SUBARU、「シフォン」一部改良モデルを発表 - 「スマートアシスト」を標準装備
SUBARUはこのほど、「シフォン」を一部改良し、発売した。
今回の一部改良では、ステレオカメラを刷新した「スマートアシスト」を標準装備。衝突警報機能、衝突回避支援ブレーキの性能を高めたほか、新たに路側逸脱警報機能、ふらつき警報などを搭載し、安全性能を向上させた。
さらに、ターボエンジン搭載のグレードでは全車速追従機能付アダプティブクルーズコントロールの作動速度域を広げ、長距離の走行でもドライバーの負荷をこれまで以上に軽減する。また、「シフォン カスタム」に新グレード「R Limited スマートアシスト」「RS Limited スマートアシスト」を設定。大型フロントグリル&バンパーガーニッシュやサイドガーニッシュを装備した専用の外装とし、「RS Limited スマートアシスト」にはさらに専用デザインの15インチアルミホイールを採用した。価格(税込)は、「シフォン」は134万2,000円〜172万7,000円。「シフォン カスタム」は174万9,000円〜206万2,500円。ボディカラー「シャイニングホワイト・パール」「レーザーブルークリスタルシャイン」「プラムブラウンクリスタル・マイカ」は2万7,500円高。
「ホワイト/ブルーミンクピンク・メタリック」「ホワイト/ファイアークオーツレッド・メタリック」「ブラック・マイカメタリック/ファイアークオーツレッド・メタリック」は6万6,000円高。
「ホワイト/レーザーブルークリスタルシャイン」「ブラック・マイカメタリック/シャイニングホワイト・パール」「ブラック・マイカメタリック/レーザーブルークリスタルシャイン」は7万7,000円高となる。
なお、「シフォン」はダイハツ工業からのOEM供給。また、「スマートアシスト」はダイハツ工業の登録商標となる。
雪国支持率高し! ターボ車追加で話題のスバル「フォレスター」の魅力とは
水平対向エンジンやアイサイトなど、スバルのアイデンティティが満載
2019年、スバルは北米市場において初の販売台数70万台を突破しましたが、その大躍進の立役者となったのがSUVの「フォレスター」で、2019年には年間18万179台を販売するスバルの人気モデルとなっています。
そんなスバルを代表するフォレスターですが、オーナーはどのような部分を魅力に感じているのでしょうか。

雪国で高い人気を誇るスバル「フォレスター」。オーナーが魅力に感じているのはどこ? フォレスターは、1997年に初代モデルが登場し、現行モデルは2018年に登場した5代目です。
水平対向4気筒エンジンとAWDを組み合わせたことによる走りの良さは、初代から続くフォレスターの伝統となっています。日本自動車販売協会連合会が発表した普通車販売台数ランキングによると、2020年1月から6月にかけては、コロナ禍の影響を受けながらも、1万1358台を売り上げ、ランキング31位を記録。
プラットフォームは、「インプレッサ」から始まった新世代プラットフォーム「SUBARU GLOBAL PLATFORM」を、2018年登場の5代目から採用することにより、ホイールベースを延長する一方で、前後オーバーハングを切り詰めて居住空間の拡大と街中での取り回しの良さを両立しました。
いまやスバルの看板技術となった運転支援機能「アイサイト」も、現行モデルではバージョン3にアップデートされ、ステレオカメラを用いることで対車両では速度差50km/hまで衝突回避可能です。
また、高速道路などでアクセルやブレーキなど、運転の主要な操作を補助することで、高速道路などでの疲れやストレスを大幅に軽減する「ツーリングアシスト」は全グレード標準装備となっています。
フォレスターのボディサイズは、全長4625mm×全幅1815mm×全高1730mm。先代モデルよりもホイールベースが延長されたにも関わらず、最小回転半径は、0.1m大きくなった5.4mと、実質上の取り回しは変わらないといえます。
従来から使いやすさに定評があったインテリアは、質感もさらに向上し、前後にシートヒーターを備えるなど機能面を見ても充実。「X-BREAK」グレードには、専用の内装として黒をベースに、シートとドアにグレーを、加飾やステッチにはオレンジのカラーが採用されており、SUVらしいアクティブさをアピールしています。
搭載されるパワートレインは、2.5リッター自然吸気エンジンのガソリン車と、「e-BOXER」と名付けられた2リッター+モーターのハイブリッド車をラインナップしていましたが、2020年10月の一部改良により、2.5リッターガソリン車を廃止して、新たに1.8リッターターボのガソリン車を追加しました。
エンジンはすべて水平対向4気筒、いわゆる「SUBARU BOXER」を搭載。水平対向ならではのなめらかな回転感覚と低重心を実現しているのは、これまでのスバルモデル同様で、駆動方式はすべてAWDが採用されています。
WLTCモード燃費は、ターボ車が13.6km/L、ハイブリッド車が14.0km/Lとなり、かつては「水平対向エンジンは燃費が悪い」というイメージもありましたが、現行モデルではかなり向上されています。
細かなところまで配慮が行き届いているのもフォレスターの特徴です。
たとえばリアハッチの開口部分は1300mmと、フォレスターより大型のSUVと比較してもトップクラスの広さで、ゴルフバッグが横置きですっぽりと収まります。
また、サイドシルがドアパネルで覆われているので、乗り降りの際にパンツやスカートの裾が、車体についた泥などで汚れるのを防いでくれます。
グレードは、ハイブリッドモデルが「Touring」「X-BREAK」「Advance」の3種類、ターボエンジンモデルが「SPORT」の1種類となり、価格は291万5000円から328万9000円です。
2019年、スバルは北米市場において初の販売台数70万台を突破しましたが、その大躍進の立役者となったのがSUVの「フォレスター」で、2019年には年間18万179台を販売するスバルの人気モデルとなっています。
そんなスバルを代表するフォレスターですが、オーナーはどのような部分を魅力に感じているのでしょうか。

フォレスターは、1997年に初代モデルが登場し、現行モデルは2018年に登場した5代目です。
水平対向4気筒エンジンとAWDを組み合わせたことによる走りの良さは、初代から続くフォレスターの伝統となっています。日本自動車販売協会連合会が発表した普通車販売台数ランキングによると、2020年1月から6月にかけては、コロナ禍の影響を受けながらも、1万1358台を売り上げ、ランキング31位を記録。
プラットフォームは、「インプレッサ」から始まった新世代プラットフォーム「SUBARU GLOBAL PLATFORM」を、2018年登場の5代目から採用することにより、ホイールベースを延長する一方で、前後オーバーハングを切り詰めて居住空間の拡大と街中での取り回しの良さを両立しました。
いまやスバルの看板技術となった運転支援機能「アイサイト」も、現行モデルではバージョン3にアップデートされ、ステレオカメラを用いることで対車両では速度差50km/hまで衝突回避可能です。
また、高速道路などでアクセルやブレーキなど、運転の主要な操作を補助することで、高速道路などでの疲れやストレスを大幅に軽減する「ツーリングアシスト」は全グレード標準装備となっています。
フォレスターのボディサイズは、全長4625mm×全幅1815mm×全高1730mm。先代モデルよりもホイールベースが延長されたにも関わらず、最小回転半径は、0.1m大きくなった5.4mと、実質上の取り回しは変わらないといえます。
従来から使いやすさに定評があったインテリアは、質感もさらに向上し、前後にシートヒーターを備えるなど機能面を見ても充実。「X-BREAK」グレードには、専用の内装として黒をベースに、シートとドアにグレーを、加飾やステッチにはオレンジのカラーが採用されており、SUVらしいアクティブさをアピールしています。
搭載されるパワートレインは、2.5リッター自然吸気エンジンのガソリン車と、「e-BOXER」と名付けられた2リッター+モーターのハイブリッド車をラインナップしていましたが、2020年10月の一部改良により、2.5リッターガソリン車を廃止して、新たに1.8リッターターボのガソリン車を追加しました。
エンジンはすべて水平対向4気筒、いわゆる「SUBARU BOXER」を搭載。水平対向ならではのなめらかな回転感覚と低重心を実現しているのは、これまでのスバルモデル同様で、駆動方式はすべてAWDが採用されています。
WLTCモード燃費は、ターボ車が13.6km/L、ハイブリッド車が14.0km/Lとなり、かつては「水平対向エンジンは燃費が悪い」というイメージもありましたが、現行モデルではかなり向上されています。
細かなところまで配慮が行き届いているのもフォレスターの特徴です。
たとえばリアハッチの開口部分は1300mmと、フォレスターより大型のSUVと比較してもトップクラスの広さで、ゴルフバッグが横置きですっぽりと収まります。
また、サイドシルがドアパネルで覆われているので、乗り降りの際にパンツやスカートの裾が、車体についた泥などで汚れるのを防いでくれます。
グレードは、ハイブリッドモデルが「Touring」「X-BREAK」「Advance」の3種類、ターボエンジンモデルが「SPORT」の1種類となり、価格は291万5000円から328万9000円です。
レヴォーグ の次は BRZ だ…2021年からスバルは新しくなる?
最近一貫してスバル推しの『月刊自家用車』だが、『レヴォーグ』がカーオブザイヤーを受賞してご同慶の至り。新年1月号の巻頭特集は「SUBARU新章突入」、2021年モデルをまとめた。販売が始まる『BRZ』にも当然ながら、期待が寄せらている。
いっぽう2021年もSUV人気が続くと『月刊自家用車』では予想しており、第2特集は「2021年人気SUVの見所総チェック!」だ。2021年の特集としながら「秋ドライブ」の見出しを打ったのはちょっとマズったが、マツダ『MX-30』の試乗記は参考になるかも。
見出しで言うとホンダの『N帝国』に注目。ホンダは「H」のメーカーだったのが、日本市場ではいまや「N」のメーカーになったことを端的に表している。記事ではその強さの秘密を解き明かす。フルモデルチェンジした『N-ONE』を中心に構成されているが、改良新型が予告された『N-BOX』は編集スケジュールに間に合わなかったか。ホンダN-ONE新型
1月号の名車探訪では日産『シルビア』をフィーチャーした。S13をメインに『180SX』やダットサン「1500クーペ」、歴代、さらに歴代のライバルを紹介する。日産シルビア初代
気になる見出し……●2021年モデル大集合 / SUBARU新章突入●[新型]BRZついにアンヴェール!●[新型]レヴォーグ公道試乗レポート●2021年人気SUVの見所総チェック!●HONDA『N帝国』強さの秘密●名車探訪NISSANシルビア●全国新車購入値引き生情報『月刊自家用車』2021年1月号
★出版・編集関連事業に携わる方々へ:御社で発行されるモビリティ(自動車、モーターサイクルなど)関連書籍・雑誌を当編集部までお送りください。『レスポンス』サイト上にて紹介させていただきます。送り先は「〒163-0228 東京都新宿区西新宿2-6-1 新宿住友ビル28階 株式会社イード『レスポンス』編集部」。
武闘派スバル女子が「WRX S4 STI」の2モデルを乗り比べ! 軍配はどちらに!?
WRX STIが昨年の終売に伴い、SUBARUの硬派なスポーツセダンはWRX S4となりました。そこで武闘派スバリストの今泉あやさんに、「STI Sport EyeSight」(416万9000円)と、500台限定で既に販売終了している「WRX S4 STI Sport♯」(474万1000円)の2台を試乗してもらい、このモデルの魅力を語ってもらいます。
運動性能と安全性を突き詰めて両立!
「WRX S4 STI Sport EyeSight」
現行のWRX S4が登場したのは2014年8月のこと。WRXの名は、もともとインプレッサのスポーツバージョンに与えられたグレード名でした。ですが、3代目インプレッサのマイナーチェンジ時にインプレッサの名前が外れてWRX STIと単独名に。その際、STIのほかに裾野を広げる国内専用車としてWRX S4が設定されました。
WRX STIとWRX S4の大まかな違いはパワートレイン。STIがEJ20型エンジンとマニュアルトランスミッションの組み合わせに対し、S4はFA20型エンジン搭載のCVTミッション。四駆の制御方式も異なります。エンジンは2リットル水平対向4気筒にツインスクロールターボの組み合わせ。最高出力300ps/5600rpm、最大トルク40.8kgf・m/2000-4800rpmと力強い動力性能を有します。エンジンの真上にインタークーラーを配するのは、SUBARUの伝統といったところ。ガソリンはハイオク指定で燃料タンクの容量は60リットル。WLTCモードで11.2km/リットルという燃費を誇ります。
WRX S4はほぼ毎年、何かしらの改良や変更を受けているモデル。直近では2020年7月に変更が行われました。今回の変更では、従来の「GT」「GT-S」グレードを廃止してSUBARUの「動的質感」と「静的質感」を高めたという最上級グレードSTI Sports EyeSightグレードに一本化。またWLTCモード燃費表記に対応しました。
ボディーは同社スポーツワゴンのレヴォーグとほぼ同等のサイズ。ボンネットのエアインテークがSUBARUらしさを印象付けています。STIエンブレム付サイドガーニッシュ、黒いトランクリップスポイラー、そして11本スポークのダークメタリックの18インチアルミホイールが、ボディーをきりっと引き締めます。
ミッションはスポーツリニアトロニックと呼ぶスポーツCVT。Dレンジでの走行中、ステアリングホイールの右側にあるSI-DRIVE「I」または「S」を選択時、アクセルを一定以上に踏み込むと、無段変速からスポーティな感覚を味わえるオートステップ切り替え制御。「S♯」選択時は8速クロスレシオのステップ変速制御とすることで、MT車のようなスポーティな加速とダイレクトな変速が愉しめます。多くのメーカーがスポーツモード切替をシフトレバー近傍に置く中、ステアリングホイール側に配置したのは使いやすくてイイと思います。
サスペンションはフロントがストラット式独立懸架、リアがダブルウィッシュボーン式独立懸架という組み合わせ。ビルシュタイン製ダンパーと相まって高い運動性能を約束しています。
インテリアはボルドーとブラックの組み合わせがオシャレ。シートはレカロ製で、レッドステッチとウルトラスエードの肌触りがスポーツ感と心地よさを両立させています。
インパネ周りを見ると、2つの指針式メーターの間にディスプレーが。前出のドライブモード切替をはじめとして、様々なインフォメーションが映し出されます。オプションのナビはパナソニック製。時折GPS精度に難を感じることもありましたが、総じて使いやすい印象を受けました。エアコンダクトを置いて上部にもインフォメーションディスプレーが設置されており、ナビ起動時には交差点の指示が表示されます。USBは1系統。面白いのはminiHDMI入力がケーブル付きで用意されていることです。
ステアリングホイールはスムースレザー製。国産車によくある左側に電話やオーディオ系操作、右側にクルーズコントロール系などを配置するレイアウト。クルーズコントロール系はハンドル支援と車間距離設定を独立して設定するタイプ。クルーズコントロールのボタンが握り手側に近く、それでいて小さいため押しづらく感じました。できればハンドル支援ボタンと位置を入れ替えてほしいです。
天井を見ると、車線逸脱警報などの設定スイッチを発見。この手のスイッチは、大抵運転席右側に置かれることが多いので、ちょっと驚きました。
リアシートもボルドーとブラックスエードの組み合わせ。運転席側ほどドアが大きく開かず、サイドシルが立っているためお年寄りが乗り降りする際は、ちょっと不満が出るかもしれません。ですが座ってしまえば、ミドルサイズセダンとしては足元が広くて快適です。
驚くべきは、ラゲッジスペースの奥行きの深さ。460リットルの大容量で、ゴルフバッグが4つ収納できるとか。さらに後席を倒せば収納力はアップ。この容積は、さすがツーリングワゴンの先駆者といったところでしょうか。
レヴォーグ乗りの武闘派スバリスト、今泉さんにステアリングを託して走行してもらいました。WRX S4の試乗経験はあるそうですが、STI Sportsは初めて。「結構ハンドルが重たいんですね。そのためか、しっかり感がとても強いです。足もセダンと思うとシッカリ硬め。とても私の好みです」とさすが武闘派。水平対向ボクサーエンジンも「とてもトルクフルで、どこからでも加速する感じ。しかもスムースなところが印象に残りました」と、こちらも「WRX S4のSTI Sports、とてもイイです!」と太鼓判。「オトナのスポーツセダンという印象を受けました。ヤンチャさとは異なるオトナの余裕みたいなところが、このクルマにはありますね」と好印象だったようです。
スバル新型レヴォーグの注目すべき技術チェック!エンジン編
この記事は2020年9月4日に有料配信したものを無料公開したものです。
スバルの新型レヴォーグは大きな注目を浴びている。この新型に投入された新技術は多種多様ですべての詳細情報が公表されているわけではない。今回は、新開発のCB18型エンジンにフォーカスを当ててみた。
新開発の水平対向4気筒リーンバーンエンジンの企画
スバルは約5年ほど前に、新世代のエンジンの開発に着手している。社会のトレンドを見据え、高い環境性能を狙い、同時にスバルとしての走りを支えるエンジンとして企画されている。
この新型エンジンは、従来のFB16型の後継エンジンとして、まったく白紙からの開発となったが、掲げられた目標はレギュラーガソリンで300Nmのトルクを確保しつつ、最高熱効率を40%程度にするというきわめて厳しいものであった。
もちろん他社ではすでにアトキンソン(ミラー)サイクルなどにより、最高熱効率は43%といったレベルが実現しているが、できるだけ小さい、つまりダウンサイジング・コンセプトの中で最大トルク300Nmという出力を狙うためには単純なミラーサイクルや、低摩擦化、冷却損失の低減だけでは達成不可能だ。熱効率を向上させるためには希薄燃焼(リーンバーン)と、トルクを生み出すためにはターボ過給が必須となった。
こうした開発目標の下で、従来の1.6Lでは最大トルクが目標に達しないため、新たに1800ccの排気量が決定し、希薄燃焼、ターボ過給を組み合わせて採用されることになった。
CB18型エンジンの基本スペック
CB18型は水平対向4気筒+ターボという新開発エンジンのスペックは、排気量1795cc、ボア・ストロークは80.6mm×88.0mmで、ボアピッチ(ボア間隔)は98.6mm。クランクシャフト長は315.9mmで、従来のFB16型よりエンジン全長が44mm短縮されているのが注目点だ。
従来のFB16型のボア・ストロークは超ロングストロークの78.8mm×82.0mmでボア・ストローク比は1.04であったが、CB18型のそれは1.09で、よりボア・ストローク比を増大。そまたFB型のボアピッチはEJ型系と同一の110mmであったが、これを大幅に切り詰めている。
エンジン全長を短縮するためにクランクシャフトのウェブ厚さが従来の2/3となり、極薄のクランクウェブになっている。薄さと強度を両立させるために最新の高周波焼き入れ法を採用しているという。このようにクランクウェブの厚さ、つまり重量を低減できるのは、2次振動の少ない水平対向エンジンならではの特長だ。
エンジン全長を短縮したことで、衝突安全におけるクラッシュストロークを増大させる役割もあるが、もうひとつは近い将来にトランスミッションとエンジンの間に円筒型モーターを装備するハイブリッド化への配慮もあると考えられる。現在のリニアトロニックCVTのトルコン部のスペース+44mmの厚さを考えると十分高出力なモーターを配置できるからだ。
CB18型エンジンは圧縮比10.4で、最高出力177ps/5200-5600rpm、最大トルク300Nm/1600-3600rpmで、最大トルクの特性はディーゼルエンジンとほぼ同じようになっている。最高許容回転数は6200rpmで、きわめて低速型エンジンになっており、動弁部のフリクションなどは大幅に低下されていることが推測できる。従来のFB16型ターボとの比較では、最高出力は+7ps、最大トルクはより低回転で+50Nmと性能向上が図られている。
CB18型エンジンは超小型のハネウェル・ギャレット製シングルスクロール・ターボ、吸排気カムシャフトの連続可変タイミング(AVCS)、水冷式EGR、シリンダーヘッド/シリンダーブロックの2系統冷却、可変容量オイルポンプを装備している。吸排気AVCSの採用で、部分的にはミラーサイクル運転も行なうと思われる。また2系統冷却は冷却損失を大幅に低減させるためである。2系統冷却は、通常はシリンダーヘッド部の燃焼室周辺のみに冷却水を流し、シリンダー部はできるだけ高温を維持し、高負荷時だけシリンダー部にも冷却水を流す方式だ。
注目点はシリンダーヘッド一体型の排気マニホールドを採用し、排ガスエネルギーをよりダイレクトにターボに導くようにしていることだ。水平対向エンジンでシリンダーヘッド一体型の排気マニホールドは、6気筒のEG33型(前期型)以来の採用となる。
また超小型ターボは、アイドリング回転数をわずかに上回る回転数から過給が得られるようなサイズとし、電子制御を採用し希薄燃焼を実現する手段としても使用されている。
リーンバーンの実現
最高熱効率を高めるためには希薄燃焼が必須である。そのためには、低負荷域では多量の空気(通常の燃焼の約2倍の空気量)が供給され、一方で負荷が高まるのにあわせて滑らかに理想空燃比での燃焼ができなければならない。
まず、CB18型では他社も含めて主流の燃焼室側面からの直噴インジェクターの配置から燃焼室中央部、点火プラグのすぐ近くから噴射するように変更されている。これは、希薄燃焼の時に、点火プラグ周辺だけに着火可能な少量の濃い目の燃料を噴射し、その火炎を希薄な空燃比の燃焼室で燃焼させるためには必須のレイアウトだ。
そしてこの中央配置の直噴インジェクターは350barと高圧の直噴システムを新採用し、着火とメイン噴射の2段噴射としている。CB18型は、負荷率40%以下で2400pm以下という範囲で空燃比30、つまり普通の燃焼時の2倍の空気を押し込んで燃焼させている。
このような軽負荷、かつ低回転時に迅速に確実に空気を送り込むために超小型ターボが作動している。同じ希薄燃焼を実現しているマツダのスカイアクティブXエンジンは、空気を送り込むためにスーパーチャージャーを使用するが、スバルの場合は超小型ターボにその役割を与えているわけだ。
このようなリーンバーン時にはスロットルバルブは全開で、ターボが過剰な空気を送り込んでおり、希薄燃焼と同時にポンピングロスも最小化されている。スバルはこうした希薄燃焼と高トルクを両立させるために、スカイアクティブXのような低温燃焼を実現するための大量のEGRを使用せず、限定的な使用となっている。スカイアクティブXは希薄燃焼と大量のEGRガスを使用することで低温燃焼を行ない、NOxの発生を抑えている。そのため通常の3元触媒のみで済ませることができている。
CB18型はそれほど低温燃焼とはしていないため、希薄燃焼から普通の燃焼に移行する段階で発生するNOxの対策としてNOX吸蔵触媒を装備している。
また高圧縮比のスカイアクティブXは、高負荷ゾーンに入るとミラーサイクル運転となるが、高トルクを狙うCB18型は高負荷域でミラーサイクルにならないように10.4という圧縮比を設定している。空燃比30といった希薄燃焼を実現するため、スカイアクティブXは希薄燃焼時には点火プラグで着火し、高圧縮比の状態で燃焼室内が圧縮自己着火を発生させて燃焼を行なっているが、CB18型は点火プラグで着火後は強い吸気タンブル流で燃焼を促進させていることも特長だ。
スバルは従来、TGV(タンブル・ジェネレート・バルブ)という吸気ポート部に開閉バルブを設置していたがCB18型はそれを廃止し、吸気ポート形状により強いタンブル流を発生させる方式にしている。その手段は高速の吸気流をポート部で絞り、吸気ポートの燃焼室入り口部で強い剥離流を発生させているものと考えられる。トヨタは強タンブル流とするために、吸気ポートにレーザークラッドバルブシート加工を施して突起物のような形状によって発生させているが、スバルではポート形状の最適化によって発生させていると説明している。
そして希薄燃焼から普通燃焼に移行する段階では、吸入空気量、バルブタイミング、燃焼噴射量を最適制御することで、滑らかに燃焼が移行することが実現している。
ちなみに希薄燃焼を2番目に採用した1.8LのCB18型と、世界初の量産希薄燃焼を実現したマツダの2.0LのスカイアクティブXとの比較は次のようになる。
なお世界に先駆けて希薄燃焼を実現したスカイアクティブXエンジンも、この新型CB18型も最高熱効率は公表されていないが、40%前後になっているのは間違いないだろう。
トヨタ「e-TNGA」概要発表、スバル「ヴォルティス」は兄弟車に!
トヨタは、スバルと新しいEV専用プラットフォームを共同開発していましたが、それをベースとした初の電動SUVに関する詳細を発表、同時にティザーイメージも公開しました。最新情報によると、ボディサイズは「RAV4」に近く、ホイールベースが長めで、オーバーハングが短いのが特徴といい、国内にZEVファクトリーで生産、今後数ヵ月以内に最終市販型をワールドプレミアすることを目指しているといいます。トヨタによると、新開発「e-TNGA」プラットフォームは、前輪、後輪、および四輪駆動に対応するよう設計されており、様々なセグメントのモデルやサイズのバッテリーと電気モーターをホスト可能になっているようです。今後e-TNGAは6つの新型モデルに採用予定で、SUVは最初の1台となり、残りのモデルはコンパクトクロスオーバー、大型セダン、そしてMPVなどが含まれる予定です。
また新型電動SUVは、噂のスバル「ヴォルティス」と兄弟モデルとなることが濃厚です。ヴォルティスは、2020年1月20日に開催された「SUBARU技術ミーティング」にて、世界初公開した「EVデザインスタディ」の市販型となります。
ヴォルティス市販型では、次世代EVパワートレインの搭載が予想され、最高出力は290ps以上、4WDが標準装備されると思われます。また大容量リチウムイオンバッテリーを搭載し、航続は500kmをめどに開発が進んでいる模様です。
先日は、レクサスが次世代電動システム「DIRECT4」も発表しており、2021年以降、トヨタ/レクサス、そしてスバルの電動モデルに大きな動きがみられそうです。
トヨタ/スバル共同開発のEV専用プラットフォーム、新型SUVに採用
トヨタは、スバルと新しいEV専用プラットフォームを共同開発していましたが、それをベースとした初の電動SUVに関する詳細を発表、同時にティザーイメージも公開しました。
スバル シフォン、スマアシの性能向上…カスタムには専用外装の新グレード設定
SUBARU(スバル)は12月8日、軽トールワゴン『シフォン』および『シフォン カスタム』を一部改良すると発表した。
今回の一部改良では、ステレオカメラを刷新した「スマートアシスト」を標準装備。衝突警報機能、衝突回避支援ブレーキの性能を高めたほか、新たに路側逸脱警報機能、ふらつき警報などを搭載し、安全性能を向上させた。さらに、ターボエンジン搭載のグレードでは全車速追従機能付アダプティブクルーズコントロールの作動速度域を拡大。長距離の走行でもドライバーの負荷をこれまで以上に軽減する。
また、シフォン カスタムに新グレード「Rリミテッド スマートアシスト」「RSリミテッド スマートアシスト」を設定。大型フロントグリル&バンパーガーニッシュやサイドガーニッシュを装備した専用の外装とし、RSリミテッド スマートアシストにはさらに専用デザインの15インチアルミホイールを採用した。
価格はシフォンが134万2000円から172万7000円、シフォン カスタムが174万9000円から206万2500円。なおシフォンは『タント』をベースとしたダイハツからのOEM供給モデルとなる。
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