イソライトが大幅高、半導体用工業炉向けセラミックファイバーで業績急拡大
神鋼商事は2023年度までの新中期計画で、米国の線材加工能力を増強する方針だ。線材二次加工拠点のグランブラン・プロセッシング(GBP)の熱処理能力を増強する。ショートタイムサイクル焼鈍炉(STC炉)を1基増設し、熱処理能力を1割増強する。軸受鋼伸線加工のエイケン・ワイヤ・プロセッシング(AWP)では伸線ラインを増設し、能力を約1・5倍に拡大する。北米の自動車の生産、販売は当面堅調とみており、日系およびローカル自動車部品向けに供給する製品の質、量を拡充する狙い。
アイシン-3日続伸 東邦ガスと工業炉バーナの水素燃焼技術に関する共同実証実験を開始
燃焼時に二酸化炭素を排出しない水素の工業炉バーナにおける燃焼技術の知見を獲得。同社は水素燃焼による製品への影響評価を、東邦ガスはバーナの設計・評価を主に担当し、2026年3月までに同社保有の工業炉バーナにおける実用化をめざすとしている。
テクノフレ、神林工場に新しい熱処理炉を導入
同社の神林工場では、ガス用のフレキシブル継手を製造している。ガス用のフレキシブル継手は、出荷数量の増加が見込まれるなか、熱処理炉の老朽化や処理能力においても限界を迎えていたことから、約9000万円を投じて新しい熱処理炉を導入した。新しい熱処理炉の導入で、処理能力は従来比で1.6倍となり、生産効率が向上したという。
15日の終値は、前日比6円安の1033円。
【決算速報】中外炉工業、21年03月通期経常上方修正黒字に。70.1%減益。
【一緒によく見られる銘柄】
戸田建設<1860>、熊谷組<1861>、浅沼組<1852>、南海辰村建設<1850>
イソライトの上げ足加速、半導体工業炉向けセラミックファイバー需要見込む
中外炉工業が2年ぶり2000円台、アンモニア燃焼技術に着目
熱処理の技術革新はこうして進む。埼玉・川越の若きエンジニアたちの挑戦
オリエンタルエンヂニアリングは、熱処理設備の製造・販売を中心に、熱処理やコーティングの受託加工も手がける表面熱処理技術の総合メーカーだ。熱処理やコーティングに用いる装置をすべて自社開発しており、装置メーカーとユーザーの視点を併せもつことで、付加価値の高い技術を提供している。
同社の研究開発部に所属する小松元是さんと清野裕太さんは、受託加工のための新しい熱処理手法の開発や新規設備の立上げに携わっている。機械部品や金型の高機能化が求められる中、熱処理やコーティングの分野でもスピーディな技術開発で顧客ニーズに応えていく姿勢が欠かせない。現場で働くスタッフと連携しながら、それぞれの開発テーマに取り組む2 人を取材した。
同社は熱処理加工から事業をスタートし、熱処理設備そのものの製造に領域を広げていった。70 年近い歴史の中で独創性のあるさまざまな設備を開発しており、1967 年には滴注式ガス浸炭窒化炉「UNIC」が日刊工業新聞社の十大新製品賞を受賞。その後も、光輝熱処理炉「SPERIA」や、プラズマCVD(化学蒸着)法による金型へのコーティング技術などが高い評価を受けてきた。
現在は、熱処理設備の製造・販売・補修を行う設備事業が売上げの7 割を占め、受託加工と合わせて年間約60 億円を売り上げている。同社では伸びしろのある受託加工の受注拡大に力を入れており、2017 年に稼働した川越第二工場(埼玉県川越市、別名「ハイテクセンター」)に最新の熱処理設備やプラズマCVD 装置のほか、FE-SEM(電界放出型電子顕微鏡)やXRD(X 線回折装置)など高度な分析装置を導入。新しい量産手法の開発を進めている。そこで中心的な役割を果たしているのが2011年に入社した小松さんと清野さんである。
独自技術に惹かれて入社
小松さんは、秋田大学理工学部で超硬合金の材料開発を研究テーマに選んだ縁で、金型や切削工具、その周辺技術に興味をもった。就職活動中、同社が手がける金型向けのプラズマCVD 技術に着目。担当教官の「優れた技術をもつ良い会社」とのお墨付きもあり入社を決めたという。
開発部門を希望したが、半年間の新人研修を終えて配属されたのは受託加工を担う加工部門だった。熱処理に使う炉を現場で操作するオペレーターとして1 年間、夏は40℃ を超える過酷な現場で24 時間の3 交代勤務に就いた。その後さらに1 年間、設備部門で顧客に納入した熱処理設備の補修・メンテナンスに携わった。
最初の希望とは違ったものの、「体力があったので意外と楽しく働けた」と小松さんは振り返る。また、現場を2 年間経験したことは研究開発部での現在の業務にも役立っているという。「以前の上司は、口を酸っぱくして『量産を想定した研究・開発を行え』と説いていた。実験設備で良い結果が出ても、量産で使えなければ意味がない。現場を経験させてもらったからこそ、『量産段階で何が問題になるのか』を想像する力が身についた」(小松さん)。
清野さんも同社の技術力に魅力を感じて入社した一人だ。高等専門学校から千葉大学工学部に進学。高専時代の担当教官が亜鉛ダイカストの研究をしており、ダイカスト金型に施すことで離型剤を削減できるプラズマCVD 処理を開発した同社の評判を耳にして、「こんな会社があるのか」と興味をもった。
新人研修後すぐ研究開発部に配属となり5 年間、仕事や外部の講習会を通じて熱処理を学んだ。大学では環境工学を専攻し、熱力学の知識はあるものの熱処理についてはほぼ素人だったので、基礎から学べたことはありがたかったという。そんな清野さんが「すごく勉強になった」と語るのが、研究開発部の次に配属された設備部門での経験だ。同社では、顧客に熱処理設備を納入した後も、必要に応じて補修やメンテナンスを行っており、清野さんはエンジニアとしてこれに携わった。補修やメンテナンスは顧客の工場に短期出張して行う。中でも炉を解体して再構築するオーバーホールは1 カ月以上かかる大仕事。レンガを積む築炉工などベテラン職人らに指示を出しながら、清野さん自身も汗を流した。「指示を出す立場ではあったが、反対に教えられることが多かった」(清野さん)。2017 年に研究開発部に戻ってからも、設備部門から声がかかれば国内外を問わずサポートに入る。
研究開発部で働く今、2 人は現場とのコミュニケーションを重視している。「研究・開発に携わっていると現場のスタッフに協力を仰ぐことが多い。そのために良い人間関係を築くことが大事だし、『受注状況はどうなのか』、『どんな課題を抱えているのか』など現場の状況を把握しておくことも欠かせない」と小松さん。清野さんも、「研究開発部は上司を含めて3 人の部署なのでどうしても視野が狭くなりがち。以前の上司の口癖だった『謙虚な気持ちで、素直に』を心がけて、現場のスタッフから常に教わる気持ちでいたい」と話す。
熱処理の性能向上に挑戦
少数精鋭の研究開発部では、各人がそれぞれテーマをもって業務にあたっている。小松さんが目下奮闘しているのが真空浸炭処理のプロセス開発である。
真空浸炭は、定圧に保持しかつ雰囲気制御した炉の中でワークの表面に活性炭素を浸透させる熱処理の一種で、部品や金型に耐摩耗性や高靱性を付与できる。一方、「セメンタイト」と呼ばれる組織の析出をいかに抑えるかが課題となっている。セメンタイトはワーク中に炭素が過剰に入り込むことで析出し、その部分が脆くなるため破壊の起点となりやすい。真空浸炭では90°以下の鋭角部分にセメンタイトができやすいことが知られており、処理するワークの形状を制限せざるを得ない。そこで小松さんは、炉に取りつけたセンサから得られる情報をもとに、処理条件を変えながらセメンタイトが析出しにくいプロセスを確立しようと取り組んでいる。「セメンタイトをゼロにするのは原理的に難しいが、少しでも抑えられるよう粘り強くトライしていきたい」(小松さん)。
2020 年に川越第二工場に新設された最新の真空浸炭炉には、同社が特許をもつ熱伝導式の水素センサが設置されている。センサを使って炭素量を常に監視することで、処理品表面を狙った炭素量にすることができ、顧客の用途に応じたきめ細かい処理を可能にした。また、熱処理後の硬さや浸炭する深さのばらつきを表す工程能力指数(Cpk)が高いのも特徴で、通常1.33 以上で合格とされるところを川越第二工場の設備では1.8 や2.0 といった数値を出している。これらが評価され、同社ではハイブリッド車用部品の真空浸炭処理を受注しており、今後は真空浸炭炉の増設も予定する。小松さんの取り組むプロセス開発で付加価値をさらに高められれば、顧客への強力なアプローチ材料になる。
金型向け処理工程を改善
清野さんが取り組むのは、ダイカスト金型や温・熱間鍛造金型に使われる「ブラックパールナイト」の工程改善だ。ブラックパールナイトはガス軟窒化処理と酸化処理を組み合わせた同社独自の技術で、金型に耐溶損性、耐焼付き性を付与できるだけでなく低温処理のため処理後の変形や寸法変化がないのが特徴。また、真空浸炭炉でも活躍している水素センサを用いて窒素濃度をコントロールし、耐溶損性を向上させる場合は窒素濃度を高めに、ヒートクラック対策には窒素濃度を低めに設定するといった微調整ができるのも強みである。
ブラックパールナイトはガス軟窒化処理と酸化処理の2 つの工程からなる。清野さんは、川越第二工場にある一室型の真空窒化炉を使ってさらなる工程改善を図っている。「一室型での量産が実現すれば、処理時間の短縮や炉の設置スペース削減といったメリットが見込める」と清野さん。技術上の課題はクリアしており、テストピースにブラックパールナイトを施して耐久試験をしている段階。一室型の真空窒化炉は設備販売も予定しており、すでに顧客からの引合いがあるという。
技術やノウハウの伝承が課題
それぞれの開発テーマに加えて、小松さんと清野さんが共通の課題として捉えているのが技術やノウハウの伝承だ。40 代の中堅社員が少なく、50 代、60 代のベテラン勢と小松さんや清野さんら30 代との知識・能力の差が大きい。特に熱処理設備は20年、30 年と長期にわたって使うため、ベテラン社員の経験が役立つシーンが多いのだという。「補修・メンテナンスの現場では、『あのときは、こうしたら直った』という30 年前の知識が役立つことが本当にある。今のうちにベテランの話を聞いて、自分たちで若手に伝える努力をしないと会社の存続にかかわる問題になる」と清野さんは気を引き締める。
個々の社員がもつ知識やノウハウをデータベース化していくことも求められている。受託加工を担当するベテラン社員であれば、浸炭処理や窒化処理でどのように条件を改善すれば性能が上がるのかの知見があり、改善のための判断も早い。小松さんも「プラズマCVD に詳しい技術者はどんどん退職する。自分が入社したきっかけはプラズマCVD の技術に惹かれたから。先輩に聞けるうちにもっと勉強して、新膜の開発につなげられるような知識を身につけたい」と話す。
上司やベテラン社員がお手本
受託加工の拡大を目指す同社が技術開発の要となる研究開発部に寄せる期待は大きい。2 人もそれに応えようと将来像をしっかりと見据えている。
小松さんは、「お客さまが求める技術を迅速に提供できる技術者になりたい」と語る。量産に耐え得る技術を開発するためにも、「現場を知ることと自分の手を動かして実験すること」を大事にしたいという。清野さんは「社内でマルチに活躍できる人間」が目標だ。開発業務だけでなく新規設備の量産立上げも任せられており、「何かあったときに頼られる人になれれば」と意気込む。
「上司や現場のベテラン社員がお手本」と話す2人。周囲の豊富な知見を貪欲に吸収しながら、技術者としてのさらなるレベルアップを目指している。
会社概要オリエンタルエンヂニアリング株式会社
所在地:東京都荒川区西日暮里2-25-1
電話番号:03-3802-4311
代表取締役社長:小﨑一雄
資本金:80,000,000円
設立:1952年
従業員数:170人
事業内容:熱処理設備の設計・製造・販売、熱処理加工、コーティング加工
2次元設計からの3D化に向け、熱処理設備メーカーが3D CADソフトを導入
富士通九州システムズは2020年12月9日、同社が提供する3D CADソフトウェア「FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINA 設計製造支援 iCAD SX」を高砂工業が導入したと発表した。
高砂工業は、熱処理設備とシステムの専門メーカー。世界40カ国以上に工業炉や真空炉を供給している。中でも工業炉は、顧客ごとに要望が異なるオーダーメイドが多く、品質を維持しつつ設計業務を効率化するため、3D CAD化を推進していた。
3D CAD導入を推進、3次元設計が設計者の基本スキルに
今回、iCAD SXを導入したことで、迅速かつワンタッチで3Dモデルの組立図、寸法線、図面展開の作成が可能になった。また、キルン(炉)の組立図作成に必要な部品データについても、富士通九州システムズが機械部品約2万点の標準3Dモデルを受託作成している。これにより、配管の干渉が見えやすくなるなど、設計の不具合や作り直しのムダが減少。この3D設計データを使用できる3Dレーザー加工機も新たに導入し、納期短縮につなげた。
2次元設計から3D化へ転換するこの取り組みにより、3D設計が設計技術者の基本スキルとして定着。技術、製造両部門でミスを削減し、生産性が向上したという。加えて、紙図面の作成はオペレーターが担当する分業体制の構築、若手の設計技術者による3D設計の活用法考案など、業務負担の軽減、技術の醸成、人材育成などにも結び付いている。
現在、自動設計化や熱流体、構造解析シミュレーションへの活用、部品の共通化、在庫のムダ削減への取り組みも進めている。さらに今後、製造現場での本格導入、営業提案のプレゼンテーションやアフターメンテナンスの運用マニュアルなど、DXツールとしての活用なども進めるとしている。
超コンパクトモジュール型ハイブリッド熱処理炉「EC Hybrid Ⅱ」の開発~ハイブリッド連続式熱風循環炉として世界最小クラスのコンパクト化と約6割の省エネを実現~
2020年10月27日
中部電力株式会社
株式会社エコム
中部電力株式会社(所在地:名古屋市東区、代表取締役社長:林 欣吾)と株式会社エコム(所在地:浜松市北区、代表取締役社長:高梨 智志)は、昨年10月に開発したコンパクトモジュール型ハイブリッド熱処理炉「EC Hybrid Ⅰ」の改良版となる超コンパクトモジュール型ハイブリッド熱処理炉「EC Hybrid Ⅱ」(以下「開発品」)を共同で開発し、11月2日より販売を開始します。
自動車部品等の製造工場では、アルミ等の金属部品の強度や硬度等の性質向上を目的に、熱処理が行われています。従来、大型のガス式熱風循環型熱処理炉の使用が一般的でしたが、昨年開発した「EC Hybrid Ⅰ」では、電気・ガスのハイブリッド化や風速制御等により、従来比約5割の省エネ、コンパクト化、多品種少量生産に対応できるモジュール化を実現しました。
この新たな熱処理方式を提案する中で、デマンドレスポンスへの対応など、熱処理の操業中においても、熱源となる電気・ガスの相互切替が可能なシステムへのニーズが高まってきたほか、更なる省エネとコンパクト化、昇温工程の時間短縮のニーズがあることが分かりました。
開発品では、熱交換器とガスバーナを一体化した排熱回収バーナを新たに採用することでコンパクト化を実現するとともに、電気ヒータと排熱回収バーナを別々に設置したことで操業中の相互切替が可能となりました。また、排熱回収バーナでの局所燃焼抑制技術による循環熱風の更なる高温化で、昇温工程の省エネと時間短縮を実現しました。さらに、制御盤と燃焼系の計器・バルブを同一面から監視、点検できるよう配置を最適化し、モジュール間の点検スペースが不要となったことで大幅な省スペース化を実現しました。
これにより従来比7割以上のコンパクト化と約6割の省エネを達成するとともに、昇温工程では約4割の時間短縮を実現しました。
今後、熱処理炉を保有するお客さまに開発品を提案していくことにより、柔軟な生産体制に加え、工場の省エネルギー化・省スペース化の構築に貢献してまいります。
中部電力株式会社
株式会社エコム
従来のガス式熱風循環型熱処理炉
EC Hybrid Ⅱ
アルミ部品の熱処理工程
1 融点未満に加熱し、合金元素を均一化
2 急速に冷却し、時効炉へ搬入
3 低温で保持し、強度と硬度を増大
4 冷却し、加工や組付等の次行程へ
2 急速に冷却し、時効炉へ搬入
3 低温で保持し、強度と硬度を増大
4 冷却し、加工や組付等の次行程へ
設置容積
省エネルギー
昇温工程の時間短縮
【仕様】
外観(2炉連結)
設備構成
制御温度
最高590℃
風速
最大50m/s
出力
ガス(13A) 60kW 電気 20kW
本体寸法
W1,300mm×L2,300mm×H2,500mm
参考価格
1,000万円(1台あたり)(注)
(注)複数台を連結して販売予定
以上
制御温度
最高590℃
風速
最大50m/s
出力
ガス(13A) 60kW 電気 20kW
本体寸法
W1,300mm×L2,300mm×H2,500mm
参考価格
1,000万円(1台あたり)(注)
ノリタケ、リチウム電池電極のガス焼成炉 東京ガスと
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島津製作所、コロナ対策など科学技術力強化で7期連続の増収増益を目指す
島津製作所は3月4日、「新型コロナウイルス遺伝子検出試薬キット」の開発に着手したと発表した。従来のPCR法による新型ウイルスの検出では、鼻、のどから検体を採取してRNAを抽出・精製する工程が必要だが、この試薬キットはRNA精製が不要なため、検査の省力化や迅速化に貢献できるという。月産数万検査分の供給体制の早期確立を目指していく。島津製作所は教育用理化学器械製造を目指して、1875年に島津源蔵により創業された。1877年の内国勧業博覧会で内務卿大久保利通から褒状を受け、国内初の有人気球の飛行に成功し、140年以上にわたり革新的な製品・サービスを創出してきた。
2019年3月期の売上高は3,912億円。事業別の構成比は企業の研究開発・品質管理に貢献する分析機器とモノづくりを製品検査、品質管理でサポートする計測機器が61.7%、医療システムなどを提供する医用機器が17.7%、高精度な装置や機器でモノづくり産業の発展に寄与する産業機器が11.6%、安全・快適な運行を実現する航空機器が7.0%、その他が2%を占める島津の動きを見ていこう。
■前期(2019年3月期)実績
前期売上高は3,912億円(前年比3.9%増)、営業利益は前年よりも17億円増の445億円(同4.0%増)で6期連続の増収増益となった。
営業利益増加の要因としては、北米、欧州、中国の受託分析向け質量分析システム、環境対策強化による中国向け観測計測機器の好調により計測で17億円、眞空熱処理炉と油圧機器の伸長で産業が4億円、全社調整その他で3億円の増益であった。一方、X線撮影システムが北米と国産優遇の中国で減少したことにより医用で4億円、前期防衛機器の一括納品の反動減で航空が4億円の減益であった。
■中期経営計画(2018年3月期~2020年3月期)による今期推進戦略
「人の健康」「安心・安全な社会」「産業の発展」の領域で、科学技術力による事業拡大と企業価値向上により、今期売上高3,950億円(同1.0%増)、営業利益450億円(同1.1%増)と7期連続の増収増益を目指して、次の戦略を推進する。
1. ヘルスケア、インフラ、マテリアル、環境/エネルギーを重点成長分野として、新製品開発、新事業開発へ優先投資。
2. IOT・AIを活用したサービス事業強化と試薬・消耗品ラインアップによるアフターマーケット事業の拡大、不採算事業の再建・見直しによる収益力強化。
3. 事業別の推進
・計測は売上高2,450億円、営業利益395億円(2020年3月期、以下同): 質量分析計、液体クロマトグラフは新製品開発によるラインアップ拡充とアフターマーケット事業の拡大。
・医用は売上高700億円、営業利益27億円: 専門医療機関と連携したアドバンストヘルスケア事業の拡大、治療機種を中心に製品ラインアップ拡充と海外事業、サービス事業拡大による収益改善。
・産業は売上高440億円、営業利益37億円: 磁気浮上型ターボ分子ポンプの充実で世界No.1シェアを目指し、サービス事業拡大。
・航空は売上高295億円、営業利益8億円: 民間、防衛事業の見直しによる安定的な黒字体質再構築。
・全社調整その他は売上高65億円、営業利益-17億円。
WHOがパンデミックを表明。米国では非常事態を宣言し、スーパーや薬局などでのドライブスルー検査など1カ月で500万件の検査を可能にすると発表した。国民の健康を第一に考えれば日本でも医療現場に密着した検査体制の確立が急務であり、島津製作所検査キットの活躍に期待したい。(記事:市浩只義
火葬場を疑似見学 宮本工業所黒部工場、大型3面スクリーン活用工業炉・火葬炉製造の宮本工業所(富山市奥田新町、宮本芳樹社長)は、黒部工場(黒部市犬山)の敷地内に、3面スクリーンで火葬場見学を疑似体験できる営業拠点「MiBOX(エムアイボックス)」を新設した。
・計測は売上高2,450億円、営業利益395億円(2020年3月期、以下同): 質量分析計、液体クロマトグラフは新製品開発によるラインアップ拡充とアフターマーケット事業の拡大。
中外炉工業が急反発、2Q純利益を6.1億円に大幅上方修正
工業炉トップの中外炉工業(1964)が買われて4営業日ぶりに急反発。午前9時49分現在では前週末比167円(10.0%)高の1842円で取引されている。 1日の引け後に今2020年3月期の第2四半期累計(19年4~9月期)連結業績予想の大幅な上方修正を発表しており、これを評価する買い注文が朝方から流入した。売上高は従来の150億円から176億6200万円(前年同期比19.6%増)、純利益も5000万円から6億1600万円(前年同期は2000万円の赤字)にそれぞれ増額した。手持ち工事の進捗が予想以上に進んだという。8月上旬の第1四半期決算段階で売上高360億円(前期比2.9%減)、当期純利益9億円(同19.2%増)などとしていた通期予想については現在精査中で改めて公表するとしているが、上期が大きく上振れたことで通期も予想を大幅に上回るという期待感が強まっている。
大雨で油流出、佐賀鉄工所社長が県に謝罪
日本冶金工業、高効率電気炉を導入 川崎製造所
<佐賀豪雨>油流出の佐賀鉄工所、熱処理炉が一部運転再開
アルミ熱処理で新工場 光陽産業10月稼働
鋼材製造の光陽産業(笠岡市新賀)は、アルミの熱処理を手掛ける新工場を本社工場内に整備した。
愛知製鋼、知多に新熱処理炉導入
中外炉工業、ゴミ舞わない熱風炉 有機EL向け低コスト
中外炉工業は有機ELパネルの生産で用いる基板に塗布したポリイミド樹脂の乾燥炉を開発した。乾燥工程で熱風を出して乾かす際、歩留まり低下の要因となるゴミが発生しないような独自構造を施した。
穴織カーボン、独SGLから千葉の工場取得
黒鉛を切削加工する穴織カーボン(大阪府茨木市)はドイツの同業大手、SGLカーボンから成田工場(千葉県匝瑳市)を取得した。関東や東北の顧客開拓が狙いで、2023年12月期までに売上高を50億円と18年の2.5倍に増やす目標だ。
工場建屋を借りる権利や生産設備を譲り受ける。他社から調達した黒鉛素材を削って工業炉のトレーなどを生産する。全体の生産能力は1割増える。取得額は約1500万円。
エコム、3Dデータ使い販路開拓 VRで技術体験
2019/7/26 19:04
東邦ガス、ガスバーナーの空気比見える化 燃焼状態監視システム
【名古屋】東邦ガスは熱処理やアルミニウム溶解などに用いる工業炉向けガスバーナーの燃焼時の空気量の理論的必要量との差を計測して燃焼状態を監視するシステム「空気比見える化システム」を開発した。
キングパーツ、工場新設 ロストワックス鋳造工程、生産能力1割増
大同特殊鋼「星崎」を増強
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