん、人によってさまざまですし、よし悪しはありません。

「そんなこと不動産投資に関係ないでしょ」なんてことはないのです。“関係大アリ”です。

 大事なことは、この先、不動産投資で迷ったり悩んだりしたときに「自分はなんのために不動産投資をしているんだっけ?」と、立ち返る原点をはっきりさせておくことです。

 私の周りで不動産投資に失敗している人たちを見ていても、「目的もなく、見切り発車した不動産投資ほど危険なものはない」ということを実感しています

「もし制約がなければ何をしたいか?」
と自分に問いかけてみる

 そういった「投資の目的」と「目的達成のためのステップ」を1つひとつ整理してみて、不動産投資を成功させる“マイ・ストーリー”を描いてみてください。

 具体的なイメージを固めておけば、目先の損得ばかりを気にすることなく、行きあたりばったりの不動産投資を避けられるでしょう。

 漠然とした考えのまま不動産投資をはじめると、甘い話の詐欺に遭ったり、インチキ業者のカモにされたり、空室だらけの中途半端な賃貸経営で赤字続きになったりしがちです。

 不動産・株式を問わず、投資に興味のある人に私は、「経済的な問題や家族の存在などの制限がなければ、どんな生き方がしたいですか? 一番やりたいことはなんですか?」と尋ねることがよくあります。

「できない理由」をいったんとり払うと、ほとんどの人がこの問いに対して、なんらかの答えを出せます。

 そして、やりたいことが明確になると、その目的を果たすための手段を考えられるようになる。その手段の1つが、不動産投資なのです。

 このように、「目的」と「手段」をはき違えないことが、不動産投資に限らず、投資の大前提となります。



医師の不動産投資は「RC造、SRC造の物件」が手堅いワケ


木造、鉄骨…不動産投資にオススメの「構造」は?

不動産投資には高いレバレッジ効果が見込め、加えて節税効果も高いため、多くの高額所得者が取り組んでいます。高収入である医師も例外ではありません。手元に資産を残すためには今すぐ実践する必要があります。

 

そこでまずは建物の「構造の違い」について学んでみましょう。建物の構造を知ることは不動産投資の基点であり、収益計画に直結する事柄であるといっても過言ではありません。

 

●木造(戸建住宅、アパートなど)

日本の伝統的な建築物といえば木造住宅です。その代表的な工法が木造軸組(在来)工法であり、その他にも、北米で主流となっている木造枠組壁式(2×4〔ツーバイフォー〕)工法などがあります。

 

木造建築は天然材を使用しているので、程よい断熱性が保たれ、吸湿性に優れています。加えて2~3階建てと小規模なため、材料費や建築費が安く抑えられる点もメリットです。

 

その一方、シロアリなどの害虫被害を受けやすい、老朽化が早いというデメリットもあります。法定耐用年数は22年です。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

●軽量鉄骨造(プレハブ住宅など)

構造体に鉄の合金である鋼(Steel)を使用しているのが鉄骨造(S造)建物です。主要部材は工場で成型され、建築現場ではそれらを組み立てるだけの「プレハブ工法」が代表的です。

 

施工日数が短く、建材コストも抑えられますが、工場生産の既成建材を使用しているため、設計の自由度は低く、後年のリフォームも困難なのがデメリットです。法定耐用年数は使用される鋼材の厚さにより19年、または27年です。

 

●重量鉄骨造(アパートなど)

軽量鉄骨造と同じ鋼を使用し、鋼材の厚みが6mm以上のものを重量鉄骨構造と呼びます。

 

重量鉄骨の鋼は靭性(粘り強さ)が高く曲げ伸ばし加工が容易なため、間取り設計の自由度が高いのが特徴です。そのため、大規模店舗や体育館といった広大なスペースを必要とする中小規模の建物に向いています。

 

しかし、耐久性・耐震性・耐火性・防音性でやや劣るというデメリットもあります。法定耐用年数は34年です。

 

●鉄筋コンクリート造(マンションなど)

柱の中心に鉄筋を入れ、そこにコンクリートを注入した構造体が鉄筋コンクリート造です。圧縮に強いコンクリートと、引っ張りに強い鉄筋の性質を生かした構造で、RC(Reinforced Concrete)造とも呼ばれます。中低層のマンションに採用されることが多く、耐震性・耐火性・気密性に優れているのが特徴です。

 

その反面、気密性が高いため結露しやすく、冬は寒く、夏は室温が高くなりやすいというデメリットがあります。法定耐用年数は47年です。

 

●鉄骨鉄筋コンクリート造(高層ビルなど)

柱の中心に鉄筋と鉄骨を入れ、そこにコンクリートを注入した構造体が鉄骨鉄筋コンクリート造です。鉄筋コンクリート造の耐久性の高さに加え、鉄骨ならではの靭性を加えたもので、SRC(Steel Reinforced Concrete)造とも呼ばれます。

 

柱を細くしても建物の強度が保てるため、高層ビルやタワーマンションといった大規模建築物には最適です。

 

しかし重量があるため、建物を支える基礎部分の工期が長くなる分、建築コストも高くなります。また鉄筋コンクリート造と同様、気密性が高いため結露がしやすくなります。法定耐用年数は47年です。

 

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1981年6月以降に建てられた「RC造、SRC造」が無難

<頻繁にコストがかかる「木造」>

医師の皆さんが不動産運用をはじめるに際しては、新築、中古を問わず木造は避けたほうがよいでしょう。木造の建築コストは安いのですが、劣化が早いため、予想以上にランニングコスト(建物のメンテナンス費用)がかかってしまいます。

 

木造建築でもっとも耐久性が劣るのは外壁と屋根の防水性能でしょう。築10年を過ぎると雨漏りや水漏れなどの被害が発生し、それが同じ個所で繰り返し起こるようになります。

 

木造建築は木材自身の経年劣化だけでなく、風雨や地震といった天災による構造耐力低下も著しいため、建物の価値を計る耐用年数も短く見積もられているのです。

 

<「RC造」「SRC造」は建築年に注意>

RC造・SRC造は天災に強い構造体です。屋上の防水工事は新築時から万全に施されており、外壁にはタイルなどメンテナンスしやすい建材が採用されています。

 

建物構造を問わず、投資用不動産を購入する際は1981年6月以降に建てられた物件を選ぶようにしましょう。

 

その理由は、同年5月末日までに「建築確認(建物を建てる許可を得るための役所申請)」を取った建物は、現在より甘い耐震基準で申請をクリアしている可能性が高いからです。実際、阪神淡路大震災においては1981年以前に建てられたマンションなどに多くの被害が出ています。

 

不動産業界では、1981年以前に建てられた物件を「旧耐震」、それ以降に建てられた物件を「新耐震」と呼んで差別化しています。

 

売買価格もしかり、同じエリア・広さの物件でも、1981年築と1982年築では大きく差が出ます。購入するにはお買い得ですが、売却の際に苦労すること必至です。

 

<「鉄骨造」は投資上級者向け>

鉄骨造建物の用途として代表的なものは体育館、スーパーマーケットなどの大型店舗、倉庫、工場など、居住用以外の建物がほとんどです。

 

借地に建っているケースも多く、その場合は鉄骨造ならではの建築工期の短さ、そして解体のしやすさが重宝されるかもしれません。

 

投資用物件としては事業用賃貸となるため上級者向けとなるでしょう。また、郊外に建つ1棟アパートにも鉄骨造は多いですが、隣室や上階の音や振動が気になるなど、住み心地は芳しくないようです。

「定期的なメンテナンス」こそ収益を安定させるカギ

さて、ここまでそれぞれの構造の特徴を見てきましたが、いずれの建築構造も定期的な修繕が必要です。

 

修繕を怠ると、本来は修繕が必要でなかった箇所にも傷みが広がり、手が付けられない状態になります。その結果、物件の魅力が落ち、家賃を値下げしても空室が埋まらず、収支計画が狂ってしまうという悪循環に陥ります。

 

値下げリスクは金額だけの問題にとどまりません。入居者属性の低下、ひいては家賃滞納リスクの増大にもつながります。健全な不動産運用を続けるためには、建物の修繕だけでなく、エアコンや給湯器といった主要設備のメンテナンスも含めて常に点検を怠らないことが大切です。

 

 

大山 一也


不動産投資を始めた目的は67.3%が「資産運用」 人気があるのは「ワンルーム区分マンション」

株式会社グローバル・リンク・マネジメントは、20代から60代の男女1万1,794名を対象に「不動産投資に対する意識調査」を実施し、その結果を5月20日に発表した。調査期間は1月13日から14日。

 不動産投資にどの程度興味を持っているか聞く(N=1万794名)と、「興味はあるが実際に行動したことはない」が27.8%、「興味があり、セミナーや説明会に足を運んだことがある」が4.2%となった。「全く興味がない」は41.6%、「不動産投資に対して悪いイメージを持っている」は22.4%だった。そのほかでは、「副業として不動産投資を運用している」が3.1%、「現在不動産投資の収入メインで生活をしている」が0.9%だった。

 不動産投資をしていない人(N=1万834名)に、その理由で最もあてはまるものを聞くと、「投資そのものに興味がない」(32.9%)、「投資する費用が高い(投資にかける預貯金がない)」(29.1%)、「資産価値や家賃が下がるリスクがある」(10.9%)、「不動産の知識が無い、難しいと思っている」(10.3%)などが続いた。

 投資用不動産保有者400名に絞って、不動産投資を始めたきっかけを聞くと「家族や友人からの口コミ」が22.3%で最も多かった。以下、「自分もしくは親族の土地を持っていた」が19.8%、「営業の電話がかかってきた」と「パソコン・スマホ等の広告」が14.5%で続いた。

 不動産投資を始めた目的は「資産運用」が67.3%を占め、「老後の年金対策」が18.5%で続いた。そのほかでは、「生命保険の代用(団体信用生命保険)」(3.8%)などもあった。

 保有物件の種別を複数回答で聞くと、「ワンルーム区分マンション」が27.3%で最も多く、以下、「一棟アパート」(23.8%)、「戸建て」(21.5%)、「ファミリー向け区分マンション」(16.3%)、「一棟マンション」(14.8%)の順で続いた。

 一方、資産運用型中古マンション手掛ける株式会社GA technologiesは5月26日、「不動産投資マンスリーレポート 2021年4月度」を発表した。

 同社の4月の成約顧客を分析したところ、年収のボリュームゾーンは「500万円~600万円未満」の17%と「1,000万円~1,200万円未満」の16%で、「800万円~900万円未満」と「600万円~700万円未満」がそれぞれ約10%で続いた。また、成約顧客の職種は「会社員」が88%を占め、物件の価格帯は「2,000万円未満」が30%、「2,000万円台」が51%、「3,000万円台」が14%、「4,000万円以上」が5%だった。

 不動産投資ではワンルーム区分マンションの人気が高く、会社員を中心に資産運用の手段として取り組んでいる人が多いようだ。


小説で学ぶ不動産投資、中古区分の見極め術は

ぼくのブツブツ物件見学記<1>八王子・450万円中古区分アパート


「あ、山田さん。昼飯食いに行きません?」

いつも通りの事務所に、やたらデカい声が響き渡った。ああ、出た。こいつだ。上田。俺が働く不動産会社「2ndエモーション」の後輩で、バリバリの営業マン。営業の人間っていうのは、みんなこう声がデカいものなんだろうか。事務職で、毎日パソコンに向かってマイソクを作り続けている俺とは「人種が違う」と思ってしまう。

「12時過ぎたのに、まだ仕事してるんすか。一回休憩しましょうよ。超おすすめのラーメン屋があるんすよ」

ああもう。やめてくれ。俺は、誰かと昼飯を食いに行って、楽しく会話できるような人間じゃないんだ。あと、本音を言えば、俺はちょっとお前が苦手だ。

「ああ…ちょっと仕事忙しいから…」

思わず嘘をついた。仕事があるのは本当だ。そんなに忙しいわけじゃないが。だが、苦手な後輩とはいえ、人間関係がこじれたら面倒だというのも本心。ちょっと気になって横目で上田の様子をうかがったが、先ほどの言葉など気にも留めずに、俺のパソコンの画面をのぞき込んでいた。

「このマイソク、どこの物件っすか」

「…例の、桶川の」

俺の目の前のディスプレイには、作成途中のマイソクが映っている。売りに出された物件の情報をまとめたこの資料作りが、俺のこの会社での仕事だ。

物件価格、利回り、想定の年間家賃収入額、築年数に物件構造。書かれた情報にさっと目を通したのか、上田は「桶川でこのスペックはちょっと微妙っすね」とつぶやいた。まあそうかもしれないが、とりあえず早く昼飯行けよ。

「ていうか、ずっと疑問に思ってたんすけど。山田さん、ずーっとマイソク作りばっかりやってて楽しいっすか? ほんと好きっすよねぇ」

しみじみ言われて、イラっとする。だが、この仕事の楽しさは、上田には理解できないだろう。「楽しくは、ないけど」と小さく答えた。目線はディスプレイのまま、指はキーボードを打ち続けている。きっと、嘘だとばれてはいないはずだ。

「まあいいか。じゃあ、お疲れっす」

来た時と同じように、唐突に上田は去っていた。事務所を出ていったところを見ると、おすすめのラーメン屋とかいうやつに向かったんだろう。しかし、相変わらずうるさいな、あいつ。それになんなんだ、あのデリカシーのなさは…。

ざわざわと胸が波立つのを感じて、落ち着きを取り戻そうと、俺も昼飯を取ることにする。デスク脇に置いてあったリュックサックから、今朝コンビニで買っておいたカップ麵を取り出した。昼飯は、一人で静かに食うに限る。

湯を入れて、デスクに戻り、スマートフォンでタイマーをセットした。ここまでで約30秒。タイマーの数字が、「0230」からカウントダウンを始めた。

ディスプレイには、変わらず作成途中のマイソクが映し出されている。この会社でマイソクを作り続けて、かれこれ10年。地味な作業に見られることも多いが、俺はこの仕事に楽しさも覚えている。上田には小ばかにされたが、好きなものは好きなんだ。

タイマーがカップ麵の出来上がりを告げた。蓋を開けて割りばしをつっこむ。薄黄色の麺をまさに口に運ぼうとしたその時、俺のスマホが奏でる着信音が邪魔をした。画面に浮かぶのは「渡良瀬さん」の文字。部長だ。

「もしもし?」

「あ、山田? 昼時に悪いな。帯津さんから、また物件売ってくれって依頼があってさ」

帯津さんは、部長の顧客の中でもかなりの数の物件を所有している不動産投資家だ。これまでに何度か物件を売却したいと預かったことがあり、その際のマイソクも俺が作った。

「あー、はい」

「八王子の区分でさ、賃貸でも募集かけてるらしいけど、売りも同時に進めるんだと。今日中にマイソク作ってほしいんだけど、物件の写真撮りに行ける?」

「はい、今から行けば」

「じゃあ、住所とかメールで送るわ。よろしく」

部長の言葉に「はい」と俺が答えたのは聞こえていただろうか、というタイミングで部長が電話を切った。忙しい人だ。俺もさっさと昼飯食って、現地に向かうとしよう。そうして再び割りばしを口元に運んだその時、ガチャリ、と事務所の扉が開いた。大きな声がまた響く。また、お前か。

「ちょっと山田さん、聞いてくださいよー」

あ、仕事が忙しいとか言って、さっきこいつとの昼飯断ったんだった。嘘だとばれてイジられるのも面倒だ。とっさにカップ麺をコンビニのビニール袋に戻し、そのままリュックサックに隠した。手元のキーボードで適当に指を滑らせる。

「あのラーメン屋、今日定休日だったっすわ。ホント残念っすよー」

上田がデカい声で俺に報告してくる。別に、俺に言わなくてもいいのに。「はは」と小さく愛想笑いで答えておいた。

会社のある渋谷から、JR山手線と中央線を乗り継ぎ約1時間。JR八王子駅の北口を出ると、大きなショッピングモールが目に入った。商業ビルや雑居ビルが立ち並び、かなりの賑わいを見せている。都心まで出なくても、ここだけで生活が成り立つ「西東京の独立国家」が八王子だ。

だが、マイソクを作っていると、八王子は学生向けワンルームと3DKくらいのファミリータイプが多すぎると感じる。大学が何校もあるのに加え、このエリアで働く家族世帯の需要も多いんだろうが、物件の供給過剰感は否めない。事実、家賃は都心の4分の1以下だ。入居者にとっては得でも、大家にとってはつらいこともあるかもしれない。1LDKや2DK物件は意外と少ないが…。

そんなことを考えながら歩いていると、ふと、俺の背中から異臭を感じた。なんだか、妙に馴染みのある異臭だ。―しまった。食べかけのカップ麺を隠してたの、忘れてた。

当然汁が全てこぼれ、具材もきれいにぶちまけられている。俺の買ったばかりのリュックサックは、見るも無残な姿に変貌していた。…まあ、いいか。こんな日もある。さっさと仕事を終わらせて、食い損ねたカップ麺でも食うとしよう。

物件に到着すると、クリーニングが行われた後なのに、前の入居者の形跡をかすかに感じられる匂いがした。これこそ、「空室のロマン」だと俺は思う。

今回、帯津さんが売りたいと依頼してきたのは、八王子市内にある築31年の区分マンション。構造はSRCとしっかりした作りだが、間取りはよくある1Kだ。450万円で売りたいと考えているらしい。

玄関を入るとすぐに、風呂、洗面所、トイレが一緒という3点ユニットバスに続く扉があった。正直、このタイプはあまり人気がないが、16平米ほどの面積だから仕方がない。メインターゲットは安い家賃で住みたい学生になるだろう。

「お」

ふと、キッチン横に目が行く。そこに備え付けられていたのは、電気の熱でお湯を沸かす「電気温水器」だった。最近は「ガス給湯器」が主流だが、今でも古い物件ではたまに見かける。

ただ、こいつが厄介なのは、壊れてしまったときの交換費用が高額なところだ。ガス給湯器ならだいたい6万円程度で交換が可能だが、電気温水器だと30万~40万円ほど見込んでおかないといけない。ガス給湯器より寿命は長いらしいが、20数年に1度は交換しなくてはいけないと聞いたことがある。この物件の電気温水器は2011年11月製造か。これなら10数年は大丈夫かもしれない。

居室部分は、南向きということもあって日当たり良好。ベランダに出て建物の外壁を触ってみる。目地を埋める「コーキング」には弾力があり、まだ劣化はしていなさそうだ。

コーキングが劣化すれば、建物の外壁自体に傷みが出やすくなるし、防水性が薄まって、壁に浸水してしまう。だから、不動産投資家は購入する物件のコーキングをチェックするものだ。

…いやいや、ちょっと待て。俺は不動産投資家としてここに来たわけじゃない。マイソクを作るために写真を撮りに来たんだ。いつものクセが出てしまった。どうも物件を訪れると、「もし俺が、その物件を買ったとしたら」という思考で頭がいっぱいになってしまう。

―不動産投資とは、読んで字のごとく、「不動産」に「投資」することだ。物件を購入すれば、それを人に貸すことで家賃収入を得ることができる。

俺はしがない不動産会社社員だが、仕事を通して不動産投資家の話を聞いていくうちに、「自分でもやってみたい」と思うようになった。

ただ、不動産投資で利益を得るためには、「失敗するリスクの少ない物件」を購入することが必須。物件を購入する前には、入念なチェックやシミュレーションをしなくてはいけない。

そんなことを聞いたものだから、仕事で投資家の物件を訪れた際には、こうして不動産投資家目線で物件のチェックを行うようになった。一種の趣味だ。…だが、今はまず仕事を終わらせなくては。

空室の物件を、さまざまな角度から撮影する。最近はスマホの性能が格段に向上したこともあって、スマホで撮影することも多くなった。わざわざカメラを持ち歩かなくて良いから便利だ。

居室、水回り、玄関、ベランダ…。一通り撮り終えて、写りを確認する。結構な数を撮ったし、これで十分だろう。早いところ事務所に戻って、マイソク作りに取り掛からなくてはいけない、のだが。

―この物件、いくら儲かるんだろう。

どうしても、この思考から抜け出せない。俺の脳内で、数字がくるくると踊り出した。

物件価格は、売り主の希望450万円そのままだとしよう。この立地でこのスペックなら、家賃はだいたい4万円というところだ。

そうすると、年間家賃収入は「4万円×12カ月=48万円」。表面利回りは「4万円×12カ月÷450万円×100=10.7%」となる。

都心の区分マンションでは絶対に出てこない高い利回りだ。だが、これはあくまで表面利回り。経費が加味されていない。かかる経費も加味してシミュレーションしていかないとな。

まず、管理費・修繕積立金は過去に売りに出ていたほかの部屋でだいたい8000円くらいだったから、「8000円×12カ月=9万6000円」と考えられる。

固定資産税はしっかり調べていないけど、このあたりなら大体3万円くらいかな。そうすると、年間家賃収入48万円から管理費・修繕積立金、固定資産税を引いて、ここまででの残りは35万4000円

そのうち、所得税と住民税を仮に3割で計算すると、約10万円がさらに引かれることになるから、「48万円-9万6000円-3万円-10万円」で、最終的な手残りは年間で25万円くらいだ。

念には念を入れて、退去が出たときの原状回復費用と広告費も計算に入れてみるか。だとすれば、10年スパンで考えたほうが良さそうだ。

さっき計算した経費も加味した年間家賃収入は25万円だったから、10年間で250万円が得られることになる。その間に、そうだな、少なくとも2回退去があると仮定しよう。1回の原状回復費用が1平米あたり1万円とすると、この部屋は16平米だから「1万円×16平米×2回=32万円」ということになる。

さらに、10年もあれば1回は部屋についているエアコンが壊れそうだから、その交換費用で8万円がかかるとする。

それから入居付けのための広告料を家賃1カ月分とすれば、「4万円×2回=8万円」。退去してすぐに入居がつくわけじゃないから、一回の退去で空室期間が2カ月と見たら、「4万円×2カ月×2回=16万円」の機会損失が発生してしまいそうだ。

さて、これでいくらだ? 「250万円-32万円-8万円-8万円-16万円」で、10年間、この物件を運営した時の手残りは186万円か。

10で割り戻すと、だいたい年間で18万円。つまり、実質利回りは「18万円÷450万円×100=4%」

利回り4%か…。しかも、今は退去の回数もちょっと少なく見積もっているから、もっと費用が大きくなる可能性だって否めない。そうなると、物件価格を300万台前半まで指値して下げたり、自主管理で維持費を抑えたりしなくてはならない。でも、八王子は家からだいぶ遠いしな…。

―この物件、俺が不動産投資家なら、購入は見送りだ。

ようやく仕事(と半分趣味)を終えて、俺は駅に戻ってきた。道中、コンビニでさっき食い損ねたカップ麵を買い直す。事務所に戻る前に、ささっと食ってしまうことにした。

しかし、やっぱり俺、近い将来不動産投資始めてみてもいいかもしれない。まあ、問題は自己資金が足りなさそうなことだが。

モンゴル不動産投資の注意点は?外国人の所有権や売買条件について解説

1.モンゴル不動産投資の注意点

モンゴルはアジアの中でも特に人口増加が著しく、今後不動産需要の拡大が見込まれる国です。しかし、2021年時点で投資を検討するのであれば、複数のリスクに注意を要します。

1-1.空室リスクに要注意

途上国であるモンゴルは、他の先進国と比較して裕福な国というわけではありません。世界銀行の統計によるとモンゴルにおける2018年の貧困率は28.4%で、2021年時点では、長期的な改善目標に向けて政策が推進されている状況です。(※参照:世界銀行「Mongolia Poverty Update」)

モンゴルでは多くの国民が「ゲル」という伝統的なテントに住んでおり、モンゴル政府としては、ゲルから建造物の住宅への定住者を促したい考えを持っています。しかし、2016年〜2018年にかけては、郊外の農村部などでは貧困率が改善したものの、都市部では改善が進んでいません。

新興国では、都心部の高級物件が投資用物件として販売されていることが多く、モンゴルも例外ではありません。モンゴル不動産投資では、首都ウランバートルの高級物件などが投資対象となります。

しかし、高級物件の家賃を払い続けられる人は現地に限られているため、モンゴル不動産投資では空室リスクに要注意です。投資にあたっては、入居者ターゲットと入居者の募集に関して、不動産エージェントや管理会社と話し合う必要があります。

1-2.出口戦略の策定が重要

日本と比較するとモンゴルは厳しい気候条件を持っています。降水量が日本と比較すると非常に少なく乾燥しており、建物の劣化に要注意です。また、夏は気温が40度など大きく上がる一方で、冬は-30度まで下がるなど寒暖差が非常に大きくなっています。

このような気候条件の厳しさから、日本の不動産よりも建物の劣化が早く進むと考えられるため、物件の長期保有を前提とすると修繕費の膨張による赤字収支に要注意です。

モンゴル不動産は今後の値上がりなども期待できますが、物件の劣化リスクなども考慮すると、売却に関する出口戦略も考えておくことが重要になります。

1-3.情報収集に要注意

モンゴルの公用語はモンゴル語です。モンゴル不動産投資では、公的な資料がモンゴル語で表記されている点などに注意を要します。

海外不動産投資の情報を収集する上では、政府統計など公的なデータを比較しつつ、投資先の国を絞ることも必要です。また、マレーシアやフィリピンなど、英語が広く通用する国では統計が英語で書かれていることも少なくありません。

しかし、モンゴル政府が発行している政府にはモンゴル語でしか書かれていないものもあり、モンゴル語にあまり馴染みのない日本人が資料を読解するのは、手間のかかる作業と言えます。

そのほか、現地進出済みの企業でないと、現地不動産会社の見極めが難しい点にも要注意です。モンゴル企業の信用情報は中央銀行が管理しているものの、中央銀行所管の信用情報局会員でないと情報にアクセスできません。

その一方で、特に中小企業を中心としたモンゴル企業の情報は、政府が管理するデータベース以外ではほとんど見つけられない実態があります。モンゴル不動産投資の情報を収集するためには、現地に進出している日系企業など、信頼できる不動産エージェントを見つけることが重要です。

1-4.為替リスクがある

海外不動産投資では、どの国で投資するとしても為替変動のリスクに注意を要します。モンゴルの通貨はモンゴルトグログです。

モンゴルトグログは長期的に価値が下がっており、2021年時点ではあまり強い通貨と言えません。モンゴルトグログの対米ドルレートは以下グラフのようになっています。

モンゴルトグログの対米ドルレート

※画像引用:外務省「モンゴル経済指標

参考までに、外務省のデータによるとマレーシアリンギットは1ドル=MYR4.14で、タイバーツは1ドル=THB31.3となっています。(※参照:外務省「マレーシア(Malaysia)基礎データ」「タイ王国(Kingdom of Thailand)基礎データ

東南アジア各国の通貨と比較しても、モンゴルトグログはあまり価値が高くないと言えます。モンゴル不動産投資を検討するのであれば、利回りだけではなく日本円に換算した時の手残りも考慮して検討しましょう。

2.モンゴル不動産投資に関する外国人向けの規制

モンゴル不動産投資で要注意の規制は、土地の所有に関するものと税金に関するものです。それぞれについて解説します。

2-1.外国人は土地を所有できない

モンゴルでは憲法にて「モンゴルのすべての土地は国家のものである」旨が定められており、土地を国民に配分しています。そして、個人と法人とを問わず外国人には土地の所有を認めていません。

一方で、条件を満たした外国人に対して土地の「利用」のみが認められています。なお、土地の利用にあたっては政府が利用期間を決定するほか、法律上の利用期限は5年間です。利用期限の更新は可能ですが、1度に更新できる期間も5年間となっています。

モンゴル不動産投資では、投資対象が集合住宅に限定される点に要注意です。また、モンゴルでは首都のウランバートルに人口の多くが集中しているため、住宅需要を鑑みると、ウランバートルでの投資が候補として上がるでしょう。

モンゴル不動産投資では、モンゴル国内での選択肢があまり多くない点を念頭に入れつつ物件を選ぶことが必要です。

2-2.二重課税に要注意

モンゴル不動産投資では、モンゴルと日本との双方で税金がかかる点に要注意です。海外不動産投資では、日本と租税条約を締結済みの国で投資した場合には、不動産譲渡税や個人所得税に関して二重課税が回避されます。しかし、モンゴルは日本と租税条約を締結していません。

このため、不動産の譲渡所得税や不動産所得に関する所得税について、モンゴルと日本との両国で納税する必要があります。

ただし、2021年時点では、モンゴル国内で徴収される税金の税率はそれほど高くありません。不動産取得に関する税金はかからないほか、不動産譲渡税の税率は2%です。また、所得税の税率は一律で10%となっているほか、固定資産税の税率も0.6%なので、日本国内と比較すると投資コストとなる税金は大きな負担になりません。(※参照:国土交通省「モンゴルの不動産関連情報」)

3.モンゴル不動産投資の注意点やリスクの対策

ここまで解説したように、モンゴル不動産投資を日本在住の個人投資家が遠隔で行うにはハードルが高く、様々なリスクが考えられます。このような問題点に対して、下記2つの対策が検討できます。

  • モンゴルの情報に詳しい不動産エージェントに仲介を依頼する
  • 不動産投資型クラウドファンディングで間接的に投資する

3-1.モンゴルの情報に詳しい不動産エージェントに仲介を依頼する

海外不動産投資における不動産エージェントには、物件情報の収集から売買契約の作成まで行ってもらえます。

モンゴル不動産に詳しい日本の不動産会社の数は多くありませんが、例えばモンゴル・マレーシア・カンボジア・タイを主な投資対象国とする「ビヨンドボーダーズ」のような不動産会社が該当します。

ビヨンドボーダーズは、日本最大級の海外不動産情報サイト「SEKAI PROPERTY」を運営する不動産投資会社です。海外不動産の購入時には物件選びから賃貸付け・管理・売却までワンストップで依頼をすることが可能です。

これから海外不動産への投資を検討してみたいという方や、まずは情報収集だけでもしてみたいという方向けに、海外不動産セミナーや、現地支社スタッフとビデオをつないでオンラインで物件を内覧することができるオンライン内覧会も行っています。

【関連記事】ビヨンドボーダーズの評判・口コミ・セミナー

3-2.不動産投資型クラウドファンディングで間接的に投資する

もう一つの対策として、不動産投資型クラウドファンディングで間接的に不動産投資を行う方法も検討できます。実際にモンゴル不動産を所有することはできませんが、少額での投資も可能なため、自身での物件購入はハードルが高いと感じられる場合は検討してみましょう。

例えば、モンゴルなど中央アジアに位置する新興国の不動産ファンドを取り扱う海外不動産投資型クラウドファンディング「TECROWD(テクラウド)」は一口10万円から投資が可能です。

1号案件・2号案件の予定分配率は8%となっており、他の不動産クラウドファンディングよりも高い水準となっています。投資物件は、TECRA株式会社の施工物件であり日本の技術、品質基準に適合したものである点も特徴的です。

モンゴルは人口増加率が高く、不動産需要も増加傾向であり、不動産投資の対象国としてのメリットも多い国です。投資ハードルの高さが懸念となる場合には、このような手段も選択肢に入れ、検討してみると良いでしょう。

【関連記事】TECROWD(テクラウド)のメリット・デメリットは?投資リスクや注意点も

まとめ

モンゴル不動産投資において重要なポイントは、信頼できる不動産エージェントを見つけることです。情報収集の難しさから、現地の不動産会社を見極めるためには、現地の事情に明るい不動産エージェントの協力が不可欠と言えます。

そのほか、想定キャッシュフローを把握して物件を選ぶことが重要です。モンゴルは日本と租税条約を締結していないため、税金が二重課税されることになります。他の国と同様のシミュレーションでは正確性を欠いた想定となることに要注意です。


家賃収入が突然ゼロ… 若者に目立つ不動産投資トラブル

会社の給与だけでは将来が不安――。そんな心理からか、不動産投資に関心を持つ若者がコロナ禍で増えつつある。ただ、悪質な業者とのトラブルも相次いでいて、リスクに目を向ける必要がある。(阪田隼人)

 都内に投資用マンション2戸を持つ会社員の男性(34)は昨年11月、銀行で記入した通帳を見て異変に気づいた。不動産会社から払われるはずの家賃が、数カ月前から全く振り込まれていなかった。慌てて会社に連絡すると、「お金がなく、振り込めない。解約するなら違約金を払ってもらう」と告げられた。

 会社は朝日新聞の取材に対し、メールで回答した。約220件の契約のうち、コロナ禍による経営不振で「債務不履行になってしまった件が数十件あったことは事実」とし、多くは「話し合いのうえで事情を説明し、契約者と解約合意に至った」と主張した。

 だが、男性はコロナが理由だと聞いた覚えはない。電話口の声からは、悪びれる様子さえなかったという。「最初からだます気だったに違いない」。そう考えている。


米ゴールドマン、日本の不動産投資倍増


米ゴールドマン・サックスは日本での不動産投資を拡大する。投資額は従来の年1000億~1500億円から倍増となる2500億円規模にする。需要が拡大する物流施設やデータセンターのほか、企業が売却する不動産への投資を見込む。海外勢の不動産取得競争が激しくなりそうだ。

【不動産投資本】節税効果絶大?中途半端に相続させるなら、不動産M&Aで資産管理会社ごと売りなさい!


サラリーマン大家として長年コツコツ規模拡大をしてきたベテラン大家さんはもちろん、現在規模拡大の真っ只中の初心者・中堅大家さんであってもいずれ行き当たる問題といえば、相続、事業承継である。

人口減少がますます加速していく時代において、不動産とはただ所有していれば自動的に儲かるものではもはやない。恵まれたひと握りの地主系の方などを除けば、不動産で利益を生み続けられるのはオーナー自身の不断の努力と経験の積み重ねがあってこそ。

不動産がオーナーの手をいざ離れるとき、それらを引き継ぐパートナーや子どもたちに上手に運営できるシステムやスキル、興味関心が備わっているとは限らない。

時が経つにつれ不動産の資産性や収益性が減衰し、むしろ精神的、金銭的負担を強いられる”負動産”と化してしまうおそれがあることは想像に難くないだろう。

これから規模拡大を目指す方々にとっては贅沢な悩みに映るかもしれないが、これはかなり重要な問題だ。

そんな方々に対して「中途半端に相続するぐらいなら不動産M &Aで資産管理会社ごと手放しなさい」と提唱するのが、日本で唯一、不動産M&Aに特化したマッチングサイト「ReeMA(リーマ)」を運営する「リーマ株式会社」代表取締役CEOの竹口淳氏である。

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竹口氏は法人や機関投資家などを相手に資金調達業務や企業買収および企業再生、そしてM&Aコンサルティング等の業務に20年以上携わってきた。その後は海外での起業や不動産仲介・管理・開発にも携わるなど、豊富な経歴を持つ。そんな竹口氏が今回出版したのが「不動産オーナー様、資産管理会社は不動産M&Aでいま売りなさい!」という書籍だ。

不動産売却時の注目の新手法
賢く節税する鍵は不動産M&A

M&Aといえば、日本語で直訳すると「合併と買収」という意味である。互いの合意の上に成り立っていないM&Aを「敵対的買収」といって、センセーショナルに報道されたりドラマの題材として扱われたりすることもあるため、マイナスなイメージを持つ人もいるかもしれない。しかし日本で行われるのはたいてい互いの合意の上での友好的なM&Aであり、不動産M&Aの場合においても同様だ。

不動産M&Aとは、不動産を保有する資産管理会社の株式を売買して事業承継することを指し、著者は今後この方法が主流になっていくのでは、と考えている。法人を設立して収益不動産を保有する、節税意識の高い投資家・資産家が増えているからである。

M&Aによるすさまじい節税効果
ポイントは節税ルールの違いにあり

では不動産を家族に承継させず法人を精算しようとする際、不動産を売却して会社を精算する場合と比べて、不動産M&Aで法人(株式)を売却する方法の何がメリットなのか。

著者は最大のメリットとして、税務メリットが大きいことを挙げている。会社精算方式では不動産の現金化の際に約30~34%の法人税等が課税され、さらに分配される個人に対しても所得税が大きく課税されてしまうのに対して、M&Aによる株式の売却ならばかかる税率は20.315%であるからだ。

たとえば5億円の不動産売却益と5億円の株式売却益では手残りで約1.7億円と約4億円、なんと2億円以上も税負担が軽くなるというから驚きだ。

本書ではこのような不動産M&Aならではのメリット、売買の流れが通常の場合と異なる点、また注意点について詳細に解説している。

「M&Aでは買主が銀行融資によるレバレッジを使えないのでは」「特定の物件を残して売りたい場合はどうするのか」

こうした疑問にも回答をしているほか、後半では将来的にM&Aを見据えた賃貸経営のポイントや不動産M&Aが広まることによる地方創生・再生の可能性といったテーマにも言及する。不動産M&Aについてまるまる一冊かけて解説する、ほかに類を見ない書籍である。

マニアックなテーマで自分には関係ない話かな、と多くの方が感じるかもしれない。

しかし不動産投資をはじめて物件を取得した以上、いかに手放すか、または承継するかといった問題には遅かれ早かれ誰もが行き当たる。そんなのまだまだ先のことだよ、という方も将来の選択肢をひとつ増やすつもりで手にとってみてはいかがだろうか。

健美家編集部(協力:Tamaarai)


不動産投資、価格交渉しやすい物件は?4つの特徴と5つの交渉ポイント


1.不動産投資で価格交渉をするメリット・デメリット

ここでは、主に中古の1棟物件の価格交渉について取り上げます。不動産会社を選定して、営業担当者から物件の紹介を受け、実際に物件を購入する際、1棟物件の営業現場では価格交渉はよく行われます。

販売図面などの資料に記載された物件価格はあくまで売主の希望価格です。定価がない中古物件の場合、売主が買主から指値(買主が物件の購入価格を指定すること)を受けることは日常茶飯事です。

私が不動産会社に勤務していた頃のお話です。私は、収益物件を仕入れるため、毎日「レインズ」(不動産会社が閲覧できる物件情報が掲載されているシステム)や「楽待」、「健美家」などの不動産ポータルサイトを血眼になって検索していました。

そして物件を取り扱っている仲介会社に問い合わせて、お目当ての物件についてひととおりの情報収集をした後、「お値引きの余地はありますか?この物件いくらくらいになりますか?」などと聞いていました。

通常、仲介業者は、売主と事前に取り決めた「値引き幅」を持たされていることがあり、「この物件であれば100万円くらいかな」や、「250万円が限界ですね」など、率直に回答をしてもらえることが多かったです。

今思えば、これは不動産業者同士(プロ)での会話ですが、不動産会社にとっての仕入れと個人投資家の買付は、物件を購入して収益を上げるという行為は同じですので、ここでは個人投資家の方に参考になる要素を解説していきます。

1-1.不動産投資で価格交渉をするメリット

物件を仲介会社から紹介してもらう際に、買いたいと思った物件があった場合には価格交渉をしてみると良いでしょう。前述したように、仲介会社は売主から一定の「値引き幅」を持たされていることが多いです。価格交渉は個人投資家が買付を入れる際にも有効です。

不動産投資は優良物件をいかに安く買うかが成功するポイントの一つです。タイミングによってはオマケ(値引き)してくれることもあるでしょう。また、そもそも売主も買主の指値があることを想定して価格設定していることがほとんどです。

無事に指値がとおった場合のメリットとして下記の3点が挙げられます。

  1. 物件の利回り(収益率)が向上する
  2. 物件を安く購入できた分、リフォーム費用などに充当することができるので入居者の満足度が上がる
  3. 突発的な事象が発生した場合の緊急対応費用にできる

指値は仲介会社と十分に相談をしながら設定すると良いでしょう。ただし、後述するようにデメリットはあります。むやみやたらに価格交渉をすると仲介会社から相手にされなくなる可能性もあります。

1-2.不動産投資で価格交渉をするデメリット

一方、物件に指値をしてデメリットになる場合があります。それは主に下記の2点などが挙げられます。

  1. 価格交渉に多くの時間を要してしまうこと、
  2. 価売主の気分を害してしまい、そもそも交渉の土台に乗れないこと

特に売主が個人で残債が残っている場合には、売主が判断に迷ってしまい、お互いに時間を費やした結果、最悪のケースでは売却すること自体を取りやめてしまうこともあります。

また、指値をした分、仲介会社の仲介手数料が減ってしまうことも忘れてはいけません。大幅な指値により、仲介会社の手取り金額が減ってしまう結果になると仲介会社によってはモチベーションが落ちてしまいます。結果として、優良物件を紹介してもらえる機会が減ってしまう可能性もあります。

2.価格交渉をしやすい物件の4つの特徴

通常、多くの賃貸需要が見込める高立地物件や満室稼働物件などでは、価格交渉は難しくなります。

また、売主が不動産会社の場合で、自社再生物件(不動産会社がリフォームやリノベーションなどを実施済みの物件)の場合には値引きしないというケースもあります。数万人規模のメルマガ会員を有するなど多くの投資家にアプローチできる会社でよく見られます。

それでは、価格交渉をしやすい物件の特徴とはどのようなものでしょうか。以下に記載した特徴を持つ物件は1つだけでも価格交渉をしやすいですが、複数組み合わせるとより効果的です。

なぜ、売主は物件を売却しようとしているのか、事前に「売主の状況」と「物件の状況」をしっかりと確認することが大切です。

まずは、仲介会社をとおして、売主の売却理由を把握すると良いでしょう。私は、購入したい物件があった場合には、プロファイリング情報として以下を確認するようにしていました。全て正確に教えてもらえるのがベストですが、必ずしもそうではないケースも多いため、仲介会社の話を全面的に信じるのではなく参考情報程度という認識でとらえておきましょう。

  • 売主の職業(個人か法人か、専業の不動産会社かどうか等も確認)
  • 売主の年齢
  • 売却理由
  • いつから売りに出されてるか
  • 売却希望時期
  • 残債
  • 問い合わせ件数(ライバルの有無)
  • 特約(何か特別な条件があるか)
  • 物件に対する思い入れ(聞き出すことができれば)

売主が不動産会社やプロ投資家である場合の価格交渉は、話が速く、トントン拍子に進むことがあります。逆に売主が個人の場合、売却益にこだわるケースも多く、時間がかかることがあります。

売却理由に関しては、大体、「相続」や「資産の入れ替え」、「転売して売却益を得る」といったざっくりとした理由が多くあります。これは、売り急いでいることを伝えると価格交渉をされるため、売主があえて本当のことを告知することにメリットがないためです。そのため、プロファイリングは参考程度にしておいた方が良いと私は考えます。

問い合わせ件数に関しては、自分以外にライバルがいるかどうかを知るために聞き出します。強力なライバルがいるのといないのとでは、自身の精神状態にも大きく影響を与えました。私の経験上、他の条件が揃っていて「いける!」と思っても、ライバルがいるとわかるだけで弱気になってしまうものです。

2-1.売却期間が長期化している

私が考えるに、売却期間が長期化している物件(売れ残り物件)は、最も価格交渉しやすいです。

これは、何らかの理由で売却できずに長いこと売れ残っているからです。よくある特徴として、最寄駅から徒歩20~30分、バス便で20~30分という立地条件が悪い物件、ボロボロで建物の状態が悪い物件などが挙げられます。

ポータルサイトを定期的にチェックしていると、掲載され続けている物件があることがわかります。売主もなかなか売れずに焦っていて、心が折れていることもあるでしょう。

ただし、中には全く売り急いでおらず、また、プライドがあって頑なに価格交渉には一切応じないという売主もいます。売主が、「いつ売れても良い」、「じっくりと待つ」というスタンスですと価格交渉に応じないため、市場が求めている価格と折り合いません。結果として長期間残ってしまっていることが多くなります。

ポータルサイトなどで売却期間が長期化している物件を見つけたら、1週間後、2週間後、1ヶ月後ごとに定点で観測して状況を伺いながら、柔軟に対応をしていくと良いでしょう。売主の事情が急に変わるということもたまにあります。

ボロボロの物件の場合、価格交渉はしやすいかと思います。ただし、単に指値をすれば良いというものではありません。

私が不動産会社勤務時には、事業計画シート(社内で買付の承認を得るためのシミュレーション。金融機関に提出する場合にも使いました。)を活用しました。リフォームするべき箇所を見極め、リフォーム費用をかけた場合でも収益物件として利益が出る水準で購入する必要があります。

2-2.金融機関の融資が付きづらい

金融機関の融資が付きづらい物件も、価格交渉はしやすいです。

多くの金融機関は行内の規定によって、築年数が古い物件には自己資金を多く出してもらうよう要求します。

一方、不動産投資ではなるべく自己資金は拠出しないでレバレッジを多くかけた方が投資効率は高くなる傾向にあります。そのため、自己資金を30~40%以上出さないと融資がとおらない築古物件や旧耐震基準の物件は価格交渉がしやすいです。

ただし、安く購入できるのはメリットですが、以下の点に注意が必要です。

  • 自己資金割合が多くなる
  • 自身で修繕箇所を見極め適切に実施する必要がある
  • 適正に運営をしても融資が付きづらいので売却したいときに購入できる層が限定されてしまう

また、再建築不可物件や借地権付き物件はさらに金融機関の融資が付きづらいです。その分、価格交渉はしやすいのですが、そもそも運営の難易度も上がりますし、売却する際苦労する可能性もありますので、注意が必要です。

これも個人投資家には難易度が高いですが、空室が多い物件も金融機関の融資は付きづらいです。私は不動産会社勤務時に「全空(全部屋が空室)」の物件を仕入れたことがあります。

この物件は築古で大規模なリフォームが必要でした。一級建築士に詳細な調査をしてもらい、リフォーム費用が多額にかかること、全空物件であることを理由に大幅な指値がとおったケースでした。

2-3.市場価格よりも高い金額で売り出されている

売主には不動産に詳しい方ばかりではなく全くの素人という方もいます。

また、大手財閥系の不動産会社でも、居住用不動産の取り扱いには詳しいものの、収益用不動産に関してはまったく知識を持っていない営業担当者もいます。

物件価格は、売主と不動産会社の担当者で相談をして決めるケースが多いのですが、担当者が収益用不動産の相場を熟知していない場合には、市場価格よりも高い金額で売りに出されることがあります。

結果として、長期間売れないこととなり、価格交渉する余地が生じることがあります。逆のケースで、相場を知らないがために、割安で売り出していることもあったりします。

仲介会社からレントロール(家賃明細一覧表)を取り寄せ、現在の相場にあった賃料設定になっているかも確認が必要です。長期間入居が付いている場合には、当時の家賃が現在の家賃相場と乖離している可能性もあります。

家賃をベースに収益還元法で物件価格が設定されているケースでは、数年前に今より高い家賃で入居が付いた場合、それをベースに物件価格も高いことがありますので注意を要します。

2-4.売主が物件を売り急いでいる

売主が売り急いでいる物件は、価格交渉がしやすいです。

これは、仲介会社の話をヒントにするほか、不動産ポータルサイトを頻繁にチェックすることでわかります。特徴としては、定期的に少しずつ値下げしているケースです。ポータルサイトによっては「値下げマーク」が付いたりします。

例えば、相続税を支払う必要がある場合ですと、被相続人の売主は、物件に愛着がないケースも多く、また、手っ取り早く現金化したいという事情もあります。タイミングよく、このようなケースにあたった場合にはスムーズに価格交渉できる可能性が高いと言えます。

仲介会社から登記簿謄本を入手して、売主の残債を予測するのも良いでしょう。借入金と金融機関の金利が書いてある場合、購入後の経過年数を勘案するとおおよその残債を予測できます。

例えば、登記簿謄本から読み取れる情報で、売主が4,000万円の借入をしており、金利が3.3%だった例で考えてみましょう。購入後3年経過程度であれば、250万円ほどしか返済が進んでおらず、ほとんど残債が減っていません。指値した価格が残債を割っている場合には、価格交渉してもとおらないだろう、と予想をすることができます。

3.物件価格の交渉で注意したい5つのポイントと手順

最後に、物件価格の交渉で注意したいポイントを5つ挙げます。私も不動産会社の実務でこれらのポイントを意識して交渉した結果、売り値から最大20%超の価格改定で物件を購入できたことがあります。

3-1.誰と価格交渉をするのか把握する

価格交渉をするうえで、そもそも誰と交渉をするのか、そして、それぞれどのような立場であるのかを把握することはとても重要です。

価格交渉をする相手は、おおまかに分けて下記の4つに分類できます。

  • 地主(地場の個人)
  • 投資家(個人、会社員など)
  • 投資家(個人、規模によっては法人化して専業としている場合も)
  • 不動産会社(プロ)

地主は、お金に困っていなく、また相場もわかっていないケースが多いです。それゆえに指値がとおりやすい可能性があります。不動産会社や投資家は相場を熟知していることが多いです。それゆえに指値がとおりにくい傾向があります。

売主と直接価格交渉をするケース

売主と直接価格交渉をすることができればベストです。なぜなら、買主・売主ともに直接の取引のため仲介会社に仲介手数料を支払う必要がないため、お互いに妥協できる目標数値を見つけやすいからです。

しかし、私の経験上、個人の売主と直接価格交渉できるケースはまれです。地場の地主や個人投資家は仲介会社に交渉を任せるケースがほとんどです。一般的には、直接価格交渉できるのは法人(不動産会社)が多いでしょう。

売主の間に仲介会社が入って価格交渉をするケース

通常は、このパターンだと考えられます。あくまで、仲介会社をとおして、買主の希望が売主に伝わるということです。仲介会社は、買主の希望価格やその他の条件を売主に伝えて、案件がまとまるように調整をします。

また、物件によっては、売主と買主の間に、売主と媒介契約を締結している仲介会社(元付といいます)と投資家に物件を紹介してくれる仲介会社(客付といいます)の2社が存在することがあります。

3-2.仲介会社からの信頼を勝ち取る

物件を紹介してくれる仲介会社の信頼を勝ち取ることは非常に重要です。

そのためには、価格交渉をする前に、自分が物件を購入することができる属性であることを仲介会社に認識してもらう必要があります。源泉徴収票や預金通帳のコピーがあると便利です。

そして、物件に指値をした際、仲介会社から売主に上手に伝えてもらう必要があります。このとき、仲介会社から信頼を得ておかなければ、売主に伝わる前に却下されるか、知らない間にもみ消されてしまいます。投資家から指値が入っても、仲介会社の判断で売主に伝わらないということはよくあります。

実際に、私も不動産会社勤務時に、売主から物件を預かった際、売主と事前に取り決めておいた内容と大きく逸脱する要望を受けたことがあります。このようなときには、売主に共有する前に申し出を却下した経験があります(もちろん、売主には後で報告します)。

仲介会社の信頼を勝ち取るうえでは、事前に金融機関から物件の融資内諾を得ておく、というのも有効です。

私は個人で物件を購入する際、具体的に、「〇〇銀行の〇〇支店で〇〇万円の融資内諾を得ている」ことを共有し、さらに、自己資金が記帳された預金通帳をコピーして交渉時に提出していました。これは仲介会社や売主を説得するときに押しの一手となります。

3-3.物件を調査して比較する

見落としがちですが、交渉する前に物件を調査することも大事なポイントです。物件をあまり調べないで、いきなり価格交渉をしても、仲介会社の担当者の段階で止められてしまいます。

私の不動産会社勤務時の経験ですが、仕入れの業務を始めたばかりの頃に手あたり次第に物件の問い合わせをして指値を入れた結果、中々上手くいきませんでした。よく考えれば簡単なことで、仲介会社には本当に購入する気があるのか、伝わらなかったのではないかと思います。

まずは、物件の相場を調べて、できれば物件を視察しに行くことを検討してみましょう。Google Mapで調べるのも良いですが実際に視察をすると、周辺環境や建物の傷み具合、物件に出入りする入居者の属性などがリアルにわかります。

ポータルサイトで類似の物件を調べてみたり、仲介会社に物件に関して具体的なヒアリングをしてみるのも良いでしょう。例えば、物件周辺の賃料の妥当性、物件に空室があれば空室期間、入居者の属性などです。この際、入手した情報に偏りがないか、古い情報でないかどうかは注意する必要があります。

私は、ポータルサイトで見つけた物件を事前に調べて、「買いだ」と判断した場合には即日視察に行っていました。仲介会社側も、実際に物件を視察しているのといないのとでは反応が違います。Google Mapのみで物件を調査する投資家が多い中、きちんと時間を取って物件を見に現地を訪れたという事実は響きます。

また、目当ての物件を購入できなくとも、その仲介会社が預かっている別の物件を紹介してくれることもありました。このように、仲介会社とのネットワークが広がっていくと思いがけず掘り出し物の物件を紹介してくれることもあります。

3-4.売主が納得する理由を用意する

物件価格の交渉をする際には、売主が納得する理由をきちんと考える必要があります。単に、「安くしてください」では到底うまくいきません。売主の心証を害するだけでなく、成果が挙がらないと徐々に自身の心も折れていきます。

そこで、本当に欲しい物件は十分な準備をしたうえで、希望価格が売主に納得してもらえるよう理由を用意する必要があります。

例えば、下記のような準備をしておくと良いでしょう。

  • 物件の状況をしっかりと調査したうえで、リフォーム費用がどのくらいかかるのか、自身の予算など数値的な根拠とともに提示する
  • 金融機関の融資状況を具体的に説明して自己資金が不足している金額部分を交渉する

リフォームを予定している際は、リフォーム会社の見積もりなどがあると説得力が増します。また、これらは組み合わせた方がより効果的です。仲介会社もこのような根拠があると売主に話を持っていきやすいため、できるだけ準備しておくと良いでしょう。

その他、個人ではなかなか難しいですが、融資特約を付けない条件が売主に響くことがあります。

プロの不動産会社が強いのは、あれこれ細かな交渉をせず、「融資特約無し」で買付を入れられるところにあります。融資特約無しとは、万一金融機関の融資承認が下りなくとも、その物件を購入するという意思表示です。

売主が速く物件を手放したい場合には、融資特約無しは有効な手段の一つです。実際に、急いで売却したい売主に対して、融資特約を付けずに数百万円の指値に成功した知人もいます。

3-5.売主の感情に訴える

最後のポイントですが、売主の「感情」に訴える、です。何も準備しないで売主の心証を害してしまうケースを紹介しました。ここでは、売主のメリットを考えたうえでの提案に加えて、売主に「他の投資家と違うな」、「チャンスをあげよう」、と思ってもらえることが重要です。

私自身、買付証明書に直筆でメッセージを添える、手紙を添えるなどは年配の売主には効果があった経験があります。

ここで私のケースを紹介します。以前、不動産会社が売主である、どうしても欲しい物件がありました。不動産会社の営業担当者に、どれだけ自分が「不動産を好きか」、「その物件が欲しいのか」を不動産会社の社長と面会して話したい、と伝えました。実は、物件は事前に3回見学していました。

このときは、事前に物件周辺を見学していることで、物件が所在する街並みやエリアの将来性など、自身が気に入ったポイントを具体的に話すことができました。そして、不動産会社と複数回の交渉をして、物件を無事に購入することができたのです。

後でわかったことですが、買付を出している投資家は10人いたとのことです。不動産会社の社長も、「直接面会に来て想いを伝えてくれた」こと、なにより、「不動産が好きという熱意が伝わった」とのことでした。

物件の購入に加えて、他に買いたい投資家がいるにもかかわらず価格の改定もしてもらえました。これは個人的にもかなり嬉しかったのですが、情熱は大事であると再確認できた出来事でした。

まとめ

この記事では、価格交渉しやすい物件の特徴と成功確率を上げる交渉時のポイントについて、私の実務経験や実体験をベースに解説しました。

日常生活では、例えば、お店で商品を購入する際、価格交渉をすることはまずありません。一方、不動産の世界では交渉次第でとてもお得な、時にあり得ない価格で物件を購入することができたりします。

仲介会社とタッグを組んで、タイミングよく指値に成功すれば自身の力で利回りを即時に上げることができます。工夫次第で不動産はとても面白くなります。物件の価格交渉を検討する際には、よろしければ是非参考にしてみてください。

深刻化する「空き家問題」も、投資が解決の一助に

建物の耐用年数は、法的には木造で22年、鉄筋鉄骨コンクリート造で47年というように決まっていますが、その年数をはるかに経過した空き家や古民家は、まだ使用できる状態であっても評価額が「ゼロ円」となるため、土地価格のみで売買されています。そして、そのような古い建物を安く買い取り、リノベーションを施した上でシェアハウスや古民家カフェとして貸し出す不動産投資ビジネスに注目が集まっています。

 

総務省の「住宅・土地統計調査」(平成30年度)によると、全国の総住宅数約6,241万戸のうち、空き家状態になっている住宅は約850万戸。その数は全体の約14%を占めています。空き家の増加傾向は顕著で、今後も増え続けるとなると、様々な問題が懸念されます。

 

その1つは建物の老朽化です。人が住んでいないと老朽化のスピードは加速し、台風や地震などの天災をきっかけに屋根や壁面が崩壊するリスクが高まります。また不審者やホームレスなどが勝手に住みついたり、家財の窃盗や放火といった犯罪を誘発したりすることも問題です。所有者のみならず近隣住民に不利益が及ぶ可能性もあるでしょう。

 

だからといって、老朽化した建物を取り壊すとなると莫大な解体費用がかかりますし、また更地にしてしまうと(以前は)固定資産税が高くなるということで、所有者は「建物を残したまま売却してしまった方がいいのではないか」と考えます。すると空き家は「土地」として売り出され、建物付き不動産としては近隣相場より安くなります。

 

そこに目を付けた不動産投資家が、老朽化した建物を再生して賃貸運用できないかと考えたのが「空き家・古民家」ブームのきっかけなのです。

空き家・古民家のリノベーション方法とは?

一般住宅として使用されていた空き家と、施主の深い思い入れのもと創り上げられた古民家では、リノベーションの手法が一部異なります。

 

古民家とは日本古来の軸組工法で建てられた住宅のことで、竣工時期も明治・大正・昭和初期と歴史が重ねられてきたものを指します。一部の地域では、郷土の歴史を色濃く残す「街のシンボル」として文化財的に取り扱っているところもあります。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

古民家の構造体は堅牢で、その耐久性は200〜300年ともいわれます。柱や土台に補強工事を施せば耐震性能をさらに高められますが、工事費用は建物の状態によって100万〜500万円台と様々です。古き良き建物の風情を残すため、内外装工事には比較的お金がかからず、素人でも施工できる部分については所有者自らDIYすれば費用がさらに節約できます。

 

しかし、「古民家カフェ」のように飲食店舗へとリノベーションする場合は別です。保健所で営業許可を取るために厨房設備や排煙ダクトを増設する必要があるため、総額で1,000万円以上の費用がかかることになります。

 

一般的な空き家のリノベーション費用はピンキリで、壁や床工事のみであれば200万〜300万円台程度で済みます。しかし、キッチンや浴室など水回り設備の新規入れ替えや床下配管の交換を行うとなると、内装だけで700万円以上にのぼります。このほかに耐震補強工事が加わりますから、建物の状態によっては総額2,000万円以上の費用がかかる可能性もあります。

「空き家再生補助金制度」を利用する場合の注意点

年々深刻となる空き家増加の問題を受けて、国土交通省は居住環境の整備改善を図ることを目的とした「空き家再生補助金制度」を立ち上げました。この制度は、個人や企業などの民間事業者が空き家の増改築を行う場合、諸費用の2/3を国と地方公共団体で補助するというものです。近年では新潟・長野・石川・富山・福井・奈良・兵庫・広島の各県で同制度活用を推進しており、実施事例も各地で誕生しています。

 

ただし、この制度には厳しい条件があります。それは、リノベーション後の建物を地域のコミュニティ施設として10年以上提供することです。ここでいうコミュニティ施設とは、郷土の魅力を紹介する文化イベント・展示会場、移住検討者の滞在体験宿泊所、創作活動を通して近隣住民や観光客が気軽に交流できる場所のことです。

 

もちろん会場のレンタル料や宿泊代を徴収することはできますが、最低10年間は「お役所仕事」の一端を担わなければなりません。費用の補助は魅力ですが、地域ボランティア要素が濃いため一般の不動産投資家にとっては重荷になるかも知れません。

空き家や古民家で、賃貸・民泊事業をするための費用

公的な助成金に頼らず、自らの資産だけで空き家・古民家を再生する場合、賃貸運用や民泊営業をスタートさせるまでにどのくらいの費用がかかるのでしょう。那須や軽井沢などの別荘地に建つ空き家を購入したと想定して計算してみます。

 

 ●初期投資

購入価格:300万円

リフォーム費用:300万円

合計:600万円

 

 ●収益

賃貸運用(家賃)の場合:5万円/月

民泊営業(宿泊代)の場合:15万円/月(宿泊料5,000円/日として)

 

リノベーション部分は、床や壁などの内装中心と仮定して300万円としました。一般的な住居として貸し出す(賃貸運用)場合、表面利回りは10%、初期投資額を回収するのに約10年かかります。一方、民泊営業の表面利回りは30%、約3年で回収できる計算です。とはいっても、民泊の運営には予約受付業務やチェックアウト後の室内清掃といった外注手数料が別途かかりますので、実質利回りは半分(15%)程度になるでしょう。

 

次に、東京の八王子など郊外の住宅街にある古民家を買い取り、カフェにリフォームして賃貸した場合を想定して計算します。

 

 ●初期投資

購入価格:1,000万円

リフォーム費用:700万円

合計:1,700万円

 

 ●収益

賃貸運用(家賃):20万円/月

 

リフォームは店舗用厨房設備など水回り工事も行うと仮定し、700万円としました。表面利回りは14%、初期投資額の回収には約7年かかります。このように、飲食店営業目的で空き家・古民家を取得する場合、ある程度人通りがあり可視性の高い場所に建つ物件を選ばなくてはならず購入価格は高くなります。その上、飲食店舗用のリノベーションには大きな費用がかかるため、潤沢な資金が必要になります。

コロナ禍の影響により、民泊は「アイドリング状態」に

かつて話題が沸騰した民泊ブームの際は、京都エリアの空き家や古民家が不動産投資家の間で争奪戦となりました。ちなみに京都を含む関西圏は関東圏と比較して家賃相場が低い(ワンルームで5万円台/月前後)分、売買価格も安価です。

 

しかしこれを民泊施設として運用すれば、相場家賃の6倍以上(宿泊費1万円/日として31万円/月)稼ぐことができます。京都・大阪は国内屈指の観光エリアですから、これに気づいた投資家が動かないはずはありません。まずは京都市内にある町家造りの古民家から次々と売買され、無秩序な民泊開業ラッシュが始まったのです。

 

外国人観光客は「ホテルよりリーズナブル」な民泊を好んで利用します。繁華街のみならず、民泊が林立する住宅街にも外国人グループが溢れるようになると、近隣住民との間でトラブルが相次ぐようになりました。そこで行政は、住宅街における民泊営業を抑制する条例を発布したのです。

 

街中から締め出された民泊は、物流団地にポツンと建つマンションの一室や、民家もまばらな山奥の一軒家で営業を再開したものの客足は伸びていません。さらにコロナ禍の影響を受け、現在はアイドリング状態にあります。

空き家投資・古民家投資にビジネスチャンスが潜む!?

街中に建つ空き家・古民家は国の補助金によって解体が進み、いずれ再開発の波に飲まれていくことでしょう。問題は、誰も見向きもしない郊外の住宅街や別荘地に建つ物件です。しかし、そういったところにビジネスチャンスは隠れているものです。

 

民泊ブーム再来の前に、投資見込みエリア・物件の情報を収集しておくといいかもしれません。



不動産投資家が目をつけた「空き家・古民家」投資の実態は?




海外不動産投資の始め方は?投資目的の設定から投資対象国の選び方まで解説


1.海外不動産投資を始める手順

海外不動産投資では投資目的を明確にし、目的にあった国や物件に投資することが重要です。海外不動産投資を始める手順について解説します。

1-1.海外不動産投資をする目的の設定

海外不動産投資では複数の利益を狙えます。しかし、優先順位をつけずに様々な利益を狙いにいくと、投資先の国や物件を選ぶときに迷いやすいので要注意です。適切な判断を下すためには、どの利益を最優先とするのか、優先順位を明確にすることが重要になります。

また、海外不動産投資では国によって状況や規制などが異なるため、狙える利益や注意点も国によって異なります。海外不動産投資を始める手順としては、投資目的を決めてから国を選ぶことを検討してみると良いでしょう。

1-2.情報収集して投資先の国を決める

投資目的を明確にしたら、情報収集して国を比較します。国を比較する上で確認するポイントは以下の通りです。

  • GDP成長率
  • 人口と人口増加率
  • 外国人投資家に対する規制の内容
  • 不動産価格または不動産価格指数の動向

国ごとにGDP成長率や人口を比較するためには、IMFや国際連合などのwebサイトが役立ちます。そのほか、不動産価格や不動産価格指数は、各国政府または各国中央銀行などのウェブサイトで確認可能です。

海外のウェブサイトの多くは英語で構成されています。外国語が得意でない方は、ブラウザの翻訳機能などを利用しながら統計を分析してみましょう。

1-3.不動産会社を決める

情報収集の方法としては、海外不動産投資を扱う不動産会社のセミナーに参加するのも有効です。また、セミナーの内容やセミナー講師の雰囲気などは、不動産会社を見極める材料になります。

参加するセミナーに関しては、セミナーで取り上げる国に進出済みの不動産会社が開催するものを選ぶことが重要です。現地進出済みの不動産会社が開催するセミナーでは、投資家がインターネット上で収集できない情報を得られることもあります。

1-4.投資物件を選ぶ

不動産会社を絞り込んだら、物件情報をもらって物件を絞り込みます。物件を判断するにあたっては、物件価格は相場価格と乖離していないか、入居者としてどんな人を想定しているかなど確認することが重要です。

海外不動産投資では外国人駐在員を入居者として想定している物件もあります。この場合、物件の周辺エリアにはどの国の人が多いのか、外国人駐在員に好まれるのはどんな物件なのか、不動産会社に確認してみましょう。

入居者のターゲットが明確になっている物件は入居需要の調査を入念に行っていることも多く、空室率の低い投資を期待できます。

2.海外不動産投資で設定できる主な投資目的

インカムゲインやキャピタルゲインが投資目的となる点は、海外不動産投資も国内不動産投資も変わりありません。しかし、高い人口増加率や強い住宅需要を背景として、海外不動産投資には国内不動産投資とは違った魅力があります。

2-1.インカムゲイン

日本国内の不動産投資では、人口減少による住宅需要の縮小が予測されます。しかし、人口が増加している国で不動産投資をすれば、豊富な賃貸需要を期待できます。

ただし、人口増加によって賃貸需要が増えると住宅の供給数も増加する傾向にあります。想定よりも人口が伸びずに住宅の供給過多となり、物件価格が下落に向かう可能性もあるため、海外不動産投資においてもエリアごとに将来性を比較し、慎重な検討が重要となります。

2-2.キャピタルゲイン

日本の不動産市場では、築年数の経過とともに不動産の価格は下がっていきます。しかし、人口増加によって住宅需要が拡大していく海外では、年数の経過とともに経済が発展することによって、不動産の値上がりを期待できる可能性が比較的に高いと言えます。

人口の増加状況を正確に比較するためには、各国の統計を確認することが重要です。また不動産価格には各国の金利の推移や経済状況によっても変動するため、投資を検討する国の経済ニュースなどを確認してみましょう。

2-3.将来的な海外移住

海外不動産投資は将来的な海外移住を見据えた投資としても有効です。日本から海外不動産投資が可能な国の中には、外国人向けに長期滞在ビザを発行しているところもあります。例えばフィリピンなどは、海外移住先として注目する方も少なくありません。

税改正によって減価償却費の計上は不可能

税制改正によって、2021年の確定申告から海外不動産投資による減価償却費の計上はできなくなりました。

なお、通常の賃貸運用に関する経費計上は引き続き可能です。しかし、個人投資家の減価償却費の計上ができなくなることで、海外不動産投資による税対策の効果は縮小することに要注意です。

【関連記事】海外不動産投資の節税対策規制、今後はどの国でどう投資すべき?

3.日本人が不動産投資できる先進国の特徴

日本人が海外不動産投資をできる国について、先進国と新興国とに分けて特徴を解説します。

3-1.アメリカ

アメリカ不動産投資のメリットは、新興国の不動産投資と比較すると、複数のリスクを排除できることです。

例えば、政情不安定な国では、政権交代によって外国人投資家に対する規制が突然変更されることもあります。アメリカでは4年ごとに大統領選挙が行われますが、政情不安による急な政権交代などはあまり起こりません。

そのほか、経済規模が大きいことから、アメリカでは不動産価格の急落なども起こりにくいと言えます。経済規模が大きくない新興国では、先進国の経済動向の影響を受け、急激に景気が悪化するケースも少なくありません。

アメリカ不動産投資では、エリアによってインカムゲインとキャピタルゲインの両方を狙えます。しかし、投資するエリアを絞り込むのに手間がかかる点はアメリカ不動産投資のデメリットです。

アメリカでは州によって経済や不動産市場の状況が異なります。アメリカ国内でも複数の州を比較する必要があるため、情報収集に手間がかかる点には要注意です。

【関連記事】【7分で分かる】アメリカで不動産投資を始めるための10のステップ

4.海外不動産投資が可能な新興国の特徴

新興国の不動産投資では、先進国よりも高い経済成長率などを背景として、効率よく利益を狙えます。その一方で、不動産会社の見極めや外的要因の影響を受けやすい点などに要注意です。

4-1.フィリピン

フィリピン不動産投資のメリットは、インカムゲインとキャピタルゲインとをバランスよく狙えることです。フィリピンでは、2018年時点で人口が1億人を超えており、人口密度も日本より高くなっています。

フィリピン不動産投資では、コンドミニアムが主な投資対象です。コンドミニアム投資で入居率を上げるためには、人口密度が高いエリアの物件を選ぶことがポイントになります。人口密度が高いフィリピンでは、高い入居率を背景にしたインカムゲインを狙えます。

また、人口が増加中のフィリピンではキャピタルゲインを狙った投資も可能です。人口増加は住宅需要の向上につながります。

その一方で、不動産会社を見極める難易度が高い点は、フィリピン不動産投資のデメリットです。フィリピンには大手のデベロッパーが複数ありますが、客層によって会社が別れていることも少なくありません。

大手のグループ会社だからという理由で不動産会社を選ぶと、低所得者向けのクオリティが低い物件を勧められることもあります。複数の不動産会社へ問い合わせ、過去の実績や物件の特徴を比較してみましょう。

【関連記事】フィリピン不動産投資、日本人が所有できる物件の種類や特徴は?

4-2.カンボジア

カンボジア不動産投資のメリットは、経済発展によるキャピタルゲインを狙えることです。IMFの統計によると、カンボジアの2025年予測GDP成長率は6.9%になっています。(※IMF「CAMBODIA」を参照)

2021年の予測GDP成長率も6.8%なので、カンボジアは高い水準で経済成長の傾向にあると言えます。なお、比較対象として先進国の2025年予測GDP成長率を見ると、日本は0.6%でアメリカは1.8%です。

その一方で、入居者付けが外的な要因に影響される点は、カンボジア不動産投資のデメリットと言えます。カンボジアの投資用不動産は、現地人による実需の不動産よりも高額であるためです。

日本人がカンボジア不動産投資を行うコンドミニアムは、外国人か現地の富裕層が入居者ターゲットになります。今後、外国人は海外経済の動向やコロナの感染拡大状況などによって帰国してしまう懸念もあるため、賃貸需要の動向や入居率の推移なども確認してみましょう。

【関連記事】カンボジア不動産投資のリスクは?法整備の状況や不動産会社の選び方も

4-3.マレーシア

マレーシア不動産投資のメリットは、新興国の中でも経済発展が進んでおり、比較的リスクを抑えて投資できることです。

経済発展によってマレーシア国内のデベロッパーも増えているため、他の新興国と比較すると、不動産会社を見極めやすい環境が整っています。ただし、マレーシアには中国系など海外のデベロッパーも多いため、物件選びにあたってデベロッパーの背景を確認することは重要です。

その一方で、外国人投資家に対して物件の最低購入価格に関する規制がある点が、マレーシア不動産投資のデメリットです。外国人投資家は、価格RM1,000,000(=2,700万円:RM1=27円換算)以上の物件しか購入できません。(※国土交通省「海外建設・不動産市場データベース>マレーシア」を参照)

家賃収入に対し物件価格が高いと利回りは下がり、キャッシュフローが悪化します。マレーシアの不動産に投資する場合は、収支シミュレーションを入念にしておくことが重要です。

【関連記事】マレーシア不動産投資を徹底解説!利回りやリスク、おすすめ投資法は?

まとめ

海外不動産投資を成功させるためのポイントは、正確な情報収集と投資目的の明確化です。情報を収集するためには、不動産会社が開催するセミナーに参加するほか、対象国の公的機関のウェブサイトで情報検索することも有効です。

また、先進国には規制の変更などのリスクが低い一方で、エリアによっては物件価格が高騰し、利回りも低いケースがあります。一方、新興国は投資効率が高い一方で、不動産会社や規制に関するリスクが高い特徴があります。

このように、海外不動産投資は投資対象の国によって状況や規制内容などが異なります。まずは自身の投資目的を設定し、リスクとリターンのバランスを比較しながら対象国を選ぶことが必要です。

主婦のスマホ投資から企業間売買まで 不動産にマネーが集中する理由

「神戸市の一等地にあるマンションに投資しませんか?」  都内のITベンチャー経営者が、こんな勧誘を受けたのは昨年10月。信用金庫から1000万円の融資を受けたと、この不動産会社の友人に話すと、間髪入れずに勧められたという。 「今なら低利で追加融資を受けられます。3000万~4000万円の投資で、すぐに売り抜ければ1000万円は稼げる」。「興味がない」と断ったが、数日後再び「都内にいい物件が出た」と持ちかけられた。  ◇1口1万円のクラウドファンディングも  インターネット上で不特定多数の個人から資金調達するクラウドファンディング(CF)。これを不動産投資に活用する不動産CFの件数や出資募集額が、それぞれ2019年に前年比6・5倍、2・6倍へと急増している。「スマートフォンで少額から投資ができて簡単」と、個人投資家が増えているのだ。  従来、個人の不動産投資は賃貸用マンション・アパートか、J―REIT(上場不動産投資信託)ぐらいだった。現物不動産は多額の資金とオーナーとして資産管理が必要。J―REITは小口資金で投資できるが、地銀や外国の機関投資家が入り込んできたため、結果的に個人がはじき出された格好になっている。  そこに登場した不動産CF。一般的に運用期間は3カ月~3年ぐらいで、賃料収入や物件売却益を配当する。予定利回りは年3~5%程度だ。17年の不動産特定共同事業法(不特法)改正により、事業者の資本金要件などが緩和されて不動産CFの参入者が増えた。  元サッカー選手(ジェフ市原・育成選手)でGAテクノロジーの樋口龍社長CEO(最高経営責任者)は「サイト登録会員が10万人を突破したが、まだまだ」と、コロナ禍1年での会員6割増に満足していない。  樋口氏は、中古住宅について「借りる」「買う」「売る」「貸す」「投資する」をワンストップで提供する不動産テックサイト「RENOSY(リノシー)」を運営する。IT技術を活用して2000万程度の投資用中古マンションを販売するのが主な事業だが、不特法改正で約2年前から1口1万円の不動産CFも手掛ける。顧客層は、主婦や高齢者まで幅広いという。
また、金融商品取引法に基づいたCFで不動産を取り扱っているのは、野村総合研究所とケネディクスが合弁で設立したビットリアルティだ。機関投資家でしか投資できない私募ファンドを個人に提供するのが特徴である。他の事業者と比べて1口10万円以上とやや高く、顧客は40代が中心。今年3月の新規会員登録は前年同月に比べて約3倍になったという。  谷山智彦副社長は「『倒産隔離』の仕組みを取り入れているため、当社が万が一、破綻しても顧客資金は守られる」と話す。  コロナ禍で巣ごもりの個人投資家が増え、CFの募集を開始するとすぐに満額になる“瞬間蒸発”が多発している。不動産会社のトーセイはCFが 満額となったときに備えて「補欠当選」の仕組みを導入して、キャンセル待ちができるようにした。  ◇企業は大型物件を虎の子放出  一方で、企業間の大型物件の売買も活発化している。コロナ禍によって、業績が悪化した企業が生き残りを賭けて、虎の子の本社ビルや主要拠点を手放し、J-REITや外資系ファンドなどが買っているのだ。コロナ禍でリモートワークが広がり、「オフィス不要論」も売買を後押しする。  みずほ信託銀行系の都市未来総合研究所によると、東京23区の本社移転の理由が、コロナ感染拡大後は「業容拡大」が激減し、「経費削減」「事務所縮小」の割合が急増しているという。エイベックスのように売却後も賃借利用する企業もある。  東京商工リサーチ情報部の永木緋鶴氏は「売却側は手元資金が確保でき、資産規模縮小による収益性の改善が図れる。買い手側も都心一等地の大型物件が手に入り、安定した賃貸収入が得られることで思惑が一致した」と分析する。  また、ホテル業界で話題になったのが、藤田観光の太閤園や近鉄ホールディングス(HD)傘下の「都ホテル京都八条」など8ホテルの売却だ(藤田観光は23㌻に関連記事)。近鉄HDから買ったのは、米投資ファンドのブラックストーンの合弁会社。ブラックストーンにとって日本で初めてのホテル買収となる。ブラックストーンは三越伊勢丹ホールディングスの不動産子会社も買収しており、不動産部門だけで昨年1年間に5700億円を投じた。また、別の外資系ファンドは今後3~4年で日本国内のオフィスビルやホテルなどに最大1兆円投じる計画がある。
SMBC日興証券の田澤淳一シニアアナリストは「内外の投資家は、都内を中心に優良物件を持つ企業やJ―REITに注目している。国内勢では、三井不動産は再開発含みの案件を買って陣地を広げようとしているし、ヒューリックは既存物件を運用目的でアグレッシブに買っている」と指摘する。  ◇東京圏は世界の投資先3位に  不動産サービス大手のジョーンズラングラサール(JLL)によると、20年の日本国内投資額は前年比4%減の4兆5700億円だったものの、うち海外からの投資額は34%を占め、リーマン・ショック前の07年と並ぶ高水準だ。世界の都市別投資額ランキングで東京首都圏は過去最高の3位に食い込んだ。  JLLリサーチ事業部の大東雄人ディレクターは「コロナ感染者数が欧米に比べ少なかっため、主要国の投資ファンドが将来的にも高く売れるという“出口”をにらんで買っている」と分析する。ただ、英米などに比べ、日本がワクチン接種で遅れている。大東氏は「このままワクチン接種が進まない場合、日本の相対的な魅力がはく落して、投資額の減少も考えられる」と、今後の見通しは慎重だ。 ----------------------------------------------  5月17日発売の『週刊エコノミスト(5月25日号)』の特集1は「狙える不動産」です。長期化する金融緩和、超低金利時代に利回りを求めて個人から機関投資家まで不動産にマネーを投入している状況を紹介しています。電通やリクルートHD、エイベックスといった大型物件の売却一覧付きです。ぜひご一読ください。

「相場より格安の投資物件」を簡単に見つけ出す裏ワザとは?


物件探しの前に「融資してくれる金融機関」を探す

不動産投資は銀行からお金を借りて成り立つビジネスであり、銀行からお金を借りるからこそ、買える物件が変わってきます。

 

 

そのため、ご自分がまず「どこの銀行で融資を組めるのか?」を知り、また、その銀行からの融資を受けるということは、その銀行が融資をしてくれる物件を見つけないといけません。

 

たとえば、東京に住んでいる人が、山形出身だからといって、山形の物件を買えるかといった場合、その物件購入に都内の金融機関が融資をしてくれるとは限りません。

 

不動産投資では「まず物件ありき」で考える方が多いのですが、その前に融資をしてくれる金融機関を見つけることが大切です。

 

逆に言うと、物件を購入する際に、たとえばみずほ銀行に対して、「北海道のある物件を買いたい」と言ったとき、「旭川にはみずほ銀行の支店があるので買えます」という流れになることがあります。意外と知られていないのですが、こうした事実があるわけです。

本人の属性に応じた「買い方のポイント」

属性で大事なのは、ズバリ年収です。年収1000万の人がいきなり5億の物件を買えるかというと、年収だけを見た時点で、融資することができないと金融機関にジャッジされてしまいます。

 

「では、3億円の物件だったら買えますか?」


「いや、ちょっと厳しいですね」


「では、5000万円のアパートだったら買えますか?」


「それなら買えますよ」

 

このようなやりとりを経て、最終的に自分の属性に見合った物件となるわけです。

 

ですから、自分の年収や預貯金に見合った物件の価格帯を選定しなければいけません。自分の年収や使える預貯金に見合った価格帯、それが5000万円なのか1億円なのかは、サラリーマン投資家専門の不動産会社に相談に行けば、すでに多くのサラリーマン投資家のサポートをしている経験上、的確なアドバイスをもらうことができます。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

良い物件とは「相場より安い物件」のこと

良い物件の条件についてよく聞かれます。筆者が考える良い物件とは、やはりシンプルな発想ですが、「相場よりも安い物件」です。安く手に入れることができれば、その後の出口戦略も含めて、うまくいくケースが多いからです。

 

では、「相場よりも安い物件」とはなにかというと、なにかしらの事情で安く売らざるを得ない物件です。

 

健全な人がオーナーであれば、安く売る理由はありません。安く売るということは、「安く売らないといけない」理由があるのです。

差し押さえ物件、競売物件、そして相続物件

それはどのようなものかというと、前述したように、不良債権などが理由で税務署か誰かに差し押さえがついてしまっている物件や、競売になってしまっている物件です。

 

 

もう一つは相続です。売主の売却理由に「相続」という言葉が出てくると、安く手に入れられることが多いのです。なぜかというと、相続の場合、だいたい高齢の方が物件を持っていて、その物件に対して借金がないケースが多いからです。

 

80~90歳ぐらいの両親から子どもたちに相続をする前に、売るケースが多いのですが、これは不動産を巡って子どもたちのあいだでトラブルになるよりも、不動産を売却して、余生の小遣いと、生前贈与で子どもたちに現金で渡してしまい、綺麗に処理したいという考えからです。

 

このような理由で、高く売ることよりも、売却を早く終わらせたいと考えるオーナーが少なからずいます。「最低でもいくらで売りたい」というような条件がないため、買い手にとっては安く買えることが多いというわけです。

 

さらに安く手に入るのは、オーナー本人が亡くなったあとの相続の場合です。実際に相続が起こったときのほうが、相対的に安く購入できます。

 

なぜかというと、相続が発生したら、相続税がかかります。税金を納めるお金がないと、不動産を相続した子どもたちは、相続税の費用を捻出するために相続した物件を売らないといけません。売り急ぐため、結果、買う側は安く手に入れることができるのです。

売り手の「早く現金化したい!」にチャンスあり

競売と相続に共通しているのは、早く現金化したいという点です。結果として、安く手に入り、高く売ることができるため、私は結果として「良い物件」だと考えるのです。

 

良いかどうかという点では「良い」と表現しにくいのですが、安く買うことで、利益を出すことができることは確かです。

 

次に買いたい人が安く買えるわけではないため、ここで挙げたような事情があるとチャンスがあるわけです。

 

こうしたケースもぜひ頭に入れて、安く不動産を手に入れるチャンスを見計らってみてください。

物件探しの2つの方法…インターネットと個別相談

物件の探し方の手法には大きく分けて2つあります。1つはインターネットで検索する方法です。もう1つは、不動産会社のセミナーや個別相談に行き、物件を紹介してもらう方法です。不動産会社には賃貸専門の仲介業者もあれば、一般の住宅を販売している会社もあります。

 

 

収益物件を買う目的であれば、収益物件を扱っている会社を探しましょう。収益物件の情報が多く掲載されているサイトは次の通りです。

 

健美家(けんびや) https://www.kenbiya.com/

楽待(らくまち) https://www.rakumachi.jp/

不動産投資☆連合隊 http://www.rals.co.jp/invest/

 

このほかに、大手の財閥系の不動産会社のサイトも物件情報が多く、相続案件も多いため、合わせてチェックしてみるといいでしょう。

 

住友不動産販売 https://www.stepon.co.jp/

東急リバブル http://www.livable.co.jp/

野村不動産アーバンネット https://www.nomura-un.co.jp/

三菱UFJ不動産販売 https://www.sumai1.com/

 

まずはどんな物件がどのエリアにあるのか。相場観を知る意味で、インターネットを使って勉強しましょう。

 

次に、収益物件を紹介してくれる不動産会社が主催するセミナーに参加してみましょう。健美家や楽待など収益物件専門のポータルサイトでは、不動産投資をテーマにしたセミナー情報が掲載されています。

 

それらのサイトから、興味があるものに参加していき、知識とともに不動産会社のネットワークを広げていきましょう。

「物件概要書」には、必要な情報が網羅されている

インターネットやセミナーで収益物件の情報に触れると、「物件概要書」を見ることになります。物件概要書には、物件やその物件が立地する土地に関するさまざまな事項が記載されています。

 

[図表]物件概要書の例

 

物件概要書には、主に物件名、住所、価格、利回り、戸数、地積、延床面積などが記載されています。写真や間取り図はついていませんので、それらの資料が見たいときは別途資料を請求するとよいでしょう。もちろん、その場所に足を運ぶことが可能であれば、自分で目で確認することがベストです。

 

物件概要書を見ると、物件の特徴についておおまかに理解することができます。買うべき物件なのかどうかを判断する目利き力を養うためにも、数多くの物件概要書に目を通すことをおすすめします。

 

●まず、価格が適正かを確認

 

物件概要書の見るべき最初のポイントは、物件の価格です。相場に比べて、高くないか、安すぎないかを見ます。それぞれ高い場合も、安い場合もなにか理由があるわけですから、気になったら問い合わせてみましょう。

 

●表面利回りではなく、実質利回りで検討する

 

次にチェックしたいのが利回りについてです。表面利回りで表記されていることが多いのですが、実質利回りで計算をしたら、思ったよりも利回りが低いということがあります。表面利回りで表記されていた場合、実質利回りを計算してから検討してみましょう。

 

●築年数と構造から、融資期間を考える

 

続けて建物の構造と築年数を見ます。融資を受けることを考えると、基本的にローンの借入期間は耐用年数に応じて行われるため、物件概要書においても、築年数は耐用年数と合わせて考える必要があります。

 

さらに耐用年数は建物の構造に関連するため、合わせて構造もチェックします。建物の耐用年数は、鉄筋コンクリート造47年、鉄骨造34年、木造22年です。たとえば、鉄筋コンクリート造で築31年の場合、ローンの借入期間は「47-31年=16年以内」になります。

 

●容積率、道路付け、耐震性など

 

容積率や道路付け、耐震性などの表示についてもチェックしましょう。なぜなら、容積率をオーバーしている物件や耐震性が悪い物件など建築基準法に違反している場合、融資を受けることが難しくなるからです。

 

 

オスカーキャピタル株式会社

代表取締役社長 金田大介

年間CF1億8000万円、買い続けるための「プロの不動産投資戦略」


22歳で不動産投資を始め、20代のうちに家賃年収6000万円を達成。その経験を生かして不動産会社に転職、営業責任者としても活躍し、2018年には自身で不動産会社「コスモバンク」を立ち上げた、穴澤勇人氏(33)。

総投資額は約30億円。現在、同社が所有する物件から得られる家賃収入は約3億円で、月間で1500万円以上のキャッシュフローを生み出している。

築古木造や築浅RC物件、現金購入と融資など、ポートフォリオのバランスを考えながら、「王道」を貫く穴澤氏が、今回、約10年かけて築き上げた自身の不動産投資戦略を明かした。

22歳で不動産投資を開始、5年で家賃年収6000万円に

―穴澤さんが不動産投資を始めたのは22歳だそうですね。

20歳の時、自宅を買ったのが初めての不動産購入ですが、収益用という意味では、約10年前の22歳の時に約3200万円のアパートを購入したのが最初です。その後、個人では最大13棟を所有して、27歳くらいの時に家賃年収6000万円を達成しました。ただ、2016年から17年にかけて売却したので、現在の個人での所有物件数は7棟ですね。

―現在は、ご自身の不動産会社での賃貸業メインということですが。

はい。2018年に自分で不動産会社を立ち上げました。買取再販や管理の事業もありますが、自分の不動産投資に対する考え方をそのまま引き継いでの賃貸業も行っています。現在会社では約25棟を所有し、年間の家賃収入は約3億円、年間1億8000万円ほどのキャッシュフローになっています。

―総投資額はいくらになりますか?

総投資額は、現金買いの物件も含めて30億円ほどでしょうか。保有物件の2~3割は現金購入です。現金購入の物件は共同担保とかいろいろ使い道もありますし、利回りが良ければ投資分がすぐに回収できるし、便利なんですよ。会社の損益ラインを上回った、余剰の3000万円でアパートを買ったりと、うまく現金と融資のバランスを取るようにしています。

―どんな物件を所有しているんですか?

木造と軽量鉄骨造の物件が合わせて5割くらい、鉄骨造が2割くらい、RC造物件が3割くらいですね。旧耐震の築古物件もありますし、土地値以下の物件もありますし、立地が良くて出口に困らない物件もあります。さまざまな組み合わせですね。

これまでいろいろな投資家さんを見る中で、積算価格を重視する方もいましたし、築古物件専門にやっている方もいましたが、やはりそれぞれメリット・デメリットがあるので、私はハイブリッド型が良いと思うんです。

―返済比率や物件の稼働率を教えてください。

現金でも購入しているので、返済比率はおおよそ50%以下になっています。物件の稼働率は、購入したばかりの全空物件なども含めて、91~92%程度だと思います。

「暇つぶし」で手に取った経済誌

―ここからは、穴澤さんの経歴についてお聞きしたいと思います。22歳で不動産投資を始めたということですが、昔から投資に興味があったんですか?

いえいえ、野球ばかりの少年時代でした(笑)。野球選手として食べていけば良いと思っていたので、野球以外は、漫画を読むくらいしかしていなかったと思います。そんな感じで中学3年生までで一通り漫画を読み終えてしまって、読むものがなくなったので経済誌に手を出しました。そこで、ようやく「投資」というものがあると知ったんです。

雑誌を読んで、「株式投資って面白いな」とか、「不動産ってこんなメリットがあるんだ」とか、少しずつ興味を抱き始めた感じです。

―不動産以外で、初めて投資を行ったのはいつ頃ですか?

16か17歳の頃だったと思います。祖父か親か、どちらかの口座を貸してもらって、お小遣いやお年玉の20万円ちょっとで始めるような形で。最初のうちは、株価が上下する根拠みたいなものは、なんとなくしかわかっていなかったんです。でも18歳で株の師匠みたいな人に出会えて、やり方を教えてもらっているうちに、利益が2、3000万円にまでなったんです。すごくラッキーだった。

でも、ラッキーで稼げてしまったからこそ、「やばいぞ」と思ってそこで本格的に勉強し始めました。

―なぜ「やばいぞ」と思ったんですか?

そんな稼げるような能力はなかったのに、たまたま3000万円を稼げちゃったわけです。身の丈に合っていない金額を手にしてしまって、ギャンブルに突っ込んだり、危ない橋を渡ったり、人生が狂ってしまう人がいることはなんとなくわかっていたんです。だから、きちんと大金を使える知識を持った人間になろうと勉強を始めました。税金のことも徹底的に学びましたよ。

―その利益を物件購入に充てて、不動産投資を始めたのでしょうか?

そうですね。自分で利益をコントロールすることは株だとなかなか難しい。税金や資産のコントロールがしやすい不動産投資も始めました。1棟目は3000万円のアパートを購入したんですが、自己資金として入れた約1000万円は株式投資で稼いだお金です。

穴澤勇人…コスモバンク株式会社代表取締役。22歳で不動産投資を始め、27歳で家賃年収6000万円を達成した。その実績をもとに不動産営業マンに転職し、2018年に独立

雨漏り、床に穴…中を見ずに買った1棟目

―最初の物件は、どのような物件だったんでしょうか?

千葉県我孫子市にあった、約3200万円のアパートでした。政策金融公庫から2000万円を借りて購入したんですが、購入時の利回りは15%くらいだったと思います。 家賃3万5000円の2LDKが12世帯あるアパートです。でも、実はこの物件、室内を見ないで購入してしまっているんですよね。

―室内を見ずに購入して、大丈夫だったんですか?

大丈夫じゃなかったです(笑)。買って中を見たら、水漏れはあるし、カビは生えているし、床が腐って穴が開いていた部屋もありました。だから売れ残っていたんでしょうね。若くて知識と経験のない私は、きっといいカモだと思われたんだと思います(笑)。

だけど、「利回りがいいってことはリスクがあるのは当たり前だよな。不動産投資ってこんなものだよな」と妙に納得していました。当時22歳で若かったし、職人の友達もいたから、「こんな物件でも再生させれば問題ないだろう」と動き出すことができました。

―リフォームにはどのくらい費用がかかったんですか?

DIYで床を貼ったりもしたんですが、外壁塗装も併せれば結局400万円くらいはかかったと思います。でも、リフォーム後には家賃が2万円アップの5万5000円になったんですよ。だから、リフォームにお金をかけても利回りが20%を超えました。

実は近隣の相場は本来5万5000円だったんですよね。もともとの家賃設定がおかしかったんですが、家賃のヒアリングもせずに購入していたので、最初は気づいていませんでした。

―この物件を購入したことは後悔していますか?

もちろん、今だったら絶対に買わない物件ですね。でも、後悔はしていません。成功を目指して最短距離を進みたいのは当然ですが、どの道が最短かなんて、わからないじゃないですか。もしかしたら遠回りだったかもしれないけど、「失敗したな」と思った経験が、次回、新たな課題に直面したときに生きるかもしれない。穴が開いているなら直してフローリングを貼ればいいとか、防水施工を頼むときはこういう風に頼めばいいとか、経験は全部糧になるので。

だから、「絶対に失敗したくない」という人は不動産投資に向いていないと思います。なんとかなる、くらいの感覚の人の方が向いているんじゃないでしょうか。

規模拡大の戦略

―1棟目以降は、どのように規模拡大をしたんでしょうか?

そのころ収益物件を取り扱っている業者は今ほど多くなかったですが、不動産会社に行って物件紹介してもらったり、楽待みたいなポータルサイトをいくつも見たり。みなさんと一緒ですよ。

―融資を活用されていったんですか?

そうですね。まだ不動産に融資がバンバン出ていた時代だったので、すでに2000万円借り入れていましたが、公庫の残りの枠を使ったり、地銀を活用したり、ノンバンクも利用していましたよ。その時々で、使えるものをすべて使っていった形です。

投資初期に買って、残債が減った物件は共同担保に入れていたし、得た収益を頭金としてバンバン使っていたし、共同担保を使い切ったら、今度は現金で物件を購入する…ということを繰り返してきました。一法人一物件なんて真っ黒な手法は全くやっていないですからね(笑)。

ただ、スピード感を持って規模拡大できたのは、アベノミクスで、融資が出ていた時期に始めていたというのはあります。

―購入する物件について、「利回り○%以上」のような基準はどのように設けているのでしょうか?

基準はほぼありません。「まあまあ利回りが良さそう」とか「減価償却費を取るのにちょうどいい」とか、何か1つでも良い要素があれば購入します。ただ、2つだけ判断の基準にしている部分があって「入居がつくかどうか」と「お金をかければ直せるかどうか」です。不良入居者がいようが、全空だろうが買いますが、違法建築はお金では直せないので、買いません。

築古で、ぼろぼろの状態だった物件も購入

―入居がつくかどうかは、どのように見極めているのでしょうか?

物件の近隣を、徹底的に歩いて見て回ります。「きれいにしているけど空室の多い物件がある」エリアと「清潔感がなくて、まったく埋まっていない物件がある」エリアは全く別物ですからね。新築物件が空室だらけのエリアはそもそも需要がないですが、ではそのエリアでも家賃が安い中古物件はどうだろう? とかをリサーチしています。

あとは、自分のこれまでの経験と、賃貸仲介営業マンのヒアリングですね。こうした情報を総合的に判断しています。今まで空室が埋められなかったことは1度もないんですよ。

1日10行断られ…融資を受けるためにとった行動

―これまで、基本的には融資を活用しながら規模を拡大してこられたと思いますが、融資で苦労した経験はありますか?

独立して1期目の時は、本当に苦労しましたね。どこの銀行も決算書3期分を必要とするけど、1期目だから当然決算書がない。どこに行っても断られて、それは結構きつかったです。1日10行に行って、全部に断られたこともありました。

でも、1期目の終わりの時に、3億円の物件に融資を出してくれた信用金庫があって。当時のそこの支店長さんには、本当に頭が上がらないです。

―その支店長さんは、何を評価してくれたんでしょうか?

「人となり」だって言っていました。「心中する覚悟だ」って。その方は今もう役員になってしまいましたけど、すごい方だったと今でも思います。

―金融機関を開拓する上で、重要なことはなんでしょうか?

断られても、あきらめないことと、向こうが断れないようにすることですね。私は、断られたときも「どの条件なら融資を出してくれますか」と聞くようにしていました。先方に言われたら、頭金3割でも4割でも入れましたし、3000万円の融資を引くために、3000万円を預金担保として差し入れたこともあります。向こうがNOと言えない状況を作るようにしてきました。

厳しい条件でも融資OKであれば、それは融資が出たということ。その実績を1つずつ積み上げていくことが大事だと思います。なんの実績もなくフルローン、オーバーローンを希望する人もいますけど、ほぼ無理だと思ったほうがいいと思います。

―平均の金利はどのくらいでしょうか?

平均にならすと約2%ですね。0.9~3.8%くらいで借りています。実は、うちはあえて「金利は高くしてくれ」と支店長さんにお願いしているんですよ。だって、支店長の立場だったら、儲かる先に融資したいじゃないですか。だから、金利は高くしてくれていいから、その代わり融資期間と融資の絶対額を伸ばしてほしいと依頼しているんです。

―多くの場合、規模が大きくなるにつれて、金利は低くなる傾向があると思います。

みなさん、金利を下げる交渉をしろとおっしゃいますけど、私からすればナンセンスです。それに、高い金利できちんと返済する顧客だったら、次の融資だって絶対出したくなるじゃないですか。実は今さっきみずほ銀行から電話がかかってきたんですが、金利1.5%、20年の融資のOKが出ました。

―タイムリーですね。返済期間は20年が多いのでしょうか?

たまに10年など短いスパンで引くこともありますが、基本は最低20年ですね。私は、税引き後のキャッシュフローを最大化することに重点を置いているので、返済期間は長くとりたいんです。―現在は金融機関の融資姿勢が厳しくなったと言われていますが、どう思われますか?

やっとまともになった、というところじゃないですか。一法人一物件スキームにも厳しく対応するようになって、正しい対応に戻ってきた、という印象です。今までがおかしかっただけで、厳しくなったわけじゃない。

私は、初心者で今融資を受けられるのは年収700万円以上の方だと思っています。それ以下の年収の方は、まずは現金で戸建て物件を買って…というようにやっていくべきだと思います。

―実績を作ることが大事だということですね。

そうです。しかも、その戸建ても、ボロボロのものを100万円以下で…とかではなくて、いつかは出口として住宅ローンを組んで買ってもらえるような物件が良いと思います。戸建て物件1つあれば、まずは家賃収入を得るまでにリフォームして、客付けをして、という一連の流れも経験できますしね。

最初に、こうした物件を現金で購入できる余力がない人は、そもそも融資を引いてのアパート投資をしてはダメだと思います。

―では、まずは現金買いするための資金作りから始めるべきでしょうか。

そうですね。500万、600万円を貯めて、そのうちの半分くらいで戸建てを買って、それを共同担保にできればアパートも買えるようになるでしょうし。

反対に、もし年収が1000万、2000万円以上あるという方々は、ぜひ税金の知識をつけてほしいと思います。その知識がないまま不動産投資をした結果、100万円、200万円のキャッシュフローが失われてしまっているケースも多いです。

不動産投資家、不動産営業マンに

―不動産投資で規模を拡大する中で、不動産会社に転職することになったそうですね。

たまたま、その不動産会社で物件購入の面談をしに行ったんですよ。そうしたら、「うちに入社しない?」と誘われて、その時は製造業で働いていたんですが、まあいいか、と思って、「じゃあ入ります」と。最初はバイトとして入ったんですが、あれよあれよという間に営業責任者になりました。

―なかなかそうやって不動産会社に入られる方も少ないと思います。

私は高卒ですが、その不動産会社は4大卒以上しかとっていなかったので、かなり特殊だったと思います。不動産投資の経験というよりは、若さとタイミングがたまたまマッチしたんじゃないでしょうか。

―不動産会社営業マンのお仕事で、楽しかったこと、辛かったことはありますか?

辛かったことはほとんどないですね。基本的に、趣味の延長で仕事をしている感覚でした。仕事中に物件を見に行けるし、とにかく楽しい思い出しかないですね。

―営業時には、ご自身の投資経験を生かして話もされていたんですか?

はい。実は、私は仲の良いお客さんとしか仕事をしないんです。それに、仲の良い人には、絶対に失敗してほしくないから、絶対に良いと思う物件やノウハウを紹介します。例えば両親や恋人には、自分の知識の中で、うまくいく方法を教えるじゃないですか。その感覚です。

―その後、2018年に独立して、現在の「コスモバンク株式会社」を立ち上げられたんですね。

「こんな不動産会社があったらいいな」という思いを形にした収益物件の売買や仲介、賃貸管理の会社です。実は、管理についてはオーナーさんから管理費はとらず、「0円管理」をしています。

この事業で利益を出す気はないんですよ。それに、管理費で浮いた分お客さん自身が収益を生み出しやすくなって、次の自己資金の投下がしやすくなるじゃないですか。うちは不動産投資家としての目利きで、本当に良い物件しか紹介しないから、皆さん絶対にリピーターになってくれますし、そういう方々がうちからまた買ってくれるから、ここで利益を出すことができるんです。

自社保有の物件の家賃収入があるから、人件費もテナント費も賄えてしまっています。

築古物件も、きれいにリフォームして貸し出している

「破産予備軍」の投資家の特徴

―これまで数多くの不動産投資家を見てきて、さらに自身でも不動産投資を行ってきた穴澤さんは、「失敗してしまう投資家」の特徴をどのように考えていますか?

不動産投資で得たお金を散財してしまう人は当然危ないですね。それと、「なぜこの物件を買ったんですか?」と聞いた時に、「融資が出るから」と答える人は破産予備軍だと思っています。利回りが良いとか、土地が良いとか、そういう確固たる理由を答えられない投資家は、考え方として危ないと思います。

―穴澤さん自身は20代で不動産投資を始めていますが、やはり若いうちに始めるほうが有利でしょうか?

もちろん、年齢は早ければ早い方が良いと思いますよ。私が買い進められた理由は、若い時に買った戸建ての残債が早くになくなり、それを共同担保に入れられたから、というのもあります。若いと融資が引きにくい、年収が高くない、という懸念点はありますが、やはり不動産投資は時間のゲームでもあると思うので。

だけど、30代、40代だろうが、それ以上だろうが、やろうと思ったらその時から行動し始めるべきですね。ただし、2年とか短期で資産形成を一気にしようとすると失敗する可能性は高まります。5年、10年のスパンを見て不動産投資をするべきです。

保有物件のうちの1つ

―今後の目標はありますか?

今私は33歳ですが、40歳まではこの会社の事業で実績を作り、その後は新規事業として、宇宙に関する分野に進出したいんですよね。

―宇宙の分野ですか?

世界がまだ開拓されていなかった時代にコロンブスが航海に乗り出したように、未知の部分に進出したいんですよ。地下も考えたけど、下掘るよりは上に行こうかなって(笑)。宇宙で使えるような住宅を3Dプリンターで作るとか、ライフラインを供給するとか、そういう事業をやりたいんです。

以前、銀行に「こういう事業をしたいから10億円貸してくれ」って言ったことがあるんですよ。笑われて「実績がないと貸せない」と断られたので、じゃあこの会社で手っ取り早く売上100億円とか作ればいいか、と。それが1つの夢なので、だからこの会社の名前も「コスモバンク=宇宙の貯蔵庫」にしたんです。

もう1つの夢は、YouTubeですね。

―YouTubeでは、不動産投資のノウハウや金融全般のことなど、幅広く発信されていますね。

日本で学んでいると、税金のことも、資産運用のことも、学校では全く習わないじゃないですか。でも、今「老後は国の手当で安泰」という時代ではなくなっている。だからこそ、みんな金融の知識をつけたほうが良いと思っているんです。それで、自分ができることをやろうと思い、YouTubeでの発信を始めました。

本当は金融の知識をつける学校も運営してみたいんですが、まずは1からやってみようと。小・中学生にも伝えていきたいですね。自分自身で経験していなければただの能書きですが、私は一通り購入から売却、法人化までをやって、会計も税金も経験して学んできたので。

―日々不動産投資を行っている不動産のプロのお話、大変勉強になりました。本日はありがとうございました。


築古ボロ戸建てリフォーム投資の恐怖! 江戸川区駅徒歩7分で200万円の激ヤバ物件を購入してみると…――2020 BEST5


昨今、築古ボロ戸建てをリフォームして貸し出す不動産投資が流行っています。背景には空き家の急増、アパートローン借り入れの難化などがあるのですが、やはり一番の要因は単価の安さと利回りの高さでしょう。そのせいか初心者の参入が目立ちます。

 今まで不動産投資の入門用商品といえば都内のワンルームが定番でしたが、こちらは利回りが下がりに下がっていて、実質5%も出れば良いほうです。ところが戸建て投資はうまくやれば、都内でも10~20%の利回りが狙えます。

私もご多分に漏れず、都内や横浜市内で築古戸建てをリフォームして貸し出しています。ところが仕入れからリフォーム、賃貸付けにいたるまで苦労の連続で、とても素人や初心者にお勧めできるものではないと痛感しています。

 というわけで今回は「戸建て投資は楽じゃないぞ!」という事実をお伝えするため、私が江戸川区に200万円(桁の間違いではありません)で買った戸建てにまつわる、今でも胃がねじ切れそうな苦労話をしたいと思います。

仲良しの不動産屋さんが激ヤバ物件を持ってきた!

 いつものように投資対象を物色していると、仲良しの不動産屋さんが江戸川区・京成線・2階建て・駅徒歩7分で380万円という爆裂お安い戸建てを持ってきてくれました。

 これだけお安いからには当然裏があり、まず土地権利が所有権ではなく借地権。そして建物はボロボロでツタだらけ。あまりの悪条件ゆえ、店晒しになったままずっと売れ残っていたそうです。

ツタに覆われた建物 ©あらいちゅー

 こんなん人に薦めたらアカンやろと思ったのですが、私が以前にもボロ戸建ての再生に成功していたこと・駅近であること・角地で再建築ができること・毎月の地代が激安(固定資産税と大差ないくらい)であることから、ワンチャンいけるのではと踏んだようです。

繁茂したツタでドアを開けることすらままならない ©あらいちゅー

 とりあえず先輩大家さんと現場を見に行くと、住宅街のなかに緑に包まれた廃墟が建っていました。ふたりとも口あんぐりでコメントが出てきません。イメージとしては完全に天空の城ラピュタ。父さん、ラピュタは江戸川にあったんだ…!

夜に訪れると建物なのかどうかの判別もつかないほど ©あらいちゅー

 一応内見もさせてもらったのですが、雨漏りと壁の雨しみ、湿気で内部はひどいことになっていました。天井は化粧板が剥がれて落ちかけているし、床も当然グズグスに腐っています。もちろんシロアリさんも入居しており、柱が一本モロモロに。

前オーナーの暮らしの痕跡がいたるところに…  ©あらいちゅー

 かなり酷い状態なのですが、驚いたことに数年前までオーナーさんが別宅として使っていたようで、残置物が大量にあります。これはもう、並大抵のことでは収まらないと思いました。

リフォーム屋さんに見てもらうと…?

 この時点では120%買わないくらいのつもりだったのですが、いつも仕事をお願いしているリフォーム屋さんに見てもらうと「再生できるのではないか。400万円くらいでいけると思います」という信じられないお返事が。

建物を見てもらうと400万円ほどでリフォーム可能という話だったが…本当か? ©あらいちゅー

 借地権とはいえ、23区内の駅チカにトータル780万円でリフォーム済みの戸建てが持てるのは悪い話ではありません。近くには商店街・スーパー・コンビニ・銭湯・学校・公園・駅にバス停と、生活スペックはかなり高いです。そのため想定賃料も周辺事例から7万~8万円くらいはいけそうなので、地代負担を入れても利回り12%くらいの数字が見えてきました。

 しかし築古ボロ家のリフォームには追加出費がつきものですし、そもそも借地権で12%では投資としての旨味がないと思いました。そこでギリギリ買う理由がある(他の物件よりこちらを買ったほうがよい)価格として、半値の200万円で指値をすることに。これが見事に通ってしまい、江戸川のラピュタは私のものになったのでした。

「やっぱりこれは駄目です」

 売買契約を済ませ、さっそくリフォーム工事に入ります。今回は外壁を木から鋼板に変えて防火性と断熱性を確保、屋根は大規模補修で済ませ、内部はクロスを貼って美装、キッチンと風呂釜は新品に交換するというオーソドックスな方針にしました。

ツタを取り除き、着々と進むリフォームだったが… ©あらいちゅー

 建物200万円+リフォーム400万円のトータル600万円で、家賃8万円であれば表面利回りは16%になります。東京23区の駅徒歩7分でこの数字であれば、ホームランとは言いませんが二塁打くらいの数字といっていいでしょう。

 そして、ワクワクしながら仕上がりを待っていたのですが、着工から数日経ったあたりで、リフォーム屋の親方から「やっぱりこれは駄目です」という驚愕の電話が入ってきました。

建物の躯体はボロボロだった ©あらいちゅー

 壁や床をはがしてみたところ、全体的に建物の強度が足りておらず、特に屋根がしんどいようで、屋根屋の親方からは「次の台風で倒壊するから一刻も早く取り壊したほうが良い」とまで言われてしまったそうです。マジかよオイ…。

進むか引くかの決断

 ここで取りうる選択肢は3つありました。まずは新築案。幸い再建築可能な土地なので、普通に新築戸建てを貸家として建ててしまう方法です。しかしこれだと時間とお金がかかりすぎます。

 続いて耐震補強をしたあとにリフォームをする案。残念ながらこれは新築なみのお金がかかると判明し、意味がないのでボツとなりました。

 最後のひとつはリフォームを諦めて土地を地主さんに返還する案。200万円は丸損となってしまうのですが、嬉しいことにそれ以上の損は発生しません。気分切り替えて次いこうぜ、というやつです。

悩んだ末の決断は…

 どうするか悩みに悩んだのですが、物件を紹介してくれた不動産屋さん・リフォーム屋さんと知恵をしぼって、まったく新しい第4の道を見出しました。それは「強度的に問題のない部分を残して解体し、駐車場つきのマイクロ戸建てにしてしまう」という案です。

 建物面積が減少するぶん想定家賃は下がるのですが、駐車場つきにすることでそれをカバーするというアイデアです。完全に机上の空論ではあったのですが、駄目なら自分で倉庫として使えばいいやと思い、決心してゴーサインを出しました。

次から次へと想定外の請求書が襲いかかる!

 2階建て→平屋になるため建物面積は激減するのですが、アクロバティックな工事になるので予算は400万円から変わりません。想定家賃は当初より1万円安い6.8万円に設定しており、ここからはいかにリフォーム費用を節約できるかが勝負です。当たり前ですが、費用がかかればかかるほど利回りが低下します!

次から次へと届く見積書 ©あらいちゅー

 なのに節約するどころか、次から次へと追加出費が襲いかかってきます。まず建物が半分なくなっているので、水道管やガス管、電気などの取り出し位置が大幅に変わり、ライフラインは完全に引き直しになってしまいました。これだけで数十万円が蒸発です。

玄関だった場所は駐車場に…というわけでガス管の取り出し位置も変更が迫られる ©あらいちゅー

 そして賃貸に出すには登記をちゃんとしなくてはならない(そうしないと不動産屋さんが賃貸募集を受け付けてくれなかったり、家賃保証会社に入れなかったりします)ので、土地家屋調査士さんにお願いして図面の引き直しと登記の変更をお願いすることになりました。これも10万円以上は軽くかかります…。

 そして土地が借地権なので、建物を大きくいじる際には地主さんに承諾料を支払う必要があります。幸い地主さんがとてもいい人で、考えていたよりはずっと安くしてもらえたのですが、それでも「オゥ…」というくらいはお金がかかりました。

 また運悪くリフォーム工事中にコロナが直撃、お願いしていた水回りのユニットが全然届かず完工予定が1ヶ月単位でずれ込むなど、胃がねじ切れそうな思いをしながら七転八倒でリフォーム工事が進められ、当初予算400万円のところ、最終的には600万円近くもかかってしまいました…。

ついにリフォーム完成するも…

 そうして完成した物件がこちら。

数々の試練の果てに完成した物件の外観 ©あらいちゅー
必要十分な物件ではないだろうか… ©あらいちゅー

 建物は6.8畳のワンルーム、内装はスケルトンからフルリフォーム、水回りは全て新品、駐車場つき。店舗や事務所としても利用可能なように、外装は目立つクリーム色を選んで、ドアも引き戸にしました。

600万円のリフォームで見違えるほどの美しさになった内装 ©あらいちゅー
東京都23区内・駐車場付きで家賃はなんと6.4万円! ©あらいちゅー

 6.8万円で賃貸募集をかけたところ、さっそく何件か申し込みがあったのですが、残念なことに賃貸保証に通らなかったりで成約には至らず。それならと6.4万円まで家賃を下げてみたのですが、コロナで客足が鈍っているのもあり、やはり成約には至りません…。

Twitterで借主募集をかける

「もう自分で使うしかない」というところまで精神的に追い込まれたのですが、ひょんなことから「リフォームに苦労した面白い物件がある」とTwitterで話題になり、そこからは一転して問い合わせが殺到。最後は3番手くらいまでキャンセル待ちが出る満員御礼状態で、無事成約となりました。Twitterも人の役に立つことがあるんですね…!

当時のツイート(Twitterより)

 最終的な利回りを計算すると、物件代とリフォーム代で総投資額は700万円台後半で、家賃は6.4万円。借地料が安いので実質利回りは10%程度と、駅チカのフルリフォーム物件としてはギリギリでアリかな、というくらいの水準に落ち着きました。

 当初の16%からはかなりの後退ですが、200万円丸損するよりは良かったと思います。また最近では23区内の築古戸建てがかなり高騰しているので、同じようなスペックであれば8%も出ないのではないかと思います。そこからすると、成功と言えなくはない、失敗だけど結果オーライ、そんな気がする、かも、なくはないかな、うーんどうだろう、という感じです。


とはいえ、不動産投資は全額回収するまで本当の勝敗はわかりません。建物はほぼ新品ですし、設備も一流メーカーの良いものを入れているので、メンテナンスで大きな出費は当分ないと思うのですが…。

地方物件なら高利回りだが…?

 傍から見れば笑うしか無い七転八倒の苦労話ですが、初心者大家さんや私のようなズッコケ大家さんには、この話から学ぶところが大いにあると思います。

 まず、築古のリフォームには想定外の大きな出費が有り得ること。今回も200万円近く追加で現金が必要になりました。DIY派の人ならある程度は自己の労働力で相殺できるのですが、水道管やガス管のトラブル、登記に関する費用は何ともならないので、カツカツの手許現金で投資すると人生が詰むところまであると思います。

いざ蓋を開けてみるまで正確な費用はわからない ©あらいちゅー

 また不動産というのは同じものがふたつとない特殊な商品で、戸建てに至っては買って床を開けたり、インスペクターさんに見てもらうまで本当のところは何もわかりません。生半可な投資経験では、正確なリフォームプランを立てることすら難しいです。

そして最後になりますが、築古は賃貸付けが大変だということです。私は23区内と横浜がメインの投資エリアですが、それでも募集してすぐ決まるということはまずありません。これが地方都市なら輪をかけて大変だと思います。

カリスマ大家のマネは簡単ではない!

 ネットを見ると、地方築古戸建てのリフォームで大成功しているカリスマ大家さんが沢山いますが、物件の仕入れからリフォーム、賃貸付けに至るまで、みなさん何かしらの強みを持っています。

 何よりも大事なのが仕入れで、特に地方だと家賃も安いので、リフォーム費用のかからなそうな(ある意味イキのいい)物件を安く買ってくる能力がないと計算が合わないと思います。逆に23区内だと物件価格が高いので、格安でイキのいい物件自体がほぼ存在しません。ある程度リスクのある物件に手を出す度胸が必要になります。また総費用を安く抑えるために、リフォームは自分でやるか、懇意の業者さんを使って安く済ませている人が多いです。


こんな大変な作業を、素人や余剰資金のない人がいきなりやれるとは思えません。ぶっちゃけ「100万円で利回り60%!」みたいな成功談に釣られて、安易にマネをすると危険なのではないでしょうか。我々は彼ら、彼女らのようなスーパースターではないのです…。

写真はイメージです ©iStock.com

 つまるところ、今の不動産投資はハウツー本やブログ、情報商材を読んで真似すれば低予算でもどうにかなる、というものではないと思います。カリスマ大家さんが塾を作ったりセミナーに力を入れている裏には、実地で教えてサポートしないと成功できないから、という読みがある気がします(カリスマ大家さんのフリをした単なるセミナー屋や、キラキラ大家・共食い大家と呼ばれるヤバい人もたくさんいるので、注意してくださいね)。

写真はイメージです ©iStock.com

 そんなわけで悲観的なことばかり書き連ねてしまいましたが、そのうちリフォームを断念した戸建てが市場に出てくるのではないかと予想しています。それを安値で買い叩ければ私たちズッコケ大家さんにもチャンスが回ってくるかもしれません…!?

私がFIREするために、30代で不動産投資の法人を設立して、収益用不動産を買い進めた理由

最近は受験生の娘の送迎で忙しいです。やれ塾の時間だ、やれ図書館に送れだ、やれ友達と遊んで遅くなったから迎えに来いだ( アレ!? )、と大変です。申し遅れました、FIREして自由を手に入れたはずのモーガンです。さて、今回は私が経済的に自立するために、収益用不動産を「 法人 」で買い進めたことについてご紹介したいと思います。私の不動産投資を始めるきっかけの一つに、「 生活を会社員としての給与に依存したくない、そのためにも不動産投資法人からの収入が欲しい 」という思いがありました。


そして、32歳には新設法人を設立し、1棟目を購入。9期目にはその法人からの収入だけでも、生計を維持できる状態になりました。今でいうFIRE( Financial Independence, Retire Earlyの略、経済的に自立して早期退職できる )状態に到達しています。

その後も2年ほど会社員を続けましたが、42歳の時に介護で通勤することが難しくなったのを機に退職。この不動産投資法人からの収入で生活する専業大家になる道を選択しました。

もし会社員の給与に生活を依存していたら、無理にでも介護と会社員生活を両立しなければいけなかったでしょう。ひょっとしたら、今頃、病気になって倒れていたかもしれないと思うと、別の収入源を育てておいて本当に良かったと思います。

これから不動産投資を始めようとしている方には、個人事業主として購入するか、それとも法人を設立して購入するか、迷われる方がいらっしゃるかと思います。

私が1棟目から法人を選択した背景やFIREできると確信した瞬間、そしてFIREした後も銀行融資を受けて不動産投資できたのかなど、私の体験をご紹介することで、判断材料の一つになれば嬉しいです。

■ 私が32歳で経済的自立を目指した背景

私が不動産投資で経済的な自立を目指した背景には、父に起きた事件があります。いわゆる団塊の世代に生まれた父が、40年近く勤め上げた電機メーカーをあと数年で定年退職するという時のことでした。

とある若手社員が不祥事を起こしてしまい、会社に大きな損害を与えてしまいます。誰かが責任を取らざるを得ない状況になり、事業を牽引していた父がスケープゴートになったのです。

責任を追求された父は40年分の退職金を没収された挙句、何も知らないサービス関連会社に出向を命じられました。父はとても真面目で、残業、休日出勤、付き合いの飲み会、接待ゴルフと全てをこなして、大好きな家族との時間を犠牲にしながら、会社に滅私奉公してきた人です。

生き甲斐の仕事と楽しみにしていた老後の資金を同時に奪われるという残酷すぎる命令を受けた訳ですが、その会社に依存してきた父には、それを受け入れる以外の選択肢はありませんでした。

正月に帰省した私は、生気を失った父に初孫を抱かせる一方で、「 明日は我が身 」かもしれないという危機感を覚えました。この幼い我が子の生活を守るためにも会社に依存してはいけないという強い気持ちが、私の中で芽生えたのです。

■ 私が1棟目を買うのに、法人一択だった理由

そんな思いで始めた不動産投資ですが、個人事業主で買うというのは毛頭考えておらず、1棟目から法人で買い進めることを決めていました。

物件を探しているときから、法人登記をお願いする司法書士の先生や開業手続き、決算をお願いする税理士の先生と準備を進め、1棟目の買付が通ったタイミングですぐに法人を設立しています。

私が個人事業主という選択肢を取らなかったのは、本業の会社員で個人事業主の方と取引することの難しさを経験していたからです。

IT企業に勤めていた私は、フリーランス( 個人事業主 )のプログラマーやSEの方を外部調達することがあったのですが、その度に本社や購買部門から執拗な反発を受けました。

「 優秀なスキルを持っているので調達させて欲しい 」と私がどんなに懇願しても、相手が個人事業主というだけで、信用がおける取引先とはみなされず、首を縦に振ってくれないのです。

この事から、FIRE後の事業拡大を見据えていた私は、制約を受ける可能性を少しでも排除しておきたいという思いに至り、「 法人一択 」で考えていました。

■ FIRE出来ると確信したタイミング

無事1棟目を購入できた私は、2棟目も法人で買うことになります。その二つの物件から数百万円のキャッシュフローが生まれました。しかし、この時点では、とてもFIREに近づいているという気持ちにはなりませんでした。

というのも物件をフルローンで買っていた私には、その50倍ほどの負債があったからです。万が一の多額な修繕に備えて、そのキャッシュフローを全て貯金しておかないと怖くて眠れませんでした。会社に加えて銀行という新たな依存先を作ってしまったかのようにも思いました。

しかし、5年ほど経過した時のことです。収益物件が高騰したのを機に売却すると、見えていた景色ががらりと変わることになります。買値を上回った売却価格と返済が進んで小さくなった借入元金との差額が、純資産となって法人の貸借対照表に計上されたのです。

それまでは大きな負債が重荷になって債務超過状態でしたが、売却による一括返済でその負債は消え、手元に残った現金から売買諸費用、譲渡( 法人 )税を支払ってもなお、資産超過に反転することができました。

そして、この純資産を原資にさらに大きな融資を受けられることに気がついた私は、初めて経済的自立を確信したのです。父のように不本意な異動を命令されたとしても、断ってこの法人の仕事をして行こう、と思うようになりました。

■ FIRE後も銀行融資で不動産投資を拡大できた!

このようにして、32歳から始まった経済的自立を求める旅は、42歳で完結しました。

その後はというと、専業になっても着実に融資を受けられており、順調です。会社員の時に比べると、不動産投資の規模はちょうど倍くらいになりました。

何より嬉しいのは、私を不動産賃貸業の「 1社 」として見てくださる取引先が増え、信用( 掛 )取引をしてくださることです。自立を実感する瞬間です。

さらに、関連事業をこの先に起こしたとしても、この法人の実績と信用が有利に働いてくれる予感がするのでワクワクします。

このような経験から、私にとって経済的自立をするために、法人で買い進めたことは大正解だと思っています。私と同じような目標をお持ちの方には、法人で買い進めることをオススメします。

とはいえ、個人事業主がダメかというと、そういうわけではありません。私も実は、個人事業主としても不動産を2棟だけですが、保有しています。個人事業主の良い面、悪い面も経験したので、それについては改めてコラムに書かせていただこうと思います。

それまで待てない!もっと知りたい!と言ってくださる方には、うってつけの健美家パートナーセミナーが開催されるようですよ。リンクを貼っておきますね。( 画像をクリックすると詳細・申し込みページに飛びます )



ではまた♪

中国債券デフォルトの急増で、不動産業界が陥る「混迷」


不動産企業のデフォルト、経済の「灰犀牛」に

2020年は7月に泰禾(本拠地福建)が大手としては初、次いで天津房地産、福晟(福建)など、これまで稀だった不動産企業の債券デフォルトが相次ぎ、デフォルト額は281.7億元、前年比5.3倍に急増した(2020年1月11日付「東方財富網」)。

 

その他、業界1、2位を争う大手の恒大地産を有する恒大集団(深圳)が広東省政府に宛てたとされる文書(恒大は、文書はねつ造されたものと否定)が2020年9月にネット上に出回り、同集団破綻の噂が流れた。

 

文書は恒大集団の2020年6月末の債務総額が8355億元(対銀行債務が民生銀行、農業銀行を始めとする128行に対し2323億元、対非銀行金融機関債務121社、3684億元、オンショア債496億元、オフショア債1852億元)、傘下の恒大地産は2021年1月末までに事業提携先の戦略投資家に元本1300億元、金利137億元を返済する必要があり、この「権益」が負債に変わると負債資産率が90%以上となって資金不足に陥り、これが金融市場にシステミックリスクを発生させる恐れがあるとしていた。

 

恒大は2020年11月下旬、1300億元のうち1257億元は各戦略投資家が2021年1月末までの返済を求めず、長期普通株として保有し続けることで合意したと発表し、当面の市場の不安は和らいだ。

 

不動産企業は長年、住宅販売額を大きく超える投資で住宅バブルを支えてきた。不動産部門が生み出す付加価値がGDPに占めるシェアは2020年7.3%、建設業を含めたシェアは15%で、その成長牽引力は大きい。第3次産業に占めるシェアは14%で、卸小売や金融と変わらない(以上、国家統計局「GDP統計」)。

 

また、地域経済の不動産投資への依存も無視できない。不動産シンクタンクの上海易居房地産研究院によると2019年、31省市区のうち25で不動産投資の対当該省市区GDP比が10%以上、うち9が15%を超える(最高は海南の25.2%、次いで天津19.3%)。特に省の行政府がある省都など地方の大中都市の不動産投資依存が顕著で、40都市のうち25都市で不動産投資の当該都市GDP比が15%を超え、うち9都市が20%を超えている(最高は海南第2の都市である三亜44.2%、次いで雲南省都の昆明32.7%)。

 

別途、26省都(自治区は首府)を対象にした地元経済誌調査(2020年6月29日付「第一財経」)では2019年、省都の不動産投資が省区の総不動産投資に占める割合40%以上が13、うち8が50%以上8(最大は青海省西寧72%、次いで寧夏自治区銀川68%、吉林省長春67%)、省都GDPの対当該省区GDPに占める割合とのかい離を見ると、24で不動産投資シェアがGDPシェアを上回っており、乖離幅10%ポイント以上が15、うち20%ポイント以上が7で(最大は陝西省西安27%、次いで新彊ウルムチ26.5%、黒龍江ハルビン26.4%)、不動産投資が経済規模以上に省都に集中している傾向が見て取れる。

 

地方政府は地価上昇による土地出譲収入(国有土地使用権の開発業者への転売に伴う収入。2020年実績8.4兆元で、税収などの一般歳入10兆元に匹敵する主要財源)の増加も期待して、こうした状況を容認してきた。

 

以上のような状況下、不動産業界の債務総額は2019年末76兆元、対GDP比77%に膨らんでいる(2020年12月14日付雑誌『財経』)。すでに何年も前からその危険性が伝えられてきたが、中国銀行保険監督管理委員会(銀保監会)の郭樹清主席は2020年11月、不動産関連融資は銀行総融資の39%にのぼり、不動産業界は多額の債券も発行していることから、金融市場にとって最大の灰犀牛(フイシーニュ―:グレーリノ)だとし、さらに2021年3月も、2020年は8年ぶりに金融機関の不動産企業向け融資伸びが融資全体の伸びを下回り、状況に若干改善が見られるものの、同業界が灰犀牛であることに変わりはない旨発言している。

リスク低減への政策対応

銀保監会は2020年12月末に人民銀行(PBC)と共同で、金融機関を5つのグループに分類し、グループ毎に不動産関連融資残高と個人住宅融資残高の対総融資残高比上限を設定・管理する「不動産関連融資集中度管理通知」を発出、2021年1月1日から実施している。

 

具体的には、第1グループ(大型銀行)の融資上限は不動産関連40%、個人住宅32.5%、第2グループ(中型銀行)は各々27.5%、20%、第3グループ(小銀行)22.5%、17.5%などで、上限超過幅2%ポイント未満の場合は2年以内、それ以上の場合は4年以内に是正することを求めている。

 

これを受け2021年は年初来、現状上限を超過している成都銀行や興業銀行などを中心にした銀行株や不動産株の下落が目立った。ただ、PBCの2020年第4四半期貨幣政策執行報告によると、2020年末不動産関連融資残高は49.6兆元、うち個人住宅34.5兆元で、総融資残高比は各々29%、20%(上記銀保監会主席発言とかなりかい離があるが理由不明)。上限が高く設定されている大型銀行は現状でもほぼ上限内に収まっており、金融機関より不動産企業のほうが共同通知の影響を大きく受けると見られている(図表1)。

 

2月には通知の「各地域の具体的状況を踏まえ、第3〜5グループの上限は上下2.5%ポイントの範囲内で調整できる」との規定に基づき、深圳を除く広東、海南、上海、浙江、遼寧、四川が、小銀行以下の上限を1.5〜2.5%ポイント引き上げる措置を発表した。

 

(注)赤字が規制上限超過。 (出所)2021年3月31日付第一財経他
[図表1]大型銀行他の不動産関連融資集中度(2020年度末)(注)赤字が規制上限超過。
(出所)2021年3月31日付第一財経他

 

他方、PBCは2020年9月から試験的に、不動産企業大手12社を対象に負債資産比率70%以内、ネット負債率100%以内、保有現金の短期債務比1以上を求める「三道(条)紅線」と呼ばれるレッドライン規制を開始した。この12社のうち、恒大、融創、緑地控股の3社が3紅線全てに抵触し、5社が1つまたは2つの紅線に抵触していた。十分なデータが得られる不動産企業87社を対象にしたサンプル調査では、2020年9月末、32社が3紅線すべてを充足しているが、20社が2つ、17社が1つの紅線だけ充足、18社は3紅線すべてを充足していない。特に負債資産比率に抵触する企業が最も多い(図表2)。

 

(注)赤字部分が紅線に抵触 (出所)新華財経と面包財経によるサンプル調査(2020年11月9日付「面包財経」)より筆者作成
[図表2]不動産企業87社の「三道紅線」(2020年9月末)(注)赤字部分が紅線に抵触
(出所)新華財経と面包財経によるサンプル調査(2020年11月9日付「面包財経」)より筆者作成

 

より広いベースでは、3紅線をすべて充足している不動産企業は全体の6.3%程度にすぎないとの推計もある(スタンダード&プアーズ)。これら数値は、仮に規制が厳格に実施されると、多くの企業はまず現在抱えている債務を返済しない限り、新たな借入はできないことを意味している。

 

なお三道紅線の運用の詳細は必ずしも明らかでないが、市場関係者の情報では、PBCは企業の3紅線の現状をベースにリスクの程度を「紅橙黄緑」の4段階に分け(3紅線すべてを満たしていれば緑、逆にすべて満たしていなければ紅、一部満たしていなければ橙または黄)、有利子負債規模の年間伸びをそれぞれゼロ、5%以下、10%以下、15%以下に抑える「四档管理」を行っている(2020年12月31日付聯合資信「浅析"三道紅線"新規対高負債房企的影響」)。

 

 

(注)「地价」は「地価」、「负债」は「負債」、「房地产」は不動産、「楼市」は不動産市場、「大房企」は大手不動産企業。 (出所)左:2011年11月17日付新華網。 右:「一起扣扣網」(掲載日付不詳)が「上場不動産企業の5割は負債資産比率が70%を超えており、財務リスクが悪化している」との文章とともに掲載した挿絵。
[図表3]高負債にあえぐ不動産企業(注)「地价」は「地価」、「负债」は「負債」、「房地产」は不動産、「楼市」は不動産市場、「大房企」は大手不動産企業。
(出所)
左:2011年11月17日付新華網。
右:「一起扣扣網」(掲載日付不詳)が「上場不動産企業の5割は負債資産比率が70%を超えており、財務リスクが悪化している」との文章とともに掲載した挿絵。

市況抑制策も相まり、不動産業界は厳しい環境に

2020年末に開催された翌年の経済運営基本方針を決める党・政府による恒例の重要政策会議である中央経済工作(活動)会議、2021年3月全国人民代表大会(全人代)での政府工作報告とも「房住不炒」、つまり住宅は住むもので投機対象ではないとの方針を繰り返し、不動産価格の(市場期待も含めた)安定を重視する姿勢を強調。全人代政府工作報告ではそれに加え、特に大都市の住宅問題解決、廉価な公共保障性住宅を含む賃貸住宅の供給拡大方針を提示した。

 

市場は2020年後半以降、新型コロナの影響を脱し、年明けあとも特に中古住宅価格上昇が顕著で、1月、北京、上海、広州、深圳のいわゆる「北上広深」1線級都市は前月比1.3%、2線級31都市0.4%、3線級35都市0.3%、2月は各々1.1%、0.4%、0.2%の上昇を記録した(国家統計局「70大中都市住宅価格統計」)。

 

昨年後半以降、30以上の都市が市況抑制策を導入した他、年明けあとも各地方両会(地方全人代と政治協商会議)が房住不炒を強調し、特に住宅バブル再燃リスクの大きい1線級都市、南京、合肥、杭州などを中心に抑制策を強化する動きが見られる。

 

例えば、上海は偽装離婚で家族単位の購入制限を免れる違法行為を抑えるため、離婚後3年以内に購入する住宅数は離婚前の家族構成を前提にすることや、裁判所の競売(法拍房)を通じる購入も制限の対象にすることを明確化、深圳は購入者の身分と購入資金源を厳格に査定し違反者には3年間の購入停止を課すなどの「8条」を公布、広州では現地4大銀行がそろって住宅ローン金利を引き上げた。

 

こうした市況抑制策やPBCの三道紅線規制、銀保監会とPBCの共同通知が相まって、不動産業界の厳しい環境は当面続くことになる。不動産企業の債券発行額は2020年過去最高の1.2兆元(うちオンショア債7600億元、前年比21%増)、償還額は2020年9150億元(29%増)で、2021年はプットオプション(売却予約権)行使を含め1.24兆元強(36%増)と過去最高の償還圧力になる見込みだ(不動産シンクタンク貝殻研究院、2021年1月8日付「中証網」)。

 

不動産業界の高レバレッジ(債務膨張)状態の解消が進められると、同業界は引き続きデフォルトリスクに晒される可能性が高い。2021年に入ってからも、3月に河北省の華夏幸福(営業規模は全国30〜40位程度)、重慶協信遠創(同100位程度)の債券の元利返済が滞っていることが明らかになっている。

 

次回は債券デフォルトと格付けの問題を考える。


生き残れる投資家は、
自分なりの得意分野を武器にして
「Creating α」を生み出す


『金持ち父さん貧乏父さん』を読んで、投資に目覚める

上田真路(以下、上田) 私は大学院生の時に不動産投資に興味を持って、関連書籍を読み始めたのですが、真っ先に読んだのがロバート・キヨサキの『金持ち父さん貧乏父さん』でした。当時は、投資に興味がある人は、ほぼ全員が読んでいましたよね。

広瀬智也(以下、広瀬) まさに、バイブル的な本という感じでしたね。

上田 それで『金持ち父さん貧乏父さん』を読んだ後に、ロバート・キヨサキの師であるドルフ・デルースの本が出たっていうので、飛びついて読んだのが広瀬さんが翻訳した『世界の不動産王が明かす お金持ちになれる「超」不動産投資のすすめ』です。

広瀬 ありがとうございます。

上田 これを読んで、「不動産投資ってクリエイティブなものだったんだ」ということに気づかされて驚きました。日本の例はなかったんですけど、逆にそこがすごくよかったなと。ドルフ・デルースがいきなり町に連れていかれて、10ドルしかないんだけど「そこで不動産を買え」という宿題を、みんなでやってみようっていうムチャなことやってたり、ということが書かれていて、なるほど、これだったら学生の僕でも、何か不動産投資のメカニズムを考えることができるんじゃないかなって、すごく勇気をもらえた本だったんです。今でもときどき読み返しています。

広瀬 お役に立てて良かったです(笑)。宿題と言えば、上田さんの初の著書『ハーバード式不動産投資術』にも、不動産投資家は宿題をコツコツやること(Do your Homework!)が大事だと書いてありますね。

上田 そうなんです。それは、フルブライト留学したハーバード大学デザイン大学院(GSD)の教授が授業で教えてくれたことです。ところで、広瀬さんが不動産投資に興味を持たれたきっかけは、どういうことだったんですか?

広瀬 私が不動産投資に興味を持ったきっかけも、やはりロバート・キヨサキの本でした。当時、2000年から2003年にかけて、私は不動産のベンチャー企業で店舗や事務所を仲介する仕事をしていました。部下が50人くらいいたのですが、毎月ノルマがあって、それに追われる毎日で、けっこう疲弊していたんです。その時に、たまたま立ち寄った書店で手に取ったのが『金持ち父さん貧乏父さん』です。それを読んで「自分も不動産のオーナーになりたい!」と思いました。

上田 それからどうされたのですか?

広瀬 仕事で店舗とか事務所の仲介をしていたので、ビルのオーナーさんの知り合いが何人かいらっしゃって。それで、飲食店をやりながらビル30棟を持ってる方の話を聞きながら、「あなたみたいになりたいんですけど、どうしたらなれますか?」と質問をしたのが、きっかけです。それでその方に弟子入りをして、不動産ベンチャー企業に勤務しながら、その片腕として不動産を買ったり売ったり、管理したりというのをお手伝いして、ある時、僕自身も物件を買えたというのが不動産投資の始まりです。上田 その不動産ベンチャーに入られる前は、どこか別の企業にお勤めだったのですか?

広瀬 海外志向が強かったので、新卒で総合商社に入りました。商社には5年いたのですが、うち2年間は中国に行かせてもらっていました。その間は、不動産とは関係ない法務の仕事です。ただ、たまたま私が学生の頃に、実家が相続でもらった土地にアパート建てて、アパート経営したいみたいなことがあって、宅建(宅地建物取引主任者)を取得していたんです。親から宅建ぐらい勉強しておいてくれと言われて。それで、商社を辞めて転職する時に、不動産業界だったら宅建も持ってるし、法務の知識もあるし、2000年当時は、金融機関の不良債権処理問題の真っただ中で、不動産業界に外資が参入してきた時期でもあったので、ちょっとチャンスかなと思って不動産業界を選んだのです。

上田 それでドルフ・デルースの本を翻訳したのは、どういう経緯ですか?

広瀬 この本を翻訳したのは、私自身30代前半くらいでしたけど、不動産投資を始めて2棟3棟と増やしていく中で、その経験をシェアしたいなと思ったことです。それ以前に、別の出版社で本を出版させてもらっていたのですが、それをきっかけに、ドルフ・デルースのこの本を知り、原書で読んで本質を突いているなと思ってこの本を翻訳したいと。それで、いろいろ知人経由で版元さんを紹介していただいて、版権をとってもらってという流れです。

上田 この原書に触れるまでに、2棟3棟と不動産投資をやっていらしたのですね。普通だと、他の日本人の不動産投資家が書いた本を読もうとすると思うんですけど、どうして英語の原書を読もうと思ったのですか?

広瀬 当時は、まだ日本人の不動産投資家の本がそんなになくて、何人か先輩が書かれた本があるくらいだったというのもあります。それと、アメリカの不動産投資は、多分考え方が進んでいると思ったので、何かうまく日本に持ってこれるノウハウがないかな、というのもちょっとありました(笑)。

上田 そうなんですね(笑)。

広瀬 原書は、ファイナンシャルアカデミーの方が持っていて、その方に貸してもらったんです。

上田 確かに誰かから紹介されないと、なかなか原書って触れる機会がないですよね。

広瀬 そうですね。まだアマゾンで当時買えたか、買えないかみたいな感じだったので。原書を手に入れるのはちょっと、今よりハードルが全然高かったと思います。

上田 実際の翻訳は、どんなふうに進められたのですか?

広瀬 版権は東洋経済さんに取ってもらって、翻訳ができあがって、もう出版がほぼ見えてきた段階で、せっかくなのでドルフさんと話したいっていうのを伝えて、それでコンタクトが取れて、電話とメールでやりとりしたという感じです。

上田 日本での投資のご経験とドルフ・デルース先生のものに触れられて、何か一番の違いは、何だったのですか?

広瀬 そうですね。正直、クリエイティブ過ぎてなかなか日本じゃ真似できないな、というところもあったんですけど、逆に日本だからこそできることも、多分あるなと思って。

上田 と言いますと?

広瀬 私の得意分野ですと、当時、店舗とか事務所の賃貸仲介やっていたので、そこの知見があるので、その辺はうまく自分では活かして、自分なりの不動産投資をしていました。上田さんは上田さんで、多分得意なところがいっぱいあって、日本で不動産投資をしている他の人も、何かそれぞれにすごく得意なところがあると思います。ドルフ・デルースの言っていることとはちょっと違いますけど、それぞれが自分の得意分野、武器を活かして不動産投資をやればいいのかなと。

上田 そういうことですね。ありがとうございます。

物件を数多く見ていくなかで、相場観が養われる

上田真路(うえた・まさみち)
建築家・不動産投資家 KUROFUNE Design Holdings Inc. 代表取締役CEO
ハーバード大学デザイン大学院で不動産投資と建築デザインを学び、投資理論とデザインの力を融合させたユニークな不動産投資を行う。 鹿島建設入社4年目に不動産投資を開始。数々の不動産投資セミナーに足を運び、不動産関連書籍を数十冊読破。そんな中で出会ったメガ大家集団をメンターに持ち、指導を仰ぎながら不動産投資をスタートする。最初に行った東京・神楽坂での新築マンション開発では超狭小地に苦労し、辛酸を舐めつつも独自の不動産投資スタイルを確立する。現在5棟の超優良物件を保有。保有物件の中では投資額が4年間のうちに26倍になったものもある。 1982年高知県生まれ。早稲田大学理工学部建築学科、同大学院卒業後に鹿島建設入社。 大学院卒業時にリゾートホテル開発プロジェクトにより早稲田大学小野梓芸術賞を受賞。 同社では国内外で建築設計や大規模な都市開発業務に従事。鹿島建設社長賞、グッドデザイン賞、SDレビュー賞などを受賞。2016年、ハーバード大学デザイン大学院(GSD)へフルブライト留学。2018年、GSD不動産デザイン学科を卒業、外資系不動産ファンドでの投資業務を経験した後、KUROFUNE Design Holdings Inc.(デザイン事務所兼不動産ファンド会社)を創業し独立。現在はハーバード学生寮生活で得た原体験をもとに、住まいと学びを融合させた国際学生寮「U Share」を開発運営する。また、慶應義塾大学SFC特任講師、早稲田大学特任講師として「不動産デザイン」について教えている。初の著書に『ハーバード式不動産投資術 資産26倍を可能にする世界最高峰のノウハウ』(ダイヤモンド社)がある。

上田 不動産投資は、最初に2棟3棟から始められたということなんですけど、最初に始められた時に、どんな物件から始められたのか、どれぐらいの手持ち資金で、どういったシチュエーションで始められたのかについて、簡単に教えていただけますか?

広瀬 不動産って、初めは何回か物件を見ても相場観がないので、よくわからないですよね。たとえば3000万円のアパート物件を見に行っても、「これが3000万円か」って、あんまりピンとこないじゃないですか。でも、物件を数見ていく中で、だんだんと相場観がついてきて、「ああ、この値段でこの内容だったら、買ってもいいかな」と、なると思うんです。

上田 そうですね。

広瀬 最初に買ったのは、中央区にある三階建ての小さな店舗ビルでした。フロアは13坪とかのビルなんですけど、7000万円ぐらいでした。

上田 それは、オーナーチェンジ物件ですか?

広瀬 そうです、最初1棟全体でお弁当屋さんか何かやってたんですけど、あまりうまくいかなくて1階を別に貸し出していました。それで2階3階を使ってやってたけど、もう売ってそれも止めたいということで…。1階の家賃は45万円で、坪4万円と言ってました。

上田 おお、すごいですね。

広瀬 場所はよかったんですけど。2階3階が空いちゃうので、そこを埋められるかどうかが勝負だったんですけど、居抜きでけっこうすぐにバーとカレー店が決まって。

上田 じゃあ飲食ビルで完全にやられて。

広瀬 はい。1棟ですぐ家賃70万円とかの投資ができて。

上田 最初に、いきなり利回り10%ぐらいの物件になったんですね。

広瀬 そういうことですね。

上田 それは、やっぱり飲食のご経験があったので、最初の1棟目が飲食ビルがやりやすかった、というのがあるんですね?

広瀬 そうですね。仮に1階が空いても、すぐに埋められだろうなっていうなんとなくの感覚と、あと2階3階は内装があれば、どっか入ってくれるんじゃないかな、みたいな。そこはちょっと若干ギャンブル要素で、リスクはあるなとは思ったんですけど。

上田 なるほどですね。やっぱり最初はだいたいワンルームマンションとか、木造アパートから普通の素人は入っていくと思うのですが…。

広瀬 まあ、そうですよね。

上田 そこは、やっぱり広瀬さんなりの「Creating α(クリエイティングアルファ/平均値を上回るように不動産投資をクリエイティブに考える)」というか、自分なりにこれだったら維持できるだろうとか、10%利回りができるだろうとか、そこの勝算が少し見えたということですよね?

広瀬 はい、それはありましたね。

上田 やはり、そうですよね。その時のファイナンスとかは、どうされたんですか?

広瀬 ファイナンスは、当時まだ民間銀行はそこまで出さなかったので、今でいう日本政策金融公庫。中小企業だと商業物件にお金を貸してくれるんですけど、そこを私の師匠に紹介していただいて、つながって僕にさせていただいたっていう感じなんですけど。

上田 なるほど。その30棟持ってらっしゃる店舗オーナーの方ですね。いやそれ、すごくレアケースだと思うんですよね。最初からいきなり公庫で、事業融資で不動産投資で借りるっていうところ。

広瀬 まあ事業融資だと、一応その不動産担保でという感じなんですけど。

上田 ああ、そういうことだったんですね、分かりました。

(第2回につづく)

(撮影/石郷友仁、構成/編集部)



不動産投資ローンの団体信用生命保険、仕組みや種類は?注意点も


1.団体信用生命保険の概要と仕組み

団体信用生命保険(団信)とは、保険金でローンを弁済する生命保険を利用した保障制度です。

団体信用生命保険契約は、不動産投資ローンで物件を購入する際にローンの契約者を被保険者として、金融機関と生命保険会社が契約を締結します。被保険者に万一のことがあった場合には、その時点での住宅ローンの残高が金融機関に支払われ、支払われた保険金によりローンの残りを弁済します。

家族はローンを完済した住宅が手に入る仕組みとなっています。金融機関にとっては、契約者に返済能力がなくなっても債務を回収できるため、融資条件によっては加入を義務付ける場合もあります。

マイホームの購入時に住宅ローンで団信に加入する機会がありますが、不動産単位で加入する保険であることから、金融機関から許可が下りた際には二重に契約する事も可能です。

ただし、住宅ローンの場合、多くのケースで団信に加入することになりますが、不動産投資では金融機関によっては団信に加入しなくても良いケースがあります。

その他、健康状態によっては加入できない場合があり、加入が必須である際にはローンを組む事が不可能となります。

2.団体信用生命保険の種類

投資用ローンにおける団体信用生命保険の種類には、通常の団体信用生命保険の他に、がん団体信用生命保険、3大(8大)団体信用生命保険、ワイド団体信用生命保険があります。

これらの保険の違いについてそれぞれ解説していきます。なお、金融機関によって取り扱っていない場合があるので注意しましょう。

2-1.団体信用生命保険

団体信用生命保険(団信)と呼ばれる保険で、加入者が死亡又は所定の高度障害になった際に物件のローンが弁済されます。保険料が金利に上乗せされずに加入できる金融機関も存在します。

2-2.がん団体信用生命保険

がん団体信用生命保険(がん団信)とは、加入者が死亡又は所定の高度障害に加え、「がん」が原因で死亡・高度障害になった際にローンを弁済する保険です。金利は0.1%程度上乗せされるケースが多い生命保険です。

金融機関や契約内容によっては、がんと診断された時や入院が必要になった時にも給付金が支払われます。

2-3.3大(8大)疾病保障特約付き団体信用生命保険

3大(8大)疾病保障特約付き団体信用生命保険は、死亡・高度障害になった場合に加え、3大(8大)疾病に罹患した際に保障を受けられます。

3大疾病は「がん・急性心筋梗塞・脳卒中」で、これらの病気が原因で一定の要件に該当した場合、残りの住宅ローンを全額弁済する仕組みです。

8大疾病は3大疾病のがん・急性心筋梗塞・脳卒中に加え「高血圧・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵炎」も適用される保険です。多くの金融機関で、金利に0.2~0.3%が上乗せ設定される傾向があります。

2-4.ワイド団体信用生命保険

ワイド団信は、健康上の理由で通常の団信に加入できない方向けに条件が緩和された団信です。

通常の団信より上乗せされる金利が0.3%以上であることが多く、高めに設定されていますが、持病がある方でも加入できる可能性があります。

3.不動産投資における団体信用生命保険の注意点

団信と生命保険には契約期間や保障の受け方などの違いがあります。

また既に生命保険に加入しており、十分な保障を受けられる際には団信に加入するメリットが多くないケースもあります。金利が上乗せされる場合には、「保険として加入する必要があるか」を慎重に検討することが大切です。

不動産投資における団体信用生命保険の注意点について、ポイントごとに詳しく解説してきます。

3-1.不動産投資における団信と生命保険の違い

団信はローンを完済した時点で団信の契約が終了してしまいますが、生命保険は定められた契約期間中は保障が続くという契約期間の違いがあります。

また、生命保険は保険金として現金を受け取る事が出来ますが、団信は保険金がローン弁済に使用されますので、使い道が指定されているという制限があります。

一方で、生命保険は年齢が上がるにつれて保険料も上がっていきますが、団信は年齢によって金利の上乗せが変わることがありません。

自身が保障を受けたい時期や支払える保険料、保障の受け方など生命保険との違いをおさえた上で団信への加入を検討しましょう。

不動産投資の目的は賃貸事業で収益を出すことであり、団信はあくまでいざという時の保障制度となりますので、「保険として加入する必要があるか」を検討するようにしましょう。

3-2.生命保険に加入している場合は保障内容を比較する

既に生命保険に加入しており、団信と保障内容が重複している場合には団信に加入するメリットが多くない可能性があります。

保障内容や給付金額を確認して検討した結果、団信と生命保険のどちらか一方で保障が十分である場合には団信に加入しない、又は生命保険を解約しても差し支えないケースもあります。

ただし、団信を選んだ場合、ローンを支払い終えたら団信の保障を受けられなくなってしまうデメリットに注意が必要です。生命保険への再加入を検討しても、今より年齢を重ねて高い保険料で生命保険に加入する事になります。

生命保険を解約する場合は、不動産投資ローンを完済した後のライフプラン・マネープランも見据えて検討を行うことが重要です。

3-3.健康状態によっては加入できない

団信に加入する際には健康状態を告知する必要があり、場合によっては加入できないケースもあります。

団信への加入が必須でない場合には問題ありませんが、投資用ローンを組む際に団信への加入が必須である金融機関が存在します。

団信に加入できない場合には、ローンの契約自体が不可能になってしまうため、複数の金融機関をあたる、ワイド団信への加入を検討するなどの方法で対処を行いましょう。

まとめ

団体信用生命保険は生命保険を利用した保障制度で、通常の団信に加え、がん団信、3大(8大)疾病保障特約付き団信、ワイド団信が存在します。

生命保険との違いや保障の必要性、金利への上乗せなどを検討した上で加入を検討することが大切です。また、生命保険と異なり、不動産投資ローンの完済後には保険契約自体が亡くなってしまう点にも注意しましょう。

不動産投資ローンを完済した後のライフプラン・マネープランも視野に入れ、様々な視点から保障内容を検討することが重要です。


大手生命保険4社の2021年度の資産運用計画が23日、出そろった。資産運用の判断に環境保護などを重視する「ESG(環境・社会・企業統治)」を組み込む取り組みを進めていく方針を初めて全社が掲げた。新型コロナウイルスの感染拡大が収まらない中、各社は金融緩和による低金利環境が長期化するとみて、利回りの高い米国社債や海外不動産などへの投資も強化する。

 各社の運用は、利回りが安定した長期国債が運用の柱で、投資の積み増しも検討している。一方で、再生可能エネルギー設備などに投資する「インフラファンド」や海外不動産への投資も進める。未上場株式などに投資する「ベンチャーファンド」への投資拡大も検討する。日本生命は子会社のニッセイアセットマネジメントと連携して計約120人態勢で、社債や従来の投資対象以外への資産運用先の検討をし、収益の向上を狙う。住友生命は米子会社傘下の投資顧問子会社を通じ、米国社債などへの投資を強化。第一生命はインフラファンドやベンチャーファンドに厚く資産を振り向ける。明治安田生命は利回りの良い米国社債を8000億円弱積み増す。【池田美欧】

不動産投資家の「節税のキモ」。家事関連費の按分はどのようにするのか? 会計実務で採用されている方法


賃貸経営では、数%の利回りの家賃収入をもとに収益を上げていくことが求められる。手元にキャッシュを積み上げていくには、毎年支払う所得税、住民税は少しでも抑えたいところだ。

これらの税金の課税対象となる不動産所得を圧縮して節税するには、必要経費をできる限り漏らさずに計上していくことが大切である。

その必要経費計上の際、しばしば問題となるのが、家事関連費の計上方法である。家事関連費は、業務の遂行上必要で、その部分を明らかに区分できることを条件に必要経費に算入することが認められるが、その立証責任は納税者にある。

家事関連費を不動産所得の必要経費として認められるようにするためには、どのようにすればよいのだろうか。判例や会計実務をもとに考察してみる。

家事関連費とは

原則として、家計費、生活費などの日常生活に関わる費用(家事関連費)は、必要経費に算入できない。しかし、所得税法施行令96条によって、「主に業務遂行上必要で、必要部分を明らかに区分できる費用」と「青色申告の取引の記録上、業務遂行上直接必要であったことが明らかにされる費用」については、必要経費に算入することが認められている。

「主に業務遂行上必要」であるかどうかは、全額のうち必要な部分が50%を超えるかどうかにより判定される。ただし、その50%以下であっても、必要な部分を明らかに区分できる場合は、必要経費に算入できるとされている(所得税法基本通達45-2)。

家事関連費と業務上必要となる経費が混合した費用を必要経費に計上するには、納税者側でこの必要な部分を明らかに区分しなければならず、その区分方法が問題となる。

家事関連費の按分が検討された判例と会計実務の取り扱い

家事関連費と必要経費の按分については、法的に決まった方法はないが、その方法が検討された判例はある。

東京地判平成11年1月22日は、建物を賃借して質屋業を営み、住宅としても利用しているケースで、事業所得上、その家賃を必要経費として計上できる部分は、事業遂行上明らかに必要な部分(ショーウィンドー、事務所・応接室、倉庫)の面積按分によるものと認めた。

大阪地判昭和61年11月25日においても、店舗併用住宅における事業専用部分の地代家賃は、事業専用部分と家事専用部分との面積比によって按分して算出するべき、としている。

このように、面積按分は、家事関連費と必要経費の按分方法として、定着した取り扱いといえるだろう。

会計実務でみられる家事関連費の按分方法

判例の取り扱いを踏まえて、会計実務では、業務に利用されている固定資産に紐づく費用について、利用面積によって按分する傾向がみられる。具体的には、建物に関連する費用である、減価償却費、固定資産税、保険料が該当する。

他にも、業務に利用されている部分を明らかにする区分方法として、利用時間によって按分する方法が考えられる。

たとえば、自宅兼事務所の水道光熱費、通信費の按分について、営業時間を用いる。平日に1日8時間、自宅兼事務所で業務をして利用しているとすれば、5/7×8/24=約24%となる。これを、概算して20~30%の按分割合を乗じて必要経費に計上する。

具体的に、業務に利用した部分を明らかにすることができれば、そのような方法を採るのがよいだろう。たとえば、車両の減価償却費やガソリン代であれば、業務上の走行距離を利用の都度記録しておき、1年間の走行距離メーターを分母に、利用した距離について按分すれば合理的な按分方法といえるだろう。

賃貸経営で考えられる家事関連費と必要経費の按分

賃貸経営では、そもそも業務遂行上必要な費用であるかどうかがより厳しく問われるだろう。不動産賃貸業の日常的な業務としては、入居者対応や建物修繕などの管理業務がある。

このような管理業務に要した旅費交通費、車両費や、自宅兼管理業務用事務所があればその家賃、水道光熱費などを、家事関連費と按分して必要経費に計上することが考えられる。

東京地判平成26年9月25日では、管理業者に管理を委託していた不動産賃貸業において、賃貸用建物の修繕などのために要したと主張された旅費交通費の計上を否認している。この事案では、領収書の保存もなく、旅費交通費の具体的内容が記録されていなかったことも、立証責任を果たしていないとみなされ、判決に影響したと考えられる。

自主管理ではなく管理業者に管理を委託している場合には、管理業務の必要性が厳しく問われる可能性がある。いつ、どれくらい、何の管理業務のために利用したのか、を記録し、その部分をそれぞれの費用から丁寧に按分していく必要があるだろう。

取材・文 佐藤永一郎



不動産投資の注目トレンド「賃貸併用住宅」。サラリーマン大家に聞く、成功の3原則


 住宅ローンを用いた不動産投資はもちろんご法度。しかし、「マイホーム+収益物件」である賃貸併用住宅なら超低金利で資金を調達し、家賃収入を得ることが可能となる!

 不動産投資への関心が高まる一方で収益物件に対する融資が厳しい状況が続く昨今、賃貸併用住宅への注目が高まっている。

超低金利の住宅ローンが合法的に使える!?

 自宅と賃貸に出す部屋が一体になった賃貸併用住宅は「総面積のうち自己居住用スペースの割合が50%以上」など一定の条件をクリアすることで住宅ローンの対象になる。家賃収入を生む自宅を持てば、月々のローン返済を大幅に軽減できるどころか、プラン次第では収支をプラスにすることも可能だ。

 神奈川県在住の会社員、まえしん氏(@maeshin2021)は2018年、県内主要ターミナル駅から徒歩8分という好立地にマイホームと賃貸物件2戸の合計3戸が併設された賃貸併用住宅を7100万円で取得した。

賃貸併用住宅
以前はマンション住まいだったまえしん氏。「今の家は天井が高く、とても快適。自分で建てた家ならではの贅沢を味わっています」
「フルローンで借りた住宅ローンは35年金利1.2%で、月の返済額は20万9000円。対して賃貸部分2戸の家賃収入が23万4000円なので、住宅ローンを支払ってもおつりがくる状況です。

 私の場合、サラリーマンのかたわら、2012年から不動産投資をしており、その借り入れが大きいため、住宅ローンとしては高めな金利ではありますが、それでも十分に満足のいくキャッシュフローになっています。自宅部分は住宅ローン控除が適用できますし、金銭的メリットは計りしれません」

賃貸併用住宅で「理想の自宅」を手にいれる

 そんなまえしん氏が賃貸併用住宅を建てるにあたり、最初に取り組んだのは「理想の自宅」を定義することだったと振り返る。

自分用の書斎に子供部屋、ホームステイ受け入れ用のゲスト部屋、広いLDK……さらに将来的には妻がお菓子教室を開きたい。こういった家族の要望を叶えると、自宅部分の床面積で100㎡ほど必要だとわかりました。

 そこから賃貸部分を考慮し、200㎡前後の建物を建てられる土地のリサーチを開始。子供の学校やコミュニティのこともあるので、エリアを絞って土地をチェックしました」

賃貸併用住宅
自宅購入には家族の理解も不可欠。余裕を持って料理ができるスペースを欲しがった妻の希望は極力、叶えるようにしました」
 そんな折、条件に合致したうえ、割安な更地に出合うことになる。

「接道間口が2mしかなく、車を止めづらい、いわゆる『旗竿地』だったため、販売価格がかなり安くなっていました。広い自宅を求める層はゆったりした駐車場も希望するので需要がなく、かといってアパートを建てるには自治体の条例で制限もあり、活用しにくい土地だったのです」

 結果的には坪単価110万円はするエリアで、坪60万円を切る価格で約175㎡の土地を仕込むことに成功。理想の賃貸併用住宅への第一歩を踏み出した。

駐車場は近くの月極を借りればいいやと割り切りました。自宅部分は約100㎡の4LDK、賃貸部分は50㎡弱でメゾネットの1LDKが2戸というプランに決定。土地2800万円、建物4300万円で総額が7100万円になりました」

不動産投資特有のリスクも

賃貸併用住宅
新築デザイナーズでペット可という好条件の賃貸部分には、余裕のあるDINKsが入居。現時点ではまえしん氏の目論見どおりに進行
 しかし、収益性を兼ね備えた自宅づくりは工事の終盤に思わぬトラブルと遭遇することになる。

「工事が遅延して、現場では部材の発注間違いや施工ミスが頻発。自宅の引っ越しや賃貸入居時期が想定よりもかなり遅れました。調べてみると、依頼した工務店の資金繰りが悪くなっており、当初は対応していた社長も途中で私からの問い合わせから逃げまくる始末。最終的に3か月遅れで完成して入居。

 賃貸募集も開始していたので、その調整にも苦労しましたが、弁護士と相談しながら根気強く交渉を続けて、損害額の7割を分割で補償してもらうことに落ち着きました」

 賃貸併用住宅は超低金利での借り入れで家賃収入が得られる一方、借入額は高くなりがち。相応のリスクがあることは、もちろん忘れてはいけない。

「自宅と併設していることを除けば、通常の不動産投資と変わりないため、空室や老朽化、業者とのトラブルなどのリスクは引き受ける必要があります。私の場合、『主要ターミナル駅から徒歩圏内のデザイナーズメゾネット』で差別化し、比較的高い賃料を設定できていますが、賃貸部分を高く貸せる工夫は必須です。ほかにも屋根に太陽光発電を設置することで収益性を安定させています」

物件探しの段階で、じっくり検討を

 また、物件探しの段階で、さまざまな選択肢があることも覚えておきたい。

「自分で土地も施工業者も探して新築する以外に、賃貸併用住宅を専門に扱う業者に丸ごと頼むという方法もあります。この場合、土地も設計もお膳立てしてもらえるが、その分、費用が余計に発生するため、収益性は落ちます。

 ほかにも中古の賃貸併用住宅を購入する方法もあり、それぞれ一長一短があります。軽い負担でマイホームが欲しい人も、収益物件が欲しいと考えている人も、まずは賃貸併用住宅という選択肢があることも知ったうえでじっくり検討することをおすすめします

収入を生み出す賃貸併用住宅こそ今後、不動産投資のニューノーマルとなるかもしれない。

「賃貸併用住宅」成功の3原則

賃貸併用住宅
自身のワーキングスペースも確保したまえしん氏。「設計当時は想像もできませんでしたが、コロナ禍で活躍しています」
1:自身の条件を満たす割安な土地を探す
「ワケあり」だとしても自分が目をつぶれる範囲なら、むしろ安く仕入れるチャンス。なかなか土地が見つからない場合は、自宅のサイズを見直すなどプラン変更も視野に入れる

2:先々まで高く貸せる工夫を考える
周辺の賃料相場をチェックしたうえで差別化を図り、末永く闘える賃貸を目指す。入居者に満足してもらう物件にすることで入居が長期化し、将来的な家賃下落の抑制に繫がる

3:信頼できる工務店を時間をかけて探す
建売のパッケージ商品は割高になるため、時間をかけて工務店を探すほうが賢明。住宅情報サイト経由だと紹介料が上乗せされるが、トラブルの際に間に入ってもらえる利点も

<取材・文/栗林 篤>

【まえしん】
サラリーマン大家。神奈川県在住の40代会社員。これまでにアパート8棟73室、区分2室、ビル1棟などを取得(売却含む)し、2018年に念願の賃貸併用住宅を手に入れる
Twitter:@maeshin2021

【週刊SPA!編集部】

「不動産で人生を楽しむ」、家賃年収2億6800万円の建築士大家



2002年、49歳のときに不動産投資を始め、そこから約20年。着実に規模を拡大し、現在は山口県と九州エリアを中心に25棟396戸を所有するまでになった不動産投資家、今富信之さん。

彼は、規模を拡大するために、どのような工夫をこらしてきたのだろうか。約20年の投資人生を振り返ってもらい、今後不動産投資を行いたいという人に向けてアドバイスを送る。

プロフィール・今富信之
北九州出身・下関市在住。一級建築士事務所を経営しながら49歳で不動産投資を始める。投資実績は国内に40棟540室。売却して資産を組み替えながら、現在は25棟396室を所有する。海外にも不動産を所有し、これまで7室に投資し、現在は4室所有。年間家賃収入は約2億6800万円で返済比率は42%、昨年は修繕費が嵩んだが返済や固定資産税、管理費、保険料なども除いたCFは約5500万。築浅物件を中心に投資し、現在では自身で設計も手掛ける。インカムゲインを重視し、不動産を楽しむことがモットー。

「暗い人生」だった20代

今富さんの本業は一級建築士だ。自身でも建築事務所を経営しているが、一級建築士となった経緯を尋ねると、なんとも消極的な答えが返ってきた。

「はっきり言って消去法です。私は国語や英語が苦手だったので理系に進んだのですが、『何をやりたい』というのがなかったんです」

したいことがない中で、将来に悩んでいた今富さんは、知り合いから「君は人に使われるのがダメな人間」と言われるた。だが、「建築であれば自分1人で開業できるし、鉛筆と机さえあればやっていける」と建築士を目指すことに。「自分に美的センスがあったとか、絵がうまいとか、そういう資質はまったくなかったです」という。

今でこそ、不動産投資で家賃年収2億6800万円を得ながら、趣味に仕事にと楽しく、忙しい日々を送る今富さん。だが、20代までは何に対しても積極的になれなかったと語る。

大学卒業後、東京の設計事務所に就職。だが、一級建築士の資格を取るとすぐに事務所を辞め、地元へと戻った。

「初任給は普通の人の半分ぐらい。徹夜して働いても一切残業手当もつかないし、友達もいない。華々しいスタートと思ったのに、暗い人生でしたね」

一級建築士の資格を取得しながらも、仕事がうまく行かず、人付き合いも苦手としていた今富さん。彼が漠然と思い描いていたのは「他人と違う生き方をしたい」ということだった。

逃げてばかりの自分を変えたきっかけ

他人とは違う生き方をしたい。だが、生きていくためには、理想とのギャップに悩みながらも仕事をするしかない。生き方について考えながら、5回の転職を経験した。当時は全てにおいて「逃げてばかりだった」と省みる。

そんな今富さんを変えたのは、知人が貸してくれた自己啓発のカセットテープ。そこには、「現在の自分があるのは、過去の自分の選択の結果である」と入っていたのだという。

「それを聞いてショックを受けました。今まで『逃げ』を繰り返してきた自分は、全てを人のせいにしてきた。本当は全部自分のせいだったんだ、と気づき、そこからは逃げないようになりました」

これを契機に一念発起。35歳で独立して建築事務所を開業した。行政からの仕事も舞い込むなど、順風満帆だったという。

「仕事づけではありましたが、頑張れば頑張るほど稼ぎも増える。酒も飲みにいかず、仕事に没頭していました。仕事も楽しかったですが、それ以外には唯一、年に1度妻と海外旅行に出かけていたくらいです」

今富信之・下関市在住の投資家、一級建築士。投資実績は国内に40棟540室。売却して資産を組み替えながら、現在は25棟396室を所有する。年間家賃収入は約2億6800万円

バブル時に不動産投資に参入しかけた経験も

建築事務所を立ち上げたあと、一度不動産投資に「参入しかけた」経験も。探した土地の上に、自分で設計した物件を建て、他人に売却しようとしたのだ。バブル真っ只中のことだった。

この頃の不動産投資は、価格の値上がりによる売却益(キャピタルゲイン)狙いがメイン。だが、結局話がまとまらず、不動産投資参入計画は失敗に終わる。損失も、200万円程度で踏みとどまった。

この後すぐにバブルは崩壊。キャピタルゲインを期待して大損害を被った人も少なくなかったのを、今富さんも見てきている。

この経験があるからこそ、今富さんは10年後、本格的に不動産投資に参入する際に、キャピタルゲインではなくインカムゲインを重視することにしたという。

大きなピンチを打開するために

小さな失敗がありながらも、建築士としての仕事は順風満帆に進んでいた。ところが今富さんが49歳の頃、大きなピンチが襲い掛かる。これまで取引のあった大口顧客の案件が、先方側の事情でほとんどなくなってしまったのだ。当然、収入も激減した。

このピンチの打開策を思案していた今富さんは、一度失敗した不動産投資に活路を見出す。

当時はキャピタルゲインを期待しての不動産投資だったが、インカムゲインを狙えば安定的に収入が入るし、リスクもそこまで大きくない。今富さんに不安はなかった。

「ピンチで苦しみましたが、打開するには方針を変えなければと思い、始めたのが不動産投資です。その後も色々ありましたが、その度に打開策を練り、行動を起こすことでチャンスに変わりました。ピンチが自分のステージが変わる時だと思って努力すれば、道は開けると思っています」

運命の物件との出合い

不動産投資を始める決意を固めた今富さんは、すぐさま不動産会社まわりを開始。その中で、とある物件と運命的な出合いを果たす。

当時築4年、RC造3階建てのマンションだった。価格は6500万円。新築時には1億円の値がついていた物件だったが、前オーナーが資金繰りに苦しみ、競売にかかる寸前に売り急いでいたという経緯があった。銀行も、今富さんの物件の価値を適性に評価し、融資も問題なく承認された。「本当にラッキーだった」と今富さんはいう。

この物件で不動産投資家としての道を歩み始めた今富さん、続く2棟目と3棟目は、同じ敷地にある物件をまとめて1億4000万円で購入した。これも、相場からするとかなり安い値付けになっていたそうだ。

「当時、地元の不動産会社さんが利回りという言葉を知らなかったんですよ。だから、値段のつけ方もおかしくて。『新築がいくらで、何年経過しているのでこれくらいしか価値がない』という話を売り主さんにして価格を決めていたみたいで」

幸運続きの今富さんだが、その幸運を手繰り寄せたのは、自身がしっかりと利回りや物件の適正価格のリサーチを欠かさなかったからでもある。

保有物件のバランス

今富さんの不動産投資に対する考え方は、非常にシンプルだ。「結局、家賃収入から返済と固定資産税といくらかの修繕費を引いて、あとはどれぐらい残るかという計算さえできれば、それで成り立つんです」。

投資をする際には、木造物件とRC造物件のバランスを重視すると話す。

新築木造物件はキャッシュは残るが、耐用年数が短く、帳簿上キャッシュよりもマイナスになる。一方、新築RC物件は、融資期間が長く返済金が少なくキャッシュは残り易いが、返済利息もそれ以上に少なくなるので、帳簿上利益はキャッシュ以上に大きくなる。

「この組み合わせをコントロールして、キャッシュと帳簿上の利益のバランスをとっているんです」

インカムゲインを徹底的に重視

自分によりよい手法を見つけるため、不動産投資を始めた当初から、徹底的に勉強しつくしたという今富さん。

九州から東京のセミナーに何度も足を運び、本も買いあさった。セミナーで知り合った大家仲間との情報交換も欠かさなかった。こうして、「今富流」の不動産投資を築き上げたのだ。

投資序盤は、地元・下関を中心に物件を買い進めたという。仕事の合間に物件を探す。狙ったのは、築年数が浅く、管理がしやすい物件。また、インカムゲインを徹底的に重視した。こうした条件に当てはまり、購入を検討できそうであれば、銀行に持ち込むことを繰り返す日々だった。

ただ、「キャッシュフローが期待していたほど出そうもないなら、無理はしないでおこう、という意識が強烈に働いていました」とインカムゲインを重視しすぎていたと反省することも。

当時、福岡市で利回り10%のファミリータイプの物件を見送ったこともあるが、現在今富さんが見送った物件が軒並み値上がりしているといい、「キャピタルゲインを軽視するあまり、いい物件を買いそびれましたね」と苦笑する。

投資手法の変化

不動産投資を始めた当初は、下関を中心に築浅のマンション・アパートに投資してきた今富さん。

規模を拡大してからは、その方針が少しずつ変化していくことになる。一級建築士という本業を生かし、新築マンション・アパートを自身で設計して建てていくことにしたのだ。

今富さんが設計し、新築した物件

「ちょうどリーマンショックの頃でした。本業にも少し余裕が出てきたというか、無理して仕事をしなくていい程度には落ち着いてきましたので、自分の設計した物件を持ちたいなと。それまでは他人が作ったものを買っていたのですが、やはり設計士としては自分で設計したいという気持ちが湧いてきました」

良さそうな土地を見つけると、どのようなマンションが建つだろうかと想像を巡らせ、採算がとれるかどうかまでシミュレーションも重ねた。

学生向けマンションの新築からスタート

最初に建てたのは、下関市立大学の近く。エレベーターなし、駐車場なしのRC4階建ての学生向けマンションだ。

「私が建て始めた当初、周辺に学生専用の新築物件はほとんどなく、競合が少なかった。駐車場も要らないので、狭い土地でも効率よく建てられるので、いいと思ったんです」

国公立大学生をターゲットにした学生用物件は狙い通り順調に運営できているが、「毎年入居者の動向は違う」と今富さん。今年は41室が入れ替えの時期を迎えていたが、コロナの影響もあり、客付けが大変だったと話す。

「毎年3月になると気をもみますね。学生マンションは4月に決まらなければ、1年間空室になりかねない。それは避けたいので、家賃を下げて対処するしかないかもしれません」

また、コロナウイルスの影響で、現地を見ずに、オンラインのみで申し込みをする入居希望者も多かった。そのため、内見をせずとも綺麗だと判断できる新築物件の需要は高く、家賃帯も比較的高い物件に人気が集まっていると話す。

赤いラインが印象的な学生向けマンション

設計士として、デザインにこだわり

投資家として、インカムゲインを十分に得られるか、徹底的に計算をした上で物件の設計に取り組みつつ、建築士としてデザインにもこだわるという今富さん。また、そのこだわりが投資にもいい影響を与えているそうだ。

「最近は、全体的に白を基調としたおしゃれなデザインにするようにしています。室内でも、スキップフロアを作ったり、赤や黄色のシステムキッチンを入れたり、ちょっと工夫しています。そういうの見るとみんなワクワクしてくれる。こうした差別化のおかげで、家賃を高めに設定しても入居は決まりやすいですよ」

スキップフロアを取り入れた物件の室内

60歳を超え「精神的には若く」、自分のペースで投資も

かつては「逃げてばかり」だったと話した今富さん。建築の仕事に目覚めてからも仕事漬けで、友人も少なかったと振り返る。そんな自分は、不動産投資を始めたことで少しずつ変わっていった。今では、大家仲間と飲むのが大好きになっている。

「学生時代の同級生と飲むと、話が合わなくなってきています。大家仲間だから話が合うのです。セミナーの後の懇親会で、どういう投資をしているのか、考え方や手法を聞くことが勉強にもなるし、とても居心地がいいですね」という。

明確に自分が変わった、と思えたのは60歳を過ぎた頃。「全然人付き合いをしてこなかった自分は、今まで何をしていたんだろう」と思ったと語る。

「60を超えて、急に人生を変えたいと思い立ったんです。そこからは積極的に外に出て、人とかかわるようになりました。年齢的には遅いかもしれませんが、精神的にはその分若いつもり(笑)。人生を取り返さなきゃと思っています」

趣味は「不動産、車、海外旅行」という今富さん。複数の高級外車を所有する

そんな今富さん、今後は焦らず、自分のペースで不動産投資を続けていく方針だ。入居率95%を維持しながら、地方都市から大都市へ資産の組み換えをしていきたいと話す。

そんな中で、今年1月には福岡市内で3億6500万円の一棟マンションを購入。「もともと、3億6500万円なら良いな、と思って買い付けを入れようとしたら、その金額が税別表記だったんです。それならやめようと思っていたんですが、先方が『消費税分の2800万円を値引きします』を言ってきたので、購入することにしたんですよ」

全体的には高止まり傾向にある物件価格だが、今富さんは「今後は水面下で投げ売りされる物件も多く出てきそうですね。常にアンテナを張っておく必要があると思います」と話した。

また、「自分が元気なうちに、海外不動産も処分しないといけない」と考えをめぐらせているという。

今富さんは取材中、何度も「人生を楽しむこと」の重要性を口にする。今後、不動産投資の取り組み方は変わっても、核となるその考えは変わらない。

「もう闇雲に増やすつもりはないので、いい物件があれば買い、古くなったものは頃合いを見計らって売り…。そんな感じで続けていこうと思います。とにかく、不動産投資を通じて人生を楽しむのが一番です!」



投資総額10億円超えの
メガ大家10人から学んだ
7つの教え

サラリーマン引退時に、総投資額10億円の大家さんに

 漠然と不動産投資で不労所得を形成したいと思いながらも、手探りでセミナー参加や読書を繰り返し、物件を見学する日々が2年ほど続いたある日のこと。たまたま友人の結婚式で知り合った金融関係の方に不動産からの不労所得でサラリーマンを引退したと聞かされた。

 しかも、サラリーマン引退時で既に総投資額が10億円ほどに上っていると聞いた。いわゆるメガ大家だ。驚いたと同時に、2年間も勉強やセミナー参加をしていて、いまだに1円も不動産に投資できていない自分と、何か決定的な違いがあると確信した。

 その彼は気前よく、その次の週にコーヒーチャットの時間をつくってくれた。春の陽気漂う日で、赤坂アークヒルズの裏にあるオープンテラスのカフェの窓際だったことを今でも鮮明に覚えている。単刀直入に「今のメガ大家という状況を何がつくっているのか?」という質問をしてみた。

 意外にも、彼の答えは理論的な戦略や資産背景、あるいは生まれが金持ちかどうかなどではなく

あの頃の気合い

 という意外なものだった。

 そして彼も、よくメガ大家仲間と情報交換をするそうだが、年齢世代を問わず、皆口を揃えていうのは、不動産投資を何がなんでも、今、はじめるという「気合い」のおかげで今がある、ということだと教えてくれた。

 何年経っても投資物件ゼロの自分と、このメガ大家との決定的な差が、すぐにわかった。まだ何の投資も実行していないということだ。そして投資を実行していなければ、もちろん大家でもない。

メガ大家が集まる高額セミナーへ参加し、
運命の出会いが

 ロールモデルを目の前にしてしまった僕は、その日から一心不乱に物件を見て、BOE分析で事業性を検討しては買付証明書を出して、これぞという物件を探し求めた。独学でもがきながらも、何とか1件目の新築マンション用土地が取得できる一歩手前まできていた。

 そんな時、神楽坂のとある土地がリーマンショックから立ち直り切っていない不動産市場で、比較的安く出されているのを発見し、早速銀行に持っていってみた。

 大手都市銀行しか知らなかった僕は、とりあえず3行に持ってゆくも、体よく断られた。

 そして不動産投資での融資で、比較的当時は審査が通りやすいと聞いていたスルガ銀行に持ち込んだ。当時はサラリーマンだったため、年収の20倍までは借りられるという審査基準の末、いとも簡単にローン審査は通ってしまったのだった。金利は4.5%という比較的高い金利だ。

 不利な融資条件にもかかわらず、これで「気合い」を発揮して不動産投資ゲームの参加者にやっとなれたことが心底嬉しかったし、何より不動産投資を通じて理想の建物が創れることへの充実感でいっぱいだった。

 新築のマンション計画だったが、想定利回りもよかったので、金利4.5%を払ったとしても何とかプラスのキャッシュフローを生んでくれる計算だった。

 やっと大家の仲間入りを果たせたという想いを抱いて、メガ大家が集まる高額セミナーへも参加し、より投資を拡大したいと息巻いていた。

 メガ大家セミナーとしては当時有名だったセミナーで、『7つの習慣』の翻訳者として有名なジェームズ・スキナー氏というビッグネームをはじめ、メガ大家の講師陣はすごい顔ぶれだった。

 学生から一度も就職せずにメガ大家になった講師、フェラーリ節税を駆使しながら北海道で十何棟も運用する講師や、総投資額50億円を超える強者、融資獲得と借り換えにこだわる安定感抜群のメガ大家もいた。

 セミナーには総勢300名ほどが参加していただろうか。セミナー終了後には懇親会が開かれ、興奮冷めやらぬ中で、僕も大家の仲間入りを果たそうとしていたこともあり、セミナー講師陣に喰らい付いて質問をし続け、最後まで残った。

有利な融資を受けることがいかに大切か、
それこそがメガ大家への道のひとつ

 2次会、3次会と懇親会が進む中、だんだんと人が少なくなってゆき、最後は30名ほどのグループとなったのだが、そのグループがとんでもない集団だったのだ。

 メガ大家、いわゆる総投資額10億円超えがグループの大半を占めるというお仲間同士で、若輩ものの僕も恐る恐る飛び込んだ。

 今自分が行おうとしている神楽坂の新築物件投資の話をシェアさせていただき、アドバイスを求めた。すると、メガ大家の一人K氏から、真っ先に「もったいない!」という声が上がった。この事業性ならスルガ銀行からではなく、間違いなく準都市銀行から素晴らしい融資が受けられるはずなのに、もったいない! という意味だった。

 そして、有利な融資を準都市銀行や都市銀行から受けることが、いかに大切で、それこそがメガ大家への道のひとつでもあることを教えてくれた。

 K氏は僕の熱意を買ってくれて、何と翌日に今でもメインバンクであるりそな銀行の担当者を紹介してくれた。銀行はメガ大家からの紹介であれば、まったくと言っていいほど態度が違う。

 それはメガ大家が人を銀行に紹介する前に、すでにその人の与信背景と物件の事業性を、瞬時にスクリーニングしているからだと後でわかった。

 ほどなくして、りそな銀行から素晴らしい条件の融資が獲得でき、メガ大家からの教え通り、メガ大家への仲間入りのための第一歩を踏み出すことができた。

 以下に、僕が10人以上のメガ大家から受けた教えを少しシェアしておきたい。

その1 まずは「気合い」で今はじめる
その2 融資は何が何でも、良い融資を受ける。そのために紹介を活用する
その3 窓際族でもいいからサラリーマンとして会社にいる間にローンを組みまくれ
その4 鉄筋コンクリート造か重量鉄骨造といった担保性の高い構造形式にこだわれ
その5 売却を交ぜて加速させる
その6 法人を活用せよ。節税の幅がまったく違う
その7 OPMの活用とTTPしまくれ:OPMはOther People's Moneyの略。TTPは徹底的にパクる(Tettei-Tekini-Pakuru)、つまりいいものは、とことん吸収して活用すること

 K氏からの紹介なくしては今の自分もあり得ない。表舞台にはあえて出ない方なので、イニシャルのみの紹介とさせていただき、初心を忘れないためにも感謝の念を本書で残しておきたい。

上田真路(うえた・まさみち)
建築家・不動産投資家
KUROFUNE Design Holdings Inc. 代表取締役CEO
ハーバード大学デザイン大学院で不動産投資と建築デザインを学び、投資理論とデザインの力を融合させたユニークな不動産投資を行う。
鹿島建設入社4年目に不動産投資を開始。数々の不動産投資セミナーに足を運び、不動産関連書籍を数十冊読破。そんな中で出会ったメガ大家集団をメンターに持ち、指導を仰ぎながら不動産投資をスタートする。最初に行った東京・神楽坂での新築マンション開発では超狭小地に苦労し、辛酸を舐めつつも独自の不動産投資スタイルを確立する。現在5棟の超優良物件を保有。保有物件の中では投資額が4年間のうちに26倍になったものもある。
1982年高知県生まれ。早稲田大学理工学部建築学科、同大学院卒業後に鹿島建設入社。
大学院卒業時にリゾートホテル開発プロジェクトにより早稲田大学小野梓芸術賞を受賞。
同社では国内外で建築設計や大規模な都市開発業務に従事。鹿島建設社長賞、グッドデザイン賞、SDレビュー賞などを受賞。2016年、ハーバード大学デザイン大学院(GSD)へフルブライト留学。2018年、GSD不動産デザイン学科を卒業、外資系不動産ファンドでの投資業務を経験した後、KUROFUNE Design Holdings Inc.(デザイン事務所兼不動産ファンド会社)を創業し独立。現在はハーバード学生寮生活で得た原体験をもとに、住まいと学びを融合させた国際学生寮「U Share」を開発運営する。また、慶應義塾大学SFC特任講師、早稲田大学特任講師として「不動産デザイン」について教えている。初の著書に『ハーバード式不動産投資術 資産26倍を可能にする世界最高峰のノウハウ』(ダイヤモンド社)がある。

年収1000万円超だが…激務医師ほど不動産投資に目覚める理由


今や、医師と患者は「サービス提供者とお客様」の関係

最近、多くの医師からよく聞く悩みがあります。それは「仕事のモチベーションを保つことが難しい」ということです。かつて医師は患者やその家族から「お医者様」と慕われ、医師が行う診断や治療に対しては絶対的信頼が寄せられていました。

 

しかし今では医師と患者との関係性が変わり、まるでサービス業のように「提供する側」と「買う側」という捉えられ方になっているのです。なぜこのような状態になってしまったのでしょう? それは、以下の要因によるものと考えられます。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

【要因①:大量の医療情報が世の中に溢れている】

最新の治療法や神業ドクターの情報など、医療に関するさまざまな知識がマスコミやインターネットを通して簡単に入手できる時代になりました。「テレビで専門家がこう言っていた」とか、「インターネットにこんな情報が載っていた」など、疾病に関するさまざまな基礎知識を持って治療に臨む患者が増えているため、医師個人の見解が受け入れられ辛くなっています。

 

【要因:②医療サービスの比較検討が容易になった】

病状の診断や治療方針に関してセカンドオピニオンを受けたいという患者が増えています。以前は初診を受けた医師の方針に従って治療を進めるものでしたが、昨今頻発する医療事故を発端に、病院や医師に対する不信感が高まってしまったことも一因のようです。

 

【要因③:クレームや訴訟など医師への責任追及が恒常化】

医療の高度化に伴い、治療を受ける患者の選択肢も増えました。その分、治療法ごとのリスクも多種多様になるため、それらについて医師の説明義務が発生します。もし事前説明にない副作用などが発生したら、医師は患者からクレームを受けることになります。さらに手術で後遺症が残ってしまった場合などは訴訟に発展する可能性もあります。

 

医師が「お医者様」と仰ぎ見られた時代は終わり、今や治療を受ける患者の立場のほうが強くなっています。「医師はプロフェッショナルだから病気を治して当然。もし治らなければクレームや訴訟を起こして責任を取らせる」というのが今の患者のスタンスです。

資産運用で手っ取り早く「人生のゆとり」を謳歌

医師の勤務体系は24時間・曜日も関係なく働き、当直から直接診察室に入ることも少なくないと聞きます。そんな激務に対する報酬が1000万円程度では割に合わないと思いつつも、多くの医師は強い使命感を持って業務に臨んでいます。そんな医師の皆さんが仕事へのモチベーションを保つためには、「人生のゆとり」を楽しむことが必要不可欠です。

 

一般的に、年収1000万円以上稼いでいることが「お金持ち」の基準とされています。確かに、日本において年収1000万円以上稼いでいる人はほんの数パーセントしか存在しません。しかし、年収1000万円以上稼いでいる人が本当に「お金持ち」であり「豊か」といえるのでしょうか。少なくとも、稼ぐことだけに忙殺されている人や、稼いだ資産をそのまま貯蓄・温存している人は「お金持ち」とはいえません。

 

高収入を維持するために働くことも大切ですが、それだけでは豊かな人生は送れませんし、心身ともに良いコンディションは維持できません。ときには仕事を忘れて音楽や絵画に陶酔したり、おいしい食事や旅行を楽しむ休息の時間も必要です。そんな「人生のゆとり」を楽しむためには、精神的・経済的な安心感が得られる「資産運用」をはじめることが一番です。

1000万円を「貯蓄した場合、資産運用した場合」の差

数ある資産運用法の中でも「不動産投資」は医師と極めて親和性が高く、「株式投資」などと比較して、リスクを最小限に抑えることが可能です。運用する賃貸物件の家賃集金や建物管理は、優秀な不動産管理会社とタッグを組めば自ら行う必要はありません。しかも投資収益は現在の預貯金利子をはるかに超えます。

 

たとえば普通預金口座に1000万円預けたとしても、1年後の利子はたった100円(年利0.001%)です。一方、1000万円程度で買える郊外のオーナーチェンジ物件(家賃5万円)を購入して賃貸運用した場合は1年間で60万円(家賃5万円×12ヵ月・利回り6%)の収益が得られます。貯蓄と資産運用ではこれだけの差が出るのです。

 

不動産投資は、多忙な医師でも気持ちにゆとりをもちながら十分なお金を稼ぐことができる資産運用法であり、すでに多くの医師が実践しています。

 

「でも何の知識もない素人が不動産に投資したところで、そう簡単に上手くいかないのでは?」と躊躇する人がいるかもしれません。または、「ある程度まとまった資金がなければはじめられないのでは?」と考える人もいるでしょう。

 

不動産投資のノウハウは、実績のある不動産会社からアドバイスを受ければ安心です。また不動産購入のための資金は、高収入であり社会的地位が高い医師からの融資要請であれば金融機関は快く貸してくれます。

 

<まとめ>

●医師が仕事のモチベーションを保つためには、人生にゆとりを持つことが必要。

●多忙な生活の中で精神的・経済的にゆとりを持つために「資産運用」は不可欠。

●資産運用の中でも「不動産投資」は医師と親和性が高く、株などと比べてリスクも低い。

●預貯金年利が0.001%程度なのに対し、賃貸運用は6%以上の高利回りが期待できる。

●投資用不動産購入の際も、高収入である医師は容易に融資を受けることができる。

 

 

大山 一也



女性がマンション投資を始めるメリット・デメリットは?体験談・口コミも


1.女性がマンション投資を始める背景

将来の資金不足に備えるため、マンション投資に注目する方も少なくありません。マンション投資は金融機関から長期の融資を受け、ローンの返済を通して徐々に純資産へと変えていくことのできる投資方法であり、将来的な資産形成に適した手段であることが人気の理由の一つと考えられます。

女性が将来不安を感じる背景について、賃金や婚姻状況について見て行きましょう。厚生労働省が発表した令和2年賃金構造基本統計調査によると、男女間の賃金格差は以下グラフのようになっています。

性・年齢階級別賃金※引用:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査 結果の概況

収入ピーク時の男女差は約150万円です。20代前半までは男女間で大きな差はないものの、徐々に差が開いていきます。厚生年金は現役時の収入によって保険料と支給額が決まるため、賃金が低い場合は厚生年金の支給額も少なくなることも注意したいポイントと言えます。

また、内閣府によると、今後は男女ともに未婚率が上昇し、2030年における女性の未婚率は約18.5%と予測されています。

50歳時の未婚割合の推移と将来推計※引用:内閣府「平成30年版 少子化社会対策白書

女性がマンション投資を始める要因の一つとして、これらの賃金格差や将来不安などが後押しとなっていることが考えられます。

ただし、上記のデータはあくまでも過去のデータをもとにした全体傾向であり、賃金や婚姻状況などは個人差が大きいことから単純な検証は難しいポイントと言えます。それぞれの事情やライフプランに合わせて、資産形成の手段を検討することが大切です。

以下ではマンション投資のメリットとデメリットを比較しながら解説していきます。それぞれの内容を確認し、自身の目的に合った投資手段であるか判断してみると良いでしょう。

2.女性がマンション投資を始めるメリット

マンション投資のメリットについて確認していきましょう。それぞれ詳しく解説していきます。

2-1.マンションの管理や運営は委託できるため、手間が少ない

不動産投資は実際の物件管理や家賃の回収などは管理会社へ委託できるため、物件の持ち主が本業の仕事をしていても副業として検討しやすいメリットがあります。

また、女性は仕事以外に出産や子育てなどのライフイベントもあり、男性よりも働けなくなる期間が出てきてしまうケースも多く見られます。投資に向き合う手間や時間が少なく済むことは、私生活とのバランスを取りやすいメリットがあります。

マンション投資は物件購入が完了すれば大きな手間がかからないため、仕事や子育てなどの最中でも運用できます。女性が将来に備えた資産運用を検討する選択肢の一つと言えるでしょう。

2-2.マンション投資は株式投資やFXよりもリスクが低い

不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンの投資であり、株式投資やFXなど金融投資と比較すると値動きの少ない特徴があります。株式やFXなどは1日で価値が半減することもありますが、現物資産である不動産は1日で価値が暴落する可能性は非常に低くなっています。

また、株式投資やFXで収益を上げるためには、常時マーケットに注目し続ける必要があります。

その一方で、不動産投資はオーナーの意思決定が必要な場面はそれほど多くありません。株やFXなどと比べれば比較的低リスクであることから、長期的にコツコツと資産運用をして行きたい方に向いた投資手法と言えます。

2-3.マンション投資で収入を底上げできる可能性がある

マンション投資の大まかな流れは、物件を取得するための資金として不動産投資ローンを活用し、そのローンの返済を家賃収入で支払っていく仕組みとなっています。この時、毎月の返済額や経費を家賃収入が上回ると、手残り金を確保することが可能です。

このような資金の流れをキャッシュフローと言い、キャッシュフローを良い状態で保つことでマンション投資によって収入を底上げできる可能性があります。手残り金を貯蓄しておいたり、他の投資対象へ再投資したりことで、効率的な資産形成につながります。

ただし、月々のキャッシュフローを良化させることだけにこだわってしまうと、重要性の高い修繕費や管理費などの経費をおろそかにしてしまい、将来的なリスクを高めてしまうことがあります。目先の利益だけにとらわれず、長期的な視点を持つことも大切です。

3.女性がマンション投資を始める時に注意すべきデメリット

次に、マンション投資で注意しておきたいデメリットについても見て行きましょう。

3-1.不動産投資ローンには審査がある

金融機関は不動産投資ローンの申し込み要件として年齢や収入、勤め先などに関する条件を設けています。マンション購入の際、審査条件に満たない人はローン申し込みができない点に要注意です。

不動産投資ローンは家賃収入が主なローンの返済原資となりますが、不動産運用がうまくいかなかった時のために、融資を受ける人の返済能力も審査対象としています。マンション投資の具体的な検討に入る前に、キャリアアップや収入を増やすことが必要な場合もあるため、注意しておきましょう。

3-2.マンション投資には空室リスクや災害リスクがある

現物資産を運用するマンション投資において、注意しておきたいポイントに「空室リスク」と「災害リスク」という2つのリスクがあります。

空室リスクとは、物件の経年劣化や周辺の競合物件の建築、エリアの人口減少など様々な事情によって、投資マンションの空室率が上がってしまうことを指しています。想定よりも空室が多くなってしまった時は、設定家賃を下げたりなどの対応を迫られることもあります。

災害リスクは地震や洪水などの災害の影響を受け、物件になんらかの不具合が生じてしまうリスクのことを指しています。突発的な修繕費を必要としたり、一時的に入居付けが困難になってしまうケースも見られます。

これらのリスクへの対応として、物件の購入後にできる選択肢は多くありません。そのため、購入前に投資マンションを見極めたり、あらかじめそのような事態が起きることを想定して資金を備えておくなど、事前の対策・準備が重要なポイントとなります。

3-3.女性目線でのアドバイスを受けにくい

不動産投資は歴史の長い投資手法であり、マンション投資を実践している投資家も少なくありません。しかし、男性投資家と比較して女性の不動産投資家は少なく、女性目線でのアドバイスや経験にまつわる情報を得にくい点はデメリットと言えるでしょう。

出産や子育てなどのライフイベントやキャリアアップの悩みなどには、男女間で大きく異なる部分もあります。マンション投資を始めても私生活に影響がないのかどうか、不安に感じる方も見られます。

このような女性目線でのマンション投資に関するアドバイスを受けたいと思っても、選択肢があまり多くない点はデメリットとなります。

4.マンション投資を始めた女性の体験談・口コミ

次に、女性で不動産投資を始めた方の体験談や口コミを見て行きましょう。以下は、東証1部上場企業の不動産投資会社「プロパティエージェント」で実際に投資マンションを購入された女性の方の体験談・口コミを一部抜粋したものです。

4-1.資産形成にマンション投資を選んだ理由は?

リスクが低くて自分の目的に合っていると思った

もともとは20代のとき、投資をされている起業家さんなどとお会いする機会があって。不動産投資に関する知識も少しだけ学ばせていただいていたんです。とはいえ、不動産投資に挑戦してみようとは思いませんでした。ただ、投資に対する興味はあったため、株式投資などをかじってみました。でも、それはハイリスクで危険な感じで、自分には合わなかった。より自分に合った低リスクの投資方法はないか。そう思ってセミナーなどに通ううちに、改めて不動産投資へと興味を持つようになったんです。(看護師・30代前半)

4-2.実際に話を聞いてマンション投資にどんな印象を持った?

少ない初期投資でも始められることを知った

お話を聞く前は、不動産投資には初期投資に大きな資金が必要だと思っていたんです。数百万くらいは必要なのかなと。ところが、会社員としての与信を活用すれば、数十万からの手持ち資金でスタートできることを知りました。一気に敷居が低くなりましたね。(元外資系・40代前半)

4-3.マンション投資を始めてどんな変化があった?

60歳になった時に何かしら資産があると将来に備えられる

結婚や出産をする友人が周りに多いのですが、自分はその予定もないし、将来的には誰が支えてくれるんだろう…?と考えたことがありました。貯金が苦手な自分が資産をつくるには、不動産投資は有効な手段だと思いますし、60歳になった時に何かしら資産があると将来に備えられる。不動産があるから、今は自分のやりたいことを目一杯できるという点で、メリットがあると思います。(外資系・20代後半)

4-4.話を聞いて、不動産会社に対するイメージはどうだった?

ライフプランを考えてくれるんだと思った

多くの会社は、私の人生設計について話し合うことが一切なかったんです。こんな物件があって、こんな利益が出ますよと、PCの画面に表示されたシミュレーションを見せられるだけ。ですが、プロパティエージェントでは、そもそも話の入り方から違った。まずは将来、どのような暮らしをしたいのかという点からヒアリングしてくださったんです。私の人生と向き合って、最適なプランを提案してくれるんだと思いました。(看護師・30代前半)

※上記はすべて個人の感想です。投資を検討される際は、ご自身でもよくお調べの上ご判断下さい。

プロパティエージェント

プロパティエージェントは、東京23区・横浜エリアに集中したマンション開発・販売により入居率99.61%(2021年1月時点)の実績を有する東証1部上場企業です。扱う物件は新築マンションと中古マンションのハイブリッドとなっています。

提携金融機関も10社以上と充実しており、物件の担保力の高さからフルローンでの融資実績が非常に豊富です。賃貸管理や確定申告サポートなどアフターフォローも充実しています。2018年に行われた投資用マンションオーナー3,000人に対して行われた調査では、3年連続で顧客満足度・第1位(アイ・エヌ・ジー・ドットコム 調べ)を獲得しています。

まとめ

長期的な資産形成に適したマンション投資は、将来的なお金の不安への対策として一つの選択肢となります。物件管理を委託できる点や低リスクである点は、女性がマンション投資を始めるメリットと言えるでしょう。

しかし、マンション投資には空室リスクや災害リスクがあり、想定通りに資産形成が進まないこともあります。投資を検討する際は自身の投資目的を定め、それぞれに適したリスクとリターンのバランスを取った投資戦略が重要です。

ご紹介した口コミ・体験談でも、単なるお金の運用としてではなく自身のライフプランに合わせた投資方法を検討されていたり、他の投資方法とリスクを比較しなから慎重に検討されている方が見られます。

マンションの購入前に疑問に思うことがあれば、一度立ち止まり質問してみるなど、納得できるまで慎重に検討することが大切です。購入を決断する前に複数の不動産会社セミナーを受講して情報収集を行ったり、マンション投資の仕組みやリスク対策などの勉強をしてみると良いでしょう。




フィリピン不動産投資はリスクとメリットどちらが大きい?リスク対策も解説


新興国の多い東南アジアの中でもフィリピンは、不動産投資先ランキングで常に上位を争う人気の高い国です。フィリピン不動産投資は、高い経済成長率を背景に高い利回りを実現する一方、新興国ならではのカントリーリスクもあるため、投資を検討する際は、その両面を把握しておく必要があります。この記事では、フィリピン不動産投資のメリット・デメリットを検証し、その上でリスクにどのように対処していけば良いかを解説していきます。

フィリピン不動産投資で要注意のリスクとは?

建物が完成しない竣工リスク

新興国の不動産投資では、完成前の物件(プレビルド)が投資対象となることがあります。プレビルド物件は安く購入することができますが、建設資金が不足して建設中に凍結されてしまうと、それまでに支払った購入金額は返金されません。安い価格で購入できる一方でリスクもあるというのがプレビルド物件の特徴で、日本国内ではあまりないタイプの商品ですので、注意が必要です。

不動産業者の見極めに要注意

プレビルド物件は、あまり知られていないデベロッパーや個人が施主・売主になっている物件ほどリスクが高い傾向にあります。そういった施主・売主は、経営が不安定で資金力に難があるため、先にマンションを販売して資金を集めながら建設を進めていくのですが、マンション販売が滞れば資金がショートし、建設が中止となります。大手デベロッパーは、財閥の傘下にいることが多いため、資金力・ブランドの点からもプロジェクトが途中で中止になる可能性はあまりありません。

しかし、大手デベロッパーの物件は価格が高くなる傾向にありますので、利回りの面では非大手の方が高利回りを見込みやすいと言えるでしょう。

賃貸できない空室リスク

高利回りが見込めるフィリピンであっても、空室では1円にもなりませんので、物件とユーザー(入居者)のミスマッチによる長期空室は何としてでも避けたいところです。フィリピンは物価が安いので、好立地の物件を安価に仕入れることができますが、入居者ニーズと合っていなければ意味はありません。購入にあたっては、物件の品質(立地、設備・仕様)・賃料・入居者ニーズの最適化を意識して物件を選定するようにしましょう。

また、フィリピンの賃貸仲介は不動産仲介業者や個人ブローカーによって行われているため、「suumo」のような不動産ポータルサイトや駅前で営業しているような不動産会社はありません。当然、日本の宅建業法のようなルールもありませんので、不動産会社や個人ブローカーが入居者を取り合うような状況となり、なかなか入居者が決まらないといったことも少なくありません。

物件価格が値下がりするリスク

フィリピンは高い経済成長率を持続し、インフレによる物価の上昇が続いていますが、立地や物件の条件によっては売却時の価格が購入時の価格を下回るケースがあります。これは日本国内でも同様ですが、物件価格は需給のバランスによって決まりますので、マクロがインフレ傾向にあったとしても、物件所在エリアの人気や競合する物件の動向(ミクロ)次第では購入時の価格を下回ることがあります。

また、プレビルド物件のように完成が近づくにつれて価格が高くなるような物件でも、完工間近になってもほとんど価格が上昇しないというケースもあります。物件価格はマーケット次第で変動しますので、リスクがあることはあらかじめ頭に入れておくようにしましょう。

フィリピン不動産投資のリスク対策

売主の分譲実績と検討物件の売行きに要注意

プレビルド物件における「竣工しない」リスクを回避するためには、フィリピン現地で分譲実績がある売主から物件を購入すること、当該物件の売れ行きをモニターすることが重要です。現地で知られているデベロッパーであれば、資金力が有ることに加えて、途中でプロジェクトが終了するといったブランド毀損につながるような対応は取りにくいはずです。

また、プロジェクトの売れ行きが伸びないことが原因で建設資金がショートし、プロジェクトが中止に追い込まれるというケースが多いので、物件の売出し時期や売れ行きはしっかりと確認しておく必要があります。

日系不動産業者を介して取引するのが安全

フィリピンで不動産投資を行う際は、言葉の壁や新興国ならではのリスクがあるので、現地に進出している日系の不動産会社に仲介を依頼するのが好ましいです。日系の不動産会社の中には、現地にオフィスを置かずに取引を行っているケースもありますが、現地にオフィスが無いと、継続的な情報収集もできませんし、緊急を要する場合も対応が難しくなります。

例えば、建設の進捗確認、賃貸物件であれば入居者・物件の管理などの場合、即応性が求められるケースがありますので、現地にオフィスを構えた日系の不動産会社の方が安心感があります。加えて、ある程度の規模感がある会社(信頼感のある会社)を選ぶことで、さらに安心感を高めることができるでしょう。

物件価格の周辺相場と賃料の妥当性を確認する

空室率が高い原因の一つとして、賃料が周辺相場と乖離していることが考えられます。その場合、賃料を下げることが解決策の一つとなりますが、収支のシミュレーションを崩すことになりますので、安易な値下げは避けたいところです。こういった値下げを避けるためにも、購入時の価格が周辺相場から見て適切かどうかをしっかりと見極める必要があります。相場よりも高い価格で購入すると、その分を賃料に転嫁させる必要がありますので、周辺の賃貸相場よりも高い賃料となり、結果として空室率が上昇しやすくなります。

また、保証賃料が設定されている場合がありますが、こちらも想定賃料がどのくらいで、想定賃料と周辺の賃料相場の乖離がどのくらいかを確認する必要があります。業者によっては、投資家を集客するために高い保証賃料を設定するケースがあり、実際に運用してみると賃料保証が受け取れないというケースも少なくありませんので、注意しましょう。

とにかく慎重に立地を見極める

不動産を検討する上で立地の見極めは最も重要な要素で、特に不動産投資においては立地が成否を分けると言っても過言ではありません。あなたの投資目的によって最適な立地は異なりますが、インカムゲイン目的であれば、長期的に賃料収入が確保できる立地である方が好ましいので、人口増加が期待できるエリアが適切です。キャピタルゲインが目的であれば、不動産価格が上昇傾向にあるエリアを選んで投資すると効果が出やすくなるでしょう。

フィリピン不動産投資はメリットとリスクのどちらが大きい?

賃貸需要のある物件は大きく値上がりする可能性も

フィリピン不動産投資のメリットは、人口増加率が高く、それに伴う経済成長率・インフレ率の高さによって、高い利回りが期待できることにあります。フィリピンの人口は、2014年に1億人を突破した後も増加が続いており、2091年まで人口増加が続くという予測もあるようです。全人口の平均年齢は20代前半で、日本のように働き手不足になるような心配はありませんので、長期的な経済成長が期待できるでしょう。物件によっては、さらなる需要の高まりによって大きく値を上げる可能性も期待できますので、需要の見込める売却しやすい物件を購入することが重要です。

まとめ

ここまで、フィリピン不動産投資のメリット・デメリットそれぞれを検証しました。新興国ならではの高い利回りを見込みやすい反面、新興国特有のカントリーリスクがあることがご理解いただけたかと思います。しかし、これらのリスクの多くは、フィリピン不動産のプロに仲介してもらうことで軽減できるものがほとんどです。特にフィリピン固有のリスクについては、現地に進出している比較的規模感のある(信頼感のある)不動産会社に仲介を依頼することで、安心感を持って進めていくことができるでしょう。フィリピン不動産投資は、現地におけるパートナー選びがポイントと言えそうです。


儲からないワンルーム投資でも、やれば実績になる? 《楽待新聞》


不動産投資専門のQ&Aサービス「楽待相談室」には、不動産投資に関する質問・相談、そして回答が日々寄せられています。本記事では、実際に投稿された質問の一部をご紹介していきます。 ぜひ参考にしていただき、ご自身の疑問・質問も投稿してみてください。

■質問者:akir253829 さん

Q.儲からないワンルーム投資でも、やれば実績になる?

現在、都内のワンルームマンションの購入を検討しています。最初はワンルーム投資は儲からないので、対象から外していましたが、現在私が入っている生命保険と同等の効果になる物件がありました。生命保険を解約した上で購入すれば、物件自体のキャッシュフローがでなくても、月に数万円のプラスになる計算です。

この物件では儲からないかもしれませんが、不動産投資の実績と経験を積んで、今後に活かすという点ではありでしょうか?

■回答者:不動産おじさん さん(不動産投資家)

結論から申し上げますと、この物件を買っても次につながるどころか足かせになるので見送りされた方が貴殿のためになると思います。

本来、新築ワンルーム投資は次のような目的の方が実践されています。
・医者や弁護士など時間的余裕がない方が給与所得と損益通算して行う節税法
・相続税対策向けに資産組み換えをして行う節税法
しかし、どちらも節税効果もやがて薄れていきインカムゲインは入らず、損切りしてキャピタルロスとなる方が圧倒的に多いため得策とはいえません。貴殿に至ってはそのどちらの目的でもないと思いますし、次のステップの足かせになってしまうので見送られた方がよろしいかと思います。

その理由をもう少し詳しく、3つに分けてご説明します。

1.キャッシュが貯まらない
2.売却が難しい
3.融資に悪影響になる

1.キャッシュが貯まらない
お気付きのとおりでキャッシュは貯まっていきません。何故なら利回りが低く規模も小さいからです。さらに、今後家賃は下落し修繕積立金は上昇していくので売上は新築時から右肩下がりです。さらにさらに申し上げると、3回目以降の大規模修繕費は各戸に特別徴収するマンションがほとんどなので、長期修繕計画を確認し修繕積立金の増額及び特別徴収金額を予測したシミュレーションもしてみてください。

2.売却が難しい
ワンルームマンションの買い手のほとんどは「節税目的」です。若しくは「転売目的」でキャピタルを狙う業者かどちらです。貴殿が売却をしようとした際に、買い手は節税効果が少ない中古物件ではなくやはり新築に目が行くのではないでしょうか。となれば出口は安くして業者に買ってもらうか、若しくは表面利回を15%以上に設定して個人の方に買ってもらうか。いずれにせよキャピタルロスになる可能性が高いです。

>「この物件を購入して生命保険を打ち切れば不動産投資としてはキャッシュフローはでなくとも私のポートフォリオ全体としては月に数万円のプラスになります」

このマンションを生命保険として考えた時に、数十年後果たして家族にキャッシュを残してくれるかは疑問が残ります。生命保険と投資を一色単にするのはあまり良くない考え方だと思いますので、保険は保険、投資は投資と今一度冷静になって考え直してください。

3.融資に悪影響になる
>「数年間不動産投資と大家としての経験を積み、融資の実績を作って次につなげたいと考えました」、「この物件自体は大きくは儲からないかもしれませんが不動産投資の実績と経験があることが次につながるのであれば検討したいと思い、特に融資の実績があることが以降の融資に影響を及ぼすのか」

残念ながら融資の実績が金融機関の審査にプラスに働くことはほぼありません。むしろ既存借入が無い方が承認額及び率は高まります。

区分から始めて一棟投資をやりたいという方が相談にいらっしゃいますが、90%以上の方に区分は融資の足かせになるので、売却するようにお願いしています。何故なら債務超過になっていることが多く、与信評価が低くなり思うような融資が引けないからです。債務超過は特に新築区分マンションの購入者に多く見られる傾向で、それは業者の利益が20%前後乗っているため積算価格と大きく乖離してしまうことから発生します。
そうして一棟を買えない人になっていくのです。

■今後も不動産投資を拡大していきたいと気概があるが故に、焦りが冷静さを奪っているように思えます。営業パーソンもそのあたりを軸にプレゼンしてくるので、今一度冷静になって物件を見極めてください。

中古マンション投資、物件の仕入れでプロが見ているポイントは?




1.中古マンション投資のメリットとデメリット

まずは中古マンション投資のメリットとデメリットについて、確認していきましょう。

1-1.中古マンション投資のメリット

中古マンション投資のメリットとして以下の3点が挙げられます。

  • マンション価格が下落し、高利回りが狙いやすい
  • オーナーチェンジ物件は収益予測が立てやすい
  • マンション売却時の価格の下落幅が少ない

マンション価格が下落しているため、高利回りが狙いやすい

中古マンション投資は新築時よりも物件の取得費が安くなることから、高利回りが狙いやすくなる特徴があります。

マンション投資における利回りの捉え方として、大まかには下記の2種類に分けられます。

  • 表面利回り:年間家賃収入÷物件価格×100
  • 実質利回り:(年間の実質家賃収入-経費)÷(物件価格+購入時の諸経費)×100

不動産投資では、家賃収入に対して物件の取得費が低いほど利回りが上がり収益性が高くなります。中古マンションは新築時よりもマンションの価格が下落しているため、新築物件よりも利回りが高いものが多く、収益性を重視したい投資家にとってメリットのある投資方法と言えます。

ただし注意点として、表面利回りが高いマンションでも実質利回りで換算すると新築物件よりも収益性が低いケースがあります。中古マンションの中には、修繕費が高額になっていたり、空室率が上がっていることがあるためです。

中古マンション投資を検討する際は、表面利回りに加えて実質利回りからシミュレーションを作成し、キャッシュフローを比較することが重要なポイントとなります。

オーナーチェンジ物件の場合は収益予測が立てやすい

投資用として運用されているマンションが売り出されている場合、すでに入居者がいるオーナーチェンジ物件であることがあります。

オーナーチェンジ物件は、元オーナーの運用実績があることから収益予測が立てやすく、購入してすぐに家賃収入を得られたり、これまでの運用ノウハウを引き継ぐことが出来るメリットがあります。

何度か入居者が変わっている場合は、どのような人が住んできたのか、クレームがなかったかなど、実際に住む人の属性や、賃貸するうえでの注意点などが確認できます

マンション売却時の価格の下落幅が少ない

マンションの売却を検討している場合、物件価格の下落幅が大きい新築マンション投資よりも中古マンション投資の方にメリットがあるケースも少なくありません。

東日本不動産流通機構REINSの「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2019年)」によると、中古マンションは、築30年を過ぎた頃から平米単価の下落が緩やか、もしくは横ばいとなる傾向にあります。

マンションを所有し続けるのではなく比較的に短期間での売却を検討しているのであれば、物件価格の下落幅が少ない中古マンションへ投資するメリットは大きいと言えるでしょう。

1-2.中古マンション投資のデメリット

収益面でのメリットが大きい中古マンション投資ですが、その一方で、新築時には無かった様々なデメリット・リスクを抱えています。デメリットについても詳しくみていきましょう。

  • 新築時より修繕リスクが高まっている
  • 設備が古くなり入居率が低下している恐れがある
  • 新築時よりマンションの担保評価が下がっている

新築時より修繕リスクが高まっている

マンション投資で注意しておきたいリスクの一つに、経年劣化による修繕リスクがあります。新築時よりも築年数が経過している中古マンションはこの修繕リスクが高まっており、投資開始後すぐに修繕費を必要とするケースもあります。

中古マンション投資を検討する際は、この修繕リスクを加味した投資判断が重要です。物件価格の下落により表面利回りが向上していたとしても、修繕費を差し引いた実質利回りで勘案するとキャッシュフローがマイナスとなってしまう可能性があります。

設備が古くなり入居率が低下している恐れがある

中古マンションは新築時よりも設備が古くなっており、新築当初に想定していた入居率を保てなくなっている可能性があります。また、近隣に競合となる新築マンションが建設されてしまうなど、周辺環境の変化で受ける影響も少なくありません。

特にオーナーチェンジ物件では、入居率が低下しているかどうかが分かりづらくなっていることがあります。現在入居中の賃貸人が退去してしまった場合、同じ家賃設定で新しい入居者が入るとは限らないためです。

新築時よりマンションの担保評価が下がっている

金融機関の融資を利用して行われるマンション投資では、マンションの担保価値は重要な指標となります。担保評価の低いマンションは融資額や融資年数などの融資条件が悪化してしまうため、月々のキャッシュフローを圧迫してしまったり、購入時に多額の自己資金を必要とするケースがあります。

なお、マンションの担保価値の低下は出口戦略においてもネガティブな要因となります。投資開始時のマンションの担保評価が購入価格に対して低すぎた場合、次の購入検討者の融資条件がさらに厳しくなってしまうためです。

次の購入者の融資条件が厳しくなるほど、その中古マンションを購入するメリットが少なくなり、希望価格での売却が難航してしまうことになります。この場合、売却できる価格がオーバーローン(物件の売却価格がローンの残債を下回っている状態)となってしまうなどのリスクがあります。

2.中古マンションの仕入れでプロが見ているポイント

ここまで解説したように、中古マンション投資は物件価格が安くなることで収益面でのメリットが大きくなる半面、物件の陳腐化による様々なリスクがデメリットとなり得ます。中古マンション投資では、これらのリスクを踏まえた物件の目利きが重要です。

そこでここからは、マンション投資会社の「プロパティエージェント」に聞いた、実際に中古マンションの仕入れで重視しているポイントについてのインタビューコメントを一部抜粋し、ご紹介します。

2-1.マンションが長期に渡って適切に管理されるかどうか

不動産投資は長期に渡って運用していく商品です。そのため、実物資産であるマンションが長期に渡って適切に管理されることは、建物の資産価値を保つ上で大変重要なポイントとなります。

管理と言っても、マンションの管理には大きくわけて2つあります。

ひとつは、専有部分の管理のことで、主に入居者探しや入居者との賃貸契約や室内の修繕などを管理していくことが主な役割である「賃貸管理」、もう一つは共用部分の管理のことで、いわゆる「建物管理」というものです。

今回は二つ目の「建物管理」の重要性について詳しく見ていきましょう。

2-2.「建物管理」の重要性

例えば、オーナーの方が201号室を所有していて、隣の部屋の202号室で火事が起きたとします。燃え広がってしまい、廊下まで被害が発生したとしたら、共有部分についての修繕等迅速な対応が求められる状況になります。

この場合、建物管理部門を構えている販売会社では、原状回復の対応やその他問題が起きた場合のアドバイスを迅速に行えますが、一方で建物管理を行っておらず販売だけをしている会社の場合、建物管理のノウハウを有していないため対応すること自体が難しくなります。

また、エントランス・エレベーター・駐輪場等のお部屋の外の部分に関しては、オーナーの方々が「修繕積立金」と「建物管理費」を毎月出し合って、そのお金によって管理されています。

では、この修繕積立金が十分に積みあがっていなかったらマンションはどうなるのでしょうか。その場合、オーナーひとりひとりから一時金を徴収することになります。一時金と言っても時には何十万円も支払うというケースも少なくありません。

このように、中古物件の仕入れの際にも、盲点となりがちな「管理状況や大規模修繕計画、修繕費の積み立て状況」を確認し、適切な仕入れか否かの判断も重要となってきます。

プロパティエージェント

プロパティエージェントは、東京23区・横浜エリアに集中したマンション開発・販売により入居率99.61%(2021年1月時点)の実績を有する東証1部上場企業です。扱う物件は新築マンションと中古マンションのハイブリッドとなっています。

提携金融機関も10社以上と充実しており、物件の担保力の高さからフルローンでの融資実績が非常に豊富です。賃貸管理や確定申告サポートなどアフターフォローも充実しています。2018年に行われた投資用マンションオーナー3,000人に対して行われた調査では、3年連続で顧客満足度・第1位(アイ・エヌ・ジー・ドットコム 調べ)を獲得しています。

まとめ

中古マンション投資は、新築時よりも物件の購入価格が安くなっていることから高利回りが狙いやすく、投資効率の良い不動産投資方法の一つです。

しかし、築年数が経過したマンションは経年劣化により様々なリスクが高まった状態にあることも少なくありません。中古マンション投資を検討する際は、これらのリスク対策を踏まえた物件の目利きが重要となります。

今回はマンション投資会社が中古マンションの仕入れで重視しているポイントについてご紹介しました。不動産投資では物件の持つ収益性に目が行ってしまうこともありますが、長期的な目線を持ち、マンションの建物管理の状態にも注目してみると良いでしょう。

大手生保、米社債や海外不動産投資にシフト 低金利長期化にらみ

大手生命保険4社の2021年度の資産運用計画が23日、出そろった。資産運用の判断に環境保護などを重視する「ESG(環境・社会・企業統治)」を組み込む取り組みを進めていく方針を初めて全社が掲げた。新型コロナウイルスの感染拡大が収まらない中、各社は金融緩和による低金利環境が長期化するとみて、利回りの高い米国社債や海外不動産などへの投資も強化する。

 各社の運用は、利回りが安定した長期国債が運用の柱で、投資の積み増しも検討している。一方で、再生可能エネルギー設備などに投資する「インフラファンド」や海外不動産への投資も進める。未上場株式などに投資する「ベンチャーファンド」への投資拡大も検討する。

 日本生命は子会社のニッセイアセットマネジメントと連携して計約120人態勢で、社債や従来の投資対象以外への資産運用先の検討をし、収益の向上を狙う。住友生命は米子会社傘下の投資顧問子会社を通じ、米国社債などへの投資を強化。第一生命はインフラファンドやベンチャーファンドに厚く資産を振り向ける。明治安田生命は利回りの良い米国社債を8000億円弱積み増す。


フィリピン不動産投資で不動産会社を見極めるポイントは?


不動産会社の見極めで軽減できるフィリピン不動産投資のリスク

海外不動産投資では信用できる不動産会社を見極めることが、様々なリスクの軽減につながります。不動産会社を見極めることで軽減できる、フィリピン不動産投資のリスクについて解説します。

竣工リスク

フィリピンでは外国人による土地の所有が認められていません。また、戸建住宅は土地と建物との登記が分かれていないため、外国人は戸建住宅も所有できなくなっています。フィリピン不動産投資の投資先として一般的なのは、集合住宅であるコンドミニアムです。

また、フィリピンのコンドミニアムに投資する場合は、新築コンドミニアムに投資することが大半です。フィリピンでは中古住宅のマーケットが整備されている最中なので、外国人投資家が中古住宅の情報を見つけるのは難しくなっています。

フィリピンの新築コンドミニアムは、「プレビルド」と呼ばれる完成前の物件が多いものです。しかし、プレビルドの物件には工事が途中で中断されてしまうリスクがあります。工事の中断によって物件の引き渡しを受けられないリスクのことを、「竣工リスク」と呼びます。

工事が中断されてしまう理由としてよくあるのは2種類です。1つ目はデベロッパーが工事の資金を用意しきれなかったというものです。新興国の不動産市場では、買主から集めた資金をそのまま工事費用に充当する、自転車操業状態のプロジェクトも少なくありません。物件の売れ行きが良くないと、デベロッパーが工事資金を捻出しきれず、プロジェクトが頓挫してしまいます。

工事の中断を招く理由の2つ目は、デベロッパーの経営が立ち行かなくなったというものです。1つ目の理由も2つめの理由も、実績の浅いデベロッパーによく見受けられます。フィリピン不動産投資で竣工リスクを軽減するためには、分譲実績が豊富で経営に不安のないデベロッパーを選ぶことが必要です。

空室リスク

日本国内の不動産は世界的に見てもクオリティが高いものです。その一方で、フィリピンなど新興国の物件には、クオリティを担保できていないものもあります。

クオリティの低い物件を購入してしまうと、引き渡し早々に建物部分の不具合が出たり、住戸の仕上げが雑になっていたりといった、トラブルにあうこともめずらしくありません。

建物に不具合が出てしまうと、入居者を募集できずに空室期間が長期化することもあります。フィリピンは日本よりも物価が安いとはいえ、不動産投資をする場合には、経費もかかる点は日本の不動産投資と変わりありません。空室期間が長期化すると、支出だけがかさんで赤字が拡大することも考えられます。

フィリピン不動産投資では、物件の不具合に起因する空室リスクを軽減するためにも、不動産会社の見極めが重要です。

フィリピンのデベロッパーなど不動産会社を選ぶポイント

フィリピン不動産の売主となる、デベロッパーを見極めるポイントについて解説します。重要なポイントは、実績を重視することと無理な約束をしない会社を選ぶことです。

デベロッパーは実績があるグループの親会社を選ぶ

新興国では経済の発展に伴って新しい会社が増えています。また、周辺の諸外国からデベロッパーが進出してくることもめずらしくありません。しかし、フィリピン国内での実績に乏しい、海外でも分譲実績がないなどの不動産会社は、すでに解説した竣工リスクなどが大きくなります。

また、フィリピンには歴史あるデベロッパーも少なくありませんが、客層によって会社を分けていることも多いものです。低所得者層向けのグループ会社では、クオリティもそれなりの物件を供給することがあります。

海外の会社であれフィリピン国内の会社であれ、デベロッパーはフィリピン国内で実績を豊富に持った不動産会社を選ぶのが安全です。また、フィリピン国内のデベロッパーを選ぶ場合は、グループ会社の親会社を選ぶとリスクを軽減できます。

海外の会社に関しては、フィリピンでの実績に乏しいと、物件の売れ行きが芳しくなかった場合に撤退してしまうことも考えられます。フィリピンでの実績に乏しい海外デベロッパーに関しては、竣工リスクに要注意です。本国で実績があっても、可能な限りフィリピン国内での実績を持ったところを選ぶのが安全です。

極端に高い賃料を保証する不動産会社には要注意

新興国の投資用物件には、例えば10年など、長期間にわたる高利回り保証をセールスポイントとしているものもあります。しかし、高い賃料を長期間保証する案件については、不動産会社の背景や保証内容の妥当性を調べることが重要です。

投資家にとってメリットが大きい保証をつける不動産会社には、分譲実績に乏しい背景から、営業目的で保証をつけているところも少なくありません。デベロッパーが投資家に対して利回りを保証する原資は、賃貸運用における家賃収入です。入居者が入らなかった場合には、デベロッパーは保証賃料を支払えません。

フィリピンを含む新興国の不動産投資では、結果的に入居者が入らず、保証賃料が全く支払われなかったトラブルも多いものです。

フィリピン不動産投資でエージェントを選ぶときのポイント

海外不動産投資には、物件の売主となるデベロッパーとは別に、物件の取引を仲介するエージェントがいます。エージェントを見極めるポイントについても解説します。

日系の不動産会社でも見極めは慎重に

フィリピン不動産投資のリスクを軽減するためには、日系不動産会社の仲介を受けることも有効です。日系の不動産会社であれば、商習慣や言語の違いがないので、ストレスなくコミュニケーションを取れます。

しかし、日系の不動産会社でも見極めは必要です。海外不動産投資を扱う会社の中には、例えばワンマン社長とインターン生だけといった会社もあります。このような会社からは、必ずしもきめ細かなサービスを受けられるとは限りません。

日系の不動産エージェントからサポートを受ける場合でも、フィリピン現地に拠点を置いている、一定以上の規模感を持って事業展開しているなど、フィリピンの不動産市場に根を張って営業している不動産会社を選ぶことが重要です。

ライセンスを持たないブローカーに要注意

フィリピンで不動産エージェントを営むためにはライセンスが必要です。しかし、ライセンスを持たない人が、ブローカーとして不動産仲介をしていることも少なくありません。ブローカーは物件情報を取り扱っておらず、エージェントを紹介するだけで紹介料を要求してくることもあります。

フィリピン不動産投資で不動産業者と取引をする時には、当該業者の業務範囲について、事前に確認しておくことも重要です。

まとめ

フィリピン不動産投資には、インカムゲインとキャピタルゲインとをバランスよく狙えるメリットがある一方で、竣工リスクや空室リスクなど要注意のリスクも複数存在します。リスクを軽減するためには、不動産会社の見極めが重要です。

なお、デベロッパーとエージェントのそれぞれについて見極めを怠らないことが、フィリピン不動産投資のリスク軽減につながります。どちらもフィリピン不動産市場における実績確認が重要です。


未経験から学ぶ不動産投資!3つの不安ポイントと対策を練ってみた


生きていくうえで避けては通れないお金のこと。そんなお金のことを学べるFP(ファイナンシャルプランナー)は、お金と人生を掛け合わせて学べる資格のため、近年勉強する人が増えています。

筆者もその内の一人で、2020年にはFP 3級を取得しました。学んでいて思ったのは、「不動産」は、生活だけでなく投資の面でも役立てられるということ。そこで今回は、FPで学ぶ不動産について深堀りしていきたいと思います。

FPの勉強でも学べる不動産投資についての基本

FPは受験資格が必要なく、誰でも資格取得が可能です。試験に出る内容は、税金や保険、相続など、我々の生活に密接なお金のことが中心なのが特徴。
そのため、受験を目標にしなくても、生きていくために一度は目を通しておいた方が良い分野といえるでしょう。

特に「将来は賃貸ではなくて持ち家に住みたい!」「実家が持ち家だ」という人は、必ずといって良いほど、知っておかなければならない基本知識が詰め込まれています。FPの不動産の項目で学べる具体的な内容は、以下の通りです。

・不動産を購入するときの登記や担保
・不動産にかかる税金(購入、保有、売却)


・不動産に関する法令
・不動産売買契約のポイント
・投資目線での不動産活用

これらの内容を見ると、自身の住まいとしての居住用不動産に関するマスト知識が詰め込まれているのがわかりますね。
また、「投資目線での不動産活用」では、建物や土地といった目に見える現物不動産だけでなく、証券化されたREIT(リート)と呼ばれる投資法についても紹介されています。

筆者はFPの資格取得を通し不動産を学んだことで、投資としての不動産にも興味を持つようになりました。
しかし、経験したことがない内容のため、不安になることも多かったです。

100万人が移民に? 世界の不動産投資に流れる「香港移民マネー」

香港からの移民「100万人規模」の可能性

2019年の逃亡犯条例修正反対運動を発端としたデモが長期化し、その後2020年6月に中央政府の手によって香港国家安全維持法(香港国安法)が施行された。

このような香港に広がる社会不安やそれに伴う各国の香港人向けの優遇措置により、香港が英国から中国に返還された時と同様の移民ブームが起こるのではないかと言われている。実際に香港の世論調査は移民ブームが近いうちに起こるであろうことを示している。

香港の世論調査機関である香港民意研究所が2021年3月におよそ5000人に対し行った調査によれば、民主派支持者のうちおよそ3人に1人が永久に香港を離れるための計画を有している。

移民を考えているのは実は民主派支持者だけではなく、民主派以外の支持者も7人に1人が永久に香港を離れるための計画を有している。なお、この結果はサンプル内の性別・学歴などの偏りを補正した後のものである。

この調査結果をおよそ750万人の香港の人口に当てはめれば、100万人以上の香港の人々が移民を計画していることになる。

もともと香港は避難民も含めた多くの移民で成立した都市であり、そのように移民を受け入れるだけではなく多くの移民を送り出してきた都市でもある。

そのため日本に比べれば移民ははるかに身近な選択ではあるが、それでも香港において移民を計画している人々の割合は決して小さいものとは言えないだろう。

移民といえば「不動産投資移民」

そんな香港で近年移民についてのイメージを聞くと「お金が必要」という答えがしばしば返ってくる。これは香港で移民といえば投資移民、特に不動産による投資移民というイメージが定着しているからだと筆者は考えている。実際に香港メディアや展示会で目立つ移民情報は投資移民に関するものだ。

香港で投資移民が目立つ理由はいくつか考えられる。

まず、移民先で仕事を見つけることが容易ではないというイメージがあるからだ。だからこそ、移住先に投資用不動産を購入し、それを賃貸などで運用することで移民によって減る収入分の収益を確保するのだ。

国・地域によっては不動産投資によってビザや永住権が取得な場合もあり、収益確保だけではなく投資ビザ申請も目的にして不動産購入する人々もいる。そうすれば移住先に安定した職がなくとも合法的にビザを取得して移民することが可能になる。

もう一つの理由は香港の多くの移民エージェントが不動産エージェント化しているからだろう。

移民エージェントとしてはビザの取り継ぎや人材紹介を行うより、多額の資金が移動する不動産を仲介した方が当然儲かる。香港の多くの移民関係のイベントは不動産業者によって主催されており、移民情報と不動産情報はセットで扱われることが多い。

12人に1人が1.4億円以上の資産を保有

香港で投資移民を検討することが一般化しているのは、そもそも香港には投資移民できるほど資産を持っている人々が数多くいるという理由もある。

シティバンクが2021年4月に公表した調査によれば、香港人の12人に1人が1000万香港ドル(およそ1.4億円)以上の資産を有しているという。この調査は毎年行われてきたが、1000万香港ドル以上の資産を持つ人々の絶対数は2010年から2020年の10年の間に4倍に増えている。新型コロナウイルスの流行にもかかわらず1000万香港ドル以上の資産を有する人々のうち25%は2019年よりも資産が増加したと答えている。

この調査によれば1000万香港ドルの資産を有する人々のうち、香港の不動産購入に興味があるのは8%、中国本土の不動産購入に興味があるのは14%である一方で、海外の不動産購入に興味があるのは27%。これらの富裕層の中には投資移民目的で海外の不動産を購入しようとする人々も少なくないだろう。

また、クレディスイスに附属するシンクタンクが発表した「グローバルウェルスレポート2020」によれば、香港の一人当たりの個人資産の平均はおよそ52万米ドル(現在のレートでおよそ5700万円)というデータもある。

確かに、これらの富裕層の存在は香港の大きな経済的格差を示している。だからと言ってそれはごく一部のかなりの富裕層が香港の平均資産を大幅に引き上げているということを意味するわけではない。1億円以上の資産を有する人が香港には数十万人単位で存在し、彼らの家族も含めれば投資移民を検討できるほど人がかなりの数いることを示している。

人気の移民先は?

では、香港人にとって人気の移民先はどこだろうか。投資移民とは限らないが、香港中文大学の香港アジア太平洋研究所が2020年9月に行った世論調査では、どこへの移民を計画しているかについても移民希望者に尋ねている。

この調査によれば23.8%の回答者がイギリスへの移民を希望しており、それにオーストラリア(11.6%)、台湾(10.7%)、カナダ(9.3%)、アメリカ(5.0%)、日本(2.0%)と続く(複数回答不可)。

イギリスが多いのは、香港の中国返還前に出生しBNO(英国海外市民)パスポートを所有する香港人に、ほぼ無条件でイギリスでの就労・就学も含めた滞在を認めたからだろう。彼らはイギリスに5年居住したのちに、無期限の居留権を取得でき、その後条件を満たせば通常のイギリス国籍を取得することも可能だ。

他に人気の移民先はオーストラリアやカナダなどの英語圏だ。これらの国々が人気なのは英語を使えるからというだけではなく、すでに移民した香港人の親戚も多いという理由もあるだろう。移民する本人がすでにそれらの国の国籍を有しているというパターンもあり得る。

例えば、2010年11月に香港バブテスト大学などが実施した調査によれば、香港のおよそ7.9%の世帯がカナダ国籍を持つ人を有するという。同じ世帯にカナダ国籍を持つ人がいれば、本人は当然自由にカナダで就労・就学できるし、その家族も親族呼び寄せビザなどを利用して移民することも可能だろう。

台湾が人気なのは、香港との文化的・言語的差異が小さく、生活コストが安いからだと考えられる。2019年に台湾で居留許可を取得した香港人は5858人だったが、2020年は新型コロナウイルスの流行があったのにも関わらず2019年の2倍近くの10813人もの香港人が台湾で居留許可を取得している。

香港の街角にならぶ日本のマンションの見取り図

先述の調査によれば日本に移民したい人々は2%ほどで多いわけではないが、今年2月に「一般社団法人日本香港人協会」が設立されるなど日本への移民の動きも存在する。

日本への移民希望者に話を聞くと、日本を選ぶ理由は台湾移民希望者に似ている。香港との文化的差異が比較的小さく、旅行などで馴染みがあるからなどの理由を耳にする。ちなみに2019年の1年間に香港から日本に旅行に来た観光客数はのべおよそ230万人で、単純計算で1年間に香港の人口の3割が日本に旅行に来たことになる。

香港の不動産業者が日本の不動産を扱っていることはごく普通のことで、例えば「住之江公園駅まで徒歩8分」と書かれたマンションの間取り図を道端で見かけることも珍しくない。

香港の住宅に比べれば日本の住宅ははるかに安く、新型コロナウイルスの感染拡大で日本との行き来ができない中、日本で現物を見ずに香港で日本の不動産購入の契約をしてしまう香港人も少なくない。


投資移民に限らず、日本では新卒でも就労ビザが取得できる可能性が比較的高く、これも先進国の中では珍しい。このようにビザ取得の面では日本への移民ハードルは比較的低いように思える。

しかし、これらのことはなぜかあまり知られていない。先述の調査では移民を計画する15.7%は移民先について「わからない・決定していない」と回答している。

香港社会の先行きが不透明な中でまだ行き先を決めていない人々が様々な国を比較検討した結果、日本を選ぶのかが注目される。ちなみに、日本は富裕層以外も投資移民が可能な数少ない先進国だ。日本の在留資格「経営管理」の取得要件は「日本居住者を2人雇用する」か「資本金500万円を用意する」ことなどとされていて、他の先進国に比べれば少ない初期費用で投資ビザを取得することができる。このことを利用して、実際に日本で香港スタイルのレストランなどを開業した香港人もいる。



年収400万円台から購入可能なマイホーム×不動産投資。賃貸併用住宅アパルトレジデンス「AR東林間」販売開始


[株式会社フロンティアハウス]

土地付き4,000万円台からの賃貸併用住宅で、若年層も資産形成を可能に。

株式会社フロンティアハウス(本社:横浜市神奈川区 代表取締役:佐藤勝彦、以下当社)は、「アパルトレジデンス東林間」の販売を開始いたします。
年収400万円台から購入が可能な、マイホームと不動産投資のハイブリッド商品です。小田急江ノ島線「東林間」駅より徒歩12分、都内へのアクセスがよい、閑静な住宅街にアパルトレジデンスが誕生します。



【コロナを経て変わる若者の”お金に対する意識”と賃貸併用住宅(※1)「アパルトレジデンス」】
新型コロナウイルス感染拡大による影響は続き、今後の経済への不安が拭えない状況が続いています。特に若年層において、「貯蓄から投資へ」と”お金に対する意識”が変わり始めています。当社のアパルトレジデンスは、物件価格を5,000万円以下に抑えているため、若年層でもマイホーム取得と不動産投資の二つの需要に、経済的に無理なく応えられる商品です。

※1賃貸併用住宅とは
1つの建物に自宅と賃貸住宅が共存している不動産のことをさし、当社では、コンパクト賃貸併用住宅「アパルトレジデンス」の開発をおこなっています。
「アパルトレジデンス」は、マイホームでありながら、収益を生むことが出来る、ハイブリッド商品です。
詳細はこちら:https://www.frontier-house.co.jp/lp/appartresidence/

【アパルトレジデンス東林間 特徴】
■アクセス
小田急江ノ島線「東林間」駅は、県内有数のターミナル駅「相模大野」駅、「中央林間」駅から、一駅となりに位置しています。「新宿・渋谷」駅へは、共に乗り換え1回、約50分でアクセス可能です。加えて、東京メトロ千代田線への乗り入れもあるため、大手町方面への通勤・通学にも困りません。

■周辺環境
戸建て住宅が多く、落ち着いた住環境です。通りから少し奥に位置しているため、プライベートの確保が可能です。さらに、南東側は建物がなく開けているため、十分な日当たりが見込めます。


■アパルトレジデンス東林間 物件詳細
名称   :アパルトレジデンス東林間
所在   :相模原市南区上鶴間
交通   :小田急江ノ島線「東林間」駅徒歩12分
土地面積 :110.72平方メートル
土地権利 :所有権
完成   :令和3年7月末予定
構造   :木造地上2階建
総戸数  :3戸 (オーナールーム1戸 +賃貸2戸)
※掲載の画像はイメージであり、仕様は予告なく変更となる場合があります。

■今後の展望
「不動産投資をより身近に、より多くの方に。」をミッションに、年間60棟のアパルトレジデンスシリーズの開発を進めます。また、コンセプト付き物件や多棟現場、関東近郊への開発エリアの拡大を目指します。

■株式会社フロンティアハウスについて
名称   :株式会社フロンティアハウス
設立   :1999年4月
代表取締役:佐藤勝彦
住所   :神奈川県横浜市神奈川区東神奈川1-11-8 FHレガーレ
事業内容 :「不動産投資をより身近に、より多くの方に。」をミッションに、アパート・マンション等の収益用物件の開発・分譲を中心に、土地仕入、建築、販売、リーシング、賃貸管理までをワンストップスキームでお客様へのお役立ちを目指す、総合不動産サービス事業を展開しております。
会社HP  :https://www.frontier-house.co.jp/

「アパルトレジデンス」詳細はこちら
https://www.frontier-house.co.jp/lp/appartresidence/

■本件に関するお問合せ先
株式会社フロンティアハウス
webマーケティングチーム 長岡 史樺
横浜市神奈川区東神奈川1-11-8 FHレガーレ6F
mail:webm@frontier-house.co.jp
携帯:080-7143-6377
TEL:045-440-6377
URL:https://www.frontier-house.co.jp/



不動産投資家向け新築アパートメーカーのフィリックスが 4,980万円の土地込・投資用新築アパートを開発


フィリックス株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役:水野 秀則)は、2021年4月に土地込みで4,980万円の投資用新築アパートを開発致しました。

これまで愛知県内で3階建て9戸の新築アパートをメインとして供給してきましたが、近年の低投資での不動産投資需要に対応するため、2階建て6戸の新築アパートを開発し、4,980万円以下(利回りは8.2%~9.0%を予定)での供給を行います。土地購入費込みで4,980万円となるため、年収500万円からの新築アパート投資が可能となります。


フィリックスアパート


【商品特徴】

・新築アパートで利回り8%以上の商品提供

愛知県は製造業の発展を背景に、名古屋市は23年連続で人口が増加しております。また今後のリニア開通など継続的な発展が見込まれるエリアです。その市場を背景に、同社の品質は維持しつつ徹底したコストダウンにより、当社が提供する新築アパートは利回りが8%以上と高い水準を維持しております。


・賃貸住宅に強い会社ランキング 東海エリアでの建築実績

自社開発による賃貸住宅の建設では1位と、不動産投資家向けの賃貸住宅の建設・提供においては東海エリアでは有数の実績を保有しております。全国賃貸新聞 2020年6月22発刊の「賃貸住宅に強い会社ランキング」にて東海エリア5位となりました。



【背景】

当社は、アパートメーカーとしてこれまで東海圏において、不動産投資家に収益物件の提案・販売を行ってきました。3階建て新築アパートをメインとして展開し、価格帯で6,500万円~9,000万円となり、自己資金をもつ投資家や高年収の投資家に限られておりました。5,000万円未満での販売価格とすることで、これまでよりも多くの顧客層に供給が可能となります。

ホームページ: https://www.felix-japan.jp/



【フィリックス株式会社について】

新築アパート建築を中心に賃貸管理事業、商社業、建設業者支援サービス、IT事業など幅広く行う。


・会社概要

社名  :フィリックス株式会社

代表者 :水野 秀則

所在地 :〒450-0003

     愛知県名古屋市中村区名駅南1丁目17番23号ニッタビル2階

設立  :2008年10月1日

事業内容:新築アパート建築・分譲事業

     不動産投資・収益物件の販売事業

     リノベーションマンション分譲事業

     設計・建築事業

     賃貸管理事業

     住宅設備事業

     IT事業

     建設業者支援サービス


不動産投資に「20代の若者」が続々と参戦する訳

金余りを背景に利回りの高さにも期待集まる


2020年4月の緊急事態宣言以降、将来の収入不安に対する備えや運用資産を見直す動きから、不動産投資に目を向ける人が増えている。現状は「不動産投資ブーム」の様相を呈していると言っても過言ではない。

『週刊東洋経済』4月19日発売号は「不動産投資 天国と地獄」を特集。コロナ禍でも衰えない不動産投資ブームの最前線を追っている。

『週刊東洋経済』4月19日発売号の特集は「不動産投資 天国と地獄」です。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら

ファーストロジックが運営する投資用不動産サイト「楽待(らくまち)」の会員登録数は右肩上がりだ。2021年1月時点の楽待の会員数は23.6万人と、202020年3月の19.6万人から20%超も増加した。

同じく、投資用不動産サイト「健美家(けんびや)」もユニークユーザー(UU、サイト訪問者)数がここにきて急増している。この2月にはUU100万人を突破し、3月に入っても勢いは衰えず前月比で25%も伸びた。

健美家が会員向けに実施した調査によれば、約6割の投資家が「物件を探している」と回答した。コロナ禍での家計の「金余り」を背景に、運用難にあえぐ資金は不動産へと流れ込む。株式や債券と比較しても、相対的に利回りが高いことも投資家を引きつける。

(出所)『週刊東洋経済』4月19日発売号「不動産投資 天国と地獄」

26~45歳が過半を占める

不動産投資の鼻息が荒いことは確かなようだ。では、どのような層の人が投資意欲を高めているのだろうか。ファーストロジックの広報担当・尾藤ゆかり氏は「最近は若い層の投資意欲が増している。現在投資している人の半分ぐらいが初心者の方なのではないか」と語る。

楽待の会員の年齢層を見てみると、その傾向が鮮明に出ている。2018年12月末時点(サイトを開設した2006年3月から2018年12月までに新規登録した会員)では、登録者のうち26~35歳の割合が19.9%、36~45歳の割合が36.6%、合計すると26~45歳以下の会員は56.5%だった。これが2021年3月15日時点(2006年3月から2021年3月15日までに新規登録した会員)では、26~35歳の割合が26.8%、36~45際の割合が33.5%、合計すると26~45歳以下の会員は60.3%と3ポイント以上も増えた。

不動産投資を始めた動機についてはどうか。健美家の倉内敬一社長は「老後の収入不安へのリスクヘッジ、そして副収入を目的にして投資を始める人が全体の8割ぐらいを占めている」と説明する。

実際、楽待が会員向けに今年3月に実施したアンケートによると、不動産投資を始めたきっかけは「資産運用のため」「給与以外の収入が欲しい」「老後の生活資金や年金の不安から」との回答が圧倒的に上位を占めた。

区分マンションの人気が高まっている

投資対象としては、2~3年前までは1棟アパートが活況だった。だが、2018年にスルガ銀行がシェアハウスオーナーなどにずさんな融資をしていた問題が表面化して以降、金融機関は1棟物件を中心に融資を引き締めた。総額の張る1棟物件に対しては、アパート・マンション問わず融資が厳しくなっている。そこで、最近は比較的融資を受けやすい区分マンションが人気だ。

また「投資を始めたばかりの若い人は戸建てに目を向けることが多い」(ファーストロジックの尾藤氏)という。ボロボロの戸建てを500万円以下で買って、自分でリフォームして、賃貸するケースもある。ただ、ぼろ戸建て投資はリスクが高いため、注意が必要だ。

かつての不動産投資と言えば、中小企業経営者などが節税対策で木造アパートなどを建設するイメージが強かったが、最近は投資家層、参入動機ともに傾向が変化しているようだ。


TECROWDでモンゴル不動産投資、メリット・デメリットは?リスクも


1.TECROWD(テクラウド)とは

TECROWD(テクラウド)TECROWD(テクラウド)とは、経済成長が著しい新興国の不動産に投資ができる不動産型クラウドファンディングサービスです。

新興国における不動産投資では、日本と比較して高いリターンを期待できるという傾向があり、TECROWDでは、モンゴルなど中央アジアの新興国の不動産物件を専門に扱っています。

また、投資対象となるのはTECROWDを運営し、日本や海外で建設業・不動産業を展開するTECRA株式会社が建設・施工・管理する物件のみとなっており、日本の不動産物件と同等の品質を確保しています。

2.モンゴル不動産投資とは

東南アジアや中央アジアでは人口増加率が高く、不動産市場においても高い将来性が期待されています。

なかでもモンゴルは人口増加率が高く、不動産需要の増加・不動産価格の値上がりを期待できます。また、10歳未満の子どもを除いて、20代前半から30代前半の労働者人口が最も多いため、住宅需要が今後も増加することが予想されます。

さらに、モンゴルの首都ウランバートルは、全国民の半数近くが住んでおり、人口密度が高いため、一定の賃貸需要も期待できます。

2021年4月時点、モンゴルでは通貨の海外送金規制がないため、モンゴル不動産投資で発生した利益を日本に送金して使用できるというメリットもあります。(※将来的に通貨規制が敷かれる可能性はゼロではありません)

これらの人口増加率や不動産に対する需要が豊富であることを背景に、モンゴルを海外不動産投資の対象国の選択肢として注目する方も少なくありません。

【関連記事】モンゴル不動産投資のメリット・デメリットは?物件購入の手順も

3.TECROWDでのモンゴル不動産投資のメリット

TECROWDでモンゴル不動産投資を行うメリットは下記の通りです。

  • 募集想定利回りが高い
  • 定期的なリターンを期待できる
  • 為替変動リスクの対策が講じられている
  • 不動産投資を始めやすい
  • 優先劣後方式によって投資家を保護する仕組みが整っている

3-1.予定分配率が他社と比較して高い

TECROWDでは2021年4月時点で2つの案件が公開されていますが、いずれも募集想定利回り(予定分配率)は8%に設定されています。

他社の不動産投資型クラウドファンディングでは、3%~5%程度の予定分配率に設定していることが多いことから、TECROWDの期待利回りは比較して高いと言えるでしょう。

3-2.定期的なリターンを期待できる

TECROWDの1号ファンド・2号ファンドともに、3ヶ月毎に計8回の配当が実施されるため、定期的なリターンを期待できます。

また、グループ企業「Invescore Property LLC.」社による一括借り上げ・集金代行が行われる仕組みとなっているため、物件に空室が生じた場合でも一定額の家賃が支払われることになり、配当への影響を抑えられます。

ただし、今後このようなリスク対策は案件ごとに異なってくる可能性もあります。それぞれの案件でどのような対策が講じられているかを確認することが大切です。

3-3.為替変動リスクの対策が講じられている

海外運用の案件には為替変動リスクが伴うことに加え、新興国の場合は社会情勢に影響されやすいために、投資物件の価値が大きく下がる可能性があります。

また、為替市場の動向によっては、日本円に換算した場合に利益が目減りしたり、損失に転換したりするケースもあります。

TECROWDでは各物件を円建てにて一括借り上げしており、為替変更によるリスクを低減しています。そのため、案件運用が想定通り行われた場合、為替変動が起きても影響を抑えることができます。

3-4.海外不動産投資を始めやすい

現物不動産投資を行う場合、金融機関からの融資を受けたり、さまざまな手続きに対応したりする必要があります。

特に海外不動産の場合、現地での口座開設や入居者の募集、物件・設備の管理点検、現地での税務処理などさまざまなタスクをクリアする必要があり、投資初心者にはややハードルが高く、手間のかかるデメリットがあります。

TECROWDを利用すれば、実際の運用業務をすべて一任できるため、上記のような手間や時間を掛けることなく海外の不動産に投資できます。

また、税務処理も日本国内で行うことになるため、海外不動産に対する知識や経験が十分でなくても不動産投資を始めやすいというメリットがあります。

3-5.優先劣後方式によって投資家を保護する仕組みが整っている

TECROWDでは、優先劣後方式による元本毀損リスク対策を講じています。

優先劣後方式とは、投資する物件の不動産価格が下落して損失が発生した場合に、劣後出資者である運営会社から先に損失を負担する仕組みのことです。これにより、一定割合の損失までなら投資家の元本が保護されることになります。

4.TECROWDでのモンゴル不動産投資のデメリット・リスク

TECROWDでのモンゴル不動産投資のデメリットやリスクは下記の通りです。

  • 元本保証はない
  • 日本の案件と比較して不動産の情報を確認しづらい
  • 運用期間が長い
  • 運用実績がない

4-1.元本保証はない

メリットの項目で前述したように、TECROWDでは日本円による投資対象物件の一括借り上げや優先劣後方式の出資などによる、元本毀損リスクや為替変動リスクへの対策を講じています。

しかし、TECROWDでの投資は元本が保証されるわけではありません。また、新興国をはじめとした海外の不動産に投資する場合は、経済・為替リスクや政治的リスクなど、さまざまなリスクに注意する必要もあります。

経済・為替リスクとは、通貨の下落や国家的な経済情勢に対するリスクのことをいいます。海外不動産投資においては、開発プロジェクトの中断、入居率の低下、配当金の下落などによって、出資金に対する影響が出るケースがあります。

政治的リスクとは、法改正や国内外の情勢悪化に伴うリスクのことで、物件建築の中断、追加設備の費用発生、入居率や賃料収入の低下、海外送金への規制などが起こる可能性があります。

これらの影響によって損失が発生する可能性があります。関連するリスクについてはTECROWDのファンド紹介ページにも記載されているので、あらかじめ確認しておきましょう。

4-2.日本の案件と比較して不動産の情報を確認しづらい

TECROWDでモンゴル不動産に投資する場合、ウェブサイトに掲載されている以外の情報を確認しづらいというデメリットがあります。

モンゴルまで行って実際の物件を確認することは難しく、周辺エリアの情報を集めるのも、日本の不動産と比較してハードルが高くなります。

4-3.運用期間が24カ月とやや長い(2021年4月時点)

TECROWDが公開している2つの投資案件は、いずれも運用期間が24ヶ月と長めに設定されています。他社の不動産投資型クラウドファンディングでは6ヶ月~12ヶ月の運用期間が設定されていることも多く、それと比較すると長期の運用期間であることが分かります。

運用期間が長いということはその間資産は拘束されることになり、元本毀損のリスクを負い続ける期間も長くなります。私生活に影響のない、余裕資金で投資を検討することが重要です。

同サービスを利用して投資を行うことが自分に合っているのか、リスクを許容できるのかを考慮して、投資の是非を判断されてみると良いでしょう。

4-4.クラウドファンディングの運用実績がない(2021年4月時点)

TECROWDの1号ファンドは2021年5月から(募集期間は終了)、2号ファンドは2021年6月から運用が開始されます。つまり、2021年4月時点で実際の運用や配当金の分配を行った実績がないということになります。

比較的新しい投資手法である不動産投資型クラウドファンディングにおいて、過去の実績を確認したうえで投資を検討したい方もいます。このような方にとって、実績が無いことはデメリットとも言えるでしょう。

ただし、TECROWDの運営会社は海外で建設業・不動産業を展開するTECRA株式会社であり、不動産事業者としての実績やノウハウは豊富であることが伺えます。実績が無いことで投資を悩まれている方は、運営会社についても確認することを検討してみましょう。

まとめ

今回は、TECROWDでのモンゴル不動産投資のメリット・デメリットについて紹介しました。

モンゴルの不動産への投資は、人口増加率の高さによる需要増が見込めるため、将来性が高いといえます。また、TECROWDが手掛ける案件は日本のグループ企業が建設・施工・管理をしているため、日本の不動産を同等の品質を期待できます。

ただし、特に新興国の不動産投資には特有のデメリットやリスクがあるため、投資の是非については総合的に判断する必要があります。

TECROWDを利用した投資や中央アジアの不動産への投資を考えている場合は、本記事を参考に、慎重に検討してみましょう。



不動産投資「成功者は参入者の1%」を打破するスキームとは?


正しい知識を持ち、しっかり物件を選べば大丈夫

ここでは、不動産投資の基本的な流れ、ステップについて解説します。不動産投資のしくみについて理解を進めていきたいと思いますが、その前に、筆者が多くの成功者を見てきた経験からわかった、不動産投資で勝つためのポイントについてお伝えしましょう。

 

 

とあるマネー本には、「不動産投資で成功するのは、参入者のわずか1%である」と書かれています。私の経験上、正しい知識を身につけて、買う物件さえ間違わなければ、それほど失敗しないはずなのですが、どうにもその前に、道を間違えてしまう方が多いようなのです。

 

不動産投資をこれから始める人にとっては、最初の1棟がそのあとの道筋を決める大きな分かれ道となります。そうはいいつつも、数多くいるサラリーマン投資家のなかで、成功を収めるには、1棟だけでは勝ち抜くことはできないのも事実です。

不動産投資も「複数に分散する」ことで安定させる

不動産投資は、複数棟を所有することで「スケールメリット」が出てきます。スケールメリットとは、「経営規模が大きくなれば、それだけ生産性や経済効率が上がる」という意味です。これによって、アパート経営を安定させることができるのです。

 

1戸だけでは、何かトラブルがあったときに出費がかさむなど、リスク許容量が低くなります。つまり、複数棟を所有するからこそ、「分散投資」になるのです。

 

たとえば、50戸の部屋を所有していて2戸空くのと、5戸の部屋を所有していて2戸空くのでは当然ながらダメージの程度が違います。スケールメリットが大きいほうが、ダメージが少ないのは言うまでもありません。

 

不動産投資も、株などの金融商品と同じく、1つのものを集中して買うのではなく、複数のものに分散して投資することで、安定させることができます。

 

リスクを分散させるには、次のような方法があります。

 

●物件のエリアを分散させる

●ファミリー向け、単身者向け、ターゲット層の異なる物件を所有する

●1棟もの、区分、新築、中古など、タイプの違うものを組み合わせる

 

このように、エリアやターゲット層、構造などが異なる不動産を組み合わせることで、リスク分散することができます。

 

たとえば、関西の物件で空室が多く発生しても、関東の物件でカバーできていたり、九州の物件が自然災害に遭ってダメージを受けていても、東北の物件で順調に入居が埋まっていれば、慌てずにすむのです。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

複数所有は「キャッシュフローを増やす」ことで実現

複数所有するといっても、初心者にとっては、買い進めるのがなかなか難しく感じられるものです。どうすれば良いかというと、1つは自己資金をしっかり貯めておくことです。実際のところ、サラリーマン投資家として成功している方でも、自己資金を1000万円以上持っている人は、ほとんどいません。ポイントとしては、貯めたお金は、使わないように極力抑えることです。

 

 

さらに自己資金をなるべく出さずに、融資を使って買う方法を知るべきです。複数棟持つために自己資金を抑え、しっかりとキャッシュフローを出すことが大事です。なぜなら、そこを金融機関がチェックして、次の融資を出すかどうかの検討材料にするためです。

 

たとえば、家賃収入が毎月50万円あっても、ローンの返済が毎月50万円であれば、次に欲しい物件があっても、アパート経営の能力があるとは評価されず、融資が下りず、次の物件を買うことができません。家賃収入が毎月50万円入ってくるなら、返済は毎月30万円にしておかないと、いつまで経っても現金は増えていきません。

 

したがって、「キャッシュフローがよくなる物件を買う」ことが資産を拡大するポイントになります。

信頼できる不動産会社を見つけ出し、関係を築く

キャッシュフローがいい物件をいかにして見つけるか。これはサラリーマン投資家にとって、最大の課題と言えるでしょう。

 

最初に結論から述べると、いい物件を紹介してくれるのは、信頼できる不動産会社です。ただし、ふらりと会社帰りに賃貸業者や不動産会社に立ち寄っても、いい物件はなかなか見つからないでしょう。

 

サラリーマンを続けながら不動産投資で成功を目指すなら、サラリーマン投資家を成功に導くことを専門に行っている不動産会社に相談すべきです。

税金や管理費など諸費用を抑制し、安定運営を行う

キャッシュフローの良い物件を購入して、利益が毎月出るようになったら、税金のことも把握し、管理していかなくてはなりません。税金を納めることは国民の義務ですが、払いすぎては次の物件へとコマを進める際のネックになりますので、税金を適正に抑えることがポイントになります。

 

もちろん、税金だけではなく、安定的に賃貸経営をしていくためには、管理会社が優秀でないと務まりません。不動産会社と同様に、信頼できる管理会社を選定して、よいパートナーシップを築いていきましょう。

出口戦略を考えた物件購入を行う

優秀な管理会社を見つけて関係を築いていくと、アパート経営は安定してきますが、安定してきたからといって、安心してはいけません。不動産投資の勝敗を最終的にジャッジできるのは、売却後です。

 

不動産は最終的に、いつか売却することになります。不動産投資における売却のことを「出口」といいます。「どのように売却するか」という出口戦略によって、最終的な利益が確定されます。キャッシュフローは十分に確保できたとしても、安く売ってしまったら、損を出すことにもなりかねません。

 

 

ここまでをまとめると、不動産投資で勝つポイントとは、まず、できるだけたくさんの優良物件を見極めて買うこと。次に、キャッシュフローをしっかり出して、税金や諸費用を抑えて、安定運営すること。そして、いいタイミングで、高く売ることです。

 

以上が、私が累計500棟にも及ぶ取引のなかで実感したサラリーマン投資家の成功の共通点です。ぜひ、不動産投資の基本を学ぶ前に、頭に入れておきましょう。

利益が上がったら「次の業務展開」を考えよう

不動産投資を成功させるにあたり、基本を学ぶ前にもう1つ、ぜひ覚えていただきたい重要なことがあります。それは「不動産投資によって、不労所得を得られる」という考え方ではなく、「利益が上がったら上がったで、次の業務展開を考える」など、経営者としてのマインドを持つことです。

 

 

不動産投資は、一度不動産を手に入れてしまえば、「オーナーはほとんど何もしなくてもいい」「ほったらかしで、家賃収入を得られる」といった業者のうたい文句に乗って、購入後のことを安易に考える方が少なくありません。しかし、実際にはそれほど甘くはありません。

「経営者マインド」は、満室経営に必要不可欠なもの

空室が埋まらなければ、手を替え、品を替え、管理会社とどうつきあったらいいか、対策を練る必要があります。また、空室を1、2戸埋めるためにオーナー自ら管理会社に働きかけて、管理会社をコントロールしないといけません。

 

外から見て同じようなマンションが隣接していても、どのオーナーが、どの管理会社を使ってその物件を運用するかによって、不動産投資の収支が赤字になるか、黒字になるか、どちらの可能性もあるのです。

 

管理会社としっかり向き合ってつきあうことで、物件の価値を上げることが可能です。たとえ、駅から距離があって、老朽化が進み、空室が多い地方のアパートを安く手に入れたとしても、空室だらけになるとは限りません。

 

入居募集を行う管理会社がニーズを的確に汲み取り、入居者が集まりやすいリフォームを施していけば、いくらでも満室経営にできるチャンスがあるのです。

 

私が仲良くさせていただいている〝メガ大家〟と言われる投資家も、最初はみな、サラリーマン大家でした。コネも人脈も知識もないところから資産を拡大させています。その理由はサラリーマンで培った仕事やコミュニケーション、交渉術のノウハウを活かし、経営者マインドを発揮しているからだと感じています。

 

 

オスカーキャピタル株式会社

代表取締役社長 金田 大介



政府が掲げる「貯蓄から投資へ」というスローガンのもと、我が国においても資産運用の必要性が徐々に認識されつつある。「老後2000万円問題」が叫ばれるなか、書店にはマネー本が溢れかえり、資産形成セミナーは連日の賑わいを見せている。さらに、暗号資産やロボアドバイザーといった新たな投資対象も続々と生まれている状況だ。

 その一方で、サラリーマンを中心に根強い人気を誇っている投資対象がある。それが不動産投資だ。不動産投資といえば、これまでは家賃収入を得ることを目的として、マンションやアパートに投資することが一般的だった。しかし、投資行動にも社会貢献性が求められる昨今、新たに「保育園」への投資が投資家の間で注目されている。

保育園を対象としたクラウドファンディングが即完売
 東京都北区滝野川にある認可保育園「キッズガーデン北区滝野川」。2020年12月7日にスタートした不動産投資型クラウドファンディングサービス「タスキFunds(ファンズ)」の第1号案件「タスキ キャピタル重視型 第1号ファンド」の対象となった物件だ。クラウドファンディングで募集が開始されるや否や即完売となり、業界内で大きな話題を呼んだ。

 なぜ保育園を投資対象とする不動産クラウドファンディングに投資家が殺到したのか。その背景について、経済アナリストで3児の父でもある株式会社マネネ代表取締役の森永康平氏は、こう指摘する。

「1997年に共働き世帯数が専業主婦世帯数を上回って以降、その差は拡大し続け、足元では共働き世帯数は専業主婦世帯数の倍まで増えました。その結果、保育園の需要は年々高まっており、投資対象として保育園に魅力を感じる投資家が増えているのです」

 ちなみに、保育所には児童福祉法に基づく認可保育所と認可外保育所の2種類がある。認可保育所は国が定めた設置基準(施設の広さ、保育士等の職員数、給食設備、防災管理、衛生管理等)をクリアした上で、都道府県知事から認可された施設である。公的な施設であることから、国や自治体などから補助金が給付されている。

収益の安定性に特に定評がある保育園投資
 もともと保育園は、不動産投資のなかでは収益性が高い物件とは捉えられていなかった。実際、東京都は2016年から保育園などの福祉施設について、民間資金を活用して建設する方法を議論していたが、17年3月に取りまとめた報告書では、「福祉関連施設は収益施設に比べ、収益性が一定程度劣る」と結論づけている。

 しかし、ここ最近は風向きが徐々に変わりつつある。確かに純粋な投資利回りでは保育園物件は収益物件より劣るケースが少なくないが、「安定した自治体からの補助制度」「共働き世代の増加」などを背景として、投資対象に求められる運営面の安定性を高く評価する投資家が増えているのだ。実際、国内外の投資ファンドのなかにも、保育園投資をポートフォリオに組み込むことを加速する動きが見られる。

ニュースサイトで読む: https://biz-journal.jp/2021/04/post_219963.html
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これからの時代において欠かせないESGの視点
 加えて、昨今は収益性を追求するだけでなく、社会貢献性の高い投資がますます求められるようになってきている。特にリーマンショック以降は経済的なリターンだけでなく、環境や社会へ与えるインパクトなどの要素を考慮した”ESG投資“の重要性に関心が集まっている。

 ESG投資とは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取って名付けられた。従来の投資手法では企業の売上や利益、財務安定性等の指標で企業の有望性を評価していたのに対して、ESG投資では環境や社会的な要素を重視するという点が大きな特徴とされている。

 国内では、2017年から年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がESG指数に連動する投資を開始したことが話題を呼んだ。運用額は当初は1.5兆円ほどだったが、現在は約3兆円にまで拡大している。

 待機児童問題という重要な社会的課題の解決につながることを踏まえれば、保育園物件はESG投資の観点から望ましい投資対象のひとつと捉えることもでき、今後、不動産投資マネーの流入がさらに加速する可能性がある。

 この点について、保育園物件の不動産クラウドファンディングを手掛けた株式会社タスキ取締役の柏村雄CFO(最高財務責任者)は、以下のように不動産業界においてもESG投資の重要性が高まりつつあることを指摘する。

「ESG投資は、すでに世界で大きな広がりを見せていることや、日本政府も普及に向けて取り組んでいることから、不動産投資においても重要な考え方になっていくと考えています。国土交通省からは、脱炭素で貢献できる分野が大きいことから不動産に特化した指針が設けられるなど、今後、不動産評価にも大きな影響を与えると予測しています」

 人口減少社会においては「不動産価値は下がる」という意見が根強い。しかし、東京の人口に関しては、いまだに増加を続けており、「都内・駅5分以内」に関しては依然として優位な状況が続いている。

 また、リモートワークが加速する今、子供を保育園に預ける必要性は薄れつつあるとの指摘も見られるが、ワクチン接種が進むなか、海外ではオフィスワークを段階的に再開する流れが生まれてきており、日本でもその流れが強まる可能性は十分にあると考えられる。

 何より、慢性的な社会課題である待機児童問題が根本的に解決されない以上、保育園への需要は基本的に底堅いとみていいだろう。資産運用においても社会貢献性が求められる今、一度、保育園投資を検討してみてはいかがだろうか。
(文=勝木健太/株式会社And Technologies代表取締役)

勝木健太
1986年生まれ。幼少期7年間をシンガポールで過ごす。京都大学工学部電気電子工学科を卒業後、新卒で三菱UFJ銀行に入行。4年間の勤務後、PwCコンサルティング/有限責任監査法人トーマツを経て、経営コンサルタントとして独立。約1年間にわたり大手消費財メーカー向けの新規事業/デジタルマーケティング関連プロジェクトに参画した後、大手企業のデジタル変革に向けた事業戦略の策定・実行支援に取り組むべく、株式会社And Technologiesを創業。「FIND CAREERS」を中心に、「転職サイトZ」「転職エージェントZ」等の複数の情報サイトを運営。執筆協力実績として、『未来市場 2019-2028(日経BP社)』『ブロックチェーン・レボリューション(ダイヤモンド社)』等がある。

ニュースサイトで読む: https://biz-journal.jp/2021/04/post_219963_2.html
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5つの舞台でアルファを創造し、
平均を上回る
驚異的なリターンを実現する



ソフトとハードの両面のデザインに注目する

 ハーバード式不動産投資術で、ぜひおさえていただきたいアルファを創造(Creating)する舞台(ステージ)は、次の5つになる。

 このステージでの平均値を少しでも上回り続ければ、驚異的なリターンを生み出し、社会的に大きなインパクトを生み、自分自身も楽しみながら充実した不動産投資ライフを過ごすことができるだろう。

 それぞれ、順を追って簡単に説明する。

(1)デザイン(Design)
(2)ファイナンシング(Financing)
(3)チームビルディングとネットワーキング(Team building&Networking)
(4)景気サイクルと出口戦略(Cycle&Exit)
(5)再現性と成長性(Repeatability&Scalability)

(1)デザイン(Design)

 デザインというのは豪華な外装や、きらびやかな内装にお金をかけることではない。建物の用途や構造、改修の仕方などを、企画し、工夫することで、平均的な家賃よりも高い家賃を稼いでくれる建物をつくることだ。下図にある通り、ソフトとハードの両面のデザインに注目しよう。

 加えて、投資総額を圧縮したり、賃貸運営経費(OPEX)がコストカットされるような建物運用方法を編み出すことも必要だ。

 つまり、純粋な実質収益(NOI)を高く稼いでくれる不動産を企画デザインしてもらいたい。もちろん、あなたが実際の設計やデザインをする必要はない。

 単身者向けの賃貸マンションなのか、シェアオフィスなのかなど、物件の大きな全体像をクリエイティブに企画し、各協力業者に対してさまざまな指示を明確に出せればいいのだ。

ローン後キャッシュフローを最大限にもたらしてくれる
有利な条件の融資を獲得する

(2)ファイナンシング(Financing/投資計画・資金調達)

 ファイナンシングとは、投資事業計画の策定であり、融資のスマートな活用方法であり、ローン後キャッシュフローを最大限にもたらしてくれる有利な条件の融資を獲得することだ。

 今取り組んでいる不動産投資活動が将来にわたってどれだけ儲かるかを知ったうえで、日々の不動産収益を管理する。

 これができれば、あなたの元手キャッシュを大きく増やすことができ、素晴らしい不労所得が毎年入ってくるのみならず、売却でも大成功を収めて、大きなリターンを得ることができる。

NOI(実質収益)を平均的な家賃相場よりも高く取れる工夫
TDC(総開発/投資費用)を効率よく圧縮、またはNOIを上げてくれる場合は追加での資本投下
Valuation(不動産評価額)を上げてくれる建物構造や構成

 これらで平均を上回り、アルファをクリエイトしてくれる投資計画書を策定しよう。

上田真路(うえた・まさみち)
建築家・不動産投資家
KUROFUNE Design Holdings Inc. 代表取締役CEO
ハーバード大学デザイン大学院で不動産投資と建築デザインを学び、投資理論とデザインの力を融合させたユニークな不動産投資を行う。
鹿島建設入社4年目に不動産投資を開始。数々の不動産投資セミナーに足を運び、不動産関連書籍を数十冊読破。そんな中で出会ったメガ大家集団をメンターに持ち、指導を仰ぎながら不動産投資をスタートする。最初に行った東京・神楽坂での新築マンション開発では超狭小地に苦労し、辛酸を舐めつつも独自の不動産投資スタイルを確立する。現在5棟の超優良物件を保有。保有物件の中では投資額が4年間のうちに26倍になったものもある。
1982年高知県生まれ。早稲田大学理工学部建築学科、同大学院卒業後に鹿島建設入社。
大学院卒業時にリゾートホテル開発プロジェクトにより早稲田大学小野梓芸術賞を受賞。
同社では国内外で建築設計や大規模な都市開発業務に従事。鹿島建設社長賞、グッドデザイン賞、SDレビュー賞などを受賞。2016年、ハーバード大学デザイン大学院(GSD)へフルブライト留学。2018年、GSD不動産デザイン学科を卒業、外資系不動産ファンドでの投資業務を経験した後、KUROFUNE Design Holdings Inc.(デザイン事務所兼不動産ファンド会社)を創業し独立。現在はハーバード学生寮生活で得た原体験をもとに、住まいと学びを融合させた国際学生寮「U Share」を開発運営する。また、慶應義塾大学SFC特任講師、早稲田大学特任講師として「不動産デザイン」について教えている。初の著書に『ハーバード式不動産投資術 資産26倍を可能にする世界最高峰のノウハウ』(ダイヤモンド社)がある。


不動産投資の
勝利の方程式
「Creating α」とは?


どんな時代でも生き残れる不動産投資家になるための極意とは何か? 不動産投資で利益をあげ続けるためには、基本となる知識やノウハウを学ぶ必要があります。ハーバード大学デザイン大学院で最先端の知識を学び、それに自身の体験から得たノウハウをミックスして体系化したハーバード式不動産投資術』(上田真路著、ダイヤモンド社)が発売されました。本連載では、世界のどこでも通用する、遍的で再現性のあるナレッジである不動産投資術について、同書の中から抜粋してそのエッセンスをわかりやすくお届けします。良い不動産をデザインするとは、どういうことか? 驚異のリターンを実現するファイナンスの極意とは? 不動産投資のリスクをどうコントロールしたらいいのか? などについて、実際の事例(ケース・スタディ)を踏まえてそのメカニズムを解き明かしていきます。不動産投資を始めたいと思っている人、すでに始めている人、さらに上を目指したい人必読です。好評連載のバックナンバーこちらからどうぞ。

Photo: Adobe Stock

丸の内のオフィスビルなら、
利回り2~3%でも買いたい人は多い

 下に掲げたのは、非常に単純なリスクとリターンの相関関係を表した図だ。

 リターンが高いものは、もちろんリスクも高い。その逆はローリスク・ローリターン投資、というわけだ。

 別の言い方をすれば、高いリスクをとる投資家は、高いリターンを得る可能性があるということだ。もちろんリスクにさらされている分、投資した資金が吹っ飛ぶ可能性は高くなる。

 ローリスクのみを許容する投資家は、もちろん投資元金が吹っ飛ぶ確率は低い代わりに、リターンもそれ相応に低いというわけだ。これを不動産投資で喩えてみよう。

 先述したが、東京駅前の丸の内にあるピカピカのオフィスビルの利回りは、2~3%くらいだ。もちろんリスクは極端に低い。100年たっても丸の内は丸の内だ。

 それに比べて筆者の出身地、高知の駅前マンションの利回りはどうか? だいたい9~11%くらいの利回りがないと誰も先の読めないリスクばかりで投資はしないだろう。過疎地だし、新幹線も残念ながら当面は通りそうもないので特需もなさそうだ。

 リスクとリターンの極端な例は、低く安定した利回りの日本国債では、ほぼゼロに近いリスクだし、その逆は新興国株などのボラティリティ(変動性)の大きい高リスク高リターン型株式投資だ。

「Creating α」は、
様々なファクターで「平均を上回る」こと

 冒頭の図表の45度の線は、斜め線の右上に向かってリスクが高まれば、それだけリターンも高まることを示している。逆も同じで、斜め線の左下に行ってリスクが低くなれば、それだけリターンも低くなるというものだ。

 この太く描かれた45度の均衡線、これを右上の領域に行きつつ、かつリスクを低減しながらリターンを高くすることが出来れば最高だ。

 しかし、そんな物理法則を打ち破るようなことができるのだろうか?

 このように45度の均衡線(境界線)の上半分の領域を見出すことを金融用語で「Creating α」という。プラスアルファを創造するために、不動産投資をクリエイティブに考えるということだ。

 すぐれた不動産投資家と起業家を長年輩出してきたハーバード大学デザイン大学院(GSD)のフランク・アペシェッセ教授は、自身も、このCreating α領域で淡々と投資を実行してきたからこそ、現在の成功があると授業で語っている。

「Creating α」は、平たく言うと、様々なファクターで「平均を上回る」ことだ。

 想像してみて欲しい。どんなアイデアだと平均を上回ることができるのだろうか?

 例えば、リターン(利益)を増やすためには、平均よりも有利な金利や長い返済期間で融資を受けられればローン後キャッシュフローを増やせる。

 実質収益(NOI)を平均よりも高くするために、空室率を減らしたり、建物維持や賃貸管理にかかる経費を見直してみる。新築開発なら、画一的で平凡なワンルームを計画するよりも、デザイン性の高い、貸し床面積の広い、素敵な住空間を計画する。

 売却時期はどうだろう? どんな時期でも平均的な売却評価額よりも高い価格で買いたがる買い手を引き付けられるだろうか? 好景気時はもちろんだが、リーマンショックやコロナショック時においても同様だ。

 では、これらの平均値を上回る戦略は、次の投資でも同じように再現してアルファをクリエイトできるだろうか?

不動産投資は一生使えるナレッジだ!

ハーバード式不動産投資術
上田真路[著]
定価1980円
ダイヤモンド社

どんな時代でも生き残れる不動産投資家になるための極意とは何か?

世の中に不動産や建物を買わせたい人(業者)は山ほどいるが、
その中で本当に投資してよいと判断できるものは、誰も教えてくれない。
業者の売り文句にダマされないために、そして、不動産投資で利益をあげ続けるためには、基本となる知識やノウハウを学ぶ必要がある。

著者は、ハーバード大学院不動産デザイン学科で最先端の知識を学び、それに自身の体験から得たノウハウをミックスし「ハーバート式不動産投資術」として体系化した。著者が学んだ不動産投資の手法は、世界のどこでも通用する、普遍的で再現性のあるナレッジである。

そのキーワードは、
1デザイン、2ファイナンス(資金調達)、
3チームビルディン、4景気サイクル&出口戦略、5再現性&成長性
の5つだ。
これら5つの分野で平均値を上回る工夫をすること。
これが著者がハーバードで学んだ「Creating α」という成功の極意である。
不動産投資を始めたいと思っている人、すでに始めている人、さらに上を目指したい人、
すべての人に読んでいただきたい入門書にして究極の書が完成。

本書を推薦します!
ハーバード・デザイン大学院不動産デザイン学科 マイケル・D・スピア名誉教授
リチャード・パイザー氏

ハーバード・デザイン大学院不動産デザイン学科共同学科長/ハーバード・ビジネス・スクール不動産マネジメントプログラム教授
ビン・ワン氏

主な目次

はじめに ~どんな時代でも驚異のリターンを上げ、社会的インパクトを創造する不動産投資家になるために

序章 ハーバード式不動産投資術を学ぶための心得
・何をおいても身につけるべきスキル、それは "Do Your Home Work!"
・ハーバードで学んだ不動産学は、世界の共通語、一生使えるスキル「BOE分析」

第1章 ハーバード式不動産投資術、普遍の方程式「Creating α」
・生き残る不動産投資家になる方程式はCreating α
・5つの分野でアルファを創造し平均を上回る

第2章 ハーバードで学んだ不動産をデザインするとは
・物件の内装デザインに惚れるな! 真の不動産デザインで判断せよ!
・掘り出し物の土地や物件の見つけ方の極意

第3章 ハーバードで学んだ不動産ファイナンスの極意
・驚異のリターン物語「BOEは映えるスナップショット、プロ・フォルマは壮大な映画」
・レバレッジ(てこの原理)を知る~ポジティブ・レバレッジとネガティブ・レバレッジ
・銀行を唸らせるハーバード式投資事業計画(プロ・フォルマ)とは

第4章 ハーバードで学んだ不動産チームの重要性
・クリエイティブ大家になるための良いチームの組み方~ワークフローマップ
・大家仲間は最強のメンターであり情報ソースだ!
・チームのパートナーを大切にしてこそ高いリターンを実現できる

第5章 ハーバードで学んだ勝ち残るために必要な景気サイクルと出口戦略
・10年の景気サイクルと5年の人の記憶サイクル~不況時に何ができるか?
・不動産投資の時間的価値(Time value of money)を味方にせよ!

第6章 ハーバードで学んだ再現性と成長性の戦略
・不動産投資をフルコースで楽しむ~調査から計画&投資、期中管理から売却まで
・アルファを生み出す戦略集

第7章 ケース・スタディから見えてくる不動産投資の新しいデザイン手法
Case 01:鰻の寝床形状の土地で勝つ
Case 02:超極小地超ペンシルビル



不動産投資「恐ろし過ぎる6つのリスク」を回避・解決する方法


①空室リスク:ニーズのある物件を厳選して回避

不動産投資における最大のリスクは、何といっても空室リスクです。みなさんもご存じのとおり、我が国の人口は減少傾向にあり、空き家が社会問題になっているのが現状です。

 

仮に1棟20室ある不動産を購入したとしても、空室だらけでは、返済計画が予定通りに行かなくなることがあるかもしれません。また、空室が増えれば、物件そのものの環境が悪くなり、退去が連鎖するなどマイナスの影響を及ぼすことにもなりかねません。

 

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

空室リスクを回避するために、アクセントクロスを貼って部屋の見栄えをよくしたり、家電をつけたりなど、少額でできる対策はあります。

 

しかし、大前提として、そもそも空室に悩まなくてすむような賃貸ニーズのある物件を買うことが一番の空室対策になります。そのためには、物件を購入する前に、近隣の不動産仲介会社に足を運んで、市場調査を念入りに行うことが大切です。

 

その際、次のような点に留意して、ヒアリングしてみましょう。

 

●街の人口
●最寄り駅の乗降者数(増加傾向か、減少傾向か)
●ライバル物件の入居状況
●検討物件の家賃相場

…など

 

さらに、地方や郊外で駅から距離があり、車での移動が中心になる場合、戸数に相当するだけの駐車場があるかどうかも見極めのポイントになります。こうした点に注意して、空室リスクを精査してから購入しましょう。

②家賃滞納リスク:家賃保証制度・連帯保証人で解決

空室リスクの次に気をつけたいのが、入居者の家賃滞納リスクです。たとえ入居者がいたとしても、全員が必ずきっちり毎月月末に家賃を払う確証はありません。

 

ここで注意したいのは、法律上は、アパートの所有者よりも、入居者サイドの権利が優先されることになっている点です。家賃を1ヵ月滞納したからといって、すぐに追い出すわけにはいかないのです。

 

アパートオーナーの中には、何ヵ月も何年も家賃を滞納され、裁判を起こしたケースも珍しくありません。本業が別にあるサラリーマン大家にとって、心理的にも大きな負担となることは言うまでもありません。

 


 

 

この家賃滞納リスクも、空室リスクと同じく、先手必勝です。入居審査の際に、入居者に家賃保証会社の家賃保証制度に加入、もしくは連帯保証人をつけるなどの対策が有効です。

 

家賃保証制度とは、入居者が家賃を滞納した際に、家賃保証会社が代わりに家賃を保証してくれる制度で、近年は一般的に普及しています。契約時に家賃の0.3ヵ月~1ヵ月分、もしくは数万円の一定額を家賃保証会社に入居者が支払う必要があります。

 

この制度が浸透した背景には、連帯保証人となる両親などが高齢化し、年金生活で保証人になれない、滞納したときに家賃を支払えないといった状況が増えてきたことがあります。ぜひこの制度を有効に活用して、滞納リスクに備えましょう。

③老朽化リスク:大規模修繕工事が終了した物件で回避

不動産は当然ながら、年を追うごとに老朽化が進み、劣化します。設備や建物の保守で支出がかさむ場合もあります。特にアパート1棟など大きな不動産を購入した際、ワンルームマンションのような管理費や修繕積立金などの徴収がない分、自分でリフォーム資金を貯めておかなくてはなりません。

 


 

 

屋上からの漏水やエレベーターの故障などは修繕に費用がかかり、大きな出費となる可能性があります。他にも、欠陥住宅や手抜き工事だったというリスクもあります。これはサラリーマン投資家がいくら慎重に物件をチェックしたとしても、なかなか見抜けるものではありません。

 

老朽化リスクに備えるためには、購入時に建築当時の資料を専門家にしっかりチェックしてもらうことや、大規模修繕工事がすでに終わっている物件を買うか、修繕が当分は必要ない築浅の物件を買うなどの対策が重要となります。

④地震・火災リスク:保険への加入で解決

日本は地震大国ですから、地震をはじめとする自然災害によって建物がダメージを受けるリスクもあります。地震のほかにも、台風や火事などでアパートが損害を受ける可能性があります。

 

これらのリスクには保険で対応することができます。通常、不動産会社が提携している保険会社があるので、不動産会社から購入時に紹介を受けることが多いでしょう。もしくは、ローンを組む場合、金融機関が紹介する保険会社の中から検討します。いずれかに入るのが必須と考えていいでしょう。

 

なぜなら、ローンを借りる場合、金融機関は担保にした物件が火事などで損害を受けないよう、「火災保険」への加入を義務づけているのです。

 

火災保険ではカバーできる範囲が限られているため、実際には、総合的に補償が受けられる「総合保険」への加入が一般的です。総合保険は、火災、落雷、台風、集中豪雨、ガス漏れによる破裂、給排水設備の事故による水漏れなどの損害を補償します。地震に備えて「地震保険」に加入する場合は、火災保険のオプションで加入することになります。

 

また、昨今では、単身者世帯が増え、部屋の中で病気による孤独死や自殺、事故の可能性もあります。最近では、そのようなことがあった場合に備えた保険も登場しています。

⑤インフレリスク:情報を敏感に察知することで回避

次に、金利上昇のリスクについて解説しましょう。

 

長期でローンを組んでいる場合、変動金利を選択すると、金利が上がる可能性があります。金利が上がると、その分、返済額が上がるため、キャッシュフローが圧迫される恐れがあります。

 


 

金利上昇リスクに備えるならば、あらかじめ固定金利を選択するか、余裕ができたときに繰り上げ返済するなどして、返済を早めていくことも視野に入れるといいでしょう。

 

そうはいっても、金利は急激に上がるものではありません。変動金利の場合、返済額の変更は5年に一度で、1.25倍ルールというものがあります。これは「元の金利より1.25倍以上にまで金利を上げてはいけない」という決まりで、このルールが採用されているケースが多いのが実情です。

 

また、金利上昇の変化を見逃さずにすむように、日々の経済ニュースをチェックしながら、変化に柔軟に対応していくことも大切です。

⑥流動性リスク:事前に出口戦略を練ることで解決

不動産は株やFXなどに比べて、流動性が低いという特徴があります。購入時には問題にならないのですが、問題となるのは売却時です。市場が低迷しているときに売却しようとすると、買い手がなかなかつかない可能性があります。

 

これは、不動産の大きなデメリットかもしれません。株はネットバンクなどで売却してすぐに換金できますが、不動産は買い手が見つからない限り、売却して現金化できるまでに、早くて2カ月、平均して4~5カ月ぐらいはかかります。高く売るつもりであれば、さらに時間がかかると思っていた方がいいでしょう。

 

大事なことは、売却をいつ、どの段階で考えるかといった「出口戦略」です。先々まで様々なケースをシミュレーションしてくことがリスクコントロールにつながります。

 

ここでは不動産投資の様々なリスクについてお伝えしました。「リスク=悪」ではありません。先手を打つことでリスクを回避して、安定的に結果を出すことができるのも不動産投資ならではの特徴です。

 

 

オスカーキャピタル株式会社

代表取締役社長 金田 大介


個人年金 vs. 不動産投資…老後不安を軽減できるのはどっち?


個人でコツコツ年金積立 or 30代でマンション購入

今30~40代のみなさんが65歳になる25~35年後の世の中では、果たして今のような年金制度が維持されているでしょうか?

 

今後我が国の少子高齢化が顕著になることで、少ない現役世代によって多くの高齢者を支える時代が本格的に到来します。

 

そうした年金への不安から、昨今では、確定拠出型年金など私設年金を始める方が増えているようです。そのような年金の支給額不足に対する不安は、不動産投資による家賃収入で軽減することができます。

 

たとえば、30代でマンション1棟を購入して、会社を定年退職するまでにローンを完済できたとしましょう。それ以降は、アパート経営による家賃収入が仮に年500万円あったとすれば、退職後も年金への不安なく、ゆとりある老後の生活が期待できるでしょう。

 

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(※写真はイメージです/PIXTA)


 

 

仮に、個人で年金の積み立てをしたとしましょう。月々2万円の個人年金保険を35年間積み立てた場合、積み立てた総額は840万円(=2万×12ヵ月×35年)になります。35年後に受け取れる金額を毎月10万円とすると、840万円÷(10万円×12ヵ月)=7年。

 

受け取れる期間は個人年金保険により差がありますが、35年間にわたって毎月2万円コツコツ積み上げたとしても、受け取れる期間はわずか7年しかありません。

 

不動産投資の場合、ローン完済後は、不動産を売却しない限り、家賃収入が半永久的に入ってきます。年金は亡くなれば受け取ることができませんが、家賃は未来永劫入ってくるので、相続により家族がその資産を継承することができるのです。これは不動産投資ならではの魅力と言えるでしょう。

不動産投資は「生命保険代わり」になる!?

不動産投資は、生命保険の代わりにもなるとも言われています。どういうことなのか、解説していきましょう。

 

不動産を購入する際、サラリーマンなら一般的に長期間のローンを組むことになります。住宅ローンを組んで自宅を購入する際と同様に、「団体信用生命保険」(団信)へ加入することが多いです。団信は、ローンを借り入れている人が亡くなったり、高度障害になったりした際に、ローンの残高を保障する保険です。保険の契約は銀行などの金融機関と保険会社の間で結ばれます(図表1)。

 

[図表1]団体信用生命保険(団信)の仕組み

 

団体信用生命保険が適用されると、ローンを組んだ本人が死亡や高度障害などでその後の返済ができなくなっても、残債が保険金と相殺されるため、残された家族が返済を迫られることはありません。不動産を売却して、売却益を手にすることもできますし、そのまま保有してずっと家賃収入を得ることもできます。

 


 


団信の保険料はローンの支払利息の中に含まれているため、別途保険料を支払う必要はありません。本人が亡くなったり障害を負ったりした際に、投資した金額を保証してくれるような投資商品が他にあるでしょうか? ありませんよね。これも不動産投資ならではの利点です。

 

もちろん、団信は保険の1つですから、健康でなければ加入できませんし、持病を抱えている場合は告知義務があります。

 

また、金融機関によって保証される限度額が決まっており、金利が別途上乗せになるケースもあるため、加入時には留意しておく必要があります。

資産を不動産にすれば、金融商品よりずっと節税になる

不動産を保有している間に節税や相続税対策などの税金対策ができる点も、他の金融商品にはない不動産投資ならではの利点です。

 

相続税の場合、①土地建物②土地③現金の順に節税につながります(図表2)。つまり、現金を相続して所有していると、そのまま課税され、税金として徴収されやすいのです。

 

[図表2]資産の種類で変わる相続税評価額

 

土地に換算する場合、相続税路線価に基づいて計上されます。相続税路線価とは、相続税や贈与税の算出のために国税庁が示している、道路に面する宅地の1m2あたりの評価額のことです。建物の場合は、固定資産税評価で計上します。

 

賃貸アパートですと物件によっては5割ほど評価を圧縮することができます。

 

建物の場合は、固定資産税評価で計上しますが、こちらも現金に比べて7~8割の評価になります。

 

ちなみに平成27年1月1日以降、相続税の控除額が減少し、次のように相続税の対象となる人が増加していることをご存知でしょうか?

 

 相続税控除額改正前……5000万円+(1000万円×法定相続人の数)

 相続税控除額改正後……3000万円+(600万円×法定相続人の数)

 

改正前は、相続人が配偶者と子ども2人の場合、5000万円+(1000万円×3人)で8000万円まで不動産などの資産を持っていても控除の対象となりました。しかし、改正後は、3000万円+(600万円×3人)で4800万円に控除額が減少されました。

 

東京で一戸建てを所有している人の多くは、5000万円相当の資産を保有している場合が多いため、相続税の対象となる可能性が高いでしょう。そのため、相続税対策はもはや他人事ではなく、事前の対策が必要です。そのためにも、借入をして不動産を所有することは、相続税評価を下げる1つの有効な方法となります。

 

 

さらに、減価償却費用などを活用して不動産所得を会計上赤字にした場合、本業の給与所得からマイナスして計上できます。そうすることによって、給与所得の高い人ほど会計上の所得を減らせるため、所得税の節税へとつながります。

 

このように不動産投資には、安定した家賃収入はさることながら、高所得者への節税効果としてのメリットがあるのです。

 

 

オスカーキャピタル株式会社

代表取締役社長 金田 大介


不動産投資で成功するために欠かせない5つの心得


会社に縛られることなく、もっと自由に生きるために。漠然と憧れる人も多い「セミリタイア」。その実現方法として、ごく普通のサラリーマンにこそ「不動産投資」が最もおすすめであることを伝え、前回は複数のパターンの物件を見ながら、どれくらい手元にお金が残るのかについてシミュレーションをしました。

最終回の今回は、セミリタイアを考える人が不動産投資で成功するために欠かせない5つの心得をお伝えします。

1.不動産投資の「今」を知ろう

例えば、2013~2014年頃から起きた不動産投資ブーム。アベノミクスを背景に、世界の投資家が日本に注目をし始め、そんな中、2013年9月にはオリンピックの東京開催が決定。

この頃、日本の不動産投資は大きな盛り上がりを見せました。ではその後、このブームはどうなったのでしょうか。読み解く鍵は「税金」の知識です。

不動産を売って利益を確定すると、総利益に対して「譲渡所得税」というものがかかります。この税金には「短期」と「長期」の2種類があり、税率は短期だと約39%、長期だと約20%と、実はかなりの開きがあるのです。

では、何をもって長期とするかですが、ざっくり言えば「5年以上持てば」長期の扱いとなり、物件を取得して5年以上経つと「税金も安くなるしそろそろ売ろうかな」という人が出てきやすくなるということです。

当時のブームから既に5年が経過。実は去年あたりから、お宝物件が出てきやすい状態にあると言えます。もちろん大前提として、相場が良い時でも不動産を見極める力がない人は失敗をしますし、相場があまり良くない時でも、見極める力がある人は成功をします。 ですが「今」を知っておくと、チャンスが増えることは間違いありません。日頃から社会の動きにアンテナをはっておくことは不可欠です。

2.「利回り・ROI・キャッシュフロー」で見極めろ

セミリタイアのための物件選びで重要なことは「数字」で判断すること。決して、マイホームを買うわけではないので、収益を生み出す物件として価値があるかどうかを、冷静に客観的事実で見極めるようにしましょう。

数多くある指標のうち、まずチェックすべきはズバリ「利回り」「ROI」「キャッシュフロー」の3つ。この連載では主に「キャッシュフロー」についてお伝えしてきましたが、「利回り」と「ROI」も重要な指標です。

利回りとは、投資した金額に対して、得られる見込み収益の割合のこと。不動産投資の世界では、購入金額に対してどのくらい家賃が得られるかを表す「表面利回り」をよく使います。

セミリタイアのための目標数値は10~12%です。表面利回り10~12%の物件は簡単には見つかりませんが、でも探せばある、という値です。

残りの「ROI」とは、Return On Investment、日本語で言うと「投資運用率」のことです。これは初期投資額に対してどれだけの利益が生まれるかという指標になります。

正しく計算するためには知識が必要になるので紹介までにとどめますが、「物件の資産価値」や「駅からの時間」といった馴染みのある指標だけで判断しないよう、くれぐれも気をつけてください。

3.「1000:100:10:3:1」の法則にのっとり、物件探しを

注目すべき指標がわかっても、簡単には理想の物件に出会えません。そこでみなさんに心得てほしいのが、私たちが授業で常に伝えている「1000:100:10:3:1」の法則です。

これは理想の物件に出会えるまでに行うべき行動の指標で、1000件の物件情報を見て、そのうち100件に絞って問い合わせを行い、その詳細情報からさらに10件に絞って現地見学を行い、さらに3件にまで絞って実際に買い付けを行い、そのうちの1件を購入できるようにしましょう、というものです。

1000件の物件情報を見る、と聞くと、気が遠くなる人もいるかもしれません。ですが、日々トレーニングをすれば、ほんの数秒でその物件がアリかナシか、判断できるようになります。

物件購入に妥協は禁物。セミリタイアの道が遠のくだけです。ここは愚直に数をこなし、理想の物件に出会うようにしましょう。

4.価格交渉は当たり前、物件を見極める力が鍵になる

不動産の面白いことの一つに、実は値段が決まっていないこと、があると思います。物件情報に1000万円と書いてあったとしても、それは売り主が「1000万円で売りたいです」と言っている価格にすぎません。実際には、ここから交渉をするわけです。

もちろん、交渉は単なるお願いではありません。知識を身につけ、不動産の価値を正しく判断し、相手を納得させられるよう賢く交渉する必要があります。

価格交渉テクニックは、授業では時間をかけてトレーニングする部分でもありますが、もし、先ほどの物件が仮に900万円で買えたとしたら、それだけで利回りも向上するわけです。

印鑑を押して契約をしてしまったら、もう価格交渉はできません。普段の生活では価格を交渉するという場面はほとんどないかもしれませんが、その固定概念を払拭し、交渉材料を一つでも多く集め、納得できる価格を自らの意志で勝ち取りましょう。

5.融資を制するものは不動産を制する! 金融機関のジャッジポイントは?

実際に不動産投資をするとなると、ほとんどの人が金融機関からお金を借りることになると思います。そこで、金融機関がどんな観点から融資条件を決めるのかを知っておくことは、成功の鍵となります。

金融機関がジャッジするポイントは大きく分けて2つあります。まず一つ目は、物件そのものに対してです。当たり前と言えば当たり前ですが、いまいちな物件を持っていこうものなら、その時点で「あ、この人は不動産を見る目がないんだな」とシャッターをおろされてしまいます。

そしてもう一つのポイントが、あなた自身です。あなた自身、というと、多くの人は「属性」で判断されると思いがちですが、実は属性以外にも、お金との付き合い方など、非常に多くのポイントを見られています。

授業では融資を好条件で受けるためのプレゼンテーション方法も学びますが、この記事を読んでいるみなさんが、今すぐにできることとしては、日々の家計管理をまずはきちんと行うことが挙げられます。

クレジットカードの引き落とし日に残高が足りなかったとか、スマホの分割払いが遅れてしまった、といったことは、たった1回でも「レッドカード!」、一発退場です。あなたの大切な信用情報に傷がつかないよう、くれぐれも注意してください。

もちろん物件を手に入れた後も、物件の管理や空室対策、リフォームによる価値向上、保険や税金対策まで考えるべきことはたくさんあります。

こういった多くの必要な知識を前に、少し尻込みしてしまう人もいるかもしれませんが、セミリタイアを実現した受講生が口をそろえて言うのが「不動産投資は一度知識を身につけてしまえば、何度でも成功を再現できる」ということ。

どこかの時期に集中して知識を身につけ、それをもとに実践をすることで、後々の人生は、とても自由なものになるのです。セミリタイアは決して特別な人だけのものではありません。あなたの決断一つで、道は拓かれるのです。


今後3年で約6兆円?海外投資家が「日本不動産に投資」のワケ


2020年の不動産投資額…「物流施設と住宅」が増加

コロナ禍でも物流は好調(※写真はイメージです/PIXTA)
コロナ禍でも物流は好調(※写真はイメージです/PIXTA)

 

2020年Q1からQ3までの累計投資額は2兆6,240億円で、前年同期比3%増となった。新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の対策により経済が停滞するなか、収益が相対的に安定しているとみられる物流施設と住宅の人気が高まった(FIGURE1)。

 

10億円以上の取引を対象J-REITによるIPO時の取得物件を除く 出所:Real Capital Analytics、CBRE、2020年10月
10億円以上の取引を対象J-REITによるIPO時の取得物件を除く
(出所:Real Capital Analytics、CBRE、2020年10月)

 

両アセットの累計投資額は1.2兆円と、対前年同期比95%増加した。一方で、リモートワークの導入により働き方の変化が加速し、オフィスについては中長期的な需要見通しに対する不透明感が高まった。これを受けてオフィスの累計投資額は8,980億円と、同11%減少した。

国内不動産投資額の増加を牽引したのは「海外投資家」

国内投資家によるQ1からQ3までの累計投資額は、J-REITが8,604億円で対前年同期比19%減少、J-REIT以外の国内投資家も7,720億円で同22%減少した(FIGURE2)。

 

 
10億円以上の取引を対象J-REITによるIPO時の取得物件を除く 出所:Real Capital Analytics、CBRE、2020年10月
10億円以上の取引を対象J-REITによるIPO時の取得物件を除く
(出所:Real Capital Analytics、CBRE、2020年10月)

 

J-REIT以外の国内投資家の投資額減少の理由は、緊急事態宣言下の4月から5月までの間に、中止や延期された案件が増加したことに加え、コロナ禍の影響で様子見の姿勢が広がり、新規案件が減少したためと考えられる。

 

一方で、海外投資家による累計投資額は9,900億円で、対前年同期比103%増加。海外投資家の投資額が増加した要因は3つある。

 

1つ目は、世界的な低金利政策が続き、運用難に直面した機関投資家の資金が、相対的に利回りが高い不動産投資に流入していること。

 

2つ目は、COVID-19感染拡大による日本の不動産投資市場への影響がこれまでのところ欧米に比べて小さいことや、政治情勢が比較的安定していることによる安心感。

 

3つ目は、日本のキャップレートスプレッドが相対的に厚いこと。

 

これらの要因により海外投資家による大型取引は増加し、Q3までの累計投資額はすべてのアセットタイプで前年同期を上回った。海外投資家によるアセットタイプ別の投資額割合は、住宅が39%、オフィスが30%、物流施設は17%となった。特に住宅の投資額は前年の1.7倍に達した。

J-REITの投資額の減少は「軟調な株価」が主因

一方で、J-REITのQ3までの累計投資額が前年同期に比べて減少した主因としてはJ-REITの株価が軟調に推移し、公募増資が抑制されたことが挙げられる。

 

J-REITが公募増資を通じて調達した資金の総額は、Q1からQ3までの累計で3,434億円と対前年同期比22%減少した。また、J-REITの不動産投資額も、3四半期累計で8,604億円と同19%減少した。ただし、物流特化型J-REITの株価は堅調に推移した。

 

2020年初からの株価を比べると、11月末時点の東証REIT指数は1月から20%下落したのに対して、物流施設特化型J-REIT(全7銘柄)の株価指数は16%上昇した(FIGURE3)。

 

出所:Datastream、CBRE、2020年12月
(出所:Datastream、CBRE、2020年12月)

 

堅調な株価を背景に物流施設特化型リートによる公募増資による資金調達額は3四半期累計で1,920億円と同70%増加。その結果、J-REITによる物流施設の累計投資額は4,589億円で同56%増と、全アセットタイプのなかで唯一前年の水準を上回った。

2021年も海外資金は「国内不動産」に向かうと予想

日本の投資家の投資意欲はコロナ禍を受けて一時的に減退したものの、年後半に入ってからは回復している。

 

CBREが2020年11月に実施した投資家調査*1によれば、2021年の取得額は前年以上(=「前年と同じ」+「前年を上回る」)と回答した投資家の割合は94%と、前年の調査結果(93%)と同等の高水準となった(FIGURE4)。

 

*1 速報値(確定値は2月発表予定)

 

(出所:CBRE、2020年11月)
(出所:CBRE、2020年11月)

 

また、2021年も機関投資家を中心とした海外投資家による活発な投資が続くだろう。世界的な低金利政策は今後も続くと予想されるため、機関投資家は利回りの高い不動産投資に資金を引き続き振り向けると考えられる。

 

CBREの推計では、アジア太平洋地域の不動産を対象にしたクローズドエンドファンドが今後3年から5年の間に投資するエクイティ総額は約570億ドル(およそ6兆円)に上る。その多くが日本の不動産市場に向けられると考えられる。

ポストコロナを見据えた投資が始まる

2021年も景気変動に影響を受けにくい、安定した収益が期待できるアセットタイプが引き続き選好されるだろう(FIGURE5)。

 

*速報値、回答率上位4つまで(確定値は2月発表予定) 出所:CBRE、2020年11月
速報値、回答率上位4つまで(確定値は2月発表予定)
(出所:CBRE、2020年11月)

 

特に、物流施設は巣ごもり消費によりeコマースの利用が急増したことで、テナント需要は引き続き堅調である。物流施設の投資を新たに始める投資家も散見されており、売買市場では投資家間の競争が激しくなりそうだ。

 

一方で他のアセットタイプについては、コロナ禍の影響により2020年Q2以降、テナント需要の減退がみられ始めた。オフィスは感染症対策による景気後退で、二次空室の発生や一部解約が散見されていることから、東京ならびに複数の地方都市で賃料は弱含むと予想されている。

 

また、インバウンド需要に対する依存度が高かった都心のリテールやホテルでも、当面は需要の大きな回復は見込みにくい状況だ。


ただし、ポストコロナを見据えた長期投資の観点からは、オフィスやホテルに対する投資家の関心は高いと考えられる。投資家は、オフィスに対して、テナント層が厚いことや、まとまった投資規模を一取引で確保できる案件が多いことなどを評価している。

 

また、ホテルについては、ディストレスアセットとして投資家の関心が高い。インバウンド需要が回復すれば収益の改善が期待できることから、割安で取得できる可能性があるホテル売買マーケットは重要な投資チャンスの場となろう。

「データセンター」への投資が注目を集める理由

コロナ下で注目が高まっている投資対象は他にもある。中長期的に投資市場の拡大が期待されているデータセンターと、コロナ禍によってマイナスの影響を受けた事業会社による資産売却だ。


データセンターに関心を持つ投資家は感染拡大後も徐々に増加傾向にある。CBREが四半期毎に実施している投資家調査によれば、2020年Q3時点で「データセンターへの投資を検討している」と回答した投資家は全体の22%を占め、感染拡大前(2月)の2020年Q1(18%)よりも増加した。

 

感染抑制を目的にしたリモートワークの急激な普及でデータ流通量が増加していることや、安定した収益、そして他のアセットタイプに比べて相対的に高い利回りを期待できることが投資家の関心を高めていると考えられる。実際の投資機会としては、市場で流通する収益物件は非常に少ないため、オペレーターからのセール・アンド・リースバックや開発が中心となっている。


投資市場では事業会社によるノンコアアセットの売却やセール・アンド・リースバックの案件が増加している。物件はオフィスや店舗、工場の跡地など様々で、買主はファンドや不動産会社など。投資家の関心は高く、希望価格を上回る取引もあったようだ。

 

ただし、買い手が決まるまでに時間がかかる案件のなかには、自社使用を目的にした物件のため複数テナントへの賃貸を想定しない仕様であったり、自主管理だったために収益不動産としての品質レベルを満たしていないなど、投資家が取得を検討しづらいケースもある。

 

事業会社が希望通りに売却するためには、賃貸および投資市場を綿密に調査した上で戦略を組み立てることが重要となるだろう。

2021年「東京の3つのプライムアセット」利回り予想

CBREでは東京の3つのプライムアセットの取引利回りを四半期毎に推定している。安定したテナント需要や流動性の高さから、プライムアセットに対する投資家の投資意欲は高く、コロナ下のマーケットにおいてもそれは変わらない。

 

ただし、今後予想されるテナント需要の変化や賃料動向を背景に(FIGURE6)、投資家需要の強弱はアセットタイプによって異なると考えられる。

 

(出所:CBRE、2020年11月)
(出所:CBRE、2020年11月)

 

2021年の東京のプライムアセットの利回りは物流施設のみが低下、オフィスと商業施設はやや上昇すると予想する(FIGURE7)。

 

(出所:CBRE、2020年11月)
(出所:CBRE、2020年11月)

 

2020年通年の総投資額は、前年とほぼ同程度での着地と推定する。さらに2021年も、2020年の推定投資額からほぼ横ばいと予想する。

 

2020年に見られたような1000億円を大きく上回る超大型案件が出てくる可能性は今のところ低いものの、その分、中小規模の案件が2020年に比べて増えると想定した。

 

世界的に低金利政策が続くなか、機関投資家の資金は、相対的に利回りが高い不動産投資に今後も向かうだろう。また、セール・アンド・リースバックを検討する事業会社が2020年下期から増えており、これらの成約も2021年に本格化すると考えられる。

 

ただし、未だ殆どのアセットタイプの価格水準は、感染拡大前と変わらない水準にある。投資家にとって資金調達環境は未だ比較的良好ではあるものの、感染収束までの期間が長期化すれば、レンダーは選別姿勢を強めるだろう。

 

物件の属性によっては、必要な額のノンリコースローンが調達できないケースも2020年は散見された。2021年も、マーケットの牽引役は自己資金力が高い投資家や事業会社などが中心となるだろう。



マンション投資のメリット・デメリットや始め方は?初心者向けにプロが解説


1.マンション投資の2つの特徴

私が考えるマンション投資の主な特徴として、大きく分けて下記の2つが挙げられます

  • 金融機関から融資を受けることができる
  • 長期間にわたり収入を見込める

不動産投資の中には、新築物件・中古物件の別のほか、アパートなどの一棟もの、一部屋ごとに投資をする区分マンションなどがあり、どのカテゴリーを選定するかによって投資スタイルや成果は大きく変わります。

「マンション投資」は、初心者でも比較的取り組みやすく、リスクはありますがしっかりと対応すれば一定程度に限定されます。この記事では、中古の区分マンション投資を例に挙げて、その特徴を見て行きます。

1-1. 不動産投資ローンの融資を受けられる

私は、中古の区分マンションへの投資は、不動産投資の中でも比較的リスクが低く、やり方次第で効率が高い投資手法であると考えています。そして、不動産投資は、他の金融商品と大きく異なる特徴があります。それは、金融機関から融資を受けることができるというものです。

不動産投資は金融機関から物件の評価額に応じた融資を受けることができるため、手元に物件を購入するだけの資金がなくてもはじめることができます。

私は、不動産投資をはじめるまで、まったく借入をしたことがありませんでした。両親からは「借金と連帯保証だけはしてはいけない」と幼いころから強く言われていました。両親は事業を営んでいましたが、現金商売で設備投資などは特段必要ない業種でしたので、金融機関などに保証もしていませんでした。

個人的にこのような家庭環境もあり、最初に不動産投資をするにあたっては、いままでにない大きな借金をすることが怖く、決意するまでに1ヶ月以上悩んだものです。

後にわかったのですが、不動産投資は融資をうまく活用することで資産形成のスピードが加速していきます。なかでも区分マンション投資は、提携金融機関のローンの種類が豊富です。このローンをうまく活用することが、マンション投資で資産を形成する際のポイントです。

1-2. 長期にわたり家賃収入を見込める

私は、不動産投資をする主な目的は、長い期間にわたって家賃収入(インカムゲイン)を得ることにあると考えています。

物件が値上がりしたときには売却益(キャピタルゲイン)を見込めることもありますが、将来の個人年金を見越した投資であれば、インカムゲインを重視するべきであって、リスクをとって無理にキャピタルゲインを狙う必要はないと思うためです。

ただし、複数の物件を保有している場合には柔軟に対応することも大切です。古い物件を売却して一時的に手元の現金や与信を増やし、新しい物件を購入して、ポートフォリオを組み替えるということもできます。

築年数がほとんど一緒の物件を複数保有している場合、エアコンや給湯器など設備の修繕時期が重なることがありますので、物件を売却して資産を組み替えることで修繕時期をずらす戦略も検討できるでしょう。

私は、キャピタルゲインで短期間に利益を獲得したい場合には株式に、インカムゲインでコツコツ収益を獲得したい場合には不動産に投資する、というように二つの投資手段を使い分けています。自身の資産配分を勘案し、株式投資と不動産投資のそれぞれの特徴を組み合わせた投資手法(ハイブリッド投資)を検討してみると良いでしょう。

2.マンション投資のメリット・デメリット

私が考えるマンション投資の主なメリットは、少ない手元資金からチャレンジできること、また、主なデメリットとして、空室・家賃下落リスクがあること、が挙げられます。

2-1.マンション投資のメリット

マンション投資は、一棟もの(マンション一棟やアパート一棟)への投資と比較して購入価格や購入時に必要な諸費用(金融機関の融資事務手数料や司法書士報酬・登記関連費用など)が少なくて済むため、手元の現金が少ない方でも始めやすいというメリットがあります。これは前述した、金融機関の融資をうまく活用できるからです。

以前は、新築・中古のいずれの場合も5~10%程度の頭金と諸費用が必要でした。しかし、最近では諸費用までもローンに組み込み、実質手付金10万円のみで物件を購入できるプランも出てきています。

2-2.マンション投資のデメリット

一方、マンション投資のデメリットとして、空室リスクと家賃が下落するリスクが挙げられます。これらは残念ながら避けることはできないので、いかに対策をすることができるかに尽きます。

マンション投資では、入居者が退去すると次の入居者が決まるまで空室となります。サブリース契約をしていない限り、その間は収入がなくなります。

基本的には、融資を受けて物件を購入することが多いでしょう。空室期間中も金融機関への元利金の支払いをする必要がありますので、空室が長期化すると不動産投資ローンの返済に追われて資金繰りが苦しくなります。

また、家賃は、物件の劣化や物件周辺に競合物件(特に新築物件)が乱立するなどにより、何もしなければ年々下落していきます。新築物件は、最初の入居者が退去した後は大幅に家賃が下落する可能性が高く、注意が必要です。

最近では、新築物件でもサブリース契約を活用した場合には、2~5年間は当初設定された家賃が保証されるというプランが出ています。会社によって控除の料率は異なりますが、空室を極力出したくないという方は利用を検討するとよいでしょう。

実際、私は保有する物件が多いことから、そのほとんどをサブリース契約にしています。契約が継続する間、一定の家賃が毎月確保でき、煩わしい入退去時の手間もかかりません。

ただし、サブリース契約は一定の家賃を見込めるメリットがありますが、締結する前に、契約条項、物件周辺の相場賃料や不動産会社の賃貸管理の体制は把握しておく必要があります。また、築浅物件で立地が至極よい物件である場合にまでサブリース契約は必要ないとも言えます。

また、サブリース契約ではなく、集金代行契約にすることで、退去してから次の入居者が付くまで、どのような流れになるのかを把握することができます。私の知人に、サブリース契約を選択せず、集金代行契約にすることで家賃を5年間で4~6%程度上げることに成功した人がいます。通常、家賃は建物の経年劣化とともに下落していきます。

この知人の場合、退去の都度、そのときの不動産市況を読み、物件周辺の相場賃料を調べ、不動産会社とこまめに連絡を取って実現したものです。家賃は物件を将来売却する際に価格に影響を与える重要な要素になりますので、参考にしてみてください。

3.マンション投資を始める手順・流れ

具体的に、マンション投資を始める手順を見て行きましょう。目標の設定から契約まで、大きく分けて次の5つのステップがあります。

3-1.マンション投資を通して達成したい目標の設定

私は、マンション投資にかかわらず、投資の成功には達成したい目標の設定が大切であると考えています。

まず、どのような投資をするにせよ、「いつまでに」、「どのくらい」の収益を得たいのか、を明確にすることが必要です。私の周囲の投資家を見渡しても、この目標の設定が明確である人はモチベーションが長続きしているように思います。

逆に、物件を購入すること自体が目標になっている投資家の方もいて、この場合には注意が必要です。物件購入がゴールとなってしまうと、その後の管理などに目が向かなく無関心になってしまうケースがあるからです。

さて、目標の設定にあたっては、例えば近い将来、もしくは、老後に生活費としてどのくらいのお金が必要であるかを考えてみるとよいでしょう。自分が理想とする生き方を実現するために、毎月どのくらいの収入があると幸せなのか、満足いくのか、という視点で考えてみましょう。

私の場合、会社を定年退職した後、公的年金のほかに最低でも20万円くらいあれば良いだろうと考え、まずはマンションを2戸購入することを目標にしました。

最初は、このように、「いつまでに(=定年退職した後)」、「どのくらい(=月額20万円)の収入を確保したいか、目標を設定し、その目標を達成するために、何をするべきかを考えるとよいでしょう。

3-2.属性の確認と投資戦略

マンションの販売価格は、築年数や専有面積などによりますが、ワンルームで大体1,500万円から3,000万円くらいの価格帯になります。この記事を読んでいる方は会社にお勤めの方が多いかと思いますが、最低1,500万円ものまとまったお金を投資できるケースはまれでしょう。

私は、マンション投資をする前は、株式等の金融商品に投資をしており、元手(700万円)をつくるのに2年程度給料をコツコツ貯めた覚えがあります。しかし、会社員という属性をうまく活用して、金融機関から融資を受ければ、比較的少ない元手資金でも、マンション投資は始めることができます。

不動産会社をとおして金融機関に融資の打診をしてもらえれば、自身の属性でどのくらいの融資を組むことができるか不動産会社から提案をしてくれます。

複数戸を購入する投資戦略の場合には、ローンの仕組みや各金融機関の特徴を不動産会社に確認します。これは投資家から不動産会社に積極的に確認しなければ、その詳細(金利の違いやがん団信の有無など)をほとんど知らずに契約にいたってしまうこともあります。

住宅ローンを選ぶときには、複数の金融機関を比較して検討するのと同様に、投資用ローンを選ぶときには、不動産会社に確認をするとよいでしょう。

投資戦略を立てる際、将来住宅を購入する予定がある方は、事前に自身のライフプランを不動産会社に相談します。この戦略が甘いと投資用物件で全体の借入額が一杯になってしまい、住宅ローンを思うように組めなくなる可能性があるためです。

私の知人に、先に投資用物件を購入し、不動産会社には将来の住宅購入計画をあいまいにしていため、住宅ローンがなかなか組めずに非常に苦労した方がいます。

【関連記事】不動産投資、サラリーマンはいくらまで融資可能?属性を改善するコツも

3-3.不動産会社への資料請求やセミナー受講

いつまでに、どのくらいのマンションを購入したいのか、投資戦略を立てたら、次は具体的なアクションを起こします。マンション投資には、前述した以外にもさまざまなリスクがあります。

投資を成功させるためには、こうしたリスクを十分に説明してくれ、自分の目標を達成してくれる良きパートナーを選定することが重要になってきます。とは言うものの、不動産会社は世の中にたくさんありますし、どのように選べばよいかわかりません。

そこで私は、不動産会社のホームページを確認して資料請求をし、セミナーに参加をしてみることにしました。資料請求をすると数日で不動産会社の会社パンフレットやイメージしやすいサンプル物件、「お客様の声」などが郵送されてきます。

なかには、過度にお金がかかっている豪華なパンフレットもありますが、シンプルでわかりやすい説明のものに信用がおけました。「お客様の声」は事例としてさまざまなパターンが存在するのだな、くらいの認識でよいかと思います。

私は、資料請求の際、自分の携帯電話やメールアドレスを記入していましたので、資料が郵送されたタイミングで、不動産会社の営業担当者から電話やメールによるアプローチがありました。

ここで個別に営業担当者とコンタクトを取って、面談するのもよいでしょう。私がマンション投資を始めた当初はセミナーを開催している会社が少なかったこともあり、いきなり面談からスタートしたこともありました。

ただ、今は不動産会社の数も増えてきており、オンラインでセミナーを受講できる会社も増えてきています。最初のうちは、いきなり面談からはじめず、少なくとも2~3社、できれば4~5社のセミナーの受講を検討してみると良いでしょう。

会社によって営業体制や得意領域が違います。また、購入した後の管理体制や管理実績も違いますので、自分に合ったパートナーを見つけることが重要になります。

最初はよくわからなくても、同じ項目の内容の説明を聞いていると各社で微妙に差異があることがわかってきます。複数社を比較することにより段々理解が深まってきます。

また、営業担当者との面談は、会社の雰囲気を伺い知るのには適しているものの、セミナーで説明される内容を網羅した内容にはなりにくいので、できるだけ複数のセミナー受講後に面談するとよいでしょう。

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3-4.不動産投資ローンの審査と売買契約

不動産会社から物件を提案してもらい、購入物件が決まったら不動産投資ローンを紹介してもらいます。金融機関の融資の審査基準は、大きくわけると、「不動産会社」、「購入予定の物件」、そして「自分(投資家)の属性」の3つが対象となります。

審査のポイントは、会社員であれば、会社規模(上場の有無や従業員数)・職種・勤続年数・年収・金融資産・借入金額・自己資金の額などです。投資家の属性や物件のほか、その物件を提案してくれた不動産会社もとても重要です。

不動産投資の初心者が直接金融機関に融資を申込んでも、なかなか応じてくれない可能性が高いと言えます。そのため、住宅ローンとは違い、不動産投資、なかでも区分マンション投資では「提携ローン」を持つ不動産会社の信用力がとても大事になってきます。

実績のある不動産会社であれば、提携している金融機関が複数あるので、投資家の選択肢も増えるでしょう。

取引実績が多い不動産会社はそれだけ金融機関からの信用も厚く、金利や融資期間・自己資金比率・その他の条件で実績に乏しい不動産会社よりも有利な提案をしてくれるケースが多いからです。

不動産会社は担保評価が高く、金融機関の融資条件をクリアした物件を提案してくれます。金融機関は、行内に蓄積されている膨大なデータをベースにしてデフォルト(債務不履行)しにくい、長期間にわたって堅実に家賃収入が見込める物件に融資を付けます。

無事にローンの事前打診がおりたら、次は重要事項説明書の取り交わしと売買契約の締結です。取引内容がまとまると、売買契約の前に重要事項説明があります。不動産会社と契約締結日を決めたら、できれば事前に重要事項説明書と売買契約書のドラフトを見せてもらうようにしましょう。

初めての取引の場合、不動産業界特有の難解な専門用語に戸惑ってしまい、わからないことをあいまいにしてしまう方も少なくありませんが、契約の締結後に変更を申し出ることはできません。不動産業界では、契約行為を非常に重く考えています。

通常、売買契約を締結した場合、よほどのことがない限りは契約の解除はできません。最低限、重要事項説明や売買契約の中で用いられている用語が何を意味して、どのように重要であるかは理解して契約にのぞみます。

解約できるケースもクーリングオフや手付金の放棄など限定されていますので、しっかりと説明を聞き、納得してから捺印をします。

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3-5.賃貸管理会社の選定

忘れがちなところですが、不動産投資は物件を購入してからが賃貸事業スタートです。物件を選定する際には、販売図面を念入りに確認して、現地に足を運んでも、引き渡し後のことを考える人はあまりいないように私は思います。

私は、物件を購入した後の賃貸管理も不動産投資を成功させる大きなポイントであると考えています。家賃は毎月自動的に投資家に送金されているように見えてしまいますが、見えないところで賃貸管理会社が頑張ってくれています。

私は過去、保有する物件で、物件を販売してくれた不動産会社が倒産したことにより、入居者からの家賃の振込が滞ってしまったことがありました。当時、投資を始めたばかりであり、また、物件を購入してから1年半後くらいのことでしたので、とても焦った記憶があります。

賃貸借契約書を携えて、入居者を訪ねて滞った家賃を振り込んでもらい、別途自分で探した賃貸管理会社に面倒を見てもらうまでの気苦労と手間はかなりのものがありました。

賃貸管理は、このように具体的なトラブルなど何もなければ投資家はその重要性に気がつきにくいものです。しかし、入居者が退去した後、次の入居者の募集や部屋のリフォーム、契約の更新、鍵の紛失などトラブルが発生したときに、会社員では即時に対応することが難しいでしょう。

賃貸管理会社はどこも同じではありません。会社規模が大きければよいものでもありませんが、適当な会社を選んでしまうと長期的な収支が大きく違ってきてしまいます。契約する前に、入居者募集のやり方やトラブル発生時の社内体制などしっかりと確認しておくとよいでしょう。

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まとめ

区分マンション投資は、不動産投資の中でも投資金額が比較的低いため、初心者の方でもはじめやすいと言えます。この記事の中でも述べたように、投資で成功するためには目標の設定、寄り添ってくれる不動産会社(信頼できるパートナー)を見つけることが何より重要です。

提案物件がなぜよいのか、自分の属性に合った金融機関の融資はどれを使えばよいのか、不動産会社を選定したら納得できるまでトコトン質問をしてみましょう。そして信頼できるパートナーになってもらえるかを判断します。

昨今ではウェビナー(オンラインセミナー)も活況を呈していますが、実際に対面で会ってしっかりと話を聞き、情報を収集することがとても重要です。



資産運用をプロに任せられる投資方法は?4つの少額投資法を比較


1.資産運用を任せられる投資のメリット・デメリット

本記事で取り上げる「資産運用を任せられる投資」とは、投資家が自ら売買を行ったり、事業を行ったりする投資方法ではなく、管理や運営を委託し、間接的に投資ができるものを指しています。

資産運用を任せられる投資方法は情報収集や手続きの手間が少なく、少額資金での運用が可能なメリットがあります。また、実際の運用は経験豊富なプロが行うことが多く、投資の知識が少ない初心者の方でも取り組み安い投資方法と言えます。

しかし、運用を委託して間接的に投資を行うため手数料や報酬が発生し、自ら投資を行う場合と比較して収益率が下がる点はデメリットです。また、一定の期間を設けて利回りを獲得する長期投資の手法であることから、短期間で大きな利益を上げる場合には不向きな投資方法となります。

資産運用を任せる投資を検討する際は、まずは上記のメリット・デメリットを比較して自身の投資目的と合っているかどうか検討してみると良いでしょう。

2.資産運用を任せられる4つの投資方法

次に資産運用を任せられる4つの主な投資方法を紹介します。

  • 投資信託
  • ロボアドバイザー
  • ソーシャルレンディング
  • クラウドファンディング

いずれの方法にも特徴・メリット・デメリットがあります。また、投資にはリスクが伴います。これらを理解して検討したうえで投資判断を行なうことが重要です。

2-1.投資信託

投資信託とは、投資家から集めたお金を1つの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資して運用する商品のことをいいます。

投資家から集めた資金を何に投資するのかは、各投資信託の運用方針によって異なります。専門家は、運用方針に従って、国内外の株式や債券、REIT(不動産投資信託)、コモディティ商品などさまざまな金融資産を組み込んだファンドへの投資を行ないます。なお、運用方針は交付目論見書によって確認できます。

投資家は、運用成果によって投資額に応じた分配金(リターン)を得ることができます。

投資信託の運用成果は、市場の影響によって変動するため、利益・損失のどちらも発生する可能性があり、損益は投資額に応じて投資家にかえってくることになります。

投資信託は、運用の専門家が投資家の代わりに運用を行なってくれるため、運用の手間がかからないほか、1万円程度の少額から投資できるといったメリットがあります。

また、個人で行なうのが難しい複数資産への分散投資が可能で、リスクを分散しながらリターンを期待することができます。

一方で、運用を委託するための信託報酬や販売買付手数料、ファンドの管理費用などのコストが発生し、解約して換金する場合にも信託財産留保額といった費用が発生するなどのデメリットがあります。

また、運用成果によっては損失が発生することがあります。価格変動によって元本割れを起こすリスクがあるということも理解しておきましょう。

【関連記事】プロが考える投資初心者におすすめの投資信託10選、ファンドの選び方や注意点も

2-2.ロボアドバイザー

ロボアドバイザーとは、利用者がインターネット上で簡単な質問に回答することによって、資産運用の目的やリスク許容度を考慮した合理的な投資配分を提案、もしくは資産運用をしてくれるサービスです。
ロボアドバイザーには、専門家に変わって資産運用のアドバイスを行なう「投資アドバイス型(助言型・アドバイス型)」と、実際の運用までを手掛ける「投資一任型(投資一括型)」の2種類があります。

投資アドバイス型では、いくつかの質問に答えることで、利用者の状況やリスク許容度に応じた資産運用の最適な配分(ポートフォリオ)を提案してくれます。

投資一任型では、利用者の投資スタイルに合わせて運用方針を提案し、ポートフォリオの作成から実際の購入・運用、資産配分の見直しまで行なってくれます。

投資アドバイス型のロボアドバイザーサービスは、手数料がかからないことがほとんどです。しかし、投資一任型を利用する場合は、サービス利用手数料と投資信託手数料がかかります。

ロボアドバイザーサービスでは、10万円以下程度の少額から資産運用を行なえるほか、特別な投資の知識がなくてもロボアドバイザーに任せて資産運用を始められるメリットがあります。

また、投資信託と比較して運用コストが安いため、運用期間が長くなるほどコスト負担を減らすことができます。

一方で、株式トレードと比較すると運用コストが割高になるほか、資産運用を一任することで利用者が投資経験を積めないといったデメリットも存在します。

また、基本的には長期的な資産運用に向いている投資方法であるため、短期間で大きなリターンを期待することは難しいといえます。ほかの投資方法と同じように、ロボアドバイザーにも元本割れのリスクがある点にも注意しましょう。

【関連記事】ロボアドバイザーの運用利回りは何%?大手4社の利回りも徹底比較

2-3.ソーシャルレンディング

ソーシャルレンディングとは、インターネット上で投資家からの出資を募り、ファンド業者を通じて事業者に融資を行う仕組みのことをいいます。

ファンド業者は出資を申し出た投資家と匿名組合契約を結びます。この契約により、ファンド業者が出資金で行う事業で利益が発生した場合に、投資家に利益が分配されることになります。

また、ファンド業者は借り手の事業者と金銭消費賃借契約を結びます。出資金を元手に融資を行ない、事業者から返済される利息から管理報酬などを差し引いた分を投資家に分配します。

ソーシャルレンディングでは、1口1万円程度の少額から投資できるサービスが多いことや、出資したあとに運用の手間や費用が掛からないといったメリットがあります。

予定分配利回りが2%~10%程度とリスクに応じたリターンの幅も広く、予定運用期間が3ヶ月から数年のものまで多岐にわたります。希望に合わせて選択できるのも、特色といえるでしょう。

一方で、一度出資した資金は運用期間が満了するまで拘束されるというデメリットがあります。

ほかにも、借り手の事業者のデフォルト(債務不履行)リスクがあります。対策として、貸付金に担保が設定された案件を選択すればデフォルトリスクを低減できますが、担保付き案件は無担保案件と比較してリターンが低くなる傾向にあります。

いずれにせよ元本割れを起こす可能性があるため要注意です。また、ファンド業者独自のリスクがあるため、ファンドを選択する際は、信用できる業者かどうかを見極めることも重要です。

【関連記事】ソーシャルレンディング投資歴5年の私が本当に伝えたい7つのこと

2-4.投資型クラウドファンディング

クラウドファンディングとは、群集(クラウド)と資金調達(ファンディング)を組み合わせた造語で、インターネットを介して不特定多数の人々から少額ずつ資金を調達することをいいます。

資金調達をしたい企業などがクラウドファンディングのプラットフォームを利用してプロジェクトに対する出資を募り、投資案件としてメリットを感じた個人が少額のお金を出資します。

株式型クラウドファンディング企業が個人投資家へ未公開株を提供する代わりに資金を募る仕組みのクラウドファンディング。企業が上場した場合に、大きな利益を得る。
ファンド型クラウドファンディング企業が特定の事業(不動産投資など)に対して個人投資家から出資を募る仕組みのクラウドファンディング。プロジェクトによる利益から出資額に応じた分配金をリターンとして得る。

各案件には詳細な内容や担保設定の有無、保証条件などが記されており、それをもとにして投資家は投資判断を行ないます。資産運用の手段としては、予定分配率やキャピタルゲイン、優待などを考慮して案件を選択することになります。

投資先やプロジェクトの内容はプラットフォームによって異なるため、複数のプラットフォームをチェックして検討するのがいいでしょう。

クラウドファンディングは、1万円~10万円程度の少額から資産運用ができるほか、出資したあとは運用の手間がかからないのがメリットです。また、3%~10%程度の予定分配率を狙える案件があり、株式配当や投資信託よりも大きなリターンを期待できます。

一方で、クラウドファンディングは数ヶ月単位で運用して利益を上げる投資方法であるため、短期間での利益を求める場合には向いていません。また、株式型・ファンド型のそれぞれにリスクがあります。

  • 融資型:事業の業績次第では融資の返済が滞り、貸し倒れが起こる可能性がある。
  • 株式型:未公開株式は企業が上場(イグジット)しない限り自由に売買できない。IPOによる株式公開やM&Aによる企業買収が行なわれない限りリターンを得られない。
  • ファンド型:売上高によって分配金が決定するため、進捗状況によっては分配金が減る可能性がある。

いずれの場合も元本割れ・デフォルトのリスクが伴います。

なお、ファンド型の多くは実物不動産を運用する「不動産投資型クラウドファンディング」となっています。多額の資金を必要とする不動産投資を手軽に行えるメリットの半面、不動産の賃料収入や売却益などが利益の源泉となるため、投資対象の見極めが必要です。

【関連記事】不動産投資型クラウドファンディングを選ぶポイントは?注目の4社を紹介

株式型クラウドファンディングは性質上ハイリスク・ハイリターンの投資となります。大きな利益を狙える反面、株式の上場は一年から二年といった短期間で結果が出るものではなく、場合によっては五年や十年ほども待たなくてはいけない場合もあります。

【関連記事】株式投資型クラウドファンディング各社のイグジット実績は?投資の注意点も

このように、クラウドファンディング投資は投資対象が幅広く、対象の特性によって期待できるリターンやリスクの程度も大きく異なります。単一案件であることも多く、投資信託やロボアドバイザーのように1回の投資で分散投資がしづらい点にも注意しましょう。

まとめ

今回は、資産運用を任せられる投資方法を紹介しました。投資信託・ロボアドバイザー・ソーシャルレンディング・クラウドファンディングは、いずれも資産運用を任せることができ、少額から運用が始められる投資方法です。

しかし、それぞれにメリットとデメリットがあるため、どんな投資なのかを理解しておき、自身の投資目的に適した手段を選択することが重要です。

また、リターンが発生する投資方法には、リスクが伴います。どの方法も元本割れが起こる可能性があるということを肝に銘じて、慎重に投資判断を行いましょう。


27歳会社員「自宅で稼げるようにFXや不動産投資、個別株を始めたい」

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ
今回の相談者は、27歳、会社員の女性。会社都合で退職することになったという相談者。結婚を予定しており、将来の子育てのことも考えると、自宅にいながらお金を稼げる不動産投資やFX、個別株を始めようと思っているそうですが……。家計再生コンサルタントの横山光昭氏が運営する『マイエフピー』のFPがお答えします。

会社の都合で、あと半年ほどで退職をすることになりました。現在パートナーと同居中(2、3年のうちに籍を入れたいと思っています)で、家計を合わせ始めたばかり。彼にしっかり収入があるので生活に不安はないのですが、貯金ができなくなるのではないかということが心配です。

今は家計簿アプリで支出を管理していますが、毎月20万円ほど余っています。私の1カ月の収入すべてを貯めている感じです。これを、これからの結婚式費用や出産費用にしたいと思うのですが、半年後には私の収入が無くなってしまい、貯金ができなくなります。

次の職をまだ探してはいないのですが、収入を得なくてはいけないと思っています。子育て等を考えると、自宅にいてできる仕事がよいのかと思うのですが、内職的な仕事は大変な割にあまり収入にならないと思いますし、テレワークの仕事をしても、いつ出勤するようになるかわかりません。そうであれば、不労所得を得ることが一番いいように思い、勉強を始めました。主に不動産投資とFX、個別株投資です。

収入を得られるようになるには時間がかかると思いますが、家計をしっかり管理して取り組めば、何とかなるように思います。収入が上がるまで、収入がそう多くなくてもお金が貯められるやりくり法を身につけたいです。

【相談者プロフィール】
・相談者、27歳、会社員
・パートナー、29歳 会社員
・毎月の手取り収入:相談者22万1,000円、パートナー29万7,000円
・年間賞与:相談者0円、パートナー68万円
・貯金額:相談者250万円、パートナー140万円
・毎月の支出の目安:29万8,000円

【毎月の支出の内訳】
・住居費(管理費 ):7万5,000円
・食費:5万2,000円
・水道光熱費:1万6,000円
・通信費:2万5,000円
・生命保険料:500 円
・日用品代:1万5,000円
・医療費:1,000円
・交通費:9,000円
・被服費:1万9,000 円
・交際費:2万4,000 円
・娯楽費:2万円
・し好品(酒):5,000円
・その他: 7,000 円

FP:ご結婚に向け、家計を合わせて必要資金を貯め始めたところ、ご相談者の収入が無くなる見込みとなってしまったのですね。そこで突然不労所得(投資はそもそも不労所得ではありませんが)を狙い始めるというのは、危険なことだと思います。どうするとこれから貯められるようになるのか、収入の得かたも含めて考えていきましょう。

不労所得は楽ではない

支出面に改善の余地はあると思いますが、まず、「不労所得」について考えておきましょう。不労所得で稼げるというたぐいの書籍やネットの情報はあふれていますが、簡単にできることではありません。

不労所得にもいろいろあると思いますが、ご相談者が考えている不動産投資、FX、個別株投資はいわゆるリスク(不確実性)がそれなりにある投資となります。投資未経験のご相談者が急に始めるのは、そうなのかなと心配に思います。

投資に興味があるのなら、まずは投資信託の積み立てをして資産の軸になる部分をしっかりつくってください。短期間で生活費の足しになるような成果を上げたいという気持ちがわからないわけではありませんが、そんなに甘いものでもありません。しっかりと基盤ができてから、一部で不動産投資や株式投資をしてみるという段階を踏んでいくことが良いのではないでしょうか。やるとしても少額から、できそうであるかを見据えながらです。急に慣れないことをはじめ、せっかく貯めてきた貯金を失うことになってはいけません。まして仕事がどうなるかわからない時に、確実にとまではいかなくても、大きな損失を生む可能性があることは慎重にすべきでしょう。

勉強をすることは大切ですし、良いことですが、順序を間違えないように。結婚前のこれからという時期ですから、余分な損失を被らないよう、まずは普通に仕事を探して労働収入を得て、投資を試してみてから検討をしていきましょう。

収入が減る期間は支出をしっかりコントロール

お二人の暮らしは支出が極端に多いというわけではありません。ですが、まだ減らすことができる支出もあります。そこをしっかりコントロールしていきましょう。

必要のある支出まで減らすのではなく、さほど必要ではない支出を下げていくのです。例えば通信費。通話が多い人は大手キャリアの話し放題などのプランを使ったほうがお得な場合が多いのですが、ネット検索やメール、SNS中心の利用の仕方の場合では割高になりがちです。ですから、使い方に合わせ、契約プランや利用する通信業者を変えることで、効率よい契約に変えていくことができます。もちろん料金も下がります。

また若い人は被服費、交際費、娯楽費が多くなりがちですが、これも支出のひとつずつについて、必要な支出か、さほど必要ではないか仕分けていくことで、下げられる可能性が高いと思います。

食費、日用品代は月に合計6万7,000円ほど使っています。1カ月を5週間と考えると1週間分は1万3,000円。まずはこの予算でやりくりするようにしてみてください。食費が多くなっても、日用品代が多くなっても構いません。予算をオーバーしたら翌週から前借し、余れば貯金しても翌週に繰り越してもOKです。均一に支出する習慣ができると、予算オーバーをしにくくなります。

このようにして、支出をコントロールしていきましょう。

生命保険への加入を検討して

ところで、今の生命保険料は500円。恐らく、何かしらの有料サービスに付帯した生命保険サービスなのかと思えますが、それで保障は足りているでしょうか。

若い方は健康に自信があり、「保険なんて必要ない」という方が多いもの。ですが、目的に向かってお金を貯めているところだったり、医療費専用に使える貯金があるわけではないのなら、万が一の病気やけがに備えた医療保障には加入しておいた方が良いでしょう。もし、予期しない病気やケガで入院、しばらく働けないなどとなれば、資金計画も大きくくるってしまうことになります。

高額な保障である必要はありません。健康保険には「高額療養費制度」があり、1カ月の医療費の自己負担額の上限を超えた医療費は戻ってきます。予め高額な医療費が予想される場合は予め「限度額認定証」を申請しておけば、高額療養費制度の上限額以上は請求されません。また、医療費がかかる時期は休職となる場合も多いもの。健康保険の傷病手当金を受け取れる場合もあるでしょうが、収入が減ることも考慮して必要な保障を検討し、備えておきたいものです。

マンション投資と金融機関のやばい関係


【業界の闇】マンション投資と金融機関のやばい関係

マンション投資
(画像=PIXTA)

コラムでは私が長らく身を置いていた、不動産業界・投資用区分マンション業界の闇についてをテーマに執筆したいと思います。タワーマンションとは少し違った話題になりますので、興味のある方だけ読み進めてください。

まずは、マンション投資の話をしましょう。

マンション投資は、ワンルーム投資とも呼ばれており、不動産投資のなかでは非常にメジャーな手法です。

一棟マンションの一室を区分所有マンションと言いますが(なお、マイホーム用では、分譲マンションという呼び方をします)、このマンションの一室を貸し出して、家賃を得ることを目的にローンを組んで購入します。

マイホームとして購入する分譲マンションと同様に、ローンのほかに管理費や修繕積立金、固定資産税などのコストがかかります。家賃からそれらを差し引いた残りをキャッシュフローと言い、毎月のキャッシュフロー=インカムゲイン(運用益)を得る……という投資です。

「マンション=住んで使うもの」というイメージがありますが、「マンション投資」における「マンション」は、あくまで投資対象であり、いってみれば、「株」や「債券」や「(FX投資の対象となる)外国通貨」のようなものとして捉えるのです。そして、マンション投資は、配当や利息に相当する「キャッシュフロー=インカムゲイン(運用益)」を得て投資を回収する、というゲームを意味します。

本来、マンション投資は「株」や「債券」のように配当や利息を当て込んで投資を回収する方針で行うのがメインの筋書きですが、他方で、配当や利息でのんびり回収するのではなく、猛烈な勢いで値上がりした瞬間を捉えて、高値で売り払うことで、一挙に投資回収をする方針もありえます。このような方針でマンションを購入時より高く売却することでキャピタルゲイン(売却益)が得られます。

ところで、株式に現物投資のほか信用売買があるように、FXにレバレッジ投資がありますが、これは、いわば、「少ない手持ち現金しかないが、足りない元手は借金(信用や信用倍率で投資額を膨張させますが、実態は借金となんら変わりありません)で投資をする」という冒険的な方法です。

そして、マンション投資も、「全額手持ち現金で買って、インカムゲインを得たり、キャピタルゲインを得たりする」という堅実で地道な手法以外に、「少ない手持ち現金で(場合によっては手持ち現金もなしで)、あとは借金で投資をする」という冒険的方法が存在します。

後者の「(信用ないし借金による投資額を膨張させた)マンション投資」において、欠かせないものは融資です。

手持ちの現金がなくても、融資を受ければ数千万円の区分マンションを購入できます。これをレバレッジ手法(借金による投資額の膨張、あるいは信用膨張手法)と言います。

このレバレッジ手法のいいところは、手持ち資金が少ない方でも、投資に参加できる、という点です。「投資家の裾野が広がり、市場が活況化し、お金を貸す金融機関も仕事が増え、投資家も、不動産業者も、金融機関も、全員ハッピーになる」ということで、広がってきました。

そのためマンション業界では、多くの業者が金融機関と提携してビジネスを展開しています。これは昔も今も変わりありません。提携先としては、ノンバンクや一部の銀行が挙げられます。金融機関にもよりますが、ある一定の審査基準さえクリアすれば、簡単に融資を受けることができ、金利優遇されるケースもあります。

この結びつきは大変強いもので、例えば投資用マンションの融資を受けようと購入者が直接銀行に行って申し込みをしても、提携ローン条件で融資を組むことができません。逆に不動産業者を通せば、本来であれば多額の借金などできない人でも融資を組むことができます。

このように優遇されている提携ローンですが、取り扱う不動産業者として、金融機関の手前絶対避けるべき事態があります。それは顧客のデフォルト(破産)です。

万が一、何らかの事情でローン返済が難しくなった際には、業者が残債の金額で買い取るか、もしくは残債以上の金額での売却の手助けを行います。そうやって火消しするような暗黙の了解があるのです。

とあるノンバンクでは、マンション投資用のローンで総額5000億円の貸し付けをしているそうですが、デフォルトは一度も起こしていないと言います。これは前述したように、債務者が破産しそうになった段階で業者とともに火消しに走るからです。正確に言うと、債務者に対しては残債をゼロにして、業者は自己資金を入れたりお客さんの付け替えをしたりするので、「損切り」していることになります。

しかし売却時にかなりの利益を上乗せしているので、損切りをしても自社の経営を揺るがすようなダメージはありません。むしろそうしたリスクも考慮したうえで、上乗せする利益が算出されています。

要するに、「投資家の裾野が広がり、市場が活況化し、お金を貸す金融機関も仕事が増え、投資家も、不動産業者も、金融機関も、全員ハッピーになる」という前述の構図は、必ずしも実態を反映させたものではなく、「儲けることしか考えずに舞い上がっていて、正しくマンションの投資価値を見極めることのできない情報弱者のマンション投資家を食いものにして、不動産業者と金融機関が、劣悪なボロ不動産を高く売りつけて借金を負わせ、ボロ儲けする」という実態が浮かび上がってくるのです。


ラオス不動産投資…英国投資家が注目の首都ビエンチャンの胎動


首都ビエンチャンで高級マンションの開発事業

「ラオスに何があるというのだ?」

 

「なんだ、それ。まるで村上春樹じゃないか」——。宗吉の最初の反応はこうだった。

 

2017年のこと。「面白い投資先がある。話だけでも聞いてみないか」と言われ宗吉が「いったいどこの国の話?」と尋ねるとラオスだという。ラオスの首都、ビエンチャンで高級サービスアパートメントの開発をやるから、「投資してみないか」というのだ。ラオスと聞いて宗吉はたちまち興ざめ。「ラオス? いったい何があるというのだ」。村上春樹の本の名前が思わず脳裏をよぎった。

 

ラオスは街の発展レベルも人々の意識、生活呪医準も10年前のカンボジアだという。(※写真はイメージです/PIXTA)
ラオスは街の発展レベルも人々の意識、生活呪医準も10年前のカンボジアだという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

投資話を持ってきたのはアナンディ・グループのスー・マという女性だった。1962年生まれ。外見は「下町の気のいいおばちゃん」といった風情の中年女性だが、実はシンガポールでレストラン、タイのプーケットでホテル事業をファミリーで広範に手がける、なかなかのやり手実業家だった。宗吉と同じように2011年からシンガポールに居を構えており、アジアで不動産業を手広く展開する宗吉に目を付けたシンガポール在住のインベストメントバンカーが2人を引き合わせたのだった。

 

スー・マは外見とは裏腹に、もともとラオスの裕福な華僑の家に生まれた。苦労のない幼少期を過ごしたお嬢さんだったのだが、1970年代半ばの政変で家族を取り巻く環境は一変する。ラオスが王国から人民民主共和国に移行する過程で経済は大混乱、スー・マの父親も事業で大損害を被った。最後は追い詰められ、身に迫る危険を感じ、すべての資産を残して一家でオーストラリアに移住したのだった。

 

それから40年あまり。オーストラリアで教育を受け、スー・マは父親と同じように実業家となった。そして自分の故郷であるラオスに戻り、首都ビエンチャンで高級サービスアパートメントの開発事業に乗り出すというのだった。米国大使館などが近くにある閑静な住宅街に総戸数80戸を建設、2020年に完成させる計画だ。

 

「ラオスには国連などの国際機関に勤める人や外交官などが住めるクオリティーの高い住宅はほとんどない。それなりの賃料で必ず借りる人はいるわけだから、その賃貸需要をベースに投資物件に仕立てることが可能だ」

首都ビエンチャンの市場規模は小さすぎる…

もともとラオスに住んでいたスー・マのことだ。シンガポールでも数々のビジネスを成功させてきた実績もあり「販売可能」という見立てに狂いはないだろう。それでも最初、宗吉がスー・マの誘いに乗らなかった最大の理由は市場規模だ。とにかく宗吉にとってビエンチャンは小さすぎた。

 

例えばクリードが進出しているカンボジアの首都プノンペン(200万人)と比べると、ビエンチャンの人口はその半分(80万~100万人)。事務所を構えて人を配置しても、そのコストに見合うだけの収益が見込めるかどうか、不透明だった。

 

「それなりに儲かるかもしれない。けれど国が小さすぎてやる意味がない」

 

ただ、よく考えれば経済のポテンシャルは違った。国内総生産(GDP)こそ170億ドルで220億ドルのカンボジアの8割にも満たないが、1人当たりのGDPでみれば、2542ドルとカンボジアのほぼ2倍だ。経済的な力はかなりある。

 

しかも決定的だったのが「ラオスは1人当たりの所得は高いにもかかわらず、街の発展レベルも人々の意識、生活水準も10年前のカンボジア」というクリードのバイスプレジデント、約仕知宏の見立てだ。約仕の仮説が合っているなら、これからの10年の間にこれまでカンボジアで起こったことが今度はラオスで起こる。だとすると……。住宅ブームだった。

 

今、住宅ブームの真っただ中にあるプノンペンも、10年前はデベロッパーによる一定規模以上の住宅開発プロジェクトは数えるほどしかなかった。

 

宗吉はスー・マとのプロジェクトに25%を出資することを決めた。現在、工事中で竣工後に販売を開始する。価格は1戸あたり10万ドル(日本円で1000万円強)。約仕の見立てだと「ラオスの平均世帯年収の20倍」だが、すでに30%程度に販売のメドが付いているという。スー・マが言う「やれば売れる」は本当だった。宗吉はそれ以降、ラオスに少しずつ入り込んでいくことになる。

「世界一何もない首都」ビエンチャンのこれから

この国では何かが起きる

 

実際、「ラオスは意外に狙い目かもしれない」との認識は、世界の投資家や事業家の間で、少しずつ広がりつつある。

 

「世界一、何もない首都」と呼ばれるほどのビエンチャンだったが、その中心部に位置するエリアに、ラオスにはやや似つかわしくない高級ホテル「クラウン・プラザ」がある。宗吉はここを定宿にしており、2017年のオープン以来、ラオスで仕事をする際に使っているが、最近、ホテルの客層などを見ていると「確かにこの国は成長軌道に乗りつつあるんじゃないか」と思わせる空気が漂い始めている。

 

とりわけ「これはシグナルじゃないか」と思ったのが2018年の秋だった。ロビーで英国のベアトリス王女の姿を見かけたのだった。英国の王女がわざわざやってくるということは、英国の投資家がラオスに注目し始めているということの証左だった。

 

英国は大英帝国時代が終焉して以降、蓄積した富を世界の成長国に投資することで大きく増やしてきた。投資妙味のある国や地域を誰よりも早く見つけ出し、「ここだ」となれば、まず王室を動かし国と国とで友好関係を深める。地ならしが済んだところで一気に投資に動き出すのだ。

 

「英国がこれから入ってくるなら、ラオスは今後、発展していくかもしれない」

 

宗吉 敏彦
クリードグループ 代表

物件欲しい病なのに一棟目を買えなかった私がコンサルを受けて感じたこと、実行したこと。


だんだんと暖かくなってきましたね。春の気配にウキウキしますが、 花粉症の私は家にいたい! コロナ禍でリモートワークやオンラインMTGが一気に進んだことに感謝しながら、最近は自宅で文章を書いたり、ヨガを教えたりしています。

私は昨年4月、16年勤めた会社を退職しており、1年前とは大きく異なった働き方をしているのです。不動産に関しては、昨年夏ごろから追加で購入したいと思いながら、新たな仕事や子育てに翻弄されており( 言い訳 )物件探しが進まぬ日々を過ごしています。

■ 不動産投資を始めたい30~40代の共働き世代の動機

さて、「 不動産投資をしたい 」と話す共働き30~40代世代が、私の周りに増えています。「 不動産投資でFIRE( Financial Independence, Retire Early=早期リタイア )」というより、「 収入源が会社員の給与1本は不安である。複数の収入源を持ちたい 」といった購入動機が多いようです。

これまでの大家さん達は、「 不動産投資で目標達成したら( 手残り1,000万円など )会社を辞める 」といった憧れモデルケースが多かったですし、実際、健美家コラムニストの先輩方は見事にそれを達成して、人生のシフトチェンジをされています。

しかし、私の周りにいる同世代共働きワーママ、パパたちは、また「 違った動機 」を持ち、不動産を見ていると感じます。「 仕事は続けたい、不動産1本でリタイアしたいわけではない 」ようです。

そんな彼らに聞かれるのが「 本業を持ちつつなら、まずはどんな物件を購入するのがいいか? 何を勉強すればいいか? 」です。

<彼らの特徴>
・夫婦共働き。ある程度のすぐ使える資金がある( 300~500万円程度 )
・属性がよい( サラリーマンで勤続10年以上の夫婦、世帯年収800万以上 )
・将来への漠然とした不安がある( 自分の働き方、子どもの学費 )
・幼児が1,2人いて、平日は全く時間がない。
・学習欲はある( 本を読む、調べるなど苦ではない、学ぶのは好き )

■ 頭でっかちになり不動産が買えない

思い返せば、私も2014年( 長男出産後、育休中、彼は今年8歳・・。あの時に買っておけば・・ )頃に「 不動産投資したい。買いたい 」の病にかかりました。

当時、私は不動産関連情報を調べ、本をたくさん読んでしまったがゆえに、逆に買えなくなりました。怖くなったのです。土地の価値は? 入居者はつくのか? 返済比率は? 積算は? 新築? 築古?・・・

「 出口があり( 土地の価値 )、入居付に困らないエリアで、返済比率50%以下で・・・ 」と条件だけは積み上がっていますが、希望を全て満たす物件は「 初心者 」には見つけられない、来ない。

今なら、まずは小さく買ってみて( 許容できるリスク内 )、その物件を運営しながら学ぶべきと思います。しかし、当時は結局育休がそのまま明け、時間が無くなりタイムオーバー。多忙な生活に翻弄され、そのまま不動産は買えぬままでした。

時を経て、2人目の育休中の2017年、再び「 不動産投資やりたい 」と再燃します。しかし、生半可な知識だけはあるがために、結局「 どんな物件がほしいのか 」「 これでいいのか 」を迷いまくって、やっぱり買えない私・・・。

当時は、ブログやTwitterもしていなかったため、書籍の著者大家さんやインターネット以外の情報がなく、誰かに相談もできないし( 業者に相談したらカモになるのではと恐れていた )、これでいいのかと迷いつづけていました。

■ 先輩大家さんにコンサルをお願いした

そんなときに、現実世界の知人( 育休中ワーママ )のFacebookを見ていて、その知人の知り合いとして毎回表示される「 ある女性 」が気になりはじめます。

イキイキとした笑顔が素敵で、会社員でありながら、本業以外にも事業をしていると書かれていました。様々な世代の男女と繋がっておられるのも興味を引きました。

「 歳は50代かな? ワーママっぽいけど誰なんだろう? 」

詳細は省きますが、その後、縁あってこの女性とお会いすることになりました。実はこの方は、約100室所持、年間家賃収入8,000万円の不動産投資家( 本業は会社員でワーママ )だったのです。

( ちなみに、情報発信している大家さんではないため、ブログ、Twitter界隈ではお見かけしません )。

「 私が探していたことを既に体得している! 」と、ロールモデルのように感じました。勤務されていたのが私と同じ業界だった( 偶然 )ということもご縁があるような気がしました。

ピンときた私は「 私に不動産を教えてください 」とお願いしましたが、速攻で断られました。そこで「 不動産セミナーをしてください 」と頼みました( 言い方変えただけ )。

「 セミナーなので『 責任 』はないし、一方的な講義で構いません。授業料はお支払いします 」。すると、面白がってもらえたのか、結果的にはOKをもらって、4回程「 授業 」をしてもらいました。いまで言う「 コンサルを受ける 」というやつです。

スライドを作ってくださり、本当にセミナーのように教えてくれました。教えてもらったのは以下のようなことです。

・銀行の選び方( 根抵当という言葉をここで知る )
・私の背景( 子持ち時間無しワーママ )と属性( 勤続10年以上の会社員 )から選ぶ物件
・融資を引く時の考え方( 返済比率、減価償却、デットクロスなどの話 )
・物件見学( 投資物件を数件、2人で見に行った。見学での見るポイントを聞き、浄化槽やエレベーター管理コスト、外壁クラックなどもこの時に知る )

本を読めば分かるだろうと思われる内容ですが、私にとっては、リアルに「 テーラーメード( 個人に合わせて )」で教えてもらえたことに大きな価値がありました。

例えば、最初に「 いくら欲しいのか? 」と聞かれ、月50万円( 手残り )と答えました。そんな会話を通じて、「 私が達成したいゴール 」と「 必要条件 」が明確になっていきました。

そもそも私は不動産投資で何をしたいんだった? その部分をクリアにすると、それまで知識として詰め込まれた内容が整理されて、自分のこれからの行動方針がはっきりしました。

・会社員以外の収入経路を作る
・大きなリスクは取らない
・会社は辞めない( 辞めたけど )
・時間がなくてもできる( 入居者トラブル、手間がかかる物件、遠い物件はNG )
・利回りは追わない( 長期運用で出口が取れるもの )

ワーママ同志ということもあり、「 私が女性だから困ったのはね 」「 私は不動産屋さんとキャバクラには行けないからこうやって情報を得たの 」「 子育て中だからこれを重視してこの物件を選んだ 」などの体験談は共感の嵐でした。

4回のセミナーが終わる頃には、モヤモヤが晴れて、「 この条件で探そう 」とクリアになった私がいました。コンサル料は 「 25万円 」。彼女の時給を聞いていたので( 不動産仕事での )そこから算出してお支払いしました。

■ 教えてもらったことから1件目を買えた

そして1ヶ月後に、私は以下のような「 新築木造アパート 」に申し込みをしました( 新築木造建売アパートの是非を次回コラムに書きます )。

県外、大きな高速道路インターチェンジ近く、巨大ショッピングモールあり
1LDK×6戸 JR駅から徒歩11分
6400万円 利回り8%( 頭金400万円。融資条件:金利1%30年 )

この方法が正しかったのかはわかりません。今は多くの優良な大家さんが情報を発信しているし、Twitterなどでつぶやけば「 情報 」をくれる人がたくさんいます( 良い情報かどうかは別ですが )

オンラインでセミナーも3,000円~5,000円で受けられる、質問もできます。大家の会も盛んですし、自分から情報発信している人の元には多くの情報も集まっています( DIYのYouTuberさんなんて当時はいなかった、いたかもしれないが見えなかった )

私は25万円払ったことで、時間が短縮できた、情報を買ったと思っていますが、それも「 たられば 」の世界の話。もしかしたら、払わなくても買えたかもしれません。

この話の教訓は、「 大金はたいてコンサルを受けろ 」ではなく、「 不動産投資を通じて自分がやりたいことを見失うな! 」だと思います。プラス「 行動しよう! 」かと。

色んな情報や手法は世の中に溢れています。でも合うか合わないかは、その人次第。私の場合、先輩の力を借りることで目的が明確化し、方法が決まりました。あの頃のモジモジと逡巡していた私には、有意義な25万円だったと思っています。


「豊かな老後には3000万円…」公務員が不動産投資に走るワケ


「公務員だから不動産投資できない」は誤解

老後のため、家族のため、たとえ公務員であっても投資はするべきです。しかし、株式やFXは値動きが激し過ぎて本業に支障が出そうですし、iDeCoは60歳まで換金ができません。そして仮想通貨は株式以上に値動きが激しくてあまりにもハイリスクです。

 

では、どの投資を選べばいいのか? 私は不動産投資をお勧めします。不動産は数少ない「ローリスク・ミドルリターン」の投資対象といえるからです。

 

しかし、公務員の方々に不動産投資の話をすると、多くの人が副業規定を気にされます。「公務員だから副業はできない」と言うのです。

 

確かに公務員は次の3つの理由から副業を行うことを規制されています。

 

⒈ 副業や兼業を行うことによって、公務員としての信用を失う行為につながる可能性がある。

⒉ 公務員は多くの個人情報を扱っているため、守秘義務を守れなくなる可能性がある。

⒊ 副業や兼業を行うことによって、本業に専念できなくなる可能性がある。

 

とはいえ、例えば親が所有する投資物件を相続した場合は、どうなるのでしょうか。「公務員だから相続するな」というのはあまりにも理不尽です。このようなことから不動産投資に関しては、ある一定の規模までは副業と見なされません。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

「副業になるケース」「ならないケース」を再確認

副業について国家公務員では、憲法・国家公務員法・人事院規則において基準があります。そして地方公務員に関しては、各自治体で独自の規定を設けているものの、ほとんどは国の基準に合わせています。

 

その国家公務員の基準のうち、特に不動産投資に関係する部分を紹介しましょう。

 

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人事院規則14‐8(抜粋)

 

3「自ら営利企業を営むこと」(以下「自営」という。)とは、職員が自己の名義で商業、工業、金融業等を経営する場合をいう。なお、名義が他人であつても本人が営利企業を営むものと客観的に判断される場合もこれに該当する。

 

4前項の場合における次の各号に掲げる事業の経営が当該各号に定める場合に該当するときは、当該事業の経営を自営に当たるものとして取り扱うものとする。

 

二 不動産又は駐車場の賃貸次のいずれかに該当する場合

 

(1)不動産の賃貸が次のいずれかに該当する場合

イ 独立家屋の賃貸については、独立家屋の数が5棟以上であること。

ロ 独立家屋以外の建物の賃貸については、貸与することができる

独立的に区画された一の部分の数が10室以上であること。

 

(3)不動産又は駐車場の賃貸に係る賃貸料収入の額(これらを併せて行つている場合には、これらの賃貸に係る賃貸料収入の額の合計額)が年額500万円以上である場合

*******************

老後資産3000万円を目指す程度なら「副業」の対象外

要するに次の規模の不動産投資であれば副業と見なされないのです。

 

●4棟以下

●9室以下

●年間賃料収入500万円未満

 

この規模を超える場合でも、①不動産が公務員としての取引先と関係がないこと、②管理は管理会社に委託すること、③公務員の信頼性を損なわずに行うこと、に該当すれば承認を得ることが可能です。

 

例えば、親から5棟のアパートを相続したとしても、この3つの条件をクリアしていれば問題ないということです。

 

そもそも「4棟」「9室」「年間賃料収入500万円」は、公務員が行う不動産投資の範疇を完全に超えています。いくら公務員でもこのレベルに達するまで融資をしてくれる金融機関はないでしょう。

 

結論として、ゆとりある老後を送るために必要な、「資産3000万円」を目標とする不動産投資は、公務員の人々が心配する副業に該当しないのです。ただし、念のため管理は管理会社へ委託し、「不動産投資で儲かっている」といったことは大々的に口にするのは控えたほうがよいでしょう。

「借りられる金融機関」が豊富だからこそ見極めが肝心

公務員の金融機関からの評価は最高ランクです。したがって、ローンを組む金融機関は選び放題でしょう。一言で金融機関といっても都市銀行、地方銀行、信用金庫・組合、ノンバンク、政府系金融機関など多種多様で、特徴もそれぞれ異なります。

 

例えば、都市銀行は全国展開をしているので身近に感じる人も多いかと思いますが、融資に関しては大手企業や資産家をメインターゲットとしているので、一般的な不動産投資ローンにはあまり積極的ではありません。

 

地方銀行は、不動産投資への融資に前向きなところが多く、金利も低めです。しかし、その一方で多めの頭金を求められることがあるようです。

 

日本政策金融公庫などの政府系金融機関は、不動産投資には積極的ですが、融資額の上限が低かったり、融資期間が短かったりする傾向があります。

 

私の知人に、以前このようなことがありました。彼も公務員なので、融資の依頼先は選り取り見取りでした。そのため、私たちの提携銀行ではなく親から紹介された地方銀行から借りる気になっていました。かなりの低金利を提示してきたからです。

 

ところがその地方銀行は、物件価格の3割の頭金(700万円)を求めてきました。彼にそこまでの蓄えはありません。そこで彼はなんとか少ない頭金でも済むように交渉を続ました。しかし、これが難航。そうこうしているうちにほかの人に物件を買われてしまいました。

 

選択肢が多ければ「あれも、これも」と目移りしてしまうことはよく理解できます。けれども選択肢が広いからこそ、どの金融機関にするのか見極めなければ損をすることになります。

 

最善の不動産投資ローンは、同じ公務員であっても人それぞれ異なります。万一自分が亡くなった際の家族の生活が心配ならば団体信用生命保険の内容を重視するべきですし、ある程度の預貯金がある人なら頭金を多く求められるが金利は低い銀行を選んだほうがいいでしょう。

 

また、金融機関が出す融資の条件は日々変化しています。支店長が交代しただけで今までの融資条件がガラッと変わる、といったことは決して珍しくありません。

 

その時々で最善のローンを見つけるには、不動産投資を始める目的を明確にすると同時に、変化を続ける金融機関の情報を常に把握している優れた不動産投資会社をパートナーとすることが必要不可欠です。


マレーシア不動産投資のエリアと物件選びについてデータを分析!



マレーシア不動産投資には、他の国と比較して海外送金の自由度や将来性の大きさなどにメリットがあります。しかし、どこのエリアでどの物件に投資すればいいのか、判断できないという人も多いのではないでしょうか。マレーシア不動産投資を検討するときには、政府が発表している統計の分析が役立ちます。この記事では、政府統計の分析に基づいて、投資に適したエリアや物件のタイプなどを解説します。

クアラルンプールにおける物件選びのコツは?

マレーシア不動産市場で最も多く販売されている物件は、首都のクアラルンプールに立地する物件です。クアラルンプールの不動産投資ではどのように物件を選べば良いのか、タイプ別・エリア別に解説します。

クアラルンプールの物件タイプ別取引数

クアラルンプールでは主にどのタイプの物件が取引されているのか、物件種別の取引数から分析します。2020年第3四半期におけるタイプ別の取引数は以下グラフの通りです。

※参照:マレーシア政府統計 https://napic.jpph.gov.my/portal/key-statistics

 各タイプの定義は以下の通りです。ただし、マレーシアにおける用語の使い分けは、日本における不動産の定義ほど厳密ではありません。

用語
定義
Vacant Plot
土地
Terrace
戸建住宅
Semi-Detach・Detach
区画割りされた駐車場付き建売住宅
Condominium / Apartment
高層共同住宅
Cluster House
ゲート付きの一定区画内に建設された複数の戸建住宅
Town House
低層共同住宅
Flat
団地状の共同住宅
Low - Cost
低所得者向け住宅

クアラルンプールでは、コンドミニアムおよびアパートメント(=高層共同住宅)の取引数が最多です。また、日本人向けに投資物件として販売されているマレーシア不動産も、大半はコンドミニアムです。タイプ別に取引数を比較すると、クアラルンプールでは、コンドミニアムに投資するのが最も一般的と考えられます。取引数の多さは物件の流動性に影響があり、投資終了時の売却可否につながるためです。

クアラルンプールのエリア別物件取引数

つづいて、物件のタイプをコンドミニアムおよびアパートメントに限定し、クアラルンプールをさらに細分化してエリア別の取引数を比較します。

※参照:マレーシア政府統計 https://napic.jpph.gov.my/portal/key-statistics

Kuala Lumpur Town Centreは、クアラルンプールの中でも、ムルデカ広場を中心とした一帯のことを指しています。細分化した統計を分析すると、コンドミニアムの取引数が多いエリアは、北側および西側のエリアに集中している様子が伺えます。Ampang・Ulu Kelang・Cherasなどのエリアは、クアラルンプールの東側に位置しており、西側エリアと比較するとその取引数はかなり少ないものです。クアラルンプールで不動産投資を検討するならば、西側のエリアに立地するコンドミニアムが妥当と言えます。

クアラルンプールの価格帯別物件取引数

クアラルンプールではどの価格帯の物件が特に流通しているのか、価格帯別の取引数を比較することで検証します。クアラルンプールの住宅市場における、価格帯別の取引数は以下の通りです。

※参照:マレーシア政府統計 https://napic.jpph.gov.my/portal/key-statistics

統計を検証すると、クアラルンプールではRM100万以上の物件も多数取引されていることがわかります。高価格帯の物件であっても、流通量が少ないゆえに出口戦略を描けないといったことはありません。ただし、RM40万以下の物件も取引数が多いことから、実需の主要価格帯は比較的低いとも考えられます。また、マレーシアでは住宅の供給過剰が続いているため、綿密な投資戦略が必要です。RM100万以上の物件は投資用物件として取引されている前提に立つのであれば、立地と品質を厳選して物件を選ぶことが重要になります。供給過剰状態のマーケットで高価格帯の物件に入居者を入れるためには、入居者のターゲットも絞る必要があるためです。

クアラルンプールの不動産投資では、現地の富裕層や外国人を入居者のターゲットとするのが妥当と考えられます。クアラルンプールに住む富裕層には中華系の華僑も多いものです。中華系の富裕層を意識した物件選びなどが、空室リスクを下げるためのポイントになります。

ジョホールバルにおける物件選びのコツは?

日本人向けにマレーシアの投資用物件が多数販売されているのは、クアラルンプールとジョホールバルです。ジョホールバルはクアラルンプールの南端に位置しており、シンガポールとの国境に接している都市です。ジョホールバルの不動産市場についてデータを分析します。

ジョホールバルの物件タイプ別取引数

ジョホールバルにおける、2020年第3四半期の物件タイプ別取引数は以下グラフの通りです。

※参照:マレーシア政府統計 https://napic.jpph.gov.my/portal/key-statistics

ジョホールバルでは、テラスタイプの住宅が最も多く取引されています。なお、その次に多いのは低所得者向けのローコストタイプです。ジョホールバルの不動産市場はクアラルンプールと大きく異なっている様子が伺えます。土地のことを指すVacant Plotの取引数も多いことから、ジョホールバルでは、土地や低層住宅が好まれると言えるでしょう。フラットやコンドミニアムなどの高層住宅も含まれるタイプは、取引数が少なめです。ジョホールバルで不動産投資を検討するのであれば、最終的な物件の売却も考慮すると、低層住宅を購入するのが安全と言えます。

ジョホールバルの価格帯別物件取引数

つづいて、ジョホールバルにおける、2020年第3四半期の価格帯別物件取引数は以下グラフの通りです。

※参照:マレーシア政府統計 https://napic.jpph.gov.my/portal/key-statistics

価格帯別に見ても、ジョホールバルの不動産市場はクアラルンプールと異なっている様子が伺えます。ジョホールバルではRM40万以下の物件に取引が集中しています。ジョホールバルではクアラルンプールよりも多くの物件が取引されているため、高価格帯の取引割合はかなり小さいものです。

ジョホールバルでも、外国人はRM100万以上の戸建住宅しか購入できないことを考慮すると、規制内容と不動産市場との間に乖離が起きていると考えられます。

マレーシアの人口分布

マレーシアでは首都圏に人口が集中しています。人口分布を分析すると、マレーシア不動産投資を検討するのであれば、クアラルンプールで物件を探すのが安全です。マレーシア政府の統計によると、2020年第4四半期時点で、首都のクアラルンプールを含むセランゴール州には、マレーシア全体の人口のうち約20%が集中しています。また、首都であるクアラルンプールの人口は、マレーシア全人口のうち約5.4%を占めています。ジョホールバルを含むジョホール州とセランゴール州とで人口を比較すると、ジョホール州の人口はセランゴール州の約58%です。マレーシアでは、首都圏と地方都市との人口差が大きい様子が伺えます。

まとめ

マレーシア不動産投資を検討するのであれば、首都のクアラルンプール西側でクオリティの高い物件を探すのが最も安全です。クアラルンプールでは、外国人投資家に対する最低購入価格の規制と、不動産市場で流通している物件の価格とに乖離がありません。

その一方で、地方都市に目を移すと、低価格帯の戸建住宅が多数流通しているため、不動産市場の実態と外国人投資家が取れる選択肢との間に違いがあります。不動産投資のリスクを下げるためには、不動産市場の実態を把握することが需要です。

マレーシア政府が発表している統計の分析は、各エリアが持つ特徴を把握するのに有効です。マレーシア不動産投資を検討する場合は、各種統計を物件・エリア選びの参考にしてみてください。

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    「保証人!? そんなのいらないよ」米国不動産投資初心者の衝撃

    先進国で随一、人口増加と経済成長を続ける米国

    着実な人口の増加と、堅調な経済成長を基盤として、アメリカの不動産価格も着実に上
    昇しています。

     

    価格が順調に上昇する「アメリカ不動産」(画像はイメージです/PIXTA)
    価格が順調に上昇する「アメリカ不動産」(画像はイメージです/PIXTA)

     

    代表的な不動産価格指標であるS&Pケース・シラー全米住宅価格指数を見ると、2000年を100とした全米の住宅価格は2018年には205.8と、2倍に上昇しています。

     

    [図表1]S&Pケース・シラー全米住宅価格指数


    あくまで過去の実績ベースですが、18年間で100%の上昇だと考えると、毎年4%強の利回りで複利運用しているのと同じです。

     

    一方、日本の状況を示す例として、住宅地公示地価(全国)の推移を示しているのが次のグラフです。アメリカとはまったく状況が違うことはすぐ分かります。これを見れば、日本人が、自宅を自分の資産を増やしてくれる投資対象だと考えられないのも、無理はあません。

     

    [図表2]日本の公示地価推移(全国、東京圏)

     

    長期的に見て、アメリカの不動産価格は上昇基調が続いています。ただし、グラフからも分かるように、必ずしも常に右肩上がりで推移しているわけではありません。リーマンショック後から冷え込んだ市況が2012年ごろで底を打ち、2013年ごろから再上昇している様子がわかります。現在では、リーマンショック前の水準を抜いて、さらに価格が上昇しています。

    アメリカ不動産は「バブル」になっている?

    現在の水準を見て、アメリカ不動産は「バブル」になっているのではないかと思う人がいるかもしれません。また、2008年にリーマンショックを引き起こす原因となった、住宅ローンに関連したサブプライムローン問題、過剰融資問題がまた起こるのではないかと、心配している人もいるかもしれません。

     

    結論から言うと、現在の不動産市況はバブルではなく、またリーマンショック時のような過剰融資問題の兆候は表れていません。

     

    まず、2008年以前にサブプライムローン問題がなぜ起きたのか、簡単に言うと、通常なら住宅ローン融資を受けられないような信用力が低い人たち(これをサブプライム層と言います)にも、融資ができる商品を開発し、どんどん売ったからです。

     

    ただし、もともと信用力が低い層ですから、その人たちの収入ではローン返済は無理で、住宅が値上がりすることによって、その値上がり差益も組み込んでローンを返済してもらうような仕組みでした。

     

    ところが、当時の住宅市況が頭打ちになったため、ローンを返済できない人が続出したのです。しかも、サブプライムローンは単に融資をしていただけではなく、その融資自体が証券化されて、さまざまな金融商品に組み込まれていたため、全米、全世界を巻き込んだ金融ショックにつながりました(実際はもっと複雑ですが、ごくおおざっぱにまとめています)。



    国税庁OB税理士が解説「アメリカ不動産投資」セミナー開催!






    海外不動産投資のメリット・デメリットは?日本との比較や特有のリスクも解説


    海外不動産投資のメリット

    空室率の低い投資が可能

    不動産投資による収益には、家賃収入などの「インカムゲイン」と不動産価格上昇による売買差益「キャピタルゲイン」があります。インカムゲインやキャピタルゲインを狙えるのは、人口増加および経済成長を続ける国の不動産です。また、人口が増加している国では住宅ニーズも増加するため、空室率の低い投資を期待できます。
    一方、人口が減少傾向にある日本では、住宅ニーズも減っていくことが予測されるため、慎重にエリアを選ばなければ、空室リスクが高くなってしまいます。

    人口増加に伴う物件売却益を狙える

    日本では不動産価格は新築時が最も高く、年数の経過につれて価格が下がっていきます。しかし、経済成長や人口増加とともに住宅需要が増加しているアジアなどの新興国においては、不動産の値上がりが見込まれます。そのため、成長著しい新興国では大きなキャピタルゲインを狙うことも可能です。

    大都市にある物件を安く購入できる

    日本では、人口が集中している都市部の不動産価格は高止まりしているのが現状です。新興国の都市部では、日本と比べてまだ不動産価格が低い傾向にあります。バンコクやクアラルンプール、ジャカルタ、ホーチミンといった東南アジアの国々にある大都市では、東京と比べるとその価格は半額以下となっています。

    資産分散によるリスクヘッジが可能

    日本国内だけでなく海外でも広く不動産投資を行うことで、災害や経済に関わるリスク分散が可能です。災害や経済の混乱によって、日本の不動産価格が下がれば、収益が減少してしまいます。海外にも不動産投資をしていれば、日本の不動産投資で収益が減少しても、収益の穴埋めが可能です。

    海外不動産投資特有のデメリット

    情報収集やエージェント探しが難しい

    日本人の投資家が海外不動産投資を始めようとしても、住宅情報が未整備な新興国などで現地の不動産情報を得ることは容易ではありません。海外不動産投資を始めるためには、まずは信頼できる業者を見つけることが最も重要となります。

    海外では「エージェント」と呼ばれる不動産専門の仲介業者がサポートしてくれますが、日本語が話せるという程度で信用するのは危険です。エージェントの見極めを怠ると、入金後に連絡がつかなくなる、投資に不適格な物件を勧められるなどのこともあります。
    投資先が先進国でも要注意です。海外不動産投資ではエージェントの見極めが大きなポイントとなります。

    新興国では突然規制が変わるリスクもある

    海外では、政権交代によって、不動産に関する制度や外国人に向けた規制が一変することもあります。特に新興国には政治情勢が不安定な国もあるので要注意です。新興国では実際に、外国人が不動産を買い占めた結果、不動産価格や家賃が高騰し現地民が住宅を購入できないといったことも起きています。このため、外国人による不動産取得の規制に踏み切った新興国も少なくありません。
    たとえばベトナムでは、外国人による不動産の買い占めを防ぐため、開発プロジェクトごとに外国人が購入できる戸数に制限があります。コンドミニアムは総戸数の30%、戸建て住宅は1街区につき250戸が上限です。

    為替と海外送金に要注意

    海外不動産は現地通貨で購入しますが、為替レートは変動するため注意が必要です。円高の時に物件を売却すると、為替差損が発生する可能性もあります。また、インカムゲインも円安になると受け取れる日本円が少なくなります。海外不動産投資には、インカムゲイン・キャピタルゲインともに為替リスクがある点に要注意です。
    例えば、ベトナムの「VND(ドン)」は、海外への持ち出しが原則禁止されています。そのため、ベトナム不動産投資では現地で得た収益を日本に送金できません。
    しかし、デビットカードやクレジットカードの引き落とし先を現地の口座に設定しておけば、日本国内でもベトナムで得た収益を使えます。

    減価償却を利用した節税は不可能に

    確定申告では、建物部分の耐用年数などから減価償却費を計算し、経費として計上できます。従来は、減価償却費の計上は海外不動産投資にも適用可能でした。
    しかし、税制改正によって、令和3年(2021年)に行う確定申告から海外不動産投資では減価償却費を経費計上できなくなります。賃貸管理費などの経費は計上できますが、今後、海外不動産投資による節税効果は小さくなるので要注意です。

    まとめ

    海外不動産に関するメリットやデメリットをご紹介しました。海外不動産投資は日本国内の不動産投資に比べ、キャピタルゲイン・インカムゲイン共に得られるチャンスが多くあります。一方で、海外不動産投資特有のリスクに要注意です。メリットやリスクを把握することで、偏りのない比較が可能になります。
    SEKAI PROPERTYでは、現地のデベロッパーや不動産エージェントと提携し、いち早く正確な情報を提供できるほか、現地日系企業とも複数提携しており常に新しい情報を入手することができます。海外の不動産投資を検討している方はお気軽にお問い合わせください。


    マンション投資、利回りの目安と初期費用は?物件の選び方や注意点も



    1.マンション投資の利回りとは

    マンション投資の利回りとは、年間で物件購入価格の何%を回収できるかの収益性を示す指標です。利回りには、おもに表面利回り、想定利回り、実質利回りの3種類があるので、それぞれ詳しく見ていきましょう。

    1-1.表面利回り

    表面利回りとは、収益物件の購入価格に対する年間家賃収入の割合で、「年間の家賃収入÷収益物件の購入価格×100」の計算式で求めることができます。例えば、年間の家賃収入240万円、物件購入価格6000万円の場合、表面利回りは、240万円÷6000万円×100=4%となります。

    マンション投資を行う場合、収益物件の維持費や管理費などの諸経費がかかります。また、収益物件を取得する際にも諸費用が発生します。

    しかし、表面利回りは、マンション投資で発生する諸経費や諸費用を考慮しないで算出された指標です。収益性を正しくはかれない場合があるため、注意しましょう。

    1-2.想定利回り

    想定利回りとは、想定される年間の家賃収入をもとに算出される利回りです。具体的には、「想定の年間の家賃収入÷収益物件の購入価格×100」の計算式で想定利回りを算出します。

    想定の年間の家賃収入は、利回りの算出時点において、入居者を募集したときに適用される家賃の金額をもとに算出します。例えば、利回りの算出時点で想定される家賃額が月10万円の場合、想定される年間の家賃収入は120万円になります。

    賃料は賃貸需要が減少すると、それに伴って下がっていきます。しかし、想定利回りを算出する場合、家賃相場の下落について考慮されません。年間の家賃収入額が相場水準よりも高くなるため、算出される想定利回りも高くなる傾向にあります。

    1-3.実質利回り

    実質利回りとは、マンション投資を行う際に発生する諸経費を考慮した上で算出される利回りのことです。実質利回りは、「(年間の家賃収入-諸経費)÷(収益物件の購入価格+諸費用)×100」の計算式で算出できます。

    年間の家賃収入から諸経費を差し引いて残った部分が、マンション投資の実質的な利益になります。また、収益物件を取得するための支出には、購入価格だけではなく諸費用も含まれます。

    諸経費や諸費用も考慮の上で算出される実質利回りは、表面利回りと比べてマンション投資の収益率をより正確に示すことができます。そのため、マンション投資の利回りを把握する際は、実質利回りの計算式で算出することがポイントになります。

    2.ワンルームマンション投資の利回りの目安

    マンション投資の利回りは、その基準がなければ評価をすることができません。そのため、物件のタイプ別・エリア別に分け、それぞれ利回りの目安を把握しておくことが大切です。

    物件にもよりますが、通常、新築マンションの購入価格は中古マンションよりも高いため、ワンルームの利回りは、築年数の浅い物件ほど低くなり、古い物件ほど高くなります。

    例えば、東京都市部のワンルームの場合、新築物件の表面利回り相場は3~4%前後です。築年数が20年以内の中古物件の場合は4~5%前後、築年数が経過した中古物件の場合は、5~7%程度です。

    ワンルームを収益物件として不動産投資を行う場合、上記相場の割合または少し上の表面利回りを狙うのが目安になります。

    ただし、不動産の利回りは築年数だけでなくエリアの周辺環境、施工会社のブランド力、設備、間取り、リフォームの有無などによって大きく変動します。物件購入の際は、利回りを目安としながらもその他の条件とのバランスを取った戦略が重要となります。

    物件の維持管理費用が大きくなるケースもあります。表面利回りだけでなく、ランニングコストにも注意を払った実質利回りを比較することが大切です。

    3.収益物件を選ぶポイントは表面利回りだけではない

    利回りはマンション投資の収益性を示す重要な指標ですが、利回りだけが収益物件を選ぶ基準ではありません。利回りが相場水準以上でも不適切な物件もあれば、利回りが相場水準以下でも検討する価値のある物件もあります。

    3-1.表面利回りが相場以上でも不適切な物件

    物件所在地が駅から遠かったり、利便性が著しく低かったりする物件は、利回りが相場水準以上であっても、選ばないほうが好ましい場合があります。特に入居付けが難しい物件は、空室リスクが発生する可能性も高くなります。

    家賃の下落率を考慮せず、満室の想定で利回りを算出すれば、それだけで利回りが相場水準以上になるため、このような物件は目を引きます。しかし、家賃下落リスクや空室リスクを考慮した上で利回りをあらためて算出すると、相場水準以下になるケースもあります。

    例えば、立地があまり良くない中古ワンルームマンションの場合、相場よりも低価格で収益物件を購入でき、利回りが相場以上になるケースがあります。

    しかし、低価格で購入できるのは、立地が悪いだけでなく、マンションの管理費や積立金が相当高くなっていることなどの原因も考えられます。管理費や積立金が相場水準より高くなると、マンション投資の収益率も低下します。

    表面利回りが高水準であっても、実質利回りで計算してみると相場以下になるケースも少なくありません。表面利回りは物件比較の際の一つの指標として考えることが重要です。

    3-2.表面利回りが相場以下でも選びたい物件

    利回りが相場水準より低い場合でも、物件の立地条件などが良ければ検討する価値があります。例えば、都市部で駅近など立地に優れたマンションや築年数の浅いマンションは、入居付けをしやすくなります。

    入居需要の多い物件は、購入価格が高く低利回りとなるものの、空室リスクを回避しやすいほか、満室状態を維持しやすく、想定通りの利回りを得られる可能性が高い物件です。

    このほか、賃貸需要の多いエリアは土地値が上昇していることも多く、値下がりしにくい物件であるケースも少なくありません。利回りが相場水準以下であっても、低リスクの運用を検討するのに向いた物件となります。

    4.マンション投資の初期費用

    マンション投資の初期費用としてかかる主な経費と金額の目安は以下の通りです。それぞれ詳しく見ていきましょう。

    4-1.手付金

    手付金とは、不動産売買契約を締結する際、買主側から売主側に支払われる前金のことです。手付金の支払いは現金払いで行うため、収益物件を購入する際は不動産売買契約時に支払う手付金分の現金を用意しておく必要があります。

    手付金の金額は、売主が不動産会社の場合、購入価格の20%以内に収める必要があります。しかし、不動産会社を介して個人の売主から不動産を購入する場合、手付金の設定金額を制限する旨の規定はありません。

    個人の売主から不動産を購入する場合、手付金の金額は、慣例上購入価格の5~10%程度になります。例えば、購入価格が3000万円の場合、150万~300万円程度の手付金を支払うことになります。

    4-2.仲介手数料

    仲介手数料とは、不動産会社に売買取引を斡旋してもらうための手数料です。不動産会社に支払う仲介手数料の上限額は、法律で規定されており、購入価格が400万円を超える金額の場合、「購入価格×3%+6万円」の算出額に消費税額を加算した額が上限額です。

    例えば、3000万円の収益物件を購入した場合、96万円+消費税額が仲介手数料の上限額になります。

    そのため、数千万単位の収益物件を購入する場合、数十万~数百万円単位の仲介手数料を支払うことになります。

    4-3.印紙代

    不動産売買契約を締結する際に作成した契約書は課税文書に該当します。そのため、契約書の記載金額に応じて課税される印紙税を納付しなければなりません。

    印紙税の納付は、契約書に収入印紙を貼付する方法で行うことになるので、そのための印紙代を初期費用として準備しておく必要があります。不動産の購入価格が数千万円単位になる場合、印紙代は数万円単位になります。

    4-4.ローン手続き関係費用

    銀行等のローンを利用して収益物件を購入する場合、手続きに必要な事務手数料を支払うことになります。

    事務手数料の金額はローンを取り扱う金融機関によって異なりますが、借入額の1~2%程度で設定されています。。例えば、5000万円の融資を受ける場合、事務手数料は50万~100万円程度になります。

    また、ローンの融資を受ける際に、保証会社と保証契約を締結するケースもあります。この場合、ローンの保証料を負担することにもなります。

    4-5.登記費用

    収益物件の名義を新たな買主に変更するためには、登記手続きを行う必要があります。不動産の登記は、司法書士に依頼して手続きをするのが通常です。その際、司法書士に報酬を支払うことになるほか、登記手続きをする際、登録免許税の納付も必要になります。

    収益物件を購入する際、司法書士報酬と登録免許税を含む登記費用の総額は、25万~30万円程度となります。

    4-6.火災(地震)保険料

    購入した収益物件が損害を受けたときのために、火災(地震)保険へ加入するのが通常です。ローンを利用して収益物件を購入する場合、担保として提供することになるため、火災(地震)保険の加入が義務付けられています。

    保険料は、建物の種類、構造、築年数などによってその金額が異なります。コンクリート造マンションで災害を幅広くカバーできるタイプの火災(地震)保険に加入したときの保険料は、加入期間1年の場合、1万5000円程度です。加入期間が10年のケースでも、保険料は10万円以内に収まります。

    5.初期費用の目安

    マンション投資にかかる初期費用の目安は、収益物件の購入価格の8~10%です。例えば、3000万円のワンルームマンションを取得する際は、300万円程度の資金を用意しておく必要があります。

    初期費用の資金を準備する余裕がない場合、仲介手数料や火災(地震)保険料を安くしてもらうことも検討できます。

    火災(地震)保険料は、契約期間を長くするほど、割引が適用されて支払額が抑えられます。保険契約で保険会社の支払い免責を設定することでも、保険料を安くすることが可能です。また、仲介手数料は不動産会社と交渉することで減額してもらえる場合もあります。

    ただし、仲介手数料は不動産会社の主な収益源となり、不動産会社は物件の広告費、契約書の作成費用、物件調査費、仲介交渉の人件費等の多くの経費を負担しています。無理な交渉は行わず、相談という形で考慮可能か聞いてみると良いでしょう。

    まとめ

    マンション投資で利回りを計算する場合、実質利回りを基準に算出すると、収益率をより正確に把握することが可能です。

    マンション投資の利回りは、物件の種類ごとに異なりますが、築年数が経過するほど高くなる傾向にあるのは共通しています。また、マンション投資を行う際、購入金額の8~10%程度の初期費用が必要になるので、余裕を持って準備しておくことが大切です。


    ビジネスマンの嗜み…マナーもお洒落も「間違いなし」の腕時計


    ビジネスウォッチも「個性」を楽しむ時代へ

    画一的だの無個性だのと揶揄されてきたビジネスマンのスーツスタイルも、夏ならクールビズ、冬ならウォームビズというように、少しずつ着こなしの幅が出てきた。ジャケパンスタイルのビジネスマンも増えており、ビジネスウォッチの選択肢の幅も広がっている。

     

    かつてのビジネスウォッチは、シンプルな三針モデルで、レザーストラップが好ましく、ケース素材は華美ではないステンレススティール製という“真面目な”時計が好まれた。

     

    しかし腕時計がアクセサリー化し、ファッションの幅も広がった昨今は、まずはメタルブレスレットでもいいじゃないかという話になった。

     

    そもそも、亜熱帯化しつつある日本の夏に、耐水性のないレザーストラップは不向きだ。そのためスイスブランドさえも、シンプルウォッチにメタルブレスレット仕様を加えるようになっている。

     

    またダイヤルの色もかつてはブラックやホワイト、グレーが正統派だったが、メンズファッションのキーカラーの1つであるブルー(ネイビー)も、正統派の枠に入りつつある。

    腕時計とTPO…マナーに厳しい英国王室さえ「自由」

    ではファッション自体が大切なマナーとなるパーティや葬儀での腕時計TPOはどうなっているのか?

     

    まずはブラック・タイ。すなわち夜の準礼服であるタキシードを着用するシーン。これまでであれば、タキシードに合わせる腕時計は、服の色とのバランスも考え、ホワイトダイヤル×プラチナ(もしくはホワイトゴールド)ケースで、ストラップはブラックという色合わせが正統だった。

     

    そして忙しく動く秒針や実用的なカレンダーという要素を排除した時分針のみのエレガントな二針タイプが好まれた。機能をそぎ落とした腕時計を選ぶことで、「時間は気にしませんよ」とするのが粋だったのだ。

     

    しかし実際のところはどうなのか? 最も格式にうるさそうな英国王室を参考にしてみよう。

     

    いろいろな写真を見ると、ウィリアム王子はタキシードに普段から愛用しているSSケースのスポーツウォッチを合わせている。こういった階級の人々でさえも、もはやタキシードに二針時計を合わせるというのは時代遅れになっているようだ(ちなみに彼は正統なウイングカラーではなくレギュラーカラーのシャツにボウタイを合わせている)。

     

    王室でさえ自由なのだから、ミュージシャンやファッション関係者はもっと自由である。グラミー賞やアカデミー賞などに集うセレブリティたちは、ここぞとばかりに個性的な手元を楽しむ。招待状にブラック・タイとあればタキシードを着ることは必須だが、腕時計に言及されることはない。むしろここで個性を楽しむのだ。

     

    (※写真はイメージです/PIXTA)
    (※写真はイメージです/PIXTA)

     

    では個性を楽しむ場ではない葬儀ではどうだろうか? モナコ王室の王位継承第4位であるアンドレア・カシラギ(グレース・ケリーの孫)は、親族の葬儀の際にブラックスーツにブラックのネクタイ、ホワイトシャツという正統なファッションに身を包んでいた、しかし時計はスポーティなリシャール・ミルだった。

     

    もちろんこれはファッションセレブリティとしても著名な彼らしいこだわりのスタイルなのかもしれないが、英国王室のキャサリン妃(ウィリアム王子の妻)も、葬儀の際に可憐なカルティエの腕時計をつけていた。

     

    もちろん華やかなイエローやレッドのゴールド素材でもなく、ダイヤモンドなどの宝石は使っていないシンプルなものだったが、そういった最低限のマナーさえ守っていれば問題なしとされているのだろう。形式にうるさいはずの王室関係者であってもこれなら、もはや冠婚葬祭に合わせて、特別な時計を用意するというのは時代遅れなのかもしれない。

    お洒落もマナーも結局「サイズ感」がすべて

    では腕時計にTPOは存在しないのか? 最低限、気を付けるべきは「ケースのサイズ感」である。ビジネスシーンであれパーティシーンであれ、腕時計はシャツの袖と大きく関わってくる。ケースが厚すぎるとシャツの袖に引っかかってしまい不格好。上品に収めるなら、ケース厚は厚くても12~13mm程度を目指したい。

     

    となると必然的に大半のクロノグラフやダイバーズウォッチは除外されることになる。どうしても武骨なスポーツウォッチが好みなら、腕時計側の袖口のみ少し大きめにオーダーするか、あるいは袖周りがゆるいダブルカフスのシャツを選ぶといった工夫が必要になるだろう。

     

    腕時計は身につけて使用するものであり、身体と密な関係性を持っている。どんな腕時計をつけても自由な時代だからこそ、サイズ感を重視してスマートにつけこなすのがお洒落なのである。

     

     

    篠田 哲生

    時計ジャーナリスト、嗜好品ライター



    海外不動産投資はどの国がおすすめ?データで検証



    GDP成長率による各国の比較

    経済成長豊かな国では、物価上昇などに伴う将来的な物件の売却益を期待できます。また、物価上昇とともに国民所得が増加することで、家賃の値上がりも見込めます。国別のGDP成長率は以下グラフの通りです。

    ※参照:IMF  

    すでに経済規模が拡大している先進国では、新興国と比較するとGDP成長率が低くなるのが一般的です。このため、東南アジアの新興国と比較すると、日本やアメリカなどの予測GDP成長率は低くなっています。2025年の予測値を見ると、日本やアメリカなどの先進国では成長率が下がる見通しです。また、先進国に近づきつつあるマレーシアでも同様の傾向が見られます。

    その一方で、特にベトナムやカンボジアなどの新興国では、5年後も経済成長率を維持すると予測されており、経済発展が長期的に継続する見通しです。なお、5年後にはその勢いが少し衰えるものの、フィリピンも高い水準を維持すると予測されています。将来性の大きさという点では、フィリピン・ベトナム・カンボジアなどが有望です。

    人口と年齢による各国の比較

    不動産投資においてカギとなる指標は、経済と人口に関するものです。人口や年齢の面から各国を比較します。

    各国の人口増加率

    人口が増加している国では、住宅需要が強くなるため、不動産の値上がりを期待できます。また、賃貸運用する上でも空室率の低い投資を実現可能です。2015年〜2020年における、各国の平均人口増加率は以下グラフのようになっています。

    ※参照:国際連合

    人口増加率についても、GDP成長率と同様に先進国であるほど低下する傾向があります。7ヶ国間の比較で最も人口増加率が高いのはカンボジアです。そして、フィリピン・マレーシアがカンボジアに続いています。ベトナムは、経済成長率は安定していますが、人口増加率ではカンボジアやフィリピンよりも低くなっています。また、日本ではすでに人口減少が始まっており、7ヶ国間では唯一人口増加率がマイナスです。
    そのほか、タイは東南アジア各国の中では人口増加率がかなり低くなっており、他の新興国と比較すると、社会的に成熟へ向かっている様子が伺えます。

    各国の年齢中央値

    つづいて、各国の年齢中央値を比較します。

    ※参照:The World Factbook 2021. Washington, DC: Central Intelligence Agency, 2021.

    中央値は平均値とは違った数値であり、最低値と最高値とのちょうど真ん中にあたる数値のことを指します。タイの年齢中央値は、すでにアメリカを上回っています。また、ベトナムの年齢中央値も30歳を超えており、東南アジア諸国の中では比較的高めです。その一方で、フィリピンは人口増加率が高いうえに年齢中央値もまだかなり低いので、発展の余地を大きく残していると言えます。

    人口密度の比較

    海外不動産投資では、外国人による土地の取得が規制されている場合もあります。規制があるため、所有権が建物のみとなるコンドミニアムが投資対象となることも少なくありません。
    コンドミニアムに入居者を入れる難易度を比較するためには、人口密度の比較が役立ちます。各国の人口密度は以下グラフの通りです。


    ※参照:World Bank Open Data
    フィリピンはすでに日本よりも人口密度が高くなっています。また、ベトナムの人口密度も東南アジア諸国の中では高い部類に入ると言えるでしょう。アメリカの人口密度が低くなっているのは、国土が広いためです。アメリカでは外国人が土地を所有できることもあり、一部のエリアを除き、コンドミニアムよりも戸建住宅の方が投資対象としてメジャーと言えます。
    その一方で、マレーシアやカンボジアなどは7ヶ国間の比較では人口密度が低いため、入居者を入れるためには、確かな物件選びと戦略が必要です。

    海外各国のメリットとデメリットについて

    GDPや人口などに関するデータを見ると、フィリピンやカンボジアなどは特に、今後発展する可能性を持っていると言えます。ここからは、各国に関するメリットとデメリットについて解説します。

    アメリカ

    アメリカ不動産投資のメリットは、比較的低リスクで安定した収益を狙える点です。アメリカはすでに世界最大規模の経済を持っているため、GDP成長率などは新興国と比較すると低くなります。
    しかし、確実に経済成長を続けているほか、日本とは違って人口もまだ増加中です。国としての今後の成長は緩やかであるものの、安定した投資をできるのがアメリカの特徴と言えます。

    一方で、エリアによっては利回りがかなり低いのが、アメリカ不動産投資のデメリットです。ハワイやニューヨークなどは世界的に見ても物件価格が高いため、利回りは特に低くなります。アメリカ不動産投資でインカムゲインを狙うのであれば、州別の特徴を捉えることが重要です。

    マレーシア

    マレーシア不動産投資のメリットは、東南アジア諸国の中では比較的発展が進んでいる点にあります。経済的にはすでに中進国と言えるところまで発展が進んでおり、マレーシア政府も2025年までに先進国入りを目指すべく経済政策を進めてきました。マレーシアでは、日本やアメリカと比較すると現地人の所得などは劣ります。しかし、経済発展に伴う所得の増加から、投資の出口戦略として、今後は現地人への物件売却も検討できるようになると予測されます。

    その一方で、マレーシア不動産投資のデメリットは、外国人に対する物件購入価格の規制があることです。マレーシアでは、外国人は基本的に100万RM(2,700万円:1RM=27円換算)以下の物件を購入できません。2021年時点では、インカムゲインを狙った投資をするよりは、立地を厳選してキャピタルゲインを狙う方が利益を出せる環境になっていると言えるでしょう。

    タイ

    タイ不動産投資のメリットは、日本人にも馴染みやすい不動産市場にあります。外務省が発表している在留邦人数統計によると、タイに住んでいる日本人は2019年時点で約80,000人です。東南アジアの中では在留邦人数が最も多く、現地で不動産業を営む日本人もいます。海外不動産投資において、日本人のエージェントを介して物件運用できるのは、大きなメリットです。
    一方で、タイ不動産投資のデメリットは、他の国と比較すると成長性が低い点にあります。タイのGDP成長率は他の東南アジア諸国と比較すると低めです。また、年齢中央値が高く人口増加率も周辺諸国より低いため、将来性の点で不安があります。

    フィリピン

    フィリピン不動産投資のメリットは、空室率の低い投資を期待できることです。フィリピンの人口密度は日本より高く、人口自体も1億人を超えています。また、経済成長率も高いので、今後不動産の値上がり益を期待できます。

    その一方で、フィリピン不動産投資のデメリットは、経済の一部が海外に依存していることです。フィリピンでは、海外へ渡航した出稼ぎ労働者による仕送りがGDPの中で大きな割合を占めています。
    世界銀行の統計によると、2019年に仕送り額がフィリピンのGDPの中で占めた割合は9.3%です。このため、出稼ぎ先の国で景気が悪化すると、連動してフィリピンのGDPが下がってしまいます。

    ベトナム

    ベトナム不動産投資のメリットは、有事にも強い成長性にあります。コロナウイルス感染症が世界中に拡散した2020年でも、ベトナムはGDP成長率がプラスで推移しました。
    日本では台湾の感染症対策などが大きく報道されていますが、ベトナムも経済に対するコロナの影響を抑え込んでいるという点で、対策に成功していると言えるでしょう。

    その一方で、外国人に対する不動産投資の規制が緩和されたばかりで、注意すべき規制がまだ残っている点はベトナム不動産投資のデメリットです。また、ベトナムでは通貨の海外持ち出しが規制されているため、収益の利用方法について工夫が必要になります。

    カンボジア

    カンボジア不動産投資のメリットは、インカムゲインとキャピタルゲインをバランスよく狙えることです。GDP成長率は今後5年間で高水準を維持すると予測されているほか、人口増加率も東南アジアの中でトップクラスです。カンボジア不動産投資では、住宅需要の高まりによるキャピタルゲインと、空室率の低い投資を期待できます。
    その一方で、カンボジア不動産投資のデメリットは、不動産業者の見極めに注意を要することです。カンボジアの不動産市場は未整備な点も多く、質の良くない不動産業者も少なくありません。
    また、新興国では特に、個人の投資家による情報収集は難しいものです。リスクを下げるためには、実績と企業規模を持った日系不動産企業を選ぶことが必要になります。

    まとめ

    東南アジアの新興国は、多少のリスクを取っても効率の良い不動産投資をしたい人に向いています。特にフィリピンやカンボジアなどでは、インカムゲインとキャピタルゲインとをバランスよく狙った投資が可能です。その一方で、アメリカなど先進国の不動産投資は、投資効率を下げてもリスクの低い投資をしたい人に向いています。

    利回りとリスクとについて、どのようにバランスを取って投資をしていきたいか、優先順位を決めてから国を選ぶことが、海外不動産投資成功の近道です。


    高所得な医者・証券マンまで投資に走る、日本経済の厳しい事情


    景気が悪くなっても、それを生かした「投資法」がある

    一般的によく言われていることですが、不動産投資は「ミドルリスク・ミドルリターン」な投資です。株やFXなどの投資商品に比べて、知識と経験を積むことで、ある程度はリスクを把握してコントロールすることができます。

     

    また、始めてすぐに、大きく利益が出るものではありませんが、中長期にわたり、安定した利益を生み出すことが可能です。

     

    景気がよく、いい物件の情報が出て、低金利でローンが受けられるときに不動産を買うことはもちろんいい方法です。マーケット状況がよければ、金融機関から融資を受けやすいため、通常なら買えないような属性の方でも不動産を買うことができる場合があります。

     

    では、マーケットが下がっているときには不動産を買わない方がいいかというと、実はそうでもないのです。景気が悪いときには、悪いときなりの買い方があります。

     

    たとえば、景気が悪くなり、いろいろな企業が倒産し、破産する人が出てきたとします。すると、競売にかけられる物件も増え、不動産を手放さざるをえないケースが出てきます。そうなれば、売り主は一刻も早く現金が必要になります。売り急ぐため、買う側には安く物件を変えるチャンスなのです。

     

     

    不動産の世界では、安いときに買い、高く売れるときに売ることで、売却益(キャピタルゲイン)を大きくすることができる可能性が大いにあります。

     

    また、経済が安定しているときは、安定しているときなりの買い方があります。その際に買う理由は、「マーケットが安定しているから」です。

     

    不動産投資は、特にサラリーマンが行う場合、物件を買うための資金の融資期間を20年もしくは30年と長期にわたって設定することになります。不動産市場は金融市場と連動しており、だいたい10年から、長くても15年周期でマーケットは良くなったり、悪くなったりを繰り返しています。つまりローンの返済期間を長く設定することで、マーケットのリスクヘッジがすでにできているのです。

     

    ですから、マーケットが安定しているときに買うことで、その後の返済計画の見通しが立てやすくなるわけです。

     

    これが、いつの時代も不動産投資を私がおすすめする大きな理由です。家賃収入に対する返済計画をしっかり立てておけば、大きく失敗することはそうそうありません。

    ローンの活用で、相続税等の節税対策に

    ローンを使って不動産を手に入れることにより、相続税などの税金対策になるケースがあります。特に親からまとまった財産を相続する予定の人は、早くから相続税対策の一環としてアパート経営を検討している方が多いです。

     

    特に独身で高所得のサラリーマンの場合、控除額が少ないため、不動産を所有している間の所得税が軽減される節税効果が期待できます。また買う方の年齢によっては相続税対策にもなります。

     

    不動産の保有が「インフレヘッジ」になる

    他に不動産投資をおすすめする理由として「インフレヘッジ」が挙げられます。「インフレヘッジ」とは、インフレになったときに価値が減少しない資産に投資することで、インフレによる資産の損失を防ぐことを指します。

     

    インフレ時は貨幣の価値が低下するため、現預金や債券で資産を保有していると、資産価値が下がってしまいます。そこで、インフレに伴い価格が上昇する貴金属や不動産などを保有することにより、資産の目減りを防ぐことができます。つまり不動産を持っておくことで、インフレに対して、円の価値の増減に対応できるわけです。

     

    このように不動産投資には様々なメリットがあります。

    稼いでいる証券マンや医者も、不動産投資を行うワケ

    サラリーマンが不動産投資を考える一番の理由は経済的な自由です。年収700万円であれば、年収1000万クラスの経済力が欲しいと望む方が多いものです。とはいえ、大きな会社にいると、昇進に時間がかかり、給料がなかなか上がらないといったお悩みをよく聞きます。

     

     

    証券マンであれば年収1000万~2000万円、中には5000万円を稼いでいるような方も、不動産投資をしたいと筆者のもとに相談に来られます。あるいは、年収1000万円の勤務医や、開業医で2000万~3000万円ある方なども、社会的に見たらすでに十分な収入のある高所得者でしょう。それでも、そうした方々が不動産投資を始める傾向にあります。

     

    その理由を聞くと、証券マンは時間と体を切り売りして、いつクビになるかわからない恐怖を抱えていることから、安定収入を望む方が多いようです。リーマンショックのときに証券マンは一気に給料が下がり、税金が払えなくなり、サラリーマンであるにも関わらず、財産の差し押さえにあってしまうケースがありました。たとえば、前年度の年収が1億円を超えていたため、次の年、会社をクビになって、3000万円の納税ができなかったケースです。

     

    また、医者の場合は、外から見たら社会的信頼も厚く、収入も高いですが、実際の仕事は意外と肉体労働であり、スポーツ選手と同様、体を壊してしまっては、仕事を続けられないため、やはり不労所得を持っておきたいという考えに至るようです。

     

     

    オスカーキャピタル株式会社

    代表取締役社長 金田大介


    年収の差は2倍とも…勤務医が「不動産投資から開業する」手順


    不動産投資が「独立開業の近道」であるお金以外の理由

    医師のライフプランに欠かせない「資産形成」。数ある手段のなかでも「不動産投資」は多忙な医師が安心して取り組める資産運用法であると言えます。そしてこの不動産投資経験が、将来のクリニック開業に大変役立つのです。

     

    開業医も一般企業の社長と同じ一人の経営者です。開業後は事業計画の策定や資金調達の方法などについて一通り学ばなければなりません。不動産投資にはそんな「経営ノウハウ」がたっぷり詰まっているのです。

     

    (※写真はイメージです/PIXTA)
    (※写真はイメージです/PIXTA)

     

    まずは、クリニック開業までの一般的なフローについて説明しましょう。

     

    <開業までの一般的なフロー>

    ①診療科目や診療方針など、新規開業のためのコンセプトを固める。


    ②診療科目に相応しい開業場所を選定するため、複数の候補地へ赴きマーケティングを行う。


    ③開業場所が決まったら、事業計画を組んで資金調達(収支を想定して金融機関に相談)をはじめる。


    ④クリニックの内装工事業者や医療機器搬入業者を選び、並行して保健所との折衝を行う。


    ⑤医院開設届、保険医療機関指定申請などの行政関連手続きを行う。


    ⑥開院日を確定したら、スタッフを募集して書類審査・面接を行い、採用決定者と雇用契約を結ぶ。


    ⑦「クリニック新規オープン」の広告宣伝(看板やチラシの手配)を行う。


    ⑧開院。

     

    上記①の診療科目については、勤務医時代の専門科目で開業することになるでしょう。

     

    ②の開業場所については、たとえば「近年若いファミリーの転入が多く、小児科のニーズが高まっている」とか、「高齢者が多く、リハビリ施設を備えた整形外科のニーズが高い」など、診療科目ごとのエリア・マーケティングが必要になります。

     

    そして③はクリニック開業に限らず、一般企業設立や不動産投資においても同じフローとなります。

     

    上記のフローをご覧いただくとわかるように、①から③は勤務医として働いている間でも先行することができます。自分の専門科目が不足しているエリアを早期に発見し、駅前など利便性の良い場所に開業予定物件を抑えておけば、後発のライバル医院に差をつけることも可能です。

     

    ただ、「抑える」といっても空室にしておくわけではありません。開業する前、すなわち勤務医として働いている間は賃貸運用し、開業計画が固まった段階で賃貸借契約を終了し、自ら経営するクリニックとして活用するのです。

     

    独立開業すると、電気代や水道代などの些細なものから従業員への給与支払い、看板・チラシなどの広告宣伝費とさまざまな運営経費がかかってきます。

     

    開業医も一般企業の社長と立場は同じですので、ビジネスを成功させるための知見を深めなくてはなりません。勤務医時代に何も学ばず、集客手段や利益と必要経費のバランスもわからないまま見切り開業するのは大変危険です。不動産投資で一通りの経営経験を積んでおけば、節税の知識を含めた経費感覚が自然と身に付きます。

    医療系テナント専用の「クリニックビル」を区分所有

    全テナントが各種診療科目の病院や処方箋薬局など医療系業種に限定された「賃貸用クリニックビル」が全国各地に誕生しています。それは都心部だけでなく郊外のベッドタウンにおいても需要が高まっており、こういった賃貸用クリニックビルを区分所有することも可能です。さまざまな診療科目と薬局が一箇所にまとまっていれば集客効果が上がりますし、診察の後に薬局へとあちこち行かなくて済むので患者さんにも歓迎されます。

     

    賃貸用クリニックビルのニーズが高まっている背景には、医療業界を取り巻く政治的要因が絡んでいます。高齢化が相まって膨れ上がる医療費削減のため、政府では医療機関の統廃合や病床数の調整を推進しており、病院施設数は減少の一途をたどっています。その一方で医師の数は年々増えて続けているため、勤務医の就職先がどんどん少なくなり、医師の選択肢は「開業」へと向かっているのです。

     

    今後さらにニーズが高まる予測に加え、テナントは申し分ない属性の医師や薬剤師です。一般の不動産投資家たちも区分クリニックビル投資に少しずつ進出していますが、同じ業界にいる医師が所有する賃貸物件があれば、テナントは自ずと同士を選ぶことでしょう。

     

    <まとめ>

    クリニック開業を目指す医師にとって不動産投資をはじめることが大変有益であることがお分かりいただけたと思います。開業準備期間の短縮がかなう上、「家賃」という安定した副収入を得ることができます。エリア・マーケティングも余裕を持って進められるので、多くの候補地をじっくり比較・検討することが可能です。

     

    将来の開業予定物件を購入する際は、クリニックへの改装が可能な区分マンションや区分オフィスを選びましょう。また賃借人との賃貸借契約形式は、オーナーが決めた期限をもって賃貸借契約を終了できる「定期借家(定借)契約」にしておくことが必須です。この他にもさまざまな注意点がありますので、まずは専門知識に長けた不動産業者に相談することをおすすめします。
     

     

    大山 一也

    75%の投資家が「給与などから貯蓄」~自己資金の準備方法に関するアンケート


    不動産投資をするのは資金に余裕のある資産家、そんなイメージを持っている人はいないだろうか?

    健美家では、登録会員を対象にして、「自己資金に準備方法に関するアンケート」を実施。その結果、不動産投資をしている人の7割以上が、給与などをコツコツためて自己資金を準備していると回答。今回は、アンケートの結果とともに、不動産投資家のリアルな声を紹介してみよう。

    不動産投資をするにあたり、初期(1戸目など)の自己資金はどのように用意しましたか?
    不動産投資をするにあたり、初期(1戸目など)の自己資金はどのように用意しましたか?

    7割超の人が、給与などをコツコツ貯めて
    自己資金を準備

    アンケート調査で1位となったのが「給与などから貯蓄」したという回答。75.8%の人がこの回答を選び、2位以下を大きく引き離す結果になった。2位は30.8%で「生活費の節約」。

    さらに、4位にも大きな出費の見直し(13.2%)が入り、日々の暮らしの中で不動産投資のための準備を進める、等身大の投資家像が浮き彫りになった。

    その一方で、3位には「不動産以外の投資」が23.5%でランクイン。ほかにも、ダブルワークやネットビジネス、転職など、収入源を増やしたり見直したりすることで自己資金を捻出したという声もあがった。

    貯蓄可能な金額や目標金額を定め、
    お金がプールされる仕組みづくりで貯蓄

    「給与などから貯蓄」と回答した人のコメントを見てみると、誰でもできる小さな一手から貯蓄をはじめ、自己資金を準備していることがわかる。

    「始めは給与の中から月5万円+賞与20万円を2回で、年間100万貯めると決めて、給与天引きで積み立てた」「給与の振込先を2機関設定し、そのうち1機関分を不動産投資用として預金」「夫の給料で生活費を賄うようにし、自分の給料を積み立てに回した」など、まずは自動的にお金をプールできる流れを作ることから始めたという声は多かった。

    さらに、「家計簿をつけて使っているお金を見直しした」「銀行に相談して、必要な自己資金の目安を認識し、それを目標に貯金をした」というように、投資に回せる金額、自己資金として必要な金額を明確にして貯蓄を始めたという人も。

    「成果給のインセンティブがあるので、仕事をとにかく頑張り資金をつくった」という声もあり、自己資金準備が本業のモチベーションにつながったケースもあるようだ。

    生活費の節約や大きな出費の見直しで
    貯蓄体質に

    「もともと貯蓄体質」、「社会人1年目で独身寮に入ったことで、住居費を月2万円に抑えられたのが良かった」というコメントを見ると、貯蓄との相性を考える人もいるかもしれない。

    しかし、多くの人は、「給与天引きや定額サービスの料金見直しで節約して貯金」「パチンコ等の賭け事を一切辞めて、不動産熱を本で高めて、ストイックに貯蓄しました」というように、小さな金額の積み上げや、貯蓄へのモチベーションを自ら上げることで、貯蓄を続けているようだ。

    また、「自家用車を手放して、自転車で30分かけて通勤」「愛車を普通車から軽自動車に乗り換えて、貯金額が加速」というように、車の所有を見直して貯蓄したという人も多い。

    さらに、「売却しても収益が出る、住居用マンションを駅近5分内で購入していた」「繰上返済を繰り返し、早期に完済した自宅マンションを賃貸に出して、5年後に売却」「マイホームを買うと頭金が無くなり、債務も増えるため、借家にした」など、住宅についてのコメントも多かった。

    不動産以外の投資やダブルワークなど、
    収入源を増やす手も

    既存の収入減を活かして、見直しや節約で資金を捻出した人が多い一方で、新たな収入源を求めて動いたという人も少なくなかった。

    「アベノミクスで上昇した株を売却して捻出」「株を売って競売物件を入手した」「自分にとっては、アメリカ合衆国株に投資したことが、良かったです」など、不動産以外の投資をしていて、そこから資金を調達しているケースは3割にのぼった。

    加えて、ダブルワークで収入を増やした人のほか、「ポイントサイトからの収入から諸費用分を賄いました」「amazon転売を学び実施。300万の利益を得ました」というようにネットビジネスを活用している人、「外資系に転職して給与収入を1.5倍にした」という強者も。

    手段や金額はさまざまでも、収入増を見込める手があるなら、検討してみる価値はありそうだ。

    健美家に登録している会員の半数は会社員。いわゆる資産家と言われる人でなくとも、自己資金を準備する方法はたくさんある。まずは1日でも早く、できるところから準備を進めることが一番の近道と言えそうだ。

    健美家編集部


    公務員の資産形成は「35歳からの不動産投資」がベストな理由



    大金の用意がなくても「勝手に儲かる」不動産の仕組み

    老後のため、家族のため、たとえ公務員であっても投資はするべきです。しかし、株式やFXは値動きが激し過ぎて本業に支障が出そうですし、iDeCoは60歳まで換金ができません。そして仮想通貨は株式以上に値動きが激しくてあまりにもハイリスクです。

     

    では、どの投資を選べばいいのか? 私は不動産投資をお勧めします。不動産は数少ない「ローリスク・ミドルリターン」の投資対象といえるからです。

     

    具体的にどのようにしてリターンを得るのか仕組みを説明しましょう。まず、家賃収入を得られる不動産を購入します。「そんな大金持ってない!」と思う人も多いでしょうが、公務員なら一般のサラリーマンよりも有利な条件で融資を受けられるのでまったく問題ありません。その理由も後述します。

     

    そして、その家賃収入によって借入金を返済していきます。したがって、実質の月々の返済額はゼロまたは日常生活に影響がない程度の少額で済みます。

     

    家賃収入で借入金を返済していけば、最終的に完済となり、物件からもたらされる収入はすべて不労所得となります。また、完済したあとに売却をすれば多額の現金が手に入ります。

     

    この仕組みさえ作ることができれば、あとは何もしなくても自動的に資産が形成されていくのです。

     

    重要なのは、毎月の家賃収入から借入金を返済し、修繕積立金や固定資産税などの必要経費を支払ったあとでもキャッシュフローが残る、または持ち出しがあったとしても少額で済む仕組みを作ることです。

     

    これはそれほど難しいことではありません。しっかりと物件の良し悪しを見極め、さまざまな指標も勘案したうえで投資に値する物件かどうかを判断すること。この最初の見極めさえ間違わなければ、あとは優秀な管理会社に運営を委託することで、寝ていても家賃収入が入ってきます。

     

    とはいえ、その物件の見極めが簡単ではないのですが、信頼できる不動産投資会社を見つけることさえできれば、あとは任せればいいのです。

    35歳で始めれば、年金生活前に目標額達成・ローン完済

    不動産投資を始めることができる年齢層は、新社会人から定年間近な方まで、かなり広い範囲となっています。多くの金融機関は、一定の収入があり、完済時期が80歳前後に設定できる人を審査対象としているからです。

     

    とはいえ、不動産投資を始めるなら、早ければ早いほど得られるメリットは大きくなります。早く始めれば無駄な生命保険料を支払うこともなくなりますし、ローンの完済時期も早められ、家賃収入のすべてを自由に使える期間が長くなるからです。

     

    しかしながら、いくら早いほうがいいといっても銀行はある程度の収入がない人には融資をしてくれませんし、したとしても高金利になるなど融資条件が厳しくなります。

     

    では、不動産投資を始めるベストタイミングはいつでしょうか? 私は35歳前後だと考えています。公務員にとって35歳とは、ちょうど勤続10年前後となり、年収が500万円を超える頃でしょう。年収が500万円を超えると、多くの金融機関の評価はぐんっと上がります。銀行の選択肢や借りられる額が増え、金利も低くなる可能性が高くなるのです。

     

    また、私はローンを組む際の条件の一つに、「完済する年齢が65歳であること」を挙げています。

     

    65歳を過ぎて年金生活になった時期に、ローン返済が続いているのは、不安を覚えるからです。不動産投資ローンの返済期間は、長ければ長いほど月々の返済額が少なくなり、キャッシュフローが良くなります。そして多くの金融機関の最長返済期間は35年です。

     

    ですから65歳で完済するには、35歳前後でローン返済を開始するのがベストなのです。

     

    35歳といえば、結婚を真剣に考えている人も多いと思います。不動産投資を始めるなら結婚前がお勧めです。結婚することでクルマのローンに加えて住宅ローンも抱え、そのうえ教育費まで考えるようになると、一気に投資への情熱が冷めてしまうケースがあるからです。

     

    (※写真はイメージです/PIXTA)
    (※写真はイメージです/PIXTA)

    公務員なら「年収の10倍」も…融資額の目安

    金融機関は、顧客それぞれの属性によって融資枠を設けています。簡単にいってしまうと、審査によって「この人になら~万円まで貸せる」と決めているのです。

     

    この融資枠は、複雑な計算式を用いて算出されるもので、顧客本人にも明かされることはありません。

     

    とはいえ目安は把握しています。金融機関によって差はありますが、大手企業に勤めるサラリーマンでだいたい年収の7~8倍といったところでしょう。

     

    一方で公務員は、年収の10倍でも借りられることが多々あります。10倍ということは年収500万円なら5000万円の融資が受けられるということです。

     

    融資枠が高いということは、不動産投資において最大のメリットです。レバレッジ効果を有効活用し、一般的なサラリーマンであれば1戸しか買えない物件を2戸買うことができます。

     

    物件を複数所有できるということは、「老後資金3000万円」を実現させ、さらに空室や災害といったリスクの分散にも役立ちます。そのため、不動産投資に慣れた資産家たちにとって、物件の複数所有は当たり前のこととなっています。

     

    また、ローンの完済時期は年金受給が始まる65歳が目安。ですから金融機関からの評価が高い公務員が不動産投資を始めるなら、最初から2戸同時に買うのが理想でしょう。

     

    そうはいっても「いきなり数千万円の物件を2戸買うのは抵抗がある」と思うのは当然です。ならば1戸購入したあとに数ヵ月様子を見て、家賃の入金状況や管理体制を確認してから決断すればいいと思います。ちなみに2ヵ月くらい様子を見る方が多いようです。


    30歳公務員「5千万円を借りて不動産投資」衝撃の35年後…



    「2500万円の都内1R」を2戸購入…35年後の売却額は

    老後の生活費は年金受給だけでは足りません。平均的には約2000万円、ゆとりある生活をするなら約5400万円不足する見込みです。

     

    さらに公務員の年金受給額は現状よりも2割程度少なくなる見通しもあるので、平均的な生活を想定しても約3500万円不足します。

     

    このことから、仮に退職金を2000万円受け取れたとして、プラス3000万円の資産があれば安心でしょう。

     

    そこで不動産投資です。おそらく30歳前後の公務員なら、都内の2500万円程度のワンルームマンションを2戸買うことが可能でしょう。その物件が年金を受給する35年後にいくらで売却できるかの相場の実例を不動産業界のネットワークシステム「レインズ」で調べてみた結果が次になります。

     

    ▼現在築35年前後の物件の販売価格(東京都墨田区・板橋区)

    築年数39年…駅徒歩:3分/間取り:1K/販売価格:1880万円

    築年数40年…駅徒歩:5分/間取り:1R/販売価格:1550万円

    築年数34年…駅徒歩:1分/間取り:1R/販売価格:1450万円

    築年数33年…駅徒歩:16分/間取り:1R/販売価格:980万円

    築年数38年…駅徒歩:3分/間取り:1K/販売価格:1000万円

     

    だいたい1000万円から1500万円で売却可能のようです。もちろん、高値で売るには好立地が前提条件で、さらに売却前にリフォームをすることも必要でしょう。

     

    しかし、それさえクリアしていれば、35年後でも1戸当たり1500万円前後の価値が残ります。2戸であれば3000万円。これで老後資金は安心できます。

     

    (※写真はイメージです/PIXTA)
    (※写真はイメージです/PIXTA)

    35年後も「1戸あたり月6~7万円」の家賃収入

    とはいえ、「売却して定期収入がなくなるのは不安」という人もいるでしょう。そこで築35年後の家賃相場も調べてみました。

     

    ▼現在築35年前後の物件の賃料(東京都台東区・板橋区)

    築年数33年…駅徒歩:5分/間取り:1LDK/賃料:9万5000円

    築年数34年…駅徒歩:1分/間取り:1R/賃料:7万円

    築年数34年…駅徒歩:7分/間取り:1R/賃料:5万9000円

    築年数33年…駅徒歩:15分/間取り:1R+ロフト/賃料:5万7000円

    築年数33年…駅徒歩:12分/間取り:1R/賃料:5万3000円

     

    相場は6万円から7万円といったところでしょう。新築で8万円くらいですから1万円から2万円程度しか下がらないことになります。

     

    仮に1戸を売却して1戸を所有し続ければ、現金1500万円と7万円の安定収入を得ることができます。

     

    毎月7万円ということは、85歳になる20年間で1680万円。この選択も十分ありではないでしょうか。資産運用不動産投資は、死亡時や老後だけでなく日常生活を豊かにする資産運用にも非常に有効です。その理由は、なんといっても毎月確実に家賃が入るという安定性でしょう。

     

    頭金を多めに入れる、もしくは物件選びによっては月々万円単位の収入を得ることも可能です。しかもローン完済後に売却をすれば、1000万円前後の現金が手に入ります。

     

    さらにコツコツとしっかりローンを返済していけば、銀行の評価が上がり、比較的容易に買い増しもできます。年収などの条件によってはワンルームマンションを3戸所有することも可能でしょう。そうなれば月々の収入は3倍、売却したときに手にする現金も3倍=数千万円になります。非常に効率の良い投資対象です。

    子に資産を残せる?「築50年RC造マンション」の価値

    RC造(鉄筋コンクリート造)のマンションであれば、長期間資産価値を維持します。そのため、不動産投資は皆さんの子どもたちへ資産を残すことにもつながります。

     

    「そんなこといっても今30歳なら相続するのは50年以上先。そんなに資産価値が続くのか?」と思うのは当然でしょう。そこで築50年前後の物件の販売価格と賃料をレインズで調べてみました。

     

    ▼現在築50年前後の物件の販売価格(東京都墨田区・台東区・板橋区)

    築年数56年…駅徒歩:8分/間取り:1R/販売価格:1380万円

    築年数51年…駅徒歩:5分/間取り:1R/販売価格:1480万円

    築年数48年…駅徒歩:7分/間取り:1K/販売価格:980万円

    築年数47年…駅徒歩:8分/間取り:1K/販売価格:1080万円

     

    ▼現在築50年前後の物件の賃料(東京都墨田区・板橋区)

    築年数50年…駅徒歩:4分/間取り:1R/賃料:7万円

    築年数48年…駅徒歩:10分/間取り:1R/賃料:6万5000円

    築年数50年…駅徒歩:4分/間取り:1R/賃料:6万9000円

    築年数49年…駅徒歩:9分/間取り:1R/賃料:6万5000円

    築年数50年…駅徒歩:6分/間取り:1R/賃料:6万5000円

     

    販売価格はだいたい1000万円から1500万円。賃料は6万5000円前後。なんと販売価格も賃料も築35年とほぼ同じなのです。

     

    これらの物件はすべて壁紙からキッチン、バスルームまでフルリフォームをしています。費用は200万円前後といったところでしょう。それでも1000万円前後の資産価値が残ります。

     

    おそらくRC造は耐久性に対する信頼度が高いので、内装さえきれいになっていれば築年数を気にしないという人が多いのでしょう。

     

    さらにここで理解していただきたいのが、これらの価格はあくまで「今現在で築50年の相場」ということです。最近の物件はコンクリートなどの材料の性能が向上し、耐久性や耐震性も飛躍的にアップしています。そのため、最近建てられた物件が50年経った時点での販売価格・賃料の下落率はさらに低いと考えられます。

     

    このようなことからRC造の投資物件であれば、皆さんが子どもたちへ相続する50年後でも十分資産価値があるといえます。

     


    不動産特定共同事業会社を子会社化へ  燦キャピタルマネージメント



    不動産投資業やアセットマネージメント業の燦キャピタルマネージメント(大阪市淀川区)は、不動産特定共同事業などを手掛けるセブンスター(東京都港区)を2021年3月30日付で簡易株式交換手続きによって完全子会社化する。

     セブンスターは、不動産特定共同事業などを展開し、不動産クラウドファンディングに活用できるプラットフォームを保有しており、既に個人を中心した小口投資家の顧客網を構築している。このプラットフォームを活用することで、新たなファンドの仕組みを構築しながら、地域創生・活性化事業の強化に資する投資家へのアクセス(資金調達)や、取得資産の双方で多様化を実現していきたい考え。

     これらにより、ストック収入型のビジネスモデルの強化も図っていく。また、セブンスターで実績のある不動産開発力を生かし、官民連携事業にも進出し、開発段階からプロパティマネジメントまで一貫した事業体制を整える。


    圧倒的有利?「月3万円の生命保険」より不動産投資を選ぶワケ


    実は「生命保険」の代わりにもなる不動産投資

    不動産投資ならば、物件選びさえ間違えなければ数十年といった長期間、手放しで家賃収入が得られます。本業を持つ人にとってまさに最適な投資対象といえるでしょう。しかも収入は毎月定期的にありますし、いざとなれば売却もできるので換金性も問題ありません。

     

    毎月数十万円、数百万円という多額の収入を得ることは困難ですが、その代わり資産価値がゼロになることもほぼありません。それゆえ数少ない「ローリスク・ミドルリターン」の投資対象なのです。しかし不動産投資のメリットは、このような安定性、換金性だけではありません。

     

    (※写真はイメージです/PIXTA)
    (※写真はイメージです/PIXTA)

     

    全国平均の保険料は3万2000円です。この額は家計への大きな圧迫となっているのではないでしょうか。そこで不動産投資を行えば、この生命保険の負担を一気に解消することができます。

     

    なぜなら投資物件の購入資金を調達するための融資条件に、団体信用生命保険の加入があるからです。

    複数加入にも匹敵…内容充実の「団体信用生命保険」

    この保険は、ローン返済中に契約者が亡くなった場合、すべての残債を支払うものです。保険料は金利に含まれているので、契約者は別途支払う必要はありません。万一、契約者が亡くなっても残債がなければ、家族に不動産という数千万円の資産を残すことができます。

     

    また、ローン返済がなくなれば月々の家賃収入はすべて家族のものです。私たちが扱う物件の家賃は8万円前後ですから、多くの世帯にとって決して少なくない額でしょう。しかも毎月数万円かかっていた保険料は、ほとんど家賃収入から支払うことができるので、家計は大幅に楽になります。

     

    さらにローンを組む金融機関によっては、死亡保障だけでなくさまざまな特約が付いた団体信用生命保険も扱っています。

     

    例えば、がんと診断されれば残債がゼロになるがん特約、糖尿病や高血圧性疾患などで入院が一定期間以上になった場合に残債がゼロになる生活習慣病特約、ケガによる就業不能も保障対象とする全疾病特約などです。

     

    これだけ充実した内容ならば、現在複数の生命保険に加入している人でも安心できるのではないでしょうか。

     

    数千万円の資産が残り、家賃収入も得られ、さらに保障内容は必要十分。この条件は、一般的な生命保険の経済効果を大きく上回るはずです。

    「一般的な生命保険」「不動産投資の生命保険」を比較

    では、実際の団体信用生命保険の効果を一般的な生命保険と比較してみましょう。仮に家賃収入からローン返済と管理費を差し引いて、持ち出しが月に約1万円の物件を購入したとします。その保険効果は次のようになります。

     

    **************

    ▼団体信用生命保険の場合

    物件の資産価値:2530万円(ワンルームマンション)

    ローン返済額:8万1076円

    管理費等:6840円

    家賃:7万6524円

    毎月の収支:マイナス1万1392円

    **************

     

    そして生命保険に毎月同等の支払いをした場合は次のようになります。

     

    **************

    ▼生命保険の場合

    保険の種類:終身保険(払込期間65歳)

    保険金額:500万円

    月額保険料:1万605円

    **************

     

    同じ毎月約1万円の支払いでも、団体信用生命保険の場合は、約2500万円の資産が残り、ローンの返済が終われば毎月約7万6000円の家賃収入も得られます。

     

    しかもローンを組む金融機関によっては、がんなどの特約が付いていることもあります。一方で生命保険の場合は、月1万円の支払いで得られる保険金はたった500万円しかなく、がんなどの特約はありません。そして家賃という不労所得も得ることはできません。

     

    どちらにメリットがあるかは誰が見ても歴然でしょう。ちなみに物件の資産価値は経年によって減少していきますが、数十年で500万円にまで下がることは非常にまれです。そのことを知った多くの方が、物件購入後に生命保険の解約または保険料を大幅に下げる見直しをしています。


    平均年収1200万円だが、手取りは…医師が不動産投資する理由


    「医師と不動産投資」は、親和性が高いのだが…

    医師は、ただでさえ多忙ですから、本業収入を増やそうにも限界がありますし、そもそも貯蓄だけでは老後資金を賄いきれません。高額所得者だからこそ、なるべく早く第二の収入源を確保する必要があります。

     

    高額所得者である医師にとって「資産形成」は早急に取り組むべきテーマなのです。

     

    資産形成の方法は様々ありますが、もっとも親和性の高い手段は「不動産投資」でしょう。資産価値が安定しているため、投資リスクを最小限に抑えられる投資対象ですし、賃貸経営が軌道に乗れば自動的に資産を形成していくことが可能です。

     

    とはいえ、ただ投資用不動産を購入すればよいというわけではありません。着実に収益を上げていくには「物件選び」から「物件管理」までを任せることができる、信頼できる不動産会社を味方につけることが重要です。

     

    (※写真はイメージです/PIXTA)
    (※写真はイメージです/PIXTA)

    営業マンに「儲からない物件」を押し付けられることも

    すでに不動産を所有している人に質問です。その物件購入の決め手となったのはどんな条件でしたか? またこれから購入する人はどんな条件で物件を選ぼうと考えていますか?

     

    入居者受けしそうな間取りや設備、駅や買物施設が近くにある便利な住環境、そして物件属性に見合った価格など、希望条件を掲げればきりがありません。

     

    その一方で「営業マンに押し切られ、条件を良く確認せず成り行きで買ってしまった」という人も少なくないようです。

     

    その営業マンが顧客にとってベストな物件を選んでいれば問題ないのですが、「売上げノルマが達成できないから」とか、「長い付き合いの売主から頼まれているから誰かに買わせないと」などといった雑念からすすめてくる物件だったとしたら最悪です。

     

    不動産投資はオーナー主体で行うべきビジネスです。オーナーがリーダーシップを取れていないと不動産会社や管理会社に手数料だけ持っていかれ、利益に見合わない額のローン返済と税金の徴収で経営が赤字に転じ、終いには虎の子の預貯金まで取り崩すことになります。

     

    とはいえ、多忙な医師が一人で不動産ビジネスを運営していくのは至難の業です。そこで、オーナーの要望をしっかりと汲み取り、その指針を忠実に守ることができる「パートナー選び」が重要になってくるのです。

    「必ず一度は現地視察」が鉄則…儲かる物件の見極め方

    自分にとって最適なパートナーと出会うための第一歩、それは投資に値する「物件」を手に入れることです。

     

    物件購入の際に考慮すべきポイントは「立地」や「価格」だけにとどまりません。オーナーチェンジ物件を購入する場合は、入居者の属性や現行の家賃設定が適正かどうかも比較検討する必要があります。

     

    また空室のマンションを購入する場合も、そこが居住専用か、小規模オフィスも入居可能な雑居マンションかで需要も大きく変わります。オフィスが入居していると不特定多数の出入りがあるため、プライバシー侵害やセキュリティ低下が懸念されます。

     

    また「駅徒歩1分」の好立地に建つ居住専用でも、繁華街のど真ん中では落ち着いて暮らせません。このような物件はいつまで経っても空室のまま、入居者が決まったとしても連日クレーム三昧の残念な物件となってしまうのがオチです。

     

    販売チラシ上では優良物件に見えても、現地を見たらとんでもない代物だったという話はよくあります。不動産選びの鉄則は「必ず一度は現地を見る」ことです。どんなに多忙でも、資料や営業マンの話だけで購入を決めてはいけません。

    「信頼できる不動産会社」は営業マンの言動から判断

    不動産投資成功の秘訣は一に「物件」、二に売買取引や物件管理を任せる「不動産会社」です。

     

    オーナーに対し有益な情報を提供する不動産会社とパートナーシップを結ぶことで、末永く安定した資産形成が約束されます。

     

    信頼できる不動産会社はそこに働く営業マンの資質で判断することができます。「他人の気持ちを察する」「ウソをつかない」「成果を出す」、これらはビジネスマンとして当たり前のことかもしれませんが、これができない営業マンがとても多いのです。

     

    業界特有なのかもしれませんが、過剰なノルマ意識を持っていたり、不動産に関する複雑な条件説明を面倒くさがったり、売上に固執するあまり顧客への配慮を忘れてしまったりなど、非情な行為を平気でやってしまう人が少なからずいます。たとえば…

     

    ●亡くなった顧客の葬儀当日に、遺族に対して相続対策の営業をする。

    ●「必ず税還付が受けられる」など、未確認情報をあたかも確実な事のように話す。

    ●「知識がなくても私の言う通りにやれば儲かる」などと根拠なく信じさせようとする。

     

    これらの営業トークがすべてウソ、迷惑というわけではありません。葬儀中でも相続情報が欲しいという遺族はいるかもしれません。

     

    医師など高額所得者であれば不動産購入や賃貸運営の経費計上で税還付が受けられる場合もあります。名うての不動産コンサルタントの指示通りにすれば、どんなに悪条件の投資物件でも高収入が得られるようになるかもしれません。

     

    問題は、これらの営業トークが顧客に適切かどうか不確実にもかかわらず、売上げを達成したい一心で安易に発せられていることです。この傾向は、厳しいノルマを課す不動産会社に在籍する営業マンに多く見られます。

     

    <まとめ>

    信頼できる営業マンの仕事ぶりは医師と似ています。優秀な営業マンは、顧客の要望(症状)をしっかりとヒアリング(診察)し、要望に即した提案(治療方針)をしてくれます。

     

    一方、顧客の話を聞かず押し付け提案をしてくる営業マンもいます。それはまるで診察をせずいきなり手術をするようなものです。

     

    ヒアリング・提案能力があれば多くの顧客から信頼が得られるため、売上ノルマに苦しむことなどありません。心にゆとりを持った、人望の厚い営業マンがいる不動産会社こそ、長く付き合えるパートナーに相応しいのです。

     

     

     

    大山 一也



    収益物件の探し方や購入手順は?不動産投資を始めるリスクや注意点も


    1.収益物件の特徴と購入するメリット

    収益物件とは、定期的な家賃収入などを見込んで保有する不動産のことです。個人や事業者に貸し出す居住用物件や店舗として貸し出すテナントなどが収益物件に該当しますが、自身の居住用に購入するマイホームとは異なります。

    そのため、収益物件の購入に住宅ローンを利用することはできませんが、自己資金が足りない場合、不動産投資ローンなどを利用して購入することが可能です。収益物件を保有する主なメリットを確認してみましょう。

    1-1.自己資金よりも大きなお金を運用できる

    不動産投資ローンを活用することによって自己資金よりも大きなお金を運用できるのが収益物件のメリットです。例えば、運用利回りが5%の投資の場合、運用できる資金が500万円と3,000万円では、以下のように生み出す利益に大きな差が生じます。

    • 500万円の場合:500万円×5%=25万円
    • 3,000万円の場合:3,000万円×5%=150万円

    不動産投資ローンなどを活用することによって金利コストなども発生しますが、スケールメリットを活かした運用も可能になるため、少額資金よりも効率的な運用が可能です。

    不動産投資以外では例えば株式の信用取引などでも、レバレッジを利かした運用は可能ですが、収益物件への投資は不動産という実物資産が手元に残る点に大きな違いがあります。

    手元に残った不動産を処分することによって投資元本を回収できる可能性もあり、リスク対策をとりながら運用できる点もメリットです。

    1-2.定期的な収入が期待できる

    定期的な家賃収入が期待できるのも不動産投資のメリットです。賃貸で入居者が入っている限り、毎月収入を受け取ることができるため、ローンの返済に充てるなど資金繰りもしやすくなります。

    また、賃貸収入は株やFXなどの金融商品と比べても短期間でリターンが大きく増減することも少なく、長期的な収入を見込むことも可能です。ローンの完済後は家賃収入が毎月の定期収入となるため、老後の生活資金対策として注目する方もいます。

    1-3.団体信用生命保険に加入できる

    収益物件の保有に不動産投資ローンを活用する場合、多くのケースで団体信用生命保険(団信)に加入することが条件となります。

    団信とはローン契約者に万が一のことが起こった場合に残債の返済を免除される保険です。この仕組みにより、遺族に債務を残さず不動産だけを残せる可能性があります。

    1-4.様々な税制上のメリットを受けられる

    相続税は相続財産の評価額によって相続税額が決まりますが、この時、現金や預金で財産を相続するよりも収益物件などの不動産で相続するほうが低い評価額となる傾向があります。これは、不動産の相続税評価が実際の売買価格よりも低くなるためです。

    現金や預金などで相続財産を残すよりも収益物件などの不動産で残すほうが有利になる可能性があることから、相続税対策として収益物件を購入するケースもあります。

    2.不動産投資のリスクや注意点

    収益物件には様々なメリットがあるものの、全ての物件が定期的に収益を生み出すわけではありません。継続的な収入の見込める収益物件を探すことが重要なポイントになります。

    不動産投資では以下のリスクに注意する必要があるので、確認しておきましょう。

    2-1.不動産投資ローンを利用した場合、リスクが大きくなる

    不動産投資では収益物件などを購入するために多額の投資資金が必要になります。不動産投資ローンを活用できる点は不動産投資のメリットでもありますが、リスクが大きくなる点はデメリットとも言えます。

    例えば、不動産投資ローンによって資金を調達した場合、投資計画がうまくいかずに不動産売却を検討しても、不動産の処分価格がローンの残債を下回るケース(オーバーローン)では、返済しきれない部分の債務を背負う可能性があります。

    2-2.リスク対策に幅広い知識が必要になる

    不動産投資には、入居者が決まらない空室リスクがあります。空室が長期化すれば家賃収入を得られず、投資計画全体の見直しを迫られることになります。このほか、地価下落リスクや天災リスク、賃料を回収できないリスクなどもあります。

    物件探しや購入後の賃貸経営では、経済環境の把握や法律改正には適切に対応しなければならないため、法律や金融などの幅広い知識も必要になります。投資家として日頃から情報収集に努めることも大切です。

    3.収益物件の探し方

    それでは収益物件を探す具体的な方法やポイントを見ていきましょう。

    3-1.不動産情報サイトを活用する

    不動産情報サイトには、収益物件の情報に特化した投資サイトや、不動産全般の情報を発信している総合情報サイト、大手不動産会社が運営している不動産サイトなど様々な種類があります。

    不動産サイトでは、手間をかけずに収益物件の情報を集められるのが大きなメリットです。サイトによって物件の掲載数などは異なりますが、収益物件の情報を調べることで、エリアごとの相場観や利回りを把握することにもつながります。

    3-2.不動産会社に相談する

    不動産会社を実際に訪問し、物件を紹介してもらう方法も収益物件の探し方の一つです。収益物件を購入するエリアがすでに決まっている場合は、物件だけでなく周辺環境なども併せて確認できるのが大きなメリットになります。

    実店舗を構えている不動産会社は地場の情報などに強く、ネットだけでは得られない物件情報を持っていることもあります。

    ただし、不動産会社に行く時間や物件を見るための移動などに時間と手間を要するため、不動産情報サイトのように短時間で多くの情報を集めることはできません。

    不動産会社に相談する際は、投資金額や希望物件の条件などの具体的な投資計画を伝えることも重要なポイントとなります。

    3-3.不動産投資会社のセミナーに参加する

    不動産投資会社のセミナー参加も収益物件を探す方法の一つです。不動産投資会社のセミナーでは、不動産投資の基礎知識の解説や専門的な投資情報まで、様々な情報提供が行われています。

    不動産投資セミナーではこのような情報提供に加えて、物件の紹介を行っているケースもあります。不動産投資会社から非公開物件などを紹介してもらえる点は大きなメリットで、物件管理についてもプロの視点から様々な提案を期待することができます。

    ただし、不動産会社によっては自社物件を強調した偏った情報となる可能性もあります。不動産投資会社のセミナーを受講する場合、1社だけを利用するのではなく、複数社から話を聞くことが大切です。

    4.収益物件の購入手順

    収益物件の購入で失敗しないためには、購入前からしっかりと計画を立てて準備をしておことが重要です。収益物件の購入手順とポイントは以下の通りです。

    4-1.投資計画を立てる

    収益物件を購入する際は、まず投資目的と目標を明確に定めてみましょう。投資の具体的な目標を掲げることで、全体的な投資計画を策定しやすくなります。

    次に投資金額を決定します。自己資金と借入金のバランスを考えながら、どの程度まで投資できるかという具体的な投資金額を検討することが重要です。

    収益物件の購入では、自己資金2~3割、借入金7~8割が目安となりますが、個人の収入や資産状況などによって適切な借入金の割合は異なるので注意しましょう。

    4-2.収益物件を探す

    投資の目的や目標、投資金額まで決定したら、次は収益物件を探します。ワンルームや戸建て、マンションなどのタイプごとの検討から、利回り、エリア、立地、周辺環境、購入後の管理方法まで様々な視点から投資計画に合うような物件を見つけます。

    特に、エリア選びなどの入居需要に大きく影響してくる要素は慎重な検討が必要です。

    また、利回りの高い物件は物件自体や周辺環境に問題があることも少なくありません。利回りだけを重視した投資計画を立てずに、慎重に検討することが大切です。

    どのようなエリア・利回りの物件を選択すればよいか迷った場合は、前項「3.収益物件の探し方」で解説した手順で物件を探し、複数の不動産を比較してみましょう。

    4-3.融資相談をする

    購入したい物件を見つけて、購入申し込みの意思表示をしたら、銀行の融資審査を受けます。融資担当者には投資計画に基づいた資料の提出や説明をしっかりと行うことが大切です。融資審査に通れば、金融機関との金銭消費貸借契約を締結します。

    4-4.売買契約を結ぶ

    売主と売買条件のすり合わせが完了したら、不動産売買契約を結びます。宅地建物取引士による重要事項説明書の内容をしっかりと理解した上で、契約書に署名捺印をし、手付金を支払います。

    4-5.収益物件の引き渡し

    残金や諸費用を支払い、登記を済ませて収益物件の関係書類や鍵などの引き渡しを受ければ、購入手続きは完了となります。

    まとめ

    収益物件は様々な探し方ができるため、手間を惜しまずいくつもの方法を試みることで優良な物件に巡り合える可能性が高くなります。不動産情報サイトを活用するほか、不動産会社や投資会社に相談することも物件探しの上で大切なポイントです。

    また、収益物件を購入する際は複数の物件を比較しながら、自身の投資目的に沿った物件を選ぶことが重要です。あらかじめ投資目的を設定することで、物件を比較する際にどのような点を重視すべきなのかの判断に役立てることができます。


    不動産投資は証券化の時代 若い人でも始められる5つのメリット


    コロナ禍の影響で、家計が大きく変わった人は決して少なくありません。なかには、それまで当たり前のように得られていた収入が、ある日突然断たれてしまうようなケースも。
    そんな事例を目の当たりにして、経済的な備えの大切さを実感した人も多いのではないでしょうか。経済的な備えは、貯蓄だけではありません。投資による資産形成も含めて、多様に準備しておくことが大切です。
    今回は、不動産投資の証券化の種類やメリットについてお伝えます。

    不動産を証券化するとはどういうこと?

    不動産投資とは、土地や建物といった不動産を買って(=不動産に投資して)、収益を得る、というものです。
    収益は2種類。

    ①値上がりしたら売却して、売却益を得る=キャピタルゲイン(売却益)
    ②賃貸に出して、賃料収入を得る=インカムゲイン(運用益)

    不動産はインフレリスクにも強く、投資対象として手堅いと言われますが、不動産を購入するには高額の資金が必要です。
    そのため、若い人には不動産投資を始めたくても、資金が貯まるまでは我慢せざるを得ない状況が続いていました。資金を貯めても自己資金だけでは足りず、金融機関から借り入れをする必要もあるため、不安に感じる人も少なくありませんでした。

    しかし、少額から始められる不動産投資があります。それが、不動産の証券化を利用するという方法
    投資家は何千万円もする不動産の実物を買うのではなく、不動産に投資する証券を買います。証券は小口に分けられていますから、投資家は証券を1万円などの少額だけ買って、不動産に投資をすることもできる仕組みです。

    不動産の証券化には大きく3つある(それぞれの仕組みを簡単に説明)

    1万円からでも不動産投資ができるなら、さっそく始めたいところですが、不動産の証券についてもう少し詳しく知っておきましょう。
    不動産の証券には大きくわけて3つあり、それぞれに特徴があります。
    自分に合った証券を組み合わせて選ぶことで、より効率的に投資することができます。

    REIT(リート)

    REITは、Real Estate Investment Trustの頭文字をとった名称で、「不動産投資信託」のことです。アメリカ発の仕組みですが、日本版はJAPANの頭文字を付けて「J-REIT(ジェイリート)」と呼ばれています。

    投資信託は、多くの投資家からお金を集めてひとつのまとまった資金にしたものを、投資の専門家が運用する仕組み。運用先は国内外の株式や債券、不動産などです。
    REITは、投資信託の不動産版ですから、運用先が不動産に限定されています。不動産はマンションやアパートだけではなく、オフィスビル、ショッピングモール、倉庫、病院など多岐にわたるもの特徴のひとつです。

    REITでは、投資家から集めた資金でさまざまな不動産に投資をして、その売却益や賃料収入などの運用益を投資家に還元します。
    どのような不動産に投資をするのかは、REITごとに方針が決められているので、利益が見込めそうだと思えるREITを選ぶことになります。

    たとえば、マンション・アパートがメインの投資先になっているREITもあれば、ショッピングモールをメインにしているものもあります。地域や規模によって見込める収益も異なってくるでしょう。
    そういった点も確認して投資をしていきますが、ひとつひとつの投資先物件は投資家が決めるものではありません。

    投資信託は、投資の専門家が運用していますので、投資家が選べるのは運用方針など限定的です。
    運用先の不動産物件も自分で選びたい、という場合にはソーシャルレンディングという選択肢も考えられます。

    ソーシャルレンディング(不動産投資型クラウドファンディング)

    すぐには使わない資金がある場合、できるだけ効率よく運用したいものです。運用にはさまざまありますが、貸し付けをして利息を受け取るというのもそのひとつ。
    お金を借りたいと思っている人や会社は少なくありませんが、金融機関から借りるには多くの条件をクリアする必要があります。そのため、なかなか資金調達ができないスタートアップ企業なども少なくありません。

    そんなお金を借りたい人と、お金を貸して投資をしたい人を結びつけるのが、ソーシャルレンディングの基本的な仕組みです。

    なかでも不動産の購入資金として貸し付ける場合には、不動産を担保とすることができます。金融機関から低金利でお金を借りられない人に貸すと思うと、どうしても不安になってしまいますよね。
    しかし、購入する不動産を担保にするので、貸し倒れのリスクは限定的です。

    お金を直接貸し付けるには、貸金業の登録が必要ですから、個人がいきなりできるものではありません。借りる人と貸す人との間には、ソーシャルレンディングの事業者が入り、投資家は事業者とやりとりすることになります。
    安心して投資をするには、信頼できるソーシャルレンディング事業者を選ぶことが大切なポイントです。投資先の情報公開や実績など、しっかり確認しましょう。

    ソーシャルレンディングでは、一般的にどのような借り手なのかという情報は、匿名化しているため投資家からは把握しにくいものとなります。しかし、不動産投資型では情報公開に特別の制限はありません
    そのため、借り手や物件の情報も確認することが可能です。
    すべて公開している場合ばかりではありませんが、総合的に判断して投資先を選ぶとよいでしょう。

    私募ファンド

    ファンドとは、投資家から集めた資金を運用する金融商品のことを表します。(また、そのような金融商品を扱う運用会社を指す場合もあります)
    ファンドに集まったお金は、投資の専門家が運用します。運用結果の利益は、投資家に還元される仕組みです。ただし、損失を出す場合もあるので、ファンド選びはとても重要です。

    ファンドには、不特定多数の投資家を対象にした「公募ファンド」と、特定少数の投資家を対象にする「私募ファンド」があります。
    公募ファンドは幅広い投資家を対象にしているので、金融機関の窓口やインターネットサイトから申し込むことができるようになっています。

    一方私募ファンドは、50人未満など少数の投資家を対象としています。投資先は高額な物件であることが多いため、ファンドとはいっても投資金額は億単位も珍しくありません。
    投資家が限られているのでファンドを売買する市場はありませんが、金融機関が投資家のニーズに合わせてオーダーメイドで運用しますので、しっかりとした目標があれば困ることは少ないでしょう。

    では、不動産投資を実物の売買や賃貸などではなく、証券で行うメリットにはどのようなものがあるでしょうか。

    不動産投資で副業、メリット・デメリットは?税金や注意点も解説


    1.副業でおこなう不動産投資とは

    副業でおこなう不動産投資とは、本業の収入で生活しているサラリーマンなどの方が、収益不動産に投資をおこない、賃貸収益や売却収益を得る、というものです。

    不動産投資による収益は、基本的に勤労性のものではないため、本業の合間におこなって収益を得ることも可能です。

    ただし、税務的には5棟10室基準があり、所有不動産がこの基準を超えると本業と同様の事業とみなされる可能性があります。また、サラリーマンの方が、勤務している企業で不動産投資を副業とみなされるかどうかは、それぞれの企業の社内規程の問題であるといえるでしょう。

    ※国税庁「事業としての不動産貸付けとの区分」を参照

    2.副業で不動産投資をおこなうメリット

    副業で不動産投資をおこなうメリットとして、融資付けに本業を生かすことができるという点があります。さらに、本業や経済環境に有事が起こった際のリスクヘッジになるというメリットなどがあるといえます。

    2-1.融資を受ける際に本業の属性を活用できる

    不動産投資では、投資効率を上げるために融資を受けて物件の購入をすることが可能です。本業で給与収入があったり、資産を築いていたりする人は、そのような属性が融資審査の際に評価され、有利な条件で融資を受けることができます。

    これに対して、不動産投資を専業としている場合には家賃収入が主な返済原資となるため、融資を受ける際に購入しようとしている物件の収益性や担保性がより厳しく審査されることになります。

    2-2.手間をほとんどかけることなく管理できる

    不動産投資では、運用していく過程で入居者の募集・入居者対応・集金管理・物件の修繕・原状回復などの管理業務が発生します。

    これらの業務は、不動産管理会社などの外部業者に委託することができます。委託手数料はかかりますが、オーナーはほとんど手間をかけることなく運用することが可能です。

    ただし、物件の売却や、物件の大規模修繕などの大きな意思決定は、オーナーがおこなう必要があります。

    2-3.資産性の副収入を得ることができる

    不動産投資の収入は、人が労務を提供することの対価である勤労性の収入ではなく、資産を運用することによって得られる資産性の収入です。

    人の労働することができる時間や体力には限度があり、病気や怪我、老化などで労働できなくなるリスクもあります。不動産投資によって資産性の副収入を得られることは、このようなリスクに備えることができるメリットがあるといえます。

    2-4.団体信用生命保険に加入することができる

    収益不動産を購入するために金融機関で融資を受ける際、団体信用生命保険に加入することが可能です。団体信用生命保険とは、金融機関等から融資を受けている債務者が、死亡したり高度障害状態になったりしたときに、生命保険会社が債務残高相当分の保険金を金融機関等に支払い、保険金を債務の弁済に充てる制度です。

    団体信用生命保険に加入することで、不動産投資で融資を受けていてる本人が死亡等の状態になったとしても、遺族に借入のない状態で不動産を残せる可能性があります。

    2-5.インフレリスクに対応することができる

    財産を現金のまま保有している状態で、インフレが発生した場合、現金の財産価値は物価上昇に対して相対的に下落してしまいます。

    財産を不動産で保有して、このようなインフレによる財産価値の下落を防ぐことが可能になります。また、不動産投資の家賃収入は、インフレに連動して上昇する傾向があるため、運用収入面からもインフレリスクに強いというメリットがあります。

    3.副業で不動産投資をおこなうデメリット

    副業で不動産投資をおこなうデメリットとしては、取得や管理の手間がかかることが挙げられます。オーナーが最低限おこなう収支管理などの業務があり、管理業務を自分でおこなう場合にはさらにオーナーの負担は大きくなるでしょう。

    場合によっては、本業に影響が生じるおそれもあります。また、不動産投資に付随するリスクを背負う必要があることもデメリットといえます。これらのデメリットについて詳しく見て行きましょう。

    3-1.投資の収支管理、確定申告が必要になる

    副業で不動産投資をおこなうにあたり、管理については外部に委託して手間を省くことが可能です。

    しかし、投資の収支管理は最低限、オーナーが行わなければなりません。オーナーの業務として、収支がマイナスになっていないかどうか、そして想定通りの運用ができているかどうかを定期的に確認する必要があるでしょう。

    運用実績が想定を下回っている場合はその原因を分析し、投資の収支を改善するために何らかの対策を講じたり、対策に付随する手続きをおこなっていくことになります。

    さらに、不動産所得が20万円を超える場合、毎年、翌年の3月15日までに確定申告をおこなう必要があります。

    3-2.不動産投資に付随するリスクを背負う必要がある

    不動産投資には様々なリスクがあります。運用収入面からは、空室リスクや陳腐化による家賃下落リスクがあります。

    また、運用費用の面では、修繕費用・原状回復費用などの支出リスクがあります。売却収入面からは、経年劣化がおきる建物価格について不動産の価格が下落するリスクもあります。そのほか、災害リスク、金利上昇リスクなど、様々なリスクが想定されます。

    不動産投資では、このような付随するリスクを認識し、それぞれのリスクの範囲や大きさを勘案しながら事前に対策を行ったり、損失が出た際の損切り(売却など)を考慮したシミュレーションをしておくことが重要となります。

    3-3.不動産の運用には管理コストや手間がかかる

    不動産投資では、不動産を運用していく過程で、入居者の募集、入居者対応・集金管理、物件の修繕・原状回復などの管理業務が発生します。

    これらを外部に委託しようとすると、管理コストがかかります。また、管理コストを抑えようとすると、オーナー自身がこれらの業務をおこなうことになり、手間がかかります。

    不動産を運用するには、管理コストや手間がかかることが不動産投資のデメリットといえるでしょう。

    3-4.本業に影響が及ぼすおそれがある

    副業で不動産投資をおこなう場合、本業にも、手間や社内規程などの観点から影響が生じるおそれがあります。

    管理を外注していれば、ほぼ手間がかからない不動産投資ですが、運用における重要な意思決定や手続きには、オーナー自身が関わる必要があります。

    また、自主管理の場合は管理業務をオーナーがおこなう必要があります。特に、不動産投資の規模が大きくなると業務量も増え、これらの業務が本業に影響を及ぼすおそれがあるでしょう。

    その他、本業がサラリーマンや公務員の方の場合、副業禁止規定に触れる可能性もあります。本業への影響が無いよう、これらの注意点について事前に確認しておくことが大切です。

    4.副業で不動産投資をおこなう際の税金

    副業で不動産投資をおこなう際、家賃収入に対しては、毎年所得税と住民税がかかります。また、不動産を所有していると、その土地・建物に対しては、固定資産税と都市計画税が毎年課せられます。

    4-1.所得税・住民税

    所有不動産の家賃収入は、不動産所得として翌年の3月15日までに確定申告をおこなって、その収入にかかる所得税と住民税を納める必要があります。

    不動産所得は、「不動産収入―必要経費」によって算出されます。所得税は累進課税といい、所得が増えるにつれて段階的に、5%から最大45%まで税率が上がる仕組みになっています。

    本業による所得と不動産所得との合計所得に対して、累進税率が適用されるので注意しましょう。

    住民税はそれぞれの市区町村が所得税の確定申告をもとに税額を計算し、6月以降に納付書を送ってきます。税率は一律10%です。

    サラリーマンであれば、特別徴収といって、勤務先企業に納付書を送ってもらい、12回に分割して給与所得から天引きして企業に納めてもらう徴収方法となっています。

    これに対し、普通徴収といって住所に納付書を送ってもらい自分で納めることも可能です。普通徴収であれば、通常は4回の分割払いになります。

    4-2.固定資産税・都市計画税

    毎年、1月1日に不動産を所有している人に対して、固定資産税や都市計画税が課せられます。固定資産税の税率は、原則として、課税標準額と呼ばれる評価額に対して1.4%、都市計画税は0.3%になります。ただし、住宅用地等の特例により、固定資産税や都市計画税が軽減されることがあります。

    5.副業で不動産投資をおこなう際の注意点

    副業で不動産投資をおこなう際は、手間を最低限に抑えるために、本業に影響が生じないようにしましょう。ただし、投資の収支についてはオーナーが定期的にチェックし、対策を講じるなどの運用・投資判断をおこなう必要があります。

    また、不動産投資に付随するリスクに備え、手元資金を充分に確保しておくようにしましょう。

    5-1.投資の収支に注意し、必要なら対策を講じる

    不動産投資の収支について、想定通りの運用ができているかどうか、定期的に確認する必要があります。想定通りに収益が上がっていなかったり、マイナスになっていたりするようなら、その原因を突き止めて対策を講じるようにしましょう。

    たとえば、内装や設備の老朽化、陳腐化により家賃が下がっているのであれば、リノベーションをおこなうなどの対策を検討します。対策による支出が大きい場合は、費用対効果のシミュレーションにも注意を払いましょう。

    5-2.リスクに備え、手元資金を充分に確保する

    不動産投資には、様々なリスクがあります。空室が生じて家賃収入が入らなかったり、大規模な修繕が必要になり多額の支出を強いられたりすることがあります。そのようなリスクに備え、手元資金に余裕を持って運営をおこなうようにしましょう。

    5-3.本業に影響がないようにおこなう

    本業がフルタイムの方の場合、本業に影響が生じないように、管理業務は外注することも検討してみると良いでしょう。運用や投資における重要な意思決定や手続きは、できる限り週末や休日におこなったり、家族に任せたりするなど工夫しましょう。

    また、サラリーマンの方の場合、勤務先の企業の就業規則等において副業を禁止していることがあります。サラリーマンの方が不動産投資をおこなう場合は、勤務先に前もって確認した方がよいでしょう。

    特に、国家公務員の場合、国家公務員法で営利企業との兼業が原則禁止されています。不動産賃貸業は、一定の条件の下、承認を受けた場合にのみ認められることとなっていますので、注意しましょう。

    まとめ

    副業で不動産投資をおこなうのは、融資付けに本業を生かすことができ、本業や経済環境に有事が起こった際のリスクヘッジになるというメリットがある一方、オーナーの業務として、収支管理とそれに伴う運用・投資判断をおこなう手間がかかります。様々なリスクがあることも念頭に置く必要があります。

    投資の収支には定期的に注意を払い、手元資金は充分に確保して投資をおこなうようにしましょう。また、確定申告と税金の納付にも注意しましょう。本業には影響が生じないよう、サラリーマンの方は社内での副業禁止規程を確認しておくことも大切です。


    ローン地獄に陥った人々の悲痛な叫び「3万円だけのつもりが300万円に」


    「3万円だけ」のつもりが、見栄で300万円の負債に

    行きすぎた“簡便さ”の誘惑

    マンション投資が仇に……家賃とローンの二重苦

    ほかにも、ローン地獄に陥った人々が…

    最終手段”自己破産”への長き道

    申請にかかった弁護士費用は計25万円


    コロナ不況でむしろ追い風?…「医師」という不動産投資の勝者


    コロナ禍が証明した、不動産投資の「手堅さ」

    このところ医師からの不動産投資に関する問い合わせが急増し、その問い合わせ内容も具体的になってきた印象を受けます。コロナ禍により、今まで当たり前だった暮らし方、働き方、食事や旅行など娯楽の楽しみ方の常識が大きく変わったため、多くの医師が将来のリスクを認識するようになったようです。

     

    2020年初頭から巻き起こった「コロナ禍」旋風に、日本、そして世界経済はどれだけ翻弄されたことでしょう。そして今もなお、この騒動が及ぼす影響について危惧されています。初回の緊急事態宣言からまもなく1年が経つというのに、2021年を迎えてすぐに宣言の再発出、東京都を含む10都道府県においてはさらなる期間延長の憂き目に遭っています。

     

    しかしながら、不動産投資そのものに対するコロナ不況の影響はそれほど出ていません。強いて言えば、海外からの輸入に頼っていた建築資材の調達がままならず、建設現場の竣工時期がやや後ろ倒しになったことや、金融機関においては、三密を伴う顧客面談ができないため、融資審査の進め方が調整された程度でしょうか。

     

    市場動向を見ると、停滞していたのは不動産業各社が営業停止していた2020年春・夏だけで、同年秋から売買取引が活発化しています。不動産投資は厳しい景況化にあっても恒常的であり、手堅く利益が得られる投資手段であることが再認識されました。

    融資審査基準の見直しで、医師は「勝ち組」に

    今後は金融機関の融資審査基準の見直しや厳格化が進むと思われます。これまでは名のある大企業勤務で一定収入を得ている人であれば容易にローンが組めました。

     

    しかし、東京オリンピックやインバウンド効果で順風満帆だったホテル・旅行・飲食業界を見ればわかるように、実績ある有名企業でも減益減収、耐力のない会社は次々と倒産へ追い込まれています。この状況を鑑み、金融機関は「一般企業は突発的な不可抗力に弱い」というマイナス評価を付け始めたのです。

     

    新たな審査基準では、不況下でも仕事が途絶えることなく安定した収入を得ている医師や公務員を高く評価する方向にシフトしています。また、現在の不動産市場は、所有物件の現金化を急ぐ投資家、それを物色する投資家とで混沌としています。優良物件であっても売り手の都合により安値で売り出されるケースもあります。相場観が乱れている今は新規参入の好機です。

     

    写真:取材に答える大山一也氏
    写真:取材に答える大山一也氏

     

    不動産投資は金融機関とタッグを組んでこそ大きなメリットを享受できるので、融資が厳しくなる、借り入れが可能な職業属性が絞られてくる面で影響が出てくるかもしれませんが、安定した資産力のある投資家にとってはよい傾向であると捉えています。医師はまさに好機到来と言えるでしょう。

    何もしないと、想像以上に厳しい「医師の老後」だが…

    医師は高収入のため、毎年支払う税金も高額です。何かしらの節税対策をしないと、収入のうちおおむね1/5が税金で消えてしまっている可能性があります。不動産投資は、物件購入時の諸費用を経費計上できるので節税に役立ちます。また、医師は安定・高収入のため金融機関の融資評価が高く、不動産購入のための資金調達も容易です。

     

    実は退職後の生活資金について、医師は想像以上にきついものがあります。開業医に退職金はありませんし、勤務医であっても就業先によっては退職金制度がない場合も少なくありません。一般企業のサラリーマンと比較して社会保障の恩恵が薄いといわれる医師の老後には不安がつきものです。現役のいまから投資用不動産を取得しておけば、退職後も「家賃」という定期的な不労所得を得ることができます。

     

    不動産投資は株式投資のように突然莫大な利益を生むものではありませんが、大きく損をするものでもありません。常に資産価値が安定しており、定期収入も着々と入る堅実な投資手段です。流動性が高い他の投資対象では得られない安心感も魅力です。

     

    今まで不動産投資に興味を持ちつつも、なかなか踏み出せない人が多かったと思いますが、コロナ禍というピンチを機に新たなチャレンジを始めなければ、結婚や開業など、未来への展望は拓けません。チャンスを生かすには実際に行動してみることが必要です。「ピンチはチャンス、チャンスはチェンジ」というマインドを持っていただけるよう、アドバイスをしています。

     

    写真:取材時の大山一也氏
    写真:取材時の大山一也氏

     

    大山 一也


    年収1600万円の医師…結局5分の1が「税金」に消えている衝撃


    年収1600万円なら「年間300万円以上」の所得税額

    日本では収入額に応じて税金が加算されます。そのため、収入が高ければ高いほど納税額がアップしてしまいます。たとえば年収1600万円の医師が給与所得控除額や配偶者控除程度の税控除しか受けずに確定申告した場合、所得税額は300万円以上になり、年収の1/5以上が税金で消えることになります。

     

    加えて、多くの医療機関を掛け持ちする勤務医や開業医は退職金に期待ができないため、現役のうちに老後資産を蓄えておかなければなりません。今ある潤沢な資産を守り増やすため、医師は今すぐ資産運用に取り組むべきです。

     

    (※写真はイメージです/PIXTA)
    (※写真はイメージです/PIXTA)

    資産運用の方法は様々…どれが「医師向き」?

    資産運用にはいろいろな手段があります。代表的なものの一つが「株式投資」です。株の値上がり益と配当金で儲けられるほか、多彩な株主優待も魅力です。しかし突発的な値下がりリスクも付いて回ります。

     

    外国為替の差益や金利差調整分で稼ぐ「FX投資」という資産運用法もあります。24時間取引が可能ですが、その反面、業務中や睡眠中などレートを確認できない時間帯に大きな損益が発生するリスクがあります。

     

    FXと同様に為替差益で稼げる「外貨預金」という手段もありますが、口座引出の際に為替手数料がかかることや、一般の預金とは違い元本保証されず、預金保険制度の対象外なのがマイナスポイントです。

     

    では「投資信託」はどうでしょう。少ない資金ではじめられ、運用はファンドマネージャーに任せられるので初心者でも安心の資産運用法といわれます。しかし、プロに任せる分手数料が高いことと、所得税・地方税の課税対象なのがデメリットです。不動産投資を株式化した「REIT」も少額から投資可能です。こちらも投資信託と同様、ファンドマネージャーに一切を任せられますが、相場の変動が激しいため収益が不安定になる側面もあります。

     

    初心者がいきなり株式投資で利益を上げるのは難しいことです。FX投資や外貨預金についてもネットで四六時中レートチェックをしなければならないため、医師のような業務多忙な人には向いていません。投資信託やREITは運用のプロに任せられるので手間がかかりませんが、その分高い手数料が差し引かれるため思うほど利益が上がりません。

     

    それでは「不動産投資」はどうでしょうか。不動産を購入すると、まずは仲介手数料や登記費用、不動産取得税などの税控除が受けられます。加えて金融機関から融資を受けて購入した場合は、ローン金利も税控除の対象になります。

     

    一番の旨味は賃貸経営による家賃収入です。毎月の家賃収入からローン返済ほか必要経費を差し引いてもキャッシュフローが残る仕組みを確立できれば、あとは自動的に資産が形成されていきます。

    面倒ごとはプロに委託…片手間で第二の収入を確保

    賃貸物件の管理とはどんなものでしょうか。空室の物件を購入した場合は入居者募集を行い、申込みが入ったら賃貸借契約、入居後はさまざまなトラブルやクレームへの対応、家賃の滞納があったら督促もしなければなりません。

     

    退去時には原状回復工事や清掃、そして再び入居者募集と、管理業務のループは延々と続きます。これを医師という多忙な仕事をしながら並行して行うのには限界があります。

     

    そこで、これら煩雑な業務を代行してくれる不動産管理会社への委託が必要になるのです。一般的な管理委託料は家賃の5〜7%程度で、ワンルームであれば月額6000円前後です。この程度の支出で管理業務から解放されるなら必要経費と割り切ったほうが合理的ではないでしょうか。

     

    不動産管理会社は不動産のプロです。管理業務だけでなく、投資用不動産に関するさまざまな情報やネットワークを持っています。

     

    また、オーナーだけでは見極めが難しい物件について客観的にアドバイスしてくれます。次の2戸目、3戸目と再投資を考えるならば、不動産管理会社とのつながりは大変重要です。優秀な不動産管理会社を選び、信頼関係を構築し、彼らが持つスキルを大いに活用しましょう。

     

    <まとめ>

    高収入の医師はできるだけ早く資産形成に取り組む必要があります。資産運用法は多々ありますが、本業が多忙であっても兼業が可能な方法を選ぶべきです。

     

    不動産投資は、株式投資やFX投資などと比較して相場動向が緩やかなので、一晩で大損失を被るようなリスクはありません。加えて購入時の初期費用から賃貸経営中の諸経費にいたるまで手厚い税控除があります。

     

    空室リスクについては優秀な管理会社とタッグを組めば回避可能です。年々変化する入居者のニーズを知り、賃貸物件の魅力、そして資産価値を高めていくことも不動産投資の醍醐味です。

     

     

    大山 一也


    26歳サラリーマン、不動産投資×副業で年収5000万、30歳で”早期リタイヤ”


    越谷大家こと、今岡純一さんは製薬会社に勤めていた元サラリーマン。26歳で不動産投資を開始して、その4年後の30歳に家賃収入・売電収入が年間5000万円、年間のキャッシュフロー2500万円を達成して、念願だったサラリーマンリタイヤを実現しました。今岡さんの特徴といえば、若くして投資をスタートさせていることにくわえて、不動産投資だけでなく、物販・アフィリエイト・FX・株式投資と複数の投資や副業を組み合わせて行っていること。なぜそのような投資スタイルになったのか、を詳しく聞きました。

    990万円の投資で、リターンは3000円?

    「節税」目的で不動産投資は行わなかった

    「2000万円あれば1億円の家が建てられる」ゴールドコーストの魅力


    砂川盛作氏の著書『オーストラリアに学ぶ「ゴールドコースト流 ・不動産投資」 で長く儲ける、一生儲ける』(合同フォレスト)の中から一部を抜粋・編集しています

    2000万円あれば、1億円の家が建てられる

    オーストラリア経済の見通し
    (画像=PIXTA)

    物件価格の相場については次章以降でも触れていますが、ここでは、一つの目安である「2000万円」について解説していきましょう。ゴールドコーストでは、2000万円あれば、日本における1億円レベルの物件を建てることが可能なのです。

    ゴールドコーストのハウスメーカーで紹介されている物件を見てみると、1階建ての戸建て物件で3ベッドルーム(主寝室には専用のトイレとシャワー付き)、リビング、キッチン、ダイニング、テラス、そして駐車場付きを約15万豪ドル(1ドル75円で換算すると約1125万円)で建てることができます。ここに、土地の価格が加わります。

    平米数でいうと150平方メートルほどとなり、日本ではかなり大きい部類に入るかと思います。このような物件が、上モノだけで15万豪ドルで建てることができるのです。相場観の違いがイメージできるでしょうか。

    これだけの物件が1000万円台レベルから建てられることを考えれば、2000万円ほど支出することによって、日本でいうところのまさに1億円レベルの物件が建てられるというのも理解していただけるかと思います。

    その事例として、車が2台停められるダブルガレージ付きのタイプで、リビング、キッチン、ダイニング、テラスがあることに加え、シアタールームや複数の子ども部屋が付いた2階建ての物件が24万豪ドル(約1800万円)ほどで建てられるのです。しかも、オーストラリアでは不動産価値が下がるのではなく、むしろ高まっていくため「安く買い、資産価値を高めて売却する」ことも可能となるのです。

    不動産の価値が高まる理由として、まず住宅不足があります。例えばゴールドコーストは人口増が毎年2%ほど(人数にすると1万2000人ほど)増えています。その増加に対して必要な住宅供給数は約5000戸と推測できますが、実際の住宅開発許可数は過去5年の推移でみると3000〜3500戸程度となり、住宅が慢性的に不足していることが読み取れます。実際のところ賃貸住宅の内覧時には常時5組ほどが訪れ、早い者勝ちで入居が決まっていきます。

    それから、もう一つ大切なことは、国策としてインフレ目標を持っているということです。豪州政府はその目標を2〜3%としていますが、日本と異なり、過去30年にわたりほぼ確実に達成していることから、物価、つまり不動産の価格も含めた物価が上昇しているのです。1980年代は急激なインフレがありましたが、ここ30年ほどは健全な物価上昇が実現できています。

    一方、日本では、課せられる固定資産税が目減りしていくことからも明らかなように、建物の資産価値もまた低下していきます。よほど好立地の物件でない限り、資産価値を高めて売却するということは難しいのが実情です。

    そう考えると、特に〝投資〟という観点から、オーストラリア、中でもゴールドコーストの利点がイメージしやすいのではないでしょうか。オーストラリア人にとって、建物の価値が低下していき、最終的には評価ゼロという概念は、おそらく理解できないはずです。

    現地を見ていただければより分かりやすいのですが、オーストラリアでは土地を買って建物を建てるという買い方が一般的です。日本のように、空いている土地に建物を建てて販売する「建売住宅」は、主流ではありません。

    オーストラリアはもともと土地がきちんと整地されており、変形地が少なく、一定規模の面積に任意の建物を建てるというかたちです。その点、建てたい建物のイメージもしやすいですし、土地の面積にぴったり当てはまるような家を建築することができるのです。

    不動産業者が持ってくるパンフレットを見ながら、その土地にどんな建物を建てようかと考えること自体、不動産購入の楽しみの一つとなります。そうした過程を経て、望みどおりの不動産を購入するのが、オーストラリアでは一般的なのです。

    投資対象として考えると、一戸建てよりコンドミニアムの方が人気はあるものの、4000万円規模から土地付きの戸建てを購入できると考えれば、検討する価値は十分にあるのではないでしょうか。もちろん、建てた家を賃貸に出すことも可能です。

    参考までに、コンドミニアムで代表的なものを2つほど紹介しておきましょう。「物件概要」「不動産購入及び経費」「予想賃貸収支」などの情報をもとに、具体的なイメージを固めてみてください。

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    (画像=『オーストラリアに学ぶ「ゴールドコースト流 ・不動産投資」 で長く儲ける、一生儲ける』より)
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    (画像=『オーストラリアに学ぶ「ゴールドコースト流 ・不動産投資」 で長く儲ける、一生儲ける』より)
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    (画像=『オーストラリアに学ぶ「ゴールドコースト流 ・不動産投資」 で長く儲ける、一生儲ける』より)
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    (画像=『オーストラリアに学ぶ「ゴールドコースト流 ・不動産投資」 で長く儲ける、一生儲ける』より)

    海外不動産投資のメリット・デメリットは?税制における注意点も


    1.日本と比較した海外不動産投資のメリット

    日本国内の不動産投資と比較した海外不動産投資のメリットは、人口増加中のエリアで投資することによって利益の拡大を狙えることや、資産分散の効果などが挙げられます。それぞれ詳しく見て行きましょう。

    1-1.物件価格の値上がりを期待できる

    日本では2021年時点ですでに人口減少が始まっています。人口が減少すると住宅需要は減少するため、日本国内の不動産投資で物件の値上がり益を狙う難易度は高まっていると言えます。

    しかし、マレーシアやフィリピンといった東南アジアの新興国やアメリカなど、海外では人口が増加中の国も少なくありません。

    人口が増加している国では、住宅需要の増加を見込め、日本国内の不動産投資よりも将来的な物件価格の値上がりを期待できる可能性が高いと言えるでしょう。

    1-2.人口増加中の国では空室リスクの低い投資ができる

    人口の増減は住宅の購入に関する需要のみならず、賃貸需要にも影響を及ぼします。日本では人口が減少している地方都市も多く、空室リスクに備えるためには複数の対策が必要です。

    しかし、海外不動産投資では首都など人口が集まっている都市で投資できれば、賃貸需要の増加も期待できます。豊富な賃貸需要があり住戸の供給が少ないエリアでは、空室リスクの低い投資が可能です。

    1-3.資産分散の手段として有効

    不動産投資のリスクを分散するためには、投資するエリアを分けることが有効です。

    日本国内では、人口減少による空室リスクのほか、地震や台風など災害のリスクも考慮することが重要です。日本国内でエリアを分散させていても、広範囲に影響のある災害の場合、同時にダメージを負う可能性があります。

    災害が少ないエリアなどの海外不動産を投資対象として取り入れることで、災害リスクを軽減することが可能です。そのほか、海外不動産投資では各国の通貨で家賃を得られるため、通貨を分散することによってもリスクヘッジを図れます。

    2.海外不動産投資のデメリット

    海外不動産投資のデメリットとしては、日本国内の不動産投資と比較すると賃貸管理が難しいことや、自己資金が必要になる場合も多いことなどが挙げられます。メリットだけでなく、デメリットについても確認しておきましょう。

    2-1.賃貸管理の難易度が高い

    海外の商習慣は日本と違うことも多く、海外の賃貸管理会社に対して日本国内の不動産業者と同じような対応を期待していると、上手くコミュニケーションがとれず、思わぬトラブルが発生してしまうことがあります。

    賃貸管理会社の対応力は投資不動産の入居率に影響します。海外不動産投資では賃貸管理会社を慎重に選ぶことが重要です。空室リスクや賃貸管理に関するリスクを排除するためには、日系の賃貸管理会社を選ぶことも有効と言えます。

    しかし、海外不動産投資で利用できる日系の賃貸管理会社は、あまり選択肢が多くありません。少ない選択肢の中から賃貸管理会社を見極めるためには、海外現地へ足を運ぶなどして、直にコミュニケーションを取ることも重要です。

    2-2.不動産投資ローンを使いにくい

    海外不動産投資では、ローンを利用できる金融機関の開拓が課題となります。日本国内の金融機関で海外不動産投資に融資しているところは多くありません。

    大半の金融機関は海外不動産の取引実績がなく、海外現地の物件に抵当権を設定するのが難しいためです。なお、仮にローンを利用できるとしても、日本国内の不動産を担保に入れるよう求められることもあります。

    そのほか、融資限度額にも要注意です。海外不動産投資で利用できるローンは、融資限度額が物件評価額の50%などに設定されていることも少なくありません。海外不動産投資ではローンを利用できても自己資金を求められることが多くなります。

    ローンの利用可否は不動産会社の伝手に左右される部分もあるため、ローンの利用を希望する場合は、まずは不動産会社に問い合わせてみることを検討してみると良いでしょう。

    3.注意すべき海外不動産投資のリスク

    日本国内の不動産投資と比較して注意すべき海外不動産投資のリスクには、環境的な変化によるカントリーリスクと、為替変動によって発生するリスクがあります。詳しく見て行きましょう。

    3-1.新興国ではカントリーリスクに要注意

    カントリーリスクとは、急な政治・経済・環境の変化によって損失を被るリスクのことです。新興国では、例えば2021年2月にミャンマーでクーデターが起きており、そのほかにもタイでは度々デモによる民衆と軍部との衝突が起きています。

    このような急な政治・経済の変化が起こると、不動産価格が下落する傾向があるため要注意です。また、現地に進出していた海外企業が撤退することもあり、入居率に対する影響もあります。

    カントリーリスクを軽減するためには、投資対象国に政治的な不安が無いか確認し、思わぬトラブルが発生してしまった場合に備えて資金に余裕を持った投資を検討することが有効です。

    3-2.利益が目減りする可能性もある為替リスク

    為替リスクとは、為替の変動によって見込んでいた利益が目減りしたり、増加したりするリスクのことを指します。

    海外不動産投資では、投資先の国で使われる通貨によって収益が入ってきます。収益を日本国内で使う場合は、現地の通貨から日本円への両替が必要です。為替リスクにより、両替するタイミングによっては利益の目減りも起こります。

    そのほか、日本国内の金融機関でローンを利用した場合にも為替リスクに要注意です。日本国内の金融機関から融資を受けると、日本円で返済することになります。また、融資元の金融機関で口座を開設し、当該口座から引き落とされるケースも多く見られます。

    この場合は、海外不動産投資の収益とは別に返済用の資金を用意するか、収益を毎月日本へ送金することが必要になります。収益を日本へ送金してから返済する場合は、為替変動の影響を受けるため要注意です。

    為替リスクを排除するためには、現地通貨は現地で二次運用するか、現地銀行のデビットカードを作っておくなどの対策を検討してみましょう。

    4.海外不動産投資における税制上の注意点

    海外不動産投資では、節税に関するポイントと税金還付のタイミングに要注意です。それぞれの詳細を解説します。

    4-1.減価償却費は計上できなくなる

    日本国内における不動産投資のメリットの一つに、減価償却費の計上を利用した所得税の控除があります。

    しかし、税制の改正によって、2021年に実施する確定申告からは海外不動産投資で発生した減価償却費は計上できなくなります。

    物件の管理費や修繕費などは従来通り計上できますが、従来よりも控除額は小さくなります。従来はアメリカ不動産投資による減価償却費の計上が節税に有効でしたが、同様の手法は使えなくなるため要注意です。

    ※参照:財務省「令和2年度税制改正の大綱:3 租税特別措置等

    4-2.税金還付のタイミングに要注意

    日本は多くの国と租税条約を締結しているため、海外不動産投資では国をまたいで同種の税金を満額払うケースは多くありません。

    しかし、例えば購入時にローンを利用した物件を売却する場合などは要注意です。日本を含む多くの国では不動産の譲渡所得税が課税されます。また、ローンを利用して購入した物件を売却する場合は、売却と同時に金融機関へ一括返済しなくてはなりません。

    物件売却の前に海外現地で税額控除の申請をした場合、一旦納税してから物件売却後に還付されることもあります。還付のタイミングが確定申告の後になる場合は、物件売却してから還付までに間が空くことになるので要注意です。

    また、還付のタイミングが後になることでローンの返済資金が足りなくなることもあります。返済資金が足りない場合は、自己資金の投下が必要です。

    海外不動産投資で物件を売却するときには、譲渡所得税がいくらなのか、事前に税控除を申請できるのか、後で税還付される場合の還付時期などについて確認することが重要になります。

    まとめ

    海外不動産投資では、人口が増加中の国で投資することによって、日本国内の不動産投資にはないメリットを享受できます。一方で、ローンや賃貸管理の難易度に関しては要注意です。そのほか税制上の注意点もあります。

    海外不動産投資に関するデメリットやリスクを軽減するためには、信頼できる不動産会社を探すことが重要です。例えばローンや税金などに関するポイントごとに、専門家に相談することも検討しておきましょう。

    良い不動産会社は、ローンや税金に関する専門家ともつながりを持っていることも多く、各種の悩み事に対してワンストップで対応可能なことがあります。海外不動産に強い不動産会社をご紹介する記事もありますので、そちらもご一読ください。


    現金買いで不動産投資をするメリット・デメリットは?注意点やリスクも


    1.現金買いで不動産投資をおこなうメリット

    現金買いで中古物件を取得し不動産投資を行うことで、融資に関するリスクや支出を抑えることを可能にさせ、高利回りの物件取得にも役立ちます。

    現金買いと中古物件を組み合わせることで、投資の失敗リスクの回避や、中古物件のリスクの抑制につながります。それぞれのメリットについて詳しく見て行きましょう。

    1-1.融資に関わるリスクや支出がない

    現金買いで不動産投資をおこなう場合、融資に関するリスクや支出がないことは、大きなメリットといえます。

    元金の返済や利息の支払いがないため、その分、月々のキャッシュフローに余裕が生まれます。金利上昇リスクも考慮する必要がありません。

    また、購入不動産に抵当権を設定され、返済が滞ると金融機関に差し押さえられてしまうというリスクも無くなります。

    1-2.高利回りの物件を狙うことができる

    現金買いでは、不動産投資物件の購入にあたって、融資を受けることができるかどうかを考慮することなく、購入したいと考えた物件を手持ち現金の範囲内で購入することができます。

    すなわち、「利回りが高いが担保評価が低く、融資を受けることができない」というような物件も購入することが可能になります。

    築古の物件や再建築不可の物件など、利回りが高い物件のなかには融資を受けることが難しい物件も多くあります。現金買いのメリットの一つとして、高利回り物件を狙うことができるという点が挙げられるでしょう。

    1-3.資産価値の下落を抑え、投資の失敗を回避できる

    新築物件は、中古物件よりも資産価値の下落幅が大きくなります。東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2019年)」によると、区分マンションでは新築時から築20年ぐらいまでに約半分まで市場価値が下落する傾向が見られています。

    中古物件を購入することで、資産価値の大きな下落を防ぐことができるのは、メリットといえるでしょう。

    現金買いをする場合、レバレッジが利かないため、購入不動産の価値が下落すると、投資としての利益に大きな影響が生じてきます。価値下落リスクの低い中古物件を現金買いすることで、資産価値の下落による投資の失敗を回避することが可能になると言えます。

    1-4.売却しやすく、中古物件のリスクを抑えることができる

    いざという時に売却しやすいのも、現金買いのメリットです。中古物件では購入前には分からなかった建物の瑕疵(欠陥)などが見つかって、修繕費が予想よりも大きくなるリスクがあります。

    しかし、融資を受けて抵当権を設定されていると、残債を一括返済できる売却価格に設定する必要があります。売却価格が残債よりも低いオーバーローン物件である場合、差額を現金で支払わなければ売却することができません。

    オーバーローンで差額分の現金もない場合は、「修繕できず家賃収入が入らない状態で、売却もできず、融資の返済が積み重なっていく」ということになりかねないリスクがあります。

    一方、現金買いであれば自由に売却することが可能となります。抵当権の設定もなく、中古物件のリスクを抑えることができるといえるでしょう。

    2.現金買いで不動産投資をおこなうデメリット

    現金買いで中古物件を購入すると、金融機関の物件評価を知ることができず、客観的なリスク判断が難しくなるというデメリットがあります。修繕リスクに備える手元資金が減ってしまうのもデメリットです。

    これら現金買いのデメリットについて、詳しく確認していきましょう。

    2-1.金融機関が物件の資産性評価をしない

    中古物件のなかには、建物に致命的な欠陥があったり、再建築不可の土地であったりする物件も存在します。

    それらのリスクは、販売価格にもある程度反映されます。しかし、賃貸需要の多い好立地である場合などでは、他のプラス要因が働いて価格を押し上げ、物件の持つリスクが価格からは判断しにくくなっていることがあります。

    金融機関から融資を受けて購入する場合、金融機関の融資審査を通じて、購入物件のリスクがどのように評価されるのか、客観的に知ることができます。

    現金買いの場合は、このような金融機関の評価を知ることができず、不動産会社の情報や自分で調べた情報などからリスクを判断しなければならないのはデメリットといえます。

    2-2.修繕などに備える手元資金が減る

    現金買いをすることで、手元資金が減ってしまうこともデメリットです。特に、中古物件の不動産投資では大きなリフォームが必要となる場合もあり、修繕費の支出が多額になる傾向にあります。

    現金買いをしていれば、売却という選択肢もあるものの、賃貸収入を得ていくには運営を継続していく必要があります。運営を続けていくためには、修繕費などの大きな支出に備え、手元資金に余裕を持っておくことが重要です。

    現金買いをすることで手元資金が減り、様々なリスクへ対処する資金が乏しくなってしまします。手元の資金を全て投資してしまわないよう、資金バランスを調整することが重要です。

    2-3.投資効率が悪化する

    融資レバレッジを活用しない現金買いは、融資を受ける場合と比較して、投資効率が悪くなります。

    事例として、900万円、表面利回り10%、初期費用100万円の物件を、現金で購入した場合と、頭金100万・ローン800万(借入期間30年、金利2%、元利均等)で購入した場合を比較してみましょう。ただし、維持管理費は考えないものとします。

    初期投資額収入額投資効率(収入額÷初期投資額)1,000万円の現金を投資した場合の収入
    現金購入1,000万円90万円0.0990万円
    頭金100万・ローン800万200万円55万円0.275275万円

    二つを比較してみると、現金購入と頭金100万・ローン800万で購入した場合とでは、投資効率に3倍以上の差があることがわかります。このように、現金買いは、レバレッジ効果がないため投資効率が悪くなります。

    さらに、上述の900万円の物件を1軒購入した場合と、頭金100万・ローン800万で、5軒購入した場合とを比較すると、収入額は185万円の差が生じることになります。

    3.現金買いで不動産投資をおこなう際の注意点

    現金買いで中古物件を購入し、不動産投資をおこなう際には、これまで述べてきたデメリットを踏まえたうえで、それらのリスクをできる限り軽減するように注意したいといえるでしょう。

    以下で、詳細を説明します。

    3-1.物件の資産性の調査を慎重におこなう

    中古物件はリスクが高いうえに、現金買いの場合、金融機関による物件の資産性の評価を知ることができません。購入者自身が、物件の資産性について慎重に調査をおこなう必要があります。

    特に、建物に致命的な欠陥がないかどうか、建ぺい率・容積率を超過していないかどうか、再建築不可でないかどうか、私道道路に接している場合持分があるかどうか、などには注意したいといえます。

    3-2.修繕などに手元資金を使うときは収支バランスに注意する

    中古物件を現金買いする際には、手元資金が減ってしまうのに、大きな修繕費用が発生する可能性がある点に注意が必要です。

    空室のある物件を購入して、家賃収入が発生する前に多額の修繕費用を支出する場合には、周辺地域の賃貸需要と家賃相場を調べて、想定家賃収入との収支バランスに気を付けましょう。

    また、入居者が退去して再募集する場合、同じ家賃で入居者が付くとは限りません。再募集の前にリノベーションなどを検討するときも、収支シミュレーションをおこなうようにしましょう。

    手元資金は、日常生活でトラブルがあった場合や人生設計における大きな出費の予定などに備えて、余裕を持っておくようにしましょう。

    3-3.出口まで見通した収支シミュレーションをおこなう

    現金買いで不動産投資をおこなう際は、投資効率が良くないため、売却を意識した収支シミュレーションを行うことを検討してみるとよいでしょう。

    物件の運用による収支に加えて、物件を売却した場合の価格と初期投資額を考慮して、トータルの収支がいくらぐらいになるかを念頭におきながら、運用することが大切です。

    まとめ

    現金買いで中古物件を取得し不動産投資を行うことで、融資に関するリスクや支出を抑えることができ、高利回りの物件を取得できる可能性があります。

    しかし、融資を受ける場合と比較して、必ずしもリスクが低いとはいえず、投資効率はあきらかに落ちるというデメリットがあります。

    現金買いによる投資戦略を採る場合は、物件の資産性、収支バランス、手元資金などに細心の注意を払い、メリットだけでなくデメリットやリスクも考慮した投資検討をすることが大切です。


    うらやましい…高金利ローンでも「儲かる」医師の賃貸経営

    高金利でも「間違いなく有益」なアパートローン

    金融機関から融資を受ける際は、ローンを組む本人の属性だけでなく、融資対象となる物品(不動産など)も評価の対象になります。投資用不動産購入のためのローン審査において、金融機関の物件評価方法とはどんなものなのか、そして医師が融資を受けるメリットとは何なのかについて説明します。

     

    投資用不動産向けの融資「アパートローン」は、住宅ローンと比較して金利が高いため一見不利益に感じられます。加えて「全額自己資金で買えるのに、なぜ?」と思われるかもしれません。しかし投資家目線で考えると、不動産購入の際は融資を受けたほうが間違いなく有益なのです。

     

    たとえば3000万円の投資用不動産(利回り7%)を自己資金1000万円、残りの2000万円をアパートローン(固定金利2%・返済期間25年)利用で購入したとします。家賃収入は年間210万円(3000万円×7%=210万円)、ローン返済額は年間102万円になり、家賃収入からローン返済額を引いた108万円が1年分の利益となります。

     

    この利益を購入時の自己資金1000万円で割り戻すと実質的な利回りは10.8%(108万円÷1000万円×100=10.8%)となり、全額自己資金で購入した場合より利益率がアップします。これが融資利用による「レバレッジ効果」です。

    融資審査における唯一の注意点は「不動産の属性」

    金融機関の融資審査では、不動産を購入する投資家本人の属性はもちろん、購入予定不動産も同様に評価の対象となります。購入者の属性評価では「勤務先」「勤続年数」「年齢」「収入額」「金融資産」「居住地エリア」などが見られますが、個人属性ランキング上位にある医師の場合は何の心配もいりません。

     

    問題は購入する不動産の属性です。融資審査における不動産評価は「積算評価法」と「収益評価法」という2つの観点から見られます。それぞれで算出した査定値を比較し、評価が低かったほうの結果を参考に最終的な融資金額が決定されます。

     

    ●積算評価法:

    積算評価法は土地の価格と建物の現在価格を算出し、その合計額の70%程度を融資評価額とする方法です。土地評価額は路線価に土地面積を掛けて算出されます。一方、建物評価額は再調達価格に建物延べ面積と法定耐用年数から築年数を引いたものを掛け、法定耐用年数で割ったものです。

     

    再調達価格は建築方法によって各金融機関であらかじめm²単価が決まっています。たとえば鉄筋コンクリート造なら20万円/m²、鉄骨造は18万円/m²、木造は16万円/m²程度が目安となります。

     

    ●収益評価法

    収益物件からのキャッシュフローを借入れ返済原資として融資金額を決定する方法です。家賃収入に空室率を掛けた金額から、経費、固定資産税、銀行返済額などを引いて算出します。この場合、利回りが低い物件だと融資金額が希望より低くなることや、または融資自体が受けられないこともあります。

    医師の特権…こんなにある「銀行以外」の融資窓口

    医師にとって資金調達先は銀行だけではありません。医療業界団体や行政機関などからも比較的低金利で融資を受けることができます。医師向けの融資はクリニック新規開業資金を想定したものがメインですが、既存建物の増築・改築のための融資制度もあるので、もともと投資用に所有していた建物をクリニックに改装する場合でも相談可能です。

     

    【都道府県医師信用組合】

    ●融資名:一般資金

    ●対象者:医師会の会員(融資利用時に組合加入義務有り)

    ●対象施設等:設備・運転資金などあらゆる資金に利用可能

    ●限度額:(無担保の場合)8000万円

    ●利率:0.400%~2.800%(2021年2月現在)

    ●貸付期間:設備資金等は35年以内、運転資金等は7年以内

    ※上記は神奈川県医師信用組合の例

     

    【独立行政法人福祉医療機構】

    ●融資名:医療貸付事業

    ●対象者:病院又は診療所を開設する個人、医療法人など

    ●対象施設:一般診療所、歯科診療所など医療施設の新築・増築資金に利用可能

    ●限度額:融資の対象や資金種類等によって異なる

    ●融資利率:0.208%~1.200%(2021年2月現在)

    ●貸付期間:30年以内

     

    【株式会社日本政策金融公庫(旧国民生活金融公庫)】

    ●融資名:一般貸付

    ●対象者:事業者(ほとんどの業種が利用可能)

    ●対象施設等:事業資金等

    ●限度額:4800万円

    ●利率:0.300%~2.900%(2021年2月現在)

    ●貸付期間:20年以内

     

    <まとめ>

    金融機関から融資を受けるとなると「審査がシビアで時間や手間がかかるのでは」と不安になるかもしれません。しかし金融機関はお金を貸すことがメインビジネスですから、「属性の良い人にならすぐに貸したい」と考えています。

     

    融資を受けるためのフローもそれほど複雑ではありません。まず申請書類を提出します。次にその書類をもとに担当者からヒアリングされます。このヒアリングは「本人審査」ではなく、融資に有利となるようなプラス材料をより多く聞き出すためのものです。

     

    金融機関の担当者は「この人にどれだけ多く融資できるか」と前向きに動いてくれますから、「借りられない」という心配は一切不要です。逆にもっと攻めに出るべきで、「自分にとってどの金融機関が得なのか」という視点で相手を選別するくらいの強気で問題ありません。

     

    投資において重要な金利と融資期間を比較検討し、もっとも好条件な資金調達先を選びましょう。

     

     

    大山 一也


    不動産投資ローンは固定金利・変動金利どちらがおすすめ?違いを比較

    1.不動産投資ローンの固定金利とは

    固定金利とは、ローンの融資を受けたときから完済するまで、適用される利率が変動しないタイプのローン商品です。

    固定金利の利率の決定基準は、長期金利がベースとなります。長期金利とは、金融機関が企業などに対して1年以上の期間を定めて融資をするときに適用される金利です。

    長期金利は、長期的な資金需要の影響を受けて利率が決まるため、物価変動や金融政策などの長期的な見通しで変わります。そのため、景気が上向くと上昇し、景気が後退すると下落する傾向にあります。

    長期金利の利率を決定する基準は、10年物国債の利率です。10年物国債とは、発行から償還までの期間が10年の国債のことで、「長期国債」と呼ばれています。そのため、固定金利の利率の決定には、10年物国債の利率が大きく影響してくることになります。

    1-1.固定金利のメリット

    不動産投資ローンの融資を受ける際、固定金利を選択すると総返済額を固定することができます。返済期間中の利率変動がないため、返済期間中に金利が上昇しても、当初の予定よりも総返済額が多くなることもありません。

    金利上昇によって毎月の返済負担が増えることもないため、金利変動を気にすることなく融資を受けられるメリットがあります。

    また、総返済額を固定することができると、収支管理がしやすくなるのもメリットです。不動産投資ローンの毎月の返済も、支出の1つに該当します。もし、ローン金利の利率上昇が生じて毎月の返済額が多くなった場合は支出額も変動するため、その管理が難しくなります。

    しかし、毎月の返済額があらかじめ確定していれば、ローン返済における支出額は変わらないため、そのぶん、収支管理もしやすくなります。

    また、不動産投資ローンの融資を受けた後、インフレが起こると返済で有利になります。インフレによって物価が上昇すると、国は物価を安定させるために政策金利を上げて、金融機関の貸付金利を上昇させるようにします。

    このように、固定金利の場合は返済期間中に金利が上昇してもその影響を受けないので、インフレが起こると返済で有利になる特徴があります。

    1-2.固定金利のデメリット

    不動産投資ローンで固定金利を選択した場合、変動金利よりも利率が高く設定されます。そのため、低金利の状況が継続すると、変動金利よりも総返済額が多くなるというデメリットがあります。

    金利が上昇したときは返済が有利になる反面、低金利の状況が継続しているときは返済が不利になるのが固定金利のデメリットです。

    また、景気が悪くなっても、毎月のローン返済額が変わらない点も固定金利のデメリットになります。景気後退が生じると、勤務先の業績不振により、給与やボーナスがカットされるケースもあります。

    このような状況が生じたときでも、固定金利だとローンの毎月の返済額や利息が減るわけではありません。一方、変動金利の場合は、景気後退が生じるとその影響でローンの金利が下がって毎月の返済額や利息が少なくなる場合があります。景気後退が生じて経済的に厳しい状況になったときでも、毎月の返済負担が変わらないのが固定金利のデメリットです。

    2.不動産投資ローンの変動金利とは

    変動金利とは、ローンの融資を受けた後、一定期間ごとに適用される金利の利率が見直されるタイプのローン商品です。

    例えば、融資金額5000万円、変動タイプの金利で利率1.8%という条件で借入をした場合、半年後に景気上昇の影響で適用される金利の利率が年2.0%に見直されると、以降はその利率で利息額が算出されます。

    見直しにより金利の利率が変更された場合、発生する利息額も変わってきます。それにより、ローンの総返済額にも変動が生じることになります。

    ただし、金利の利率が見直されると同時に毎月の返済額も変更されるわけではなく、毎月の返済額の見直しは5年ごとになるケースが大半です。5年以内に金利上昇があって利率が上がった場合、毎月の返済額のうち、利息の返済分の割合がそのぶん増えます。

    また、変動金利の利率の決定基準は、短期金利がベースになります。短期金利とは、1年未満の短い期間の金利です。短期金利の代表例が政策金利であり、政策金利とは、中央銀行である日本銀行が一般の銀行に資金提供する際に適用されるときの金利です。

    政策金利は、無担保で借入した翌日に返済する無担保コール翌日物で適用される金利をもとに設定されています。そのため、変動金利は、無担保コール翌日物で適用される金利の状況に影響されます。

    2-1.変動金利のメリット

    不動産投資ローンの借入をする際、変動金利を選択すると、通常固定金利よりも低い利率が設定されます。2016年1月より導入されたマイナス金利政策により、低金利の状況が継続しており、不動産投資ローンの借入で適用される金利の利率も低金利となっています。

    低金利の状況が継続する中、変動金利を選択して借入をした場合、返済期間中は固定金利より低い利率が適用され続ける可能性が高いため、総返済額を抑えやすくなります。

    一方、金利上昇に転じて総返済額が増える場合でも、毎月の返済負担を一定限度に抑えられるメリットがあります。金利上昇により総返済額が見直された場合、毎月の返済額は見直し前の金額より1.25倍が上限となっているためです。

    例えば、当初の毎月の返済額が10万円の場合、金利がどれだけ上昇しても、最初の見直し後の5年間は、毎月の返済額が12万5000円を超えることはありません。金利上昇が生じて毎月の返済額が見直されても、返済負担の大幅増加となる可能性は低いと言えます。

    2-2.変動金利のデメリット

    インフレが起こったとき、不動産投資ローンの借入で変動金利を選択していると、返済で不利になるのがデメリットです。

    インフレによって金利上昇のリスクが高まり、ローンで適用される金利の利率も見直しにより引き上げられます。その結果、固定金利を選択したときよりも総返済額が多くなる可能性があります。

    ローンの返済計画を立てにくいのも変動金利のデメリットです。変動金利を選択した場合、返済期間中に金利の利率が変わるため、融資を受けたときに総返済額を把握することができません。

    また、将来的に金利の利率や総返済額が変動すると、収支管理をするのも難しくなります。

    このほか、金利上昇によって、ローン返済の先送りを招くケースもあります。例えば、当初の毎月返済額が10万円でその内訳が「元金分3万円、利息分7万円」の場合、金利上昇により、毎月の返済額10万円すべてが利息分の支払いになると、元金が減らなくなります。

    さらに、金利上昇が起こって、毎月の返済額が利息分にも満たなくなる場合、未払分の利息が出てくる可能性もあります。

    金利上昇による毎月の返済額の見直しは5年ごとに行われます。見直しの際には、当初の返済額の1.25倍までしか増額されないものの、金利の上昇率によって返済負担が増えると未払分の利息を発生させてしまい、ローンの先送りとなる可能性も出てきます。

    3.不動産投資ローン、固定金利・変動金利の選び方

    不動産投資ローンの借入をする際、固定金利と変動金利のどちらを選択すればいいのかは一概に言えません。固定金利を選択したほうがいいケースもあれば、変動金利を選択したほうがいいケースもあるので、それぞれ確認してみましょう。

    3-1.毎月の返済額を固定したい場合

    固定金利を選択して借入をした場合、返済期間中に金利が変動することはありません。

    変動金利を選択して借入をすると、返済期間中に生じる金利変動によって、総返済額が多くなる場合もあります。総返済額が上昇すると、毎月の返済額も増え、経済的負担も大きくなります。

    将来的に支出が増えてしまうことを避け、毎月の返済額を固定したい場合は固定金利のほうが向いていると言えます。

    3-2.返済計画を長期的に立てたい場合

    相続した土地に収益物件を建築して不動産投資を行うなど、収益物件を長期間保有する場合、ローンの返済も長期になります。長期返済予定のローンでは、返済計画を立てやすく、金利変動のない固定金利が検討できるでしょう。

    ただし、固定金利は変動金利よりも金利水準が高くなり、長期保有するほど金利差による返済負担額が増加していきます。最終的な総支払額の差を比較してから、慎重に検討したいポイントと言えるでしょう。

    3-3.短期間で収益物件を売却する可能性がある場合

    収益物件の賃料収入だけではなく、売却益を得ることも考慮して不動産投資を行う場合、短期間で売却する可能性も出てきます。

    この場合、固定金利で長期ローンを組んだ後に短期間で収益物件を売却すると、途中解約扱いとなり、多額の違約金を強いられるケースがあります。解約条件についても確認し、売却に問題があるケースでは変動金利を検討することになります。

    3-4.金利上昇リスクにも対応したい場合

    金利上昇で総返済額が増えても、経済的に余裕のある場合、変動金利が向いています。また、金利上昇によって総返済額が増えると見込まれる場合、借り換えをしたり、返済方法を変更したりしてリスクを回避することも可能です。このような形で金利上昇リスクへの対応を検討できる場合、変動金利が選択肢に上がります。

    【関連記事】不動産投資ローンを借り換えるメリット・デメリットは?借り換え手数料も解説

    3-5.経済状況を定期的に確認したい場合

    変動金利を選択した場合、ローンの適用金利は、経済状況の影響を受けて利率が変化します。金利上昇リスクに対応する場合は、経済状況をしっかりと把握しておく必要があるので、変動金利のほうが向いています。

    4.まとめ

    固定金利と変動金利の主な違いは、「返済期間中の金利が変わるかどうか」というポイントです。固定金利は、返済額が固定されて収支管理しやすい反面、低金利の状況が続くと、変動金利よりも総返済額が多くなるのが特徴です。

    一方、変動金利は、低金利の状況が続くと恩恵がある反面、返済計画を立てたり、収支管理をしたりする場合に対応しづらいのが特徴です。

    固定金利と変動金利のどちらを選ぶかは、ローンを利用する人の状況によって異なります。不動産投資ローンの借入をする際、この記事などを参考にご自身に適したタイプの金利を検討してみましょう。


    不動産投資は甘くない 空室リスクや管理コストに注意


    老後のため、あるいは今の生活を豊かにするために不動産に投資をする、というのは一つのやり方です。投資用マンションなどを購入してそこから毎月賃貸料を得ることができれば、自分年金づくりができるし、場合によっては早期リタイアも可能かもしれません。老後も年金にプラスアルファの収入があれば、ゆとりある生活ができるでしょう。

    でも、賃貸経営を成功させるのは簡単ではありません。“不労所得”を夢見て安易に不動産投資を始めるのは絶対にNGです。

    不動産賃貸で知っておくべき3つのポイント

    不動産を購入してそれを人に貸せば、毎月決まった賃貸料が入ってきます。投資用マンションならサラリーマンでも手が届き、何もしなくても“不労所得”が得られるとあれば、やってみようと思う人もいるでしょう。

    たしかに不動産の賃貸は、まとまった額の比較的安定した収入が見込めます。不動産価格は変動しますが、値動きは株に比べれば小さいといえます。何より、働かずに収入が得られるのは大きな魅力です。

    とはいえ、賃貸経営はそんなに甘くはありません。次の3つのポイントはしっかり認識しておく必要があります。

    1)賃貸料と手取り収入は違う

    賃貸経営は収入ばかりに目が向きがちですが、収入を得るためにはさまざまな費用がかかります。例えば、火災保険料、固定資産税、マンションであれば管理費・修繕積立金など。不動産を購入する際にローンを借り入れた場合は、その返済も必要です。設備や内装は定期的なメンテナンスをしなければなりません。

    得られた賃貸料からそうした費用を差し引いたものが、実際に手に入る収入です。手取り収入は賃貸料より少なくなるということは知っておかなければなりません。

    2)空室が生じたら収入がなくなる

    賃貸経営は借り手がいるから賃貸料が得られるわけです。借り手がいない、つまり空室になると賃料収入はゼロとなります。費用は借り手のあるなしにかかわらずかかりますから、空室が生じたら赤字になってしまいます。

    特にローンを借り入れて不動産を購入した場合に空室が出ると、ローンの返済が滞ります。それを他の収入や資産で補えなかった場合は破産ということにもなりかねません。

    賃貸経営は「空室」リスクと隣り合わせなのです。

    3)建物は劣化して価値が下がる

    不動産のうち建物は、時間がたつとともに劣化して資産価値が下がります。建物が古くなると借り手がつきにくくなり、賃貸料を引き下げる必要が出てきます。一方で、建物の劣化が進むとメンテナンスの費用がかさみます。それによって、手取り収入は減っていくことになります。

    価値の下がった不動産を売却しようとしても、買った時より安い金額でしか売れません。買い手が現れなければ価値のない建物を所有し続けることになり、不動産ならぬ“負動産”を背負い込むことなるかもしれません。

    サブリースもリスクになる

    不動産を購入して賃貸し“大家さん”になると、借り手の募集、賃貸料の集金、建物の管理などをしなければなりません。サラリーマン大家さんだとそれに手間ひまかけられないので、サブリースという形で不動産会社に委託するのが一般的です。

    その場合、賃料の5%程度の手数料を不動産会社に払うことになり、そのぶん大家さんの手取り収入は減ってしまいます。

    サブリース会社は、仮に空室が生じたとしても「〇年間は家賃保証します」と宣伝していることが多く、それによって「空室」という賃貸経営最大のリスクが避けられるように思うかもしれませんが、実際には賃料の引き下げを要求されることがあり、「話が違う」とトラブルになる事例が後を絶ちません。

    サブリース会社を使わずに、不動産の管理をすべて自分ですればこうしたトラブルは避けられます。それがムリなら、契約書を十分に読み込み、譲れない点についてはサブリース会社と交渉して、納得のいく契約を結ぶ必要があるでしょう。

    不労所得ではなく“副業”

    不動産は金融商品と違って、一つとして同じものがありません。ですから、物件選びが非常に重要になります。立地や環境、周辺の家賃相場などは、不動産業者任せでなく、自分の目で見極めることが大切です。

    また、不動産は買って終わりではない点も、金融商品と異なる点。前述のように、借り手探しや賃貸料の集金、物件の管理が必要で、それを業者に任せるとしても、業者がきちんと業務を行っているかをチェックすることが不可欠です。

    賃借人との契約、サブリース会社との契約などでは不動産に関する法律の知識が求められ、受け取った賃貸料に対する税金の申告も必要になります。

    “大家さん”は賃貸経営のプロでなければならず、サラリーマンが片手間にできるようなものではないのです。

    逆にいうと、不動産を見るのが好きで物件選びが苦にならず、物件の管理がきちんとでき、不動産に関する法律や税務の知識がある人なら、賃貸経営に適しているといえるでしょう。

    不動産を買っただけで“不労所得”を得ようと思ってもそれはムリ。賃貸経営はビジネスであり、サラリーマンなら副業として腰を据えて取り組むべきもの。自分にそれができるのかどうかよく考えてみてください。「楽してもうけよう」と安易な考えで始めると取り返しのつかないことになりかねません。


    コロナ禍の今は「ローリスク・ローリターン」を選ぶべき?LENDEXが「コロナ禍でおすすめの投資」を調査


    新型コロナウイルス感染問題は、緊急事態宣言の解除を3月7日に控えているが、投資初心者にとって「この時期に投資を始めて大丈夫なのか」という不安はなかなか払拭できない。株式会社LENDEXは2月18日、投資経験者を対象にした「コロナ禍でおすすめの投資」に関する調査結果を発表した。投資経験者経験者の意見を参考にしてもらう狙い。

    調査は2回目の緊急事態宣言が出されて約1か月後の2月4日に実施、インターネットで1058人に質問した。今、実際に投資経験者が主に行っている投資は何だろうか。「主に行っていた投資」という質問をしたところ「株式」61.3%が最も多く、次いで「NISA(つみたてNISAを含む)」13.0%、「FX(外国為替証拠金取引)」6.4%、「不動産投資型クラウドファンディング」3.6%、「ソーシャルレンディング」2.7%、「ロボアドバイザー」2.5%という順位だった。

    さらに「コロナ禍ではどのような投資が最もおすすめか」と質問したところ、株式(50.9%)がここでも最多、次いでNISA(つみたてNISAを含む)18.8%、FX(外国為替証拠金取引)5.8%、以下はロボアドバイザー5.6%、不動産投資型クラウドファンディング(CF)3.9%、「仮想通貨」(3.2%)、ソーシャルレンディング(2.8%)で、仮想通貨が加わった。株式やNISA、FXなど王道とも言える投資が多く挙がったものの、ロボアドバイザーや不動産投資型CFなども利用されている。

    それぞれその投資方法を選んだ理由やメリットについては、株式は「上がった時に売れば良いから」(30代/男性/会社員)、「リスクが分散できる」(40代/女性/会社員)、「コロナ禍後の景気回復が期待されるから」(50代/男性/会社員)。NISA(つみたてNISAを含む)では「税金がかからないし、安心できる商品が多い感じがする」(30代/女性/会社員)「節税対策」(30代/女性/会社員)、「手頃な資金ではじめられるし優遇措置が多いから」(40代/男性/会社員)といった声が挙がる。

    FX(外国為替証拠金取引)は「資産を保有し続けることで継続的な収入を期待」(30代/女性/会社員)、「24時間投資できる」(40代/男性/会社員)、「値動きが大きいから利益が出やすい」(50代/男性/経営者・役員)。

    比較的新しい手法のロボアドバイザーは「リスクの軽減のため」(40代/女性/会社員)、「毎月、一定額を積立てることでリスク分散できる」(50代/男性/会社員)、「AIなどが期待できるから」(50代/男性/会社員)。不動産投資型CFは「値動きが速すぎないので本業がおろそかにならずに済みそう」(40代/女性/会社員)、「企業業績に左右されない気がするから」(50代/男性/会社員)、「比較的安全でリスクが少ないと思う」(30代/男性/経営者・役員)といった理由だった。

    「コロナ禍では、ハイリスク・ハイリターンまたはローリスク・ローリターンのどちらを選ぶべきだと思うか?」と質問したところ、「ローリスク・ローリターン」62.8%、ハイリスク・ハイリターン37.2%で、ローリスク・ローリターンが上回った。ローリスク・ローリターンを選ぶべき理由は「リスクはなるべく低い方が良い」(30代/男性/会社員)、「世の中が安定していないので堅実な運用をすべき」(30代/女性/会社員)、「株価や為替の変動が大きくなる可能性がある」(40代/男性/会社員)など、初心者の不安に通じる理由が挙げられた。

    一方、ハイリスク・ハイリターンを選ぶ人は「投資商品次第だが、最終的にはプラスになると思う」(40代/男性/会社員)、「世の中が大きく動いているから、ハイリスク・ハイリターンでも投資額、銘柄、時期を分散すればリスクを一定程度に抑えることが可能」(50代/男性/会社員)、「多少のリスクは仕方がない」(50代/男性/専業主夫)、「見極めさえすれば大きく儲けられる」(50代/男性/経営者・役員)などと判断していた。

    ローリスク・ローリターンを選ぶべきと回答した方は、コロナ禍で先が読めない状況だからこそ、堅実にコツコツと運用すべきであると考え、ハイリスク・ハイリターンを選んだ方は、見極めをし分散投資を行うことで、リスクは避けられると考えている。

    とはいえ、投資経験者も、最初は抵抗があったようだ。「投資を始めるうえで最も抵抗があったこと」を聞くと「損をしてしまうリスク」55.4%が最も多く、次いで『資金を準備しなくてはいけない」17.4%、
    「投資の仕組みなどが分からない」10.3%となった。そこで、「投資を始める際に意識したことややっておいたこと(複数回答可)」を質問したところ「資金の準備」46.1%、「口座開設」37.0%、「投資に関する書籍を読む」29.3%、「業界や市場の状況把握」27.5%、「専門用語を学ぶ」14.9%だった。

    最後に「現在の投資を始める際、資金はいくら準備したか」を質問した。「100万円以上」(39.1%)がトップで、次いで「30万円以上~50万円未満」15.0%、「10万円以上~30万円未満」14.4%、「5万円未満」11.3%となった。


    お金持ちになる人の「生活習慣」3つの鉄則


    ◆お金持ちほどお金を大事に使う生活を送っている

    お金の相談を受けていると、一代で大きな資産を築かれた人にお目にかかることがあります。

    皆さん、そこに至る歴史はそれぞれですが、物事の考え方やおっしゃることには、いくつかの共通点があると思います。お金持ちの考え方、ぜひ真似してみたいですよね。

    資産を築くためには収入が多いに越したことはないのですが、それだけでは十分ではありません。

    なぜなら、多くの人は収入が上がればそれにともなって支出も増えてしまい、結局、資産は増やせないからです。ウラを返せば、収入が増えても生活水準を一定にキープすれば、自然と資産は積みあがります。

    ◆習慣1:支出のコントロールが上手

    事実、お金持ちになる人の多くは、支出のコントロールが上手く、無駄遣いが少ないのが特徴です。

    「格安スマホに変えたらずいぶんお安くなりました」とおっしゃったのは、老人ホームを経営する80歳の女性です。

    一生で使い切れないほどの資産があっても、雑誌や本は買わずに図書館を利用されている人はいくらでもいますし、ふるさと納税などのようなおトクな制度は早くから積極的に取り入れている人も目立ちます。

    単純に節約志向が強いだけなのかというと、そういうわけではありません。女性からよくお聞きするのが、「気に入った洋服は高くても買って、長く愛用しています」とのお言葉です。

    「安物買いの銭失い」ということわざがありますが、その真逆で、買い物を安いからという理由ではなく必要かどうかで判断しているわけですね。

    無駄な支出は抑え、本当に必要なものにお金を使う暮らしぶりに、お金を大事にするお金持ちの思考がうかがえます。

    ◆習慣2:取るべきリスクを取って、避けるべきリスクを避ける

    大きな資産形成に欠かせないのが、投資で増やすという考え方でしょう。不動産投資や株式投資など、スタイルは人によって異なりますが、資産形成の核として若いころから続けてきた手法をお持ちです。

    「株式投資は、かれこれ50年のキャリアです」

    そう話してくれたのは、75歳になる男性のAさんです。株式投資に興味を持ったのは小学校のころ、お父様をはじめ周りの人が話しているのを聞いたのがきっかけだったそうです。

    実際に自分で始めたのは20歳を過ぎてからだそうですが、それでも投資歴は50年のベテランです。始めたばかりのころは失敗もよくあったそうですが、長年続けていくうちに、徐々に利益を出すことが増えてきたのだとか。

    都内にマンションとアパートをあわせて6つ所有されていらっしゃるBさん(70歳/女性)もお母様の代から、不動産投資をされてきたそうです。ご自分なりの利回りの計算式があるので、「その条件に合わなければ見送るようにしています」とのことでした。

    ◆習慣3:経験の中でつかんだ成功セオリーを持っている

    AさんやBさんに共通なのが、経験の中でつかんだ成功セオリーを持っていることです。

    こうした方々に金融商品をご紹介させていただくことがありますが、皆さんすばやく決断されるのには驚かされます。長年の投資経験を積まれてきたからこそ、自分なりの判断基準があって、考え方に合う、合わないがすぐに決められるのだと思います。

    「まだ早いとは思ったのですが、いずれ今の家では段差もあって住みづらくなるだろうから、高齢者用のマンションを買いました」

    「ご主人が病気になったのをきっかけに、万が一の相続で引っ越すことも考えて、自宅を売ったらどの程度の値段になるか調べました」

    これらは、いずれも資産家の方からお聞きした話です。

    自分に将来どんなリスクがあるかを考え、回避するために先回りして行動が起こせるのも、お金持ちの人に共通の特徴です。とるべきリスクをとって避けるべきリスクは避ける、その繰り返しが、資産を守り育てるのだと感じます。

    教えてくれたのは……新屋 真摘さん

    大手生命保険会社を経て、「正しいマネーセンスを身につけて、お金に振り回されない人生を送ってもらうお手伝いがしたい」という想いからファイナンシャルプランナーを目指す。2005年、独立系FP会社の立ち上げから参画。2014年、資産運用のアドバイスに強みを持つFP法人ガイアに入社。現役世代の資産形成から退職金の運用まで、バランスの良い提案を行う。


    不動産投資、確定申告の手順は?計上できる経費や適用できる控除も紹介


    1.不動産投資の確定申告の手順

    不動産投資で発生する家賃収入は、不動産所得として所得税と住民税がかかります。税金のかかる不動産所得がいくらなのか、毎年、税務署に対して確定申告をおこなう必要があります。

    不動産所得は、「不動産収入―必要経費」によって算出されます。税金は収入総額に対してかかるのではなく、必要経費を控除した後の利益に対してかかってくるため、この必要経費を漏らさずに計上することが重要になります。

    また、サラリーマンで不動産所得以外の所得がある人は、給与所得などの他の所得と不動産所得を合算し、その合計額から所得控除を差し引いて、所得税のかかる所得を計算します。

    不動産所得の確定申告の手順は下記の流れになります。

    1. 書類をそろえて準備をする
    2. 不動産所得の計算を行う
    3. 所得税の計算をする
    4. 税金を納める

    それぞれの手順について詳しく見て行きましょう。

    1-1.必要書類・環境を整える

    確定申告に必要な書類を整えます。家賃収入があって確定申告をおこなう不動産投資家であれば、確定申告書(B様式)と収支内訳書もしくは青色申告決算書を提出することになります。これらの書類を作成するために必要な書類を整えます。

    確定申告の手続きの一部を自分でおこなう場合、環境面での準備が必要になります。帳簿の作成を自分でおこなうのであれば、会計ソフトとパソコン、ネット環境が必須です。会計ソフトで帳簿を作成すると、税務署に提出する書類まで一通り作成することが可能です。

    収入に関する書類の収集

    収入帳や預金出納帳などの収入に関する帳簿を作成するために、家賃の入金されている通帳や管理会社が発行する家賃明細などを収集する必要があります。

    必要経費に関する書類の収集

    現金出納帳、経費帳などの必要経費に関する帳簿を作成するために、管理費や修繕費の領収書などが必要になります。所有不動産の固定資産台帳を作成するために、所有不動産の購入時の売買契約書なども準備しておきましょう。

    他の所得や所得税の控除に関する書類の収集

    所得税の確定申告書(B様式)を作成するために、給与所得の源泉徴収票などの不動産所得以外の収入明細が必要です。

    また、所得控除に関する書類として、医療費の領収書や寄附金の領収書などが必要になります。なお、社会保険料や生命保険料、地震保険料も控除対象になりますが、サラリーマンであれば年末調整で調整済なので、源泉徴収票を用意しておきます。

    会計ソフト、ネット環境などの準備

    上述した帳簿は、会計ソフトを利用することで作成可能です。会計ソフトにはPCにインストールするタイプと、ウェブブラウザで起動・操作するクラウドタイプがあります。

    小規模の不動産所得であり、給与所得以外の計算項目が無ければ、ソフトを使わずにエクセルで帳簿を作成して集計することも可能でしょう。

    ただし、会計ソフトを活用すると仕分け項目があらかじめ設定されてたり、計算を自動で行ってくれたりなど、便利な機能があらかじめ備わっています。帳簿作成を自分でおこなうのであれば、PCとネット環境、会計ソフトもできれば用意した方がよいでしょう。

    なお、青色申告の65万円控除を受けるために、e-Taxで電子申告をおこなうというのであれば、マイナンバーカードとカードリーダー(もしくはマイナンバーカードの読み取りに対応したスマートフォン)も必要になります。

    ※参照:e-tax「ご利用の流れ

    1-2.不動産所得の帳簿を作成し決算をおこなう

    必要書類・環境を整えたら、不動産所得の収支内訳書もしくは青色申告決算書を作成します。

    そのために、不動産所得の収入帳や経費帳などの帳簿を作成、整理して一年分の収入と経費の集計をおこないます。この一年分の集計をおこなって収支内訳書もしくは青色申告決算書(損益計算書、貸借対照表)を作成する作業を決算と呼びます。

    以下、簡易帳簿の作成と決算手続き、収支内訳書もしくは青色申告決算書の作成方法について説明します。

    簡易帳簿の作成と決算

    不動産所得の簡易帳簿を作成して決算をおこなう場合、青色申告の届出を提出することで、不動産所得から10万円を控除することができます。

    簡易帳簿とは、現金出納帳、収入帳、経費帳、固定資産台帳のことを指しています。

    現金出納帳は、不動産貸付用の現金の出し入れの状況を取引順に記載する帳簿です。現金で支出した必要経費は、現金出納帳に記載します。家賃収入が預金口座に入金される場合、預金出納帳を作成して記載していきます。

    収入帳には、家賃収入を取引ごとに記載します。入金ベースではなく、賃貸借契約ベースで未収家賃も記載していきます。

    経費帳は、不動産の貸付けに関する必要経費を、必要経費の科目ごとに分けて記載、集計する帳簿になります。

    固定資産台帳は、不動産貸付用の建物や附属設備などの取得費用を、減価償却費として各期間の必要経費に配分していく計算をする帳簿になります。

    決算では、未収家賃や未払経費、減価償却費の計上をおこなってから、一年分の簡易帳簿を集計して、収支内訳書や青色申告決算書に転記していくことになります。簡易帳簿による場合、損益計算書の作成のみとなり、貸借対照表は作成しません。

    複式簿記による帳簿の作成と決算

    不動産所得の帳簿を複式簿記によって作成して決算をおこなう場合、青色申告の届出を提出することで、不動産所得から55万円を控除することができます。

    複式簿記とは、取引を、現金と資産の増減という二つの側面(貸方と借方)から記録することで、網羅性・検証可能性・秩序性を備えた帳簿を作成する方法です。正規の簿記の原則を満たす条件でもあります。

    作成する帳簿としては、上記の簡易帳簿に加えて、仕訳帳と総勘定元帳になります。仕訳帳とは、すべての取引を日付順に、二つの側面から記録した帳簿です。

    総勘定元帳とは、すべての取引を科目ごとに並べて集計した帳簿です。収入、必要経費、資産、負債などのすべての項目ごとに作成することになります。決算でおこなう集計の調整は、簡易帳簿の場合と基本的には同様です。

    複式簿記による決算では、貸借対照表と損益計算書という2種類の決算書を作成します。会計ソフトでは、帳簿の作成と同時に、決算をおこなった集計結果が、所得税の確定申告で提出する青色申告決算書の様式に出力できることが多いといえます。

    このように、複式簿記による決算をおこなうには煩雑な作業と簿記の専門知識が必要になります。知識や決算経験がないのであれば税理士などの専門家に任せることを検討してみましょう。

    1-3.所得税の確定申告書を作成・提出する

    不動産所得の決算書の作成が終了したら、所得税の確定申告書(B様式)を作成します。

    確定申告書は、決算で集計した不動産所得の金額や給与所得の金額を集計し、社会保険料控除、医療費控除などの各種控除の金額を控除して、所得税のかかる所得を算定し、実際の所得税額の計算をおこなう書類です。

    なお、これらの書類は会計ソフトや税務ソフトに情報を入力して作成をおこなうことが可能です。

    すべての書類を作成したら、管轄の税務署に提出します。提出方法は、直接持参するか、郵送、あるいは電子申告であればインターネットで送信することによって提出します。所得税の確定申告書等の提出期限は、翌年の3月15日となります。

    1-4.所得税・住民税を納税する

    書類の提出と納税は別々におこないます。所得税は、納税の期限が3月15日になっており、確定申告書等の提出期限と同じです。

    現金で支払う場合は、納付書を用いて金融機関等で納めます。口座振替の手続きをすれば、口座振替も可能です。そのほか、クレジットカード納付やコンビニ納付などもできます。

    住民税は、確定申告の情報を下に、それぞれの市区町村が税額を計算し、6月以降に納付書を送ってきます。

    なお、サラリーマンであれば、特別徴収といって、勤務先企業に納付書を送ってもらい、12回に分割して給与所得から天引きして企業に納めてもらうケースが大半となります。

    ただし、普通徴収といって住所に納付書を送ってもらい自分で納めることも可能です。普通徴収であれば、通常は4回の分割払いになります。

    2.不動産所得の計算で計上できる経費

    不動産所得の計算で計上できる経費は、不動産収入を生み出す物件の維持管理に直接要した費用となります。

    このような費用として、税金(固定資産税)、損害保険料、建物・設備の減価償却費、管理費、修繕費、立退料、広告宣伝費、仲介手数料、士業報酬などが挙げられます。

    不動産所得を構成する不動産が5棟10室以上を目安とする事業的規模とみなされる場合、計上できる経費の範囲が一定の間接的な費用にまで広がります。事業的規模の場合、専従者給与、貸倒損失、賃貸用不動産の取壊し費用などが必要経費になります。

    また、不動産賃貸業を運営する上で必要な、事務所家賃や事務所水道光熱費、通信費、交際費なども部分的に計上できる可能性が高くなります。

    青色申告特別控除を控除するには、その年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。確定申告の期限より1年前の3月15日が提出期限になっているので注意しましょう。

    ただし、税法がどのように適用されるのか、解釈することは難しい部分があります。計上できる経費の計算で迷ったときは、税理士などの専門家に相談するようにしましょう。

    2-1.税金・損害保険料

    不動産投資では、税金・損害保険料も経費として計上可能です。

    投資用物件の維持にかかる固定資産税、個人事業税などの税金は必要経費となります。
    なお、損害保険料は、投資用物件にかかる火災保険・地震保険の掛金が必要経費となります。

    2-2.建物・設備の減価償却費

    投資用建物を購入・建築した費用や、建物や設備の修繕費は最も大きな支出となる経費です。

    確定申告では、維持管理や原状回復の費用と認められる金額以外は、支出した年に全額を経費にすることができません。これらの費用は、減価償却費として、法定耐用年数の期間に按分して必要経費に計上します。

    法定耐用年数は、木造アパートの建物は22年、給排水衛生設備やガス設備は15年が原則になります。

    2-3.管理費・修繕費・立退料

    管理会社に投資用物件の管理を任せている場合の管理費も、必要経費となります。管理とは、入居者募集、集金業務、日常的な入居者対応、修繕や原状回復の手配、退去対応などを行う費用になります。維持管理や原状回復費用などの修繕費も、必要経費になります。

    大家都合で入居者に立ち退いてもらうときに支払う費用があれば、これも必要経費に計上できます。

    2-4.広告宣伝費・仲介手数料

    投資用物件の運営では、入居者が入れ替わるなどして入居者を募集するときに広告宣伝費や仲介手数料がかかることがあります。これらも、不動産所得の必要経費といえます。

    2-5.借入金利息

    投資用物件を購入・建築する際に組んだローンの利息分は、必要経費として計上できます。ただし、不動産所得が赤字の場合は、土地に関する利息分は必要経費として計上できなくなることに注意しましょう。

    2-6.給料賃金・士業報酬

    不動産所得を含めた所得税の確定申告を税理士に委託していれば、その報酬も必要経費になります。確定申告は毎年行う必要があるため、税理士報酬は、年1回は最低発生する経費といえます。この他、投資用物件に関連して士業に支払った報酬も必要経費になります。

    また、物件の管理を個人に依頼するなどして給料賃金を支払った場合、それも必要経費に計上できます。なお、個人に報酬や給料賃金を支払っている場合、原則として、その支払った分についての源泉所得税を納付する義務もあるので注意しましょう。

    2-7.その他経費

    不動産所得が事業的規模とみなされる場合、貸倒損失、賃貸用不動産の取壊し費用なども必要経費に計上できます。

    また、事務所家賃や通信費、交際費などの不動産賃貸業の運営費用についても、家事上の経費と明確に分けることで必要経費に計上できる場合があります。ただし、家事按分の方法や必要経費の計上にあたっては、税理士などの専門家に相談して慎重に行いましょう。

    2-8.専従者給与

    不動産所得が事業的規模とみなされる場合、専従者給与を必要経費に計上することが可能です。

    専従者給与とは、生計が同一である親族が、不動産賃貸業に従事している場合に支払った給与を必要経費に計上できる制度です。青色申告の承認を受けていることや青色事業専従者給与の届出を提出していることが条件になります。

    届出書の提出期限は、適用を受けようとする年の3月15日なので注意しましょう。青色申告の適用を受けていない場合でも、一定額を実質的に必要経費に計上できる事業専従者控除制度があります。

    3.所得税の計算で適用できる控除

    所得税の計算で、合計所得金額から控除することができる所得控除には、社会保険料控除、生命保険料控除、地震保険料控除、扶養控除、配偶者控除、医療費控除、寄附金控除などがあります。

    支払額について控除を受けることができる制度は、原則として、生計が同一である親族の分をまとめて控除することができます。

    なお、これら以外にも、納税者本人の基礎控除として48万円の控除が受けられます。他にも特殊な控除として、災害や盗難にあった損失額を控除できる雑損控除、離婚や死別で一人世帯である場合や一人親である場合に適用される寡婦(寡夫)控除・ひとり親控除、納税者本人や扶養親族が障害者である場合の障害者控除などがあります。

    所得控除の適用について判断に迷う場合は、税理士などの専門家に相談するようにしましょう。

    3-1.社会保険料控除

    社会保険料を支払った場合、支払った金額について所得控除を受けることができます。この社会保険料控除の対象となる社会保険料には、健康保険・国民年金・厚生年金保険の保険料、国民健康保険税、介護保険料、労働保険料、国民年金基金掛金、共済組合の掛金などがあります。

    3-2.生命保険料控除・地震保険料控除

    生命保険や個人年金に加入している場合、その保険料のうち一定の金額を控除することができます。契約日が平成24年1月1日前の旧制度か、あるいは後の新制度かで控除額が異なるので注意しましょう。

    旧制度では、一般生命保険と個人年金保険で最大10万円の控除が受けられました。新制度では、一般生命保険と介護医療保険、個人年金保険で最大12万円の控除が受けられます。

    地震保険料控除としては、支払った保険料が5万円までは支払額、5万円を超える場合は一律5万円の控除が受けられます。ただし、投資物件の地震保険料は、控除対象にはならないので注意しましょう。

    3-3.扶養控除・配偶者控除

    合計所得金額が48万円以下で16歳以上の親族を扶養している場合、扶養控除の適用を受けられます。扶養控除は、一般の扶養、19歳以上23歳未満の親族、同居老親等、老人、で控除額が異なります。

    扶養控除

    扶養控除の種類控除額
    一般扶養38万円
    19歳以上23歳未満(特定扶養)63万円
    同居老親等の扶養58万円
    老人扶養48万円

    ※引用:国税庁「扶養控除

    また、納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下で、配偶者の合計所得金額が48万円以下の場合、配偶者控除が受けられます。納税者本人の合計所得金額によって、38万円、26万円、13万円の3段階に分かれています。

    配偶者の合計所得金額が48万円を超える場合は、配偶者の所得金額によって控除額が変動する配偶者特別控除を受けられます。納税者本人の合計所得金額が900万円以下の場合の配偶者控除と配偶者特別控除の金額は、下表のようになります。

    配偶者特別控除

    配偶者の合計所得金額配偶者控除・配偶者特別控除の金額
    95万円以下38万円
    95万円超100万円以下36万円
    100万円超105万円以下31万円
    105万円超110万円以下26万円
    110万円超115万円以下21万円
    115万円超120万円以下16万円
    120万円超125万円以下11万円
    125万円超130万円以下6万円
    130万円超133万円以下3万円

    ※引用:国税庁「配偶者特別控除

    配偶者控除・配偶者特別控除は、配偶者が事業専従者である場合は適用できないので注意しましょう。

    3-4.医療費控除

    支払った医療費が10万円を超える場合、超える部分の金額について控除が受けられます。保険金などの支払いを受けている場合は、その分は対象となりません。通院交通費(付き添い人を含む)も控除対象となります。

    また、健康診断・予防接種などの健康の保持と疾病予防の取組をおこなっている人が、12,000円を超える特定一般用医薬品の購入している場合、その超えた部分を控除できるセルフメディケーション税制もあり、医療費控除との選択制になっています。

    ※参照:国税庁「医療費を支払ったとき(医療費控除)

    3-5.寄附金控除

    国や都道府県、日本赤十字社、社会福祉法人、学校法人、認定NPOなどに寄付をした場合、寄附金控除を受けることができます。控除できる金額は、寄付金額から2,000円を差し引いた額となります。所得金額の40%が上限になります。

    都道府県に寄付することで返礼品を貰えるふるさと納税は、寄附金控除によって税金から差し引かれることになります。

    ふるさと納税については、確定申告せずに寄附金控除の適用を受けられるワンストップ特例がありますが、確定申告不要の給与所得者等が対象です。不動産投資をおこなっている場合、特例の対象にはならないので注意しましょう。

    まとめ

    不動産投資の確定申告では、不動産所得の決算で経費を漏らさずに計上することと、所得税の所得控除の適用を適切に受けることが重要です。

    また、確定申告の様々な手順の中でも書類準備は重要なポイントです。適用を受けるための根拠となる領収書などの書類は、普段から保存場所を決めておくなど、収集・整理に手間がかからないよう、工夫しましょう。

    また、税法の取り扱いは、たとえば一つの領収書の経費計上をとってもその可否の判断が分かれることもあり、複雑であるといえます。税制改正も毎年おこなわれるため、前年と同様に手続きをしたものが今年は通用しない、ということもありえます。

    複式簿記による優遇税制を利用するには、簿記の知識がないと難しいこともあります。詳細な判断に迷ったときや、実際に確定申告をおこなうときは、税理士などの専門家に相談することも検討しておきましょう。

    アメリカ不動産投資の頻出用語「CCR」とは一体何なのか


    アメリカ不動産投資の頻出用語「CCR」とは?

    「Cash on Cash Return(キャッシュ・オン・キャッシュ・リターン)」は不動産投資における投資効率を評価する指標の1つ。投じた自己資金に対する利益の割合を示しており、CCRの数字が高いほど投資効率が高いと言えます。

     

    計算方法としては、「ある物件から得られる年間利益」を「その物件を取得するために支払った自己資金」で割ることで算出されます。

     

    たとえば4,000万円の賃貸運用物件を、頭金1,000万円とローン3,000万円で購入。毎月20万円で他人に貸し出し、ローン返済額は毎月10万円と仮定した場合、CCRは以下のような計算になります。

     

    ・物件から得られる年間利益:10万円(1ヶ月の家賃収入20万円−1ヶ月のローン返済額10万円)×12ヶ月=120万円

    ・物件取得のために支払った自己資金:頭金1,000万円+1年間のローン返済額120万円=1,120万円


    CCR:120万円÷1,120万円=約10.7%

     

    年間のCCRは約10.7%ということで、これは約10年で自己資金を回収できることを意味します。

     

    また売却益を含めてCCRを計算することも可能です。先程の物件を1年後に購入金額と同額の4,000万円で売却できると想定。その時点でローン元本のうち50万円を返済済みと仮定した場合、CCRは以下のような計算になります。

     

    ・物件から得る年間利益:10万円(1ヶ月の家賃収入20万円−1ヶ月のローン返済額10万円)×12ヶ月+50万円(売却額4,000万円-ローン残額3,950万円)=170万円

    ・物件取得のために支払った自己資金:頭金1,000万円+ローン返済金120万円=1,120万円


    CCR:170万円÷1,120万円=約15.2%

     

    こうした計算によって算出されるCCRは、いわば自己資金に対するリターンの大きさを計る、投資効率の参考値になります。物件の購入を検討する際に、CCRを見ておくと物件選びの参考になるはずです。

    レバレッジ効果を考える上での指標にも役立つ

    同じ物件であっても、頭金やローンの比率、返済計画などの条件によってCCRは変わってきます。

     

    先ほど例に挙げた4,000万円の賃貸運用物件を、自己資金100%で購入する場合と、ローン金額を3,500万円に増やし、毎月のローン返済額を11万円とした場合でのCCRを比較してみます。

     

    <自己資本100%の場合>
    ・物件から得る年間利益:20万円(1ヶ月の家賃収入20万円−1ヶ月のローン返済額0円)×12ヶ月=240万円

    ・物件取得のために支払った自己資金:頭金4,000万円

    CCR:240万円÷4,000万円=6%


    <自己資金500万円の場合>
    ・物件から得る年間利益:9万円(1ヶ月の家賃収入20万円−1ヶ月のローン返済額11万円)×12ヶ月=108万円

    ・物件取得のために支払った自己資金:頭金500万円+1年間のローン返済額132万円=632万円

    CCR:108万円÷632万円=約17.1%

     

    後者の方がCCRは高いことがわかります。自己資金の比率が小さい(ローンの比率が大きい)ほど、CCRは一般的に大きくなります。つまりCCRは、小さな自己資金で大きな収益を得る「レバレッジ」の効果がどれくらいかを考える上での参考指標にもなるということです。

     

    少ない頭金にローンでレバレッジを効かせることで、大きなキャッシュフローを生み出せるのは、不動産投資の魅力の1つ。不動産投資のメリットを最大限活かすためにも、物件選びの際にCCRはぜひ意識しておきたいところです。

    数字を絶対視するのではなく指標のひとつとして捉える

    しかし、CCRを指標として考える上で、いくつか念頭に置いておきたいポイントもあります。

     

    1つは、金利上昇のリスク。金利が上昇すると、連動して住宅ローンの利息も上がるため、CCRを高めようとローン比率を過剰に高めたような場合には、返済計画が破綻してしまう可能性も。急激な金利上昇はそこまで多いケースではありませんが、度を超えた無理な借り入れは避けたほうが良さそうです

     

    もう1つは、税金を無視していること。当たり前ですが、家賃収入や売却益には税金がかかるため、最終的な収益性はCCRの数字とズレが生じてきます。CCRだけを追いかけていると、実際以上の収益が得られているように感じてしまうこともあるので、その点も注意が必要です。

     

    このようにCCRを考える際には、単純に数字だけを追うのではなく、外的な要因なども考慮しておく必要があります。

     

    どのような指標も、それ1つだけを絶対視するのはリスクがあります。今回ご紹介した「Cash on Cash Return(CCR)」を考える上でも、数字をあまり絶対視するのではなく、あくまでも投資効率を評価する1つの目安として捉えておくことで、より安全で効果的な不動産投資を実現できるでしょう。

    震源は大阪! ついに不動産バブル崩壊で「中国のハゲタカ」が都心の一等地を狙っている


    不動産市場で不気味な崩壊の足音が聞こえ始めている。日本は「土地本位制」と言われるように、不動産は安全資産、効率の良い投資先と見なされ、資金調達の際の担保評価も他の資産より有利に査定されてきた。バブル経済は不動産投資によってもたらされ、バブル崩壊は不動産投資の規制によって引き起こされた。
    『週刊ポスト』(2月15日発売号)では、不動産バブル崩壊によって、不動産資産を多く抱える一流企業が軒並みパニックに陥る恐怖のシナリオを報じている。すでに国税庁は2020年1月時点の路線価を、大阪の繁華街で減額補正することを発表し、大阪発のバブル崩壊が囁かれ始めている。  もちろん根底にあるのはコロナ不況だ。大坂では、近年は急拡大するインバウンド需要によって経済が支えられてきた。キタやミナミの一部は中国人をはじめとする外国人観光客によって潤い、それが地価を押し上げてきた。そのインバウンドがほぼゼロになったのだから、打撃が大きいのは当然だ。さらに、コロナで日本人も繁華街の利用が急減し、企業は一切の会食を控えているところが多い。  さらに、コロナに対応する「ニュー・ノーマル(新しい生活様式)」がバブル崩壊を加速するという。企業はリモートワークを急速に進め、本社機能を含めて「オフィス不要」の業務形態を模索している。出社が不要なら、社員もオフィスに近い都心のマンションをわざわざ買う必要はない。子育てや生活に便利な郊外の手頃な物件を求めるようになれば、地価が下落するなかでのドーナツ化現象という、これまでなかった動きが出るかもしれない。『不動産大暴落がはじまった』などの著書がある不動産ジャーナリストの榊淳司氏が言う。 「情報化社会が進化した現在、ホワイトカラーのほとんどの業務はオフィス以外の場所でもできることがコロナによって判明しました。リモートワークの普及は、これまで業務の効率化を軽視してきたビジネス界に、ほぼ強制的に合理化をもたらしたと言えます。人材派遣のパソナが本社を淡路島に移転すると決めたことが象徴するように、今後は都心の一等地にオフィスを構える企業は劇的に減るでしょう。その動きは、すでにオフィス空室率の上昇と賃料下落として統計にも明確に表れています」  本来やるべき合理化・効率化が進むのは悪いことではないし、リモートワークのような働き方の多様化も企業、ビジネスマン双方にとって良いことだ。だからこそ、この流れはコロナが収束しても変わらない。産業構造そのものの変化は受け入れるべきだが、気になるのは、その動きを見て日本の不動産市場を虎視眈々と狙っている外国資本の動向だ。経済アナリストの森永卓郎氏が指摘する。 「今の不動産バブルが崩壊すれば、都心の不動産価格は3分の1くらいまで下落する可能性があると見ていますが、90年代のように、それが東京や大阪から全国に波及することにはならないでしょう。なぜなら、今回のバブルでは地方はもともと地価が上がっていないからです。逆に、大阪と同様に東京も値下がりしておかしくないはずなのですが、それが下がっていない。それは外国人、とりわけ中国人の土地購入意欲が高いからです。狙われる業界としては鉄道会社などでしょう。コロナで乗客が減って経営が苦しい半面、超一等地の不動産を豊富に持っています。ただし、中国人がそれらを高値で買った後にバブル崩壊が本格化すれば、損するのは彼らになりますが」
    中国人投資家が損害を被るかどうかは地価がどこで下げ止まるかによるだろう。業績悪化で虎の子の不動産を売りたい企業は山ほどある(週刊ポスト記事に詳しい)。これからは空前の買い手市場になるから、中国資本が安く仕入れ、市況がそれ以下にならずに持ちこたえれば、彼らが大笑いするシナリオも当然あり得る。前出・榊氏は、東京では外国人が買い支えることで大幅な地価下落は起きにくいと分析している。 「東京でバブル崩壊の影響を一番受けるのは銀座だと思いますが、実際には一等地だから下がりにくい。路線価が下がっても、実際の取引価格はそれほど下がらないのではないかと見ています。今後は、赤坂や池袋あたりの飲食店の入るビルが売りに出ると思いますが、その買い手になるのは、おそらく中国人など外国資本でしょう。大手企業の自社ビル売却もさらに増えそうですが、それらを買うのも中国系でしょうね」  都心の大家はみんな中国人、という未来も現実になりそうな気配だ。90年代のバブル崩壊では、日本企業が損を覚悟で底値で売り、それを買った欧米のハゲタカ・ファンドが値上がりしてから売り抜けて大儲けした。今回はその役回りを中国資本が演じ、またも日本の国富が海外に流出するだけなら、「いつか来た道」である。

    賃貸併用住宅アパルトレジデンス、ペット共生第1号物件、販売開始年収400万円台から購入可能なマイホーム×不動産投資


    株式会社フロンティアハウス(本社:横浜市神奈川区 代表取締役:佐藤勝彦、以下当社)は、小田急小田原線「相武台前」駅にて、コンパクト賃貸併用住宅アパルトレジデンスのペット共生バージョン「アパルトレジデンス小田急相武台前 ねこネクト」の販売を開始しました。  年収400万円台から購入が可能な、マイホームと不動産投資のハイブリッド商品に、「人もペットも住みやすい環境づくり」というコンセプトを付与した商品です。



    【アパルトレジデンス小田急相武台前 ねこネクトの概要】
    今回販売する「ねこネクト相武台前」は、賃貸併用住宅(※1)アパルトレジデンスに、ペット共生のコンセプトを付与した、第1号物件です。
    当商品は、保護猫団体NPO法人東京キャットガーディアン(※2)(以下TCG)の監修のもと、「人もペットも住みやすい環境づくり」に配慮しました。既に飼っているペットとの入居はもちろん、TCGから無償で猫を引き取り、新たに飼育をはじめることも可能です。

    ねこネクト詳細:https://www.frontier-house.co.jp/lp/neconnect/

    (※1)賃貸併用住宅とは
    1つの建物に自宅と賃貸住宅が共存している不動産のことをさし、当社では、コンパクト賃貸併用住宅「アパルトレジデンス」の開発をおこなっています。「アパルトレジデンス」は、マイホームでありながら、収益を生むことが出来る、ハイブリット商品です。
    アパルトレジデンス:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000068760.html
    (※2)NPO法人東京キャットガーディアン
    行き場のない猫たちを減らしていくために、日本初の保護猫カフェの運営を通じて、 行政(保健所・動物愛護センター)などから猫を引取り、飼育希望の方に譲渡する活動と地域猫活動をおこなっている団体です。
    団体HP:https://tokyocatguardian.org

    【本物件の特徴】
    ■外観について
    本物件は落ち着きのあるナチュラルな色遣いを意識した外観で、ペットを飼育される方はもちろん、幅広い方々に住んでいただけるようデザインされています。モダンで洗練された印象を与えつつも、温かな空気感を持ち、周囲になじむ外観を採用しました。

    ■ペットのための内装(設備/仕様)




    ■間取り
    オーナールーム
    2階/3階 2LDK 86.75平方メートル
    ※1階、玄関水回りを含む
    ・賃貸
    1階   1R 17.18平方メートル


    ■アパルトレジデンス小田急相武台前 ねこネクト 物件詳細
    名称   :アパルトレジデンス小田急相武台前 ねこネクト
    所在   :座間市緑ケ丘
    交通   :小田急小田原線 「相武台前」駅 徒歩7分
    土地面積 :75.23平方メートル (実測)
    土地権利 :所有権
    完成   :令和3年6月末予定
    構造   :木造地上3階建
    総戸数  :2戸(オーナールーム1戸+賃貸1戸)
    ※掲載の画像はイメージであり、仕様は予告なく変更となる場合があります。

    ■今後の展開
    賃貸併用住宅アパルトレジデンス「ねこネクト」の開発を積極的に進めるとともに、当社の開発する、投資用アパートにも同様のコンセプト設定をおこなっていきます。単身者用アパートの供給が増大する中、差別化を図り、オーナー様に対し、賃貸付けへの不安を解消します。

    【株式会社フロンティアハウスについて】
    名称   :株式会社フロンティアハウス
    設立   :1999年4月
    代表取締役:佐藤勝彦
    住所   :神奈川県横浜市神奈川区東神奈川1-11-8 FHレガーレ
    事業内容 :「不動産投資をより身近に、より多くの方に。」をミッションに、アパート・マンション等の収益用物件の開発・分譲を中心に、土地仕入、建築、販売、リーシング、賃貸管理までをワンストップスキームでお客様へのお役立ちを目指す、総合不動産サービス事業を展開しております。
    会社HP  :https://www.frontier-house.co.jp/

    【本件に関するお問合せ先】
    株式会社フロンティアハウス
    webマーケティングチーム 長岡 史樺
    横浜市神奈川区東神奈川1-11-8 FHレガーレ6F
    mail:webm@frontier-house.co.jp
    携帯:080-7143-6377
    TEL:045-440-6377
    URL:https://www.frontier-house.co.jp/

    【初心者必見】デベ、仲介、管理…「不動産会社」を整理してみた《楽待新聞》

    「不動産会社」と一言で言っても、それぞれ役割や業務内容に大きな違いがあることは、皆さんご存じだろう。だが、不動産投資に興味を持ち始めた初心者にとっては、ひょっとするとその違いを明確にすることは難しいかもしれない。

    「不動産会社」を大きく分けると、「仲介会社」「管理会社」「デベロッパー」の3つになる。それぞれ扱う物件や業務内容、事業規模などが異なる。

    こうした不動産会社の違いは、投資を行う収益物件に影響する場合もあるため、まずは不動産会社について理解を深めておくことが大切だ。

    今回は、不動産会社の種類とその役割、そして投資先の物件の違いなどを解説しよう。

    ■仲介会社…売買の間に立つ「仲介人」

    不動産投資家にとって、不動産会社といえば「仲介会社」のイメージが強いのではないだろうか。仲介会社は、不動産を「売りたい人(以下、「売主」)」と「買いたい人(以下、「買主」)」との間に立って活動する、仲介人としての役割を担っている。

    基本的には仲介会社が売主や買主と媒介契約を結び、不動産売買を取りまとめるために売却情報の公開や物件の現地案内、物件調査、売買契約書の作成などを行う。ちなみに媒介契約とは、宅地建物取引業者(以下、「宅建業者」)が、依頼者の目的達成に向けて活動を行うための契約のことだ。

    なお、仲介会社が行う主な業務としては、以下のような内容が一般的だ(ここでは、売買仲介のケースを紹介するため賃貸仲介に関しては割愛する)。

    ●物件を預かる業務

    ・物件の売主から売却依頼を受けて査定を行い、売却価格を売主と相談しながら決定する
    ・売主から売却案件として預かった物件情報を、REINS(レインズ)や不動産ポータルサイトなどに登録する※
    ・売却物件の情報を、自社及び仲の良い不動産会社の顧客へ流す※

    ※売主が非公開を希望する場合はこの限りではない

    ●物件の紹介

    ・不動産を買いたい人に対して、希望条件に合った、もしくはそれに近い物件を紹介する
    ・収益物件の収支や不動産ローンを含む資金計画などを顧客に提案
    ・中古収益物件の運用や、買った土地に賃貸マンションを新築して運用する、といった投資方法などを提案
    ・中古物件をリフォーム及びリノベーションする場合は、リフォーム業者の紹介
    ・建物付土地を買い、収益物件を建て替える場合は解体業者の紹介

    ●取引完了まで

    ・売買契約書及び重要事項説明書(以下、「重説」)の作成
    ・契約書及び重説を作成するための物件調査を実施
    ・買主へ対し、売買対象物件に関する重要事項説明を実施
    ・契約締結後、売買残代金の決済及び物件引渡し完了までのスケジュール調整

    このように、仲介会社は主に物件を媒介(仲介)するのが主な業務であり、「不動産取引に特化した業種」であるといえる。物件の紹介から契約書などの重要書類の作成、取引完了までをサポートし、売主及び買主に不動産の知識がなくても安全な取引ができるよう努める。

    ■管理会社…賃料管理からクレーム対応までを担う

    管理会社は、賃貸マンションや賃貸アパートなどの建物及び入居者の管理を行う。

    例えば、建物共用部分の保守点検や賃貸借契約、賃料入金の管理、入居者からの問い合わせ(クレーム)対応などが主な業務となっている。

    ●管理会社の主な業務

    ・建物管理
    階段、廊下、エレベータなど、共用部分の維持管理。建物内及び敷地内の清掃や電灯及び水回り設備などの点検・交換を行う。

    ・入居者管理
    オーナー、入居者間の賃貸借契約や家賃の入金確認、入居者の客付対応。

    ・契約書類作成
    賃貸借契約書及び重要事項説明書の作成。

    ・コンサルティング
    収益物件の賃料査定、修繕計画の立案などを行う。

    ・警備、防犯
    警備会社の紹介や監視カメラの導入、管理人の常駐などについて提案。

    上で挙げた業務以外にも、管理会社の中には仲介業を行っているところもある。例えば、仲介事業部を設けて、同一店舗内に管理と仲介を併設しているケースもあり、こうした会社の場合は管理だけではなく入居者の客付けも行う。

    ■デベロッパー…企画、販売にたずさわる開発者

    デベロッパー(developer)とは、開発者という意味で、不動産の企画・開発を行う業者のことを指す。

    例えば、商業施設、マンション、オフィスビル、ホテルといった建築物を建設するための企画立案や開発などを行っている。

    ・建設用地の仕入れ

    ・開発プランの立案

    ・開発地の近隣住民に対し工事内容や騒音などについて説明

    ・建設業者の手配

    ・建築物の販売

    デベロッパーの中でも、商業施設や宅地造成(分譲地開発)など、広い分野の開発を行う総合デベロッパーと、マンション開発に特化したマンションデベロッパーとに分かれてはいるものの、どちらも企画から販売までを一貫して行うのが一般的。

    例えば、1棟の注文住宅を個人から受注することが多いハウスメーカーに対して、マンションデベロッパーは土地の仕入れからマンション建築、販売までをトータルで行う。

    なお、販売については、自社内や「自社系列販売代理会社」などで行う、または販売業務を他社へ委託(仲介業者へ媒介依頼)するといった方法をとっている。

    特に仲介業者は、こうしたデベロッパーと密接に関わっていることが多い。例えば、仲介業者が仕入れた(地上げなどで取りまとめた)土地をデベロッパーが購入してマンションを建設し、同じ仲介業者がそのマンションを売るために媒介する、といったケースもある。

    投資用の収益物件に限らず、居住用の戸建・マンションも「新築」か「中古」かによって、かかわる不動産会社は異なる場合が多い。新築物件であれば、デベロッパーやハウスメーカーといった開発・建築に携わる業者。中古物件については、仲介業者が取引を媒介するのが一般的だ。

    ただし、新築物件の販売部分を仲介業者が担っているケースもあるため、必ずしもデベロッパーが新築物件の販売窓口になっているとは限らない。

    一般的な流れとして、物件を買うときは、物件の売主に対して購入申込を行う。このとき、購入申込の窓口は、新築・中古といった物件の種類や販売業者によって異なる。

    ・新築マンション…デベロッパー及び販売代理会社

    ・新築戸建…ハウスメーカー、工務店

    ・中古戸建、中古マンション…仲介会社

    窓口となる不動産会社は主には上の通りだが、先述したように、不動産取引全般に仲介業者が関わっている場合も多い。中古物件だけではなく、新築物件も仲介業者が媒介として間に入っているケースはよくある。もし、新築物件で仲介業者がついている場合は、その仲介業者が窓口になる。

    ■物件情報に記載されている形態

    不動産情報誌や不動産ポータルサイトなどに、「売主」「販売代理」「仲介」と記載されているのを見たことはあるだろうか。これは、物件の取引形態を表しており、売主の種類によって異なる。それぞれの内容は、以下の通り。

    「売主」…物件の所有者が直接売却に出している場合(新築物件)

    「販売代理」…物件の所有者から代理売却を依頼された業者が代理販売している場合(新築・中古物件)

    「仲介」…物件の所有者と媒介契約をした業者が売却の仲介をしている場合(中古物件)

    例えば、物件情報の取引形態に「仲介」と表記がある場合、物件の取引は仲介業者を通して行うため「仲介手数料」がかかることになる。

    とはいえ、中古物件は仲介会社が売買の仲介をしているケースが多いので、その場合はたいてい仲介手数料が必要だ。逆に「売主」と記載されている場合は、物件所有者が宅建業者(不動産会社)であることが多く、売主と直接売買契約をするため「仲介手数料」はかからない。

    ■初心者投資家が不動産会社と付き合うにあたって

    不動産会社は、仲介会社、管理会社、デベロッパーなどさまざまな種類に分かれており、それぞれ行う事業や業務スタイルが異なっている。

    投資用の賃貸マンションを買いたいときは、中古マンションなら仲介会社が購入窓口となっていることが多く、新築であればその購入窓口はデベロッパー、販売代理会社、仲介会社と多岐にわたる。

    また、不動産会社によってその役割も異なり、デベロッパーがマンション開発をして販売するのに対し、管理会社はマンションの維持管理や運用に特化した業務を行っている。

    なお、仲介会社が収益物件を仲介する際にその運用方法を顧客へ提案することがあるが、家賃収入となる賃料査定は収益物件の運用実績がある管理会社に委託する、というケースも。

    このように、それぞれ不動産会社によって得意な業務が異なるため、初心者投資家が収益物件に投資をするときは、主に以下のことに注意しておきたい。

    ●中古収益物件を買いたい場合(主に仲介会社が窓口)

    ・中古物件の売買実績が豊富な不動産会社かどうか

    ・購入したいエリアに強い不動産会社かどうか

    ・管理会社との連携は取れているか(または社内に管理事業部があるかどうか)

    ・賃貸運用の事業収支提案ができるかどうか

    ●新築収益物件を買いたい場合(主にデベロッパーや販売代理会社が窓口)

    ・希望するエリアのマンション用地を仕入れられる業者かどうか

    ・分かりやすいマンション建設プランの提案力がある業者かどうか

    ・賃貸運用の事業収支提案ができるかどうか

    不動産会社は、収益物件の扱いに特化している業者とそうでない業者もいるため、初心者投資家はできるだけ上の注意点を意識しておきたい。例えば、マンション開発が得意でもマンション建設用地の仕入れが苦手なデベロッパーや、建設はやっていないが地上げは得意な仲介会社がいるケースもある。

    今回は、不動産会社の種類や得意な物件の違いをざっくりと紹介した。これから不動産会社と付き合っていく上での参考になれば幸いだ。

    初心者投資家に朗報!住宅リノベーション講座、全国の公的機関で募集中



    不動産投資の方法で、「安い古家を買って、リノベーションして見違えるようにして、賃貸したり売却する」ということをやられている方を多く見受ける。

    このリノベーション、業者にやってもらうにせよ、自分でやるにせよ、どのくらいの労力とお金を要するのものなのだろう。不動産投資に踏み出すときに、恐らく最初に思うことではないだろうか?

    経験を積まれた投資家の方は、内覧の段階で、ここはこう直して、このくらいの材料費が掛かってと、パッパっと計算されて、じゃあ指値はこのくらいで、とされているのであろうが、最初の一歩の投資家はここがそうはいかない。

    何しろ、不動産は一軒一軒違うのである。つまり応用問題である。もちろん業者に同行してもらって見るのが確実ではある。だた、自分でもやってみたい!とか、出来るだけ経費を削減したい(だから自分でも少しやってみたい。)とか思う場合には、どのようなアプローチがあるのか。

    一つは、YouTubeなどでイメージをつかむ、ということが思い浮かぶ。あと、SNSなどで「リノベをするから集まれ!」というイベントに行く、というのも実践的そうだ。

    リノベーションスクールを開催している会社もある。株式会社リノベリングは、リノベーションまちづくりの概念で行政とも連携しつつ全国各地で参加型リノベーションスクールを行っている。内装だけも出来るようにと、いう希望ならば、女性好みの素材を扱う株式会社夏水組では、「内装の学校」を定期的に開講している。

    もう少し本格的に、あるいは体系的に学びたい場合。それには職業訓練校がある。4月開講の学科で募集中のところもある。あまり馴染みがないかも知れない職業訓練校について紹介したい。

    実は、「住宅リフォーム」と看板を掲げてい学科を設けている学校が多数あるのである。「住環境リノベーションコース」(神奈川)、「住まい点検サービス科」(兵庫)、「エコ住宅リフォーム科」(富山)、「木の家づくり科」(宮崎)など、より特徴を出した名称の場合もあるし、「建築科」といった以前からの名称のままでも、カリキュラムを見れば、リフォームやリノベーションの需要に対応した内容を取り入れているのがわかる。

    職業訓練校は各都道府県にある。都道府県が運営している学校と国(独立行政法人高齢・障害・雇用支援機構)が運営している学校がある。どちらも設置の目的は就業支援。なので、願書を出すには、まず地元のハローワークに行くことから始めないといけない。しかし、主婦の方のような雇用保険の対象者でない方にも開放している学校も多く、その場合は、直接、学校に願書を提出する。

    また、技術を身につけて就職しましょう、ということであるので受講期間は相応にある。短い学科は6ヶ月、長い場合は2年に及ぶが1年というのが多い。恐らくこの受講期間がネックとなる方が多いかも知れない。国が運営している学校の住宅リフォーム科は6ヶ月程度のものが多く、託児所も用意されている。

    また、自己負担額は、これも学校によって異なるが、教科書と作業着等だけのところもある一方、2年間になると20万円~30万円程度が必要な学校もある。

    具体的に東京都の職業訓練校について紹介しよう。

    東京都は、住宅リフォームに関する学科は複数あって、「住宅リフォーム科」(立川)では在来軸組工法について、マンションに特化した「マンション改修施工科」(品川)、内装に焦点をあてた「内装施工科」(飯田橋)はいずれも6ヶ月間。4月開講の講座は締め切っているが、「住宅リフォーム科」と「マンション改修施工科」は、3ヶ月ごとに開講するので慌てる必要はない。ちなみに年齢制限はない。

    実際にどのような内容を訓練するのか、それぞれの学校では募集期間中に説明会を数回開催している。実習場で作業中の様子が見学できて担当の指導員の方が説明されるし、受験にあたりどこがポイントかなどの話しもある。日程が合わなくても個別対応もしており、もし入学を希望されるならば、是非出席されたい。

    入学にあたり、筆記試験と面接がある。筆記は中学生レベルの漢字と数学で基礎学力の確認であるが、分数やルートの計算とか補助線を引くとか、とんとご無沙汰な内容が含まれるので、公表されている過去問には目を通しておいた方がいいだろう。

    「住宅リフォーム科」(立川)については以下の通りである。

    負担は、教科書と作業服一式で合わせて15,000円程度。雇用保険受給対象者ならば、交通費の負担はない。

    カリキュラムであるが、最初の実習は大工作業で、ノコギリとノミを使っての木組みの継手の製作である。「腰掛蟻継ぎ」など釘を使わないやり方で二本の木を継ぐ。墨出しもここで習う。

    最初の1ヶ月目に、携帯用丸のこ盤の取り扱いと、自由研削砥石の講習があり、労働安全衛生法による修了証がもらえる。また、給水管の実習も始まり、座学では建物の構造についての講義や作業工程表の作り方なども始まる。

    給水管はハンダ付けをし、水漏れがないか確認する
    給水管はハンダ付けをし、水漏れがないか確認する
    下地を組み当てた後に左官をやる
    下地を組み当てた後に左官をやる

    2ヶ月目になると、軽量鉄骨ブースを使っての下地作りが始まる。いよいよ脚立とインパクトドライバーを使った作業となる。製図用具を使った手書き図面を作ったり、見積書の作成実習も並行して走る。3ヶ月目は、前月に作っていた下地にいよいよパテ塗りをして、クロス張りと左官作業となる。新しくCAD(Jw-CAD)による製図と電気設備の実習が加わる。

    クロスとタイルを貼る実習は各自のブースで一人で作業をする
    クロスとタイルを貼る実習は各自のブースで一人で作業をする。上の部分は漆喰の模様。

    翌月も、電気、CAD、配管、タイル、床仕上げなど作業が組まれ忙しく、幅木廻り縁、天井下地、クッションフロア、エアコン取り付け、トイレと洗面の設置作業など盛り沢山の課題をこなして、最後の模擬家屋の実習に向け徐々に導かれていく。

    なお、電気関係は低圧電気取扱の教育終了証はもらえるが、大半の時間は、第二種電気工事士の実技試験で提示される13課題をマスターするのに費やされる。また、空調関係の実習はあるが、ガス関係はない。

    一通り終えた後は、総仕上げとして模擬家屋をみんなで制作して晴れて卒業となる。この模擬家屋実習は、「住宅リフォーム科」の華であり、6ヶ月の実習の成果でもある。

    模擬家屋の制作は、土台、柱、梁などしか無い、いわゆるスケルトン状態から、自分たちで設計して、校内にある材料を使って自分たちで施工する。広さは12.5平米程度で狭いが、その空間に用意されたトイレ、洗面、キッチンは最低限設置することが施工条件となっている。これは15人が2班に別れて同時に行う。

    15人は左右それぞれのブースに分かれて完成させていく
    15人は2班に分かれ左右それぞれのブースに分かれて完成させていく
    和風の雰囲気にした完成した模擬家屋
    和風の雰囲気にした完成した模擬家屋
    どうしても階段をやってみたいとキッチン横に物入れ風に製作
    キッチン横に階段風の物入れが置かれた

    そして模擬家屋は施工するだけでなく、施工についての報告書の作成も必要である。

    報告書は、図面ならば室内パース図から平面図に展開図、給排水にはアイソメ図、電気は複線図まで作成、更には、使用した部材の積算書、工程表、作業日報、工事記録写真、竣工検査チェックシート、竣工写真など、「施主に提出する書類一式」を想定した内容の作成が求められる。

    このように、職業訓練校は、時間さえ取れれば、であるが、広範囲に学ぶことが出来る。かなり自信になるだろう。それに、授業以外の質問にも、講師の先生は現役の職人であることも多く、熱心に教えてくれる。

    不動産投資をやる前にリフォームを学ぶか、やりながら学んでいくか。

    それでは、「ご安全に!」(現場の方々が朝の打ち合わせ終了時にする挨拶の言葉)

    健美家編集部(協力:多摩北部)


    総資産7.5億円を31歳で達成!八木エミリー流・不動産投資術


    26歳で脱サラを決意
    自己資金はわずか250万円

     気鋭の不動産投資家として知られる八木エミリー氏は、野村證券出身の元証券ウーマンだ。在職中は新人ながら東海地方で営業成績1位に輝き、社内で最年少のセミナー講師も務めたというやり手だったという。ところが、入社4年目の26歳にして退職を決めた。その理由は、なんと不動産投資に専念するためだ。

    「生活費を削って貯金した自己資金250万円」(八木氏)から始まった不動産投資は5年を経て、総資産は約7億5000万円(投資総額約6億円)にまで成長した。

     現在、東京都や千葉県、出身地の愛知県にアパート6棟(68室)とテナントビル1棟の計7棟を所有し、年間の家賃収入は7000万円、諸経費や税金を差し引いて手元に残る現金(キャッシュフロー)は年間2000万円になる。もちろん、不動産投資を始めるに当たって実家の支援などはなく、物件の購入は全て金融機関の融資によるものだ。

     なぜ八木氏は野村證券のキャリアを捨ててまで、不動産投資家の道を選択したのか。地元・愛知県の田舎町で起きている過疎化の惨状を目の当たりにし、「地元活性化の資金を稼ぐ」と決意。「そのために30歳までに10億円、40歳までに100億円の資産をつくる」という目標を掲げたという。八木氏にとって不動産投資は、その目標を達成するための“手段”なのだ。

    「私の周りでは老後までに資産を1億円つくりたいという人が多いが、その目標に一番手っ取り早く確実に近づく手段としては、株式投資よりも不動産投資を勧める」と八木氏は言う。

     それでは、八木氏が今夏に上梓する予定の著書『元証券ウーマンが不動産投資で7億円』から一部先取りして、31歳の若さでほぼゼロから7億円超の資産を築いた八木流・不動産投資術を解説しよう。



    コロナ禍を振り払う勢いの「NZ不動産市場」、上々の滑り出し


    NZ不動産、新年早々から問い合わせが止まず絶好調!

    本記事は、今年初めてとなるニュージーランド不動産のレポートですが、まずは読者の皆さんに明るい話題を提供できることに心から安堵しています。

     

    コロナ禍のなか、ニュージーランドは開港しておらず、人々も海外旅行に行けません。しかし、国内旅行として近くのビーチに出かけ、夏のバカンスを楽しみつつ新年を迎えています。2月は祭日が続くため、引き続きまだホリディを楽しめる環境にあります。

     

    広々とした真夏のビーチで、国内旅行を満喫。
    広々とした真夏のビーチで、国内旅行を満喫。

     

    しかし、不動産投資家達の動向はまったく異なります。クリスマスが終わった12月の月末、一斉に電話が鳴りだしたのです。

     

    今年は新年1日の連絡こそありませんでしたが、土曜日・日曜日だった2日・3日は、新年早々オープンホームを開始するエージェントもいました。通常であれば、早い人でも1月中旬なのですが…。

     

    そんな流れからはじまった新年ですが、アポイント制を取っている筆者の会社も、要望があればいつでも案内するスタイルですから、土日も平日も変わらず対応しました。多くの電話やメールを受け、日夜休みなく働いています。その成果が、上記の写真の「SOLD」です。人通りの多い道沿いに目を引く「SOLD」の看板に気づいた人たちから「あれ? もう売れたの!?」という驚きの声が聞こえてきます。

     

    売り出された不動産は、あっという間に「SOLD]に…。
    売り出された不動産は、あっという間に「SOLD]に…。

     

    コロナ禍の不景気話は、どうやらニュージーランドの不動産業界には無縁のようです。金利の低下もむしろ追い風となり、不動産投資へとシフトしている状況が目立ちます。

    海外永住組も続々帰国、ホテルは5月まで満室状態に

    コロナ禍、ロックダウンをいち早く実行して感染者数の抑制に努め、その安全性を世界に知らしめたニュージーランド。欧米への移住組や、隣国のオーストラリアに暮らしていた「KIWI」といった永住権保持者も続々と帰国しており、その数は約3万人とも聞きます。

     

    2週間強制隔離の政策により滞在先のホテル確保が厳しく、原稿執筆時は今年5月まで予約が取れない状況です。つまり、ホテル確保ができないと入国できないことになっています。もしもこの記事を読んだ方ご自身、あるいは親族や友人にニュージーランドへ行く計画があるなら、ぜひともこの点にご注意ください。

    広い庭を好まないアジア系住人たち、住宅事情にも変化

    物件デベロッパーは、停滞気味だった建築スピードを上げつつ、一気に宅地造成を進める勢いです。

     

    何気なく通っていた道路脇にもアパートやタウンハウスが立ち並び、建設ラッシュが続いています。土地分割ができるところでは、単純な2分割のみならず、戸数が増やせるタウンハウスの建築が盛んになってきました。

     

    あああ
    建物の建設が進み、あっという間に風景が変わる。

     

    日々工事現場の脇を通りながら、建設状況の変化を観察していますが、1日ごとの変化があまりにも大きく、驚くばかりです。

     

    土地を最大限に活用して建設するとなると、庭はなくなってしまうのでしょうか? いいえ、最低限の広さの庭を確保しなければなりません。

     

    もしかすると、オークランド市内中心地はその規則が免除されているのでしょうか? 左右どちらから見ても、建物はフェンスのギリギリに建っています。昔のKIWIたちは、広い庭で子どもたちを遊ばせ、BBQを楽しみ、クリケットなどのスポーツで汗をかいたものでした。ところが、いまはそんなわけにはいきません。

     

    幸い、住宅地には「リザーブ」といわれる手ごろな公園が各地に整備され、ほかにも「ドメイン」といわれる広大な公園が各所にあり、家に庭がなくても、ドライブや散歩がてら、最寄りの公園で充分遊べる環境が整っています。

     

    アジア人には、芝生の手入れが必要になる庭を面倒に感じる人が多いようです。アジア人の保有する家は、庭の部分をすべてコンクリートやタイル張りに変え、芝生部分も人工芝という徹底ぶりです。

     

    そんな現代人の好みの変化から、ニュージーランドの住環境も変化しているのです。

     

    はてさて2021年、コロナとともに生活しながら、社会や経済がどのように変化していくのか、先の見えにくい状況にありますが、ニュージーランドでは、十分な土地が整備され、人口も増えています。開港が決定された暁には、不動産業界のみならず、各種業界・分野でも、コロナ前を超える勢いが見込めると考えています。

     

    今年もオークランドよりホットな情報を発信していきますので、よろしくお願い申し上げます。

     

     

    一色良子

    Goo Property NZ Ltd.代表取締役社長


    RENOSY不動産投資が iF デザインアワード2021(独)のファイナリストとして選出!


    不動産テック総合サービス「RENOSY(リノシー)」を運営する株式会社GA technologies[GAテクノロジーズ](本社:東京都港区、代表取締役社長 CEO:樋口 龍、証券コード:3491、以下「当社」)は、この度、「RENOSY(リノシー)」の不動産投資(英表記:「RENOSY INVESTMENT」)において、世界で最も重要なデザインコンペティションのひとつであるiFデザインアワード2021(※1)のファイナリストに選出されました。
    iFデザインアワードは、世界で最も古いデザイン団体であるiFインターナショナル・フォーラム・デザイン (独ハノーバー市)が毎年主催するアワードです。今回の一次審査のエントリーは過去最高を記録し、世界から参加する専門家91人の審査によって、 52か国、約10,000エントリーの中からファイナリストが選出されました。

    本審査におけるRENOSY 不動産投資(RENOSY INVESTMENT)の詳細は、iFのウェブサイトiF WORLD DESIGN GUIDE のFinalists

    不動産投資とは?仕組みや始める手順、注意点を初心者向けに解説


    1.不動産投資の仕組み

    不動産投資の対象は土地や建物などの不動産となっており、投資した不動産からは主に以下2つの利益を得ることができます。

    1. キャピタルゲイン
    2. インカムゲイン

    1-1.不動産投資のキャピタルゲイン

    キャピタルゲインとは、保有している資産を売却することで得られる利益です。不動産投資では、購入した土地や建物などの不動産を買ったときよりも高値で売却することによって利益を得ることができます。

    土地や建物などの不動産は、基本的に需要や供給の関係によって価格が常に変動しており、その価格差によって売却益を狙うことが可能です。

    1-2.不動産投資のインカムゲイン

    インカムゲインとは、資産を保有していることによって得られる利益のことです。不動産投資ではアパートを購入して入居者に貸したり、ビルを購入してオフィスや店舗として貸し付けたりすることで、家賃収入やテナント収入を得ることができます。

    このように、保有している不動産を活用することによって得られる利益がインカムゲインです。

    株式投資にあてはめてみると、株式を購入した金額よりも高値で売ったときの売却益(キャピタルゲイン)と保有していることによって得られる配当金(インカムゲイン)に該当します。

    1-3.その他の投資との主な違い

    キャピタルゲインとインカムゲインによって利益を得る点は株式投資と同じですが、不動産投資では株式投資と大きく異なる点もあります。

    例えば、土地や建物の資産が手元に残るため、株式投資のように会社の倒産により資産がゼロになるリスクはありません。また、流動性が低いことから価格の上下幅(ボラティリティ)が少なく、株式のように毎日大きな価格変動をするような資産ではない特徴があります。

    その他、値上がり益を期待して保有する金などの商品取引とも異なり、不動産は保有中に運用することによってインカムゲインを得られるのも大きな特徴です。

    ただし、不動産投資は土地や建物などを購入するために多額の資金が必要で、現物の株式投資とは異なり初期の投資金額が大きくなります。自己資金だけでは足りない場合は金融機関の融資を利用して物件を購入します。

    また、不動産投資では1件当たりの投資金額がかなり高額になるため、相当の手持ち資金がない限り、株式投資のようにポートフォリオを組みながら何回も売買を繰り返すという投資スタイルには不向きと言えるでしょう。建物部には経年劣化が起こるため、保有する年数が増えると売却価格の下落リスクが高まる点もキャピタルゲインを得るのが難しい要因の一つです。

    そのため、個人が行う不動産投資は、家賃収入や税金対策などを目的とした長期的な運用スタイルが多い傾向にあります。

    1-4.不動産所得と経費

    不動産の家賃収入によって発生した利益は、所得税法上「不動産所得」という所得に分類されます。不動産所得の計算は以下の式で算出されます。

    不動産所得=総収入金額-必要経費

    総収入金額とは物件の貸し付けによる家賃収入などのことで、ほかにも以下のような収入が該当します。

    不動産所得の収入例

    • 家賃:物件により金額は異なり、基本的に毎月支払われる
    • 共益費:マンションなどで共用灯やエレベーターなどの共用部分の運営および維持のためなどに入居者が負担する費用で、家賃と併せて毎月支払われる
    • 礼金:賃貸契約を交わした際に入居者から受け取る謝礼金
    • 更新料:賃貸マンションやアパートで契約を更新する際に入居者から受け取る金銭

    毎月受け取る家賃や共益費以外にも礼金や更新料などを受け取った場合、不動産所得の計算上は全て総収入金額に含まれます。

    一方、不動産投資における必要経費は以下の通りです。

    不動産所得の必要経費例

    • 固定資産税:賃貸物件の土地や建物にかかる税金
    • 保険料:火災保険などの損害保険にかかる費用
    • 修繕費:賃貸物件の修理などに要する費用
    • 減価償却費:賃貸物件の建物や構築物などの減価償却費
    • 支払手数料:不動産会社などに支払う賃貸のために要する手数料など
    • 支払利息:賃貸物件を購入するための借入金にかかる利息

    固定資産税や保険料、修繕費などの賃貸物件に直接かかる費用は必要経費に含まれます。このほかにも、賃貸物件の減価償却費や不動産会社に支払う手数料、借入金の利息なども必要経費として計上することが可能です。

    不動産所得の計算例

    不動産所得の計算例として、中古の一戸建てを銀行からの融資を受けて2,000万円で購入し、入居者から月額10万円を受け取ることほか、礼金10万円を受け取った事例をみていきましょう。

    • 固定資産税…28万円
    • 火災保険料…1万円
    • 減価償却費…20万円
    • 支払手数料…5万円
    • 支払利息…18万円
    • 年間収入=130万円(10万円(礼金)+10万円(月額家賃)×12か月)
    • 必要経費=72万円(28万円+1万円+20万円+5万円+18万円)

    その他の収入は発生しておらず、必要経費については以下の費用が発生する見込みのとき、不動産所得は以下の通りです。

    不動産所得=58万円(=130万円-72万円)

    この例では総所得金額から必要経費を差し引いた58万円が不動産所得となり、所得税が課されることとなります。なお、簡単な利益と税金の考え方は上記の通りですが、不動産所得と呼ばれる利益とキャッシュフローは必ずしも一致しない点に注意が必要です。

    例えば、上記の計算例では銀行から融資を受けて中古の一戸建てを購入していますが、銀行への利息の支払いは必要経費として考慮されているものの、元本部分の返済については計算に含まれていません。

    また、必要経費として計上されている減価償却費は建物を賃貸用物件として使用することによる帳簿上での価値の減少が見込まれており、実際に月々の収益が減るわけではありません。

    このように、不動産投資では帳簿上の利益と実態のキャッシュフローが連動していないため、投資を行う前には利益とキャッシュフローの両側面から検討を行うことが重要です。

    2.不動産投資の種類

    不動産投資では投資対象となる物件に様々な種類があります。こちらでは、物件の種類と特徴を確認してみましょう。

    2-1.区分マンション投資

    区分マンション投資とは分譲マンションなどを一室だけ購入し、第三者に貸し出すことで家賃収入を得る投資方法です。

    区分マンション投資は一棟ごとマンションを購入する場合などと比べて物件価格が安く、投資資金が少なく済むので、不動産投資をしたい初心者の方でも始めやすい投資となっています。

    また、投資資金が比較的少ないことから複数の物件を所有することも比較的容易で、地域を分けて物件を所有することによって天災などのリスクを分散しながら投資できるのも特徴です。

    ただし、定期的な家賃収入を得ることはできますが、入居者が退去した場合や新たな入居者が決まらないリスクは常に存在します。空室となっている間は必要経費がかかるだけで収入を得られません。

    また、不動産投資が順調に進み規模を拡大したいときには物件探しなどに時間がかかるため、投資金額は少なくて済む反面、投資効率が落ちるなどのデメリットもあります。

    2-2.戸建て投資

    戸建て投資とは、新築や中古の一戸建て住宅を購入し第三者に貸し出すことによって家賃収入を得る投資方法です。

    中古物件では購入後のリフォームなども必要になりますが、ワンルーム投資と同様に投資金額を比較的抑えられることから、投資初心者でも手が出しやすい物件となっています。

    一戸建ては家族などで長く住むケースが多く、単身用のワンルームと比較して長期的に家賃収入を得られる点がメリットです。

    しかし、戸建て投資は、一度空室となってしまうとマンションなどと比べて入居者がなかなか決まらず、空室期間が長期化しやすい面もあります。

    特に、戸建ては立地や地域の住宅需要がポイントになるので、購入前は賃貸ニーズを慎重に調べてから投資判断をする必要があります。

    2-3.アパート・マンション投資(一棟投資)

    アパート・マンション投資(一棟投資)とは、アパートやマンション、商業ビルなどを一棟丸ごと購入し、住宅やテナントとして貸し出すことで家賃収入を得る投資方法です。

    ワンルーム投資や戸建て投資と比べて大きな投資金額となる場合が多く、物件によっては数億円という投資金額になることも少なくありません。個人で不動産投資をする方にとっては資金面での負担が大きくなります。

    一方、一棟丸ごと購入することによるスケールメリットもあります。投資効率が良くなりワンルーム投資や戸建て投資と比べて高い利回りで運用しやすいのは大きな特徴です。また、複数の部屋を同時に所有することで空室リスクを分散することにもつながります。

    しかし、アパート・マンション投資では一棟丸ごと物件を購入するため複数の地域に分散して投資することができず、水害や震災などの天災が起こった場合、その被害も大きくなります。

    また、ワンルーム投資や一戸建て投資よりも物件の金額が格段に高くなることから、資金調達のハードルが上がり、売りたいと思ってもなかなか買い手が見つからない場合もあります。

    2-4.その他の不動産投資

    賃貸経営以外の不動産投資では、駐車場経営など土地を運用することによって利益を得る投資方法もあります。駐車場は必要な設備等が少なく、土地さえあれば少ない元手から投資検討できるメリットがあります。

    しかし、駐車場は立地によって収益性が大きく異なることから土地選びが難しく、マンションなどのように立体的に土地を活用することも容易ではない点はデメリットと言えるでしょう。

    その他、現物の不動産投資以外では不動産を証券化したREIT(リート)があります。REITは不動産投資信託と呼ばれる金融商品で、投資家から集めた資金で不動産投資を行い、そこで得られた家賃収入や売買益を投資家に配当する商品です。

    REITの投資家は間接的に様々な不動産のオーナーになる仕組みとなっており、プロが運用する不動産に投資する形態となります。


    また、実際の不動産運用をプロに任せる手法としては、不動産投資型クラウドファンディングなども検討できます。不動産投資型クラウドファンディングは、REITよりもさらに小口出資が可能で、1万円などの少額資金で運用可能なサービスもあります。

    3.不動産投資のメリット

    不動産投資には他の投資方法にない様々なメリットがあります。詳しく確認していきましょう。

    3-1.金融機関の融資を利用して資産を運用できる

    不動産投資のメリットの一つは投資不動産を担保設定し、金融機関の融資を利用して資産を運用できる点です。

    例えば、2,000万円の物件を頭金200万円でローンを組んで運用するなど、金融機関の融資をうまく活用することで自己資金以上の資産運用が可能になります。

    株式投資でも信用取引によるレバレッジを活用することは出来ますが、金融機関の融資のように長期間・低金利での借り入れを行った運用はできず、株価変動の幅も大きいことからハイリスクな投資となるデメリットがあります。

    金融機関の融資を活用することで自己資金以上の物件を運用して大きな資産を形成できる可能性がある点は、不動産投資の大きなメリットと言えるでしょう。

    3-2.定期的な家賃収入が期待できる

    不動産投資では定期的な家賃収入を期待できる点もメリットとなります。購入した物件に入居者がいる期間は毎月家賃収入を得られることから、一定の収入を見込んで資金計画を立てることができます。

    また、不動産投資は家賃収入で不動産投資ローンを返済できる点もメリットの一つです。無理のないローンの返済計画が前提条件となりますが、ローンの返済が終われば手元に不動産が残ります。

    古くなった物件は修繕費なども高くなりますが、定期的にメンテナンスを行うことで長期的に家賃収入を見込むことも可能です。

    3-3.受けられる税制上のメリットが多い

    不動産投資は、様々な税制上のメリットがある点も他の投資と比較して大きな特徴と言えます。

    例えば、相続税では相続財産の評価額によって課される相続税額が決まりますが、現金資産で3,000万円の財産を相続した場合、相続税評価額はそのまま3,000万円として評価されます。

    しかし、土地や建物などの不動産で相続する場合、評価額は購入額ではなく路線価と固定資産税評価額などを基準として計算されます。不動産の評価額は実際に売買される価格よりも安くなる傾向にあり、評価額と実勢価格の差額によって相続税額が安く抑えられます。

    ただし、相続税の納付について一部物納も可能となっていますが、原則的に納付するだけの現金が必要になります。不動産で相続した場合、即時換金が難しいことも多いので、納税のために安値で不動産を売るようなことにならないように、税理士などの専門家に相談の上、慎重に判断する必要があります。

    また、不動産所得が赤字の場合、ほかに給与所得や事業所得などがあれば、所得の損益通算が可能です。減価償却費または修繕費を必要経費として計上し、不動産所得を上回った分の課税所得を引き下げられる可能性があります。

    3-4.団体信用生命保険に加入できる

    不動産投資では、不動産を購入する際の不動産投資ローンに付帯する団体信用生命保険(団信)に加入できる点もメリットと言えます。

    団体信用生命保険とは、ローンの契約者に万が一のことが起こり亡くなる、または重度の障害状態になった際に適用される保険で、その時点で残っているローンは返済不要となります。

    これにより、ローン契約者が亡くなった場合や重度障害により働けなくなった場合でも家族は不動産を手放す必要はなく、その後も定期的に家賃収入や不動産の売却によって生活を守ることができます。

    ただし、団体信用生命保険は銀行系の不動産投資ローンでは加入が必須になっており、保険料は金利に上乗せする形で支払う方式となります。

    そのため、さらに補償を充実できる「がん診断特約」「生活習慣病保障」などを付加する場合、割増しになった金利を支払う必要があるなどの注意点もあります。

    4.不動産投資のデメリット

    不動産投資には多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。メリットと比較しながら、デメリットについてもしっかり確認しておきましょう。

    4-1.不動産投資ローンの返済リスク

    不動産投資では多額の投資資金が必要になるため、不動産投資ローンなどを利用して資金を調達します。しかし、ローンで調達した資金は全て返済しなければならない債務となるため、計画的に返済していかなければなりません。

    特に、不動産投資では1件あたり数千万円から数億円などの多額のローンを組むケースも少なくありません。

    不動産の収益性に対して無理のある返済計画では生活が厳しくなるだけでなく、返済が滞ってしまうと担保設定されている投資対象の不動産が差し押さえられてしまう可能性もあります。

    また、不動産投資がうまくいかずに家賃収入が減少してしまっても、決まった返済金額を返済する必要があります。不動産投資ローンを利用する際は、キャッシュフローや手元資金に余裕を持たせた返済計画を練ることが重要です。

    4-2.空室リスク

    不動産投資特有のリスクの一つが賃貸物件の空室リスクです。空室リスクは立地の悪さや、地域ごとの需要見込みを外れるなど様々な要因によって起こりえるほか、家賃設定が要因となることがあります。

    地域の相場を勘案して家賃を設定したつもりでも、近隣に相場よりも安い物件があったり、競合となる新築物件が建築されてしまうなどで、入居者が想定以上に集まらない場合があります。

    なお、人口減少が続く日本では地域によって住宅需要が減少傾向にあります。人口減少により賃貸需要が減退しているエリアでは、全体的な相場の下落などにより思ったように家賃収入を見込めない場合もあります。

    4-3.自然災害リスク

    不動産投資では、不動産を持っていることによって発生する災害のリスクにも注意が必要です。

    日本では、大きな地震やそれに伴う津波、大型台風や豪雨などによる自然災害が起こります。その他、強風による損壊や浸水などの被害もあります。

    不動産を持つ場合、このような自然災害に対する備えも必要不可欠となっています。特に、アパート・マンション投資で一棟丸ごと物件を購入するような大きな投資では、地震による倒壊などで再起不能となる大ダメージを被る可能性があります。

    物件購入前にはハザードマップを確認して災害時のリスクについて考慮しておくことが大切です。また、費用はかかりますが、地震保険などに加入して自然災害に対する備えを日頃からしておくことも重要です。

    自然災害に加えて、火災なども大きなリスクとなります。火災保険なども活用しながらあらゆる災害に備えることもポイントです。

    4-4.環境変化リスク

    不動産投資では外部環境の変化による様々なリスクがあります。

    例えば、自治体のハザードマップの見直しによって浸水想定区域に該当したことによって地価が下落したり、アパートを購入した数年後に大学のキャンバス移転計画が発表されて入居需要が大きく減ったりするケースがあります。

    このような予測するのが難しい周辺環境の変化によって地価下落のリスクがある点は不動産投資のデメリットです。

    一方、物件の購入後に新しい商業施設の誘致が決まったり、鉄道の新駅計画が発表されたりといったポジティブな環境変化も起こる可能性があります。

    不動産投資は運用金額が大きくなるため、一つの要因で大ダメージを被る可能性もあります。できる範囲であらゆることを想定し、様々なリスクに対する備えを怠らないことも重要です。

    5.不動産投資を始める手順

    不動産投資は金額も大きくなるため情報収集など事前の準備が大切です。こちらでは不動産投資を始めるために必要な準備や手順を確認しておきましょう。

    5-1.不動産投資の目的を明確にする

    不動産投資で最初に必要なのが投資の目的を明確にすることです。例えば、「老後に向けて今の資金を運用して20年後に3千万円を貯める」という目標を掲げた場合、明確な目標を定めたことによって選択できる投資の方法や期間、必要な運用利回りなどを想定することができます。

    初めからこのような具体的な目標を定めることは難しくても、老後に向けて投資成果をシミュレーションし、事前準備の段階で目標を定めることがポイントです。

    5-2.書籍やセミナーなどから情報収集をする

    不動産投資では土地や建物だけでなく、必要経費や税金などの様々な知識も必要です。本やインターネットによる知識の蓄積に加えて、無料の不動産投資セミナーなどを利用しながら専門家の意見を直接聞いたり、個別相談や質問することも検討してみましょう。

    不動産会社が開催している不動産投資セミナーでは、最新の不動産投資事情にも触れながら情報を発信してくれます。将来の不動産投資のパートナー探しを兼ねながら、複数の不動産投資セミナーに参加することも一つの手段です。

    ただし、情報収集をする際は悪質な不動産投資会社や強引な勧誘やにも注意しましょう。セミナーの中には、不動産投資を切り口に別の投資商材への誘致を行う悪質なセミナーも紛れていることがあります。セミナーへの参加を検討する際は開催元の運営会社の評判などを確認し、精査することが大切です。

    5-3.投資計画を立てる

    投資の目標を立て、ある程度不動産投資に関する情報の収集が終わったら、資金や物件の管理方法などの投資計画を立てます。

    物件価格やローンの返済額、頭金、収入、必要経費などの資金面は慎重に計画を立てることが大切です。特にローンの返済については、予定通りに返済しなければならないため、余裕を持った返済計画を立てるようにします。

    5-4.投資対象となる物件を探す

    投資計画を作成したら次は投資する物件を探します。セミナーを受講した不動産会社に直接相談したり、中古物件であればネット上の物件情報から問い合わせてみたりなど、投資目的に合わせて方法は様々です。

    なお、このとき複数の不動産会社から物件情報を探すのがポイントです。1社のみだと情報が偏ってしまうことも考えられるため、なるべく複数の不動産会社へ問い合わせ各社の情報を比較してみましょう。

    気になる物件が見つかれば、現地に足を運んで実際の物件の周辺環境や外観、内覧をすることも重要です。

    5-5.不動産投資ローンを組んで購入する

    投資する物件が決まればローンを組んで購入する段階です。なお、融資をしてくれる金融機関を探す際も複数の銀行等に相談するようにします。

    投資計画や事業計画書に問題があれば担当者が指摘してくれるため、この点は都度修正しながら対応し、ブラッシュアップされた投資計画書を作成していきましょう。

    なお、物件を紹介する不動産投資会社が金融機関と提携していることも少なくありません。提携している金融機関がある場合、スムーズに融資審査を行うことが出来るため積極的に利用してみましょう。

    融資審査では、物件の収益性のほか、本人の職業・年収・年齢などの属性が評価対象となります。属性評価が高ければフルローンを組める可能性がありますが、年齢や勤務先、年収など変更することが難しい項目が含まれています。

    属性評価が融資資産のネックとなる場合は、頭金を多めに用意しておいたり、担保評価の高い物件を探したりなど、計画的な準備が重要になります。

    まとめ

    この記事では不動産投資の仕組みやメリット・デメリットについて詳しくご紹介しました。不動産投資では投資金額が大きくなりやすいため、必要な知識を身に付け、投資計画をしっかりと立てることが重要です。

    また、初心者の方の場合、ネットや書籍だけでなく、不動産投資セミナーを活用するなどして最新情報を収集し、不動産投資への理解を深めるところから始めることも大切です。

    また、不動産投資は物件購入後も賃貸管理や売却のタイミングを考慮したりなど、定期的な見直しが必要です。物件購入を目標とするだけでなく、継続的な情報収集も心がけてみましょう。

    大和財託、次世代不動産投資「みんなで資産運用」1棟新ファンド発売。業界初、元本払い戻しシステムを導入

    資産運用コンサルティング事業を展開する大和財託株式会社は2月1日、次世代不動産投資「みんなで資産運用」で新しいファンドを発売した。京都市西京区の中古1棟リノベーション物件で、販売済みのファンドと同様、優先劣後方式の採用により同社が劣後出資することで元本の安全性を高める仕組みを採用。さらに、代表取締役CEO藤原正明氏が考案し、業界初となる「元本戻しシステム」を導入している。募集金額5170万円、募集期間(抽選方式)は15日までのところ、8日正午時点で既に5355万円(申込率103.5%)の申し込みがあった。抽選予定日は2月15日、3月1日運用開始、運用終了は23年2月28日。

    新ファンドは京都市西京区中古一棟リノベーション物件ファンド。表面利回り年5.4%、実質利回りは年3.0%(税引前)。インカムゲイン(運用期間中の家賃収益)を重視しており、大阪梅田や京都市などの都市や、観光地の嵐山などへのアクセスが良好なエリアに位置する1棟のリノベーション物件を運用となっている。分配金は同社グループ会社が1棟丸ごと借上げた保証賃料を配当原資とし、出資金額に応じて分配する仕組み。

    同ファンドは同社初の1棟物件ファンド。自社開発の中古1棟リノベーション物件。まず、グループ会社が建物を一括で借上げ、空室リスク低減を図る。一括借り上げの条件として毎月一定の家賃保証のほか、各種修繕もグループ会社負担としている。

    今回は、業界初の試みとして、運用期間中に元本の一部が戻ってくる仕組みの採用で、元本毀損リスクを低減させている。まず、販売済みのファンドと同様に、優先劣後方式の採用により同社が劣後出資することで元本の安全性を高めている。元本戻しシステムは、配当金とは別に、元本を毎年1%ずつ投資家に支払う。投資家からの実際の出資金から返金するのではなく、物件の家賃から得られた収益をベースにしている。これにより、万が一、物件に毎年1%の価値下落が発生しても元本が1%戻るため、元本毀損しない。

    さらに、運用期間が長期になれば実質的な利回りが増えることになる。例えば100万円出資した場合、実質利回り3.0%で分配金は3万円(税引前)。そして1年後に1%の出資金が戻る為出資金は99万円になるが、分配金は変わらず3万円(税引前)の為、実質利回りが3.03%となる。

    運用期間は2年だが、同社は今後、長期運用商品や運用期間無期限の商品など、投資家のメリットを更に高めるファンドを組成していくとしている。

    みんなで資産運用に初めて出資する人を対象に、QUOカードをプレゼントする。応募期間は15日正午まで。同ファンドへの出資が合計10口以上成立し、指定期日までに全額入金すると、出資口数に応じて10口~49口はQUOカード2000円分、50口~99口は1万円分、出資口数100口以上はQUOカード2万円分。

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    コロナが2020年に海外不動産投資へ与えた影響は?各国の状況を比較

    日本の住宅市場動向

    住宅価格指数と長期金利の動向分析から、コロナが日本の住宅市場に与えている影響を探ります。日本の住宅市場では、それほど大きな値動きは起きていないのが特徴的です。

    日本の住宅価格推移

    国土交通省が発表した不動産価格指数調査によると、日本におけるコロナ前後の住宅価格指数推移は以下グラフの通りです。

    日本の住宅価格指数推移

    ※参照:国土交通省 報道発表資料 https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo05_hh_000001_00012.html

    2019年10月以降1年間の動きを見ると、日本の住宅価格指数は111ポイント〜114ポイントの間で推移しています。最高値と最低値との差は2.7ポイントで、それほど大きな値動きがあるとは言えない状況です。なお、住宅種別に価格指数の動向を見ても、マンション・戸建住宅・住宅地ともにほとんど変化がありません。2020年における日本の不動産市場では、コロナの影響はそれほど出ていなかったと言えるでしょう。

    日本の長期金利動向

    つづいて、住宅ローンや不動産投資ローンに影響を与える長期金利の動向を確認してみます。長期金利の目安となる10年国債の金利動向は以下グラフの通りです。

    10年国債※参照:財務省 国債金利情報 https://www.mof.go.jp/jgbs/reference/interest_rate/

    グラフで見ると大きな上下動があるように見えますが、実際にはそれほど大きく動いているわけではありません。最高金利と最低金利との差は0.03%です。コロナの感染拡大が始まって以降、日本銀行は金融緩和政策の維持を続けています。

    2020年6月の記者会見で、日本銀行の黒田総裁は2022年度でも金利引き上げは難しいとの見解を示しており、金融緩和政策はまだ当面続く見通しです。

    ※参照:日本銀行 https://www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2020/kk200617a.htm/

    金融緩和政策が継続されているため、住宅ローン金利および不動産投資ローンの金利は低水準を維持しています。コロナの前後で住宅価格に変化が起こらないのは、低水準のローン金利が不動産価格を下支えしているためとも考えられるでしょう。

    しかし、2021年1月には一部地域で2度目の緊急事態宣言が発令されるなど、コロナの収束時期は不透明な状況です。コロナの日本経済に対する影響が深まる中で、不動産価格の推移には注意を要します。

    マレーシアの住宅市場動向

    つづいてマレーシアの住宅価格指数と金利の動向を分析します。マレーシアでは住宅価格の値動きが安定に向かっている状況です。

    マレーシアの住宅価格推移

    マレーシアの国立不動産情報センターが発表した統計によると、マレーシアにおけるコロナ前後の住宅価格指数動向は以下グラフの通りです。

    ※参照:マレーシア国立不動産情報センター https://napic.jpph.gov.my/portal/web/guest/key-statistics

    マレーシアの住宅市場でも、コロナ前後で大幅な値動きは起きていません。2019年第2四半期以降の1年間で、最高値と最低値との差は2.1ポイントにとどまっています。なお、対前年比の価格指数増減幅を見ると、コンドミニアム・テラスハウスなど各タイプとも右肩下がりです。マレーシアでは、住宅価格の推移が落ち着いて来ていると言えます。

    ※引用:マレーシア国立不動産情報センター https://napic.jpph.gov.my/portal/web/guest/key-statistics

    また、マレーシアでは住宅の供給過剰が社会問題化していました。2020年第3四半期におけるマレーシア全体の住宅供給数は50,176ユニットとなっており、前年同期比で約19%減少しています。2017年以降は供給数・着工数ともに減少を続けており、マレーシアでは住宅の需給バランス改善が続いている状況です。

    マレーシアの金利推移

    マレーシアの中央銀行が発表している金利の推移は以下グラフの通りとなっています。

    ※参照:マレーシア中央銀行 https://www.bnm.gov.my/interest-rates-volumes

    2020年2月以降段階的な利下げが始まっており、8月以降は金利1.75%で固定されています。2021年1月に入っても1.71%〜1.75%の間で推移しており、大幅な変更はありません。なお、2020年初頭時点の金利は3.00%だったので、8ヶ月間で1.25%引き下げられたことになります。

    マレーシアも日本と同様に住宅価格が安定しているため、金利の引き下げが不動産市場の安定に寄与していると考えられます。

    タイの住宅市場動向

    つづいてタイの住宅価格指数および金利の動向を分析します。タイでは、住宅市場全体では少し値上がり傾向があるものの、物件タイプ別の値動きには要注意です。

    タイの住宅価格推移

    タイの中央銀行が発表している統計によると、タイの住宅価格指数は以下グラフのように推移しています。


    ※参照:タイ中央銀行 https://www.bot.or.th/App/BTWS_STAT/statistics/ReportPage.aspx?reportID=680&language=eng

    タイでは2019年第4四半期以降、少しずつ住宅価格が上がってきました。2019年10月の住宅価格指数は144.9で、2020年9月は150.5となっているため、1年間で約5ポイント上がっています。

    なお、動きを細かく見ていくと、2020年2月以降は比較的安定している状況です。タイの住宅市場でも、コロナによる大きな値崩れなどは見受けられません。しかし、コンドミニアムの値動きを見ると注意が必要です。タイのコンドミニアム価格指数は、2020年6月から少しずつ下落しています。2020年6 月の価格指数は190.2でしたが、2020年11月には176.7まで数値を下げており、下半期だけで約13ポイント下落しました。

    前年比率を見ても、2020年9月まではプラスで推移してきましたが、10月と11月はマイナスになっています。なお、2020年11月の前年比率はマイナス3%です。タイでは、地価と土地付き戸建などは2020年も値上がりしましたが、コンドミニアムだけが値下がりしています。

    タイの金利推移

    タイの中央銀行が発表している金利の推移は以下グラフの通りです。


    ※参照:タイ中央銀行 https://www.bot.or.th/App/BTWS_STAT/statistics/ReportPage.aspx?reportID=905&language=eng

    タイでもマレーシアと同様に段階的な利下げが行われており、2020年下半期は金利がほぼ固定されています。2020年1月時点の金利は1.24%でしたが、6月以降は0.49%前後となりました。利下げが始まったのは2月5日であり、2月以降は住宅価格指数も150前後で安定しています。タイでは、金利の引き下げによって住宅価格が少しだけ上がった状況です。

    フィリピンの住宅市場動向

    最後に、フィリピンの住宅価格指数および金利の動向を分析します。フィリピンでは、他の国と比較すると値動きが大きい点に要注意です。

    フィリピンの住宅価格推移

    フィリピンの中央銀行が四半期ごとに発表している統計によると、フィリピンの住宅価格指数動向は以下グラフの通りです。

    ※参照:フィリピン中央銀行 https://www.bsp.gov.ph/SitePages/Statistics/Prices.aspx?TabId=7

    フィリピンでは2020年第2四半期に大きく住宅価格が上昇しました。しかし、第3四半期には2019年末と同水準まで急降下しています。急上昇の反発で下落したものとも考えられますが、今後の価格推移には要注意です。

    なお、フィリピンの住宅価格指数は、2019年第2四半期から第3四半期にかけても約10ポイント急上昇しています。フィリピンの住宅市場では、他の国と比較して急な値動きが起こりやすいです。また、フィリピンでは国全体の不動産価格が首都圏のコンドミニアム価格に引っ張られる傾向が強いと言えます。過去の値動きを見ると、首都圏でコンドミニアムが値上がりすると、フィリピン全体の不動産価格も値上がりする傾向がうかがえます。

    その一方で、首都圏以外のエリアにおけるコンドミニアムは、コロナの前後でもほとんど値動きがありません。フィリピンで物件価格が大幅に変動するリスクを避けたいのであれば、首都圏のコンドミニアムに投資するのは避けるほうが安全です。

    フィリピンの金利推移

    フィリピンではコロナの前後で以下のように金利が推移しています。


    ※参照:フィリピン中央銀行 https://www.bsp.gov.ph/SitePages/Statistics/Financial%20System%20Accounts.aspx?TabId=14

    金利の月平均推移を見ると、フィリピンでは2020年5月から大きく金利が引き下げられています。8月までは段階的に引き下げられており、9月以降は安定している状況です。なお、2020年1月時点の金利は3.58%でしたが、11月には1.46%となっています。フィリピンでは、コロナの前後で約2.1%金利が引き下げられました。

    フィリピンでは金利の引き下げ時期と住宅価格の上昇時期が一致しています。しかし、他の国とは違い、フィリピンの住宅価格は安定していません。一方で、リサーチ会社のColliers Internationalが発表したレポートによると、フィリピンではコンドミニアムの建設工事が遅れており、当面の住宅供給数は減少する見通しです。

    住宅供給の減少が再び住宅価格を押し上げるかどうか、今後のフィリピン不動産市場では、その動向に要注意です。

    ※参照:Colliers International

    まとめ

    日本を除くアジアの各国では金利が引き下げられており、住宅ローンの金利も低下しています。しかし、不動産価格の動きについては、国や物件のタイプによって様々です。例えば、タイではコンドミニアムが2020年の秋以降に大きく値下がりしています。また、フィリピンでは四半期ごとの値動きが大きいです。コロナの収束時期も見通しがつかない2021年初頭時点では、国や物件タイプごとに値動きを確認しながら投資先を選ぶことが重要になります。


    「資産の持ち腐れ」高収入の医師こそ不動産投資が最適な理由

    同じ医師でも「500万円以上」違う…年収格差の実態

    医師は一般サラリーマンより格段に収入が高く、社会的地位も認められています。これは、医師資格を取得するため若い頃から努力を積み重ねてきた恩賞といえるでしょう。厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2019年)によると、医師全体の平均月収は約90万円で、ボーナスなどの臨時収入を含めた年収は約1200万円になります。仮に同年収レベルで30歳から65歳までの35年間働き続けた場合、生涯収入は約4.2億円にのぼり、概ね1.5億円程度といわれる一般サラリーマンの生涯年収と比較して2倍以上の差がつきます。

     

    だからといって医師のすべてが高収入かといえば、そうともいえません。前述の厚労省調査によると、従業者数が10人~99人規模の医療機関では医師の平均年収が1741万円、100人~999人では1455万円、1000人以上では1169万円となっています。10人~99人規模の医療機関は恐らく個人経営などの開業医、1000人以上は大規模な総合病院、すなわち研修医・勤務医の就業先と思われます。

     

    この調査結果から、開業医と研修医・勤務医の間では年額にして500万円以上の大きな格差が生まれていることがわかります。10人~99人規模(開業医)の平均年齢が55.3歳に対し、1000人以上規模(研修医・勤務医)は36.7歳で、若い医師の収入が極めて低い傾向にあります。このまま大規模病院に雇われ続けていたらこの格差を埋めることはできず、また学生時代から重ねてきた苦労や投じた学費を取り返すこともできません。

    将来、「サラリーマン並みの年収」に転落する可能性

    医療を取り巻く喫緊の課題として「医療費の増大」があります。日本国内では、急激な高齢化と医療の高度化に伴い、国や企業が負担する医療費が大幅に膨れ上がっています。国の負担は国民が支払う健康保険料や税金から賄われるものなので、その代償は現役で働く若い世代にのしかかってきます。加えて、医療機関で診察を受ける際は自己負担割合の診察料も払わなければなりません。

     

    今後さらに高齢化が進めば、自己負担1割の後期高齢者医療制度によって現役世代の負担が増えるのは確実です。毎月の健康保険料を律儀に支払い続けても、高齢化だけでなく少子化も相まって保険制度自体が成り立たなくなる可能性もあります。

     

    そのような事態を避けるため、厚労省では医療制度の抜本改革に着手し、まずは「医療費の伸びの抑制」について議論が始まっています。医療費の抑制となると、医療に携わる医師の収入にも少なからず影響が及ぶことになります。

     

    有識者の間では、医療費の適正化(=診療報酬の見直し)についても話題が上がっており、医師という職業の在り方が見直され、これまで築いてきた社会的地位も一般サラリーマンと同等になってしまうかもしれません。

    「医師=高収入」である今こそ、資産形成のはじめ時

    少子・高齢化が加速し続ける限り、医療コストは削減される方向へと進まざるを得ません。そうなると、医師という職業も「安泰」とはいえなくなる時代が到来することになります。

     

    仮説ではありますが、そんな時代が来ても現在と同じ豊かな暮らしを継続するための準備をしておく必要があるのではないでしょうか。その手段のひとつは「投資」です。

     

    投資と一言にいっても、国債や株式・FX、不動産など、その種類はさまざまです。しかし、投資する人の就業環境によっては向き・不向きがあります。たとえば、1日の間に価額が乱高下を繰り返すFXのような商品は多忙な医師に向いていません。

     

    国債や株式は比較的少額から掛けることができるので気軽に取り組めますが、高額資金を動かすことができる医師の皆さんには、ぜひ不動産投資に挑戦していただきたいと思います。

     

    不動産の購入となると数千万円から数億円の資金が必要ですが、一括現金で支払う必要はありません。医師という職業柄、金融機関の融資が通りやすいので、手元に豊富な資金を残したまま不動産を手に入れることができますし、さらにもう1戸、もう1棟と所有不動産を増やし続けることも可能です。

     

    建物の管理についてもさまざまなサービスがあり、家賃の集金から滞納時の督促、突発的な設備の不具合に対応する業者の手配、退去・入居時の書類手続きなど、不動産のプロにすべて任せられる環境が整っています。

     

    <まとめ>

    医師と不動産投資は極めて親和性が高く、リスクを最小限に抑えることが可能な手段です。強いていえば、高収入の医師が不動産投資に取り組まないのは「資産の持ち腐れ」です。せっかくの高収入を得ているのですから、その収入の一部を積極的に運用して不労所得の獲得を目指してみませんか。毎月数万円、数十万円でも不労所得があれば、仕事に対する姿勢や、人生に対する期待も大きく変わってくるものです。

     

     

    大山 一也

    不動産投資、区分の価格が2012年以降で最高に 投資家の55%は「今後も買い進めたい」

    株式会社ファーストロジックは1月15日、運営する不動産投資サイトにおける「投資用不動産市場調査 2020年10~12月期」の結果を発表した。調査では、2020年10月1日から同年12月31日に、運営する不動産投資サイトに新規掲載された全国の物件情報をまとめた。

     2020年10~12月期の一棟アパートの物件価格は6,111万円で前四半期から113万円下落、表面利回りは9.45%で同0.15%上昇した。表面利回りは、期待収益から投資価格を割って算出した利回りで、投資額に対してどれほどのリターンが得られるかを見極める指標のひとつ。一般的に、表面利回りの低下は、物件価格の上昇や期待収益の低下によっておこる。直近の推移は、2020年4~6月期の物件価格は6,132万円で表面利回りは9.55%、2020年7~9月期の物件価格は6,224万円で表面利回りは9.30%だった

     2020年10~12月期の一棟マンションの物件価格は1億8,385万円で前四半期から251万円下落、表面利回りは8.00%で同0.03%低下した。直近の推移は、2020年4~6月期の物件価格は1億6,851万円で表面利回りは8.26%、2020年7~9月期の物件価格は1億8,636万円で表面利回りは8.03%だった。一棟アパート・一棟マンションともに、2020年7~9月期は物件価格が上昇したが、2020年10~12月期は一転して下落した。

     2020年10~12月期の区分マンションの価格は1,714万円で前四半期から76万円上昇、表面利回りは7.06%で同0.29%低下し、集計を開始した2012年以降で過去最高価格と過去最低の利回りとなった。直近の推移は、2020年4~6月期の物件価格は1,576万円で表面利回りは7.52%、2020年7~9月期の物件価格は1,638万円で表面利回りは7.35%だった。区分マンションは新規掲載物件数も大幅に増加しており、コロナ下においても変わらず売買が活況であると同社は指摘している。

     また、株式会社ファーストロジックは、新型コロナが不動産賃貸業に及ぼす影響について、不動産投資家754名を対象に意識調査を実施し、その結果を1月21日に発表した。調査期間は1月7日から11日。

     コロナ禍における今後の不動産投資戦略を聞くと、最も多かった回答は「買い進めたい」で55%を占めた。その理由としては「不景気に拍車がかかると不動産が投げ売りされる傾向にあるため、購入の準備をしておきたい(埼玉県・40代)」「物件価格が下落している話も聞いているので、積極的に買い進めたい(千葉県・50代)」などがあった。そのほかの回答は、「様子を見てから判断したい」が39%、「売却したい」が1%、「その他」が5%だった。

     新型コロナが不動産投資や不動産賃貸業に与える影響を聞くと、「非常に影響がある」が11%、「やや影響がある」が30%で、41%の投資家が影響を受けていた。影響があると回答した理由には「テナント物件で退去が相次ぎ、稼働率が25%まで下がった(茨城県・50代)」「シェアハウスの入居者がなかなか決まらない(東京都・40代)」など、主に空室の期間がのびたという意見が多かった。他方、「あまり影響はない」が23%、「全く影響はない」が18%で、41%の投資家が影響を受けておらず、回答が分かれる結果となった。「どちらとも言えない」は18%だった。

     新型コロナが経済に大きな影響を与える中、コロナ禍をチャンスと捉えて不動産投資に積極的な投資家も多いようだ。



    富裕層優遇批判のバイデン政権…米国不動産市場への影響は?

    新政権誕生…アメリカ不動産市場への影響は?

    2020年のアメリカ大統領選挙は歴史的な接戦の末、民主党のジョー・バイデン氏の勝利。トランプ前大統領は「選挙結果は不当」と批判の声を上げ、泥沼化を懸念する声もありましたが、今年1月にはバイデン氏が正式に大統領に就任しました。

     

    これにより、アメリカ不動産市場にはどのような影響があると現地では考えられているのでしょうか?

     

    米国の不動産ニュースメディア「The Real Deal」がアメリカ国内の不動産関係者465人に行った「どちらの大統領候補が不動産市場により良い影響を与えるか?」というアンケートに対して、回答者のほぼ半数に迫る49%がトランプ氏と答えています。一方、バイデン氏と答えた回答者は29%にとどまりました(※1)。

     

    このアンケートでバイデン氏を選んだ人の地域別の割合を見ると、ニューヨークとシカゴで34%、サウスフロリダで24%、ロサンゼルスに至ってはわずか15%程度(※2)。リベラルな気風で民主党支持者が多く、今回の選挙でもバイデン氏が勝利したカリフォルニア州のロサンゼルスでも低い数字なのは、興味深い結果だと言えるでしょう。

    バイデン政権は不動産市場にどんな影響を与えるか?

    こうした結果を示す大きな理由として、バイデン氏が社会的弱者を重視した政策にシフトすることを予想する人々が多いことが挙げられます。実際にバイデン氏は、低所得世帯向けの家賃補助プログラムの強化を提言するなど“持たざる人々”をサポートする方針をすでに示しています。

     

    またバイデン氏は富裕層の優遇傾向を批判していることでも知られており、トランプ政権下の2017年に成立した税制改革法についても強く批判。法人税の引き上げなどにも積極的な姿勢を示しています。

     

    バイデン氏が大統領に就任することで、富裕層を優遇するような政策や税制の大幅な見直しが予想されますが、とりわけ不動産業界人が特に気にしているのが「1031エクスチェンジ」と呼ばれるアメリカ独自の税制度の行方です。

    バイデン大統領は「1031エクスチェンジ」廃止も検討

    「1031エクスチェンジ」とは不動産投資にも大きく関わる税制度。通常、不動産を売却した際の差益にはキャピタルゲイン税が発生しますが、その売却益を同種の不動産に再投資することを条件に、キャピタルゲイン税の繰り延べができるという制度です。

     

    一見、税の支払いを先送りしているだけのようにも見えますが、この制度には「税として収めるはずの金額も元本に含めて再投資できる」という大きなメリットがあります。つまり、レバレッジを効かせた運用ができるのです。

     

    ミレニアル世代を中心とした需要増加や、住宅ローンの金利がかつてないほどに低くなっていること、また在宅時間が長くなったことで住居の品質を重視する人が増えたことなどが背景として考えられます。こうした地域では不動産需要はコロナ禍以前よりも高まっており、物件価格も上昇傾向にあるようです。

     

    これは投資家にとって有利なことはもちろん、不動産市場全体にとってもプラスに働きます。税徴収を免れたキャッシュは、不動産市場にとどまるからです。しかし、バイデン氏はこの1031 エクスチェンジの廃止も視野に入れていると見られており、投資家や不動産業界団体のなかにはそれによって不動産市場全体がシュリンクしてしまうのでは……と心配している人も多いというわけです。
     

    バイデン氏の大統領就任で、大きな変化が訪れるかもしれないアメリカ不動産市場。今後の動向にも要注目です。

     

    【俺はググらない】お金持ちになるにはどうすればいいの 井上はじめさん「収入を増やさなくてもお金持ちになれる」

    お金持ちになるには特別な才能や稼げる職業についていないと無理…?「そんなことはありません」と言うのは、1億円の資産を持っている井上はじめさんです。「33歳で手取り22万円の僕が1億円を貯められた理由」(新潮社)で、節約によって浮いた生活費を投資信託で増やし、さらに不動産投資で資産を増やした方法を明かしています。

     そんな井上さんのお話は、お金とはなんなのか、さぐるヒントになりそうです。

     本で紹介した通り、自分の純資産額は今でも必ず毎月記録しています。2012年には700万円だった資産は、2021年2月に1億円になりました。私が働いて稼ぐ額は年間300万円くらいですが、ここ数年は純資産が毎年500万円以上ずつ増えています。自分で決めたタイミングにしたがって利益確定する自分ルールも、今も変えずに続けています。

     節約で生活費を浮かす、と言っても、私はガマンを続けることができるほど意志の強い人間ではありません。「冷蔵庫にカーテンを引くと電気代の節約になる」とか「風呂にペットボトルを詰めれば水道代が浮く」とか巷間言われていることはひととおり試してみて、光熱費や水道代をチェックしましたが、ガマンの割にはあまり意味があるとも思えませんでした。

     食費は毎月どれくらいかかっているかをちゃんとチェックしていましたね。もともと飲み会がきらいで、誘われたときに断ることに躊躇はありません。出世しようとも思っていませんから。毎月10万円を投資信託に回して「億万長者になるんだ」と心にかたく決めていたので、ぜいたくはしないようにしようというモチベーションは高く維持できました。

     生活費や食費ももちろん大事なのですが、私が意識的にしている節約は、むしろ「再販価格を知る」ということです。15万円で買ったノートパソコンも、使った後10万円で売れれば実質5万円で買ったことになりますよね。買うときから、使い終わった後に高く売れるものを選ぼう、と考えるようにしています。実は私の不動産投資の考え方も同じ。もともと社員寮にいた私は、住居費にお金をかけることにものすごく抵抗がありました。でも、割安なマイホームを購入して、節約してリフォームし、買ったときより高く売れれば、家賃はタダどころかむしろ利益が出る、ということに気づいて不動産投資を始めたのです。不動産に限らず、たとえば車を買うなら再販価格まで含めて考えると「意外と軽自動車を買うよりもベンツを買った方がお得なのかも?」とか考えて買い物をするようにしています。

     節約が身に染みついたのは、母の影響でしょう。買い物では広告の品を買い求めるし、貯金もしていました。家具や家電は古ぼけた感じだったので、小さい頃は「うちはとても貧乏なのだ」と思っていました。でも、高校まで好きな野球をやらせてくれるなど、必要と思ったことにはお金を出してくれました。今では私が家族の中で一番ケチだと思われていて、初任給で親にプレゼントをあげたときには「ケチなあんたが珍しい」なんて言われました。

     なぜ「億万長者になりたい」とこだわっているかと言うと、公務員の父の背中を見てきたということが大きいと思います。父は毎日終電が終わった後に帰宅し、休みはゴルフ。長い年月を、週6日は仕事にささげるような仕事人間。もちろん尊敬はしつつも、「これが普通の働き方なのだとしたら、とても自分にはできないな」と思ったのです。お金に対する不安が強く、こんな働き方をしなくても生きていくにはどうすればいいか、とずっと考えていました。それで大学生の頃に、たまたま読んだ新聞記事をきっかけにして、「これから人口増で成長が見込まれる『世界経済』に投資信託をする」という方法を考え出したのです。

     お金を持つことによって一番変わったのは、そういうメンタルの部分かもしれません。22歳くらいの頃は、不安ばかりで精神的に病んでいると言ってもいい時期でした。しかし今は働いて得る給料以外にもお金の増やし方が決まり、支出もコントロールできているため、少なくともお金の面ではどんなことがあってもメンタルを左右されることはないと思います。どうあってもお金に困らないという方法論を自分で見つけられたので、人からは「人生楽しそうに過ごしている」と言われます。

     私のお金の増やし方は、「節約して浮いたお金は銀行ではなく『世界経済』に預けて増やす」「安く買った掘り出し物をきれいにして高い値段で売る」というふたつなので、そのまま小学生が「お金持ちになる」ための役に立つアドバイスをするのは難しいですが、どうしたら節約できるか、については、アドバイスできると思います。節約する、というのは、「使うお金を減らす」ということですよね。それには、「ニーズとウォンツを分ける」ということが大事なんです。ニーズ、つまり「必要なもの」はためらいなく買うけれど、ウォンツ、すなわち「欲しいもの」は衝動買いしてはいけません。いったん「欲しい」という気持ちを寝かせて、1か月後も「欲しい」という気持ちが続くようであれば、そのとき購入するようにすると良いですよ。

     私自身、小学生の頃からそれを実践しています。ドンキーコングのゲームソフトがどうしても欲しかったのですが、1か月たってみるとそこまで欲しくなくなり、結局買わなかったことがありました。逆に大人になって、いろいろな機能のついた体重計を衝動買いしたことがありましたが、2週間で使わなくなってしまいました…あのときはすごく悔しかったです…。

     将来は東京を離れてペンション経営をしたいという夢があります。節約ばかりの生活は「しんどい」「そんな人生何が楽しいの?」と言われるかもしれませんが、僕は節約の方法をあれこれ考えること自体が楽しいですし、お金の面で不安を覚えずに済むという今の生活には大変満足しています。コロナ禍はとても大変なことですが、自分がやるべきことは変わりません。

     稼いで貯めただけの1億円を持っている、という状態はまだ不安だと思うんです。稼げなくなったら減ってしまうかもしれませんよね。でも、増やして貯めた1億円なら自分の中にノウハウがあるので減ることはないし、たとえ減っても再現性があるので取り返せます。そうした安心感を手に入れられたのは、とても大きいことだと思います。


    モゲチェック、住宅ローンの審査に通る確率をオンラインで瞬時判定可能に


    オンライン住宅ローンサービス「モゲチェック」を運営する株式会社MFSは1月25日から、モゲチェックに各金融機関の住宅ローン審査に通る確率(融資承認確率)を推定する機能を追加している。年齢、年収、職種、業種などの12項目のユーザー情報を入力すると、融資承認確率付きのランキングが瞬時に表示される。また、融資承認確率は借り入れ希望額や自己資金の金額によって変わるため、住宅購入の予算を検討するシミュレーションとしても利用可能。ユーザーが自分の融資承認確率を確認してローンを選ぶことで、効率的に住宅ローンの申し込みができる。

    例年2〜3月は住宅購入シーズンだが、コロナ禍によって、業種によっては金融機関の住宅ローン審査が厳しくなってきている。またオンライン上で住宅ローンを選ぶ動きが広がっており、住宅ローンを借りた人の約3人に1人が住宅ローンを利用する上で役立った情報源として「インターネット」と回答。コロナ禍の長期化で、この流れはさらに加速すると同社は予想する。

    一方で、オンラインの住宅ローン申し込みには、審査に通るかどうかが分からないため最適なローンを選べないという課題があった。そこで、モゲチェックでは、過去に取り扱った4000件以上の住宅ローンの審査結果を分析、12項目のユーザー情報から金融機関ごとに融資承認確率を推定する計量モデルを開発した。ユーザーはモゲチェックに登録することで、どれくらいの確率で金融機関の審査に通るかの推定値を確認し、確率の高い金融機関を選んでローンを申し込むことができる仕組み。「コロナ禍で変わる審査傾向に対応した住宅ローン選びのための新しいツール」(同社)として打ち出す。

    モゲチェックは、オンライン上でユーザー属性に応じた最適な住宅ローンを紹介するシェアNo.1のオンライン住宅ローンサービス。個人では比較が難しかった住宅ローンを「誰もが最適な住宅ローンを簡単に選べるようにする」ことを目指し、2015年8月から提供を開始した。新機能の融資承認確率をはじめ、年齢、地域、自己資金に応じたランキング表示、一部金融機関との提携によるユーザー限定の特別金利など、個人がより利用しやすいサービス拡充に注力している。

    ほか、住宅ローンの借り入れ可能額を判定する「モゲパス」や不動産投資をサポートする「モゲチェック不動産投資」など、ファイナンスとテクノロジーを融合した各種サービスを提供。関連サービスも含めて利用者数は4万3000人を超えた。

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    不動産活用 の新選択!「住宅サブスクリプション」は変革を起こすか サブスクリプションというと「定額制サービス」というイメージを持っている人も多いかもしれません。サブスクリプションとしては車や洋服、音楽配信などがおなじみですが、その波が不動産の世界にも押し寄せているのです。「住宅サブスクリプション」と呼ばれるサービスが登場し定額制で各地にある住宅を利用できることから「定住以外の選択肢」として人気を集めています。 ここでは住宅サブスクリプションが人気を集めている理由と今後の不動産投資への影響について解説します。 住宅サブスクリプションとは (画像=Pixelbliss/Shutterstock.com) 住宅サブスクリプションは新しい概念なので最初に概要を確認しておきましょう。毎月定額料金を支払うことで「使い放題」になるのがサブスクリプションの特徴ですが、このサービスを住宅に当てはめた形が住宅サブスクリプションです。単なる「住み放題」であれば従来の賃貸住宅と同じですが、住宅サブスクリプションではサービス事業者が提供している各地の住宅物件を自由に利用することができます。 例えば業界大手のHafH(ハフ)は、「定額で世界中住み放題」がキャッチコピーです。日本国内では東京、大阪をはじめ兵庫や静岡、石川、山口など海外にはマレーシアやベトナム、オーストラリアなどで物件が利用できます。これらの施設はいずれもゲストハウス形式になっているため、定額料金で各地を泊まり歩くことができるのです。 優良物件への近道、投資での不動産販売会社を選ぶコツ 多くの優良物件は「人」を介して見つかる ここからは、具体的な優良物件の探し方のコツを見ていきます。優良物件は、不動産販売会社の店頭に並ぶマイソクやインターネットに公開されている情報から見つけることもできますが、そうした誰もが手に入れることができる情報源から探し出すのは、容易なことではありません。 ですから、いかに情報を早く手にするかが大事になってくるのです。そこでポイントになるのが「人」です。公にはされていない物件情報や、「◯◯さんがアパートを売りたがっている」という話を、人的ネットワークを駆使して仕入れていくのです。 その「人」とは、当然ながら

    「完」不動産投資へのこだわり!10    月2000万円の収入でも「破滅寸前…」大家撃沈、酷すぎる末路「不動産 投資 初心者 勉強」

    月2000万円の収入でも「破滅寸前…」大家撃沈、酷すぎる末路 「あれも」「これも」手当たり次第はもう最悪 私は流儀一の中で「目標は高く掲げるが、それを越えてはいけない」と書いた。そこで私が強調したかったのは、目標を決めたらそこに向かって集中しろということだった。 不動産投資に興味をもつと、本を読んだり人の話をききかじったりして「あれも」「これも」と無計画に手を広げる人が少なくない。それではダメだ、ということがいいたかったのだ。 それと一見、矛盾するようだが、ここでは目標を達成したら次の目標にチャレンジだ、という点を強調したい。 「地道な作業」であることを理解していない人が多い。 あとで詳しく説明するが、私はいままで本業の工務店とは別に、いくつもの会社をつくってきた。たとえば「賃貸マンション20棟購入費(土地建物20億円)」という目標を設定したら、その目標を達成する受け皿として会社をひとつつくるのだ。 そしてその目標を達成したら、また新しい目標をたて、新しい会社をもうひとつつくる。私はこうしては、ゆっくりと、しかし確実に自分の所有する1棟マンションの数を増やしてきた。目標は、あくまで通過点にすぎないのだ。 銀行に返済後、残りわずかな利益を享受する地味な作業 わたしはよく自分がたてた目標をビーカーにたとえることがある。大家さん業というのは、月々いただく家賃から銀行への返済を行い、残りのわずかな利益を、すこしずつビーカーに集めていくようなものだと思うことがあるからだ。 少しずつしか、たまってはいかないが、しんぼう強く続けていれば、いつかはいっぱいになってくれる。 しかしビーカーばかり増やしていたら、どうなるだろうか。なかなか水はいっぱいにならない。ひとつのビーカーにゆっくりとではあるが確実に水がたまっていくイメージと、カラに近いビーカーばかりがならんでおり、あちらにポツリ、こちらにポツリと水が落ちているイメージをくらべてみてほしい。どちらがプラスのイメージかは、いうまでもないだろう。 ひとつのビーカーがいよいよいっぱいになったら、つぎの目標をたてるタイミングがきたということだ。 このビーカーこそが、私のいう「大家さんとしての目標」であり、その目標を達成するためにつくった

    「完」不動産投資へのこだわり!3  オーナーチェンジ物件購入時に知っておきたいメリットとデメリット「不動産 投資 初心者 勉強」

    オーナーチェンジ物件購入時に知っておきたいメリットとデメリット 不動産投資を始めるにあたって、オーナーチェンジ物件の購入を検討される方も多いのではないでしょうか。入居者の賃貸契約を継承するオーナーチェンジ物件は、新築マンションとは違ったメリットとデメリットが存在しています。 この記事では、オーナーチェンジ物件を購入する際に知っておきたいメリットとデメリット、また注意しておきたい点についてご紹介します。 まとめ オーナーチェンジ物件購入時に知っておきたいメリットとデメリット、また購入時に注意したいことについて確認しました。オーナーチェンジ物件はすぐに家賃収入が得られますので、その点では初めて不動産投資をする方にとって安心できると言えるでしょう。 しかし、メリットだけではなくデメリットもあります。オーナーチェンジ物件を購入する際は、売主が物件を売却する理由や、現在と過去を含めた賃貸状況など色々な視点から慎重に確認するようにしましょう。 新築ワンルームマンション投資 の否定論に対する反論と成功術7カ条 新築ワンルームマンション投資は、不動産投資の中でもメジャーな分野です。しかし、ネットの記事や書店で売っている不動産投資関連書籍などを見ると、「やめておいた方がよい」といった論調のネガティブな情報が多いことにお気づきの方も多いことと思います。 しかしその一方で、実際には新築ワンルームマンション投資で利益を上げている不動産投資家はたくさんいますし、成功事例も数え切れないほどあります。これらの相反する情報に触れると、「結局、どっちなの?」と頭を抱えてしまう方も少なくないでしょう。 当記事では、新築ワンルームマンション投資について結局のところどうなのか?という結論を、さまざまな角度からの情報を交えながら導き出してみたいと思います。当記事は10分ほどで読めますので、10分後には新築ワンルームマンション投資について正しい認識を持ち、的確な投資判断ができるようになっているはずです。 1.今さら聞けない、新築ワンルームマンション投資のメリット7つをおさらい (画像=takasu/Shutterstock.com) 新築ワンルームマンション投資には、多くのメリットがあります。それぞれのメリットを正しく

    「完」SUBARUへのこだわり!2    スバル社長「今期赤字にしない」との意志、経営陣で確認=株主総会

    スバル社長「今期赤字にしない」との意志、経営陣で確認=株主総会 [東京 23日 ロイター] - SUBARU(スバル)( 7270.T )の中村知美社長は23日、東京都内で開いた株主総会で、2021年3月期(今期)の業績予想を「遅くとも第1・四半期決算までには開示する」との意向を示した。新型コロナウイルス感染の第2波リスクを含め、市場動向が分からない時期だからこそ、精緻な予測以上に「今はこうしたいのだという経営の意志が大事だ」と指摘。「非常に厳しい状況だが、絶対に赤字にはしないということを全経営陣で確認し合っている」と述べた。 中村社長は株主に足元の新車販売状況を説明。5月は日本での全体需要が前年比55%のところ、スバルは同30%だった。感染拡大に伴う生産休止による車両供給遅れ、外出自粛による来店者・受注の減少が響いたが、「週を追うごとに来場者数、商談数は回復傾向にある」と述べた。主力の米国では5月の全体需要が70%の中、スバルは81%で、「少しずつ正常化に向けた兆しを感じ始めている」と話した。 ADVERTISEMENT ただ、米国は感染者数が世界最多で先行きも不透明なため「慎重な対応が必要」とも指摘。第2波が起きた場合でも「取引先の支援や従業員の雇用を維持した上で事業を継続していく。キャッシュを機動的に使って対処する必要がある」として手元資金の確保、追加の資金調達もできるよう検討を進めていると語った。 株主からは、前期が増収増益にもかかわらず、期末配当が前の年から減配となったことに不満も上がった。中村社長はこうした声に対し、減配後も配当性向50%を維持しているほか、「米国次第で(業績は)左にも右にも揺れる。リスクは高い」とし、「今後の資金需要に備えたい」と述べ、株主に理解を求めた。 自動車メーカーSUBARU 2か月半ぶり 群馬の工場で通常生産再開 自動車メーカーの「SUBARU」は、新型コロナウイルスの影響で、群馬県の工場の生産を通常の半分程度に抑える生産調整を行っていましたが、22日、2か月半ぶりに通常の生産を再開しました。 SUBARUは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、部品の調達が困難になったことなどから、群馬県の太田市と

    「完」不動産投資へのこだわり! 投資は東京・大阪・名古屋にこだわるべき 「不動産 投資 初心者 勉強」

    回復し続ける地方の地価 それでも投資は東京・大阪・名古屋にこだわるべき 東京 (写真=ESB Professional/Shutterstock.com) 東京駅前や日本橋、虎ノ門、新宿、渋谷などの重要エリアで、大型開発が進行中です。次世代に対応した先進都市になることが予想されているため、今後も賃貸需要やある程度の地価の安定が期待できます。 大阪 (写真=PIXTA) 大阪駅周辺のうめきたや2025年大阪万博の会場である夢洲をはじめとする大型再開発、主要路線の整備が進行中です。また、大阪は国内でも有数のインバウンド好調エリアです。こういった背景を考えると、今後も賃貸需要や地価上昇が期待できます。大阪はIR(カジノを含む統合型リゾート)の候補地でもあります。決定すれば勢いが増すことでしょう。 名古屋 2030年100兆円産業「MaaS」丸わかり。 不動産の価値 が根底から変わる? ウーバーでは電動飛行機によるMaaSの試験も CREALが、不動産投資クラウドファンディングにおけるリサーチで運用資産残高No.1を獲得!! ■会社概要 社名:株式会社ブリッジ・シー・キャピタル 代表取締役社長:横田 大造 所在地:〒104-0061 東京都中央区銀座2-16-11 片帆ビル3階 TEL:03-6264-2590 イラン、通貨の信用不安深刻化…車や不動産投資、仮想通貨に走る イランで通貨リアルの下落に歯止めがかからず、信用不安が深刻化している。車や不動産、金などに投資して資産の目減りを防ぐ動きが続き、仮想通貨への投資も増えている。イラン沖のホルムズ海峡近くで日本のタンカーなどが攻撃される事件が起き、米との軍事的緊張がさらに高まる中、経済悪化が続いて原油輸出に悪影響が出るとみる評論家もいる なぜ不動産投資の営業マンは自分で物件を買わない? なぜ自分でやらない?の答えは「買えないから」 投資マンションの相続で使える?「小規模宅地等の特例」の条件とは 投資マンションを所有している投資家の心配の種の一つは、「相続税はどれくらいになるのか」という点ではないでしょうか。不動産投資の対象となる土地や建物は、現預金よりも相続税評価額が低くなりますが、それでも

    「完」サンフレッチェ広島へのこだわり!2   Jリーグが「ユース出身選手」ベストイレブンを紹介!今季デビューの広島・守護神からG大阪の“史上最高傑作”まで揃い踏み!

     Jリーグが「ユース出身選手」ベストイレブンを紹介!今季デビューの広島・守護神からG大阪の“史上最高傑作”まで揃い踏み!  Jリーグが選んだ“Jユース出身選手”ベストイレブンは以下の通り。   GK 大迫敬介(サンフレッチェ広島)   DF 立田悠悟(清水エスパルス) 瀬古歩夢(セレッソ大阪) 岩田智輝(大分トリニータ)   MF 菅 大輝(北海道コンサドーレ札幌) 田中 碧(川崎フロンターレ) 齊藤未月(湘南ベルマーレ) 橋岡大樹(浦和レッズ) 遠藤渓太(横浜F・マリノス) 土居聖真(鹿島アントラーズ)   FW 宇佐美貴史(ガンバ大阪) にほんブログ村 広島県トレセンU-16(2019年度 国体・少年男子) 監督 岩成 智和 株式会社サンフレッチェ広島 選手 1 GK 為岡 進悟 広島県瀬戸内高等学校 2 MF 森本 凜 広島県瀬戸内高等学校 3 DF 豊田 将大 広島県立吉田高等学校 4 DF 山口 宙  広島翔洋高等学校 5 MF 藤野 和樹  広島県立吉田高等学校 6 MF 光廣 健利  広島県立吉田高等学校 7 FW 森夲 空斗  広島県立吉田高等学校 8 MF 池田 柚生  広島県立吉田高等学校 9 MF 山根 留偉  如水館高等学校 10 DF 西村 岳  広島県立吉田高等学校 11 FW 菅野 翔斗  広島県立吉田高等学校 12 GK 波多野 崇史  広島県立吉田高等学校 13 FW 島津 大輝  広島県立広島皆実高等学校 14 MF 入江 大雅 広島県立広島皆実高等学校 15 DF 香取 潤  広島県立吉田高等学校 16 MF 田部 健斗 広島県立広島皆実高等学校 17 DF 増村 風月 広島県立吉田高等学校 18 GK 宮本 駿世 広島県立広島皆実高等学校 最も走ったチーム&選手は…J1第21節の走行距離発表 8月2日、3、4日に行われたJ1第21節における選手の走行距離などのトラッキングシステムによるデータが発表になった。  第21節で最も走行距離が長かったチームは サンフレッチェ広島 で113.366km、2位は 松本山雅FC で112.958km、3位は 北海道コンサドーレ札幌 で112.345km。逆に最も短かったのは、 川崎

    「完」不動産投資へのこだわり!15      甘い話に要注意! 投資の教訓は失敗談から学ぶ

    日本人の平均貯蓄額に絶句…資産形成にスペイン不動産はどう? ランキングは語る「スペインの住みやすさ」 スペインは、移住先ランキングや海外移住者に人気の都市ランキングで常に上位に入っています。   たとえば、海外在住者に人気の都市を調査した『InterNations Expat City ランキング2020』によると、人気トップ10の中にスペインの4都市がランクインしました。   まず、バレンシアが気候や家賃相場、医療形体などで高評価を獲得し、同ランキングで堂々の1位を獲得しました。この都市に続き、地中海沿いに位置するアリカンテが2位、マラガが6位、そして最後にスペインの首都マドリードが9位にランクインしました。   [図表1]海外在住者「人気の都市」ランキング 出所:InterNationsより     また、アメリカのレミトリー社が世界101ヵ国を対象に行った各国の移住したい国ランキングでは、101ヵ国中12ヵ国で、スペインの移住を願っている人が多いことが判明しました。世界各国の中で、移住したい国3位にランクインしたのです。   人気の理由は前ランキングと同様、医療体制の良さ、治安の安定、生活の質があげられました。   [図表2]世界で移住したい国ランキング 出所:Remitly世界で移住したい国ランキングより   これらのランキングは、いかにスペインが移住先や投資先に適しているかを表しています。医療体制が整っているほか、生活の質、得に食生活の質はとても高水準です。その証拠に2019年ブルームバーグによって発表された「健康な国指数」ランキングではスペインが堂々の1位を獲得しました。   リタイア後、生活の質の向上のために物件を買って移住したり、バケーションなどの長期滞在用に、不動産の購入や賃貸を始めたりしています。賃貸需要が途絶えることはありませんので、「スペインに住んでみたい」という人を対象に賃貸用の不動産物件投資をするのも良いでしょう。 スペイン不動産は女性にもオススメ スペインの個人不動産投資家の多くは女性です。株やFXなどそのほかの金融商品に比べ、不動産投資では市場動向を事細かに気にする必要がなく、時間のない方に向いている点、将来の事を考え長期的な投資をしたい女性に適している点が理由としてあげられます。   老後に必要な資金は現在2,000万円とも3,